JP3840918B2 - 送り装置及びレーザビームレコーダ - Google Patents

送り装置及びレーザビームレコーダ Download PDF

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    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70691Handling of masks or workpieces
    • G03F7/70716Stages

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体や液晶用のステッパー方式の露光装置に用いる高精度の送りが要求される移動ステージの送り装置と、光ディスクの原盤を作製するマスタリング工程で使われるレーザビームレコーダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
DVDなどの光ディスクはサブミクロンのトラックピッチで小さなピットと呼ばれる信号が螺旋状に記録されている。その原盤をレーザで記録する装置は一般にレーザビームレコーダと呼ばれており、ナノメータ単位の送り精度でステージを移動させ、ステージ上の記録レンズによって、回転する原盤に塗布されたレジスト層を露光して信号を書き込むものである。記録レンズはレーザビームをサブミクロンの大きさに絞り、回転する原盤上に焦点を結ぶように制御されている。原盤が1回転する間にステージが進む距離が信号トラックのトラックピッチになり、CDでは1.6ミクロン、DVDでは0.74ミクロンである。さらに高密度の光ディスクではますますトラックピッチは小さくなる。DVDではトラックピッチの変動許容値は±0.03ミクロン以下と決められている。次世代の高密度ディスクではその許容値はさらに厳しくなり、トラックピッチが0.4ミクロン以下では変動のばらつき幅は標準偏差σで3ナノメータ程度が要求される。
【0003】
トラックピッチに変動を与える要因としては、外部振動、ステージの速度制御むら、原盤回転軸の非同期ふれ、記録ビームの光軸変動などが考えられる。それらの中で大きな要因は外部振動とステージの送り制御むらであった。
【0004】
外部振動については、記録装置全体を空気除振台の上に設置し、床から伝わってくる振動を除去することが一般に行われている。ステージの送りむらを極力なくすためには、接触抵抗のない静圧空気軸受けをガイドにしたステージを用い、ステージに取りつけた高分解能の位置計測手段からの位置情報を基に、ステージに取り付けられた非接触のリニアモータを比例積分微分制御方法であるPID制御で駆動することが行われてきた。図3に従来例のレーザビームレコーダを示す。
【0005】
図3において、108は空気により振動を除去する除振台で、除振台108の基台上にレーザ発振器101、一点鎖線で省略して示されている固定光学系105、回転駆動部102、ステージ106をガイドするステージガイド103が設置されている。除振台108の固有振動数は2〜3Hz付近にあり、その√2倍以上の周波数の振動に対して除振効果がある。このステージ106の上には移動光学系が搭載されているが、図中では記録レンズ104のみが示されている。レーザ発振器101から出射されたレーザビームは図中の一点鎖線のように進み、記録レンズ104に到達する。ここでは示していないが、固定光学系105でビームは最適な径に整形され、記録すべき信号に従って変調されている。記録レンズ104を出たビームはサブミクロンの大きさに絞られ、回転駆動系102のターンテーブル上に載置された原盤107の表面に焦点を結ぶようにフォーカス制御される。原盤107の表面にはレーザビームで感光するフォトレジストが塗布されている。
【0006】
また図3には示されてないが、外乱によるステージの位置変動を抑えるために、ステージに機械的なダンピングをかけることが行われてきた。前述したような静圧空気軸受けのガイドはスティックスリップのような送り抵抗変動はないが、送り方向の剛性がないために、外乱振動によって送りむらを生じやすい。それを無くすために、シリコングリースなどの高粘度のダンピング部材をステージ可動部に絡ませて送り方向に抵抗を与えるなどの方法が採られていた。
【0007】
また図示されないが、ステージ106の下側にはリニアモータが設けられており、空気軸受け支持されたステージ106をPID制御で駆動していた。
【0008】
