JP3839587B2 - 有機薄膜材料用容器、蒸着装置、有機薄膜の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空蒸着技術にかかり、特に、有機化合物から成る有機薄膜材料を収容する容器と、有機薄膜材料から放出された蒸気によって有機薄膜を形成する有機薄膜製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機化合物と無機化合物とを比べた場合、有機化合物の方が反応系や特性が多様であり、また、低エネルギーで表面処理できることから、近年、機能性有機薄膜が着目されている。
【0003】
機能性有機薄膜を利用するものには、有機EL素子、圧電センサ、焦電センサ、電気絶縁膜等、種々のものがあるが、これらのうち、有機EL素子はディスプレイパネルとして利用できることから非常に注目されている。
【0004】
図6の符号aに示したものは有機EL素子の概略構成図であり、ガラス基板b上に、透明導電膜から成るアノード電極膜c、P型の有機薄膜d、N型の有機薄膜e、カソード電極膜fがこの順で形成されている。この有機EL素子aのアノード電極膜cとカソード電極膜fとの間に電圧を印加すると、有機薄膜d、eの界面が発光し、ガラス基板bを透過して外部にEL光gを放射させることができる。
【0005】
有機薄膜d、eを形成するためには、一般的に真空蒸着法が用いられており、有機蒸着源を真空槽内に配置し、有機薄膜材料の蒸気を放出させ、成膜対象の基板表面に付着させると有機薄膜を形成できるようになっている。
【0006】
ところが、金属材料の蒸発温度は600℃〜2000℃程度と高温であるのに対し、有機薄膜材料である有機化合物は蒸気圧が高く、蒸発温度は0℃(場合によっては零下)〜400℃の間にあるのが普通である。また、有機化合物は分解し易く、その分解温度が蒸発温度に近接し、蒸発温度を超えるとすぐに分解してしまうものも多い。
そのため、有機薄膜材料の蒸気を放出させる有機蒸着源は、金属蒸着源と異なり、比較的低温で精密に温度制御できる機能が必要となる。
【0007】
また、有機材料は粉体であるものが多いが、真空中では粉体を構成する粒子間が真空断熱されるため、熱伝導が悪く、赤外線を用いて加熱すると局所的に過熱状態になり、突沸を生じやすいという問題がある。
従って、金属薄膜等の無機系薄膜の形成に適した真空蒸着装置を、有機薄膜の形成に転用するのは困難である。
【0008】
そこで近年では、有機薄膜を形成するために、図7の符号150に示すような専用の真空蒸着装置が用いられている。
この真空蒸着装置150を説明すると、該真空蒸着装置150は、真空槽151を有しており、該真空槽151天井側には、基板ホルダ130が配置され、底壁には、有機蒸着源140が設けられている。
【0009】
一般に、有機薄膜材料は分解しやすく、赤外線や電子線等で加熱できないため、有機蒸着源140内には、グラファイト等のセラミックス材料を穿設加工した容器110が配置されており、容器110周囲に設けたヒータ141を発熱させ、容器110内に収容させた有機薄膜材料を、その壁面からの熱伝導によって加熱するように構成されている。
【0010】
容器110を説明すると、図8(a)の平面図、及びそのB−B線截断面図である同図(b)を参照し、該容器110の上端部分には開放口212が設けられており、内部は開放口212から所定深さまで円筒形形状の壁面211によって囲まれ、筒状の通路221が形成されている。
【0011】
通路221の底部には、深穴形状の4個の収容孔2221〜2224が形成されており、開放口212から粉体状の有機薄膜材料を落とし込んだときに、各収容孔2212〜2224内に有機薄膜材料が収容されるように構成されている。
【0012】
このような容器110では、ヒータ141を発熱させたときに、各収容孔2211〜2214内に収容された有機薄膜材料が、壁面211からの熱伝導の他、各収容孔2211〜2214の中央部213からの熱伝導によっても加熱されるため、有機薄膜材料全体が均一に昇温し、各収容孔2211〜2214内から、真空槽151内に向けて、有機薄膜材料の蒸気が均等に放出されるようになっている。
【0013】
この蒸着装置150を使用する場合、予め真空槽151内を真空雰囲気にしておき、基板ホルダ130に基板131を装着し、基板ホルダ130内のヒータ135によって基板131を昇温させた後、蒸着源140内から蒸気を発生させる。
