JP3840667B2 - Icソケット - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、主に、ICパッケージ等のIC部品の検査用に用いられるICソケットに関するものであり、特に複数の接続端子が微細なピッチで配列されているIC部品に用いて好適なICソケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
このような、ICソケットには、IC部品の接続端子と同ピッチで、コンタクトピンと称される多数の接点部材が配列されている。各コンタクトピンは、その一端部がIC部品の接続端子に接触し得るようになされており、また他端部はICソケットが取り付けられるプリント配線板に電気的に接続されるようになされている。そして、該一端部と該他端部との間には、IC部品の装填時に該一端部とIC部品の接続端子との接触が確実に行えるようにするために、バネ部が形成され、該一端部を可動にしている。コンタクトピンの厚さは、通常0.1ミリ以上とされており、それ以下になるとバネ部によって適正な弾性力を得ることが困難になる。
【0003】
通常は隣同士のコンタクトピンが接触しないようにするために、該一端部の近傍に薄い隔壁(以下、リブと称する)が設けられている。このリブはICソケット本体に合成樹脂によって一体成形される場合もあるが、最近では複数のリブを配列した別部品(IC部品の交換時にIC部品の装脱方向に往復動するので、通称フローティング部材と言われている)として合成樹脂で製作し、それをICソケット本体に取り付けるようにしているのが普通である。そして、通常の場合、合成樹脂で複数のリブを1列にして成形するには、高さが約3ミリの場合、厚さは0.2〜0.3ミリ程度が限度でそれ以下の厚さのリブを成形で製作するには様々の問題を解決する必要があり、結果として安価なICソケットの提供は望めない。
【0004】
他方、IC部品の集積化,小型化が進むにつれ、その接続端子間のピッチの微細化も急速に進んでいるが、実用的且つ安価な検査用ICソケットの開発がそれに対して対応できていないのが現状である。そのため、特に“TAB IC”(以下、ICタブという)においては、特開平6−188339号公報等に開示されているように、接続端子を必要以上に伸長させ、ICチップの四周において千鳥状に2列に配置させるように規格化されている。それによって1列当たりの接続端子間ピッチを大きくし、ICソケット側の対応をし易くしているが、それでもなお十分に対応しきれているとは言えない。
【0005】
実用的且つ安価な検査用ICソケットの開発ができない第1の理由は、上記したリブを合成樹脂で成形が困難な点にある。最近のIC部品における接続端子間のピッチは微細なものでは0.2〜0.25ミリのものがある。そして、接続端子の幅は0.1〜0.15ミリであり、この寸法は上記したコンタクトピンの厚さの限界ぎりぎりである。また、隣接する接続端子の間の間隙は0.1〜0.15ミリである。従って、この0.1〜0.15ミリの間に上記した厚さのリブを成形することは実質的に困難である。
【0006】
このようなことから、IC部品における接続端子間の微細ピッチに対しICソケット側で対応する方法としては、従来より代表的な二つの方法が知られている。その一つは、コンタクトピン間に別部品を介在させることなく、コンタクトピン自身の両面の一部に絶縁皮膜を形成する方法である。もう一つの方法は、ポリイミドフイルムを両面に接着した約0.06ミリの薄い金属板を各コンタクトピン間に配設する方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、コンタクトピン自身の両面に絶縁皮膜を形成する方法は、先ず部分的に絶縁皮膜を形成したフープ材を用いプレス機械によってコンタクトピンの形状をその一部を残すようにして打ち抜き、次に各コンタクトピンの所定の場所にメッキ加工によって連続的にメッキ層を形成し、最後に完全に切断して単体部品を得るようにしているため、加工工程数が多く、また絶縁皮膜にめくれを生じてコンタクトピン全体を均一な厚さに形成するための製法管理が非常に難しいという問題点があった。また、上記のように薄い金属板を各コンタクトピン間に配設する方法は、薄くて小さい金属板を一つ一つ手で組み付けていく必要があるため組立コストが極めて高くなるという問題点があった。