図4にPID制御のブロックダイアグラムを示す。図4において201は位置計測器でボイスコイルモータ109により駆動されるステージ106の位置を計測し、パルス列または正弦波で位置情報を出力する。202は位置制御部で位置計測器201の出力をカウントし、位置指令とカウントした値の偏差より速度指令を算出する。203は速度制御部で、位置制御部202で算出した指令と前記カウント値の差分を取って算出した速度との偏差を求め、電流アンプ204に対する指令を算出し、指令を与える。電流アンプ204はボイスコイルモータ109に速度制御部203により与えられた指令の電流を流すようにモータへの印加電圧を制御する。モータの制御特性は位置制御部202および速度制御部203に含まれるパラメータにより調整している。
【0009】
上記構成でのステージの送りむらはDVDのトラックピッチ0.74μmにおいて標準偏差σで5〜6nm程度であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなレーザビームレコーダでは床からの振動はかなり除去できるが、空気除振台108の上にある振動源には防振効果がない。レーザ発振器としてはアルゴンレーザやクリプトンレーザなどが一般的に使われるが、これらのガスレーザは冷却水を流してレーザチューブを冷却する構成になっている。その冷却水の脈動が空気除振台上の装置基台を通じてステージ駆動系に伝わりステージの送り速度むらの原因になっていた。特に空気軸受けガイドでは送り方向の機械的剛性がないためその外乱によるピッチむらは無視できない値になっていた。
【0011】
またステージにダンピングを与える方法としてシリコングリースなどの高粘性流体を用いてステージの動きに抵抗を与える方法は、信号記録時のステージ低速移動時にはあまり効果がなく、逆にステージを記録位置に移動させる早送り時にその抵抗が大きくなって移動時間がかかりすぎるなどの問題があった。
【0012】
本発明者は、従来のレーザビームレコーダに対しより高精度の送りを得るために従来のPID制御に加え、ステージに加わる外乱力によるステージ移動の変動誤差を推定して補償する外乱オブザーバ制御を採用した。図2にそのブロックダイアグラムを示す。
【0013】
図2は図4のPID制御にステージに加わる外乱力を検出する外乱オブザーバ205を追加した形となっている。8は位置計測器でボイスコイルモータ3により駆動されるステージ1の位置を計測し、パルス列または正弦波で位置情報を出力する。外乱オブザーバ205は電流アンプ204への指令と位置計測器201の出力からボイスコイルモータ3にかかる外乱力を演算により推定する。オブザーバの構成は特性や演算量に応じて同一次元オブザーバ、最小次元オブザーバ等で構成し、外乱力の推定の特性を内部のパラメータで調整している。推定した外乱力を解消する指令を電流アンプ204の指令に加えることで外乱力の影響を補償している。
【0014】
この外乱オブザーバ制御を採用した結果、ステージの送り精度は少し改善されたが、目標である標準偏差σで3nmには至らなかった。その原因を図5に示す。
【0015】
図5は、図3に示した一般的なレーザビームレコーダの送り機構の平面図である。図5においてガイドバー103に沿ってステージ106が矢印方向に移動する。ステージ106の下には点線で示すボイスコイルモータ109があり、これがステージ106を駆動させる。104はステージ106上に取り付けられた記録レンズである。ステージ106の右側にはステージ106の位置計測のためのスケール112が取り付けられている。基台に固定された読み取りヘッド113でステージ106の位置が読み取られる。
【0016】
ステージ106の左側にはダンパーロッド111が取り付けられている。ダンパーロッド111は基台に固定されたダンパーシリンダー110の中に挿入され、その先端部にピストンを有している。ダンパーシリンダー110の中にはシリコングリースなどの粘性流体が入っておりダンパーロッド111の先端のピストンの動きに抵抗を与える。図のGはステージ106の重心を表し、駆動点であるボイスコイルモータ109の中心からLAの距離、ダンパーシリンダー110の中心からはLB、記録レンズ104からはLCの距離だけ離れている。またスケール112と記録レンズ104はLDだけ離れている。いまここで、外乱オブザーバー制御によりボイスモータ109に位置補償のための駆動電流が流れステージ106にFの力が作用したとする。