【0014】
蒸気発生後、有機蒸着源140の開口部近傍に配置されたシャッタ142を開け、蒸気を真空槽151内に放出させ、膜厚モニタ143に付着させ、蒸気放出速度を測定する。
【0015】
有機薄膜材料の蒸気が安定に放出されるようになった後、基板131近傍に配置されたシャッタ132を開け、蒸気を基板131表面に到達させ、有機薄膜の成長を開始する。
【0016】
このような有機蒸着源140を真空槽151内に複数個配置しておけば、一方の有機蒸着源140から有機薄膜の基材を放出させ、他の有機蒸着源140からドーパントを放出させることで、基板131方面に所望特性の有機薄膜を形成することが可能となっている。
【0017】
ところで、近年では、有機EL素子を用いた表示装置には一層の大口径化が要求されているが、上述した容器110では、図9に示すように、収容孔2221〜2224内の有機薄膜材料225から発生した蒸気219が通路221中を上昇する間に指向性が付与されてしまい、開放口121から放出されると狭い範囲にしか到達できず、その結果、大口径基板表面に形成される有機薄膜が不均一になるという問題がある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたもので、その目的は、大口径基板に均一な有機薄膜を形成できる技術を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、有機薄膜材料を収容可能な有底の収容孔を複数有する有機薄膜材料用容器であって、前記各収容孔は、上部にそれぞれ放出口が設けられ、下部に共通の底部を有し、前記共通の底部に配置された前記有機薄膜材料から放出された蒸気が前記各放出口から放出されるように構成され、前記各収容孔内で前記蒸気が流れる部分は、互いに異なる方向に向けられたことを特徴とする有機薄膜材料用容器である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の有機薄膜材料用容器であって、前記各収容孔の放出口は、該有機薄膜材料用容器の外方に向けて傾斜されたことを特徴とする有機薄膜材料用容器である。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の有機薄膜材料用容器であって、前記各収容孔の前記蒸気が流れる部分は、前記有機薄膜材料用容器の中央から外方に向けて傾斜された有機薄膜材料用容器である。
請求項4記載の発明は、請求項2又は請求項3のいずれか1項記載の有機薄膜材料用容器であって、前記共通の底部は、前記有機薄膜材料用容器の中心軸線上に配置されたことを特徴とする有機薄膜材料用容器である。
請求項5記載の発明は、真空槽と、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の有機薄膜材料用容器を有し、前記蒸気は前記真空槽内に放出されるように構成された蒸着装置である。
請求項6記載の発明は、真空槽に配置された請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の有機薄膜材料用容器に有機薄膜材料を収容させ、前記真空槽内を真空排気して低圧力雰囲気にし、前記有機薄膜材料用容器を加熱して前記真空槽内に前記有機薄膜材料の蒸気を放出させる有機薄膜の製造方法であって、前記蒸気を放出させる前に、前記真空槽内に気体を導入して前記低圧力雰囲気よりも高圧の高圧力雰囲気にし、前記有機薄膜材料を、前記低圧力雰囲気では前記蒸気が放出され、前記高圧力雰囲気では前記蒸気が放出されない温度に昇温させた状態で前記高圧力雰囲気から前記低圧力雰囲気にする有機薄膜の製造方法である。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の有機薄膜製造方法であって、前記低圧力は、1.33×10-4Pa以上6.65×10-2Pa以下の圧力範囲である有機薄膜製造方法である。
【0020】
本発明は上述のように構成されており、上端部が開放され、下端部が閉塞された有底の収容孔を複数有する容器である。このような容器の周囲にマイクロヒータ等の抵抗加熱手段を配置し、各収容孔内に有機薄膜材料を収容した状態で抵抗加熱手段を発熱させると、容器壁面からの熱伝導によって有機薄膜材料が加熱され、発生した蒸気が、各収容孔から放出される。