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、複数のコンタクトピンの基部を、ブロック体の異なる取付面に交互に取り付け、該ブロック体をソケット本体に固定するようにすることにより、フローティング部材にリブの形成を可能にし、微細ピッチの接続端子を有するIC部品にも適用することを可能にしたICソケットを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】
上記の目的を達成するために、本発明のICソケットは、複数のリブからなる第1リブ列を有しソケット本体に対して上下動可能に取り付けられた第1フローティング部材と、複数のリブからなる第2リブ列を有し前記第1フローティング部材に一体的に取り付けられたとき該第2リブ列が前記第1リブ列に隣接して平行に配置され且つ該第2リブ列のリブが前記第1リブ列のリブと交互に配置されることによって前記第1リブ列の各リブ間と該第2リブ列の各リブ間を各々孔形状にする第2フローティング部材と、上面側に第1取付面を有し下面側に第2取付面を有し前記二つのフローティング部材の下方位置において前記ソケット本体に取り付けられたブロック体と、接点部を形成した自由端部と接続端子を形成した基部との間にバネ部を形成すると共に該自由端部を前記第1リブ列のリブ間に嵌合させ該基部を該バネ部の方が該接点部よりも前記ソケット本体の外周方向になるようにして前記ブロック体の前記第1取付面に取り付けられた複数の第1コンタクトピンと、接点部を形成した自由端部と接続端子を形成した基部との間にバネ部を形成すると共に該自由端部を前記第2リブ列のリブ間に嵌合させ該基部を該バネ部の方が該接点部よりも前記ソケット本体の外周方向になるようにして前記ブロック体の前記第2取付面に取り付けられた複数の第2コンタクトピンとで構成する。
【0010】
また、好ましくは、本発明のICソケットにおいては、前記ブロック体は、前記リブの配列方向に長い部材として構成され、装填されたIC部品の本体の周囲に複数個配置されるように構成する。
【0011】
更に、好ましくは、本発明のICソケットにおいては、前記第1コンタクトピンの接点部と、前記第2コンタクトピンの接点部とを、別々に2列に配列し、全体として千鳥状に成るように配置する。
【0012】
【実施例】
本発明の実施例を、図1乃至図16を用いて説明する。図1はICタブを装填した状態におけるICソケットの断面図である。図2はブロック体を一つだけ取り付けた状態を示すソケット本体の平面図である。図3は図2の枠A内におけるブロック体の拡大図、図4は図3の右側面図、図5は図3の背面図である。図6,図7,図8は図3におけるB−B線,C−C線,D−D線断面図である。図9は第1フローティング部材の平面図であり、図10は図9の右側面図である。図11は第2フローティング部材の平面図であり、図12は図11の右側面図である。図13は第1フローティング部材と第2フローティング部材とを一体化した場合の部分平面図である。図14は図13のG−G線断面図であり、図15は図13のH−H線断面図である。図16の(a)乃至(f)は本実施例に用いられる6種類のコンタクトピンの説明図である。
【0013】
本実施例は、前述したICタブ用のICソケットとして示してある。ICタブは周知であるため詳しく説明するまでもないが、簡単にその構成を説明しておく。図1はICタブ(符号TAB)を装填した状態におけるICソケットの右半分を示す断面図であるが、ICタブは四方に略対称的な四角形をしており、フレキシブルプリント配線板PCFの中央に方形のICチップTを配設している。そして、フレキシブルプリント配線板PCFの四方周辺部に夫々複数の接続端子が配列されている。
【0014】
このようなICタブは、製造時において取扱を容易にするために、フレキシブルプリント配線板PCFの四周をキャリアCAに取り付けてある。そして、明示していないが、接続端子はキャリアCAの各辺に沿って二列に、しかも夫々の端子位置が交互になるように千鳥状に配列されている。また、キャリアCAにはICソケットへの誤装着を防止し所定の姿勢で装着できるようにするために縁部の3箇所に図示していない切欠部が形成されている。
【0015】
