JP3817036B2 - 有機化合物蒸発用容器、有機蒸着源、及び真空蒸着装置 - Google Patents

有機化合物蒸発用容器、有機蒸着源、及び真空蒸着装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空蒸着技術にかかり、特に、粉体状の有機化合物を蒸発材料とし、有機化合物蒸気を放出させる有機蒸着源及び、その有機蒸着源を有する真空蒸着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機化合物と無機化合物とを比べた場合、有機化合物の方が反応系や特性が多様であり、また、低エネルギーで表面処理できることから、近年、機能性有機薄膜が着目されている。
【0003】
機能性有機薄膜を利用するものには、有機EL素子、圧電センサ、焦電センサ、電気絶縁膜等、種々のものがあるが、これらのうち、有機EL素子はディスプレイパネルとして利用できることから非常に注目されている。
【0004】
図9の符号aに示したものは有機EL素子の概略構成図であり、ガラス基板b上に、透明導電膜から成るアノード電極膜c、P型の有機薄膜d、N型の有機薄膜e、カソード電極膜fがこの順で形成されている。この有機EL素子aのアノード電極膜cとカソード電極膜fとの間に電圧を印加すると、有機薄膜d、eの界面が発光し、ガラス基板bを透過して外部にEL光gを放射させることができる。
【0005】
有機薄膜d、eを形成するためには、一般的に真空蒸着法が用いられており、有機蒸着源を真空槽内に配置し、有機薄膜材料の蒸気を放出させ、成膜対象の基板表面に付着させると有機薄膜を形成できるようになっている。
【0006】
ところが、金属材料の蒸発温度は600℃〜2000℃程度と高温であるのに対し、有機薄膜材料である有機化合物は蒸気圧が高く、蒸発温度は0℃(場合によっては零下)〜400℃の間にあるのが普通である。また、有機化合物は分解し易く、その分解温度が蒸発温度に近接し、蒸発温度を超えるとすぐに分解してしまうものも多い。
【0007】
そのため、有機薄膜材料の蒸気を放出させる有機蒸着源は、金属蒸着源と異なり、比較的低温で精密に温度制御できる機能が必要となる。
【0008】
また、有機材料は粉体であるものが多いが、真空中では粉体を構成する粒子間が真空断熱されるため、熱伝導が悪く、赤外線を用いて加熱すると局所的に過熱状態になり、突沸を生じやすいという問題がある。
従って、金属薄膜等の無機系薄膜の形成に適した真空蒸着装置を、有機薄膜の形成に転用するのは困難である。
【0009】
そこで近年では、有機薄膜を形成するために、図6に示すような専用の真空蒸着装置150が用いられており、真空槽151底壁に、図7に示すような有機蒸着源140を配置し、その内部に、図8に示す有機化合物容器110を装着し、真空槽151内に、有機化合物容器110内に収納された有機薄膜材料の蒸気を放出させている。
【0010】
その有機化合物容器110を説明すると、図8を参照し、該有機化合物容器110は、不透明なセラミック材料が円柱形形状に成形されて成る容器本体111と、その容器本体111の上端部周囲に設けられたつば部119とを有しており、容器本体111の上端部側から孔が穿設され、その孔が形成する空間によって収容部112が構成されている。従って、有機化合物容器110の全体形状は、略有底円筒形を呈している。
【0011】
次に、有機蒸着源140を説明すると、図7を参照し、該有機蒸着源140はケーシング141を有しており、ケーシング141内には、その内壁面に近い位置から、リフレクタ143、マイクロヒータ146、均熱管147がこの順に配置されており、均熱管147底面には熱電対149が設けられ、図示しない測定装置と熱電対149とによって、均熱管147の温度を測定できるように構成されている。
【0012】
この有機蒸発源140は、真空槽151の底壁に配置されており、有機化合物容器110内に粉体状の有機薄膜材料120を収納した状態で、均熱管147内に装着し、蒸着孔144を有する蓋142を上部からかぶせると、有機薄膜形成の準備が完了する。
【0013】
図6を参照し、真空槽151の天井側には基板ホルダ152が設けられており、その基板ホルダ152上に基板153(図9では符号bのガラス基板)を、有機蒸着源140と対向させて配置し、真空槽151内を所定圧力まで真空排気する。
【0014】