【0021】
一般に、収容孔の底部で発生した蒸気が、収容孔上端部の開放口から放出される場合、収容孔内の蒸気の通路が蒸気に指向性を与え、「煙突効果」によって開放口から放出された後の拡散を制限してしまう。
【0022】
本発明の容器は、収容孔内で蒸気が流れる部分が、容器中央から外方に向けて傾斜されているので、蒸気が容器から放出される際に、蒸気が容器の外方に向けて放出される。従って、収容孔を複数設けた場合、「煙突効果」の影響があっても、有機薄膜材料の蒸気は、広範囲に均一に到達できるようになり、基板表面に均一な有機薄膜を形成することが可能になっている。
【0023】
収容孔の数は、多い程均一性が向上するが、成膜対象の基板の形状によって必要な個数は異なる。矩形形状の基板を用いる場合、4個以上が望ましい。
このような収容孔の場合、各収容孔内で蒸気が流れる部分を互いに異なる方向に向けておくと、蒸気が一層均一に放出されるようになる。
【0024】
以上の容器の場合、各収容孔から放出された蒸気は、容器の中心軸上で重なりやすい。従って、各収容孔の開放口を容器の外方に向け、蒸気が容器中央から外方に向かって放出されるようにしておくとよい。
【0025】
ところで、各収容孔内に有機薄膜材料を収容させる場合、等しい量を個別に収容させることは煩雑である。従って、各収容孔をその下部で連通させ、その部分に有機蒸着材料を配置できるようにしておくと、1ヶ所で発生した蒸気が各収容孔を通過して放出されるようしておくとよい。
【0026】
ところで、有機薄膜材料の蒸気が真空槽内に放出された後、直進する場合には、真空槽内での広がりが狭くなってしまうと考えられる。そこで本発明では、有機薄膜を成長させる際、真空槽内に有機薄膜材料の蒸気と反応しない気体を導入し、蒸気を構成する有機化合物分子と気体分子とを衝突させ、有機化合物分子を散乱させることで、蒸気がより広い範囲に到達できるようにしている。
【0027】
一般に、蒸着源から蒸気が放出された場合、真空中では余弦則に従って広がるが、計算結果によると、上述の収容孔を4個有する容器を用い、真空槽内に窒素ガスを8.0×10-4Pa(6.0×10-6Torr)まで導入して蒸気を放出させた場合、基板表面に、図5のグラフ中の曲線L1で示すような膜厚分布で有機薄膜を形成できた(平均成長速度1.29Å/sec))。
この曲線L1は、cos2.5θに従うが、従来技術の容器では、蒸気は真上に放出されるため、cos12θに従って曲線L2のような狭い分布になる。
【0028】
有機薄膜に±10%の膜厚分布が許される場合、本発明の容器では、直径D1の基板を使用できるのに対し、従来技術の容器では、その約半分の大きさの直径D2の基板しか使用できないことになる。
【0029】
なお、真空槽内に気体を導入する場合、その圧力が低すぎると散乱の効果が少なく、多すぎると蒸気放出量が減り、成膜速度が低下するので、1.33×10-4Pa以上6.65×10-2Pa以下の圧力範囲が適当である。
【0030】
このように、本発明の容器を使用した場合、真空槽内に蒸気が均等に放出され、また、そのとき真空槽内に気体を導入しておくと、放出された蒸気が散乱されるので、大口径基板表面に、膜厚分布や特性分布が均一な有機薄膜を形成することが可能となっている。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の有機薄膜製造方法を、本発明の容器と共に説明する。
図1、2を参照し、符号10は本発明の容器の一例であり、上側の図は平面図、下側の図はそのA−A線截断面図である。また、図2は斜視図である。
【0032】
この容器10は、円柱形形状の下部17と、その上部の膨出部分18とで構成された容器本体11を有している。
【0033】
該容器本体11は、カーボングラファイト、炭化珪素、又は炭化珪素をコーティングしたカーボングラファイト等の不透明なセラミックスで構成されており、それらの材料を成形する際に下部17と膨出部分18とは一体になるようにされている。
【0034】
膨出部分18は下部17よりも大径に形成されており、周囲には、鍔部24が設けられている。また、膨出部分18の上部から下部17側に向けて、4個の収容孔221〜224が設けられている。
【0035】