このようなICタブを装填するするために、ソケット本体1に蓋2が開閉可能に取り付けられている。そこで、ソケット本体1に対する蓋2の取り付け構造を説明する。ソケット本体1には図2に示す二つの孔1aに嵌合した軸1b(一点鎖線)が設けられ、この軸1bに蓋本体2Aと押圧板2Bとが回転可能に取り付けられている。蓋本体2Aは、図示していないバネによって図1において反時計方向へ付勢されている。蓋本体2Aの先端部に設けられた軸2A1 にはフック部材2Cが回転可能に取り付けられ、バネ2A2 によって時計方向へ付勢されている。図1においては、フック部材2Cのフック部2C1 がソケット本体1のフック部1cに係合して装填状態を維持しているが、フック部材2Cをバネ2A2 に抗して上方から押すことによって係合が解除され、蓋2が開くようになっている。
【0016】
押圧板2Bは、明示していないが軸1bに緩く取り付けられており、先端2B1 は蓋本体2Aの孔2A3 に緩く挿入されている。そして、略中央にはICタブのICチップTを下方へ押すための押圧部2B2 が形成されている。この押圧板2Bには、ICタブのキャリアCAを下方へ押すために、上記押圧部2B2 の挿通部を有する副押圧板2Dが取り付けられている。蓋本体2Aと押圧板2Bとはこのような構成をしているので、ICタブの装填時に、蓋2が回転運動によってICタブに対して斜めに押圧するのを緩和し、押圧力が実質的に上下方向に作用するように配慮されている。
【0017】
次に、ソケット本体1側に取り付けられている構成について説明する。先ず、図1に示すようにソケット本体1の下側には周知のロケーティングボード3が配置され、可撓性のフック部3aによってソケット本体1に上下動可能に取り付けられている。ソケット本体1には、周知のように可動台4(一点鎖線)が上下動可能に取り付けられている。この可動台4は四本のピン4aを図1に示すソケット本体1の四つの孔1dに嵌合させ、図示していないバネにより上方へ付勢されているが、その上限位置は、図示していないが、ロケーティングボード3の可撓性のフック部3aと同様な構成によって規制されている。
【0018】
また、周知のため図示していないが、この可動台4とロケーティングボード3との間には、ソケット本体1と一体の中板が設けられ、そこに複数本(例えば25本)の放熱ピンが固定されている。そして、放熱ピンの上方の可撓部の先端は可動台4の上面に形成された複数個の孔に夫々嵌合し、また放熱ピンの下端はロケーティングボード3を貫通している。図1に示すICタブの装填時に、この放熱ピンは上記可撓部の先端がICチップTに接触し、ICチップTに発生した熱をプリント配線板に逃がすようにする。
【0019】
図2に示す通りソケット本体1には、プリント配線板へ取り付けるための四つの孔1eが形成されている。3箇所に設けられたD型のピン1fは、上記したようにICタブのキャリアCAに設けられた誤装着防止用の切欠部に嵌合するピンである。夫々、四箇所に設けられた孔1gは後で述べる第1フローティング部材7のフック部7bと係合する孔である。また、ソケット本体1には貫通していない四つの孔1hが設けられているが、これらは後で述べる第1フローティング部材7のピン7aと嵌合し第1フローティング部材7が上下動するためのガイド孔である。
【0020】
ソケット本体1の四辺に沿って、各辺6列に複数の孔1iが同一ピッチで形成されている。この孔1iは後で説明するコンタクトピンの接続端子を貫通させる孔であり、各列間で孔位置が必ずずれるように形成されている。更に、各辺毎に設けられている三つの孔1jは次に説明するブロック体5をかしめ止めするための孔であり、図2においては、四辺のうち一辺にのみブロック体5をリベット6にてかしめ止めした状態が示されている。
【0021】
次に、ブロック体5の形状について説明するが、ブロック体5は四個とも同一形状をしているため、その一個についてだけ説明する。図3は図2の枠A内におけるブロック体5の拡大図、図4は図3の右側面図、図5は図3の背面図であり、図6乃至図8は図3におけるB−B線乃至D−D線で断面した図である。ブロック体5にはその両端部と中央部にソケット本体1の三つの孔1jに対応させてリベット6によってかしめ止めされる三つ(図面上一つだけ示してある)の孔5aが形成されている。
【0022】
合成樹脂製のブロック体5の表面側と背面側には等間隔に配列された複数のリブ5b,5cが形成されており、上面側のリブ5bと下面側のリブ5cの配置関係は図4で明瞭なように交互に位置するようになされている。また、上面側のリブ5b間であって下面側のリブ5cには、コンタクトピンが嵌合するための二つ又は三つの貫通した孔5dが形成されている。この孔5dは図6乃至図8で分かるようにリブ5b間において順次三種類の形態をとり、これらの配列を繰り返すようにして形成されている。