次いで、マイクロヒータ146に通電し、発熱させると、マイクロヒータ146から赤外線が放射され、均熱管147が、マイクロヒータ146からの赤外線と、リフレクタ143で反射された赤外線とによって加熱される。この均熱管147が加熱されると、熱伝導により、有機化合物容器110が加熱される。
【0015】
このとき、熱電対149を用いて均熱管147の温度を測定し、有機化合物容器110が過熱されないように、マイクロヒータ146への通電量を制御しながら、有機薄膜材料120を昇温させる。
【0016】
有機薄膜材料120が所定の蒸発温度に達っしたところで、有機蒸着源140側のシャッター156を開け、有機薄膜材料120の蒸気を真空槽151内に放出させる。
【0017】
その蒸気の放出量は、成膜速度モニター156によって測定しておき、放出速度が安定したところで基板153側のシャッター157を開け、基板156表面へ有機薄膜材料120の蒸気を付着させると、有機薄膜が形成され始める。
【0018】
上述のような有機蒸発源140を用いれば、均熱管147によって赤外線が遮蔽されるので、有機薄膜材料120に直接赤外線が照射されることはなく、有機薄膜材料120が過熱状態になって突沸が生じたり、分解することがない。
【0019】
また、有機薄膜材料120の蒸気を付着させる際、基板153を基板ホルダ152と一緒に回転させておくと、有機薄膜材料120の蒸気が均一に到達し、基板153表面に膜厚分布のよい有機薄膜が得られるようになっている。
【0020】
しかしながら、上述した有機化合物容器110では、有機薄膜材料120は容器本体111の内壁面115からの熱伝導によって加熱されるため、熱伝導率が低い粉体中では、有機薄膜材料120は周辺部分だけが加熱され、その中央部分の温度が上昇せず、中央部分に位置する粉体粒子が蒸発せずに残ってしまうという問題がある。
【0021】
そこで粉体状の有機薄膜材料120を均一に加熱するために、蒸気放出口が有機薄膜材料120蒸気の付着物で閉塞されない範囲で、収容部112をできるだけ小口径化する努力が成されている。実験によると、収容部112の直径が25mmでは有機薄膜材料121を全部蒸発させることができず、19mmでは全部蒸発させることができている。
【0022】
他方、近年では、有機EL素子を用いた表示装置には一層の大口径化が求められており、そのため、大口径のガラス基板表面に有機薄膜を均一に形成できる真空蒸着装置の開発が望まれている。
【0023】
ところが、大口径基板に膜厚分布のよい有機薄膜を形成するためには、できるだけ広い面積の放出口114から有機薄膜材料の蒸気を放出させた方が有利であるのに、収容部112を小口径化すると、放出口114が狭くなり、放出源が点状になってしまい、大口径基板に均一な膜厚の有機薄膜を形成できないという問題がある。
【0024】
この場合、上述のような放出口114が狭い有機蒸着源140を多数配置しても、各有機蒸着源140の上方位置で膜厚が厚く、有機蒸着源140が配置されていない上方位置では膜厚の薄い有機薄膜しか得ることができず、その解決が望まれていた。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたもので、その目的は、大口径基板に均一な有機薄膜を形成できる技術を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、容器本体と、前記容器本体に設けられた孔で構成された収容部とを有し、前記収容部に有機薄膜材料を収納して真空槽内に配置し、前記容器本体を加熱すると、前記収容部上端の放出口から前記真空槽内に向けて、前記有機薄膜材料の蒸気を放出できるように構成された有機化合物蒸発用容器であって、前記収容部は底面の面積よりも放出口の面積の方が大きくされ、前記収容部は前記容器本体に複数設けられていることを特徴とする有機化合物蒸発用容器である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の有機化合物蒸発用容器であって、前記収容部は円錐台形状に成形されていることを特徴とする有機化合物蒸発用容器である。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の有機化合物蒸発用容器であって、前記容器本体は、カーボングラファイト製、炭化珪素製、又は炭化珪素がコーティングされたカーボングラファイト製であることを特徴とする有機化合物蒸発用容器である。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の有機化合物蒸発用容器と、前記有機化合物蒸発用容器の周囲に配置されたヒータとを有し、前記ヒータに通電すると、前記有機化合物蒸発用容器を加熱できるように構成されたことを特徴とする有機蒸着源である。
