JP3782255B2 - 有機化合物用の蒸着源、及び蒸着装置 - Google Patents

有機化合物用の蒸着源、及び蒸着装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機薄膜を製造する装置にかかり、特に、微量のドーパントを均一に含有する有機薄膜を製造できる蒸着源、その蒸着源を有する蒸着装置及びEL製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機化合物と無機化合物とを比べた場合、有機化合物の方が反応系や特性が多様であり、また、低エネルギーで表面処理できることから、近年、機能性有機薄膜が着目されている。
【0003】
機能性有機薄膜を利用するものには、有機EL素子、圧電センサ、焦電センサ、電気絶縁膜等、種々のものがあるが、これらのうち、有機EL素子はディスプレイパネルとして利用できることから非常に注目されている。
【0004】
図9の符号201は、一般的な有機EL素子の概略構成を示した断面図であり、ガラス基板211、透明導電膜212、バッファー層213、ホール注入層214、ホール輸送層215、発光層216、電子輸送層217、カソード電極膜218、保護膜219とから構成されている。
【0005】
この有機EL素子201の製造工程を説明すると、透明電極膜212(ITO薄膜)が形成されたガラス基板211を用い、透明電極膜212表面に、有機化合物を蒸着材料とした蒸着法によってバッファー層213(CuPC:銅フタロシアニン膜)、ホール輸送層214(TPD膜)、発光層215(Alq3又はBAlqと添加物から成る薄膜)、電子輸送層216(Alq3膜)を順次形成する。
【0006】
発光層215は、発光剤となる有機化合物(ホスト)中に、発色剤(ドーパント)となる有機化合物が分散されている。発色剤(ドーパント)は、発光剤から放出された光を吸収し、発色するため、発色層215の表示色は、発色剤によって決まる。
【0007】
下記表1に、バッファー層212〜発光層215の組成物の略称を示す。表中の各発光色の欄に記載した数字は発光剤“100”に対する発色剤の割合を示す。
【0008】
【表1】
Figure 0003782255
【0009】
上記表中の略称の有機化合物の化学構造を下記化学式に示す。
【0010】
【化1】
Figure 0003782255
【0011】
【化2】
Figure 0003782255
【0012】
【化3】
Figure 0003782255
【0013】
【化4】
Figure 0003782255
【0014】
【化5】
Figure 0003782255
【0015】
【化6】
Figure 0003782255
【0016】
このように、発光層215は多量の発光剤と微量の発色剤とで構成されている。図10の符号102は、有機蒸着装置であり、真空槽141の天井側に基板ホルダ142が配置されており、底壁側に、2個の蒸着材料容器105、106が配置されている。基板ホルダ142上にガラス基板108を配置した場合、一方の蒸着材料容器105は、ガラス基板108の中心軸線144上に位置するようにされており、他方の蒸着材料容器106は、ガラス基板108の外周付近に位置するようにされている。
【0017】
各蒸着材料容器105、106は、容器本体151、161をそれぞれ有しており、中心軸線144上の蒸着材料容器105が有する容器本体151は、外周位置の蒸着材料容器106が有する容器本体161よりも大容量に形成されている。
【0018】
各容器本体151、161のうち、大きい方には発光剤159が収容されており、小さい方には発色剤169が収容されている。各容器本体151、161周囲には、ヒータ176、177が配置されており、各ヒータ176、177に通電して発熱させ、発光剤159及び発色剤169の蒸気を放出させる。
【0019】
このとき、基板ホルダ142内のヒータ143に通電し、ガラス基板108を加熱しながら中心軸線144を中心として基板ホルダ142及びガラス基板108を回転させると、発光剤159及び発色剤169の蒸気がガラス基板108に均一に到達し、ガラス基板108表面に発光層215が形成される。
【0020】