各収容孔221〜224は、容器本体を所定深さまで、穿設することで形成されており、その横断面は円形であり、下端部分131〜134は有底で、上端部分がそれぞれ開放口121〜124にされている。各開放口121〜124は、容器10の中心軸線33を中心として互いに対称になるように、膨出部分18上部の周辺部分に配置されている。
【0036】
また、各下端部分131〜134は、中心軸線33上で連通するように構成されており、従って、各収容孔221〜224の中心軸線321〜324は、共通の底部15から開放口121〜124に向けて外方に広がるように傾斜している。
【0037】
各収容孔221〜224の中心軸線321〜324と容器10の中心軸線33とが成す角度αは、成膜対象となる基板の大きさや、その基板と容器との間の距離によっても変わるが、この容器10では、角度αは約20度になっている。
【0038】
膨出部分18の上端部の各開放口121〜124が配置された部分は傾斜しており、各開放口121〜124はその傾斜に従い、外方に向けて傾斜されている。
また、各収容孔221〜224の直径や深さも、角度αの場合と同様に、基板との関係で値が変わるが、この容器10では、直径は約8mm、深さは約35mmとなっている。
【0039】
このような容器10を用いる場合、予め粉体状の有機薄膜材料を各開放口121〜124から落とし込み、底部15に収容させ、その状態で蒸着装置に装着しておく。
【0040】
図3の符号50は、その状態の蒸着装置を示しており、真空槽51底面に設けられた複数の蒸着源40内に、容器10が、鍔部40によって位置決めされた状態で、1個ずつ装着されている。
【0041】
真空槽51には、真空排気系45とガス導入系46とが接続されており、蒸着装置50を使用する場合、真空排気系45を動作させ、真空槽51内部を予め真空排気しておく。
真空槽51内が所定圧力に到達した後、その真空雰囲気を維持しながら、成膜対象となる基板31を真空槽51内に搬入する。
【0042】
真空槽51の天井側には基板ホルダ30が設けられており、搬入した基板はその基板ホルダ30に装着する。符号31は装着された状態の基板を示している。
各容器10の周囲には、マイクロヒータから成る発熱体41が配置されており、該マイクロヒータ41に通電して発熱させ、各容器10内に収容された有機薄膜材料を加熱する。
【0043】
有機薄膜材料を所定温度まで昇温させ、脱ガスを行った後、ガス導入系46から真空槽51内に気体を導入する。この気体は、有機薄膜材料とは反応しないアルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガスが望ましい。
【0044】
気体を導入することにより、真空槽51内を所定圧力まで昇圧させた後、発熱体41への通電量を大きくし、容器10内の有機薄膜材料を更に昇温させる。ここでは、母材となる有機薄膜材料とドーパントとなる有機薄膜材料とがそれぞれ別個に配置された2個の容器10を加熱するものとする。
有機薄膜材料から蒸気が発生する温度は、有機薄膜材料の種類の他、その有機薄膜材料が置かれた雰囲気の圧力が影響することが知られている。
【0045】
従って、有機薄膜材料が昇温し、真空雰囲気中では蒸気が発生する温度になった場合でも、有機薄膜材料が所定の圧力雰囲気に置かれている場合、蒸気を発生させないことができる。
【0046】
有機薄膜を製造する場合、脱ガス後、有機薄膜材料を真空雰囲気中では蒸気が発生する温度まで昇温させるが、そのとき、真空槽51内を比較的高い圧力(低真空度)まで昇圧させ、蒸気が発生しないようにしておく。
【0047】
有機薄膜材料の温度が安定したところで、気体の導入を停止し、真空槽51内を真空排気し、1.33×10-4Pa(1.0×10-6Torr)以上6.65×10-2Pa(5.0×10-4Torr)以下の範囲の所定圧力まで降圧させると、各有機薄膜材料から蒸気が発生する。
【0048】
このとき、有機薄膜材料は、収容孔221〜224の共通の底部15内に配置されており、発生した蒸気は、各収容孔221〜224の底部15よりも上方部分を流れる際、進行方向が容器10の外方に向けられ、その状態で、開放口121〜124から放射状に放出される。
【0049】