請求項5記載の発明は、真空槽内に、請求項4記載の有機蒸着源が、少なくとも1個以上配置されていることを特徴とする真空蒸着装置である。
【0027】
上記構成の有機化合物容器では、その容器本体に設けられた孔によって収容部が構成されており、容器本体を不透明な材料で構成し、赤外線によって加熱すると、容器本体に収納された有機薄膜材料を、容器本体壁面からの熱伝導によって昇温させることができる。従って、有機薄膜材料は局所的な過熱状態にならず、有機薄膜材料の蒸気が安定に発生する。
【0028】
一般に、金属材料の蒸気は発生源から直線的に飛び出すが、有機薄膜材料の蒸気は分子量が大きいため、ガス流となって移動する。従って、収容部内で発生した有機薄膜材料の蒸気は、内壁面に沿って移動する際に、方向性ができてしまう。本発明の有機化合物容器では、収容部底面の面積よりも、収納部上端の放出口の面積の方が広くされており、典型的には円錐台形状にされている。従って、有機薄膜材料の蒸気は収容部内を移動する際に次第に広がってゆき、放出口から出る際には、真空槽内の広い範囲向かって放出され、大口径基板表面に有機薄膜材料の蒸気が均一に付着し、均一な膜厚の有機薄膜を形成することが可能となっている。
【0029】
それに対し、円柱形形状の収容部では、発生した蒸気は収容部内を広がらないで移動するので、真空槽内に放出されると収容部の中心軸線方向に向かうため、基板表面では、有機化合物容器の真上位置の有機薄膜は厚くなり、他の位置では薄くなってしまう。
【0030】
本発明の有機化合物容器では、1個の容器本体に複数の収容部を設けておくと、個々の収容部の放出口の面積を小さくしながら放出口全体の面積を大きくできるので、一層口径の大きな基板に均一に有機薄膜を形成させることができる。
この場合、各収容部を異なる方向に向けておくと、真空槽内に放出される有機薄膜材料の蒸気を一層均一に拡散させることができる。
【0031】
また、容器本体については、熱伝導率が高く、有機薄膜材料と反応せず、また、不純物が溶出しない材料であることが必要であり、特に、粉体状の有機薄膜材料を用いる場合には、不透明なことが望ましいので、カーボングラファイトや炭化珪素、又は炭化珪素をコーティングしたカーボングラファイトで構成させるとよい。
【0032】
その場合、有機化合物容器の周囲にヒータを巻回し、容器本体を直接加熱できるようにしておくと、粉体状の有機薄膜材料は突沸せず、温度制御性のよい有機蒸着源が得られる。
【0033】
以上説明した有機蒸着源を真空槽に配置すれば、有機薄膜の形成に適した真空蒸着装置を構成することができる。特に、1台の真空槽に複数個配置し、一緒に有機薄膜材料の蒸気を放出させた場合には、より大口径の基板表面に均一な有機薄膜を形成することが可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】
図1(a)、(b)の符号10は、本発明の有機化合物容器の第一例であり、同図(a)は平面図、同図(b)はI−I線截断面図である。
この有機化合物容器10は、カーボングラファイトブロックが略円柱形形状に成形されて成る容器本体11を有しており、その上部底面の周囲には、つば部19が設けられている。
【0035】
容器本体11には、上部底面側から孔が穿設されており、その孔が形成する空間によって収容部12が構成されている。従って、容器本体11の全体形状は、略有底円筒形形状を呈している。
【0036】
収容部12の底面13は、直径約5mmにされており、上端の放出口14の直径は約10mmにされている。従って、底面13の面積は、放出口14の面積よりも小さくされている。底面13及び放出口14は円形であり、収容部12全体は円錐台形状を呈している。
【0037】
その収容部12内に粉体状の有機薄膜材料を収納し、容器本体11を加熱すると有機薄膜材料が容器本体11の壁面から熱せられ、有機薄膜材料の蒸気が発生する。その蒸気は、図4に示すように、放出口14から放出される(図4では有機薄膜材料は図示しない。)。
【0038】