力Fの立ち上がり速度がステージ106の持つ振動系の1次共振周波数より十分早い場合、ステージ106の重心Gとボイスコイルモータ109の駆動点が同一直線上にないため、重心Gとボイスコイルモータ109の駆動点の距離をLAとすると、F×LAのモーメントが重心Gのまわりに働く。ここで言う1次共振とはステージの質量とダンパーのばね成分で決定される共振である。同時にダンパーシリンダー110によりステージ106の動きを制限する向きに抵抗力Rが働き、ステージ106の重心Gとダンパーシリンダー110の軸心の距離をLBとすると、R×LBのモーメントがF×LAのモーメントの逆向きに作用する。結果としてステージ106にはM=(F×LA)+(R×LB)のモーメントが働き、記録レンズ104は重心Gの周りに弧を描くように変位する。抵抗力Rは変位速度に比例するので、力Fの大きさが同じでもモーメントMは異なる値をとる。つまり同じ指令値であっても速度により記録レンズ104の変位する値がその都度異なることになり結果として正しく制御されないことになる。また、その時の変位角度をθ、ステージ106の重心Gと記録レンズ104の中心の距離をLC、記録レンズ104の中心とスケール112の軸心の距離をLDとすると、記録レンズ104の位置ではLC×θ変位し、スケール112は逆向きに(LD−LC)×θだけ変位する。つまり外乱オブザーバー制御で補償されるのはスケール112の位置であるため、記録レンズ104のところではまったく異なった位置補正がなされることになる。このためステージの送り精度は、目標である標準偏差σで3nm以下には至らなかった。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の問題点を解決するために本発明の請求項1に記載の送り装置は、ステージと、前記ステージの重心上に駆動力が伝達するように前記ステージの下に配置されたステージの駆動部と、前記ステージに配置されたスケールと前記スケールを検出し前記ステージの位置を計測するヘッド部から構成された計測部と、前記スケールの移動方向の延長線上に加工点が配置され、かつ、前記駆動部と一定間隔設けて配置された位置計測対象部と、前記ステージに発生する外乱力を検出し外乱力を解消する力を前記ステージに与え前記ステージを駆動する制御部とを設けたことを特徴とする。
【0018】
また、制御部は、前記計測部により測定した前記ステージの位置と前記ステージの駆動指令値とから前記外乱力を推定する機能も併せ持ってもよい。
【0019】
また、位置計測対象部がレンズであってもよい。
【0020】
さらに、本発明の請求項4に記載のレーザビームレコーダは、請求項3に記載の送り装置と、除振台と、前記除振台に載置したレーザ発振機と、前記除振台に載置し原盤を回転する回転駆動部と、前記レーザ発振機から出射したレーザ光を前記レンズに導く光学系とにより構成し、前記外乱力に応じステージを駆動する前記制御部の応答周波数が前記レーザ発振機から発生する周波数より大きいことを特徴とする。
【0021】
請求項1に記載の発明では、PID制御に変わって外乱オブザーバ制御をステージの送りに用いた場合でも、その外乱オブザーバが理想的に作用し、高精度の送りが可能な構成の送りステージ装置が実現できる。
【0022】
また、請求項4に記載の発明では、空気除振台では除ききれないレーザ冷却水などの外乱を有するレーザビームレコーダにおいても高精度のトラックピッチを実現できる新しい構成のレーザビームレコーダが実現できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の実施の形態を示す。図1において、(a)と(c)は本発明の送り装置の側面図、(b)は本発明の送り装置の平面図である。ステージ1の下側中央のステージ重心付近にはステージ1の駆動部であるボイスコイルモータ3がある。このボイスコイルモータ3の原理を説明すると、まず駆動子であるボイスコイル3aがステージ1の中央付近下に取りつけられていて、装置ベース21に固定された中心ヨーク5がボイスコイル3aを貫通している。中心ヨーク5は同じく装置ベース21に固定された左右のヨーク6a、6bと両端部で連結されていて、ヨーク6a、6bに固定された永久磁石4a、4bの磁束を通す磁気回路を形成している。磁石4a,4bと中心ヨーク5が形成する磁気空隙中をボイスコイル3aが移動可能になっている。そこでボイスコイル3aに電流を流すと、フレミングの左手の法則に従って図1の紙面に垂直な方向にボイスコイル3aつまりステージ1が移動する。