しかしながら、上述したように、発色剤169の発光層215中の含有率は微量であり、発色剤169を発光層215中に均一に分散させることが困難である。特に、ガラス基板108が大面積である場合、中心部分の発色剤169の含有率と、周辺部分の含有率とが相違してしまい、色ムラが生じてしまうという問題がある。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の不都合に鑑みて創作されたものであり、その目的は、発光層等の有機薄膜中に、発色剤等の微量な有機化合物を均一に分散させることができる技術を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明装置は、リング形状の第1の容器本体と、前記第1の容器本体とは離間し、その中央位置に配置された第2の容器本体とを有し、前記第1、第2の容器本体には、有機蒸着材料を収容できる有底の第1、第2の孔が複数個それぞれ設けられたことを特徴とする。
【0023】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の蒸着源であって、前記第1の容器本体に設けられた前記第1の孔は、前記第2の容器本体に対し、対称に配置されていることを特徴とする。
【0024】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の蒸着源であって、少なくとも前記第1の孔は、放出口部分が底面側よりも狭く形成されたことを特徴とする。
【0025】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の蒸着源であって、前記第1の容器本体の外周側面と、前記第2の容器本体の周囲には、第1、第2のヒータがそれぞれ配置されていることを特徴とする。
【0026】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の蒸着源であって、前記第2のヒータの周囲には、熱遮蔽板が設けられていることを特徴とする。
【0027】
請求項6記載の発明は、蒸着装置であって、真空槽を有し、該真空槽内に請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の蒸着源が配置されたことを特徴とする。
【0028】
請求項7記載の発明は、EL素子製造装置であって、紫外線ランプが設けられた紫外線照射室と、請求項6記載の蒸着装置とを有することを特徴とする。
【0029】
本発明は上記のように構成されており、第1、第2の容器本体を有している。第1の容器本体はリング状に成形されており、有底の第1の孔が複数個設けられている。第1の容器本体を熱伝導性の高い材料で構成した場合、第1の孔同士の熱結合性が高くなり、各第1の孔の内部に配置された有機化合物の温度が一致するようになっている。
【0030】
また、第1の容器本体の中央位置には、第2の容器本体が配置されている。第2の容器本体には、有底の第2の孔が複数個設けられており、第2の孔から放出された有機化合物蒸気と、第1の孔から放出された有機化合物蒸気とが、蒸着源上方に配置された基板表面に対し、均一に到達するようになっている。
【0031】
この場合、第2の孔の総容積よりも、第1の孔の総容積の方が大きくなるので、第1の孔内に消費量の多いホストを収容し、第2の孔内に収容量が少ないドーパントを収容させると、ホストとドーパントの補充時期を一致させることができる(但し、第1の孔内にドーパントを収容させ、第2の孔内にホストを収容させてもよい。)。
【0032】
ドーパントの蒸気を放出させる際の加熱温度と、ホストの蒸気を放出させる際の加熱温度とは異なるので、第1、第2の蒸着容器間には熱遮蔽板を設け、熱的に分離させておくとよい。第1の蒸着容器に配置する第1のヒータについては、第1の容器本体の外周側面部分にだけ巻回し、第1のヒータから放射される熱が第2の蒸着容器側に直接照射されないように構成するとよい。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明の有機薄膜製造方法を、本発明の蒸着装置と共に説明する。
図1を参照し、符号2はEL素子製造装置を示しており、基板搬入室31、第1の搬送室32、紫外線照射室34、第2の搬送室35、前処理室38、電極形成室37、搬出室38、及び5台の蒸着装置21〜24を有している。