収容部12は円錐台形状を呈しているので、その内壁面15が構成する錐面の母線17は、中心軸線18に対して広がっており、収容部12を有機薄膜材料の蒸気40が収容部12内を上方に移動する際に、次第に広がってゆき、その状態で放出口14から放出される。従って、その蒸気は、中心軸線18方向の他、母線17方向にも放出されるため、側方に向けて、多量の有機薄膜材料の蒸気40が拡散する。
【0039】
従って、円柱形形状の収容部に比べ、上記収容部12では真空槽内に蒸気40が均一に拡散し、大口径基板表面に膜厚分布の均一な有機薄膜を形成できる。
【0040】
次に、図2(a)、(b)の符号20は、本発明の有機化合物容器の第二例を示しており、同図(a)は平面図、同図(b)はII−II線截断面図である。
この有機化合物容器20は、第一例の有機化合物容器10と同様に、カーボングラファイトから成る容器本体21を有している。該容器本体21は略円柱形形状に成形されており、その上部底面側から4個の孔が穿設され、それらの孔が各々形成する空間によって、4個の収容部221〜224が構成されている。
【0041】
各収容部221〜224は対称に配置されており、それらの底面231〜234の直径は約5mm、放出口241〜244の直径は約10mmにされている。従って、放出口241〜244の面積は、底面231〜234の面積よりも広く、それぞれ略円錐台形状を呈している。
【0042】
各収容部221〜224の内壁面15の母線は、有機化合物容器20の中心軸線28に対し、側方に広がるように傾斜されており、且つ、中心軸線28に遠い母線の傾斜の方が大きくなるようにされている。従って、各収容部221〜224は中心軸線に対して傾斜しており、粉体状の有機薄膜材料を配置し、加熱た場合には、各週要部221〜224内を上方に移動する際に次第に広がるばかりでなく、真空槽内に放出される際に、中心軸線28を中心として放射状に放出されるので、第一例の有機化合物容器10よりも、一層均一に拡散する。
【0043】
次に、図3(a)、(b)の符号30は、本発明の有機化合物容器の第三例を示しており、同図(a)は平面図、同図(b)はIII−III線截断面図である。
【0044】
この有機化合物容器30も、上述の有機化合物容器10、20と同様に、カーボングラファイトから成る容器本体31を有している。その容器本体31は、略円柱形形状に成形された円柱部36と、半球形形状に成形され、底面が円柱部36状に配置された半球部37とで構成されており、半球部37側から4個の孔が穿設され、各孔が形成する空間によって4個の収容部321〜324が構成されている。従って、各収容部321〜324の放出口341〜344は半球部37表面に位置している。それら放出口341〜344は対称に配置されている。
【0045】
各収容部321〜324は、上記第二例の収容部221〜224と同様に、底面331〜334の直径が放出口341〜344の直径よりも小さくされており、各収容部321〜324の壁面は351〜354は、中心軸線38に対して外方に向けて傾斜されている。その傾斜は、上記第二例の有機化合物容器20と同様に、中心軸線38から離れるほど大きくなるようにされている。
【0046】
この有機化合物容器30では、第二例の有機化合物容器20と異なり、放出口341〜344は半球部37上に位置しているため、各放出口341〜344の縁部分は、中心軸線38側では容器本体31壁面が最上部まで存し、外周側では、壁面が低位置で終端している。
【0047】
従って、各収容部321〜324内で生成された有機薄膜材料の蒸気は、収容部321〜324内を移動する際に広がるばかりでなく、放出口341〜344の中心軸線38側よりも外周側の方から先に真空槽内に放出されるので、側方に拡散する蒸気の量は、第二例の有機化合物容器20よりも更に多くなり、より大口径の基板表面に均一な有機薄膜を形成できるようになる。
【0048】
以上説明した本発明の有機化合物容器10、20、30を、従来技術の有機化合物容器110に替え、有機薄膜を形成する場合を説明する。
有機化合物容器10、20、30(いずれか1個)の収容部12、22、32に有機薄膜材料を収納させた状態で、図5に示す有機蒸着源40のケーシング41内に装着し、真空蒸着装置50の真空槽51底壁に配置する。
【0049】
真空槽51の天井側に設けられた基板ホルダ52に基板53を保持させ、基板53を有機蒸着源40に対向させた状態にする。真空槽51内を真空排気した後、有機化合物容器10、20、30に直接巻き回したマイクロヒータ46に通電し、放出口14、24、34から有機薄膜材料の蒸気を放出させる。
【0050】