【0024】
ヨーク6aの外側には位置計測部8が設けられている。位置計測部8は測定子であるスケール固定台7に固定されたスケール8aと装置ベース21上のステージベース13に固定されたヘッド部8bからなり、ステージ1の移動に伴って変化する位置情報を与える。図1(b)の平面図において、位置計測部8の延長線上と、駆動点である前記ボイスコイル3aの中心の延長線上の間で、ステージ1の先端部に位置計測対象部である記録レンズユニット2が取りつけられている。記録レンズユニット2は記録レンズと記録レンズの焦点が常に回転駆動部19によって回転している原盤18上に結ぶように記録レンズを追従させるアクチュエータから成っている。位置計測部と記録レンズは同一線上に配置してもよい。位置計測部と記録レンズが同一直線上にあるのはアッベの法則による誤差を最小限にするためである。
【0025】
位置計測部8の反対側にステージ1を水平方向に位置規制する水平方向ガイドが設けられている。水平方向ガイドは位置計測部と同じ側に配置してもよい。水平方向ガイドはステージベース13に取りつけられた平行ガイド9と、平行ガイド9を挟み込むようにステージ1に取りつけられた軸受けブロック10,11から成っている。図示されないが、軸受けブロック10および11は平行ガイド9と対向する面にオリフィスなどの空気軸受け形成部を有していて、平行ガイド9との間に空気軸受けを形成する(矢印部)。本発明の構成は、ステージ1の重心と駆動点がほぼ一致しているため、ガイドが片側でもステージがヨーイングを起こさないのである。
【0026】
軸受けブロック10および位置計測部8の外側に位置する軸受けブロック12はその下面に空気軸受け形成部を有しており、ステージベース13との間に空気軸受けを構成する(矢印部)。20は軸受けブロック10,11,12に空気を供給する配管である。軸受けブロック10および12の1対の空気軸受けは垂直方向にステージ1を位置規制する垂直方向ガイドを形成している。軸受けブロック10および12の外側には吸着磁石14、16がそれぞれ取りつけられていて、ステージベース13に固定された磁性部材15,17が夫々対向している。そのためこのマグネットの吸着力によりステージ1は強力にステージベース13に引っ張られ、前記軸受けブロック10および12が形成する空気軸受けに軸受け圧力を与えている。軸受けブロック10,12のガイド面はステージベース13である。
【0027】
図1の平面図(b)で明らかなように、記録レンズユニット2は、記録レンズが原盤18の最内周に来た時でもボイスコイル3aや位置計測部8のスケール8aが原盤18と干渉しないようにステージ1の先端部に取りつけられている。そのためステージ1の移動時に、軸受けブロック11と軸受けブロック12の間を原盤18が通ることが出来る。その時、記録レンズが原盤18の中心線上を半径方向に走査して原盤18に信号を記録する。本発明の構成ではステージ送り装置の横方向の幅は、原盤の直径に軸受けブロック10,11、12および平行ガイド9および両端の吸着マグネット14,16の幅だけである。またボイスコイルモータ3、中心ヨーク5などの駆動部を出来る限り細く作り、駆動点、位置計測点、加工点(記録点)を出来る限り同一直線上に配置している。
【0028】
したがって、従来例で説明したような外乱オブザーバー制御によりステージ1の位置補償をする力が比較的高い周波数で作用しても、重心位置と駆動点がほぼ同一直線上にあるためステージ1にヨーイングを起こす回転モーメントが働かない。また重心と記録レンズ位置もほぼ同一直線上に配置されているので、水平ガイド9と軸受けブロック10,11で形成する静圧空気軸受け部で軸受け共振があり、ステージが重心まわりに動いても記録レンズ位置での送り方向の変位はほとんど無視できトラックピッチへの影響はない。
【0029】
また位置計測点と記録レンズもほぼ同一直線上にあるため、いわゆるアッベの誤差をなくし、記録位置で外乱オブザーバ制御の位置補償が正確になされる。
【0030】