【0034】
それらの蒸着装置21〜25のうち、2台の蒸着装置24、25がホール輸送層と電子輸送層の形成に使用され、他の3台の蒸着装置21〜23が緑色、赤色、青色の三原色光を放射する発光層を形成するのに使用される。
【0035】
このEL素子製造装置を使用する場合、先ず、透明電極膜(TIO薄膜)が形成されたガラス基板を複数枚カセットに搭載し、搬入室31内に搬入する。
【0036】
搬入室31内を真空排気した後、搬送室32と接続し、第1の搬送室32内部に配置されたロボットにより、搬入室31内からガラス基板を1枚取り出し、紫外線照射室33内に搬入する。
【0037】
紫外線照射室32内には紫外線ランプが配置されており、その紫外線ランプにより、真空雰囲気中で透明電導膜表面に紫外線を照射し、表面に付着した炭化水素を分解して二酸化炭素にし、真空排気によって紫外線照射室33外に排出する。
【0038】
紫外線照射室33内での処理が終了し、透明導電膜表面が清浄になった後、第2の搬送室34内に配置された基板搬送ロボットによって、そのガラス基板を前処理室36内に搬入する。この前処理室36内では透明導電膜の酸化処理を行い、次いで蒸着装置24内に搬入する。この蒸着装置24内では、透明導電膜表面に、バッファ層及びTPDから成るホール輸送層を形成する。
【0039】
バッファ層及びホール輸送層所定膜厚に形成された後、発光層を形成する蒸着装置21内に搬入する。
【0040】
緑、赤、青の各色の発光層を形成する蒸着装置21〜23は同じ構成をしており、それら蒸着装置21〜23の内部構成を図2に示す。これらの蒸着装置21〜23は真空槽41を有しており、該真空槽41の天井側には基板ホルダ42が配置され、底壁側には有機蒸着源3が配置されている。
【0041】
各蒸着装置21〜23内にガラス基板が搬入された場合、そのガラス基板は透明導電膜側を有機蒸着源3に向けて基板ホルダ42に保持される。符号8は、そのガラス基板を示している。
【0042】
有機蒸着源3の拡大図を図3に示す。この有機蒸着源3は、第1、第2の蒸着容器5、6と、熱遮蔽板7とを有している。
【0043】
第1の蒸着容器5は、円形リング形状になっており、基板ホルダ42上に保持されたガラス基板8の中心軸線と、第1の蒸着容器5の中心軸線とが一致するようにされている(符号44でそれらの中心軸線を示す。)。
【0044】
第2の蒸着容器6は、第1の蒸着容器5の中心位置であって、その中心軸線44上に配置されている。第1、第2の蒸着容器5、6の配置状態を図4に示す(熱遮蔽板7は省略してある。)。
【0045】
第1、第2の蒸着容器5、6は、第1、第2の容器本体50、60と、第1、第2の筺体71、72と、第1、第2のヒータ76、77とを有している。
【0046】
第1の筺体71と、第1の容器本体50と、第1のヒータ76とは、それぞれ円形リング形状にされており、容器本体50と第1のヒータ76とは、筺体71内に配置されている。第1のヒータ76は、第1の容器本体50の外周側面と第1の筺体71の内壁面との間に配置されている。
【0047】
第1の容器本体50は、図4の斜視図に示すように、円形リング形状のカーボングラファイト材料51と、該カーボングラファイト材料51の上部に形成された複数の第1の孔52で構成されている(図4では8個の第1の孔52が示されている)。
【0048】
第1の容器本体50の第1の孔52部分の断面図(図4のA−A線截断面図)を図7(a)に示す。各第1の孔52は有底であり、容器部分56と、その上部の放出口55とで構成されている。
【0049】
容器部分56の直径は、放出口55の直径よりも大径にされており、容器部分56内には発光剤(ホスト)59が収容されている。
【0050】
他方、第2の筺体72は、有底円筒状になっており、その内部に第2のヒータ77と第2の容器本体60とが納められている。ヒータ77は、第2の容器本体60の周囲に巻回されている。
【0051】
第2の容器本体60は、カーボングラファイト材料61と、該カーボングラファイト材料61の上部に形成された複数の第2の孔62とで構成されている。第2の孔62内には、発色剤69が収容されている(各第2の孔62は、互いに分離されていてもよいし、底部で互いに接続されていてもよい。)。
【0052】