【0023】
次に、第1フローティング部材7と第2フローティング部材8について、主に図9乃至図14を用いて説明する。図9は第1フローティング部材7の平面図であり、図10は図9の右側面図である。第1フローティング部材7には、下方四箇所にガイドピン7aが設けられており、ソケット本体1の孔1hに嵌合している。同じく下方四箇所に設けられている可撓性を有するフック部7bはソケット本体1の孔1gに嵌入し、その先端が該孔1gに係合するようになされている。ガイドピン7aには図示していないバネが巻回され、第1フローティング部材7を図1において上方へ付勢しているが、その上限位置はフック部7bの先端と孔1gとの係合により規制される。また、第1フローティング部材7の四隅には、夫々貫通していない二つの孔7cと一つの孔7dが形成されている。この第1フローティング部材7に形成されているリブについては後で述べる。
【0024】
図11は第2フローティング部材8の平面図であり、図12は図11の右側面図である。第2フローティング部材8は環状の四角形をしており、四隅に貫通した孔8aを有すると共に略四隅下方に夫々二個ずつのピン8bが設けられている。第2フローティング部材8のピン8bを第1フローティング部材7の孔7cに嵌合させ、基準ピン9によって一体化された状態が図13に示されている。この場合、基準ピン9は図15に示すように、第2フローティング部材8の孔8aを貫通し、第1フローティング部材7の孔7dに圧入されている。この基準ピン9は、ICタブのフレキシブルプリント配線板PCFに設けられた孔と嵌合するためのものである。
【0025】
図13は図9の枠E内と図11の枠F内を重ね合わせた図であるが、この図に示されているように、第1フローティング部材7には各四辺に沿って夫々貫通された長孔7eが形成されており、図14に示すようにその上方の一部にリブ7fが形成されている。このリブ7fは、図13に示すように各辺に等間隔に配列されており、ソケット本体1に組み付けられた状態においてブロック体5の各リブ5bと対向するように配列されている。他方、第2フローティング部材8には各四辺の内周面に沿ってリブ8cが形成されている。このリブ8cは、図13に示すように各辺に等間隔に配列されており、ソケット本体1に組み付けられた状態においてブロック体5の各リブ5cに対応するように配列されている。
【0026】
次に、各コンタクトピンの形状と、各コンタクトピンと各リブとの係合関係について説明する。図16において、図(a),図(b),図(c)は三種類の第1コンタクトピン10を示しており、図(d),図(e),図(f)は三種類の第2コンタクトピン11を示している。各コンタクトピン10,11は概ねU字形をしているが、第1コンタクトピン10よりも第2コンタクトピン11の方が大きいU字形をしている。そして、これらのコンタクトピン10,11はソケット本体1内においては横U字形となるようにして交互に配置される。
【0027】
第1コンタクトピン10の基部10aには接続端子10bと突起10cが形成されている。図(a),図(b),図(c)に示された各第1コンタクトピン10の違いは、この接続端子10bと突起10cの位置が異なることと、図(b)の第1コンタクトピン10には二つの突起10cが形成されていることである。各第1コンタクトピン10にはバネ部10eが形成され、垂直に曲がった自由端部10fの先端を接点部としている。第2コンタクトピン11の基部11aには接続端子11bが形成されている。図(d),図(e),図(f)に示された各第2コンタクトピン11の違いは、この接続端子11bの位置が異なることだけである。各第2コンタクトピン11にはバネ部11cが形成され、垂直に曲がった自由端部11dの先端を接点部としている。
【0028】
次に、上記のようなコンタクトピン10,11の組み付け方について説明する。各コンタクトピン10,11はブロック体5に一つずつ組み付けられる。その順番を主に図6乃至図8、及び図16を用いて説明する。最初に、図16(a)の第1コンタクトピン10を、その基部10aに設けられた接続端子10bと突起10cとを図6に示した孔5dに挿入してリブ5b間に取り付ける。次に、図16(d)の第2コンタクトピン11を、その基部11aを図6に示したリブ5cと図7に示したリブ5cとの間に挿入して取り付ける。