その状態で各蒸着源40上方に設けられたシャッタ42を開け、放出された蒸気を膜厚モニタ43に到達させ、蒸気の付着速度から蒸気の放出速度を測定する。各蒸着源40から所定速度で安定に蒸気が放出された後、基板31近傍に配置されたシャッタ32を開け、有機薄膜材料の蒸気を基板31に到達させると、基板31表面への有機薄膜形成が開始される。
【0050】
本発明の容器10では、各収容孔221〜224とその開放口121〜124とは、容器本体11の中心軸線に対し、外方に向けて傾斜されている。
図4の符号19は、各開放口121〜124から放出された蒸気を模式的に示したものであり、このように、広範囲に放出された蒸気19が気体と衝突して散乱されるから、基板31表面に均一に到達すると、大口径の基板31表面に膜厚分布のよい有機薄膜を形成することができる。
【0051】
この場合、有機薄膜の母材となる有機薄膜材料の蒸気と、ドーパントとなる有機薄膜材料の蒸気とは、基板31表面で均一である必要があるが、それらの蒸気が異なる蒸着源40から放出される場合でも、各蒸気が基板31表面に均一に到達する結果、面内での混合比率や膜厚が均一な有機薄膜を形成することができる。
【0052】
なお、各蒸着源40内に同じ有機薄膜材料を配置することも可能であり、その場合、短時間で所望膜厚の有機薄膜を得ることができる。
【0053】
【発明の効果】
大口径基板表面に均一な膜厚の有機薄膜を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例の容器の平面図及びそのA−A線截断面図
【図2】その容器の斜視図
【図3】本発明の容器を装着した蒸着装置
【図4】本発明の容器から放出される蒸気の状態を説明するための図
【図5】有機薄膜の膜厚分布を説明するためのグラフ
【図6】有機EL素子を説明するための図
【図7】従来技術の容器を用いた蒸着装置を説明するための図
【図8】(a):従来技術の容器の平面図 (b):そのBーB線断面図
【図9】従来技術の容器から放出される蒸気を説明するための図
【符号の説明】
10……容器 121〜124……開放口 221〜224……収容孔 33……容器の中心軸線 40……蒸着源 51……真空槽
Claims (7)
- 有機薄膜材料を収容可能な有底の収容孔を複数有する有機薄膜材料用容器であって、
前記各収容孔は、上部にそれぞれ放出口が設けられ、下部に共通の底部を有し、
前記共通の底部に配置された前記有機薄膜材料から放出された蒸気が前記各放出口から放出されるように構成され、
前記各収容孔内で前記蒸気が流れる部分は、互いに異なる方向に向けられたことを特徴とする有機薄膜材料用容器。 - 前記各収容孔の放出口は、該有機薄膜材料用容器の外方に向けて傾斜されたことを特徴とする請求項1記載の有機薄膜材料用容器。
- 前記各収容孔の前記蒸気が流れる部分は、前記有機薄膜材料用容器の中央から外方に向けて傾斜された請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の有機薄膜材料用容器。
- 前記共通の底部は、前記有機薄膜材料用容器の中心軸線上に配置されたことを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれか1項記載の有機薄膜材料用容器。
- 真空槽と、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の有機薄膜材料用容器を有し、
前記蒸気は前記真空槽内に放出されるように構成された蒸着装置。 - 真空槽に配置された請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の有機薄膜材料用容器に有機薄膜材料を収容させ、前記真空槽内を真空排気して低圧力雰囲気にし、前記有機薄膜材料用容器を加熱して前記真空槽内に前記有機薄膜材料の蒸気を放出させる有機薄膜の製造方法であって、
前記蒸気を放出させる前に、前記真空槽内に気体を導入して前記低圧力雰囲気よりも高圧の高圧力雰囲気にし、
前記有機薄膜材料を、前記低圧力雰囲気では前記蒸気が放出され、前記高圧力雰囲気では前記蒸気が放出されない温度に昇温させた状態で前記高圧力雰囲気から前記低圧力雰囲気にする有機薄膜の製造方法。 - 前記低圧力は、1.33×10-4Pa以上6.65×10-2Pa以下の圧力範囲である請求項6記載の有機薄膜製造方法。
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