シャッタ55、57を開け、真空槽51内に有機薄膜材料の蒸気を均一に放出させ、膜厚モニター56によって成膜レートを測定しながら基板53表面に有機薄膜材料の蒸気を付着させる。
【0051】
このとき、基板53を基板ホルダ52と一緒に回転させておき、大口径の基板53表面に均一な膜厚の有機薄膜を形成する。
【0052】
以上説明した有機化合物容器10、20、30はカーボングラファイトで構成させたが、炭化珪素で構成させてもよい。また、炭化珪素をコーティングしたカーボングラファイトで構成させてもよい。更に、カーボングラファイトや炭化珪素に他の材料を表面コーティングしたものでもよい。
【0053】
要するに、熱伝導率が高く、有機薄膜材料と反応せず、また、不純物が溶出しない材料であればよい。特に、カーボングラファイトや炭化珪素、又は炭化珪素をコーティングしたカーボングラファイトは上記条件を満たし、不透明で赤外線を遮蔽するので、有機化合物容器10、20、30にマイクロヒータを直接巻回して加熱しても、有機薄膜材料に赤外線が照射されることはない。従って、有機蒸着源40に均熱管を設ける必要がなくなる。
【0054】
なお、上記真空蒸着装置50では、真空槽51内に1個の有機蒸着源40を配置したが、1台の真空槽51に対し、本発明の有機化合物容器10、20、30のいずれかを装着した有機蒸着源40を複数個配置してもよい。
【0055】
その場合、複数の有機蒸着源40に同じ有機薄膜材料を収納し、一緒に蒸気を放出させると、より一層大口径の基板表面に均一な有機薄膜を形成できるようになる。
【0056】
他方、複数の有機蒸着源40に異なる有機薄膜材料を配置してもよい。例えば、多層有機膜を形成する場合や、ドーパントと有機薄膜の母材となる有機化合物とを別々の有機蒸着源40に収納させる場合である。
【0057】
【発明の効果】
大口径基板表面に均一な膜厚の有機薄膜を形成できる。
収納部を大面積化せずに済むので、有機薄膜材料が残ってしまうことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機化合物容器の第一例
(a):平面図 (b):I−I線截断面図
【図2】本発明の有機化合物容器の第二例
(a):平面図 (b):II−II線截断面図
【図3】本発明の有機化合物容器の第三例
(a):平面図 (b):III−III線截断面図
【図4】有機化合物蒸気の放出状態を説明するための図
【図5】本発明の有機蒸着源及び真空蒸着装置の一例を説明するための図
【図6】従来技術の真空蒸着装置を説明するための図
【図7】従来技術の有機蒸着源を説明するための図
【図8】従来技術の有機化合物容器を説明するための図
【図9】有機EL素子の構造を説明するための図
【符号の説明】
10、20、30……有機化合物容器 11、21、31……容器本体 12、22、32……収容部 14、24、34……放出口 40……有機蒸着源 46……ヒータ 50……真空蒸着装置

Claims (5)

  1. 容器本体と、前記容器本体に設けられた孔で構成された収容部とを有し、
    前記収容部に有機薄膜材料を収納して真空槽内に配置し、前記容器本体を加熱すると、前記収容部上端の放出口から前記真空槽内に向けて、前記有機薄膜材料の蒸気を放出できるように構成された有機化合物蒸発用容器であって、
    前記収容部は底面の面積よりも放出口の面積の方が大きくされ
    前記収容部は前記容器本体に複数設けられていることを特徴とする有機化合物蒸発用容器。
  2. 前記収容部は円錐台形状に成形されていることを特徴とする請求項1記載の有機化合物蒸発用容器。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の有機化合物蒸発用容器であって、前記容器本体は、カーボングラファイト製、炭化珪素製、又は炭化珪素がコーティングされたカーボングラファイト製であることを特徴とする有機化合物蒸発用容器。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の有機化合物蒸発用容器と、
    前記有機化合物蒸発用容器の周囲に配置されたヒータとを有し、前記ヒータに通電すると、前記有機化合物蒸発用容器を加熱できるように構成されたことを特徴とする有機蒸着源。
  5. 真空槽内に、請求項4記載の有機蒸着源が、少なくとも1個以上配置されていることを特徴とする真空蒸着装置。
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