【0029】
このようにして、次は図16(b)の第1コンタクトピン10を、図7の孔5dに挿入して、即ち図6に示したリブ5bと図7に示したリブ5bとの間に挿入して取り付ける。この状態と同等の状態が図1に示されている。その後、図16(e)の第2コンタクトピン11を、その基部11aを図7に示したリブ5cと図8に示したリブ5cとの間に挿入して取り付ける。更に、図16(c)の第1コンタクトピン10を、図8の孔5dに挿入して、即ち図7に示したリブ5bと図8に示したリブ5bとの間に挿入して取り付ける。
【0030】
最後に、図16(f)の第2コンタクトピン11を、その基部11aを図8に示したリブ5cとその背後に隣接したリブ(5c)との間に挿入して取り付ける。以上のようにして、コンタクトピン10,11を交互に、且つ図16に示した6個のコンタクトピンを周期としてブロック体5に順番に組み付けていく。従って、コンタクトピン10,11をブロック体5に組み付けた状態においては、第1コンタクトピン10の接点部と第2コンタクトピン11の接点部とは、夫々ブロック体5の長手方向に一列に配列されることになる。
【0031】
コンタクトピン10,11をブロック体5に組み付けた後、各コンタクトピン10,11の接続端子10b,11bをソケット本体1の孔1iと、それと同様に配列されてロケーティングボード3に設けられた孔3bに貫通させる。そして、ブロック体5をソケット本体1にリベット6によってかしめ止めする。ブロック体5を一つだけ、かしめ止めした状態が図2に示されているが、その場合における断面の状態は図1に示されている状態と同じである。この図1において第1コンタクトピン10は接点部、言い換えれば自由端部10fの上下動に対して安定状態にある。それは、単に接続端子10bを孔5dに挿入してリブ5b間に基部10aを圧入しているだけではなく、第1コンタクトピン10には突起10cが設けられ、それを孔5dに挿入させているからである。
【0032】
他方、第2コンタクトピン11の基部11aはブロック体5とソケット本体1に挟持された状態にあり、取り付け状態としては極めて安定した状態にある。しかしながら、第1コンタクトピン10と同様に突起を設け、それをブロック体5又はソケット本体1に設けた孔に嵌合させるようにしたり、基部11aをソケット本体1に設けたリブ間に挟持させるようにしてもよい。勿論、基部11aをリブ5c間に圧入するだけで良い場合もある。従って、本発明においては第2コンタクトピン11の基部11aをブロック体5とソケット本体1によって挟持することは必須ではなく、基部11aとソケット本体1との間に空間を設けても構わない。
【0033】
次に、予め、図13に示したように第1フローティング部材7と第2フローティング部材8とを基準ピン9によって一体化したものを、第1フローティング部材7のフック部7bをソケット本体1の孔1gに係合させることによって組み付ける。この時、第1コンタクトピン10の自由端部10fの先端の接点部をリブ7f間に嵌合させ、第2コンタクトピン11の自由端部11dの先端の接点部をリブ8c間に嵌合させる。勿論、最初に第1フローティング部材7を組み付けてコンタクトピン10の接点部をリブ7f間に嵌合させ、次に第2フローティング部材8を第1フローティング部材7に重ねて第2コンタクトピン11の接点部をリブ8c間に嵌合させ、最後に基準ピン9によって第1フローティング部材7と第2フローティング部材8とを一体化しても差し支えない。
【0034】
このようにして組み立てられた本実施例のICソケットは、第1コンタクトピン10同士の相互の間隔、及び第2コンタクトピン11同士の相互の間隔は夫々十分に空いているので相互に接触するおそれはなく、また隣接する第1コンタクトピン10と第2コンタクトピン11とは図1に示すようにU字形状の大きさが異なり且つ一番問題となる自由端部10f,11d近傍は接近して配置されたリブ7f,8cによって相互の位置関係を確実なものにしているため、各コンタクトピンがバネ部10e,11cで撓むとき相互に接触するおそれは全くない。
【0035】