DVD記録には波長が364nmのアルゴンレーザや351nmのクリプトンレーザなどが使われる。またさらに高密度のディスクには波長が300nm以下の遠紫外線レーザが用いられる。それらの多くは冷却水を必要とするガスレーザであり、冷却チラーから冷却水を送出するポンプの振動が脈流となってレーザ本体まで伝わってくる。その振動は記録レーザを固定した装置ベース21に伝わり、送り系の外乱振動になる。この振動は空気除振台の上に直接作用するので空気ばねによる減衰効果はない。測定ではレーザ発振機から発生する外乱成分の脈動周波数は約60ヘルツを中心としたものであった。従って外乱オブザーバ制御での制御帯域の応答周波数を100ヘルツまで広げ、この成分の振動変位を補償する設定を行った。ここで外乱成分の周波数をF0Hzとし、外乱オブザーバ制御での制御帯域の応答周波数をF1Hzとすると、外乱成分の周波数帯域にもよるが一般的にF0<F1の場合に外乱振動を外乱オブザーバ制御で補償することが可能になる。
【0031】
上記構成でのDVD記録において、ステージ1の送りむらはトラックピッチ0.74μmに対して標準偏差σで0.5nm以下であった。
【0032】
また、本発明による構成の送り装置では、送り方向の制御剛性が大きくとれるため、機械的なダンピング機構を設けなくても記録レーザ冷却水の脈流のような比較的定常的な振動はほとんど除去できる。ただし、突発的な外乱に対してはダンピング部は効果が期待できるため、そのような振動対策が必要な場合には本発明にダンピング部を併用するとよい。この場合ダンピング作用点は重心に可能な限り近づけるのが望ましい。
【0033】
上記の説明は送りの駆動をボイスコイルモータで説明したが、これ以外のリニアモータおよび静圧ネジ駆動などのスティックスリップのない高精度な駆動方式であれば本発明は同じく適用できる。
【0034】
また本発明の実施の形態では、送り装置の具体例としてレーザビームレコーダに用いる送り装置を示したが、半導体や液晶用のステッパー方式の露光装置などの高精度の送りが要求される装置の送り装置として用いることもできる。
【0035】
【発明の効果】
本発明による送り装置では、スライダーの重心点近くをボイスコイルモータが駆動するのでステージを回転させるモーメントが発生しない構造である。そのため水平方向のガイドが片側のみでも移動時にヨーイングやピッチングを起こすことがなく、安定した位置姿勢を保つことができる。さらに本発明による構成では、ステージの位置を計測して送り速度を所定の値に制御するための計測部の測定子と記録レンズ(位置計測対象部)がほぼ直線上に配置されているので、アッベの誤差がなく、制御される位置と記録される位置が等しい。従って外乱オブザーバ制御を行った時に、記録部分の位置情報を入力とし、重心部分を駆動制御することが出来るので、位置補正のためのステージ駆動時にステージに回転モーメント力が作用してステージが回転するということがない。そのため補償値がそのまま記録位置に反映され、高精度のステージの移動が実現できる。
【0036】
また本発明によるレーザビームレコーダでは、空気除振台では除ききれないレーザ冷却水などの外乱を有しても高精度のトラックピッチを実現し、次世代の高密度ディスクに対応できる新しい構成のレーザビームレコーダを実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の装置構成を示す図
【図2】本発明の実施の形態の制御部のブロックダイアグラムを示す図
【図3】従来のレーザビームレコーダを示す図
【図4】従来のPID制御のブロックダイアグラムを示す図
【図5】従来の送り機構を示す平面図
【符号の説明】
1 ステージ
2 記録レンズユニット(記録レンズ)
3 ボイスコイルモータ
4a 磁石
4b 磁石
5 中心ヨーク
6a ヨーク
6b ヨーク
7 スケール固定台
8 計測部
8a スケール
8b ヘッド
9 平行ガイド
10 軸受けブロック
11 軸受けブロック
12 軸受けブロック
13 ステージベース
18 原盤
19 回転駆動部材
20 空気供給配管
21 装置ベース
202 位置制御部
203 速度制御部
204 電流アンプ
205 外乱オブザーバー

Claims (1)

  1. ステージと、前記ステージの重心上に駆動力が伝達するように前記ステージの下に配置されたステージの駆動部と、前記ステージに配置されたスケールと前記スケールを検出し前記ステージの位置を計測するヘッド部から構成された計測部と、前記スケールの移動方向の延長線上に加工点が配置され、かつ、前記駆動部と一定間隔設けて配置された位置計測対象部と、前記ステージに発生する外乱力を検出し外乱力を解消する力を前記ステージに与え前記ステージを駆動する制御部とを設けたことを特徴とする送り装置。
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