従って、このような構成であるから、接続端子を千鳥状に配列したIC部品に限らず、接続端子を一列に配列したIC部品にも適用させるようにすることが可能である。その場合には、例えば図14においてリブ7fの上面を二点鎖線で示す位置まで下げ、第2コンタクトピン11の自由端部11dをリブ7fの上方に曲げ、第2コンタクトピン11の接点部を第1コンタクトピン10の接点部の配列に合わせ、両者を一列に配列するようにすればよい。
【0036】
また、本実施例においては第1コンタクトピン10の基部10aをブロック体5の上面側のリブ5b間に圧入し、第2コンタクトピン11の基部11aをブロック体5の下面側のリブ5c間に圧入しているが、ブロック体5を二つのブロック体で構成し、相互間に所定の空間を持たせて上下に重ねるようにし、第1コンタクトピン10の基部10aを一方のブロック体のリブ間に、第2コンタクトピン11の基部11aを他方のブロック体のリブ間に、夫々同一姿勢で上方から圧入するようにしてもよい。従って、コンタクトピンの種類を多くしてもよければブロック体を何個にしてもよいし、またコンタクトピンをブロック体の上面側のリブ間に圧入しても下面側のリブ間に圧入するようにしても構わない。
【0037】
上記の説明によって既に明らかであるが、本実施例におけるICタブの装脱作動を簡単に説明する。図1において、フック部材2Cをバネ2A2 に抗して上方から押すと、フック部1c,2C1 の係合が外れ、蓋2は軸1bにおいて図示していないバネの力により反時計方向へ回転する。そのため、ICタブは手又は機械によってICソケットから取り出すことができる。
【0038】
ICタブの装填操作は、先ずキャリアCAに形成された切欠部をピン1fに合わせてソケット本体1へ載置する。次に、蓋2を閉めると、押圧板2Bの押圧部2B2 がICチップTを可動台4に押しつけ、他方、副押圧板2DがキャリアCAを押しフレキシブルプリント配線板PCFを第1フローティング部材7,第2フローティング部材8に押しつける。この時の押圧板2Bによる押圧は、押圧板2Bを軸1bに緩く軸支させていることと、押圧板2Bの先端2B1 と孔2A3 との関係によって、略上下方向に働く。
【0039】
押圧部2B2 の押圧により可動台4が図示していないバネに抗して下降すると、周知の放熱ピンの先端がICチップTに確実に接触する。そのため、検査中におけるICチップTの発熱は、その放熱ピンを介してプリント配線板に放熱される。他方、第1フローティング部材7と第2フローティング部材8が押されると、両者はガイドピン7aに巻回された図示していないバネに抗して下降する。それによって、フレキシブルプリント配線板PCFに形成された接続端子がコンタクトピン10,11の自由端部10f,11dの先端に形成された接点部に接触する。
【0040】
フレキシブルプリント配線板PCFに形成された接続端子がコンタクトピン10,11に接触した後も、第1フローティング部材7と第2フローティング部材8とは尚も押され、全ての接点間に適切な接触圧を付与し電気的接続が確実に行えるようにする。最後に、フック部材2Cのフック部2C1 をソケット本体1のフック部1cに係合させて図1の状態となる。
【0041】
尚、上記の実施例においては装填されるべきIC部品をICタブとして説明したが、本発明はそのようなものに限定されず、QFPタイプのIC部品や各種ICパッケージにも適用でき、また接続端子がICチップの二方に設けられたものにも適用することが可能である。更に、実施例においては微細なピッチで配列された接続端子を有するIC部品用のICソケットとして説明したが、本発明は通常のピッチのIC部品用のICソケットとして実施しても構わない。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、本発明のICソケットは、複数のコンタクトピンの基部を、ブロック体の異なる取付面に交互に取り付け、該ブロック体をソケット本体に固定するようにしたことにより、微細なピッチでコンタクトピンの取り付けを可能にし、しかもフローティング部材にリブを二列に且つ両者のリブの配置が交互の位置関係となるようにすることにより、微細なピッチのコンタクトピンに対応したフローティング部材を形成することが可能となった。そのため、本発明のICソケットは微細ピッチの接続端子を有するIC部品に適用することを可能にし、且つリブを有するフローティング部材を合成樹脂で製作することもできるので、従来に比べて安価なICソケットを得ることが可能となり、極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】IC部品を装填した状態における本実施例のICソケットの断面図である。
【図2】ブロック体を一つだけ取り付けた状態を示すソケット本体の平面図である
【図3】図2の枠A内におけるブロック体の拡大図である。
【図4】図3の右側面図である。
【図5】図3の背面図である。
【図6】図3におけるB−B線断面図である。
【図7】図3におけるC−C線断面図である。
【図8】図3におけるD−D線断面図である。
【図9】第1フロート部材の平面図である。
【図10】図9の右側面図である。
【図11】第2フローティング部材の平面図である。
【図12】図11の右側面図である。
【図13】第1フローティング部材と第2フローティング部材とを一体化した場合の部分平面図である。
【図14】図13のG−G線断面図である。
【図15】図13のH−H線断面図である。
【図16】図(a)乃至(f)は本実施例に用いられる6種類のコンタクトピンの説明図である。
【符号の説明】
TAB ICタブ
PCF フレキシブルプリント配線板
T ICチップ
CA キャリア
1 ソケット本体
1g,1i,1j 孔
1h ガイド孔
2 蓋
2B 押圧板
2D 副押圧板
5 ブロック体
5a,5d 孔
5b,5c リブ
6 リベット
7 第1フローティング部材
7a ガイドピン
7b フック部
7c,7d 孔
7e 長孔
7f リブ
8 第2フローティング部材
8a 孔
8b ピン
8c リブ
9 基準ピン
10 第1コンタクトピン
10a 基部
10b 接続端子
10c 突起
10e バネ部
10f 自由端部
11 第2コンタクトピン
11a 基部
11b 接続端子
11c バネ部
11d 自由端部
Claims (5)
- 複数のリブからなる第1リブ列を有しソケット本体に対して上下動可能に取り付けられた第1フローティング部材と、複数のリブからなる第2リブ列を有し前記第1フローティング部材に一体的に取り付けられたとき該第2リブ列が前記第1リブ列に隣接して平行に配置され且つ該第2リブ列のリブが前記第1リブ列のリブと交互に配置されることによって前記第1リブ列の各リブ間と該第2リブ列の各リブ間を各々孔形状にする第2フローティング部材と、上面側に第1取付面を有し下面側に第2取付面を有し前記二つのフローティング部材の下方位置において前記ソケット本体に取り付けられたブロック体と、接点部を形成した自由端部と接続端子を形成した基部との間にバネ部を形成すると共に該自由端部を前記第1リブ列のリブ間に嵌合させ該基部を該バネ部の方が該接点部よりも前記ソケット本体の外周方向になるようにして前記ブロック体の前記第1取付面に取り付けられた複数の第1コンタクトピンと、接点部を形成した自由端部と接続端子を形成した基部との間にバネ部を形成すると共に該自由端部を前記第2リブ列のリブ間に嵌合させ該基部を該バネ部の方が該接点部よりも前記ソケット本体の外周方向になるようにして前記ブロック体の前記第2取付面に取り付けられた複数の第2コンタクトピンとを備えていることを特徴とするICソケット。
- 前記第1コンタクトピンの接点部と、前記第2コンタクトピンの接点部とが、別々に2列に配列され、全体として千鳥状に配置されるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のICソケット。
- 前記ブロック体は、前記リブの配列方向に長い部材として構成され、装填されたIC部品の本体の周囲に複数個配置されるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のICソケット。
- 前記ブロック体は、前記第1コンタクトピンを取り付けた第1ブロック体と前記第2コンタクトピンを取り付けた第2ブロック体とで構成され、前記第1ブロックと前記第2ブロックとは所定の間隔を設けて重ねられて前記ソケット本体に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のICソケット。
- 前記第1フローティング部材と前記第2フローティング部材との取り付けは、上下方向に伸びたピン部材によって行われ、該ピン部材はIC部品の位置決め用基準ピンとして構成されたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のICソケット。
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