熱遮蔽板7は、円形リング形状になっており、第1の蒸着容器5の周囲に配置されている。
【0053】
この有機蒸着装置21〜24を用いてガラス基板上に発光層を形成する場合、基板ホルダ42内のヒータ43に通電して発熱させ、基板ホルダ42に保持されたガラス基板8を加熱する。
【0054】
このとき、第1、第2のヒータ76、77には予め通電しておき、発光剤59及び発色剤69を予備加熱しておく。ガラス基板8が所定温度に到達した後、第1、第2のヒータ76、77の発熱量を増加させ、発光剤59及び発色剤69を昇温させ、発光剤59及び発色剤69の蒸気を発生させる。このとき、基板ホルダ42及びガラス基板8は、中心軸線44を中心として回転させておく。
【0055】
発光剤59に用いられる有機化合物と発色剤69に用いられる有機化合物とは、上記表1に示すように、蒸気を発生させるための最適な温度が異なっており、一般には、発光剤59に適した温度の方が、発色剤69に適した温度よりも高温になっている。
【0056】
従って、発光剤59が配置された第1の蒸着容器5の発熱により、発色剤69が配置された第2の蒸着容器6が加熱された場合には、発色剤69の蒸発量が制御できなくなり、また、甚だしい場合には突沸が生じる等の不都合がある。
【0057】
この有機蒸着源3では、第1の蒸着容器5に設けられた第1のヒータ76は、第1の容器本体60の外周側面に巻回されており、第2の蒸着容器6に対向する面には、第1のヒータ76が存しないようにされている。従って、第1のヒータ76の発熱は、第2の蒸着容器6側には伝達されにくくなっている。
【0058】
更に、第1の蒸着容器5と第2の蒸着容器6との間には、熱遮蔽板7が設けられており、第1の蒸着容器5の輻射熱は、この熱遮蔽板7で遮蔽されるようになっている。熱遮蔽板7自体は、その内部に冷却水が循環されることで、一定温度が維持されるようになっているため、第2の容器本体60は、第2のヒータ77によってだけ加熱され、発色剤69が精度良く温度制御されるようになっている。
【0059】
なお、符号81は、熱電対であり、第2の容器本体60の温度を測定するようになっている(第1の蒸着容器5にも熱電対が設けられているが省略する)。
【0060】
発光剤59の消費量は発色剤69の消費量よりも多いため、第1の孔52の総容積は、第2の孔62の総容積よりも大きくされており、発光剤59の補充時期と発色剤69の補充時期とが一致するようにされている。
【0061】
第1、第2の容器本体50、60が所定温度に加熱されると、発光剤59と発色剤69とがそれぞれ放出される。
【0062】
図5は、第1の容器本体50が加熱された状態であり、ここでは、ここでは4個の第1の孔52から放出された有機化合物の蒸気461〜464が示されている。各蒸気461〜464の放出方向の中心軸線471〜474は、鉛直上方に向かっており、周辺部分では重なり合っている。周辺部分の蒸気密度は、中心軸線471〜474部分の蒸気密度よりも小さいので、重なり合ったところでは蒸気密度が高くなり、中心軸線471〜474部分の蒸気密度に近づく。
【0063】
特に、第1の容器本体50の中央部分では、全ての蒸気461〜46nが重なるので、その部分の蒸気密度は、中心軸線471〜47n部分の蒸気密度に一層近づくようになっている。
【0064】
なお、ガラス基板8は、第1の容器本体50の中心軸線44を中心として回転するので各蒸気461〜46nの蒸気密度が不均一であっても、ガラス基板8上の発光層の膜厚は平均化される。
【0065】
図6は、第2の容器本体60が加熱された状態であり、2個の第2の孔621、622、及び各第2の孔621、622から放出された有機化合物の蒸気481、482が示されている。第2の容器本体60は、ガラス基板8の略中央真下位置(ガラス基板8の中心軸線44上の位置)に配置されているが、第2の孔621、622は第2の容器本体61の外周方向に向かう傾斜が付与されており、各蒸気481、482の放出方向491、492は、ガラス基板8の外周方向に向かうようになっている。
【0066】
この第2の容器本体60でも、各第2の孔621〜62nから放出された蒸気481〜48nは、ガラス基板8表面に均一に到達する。
【0067】
従って、第1、第2の蒸着容器50、60から放出された有機化合物の蒸気46、48はガラス基板8上で均一に混合され、発光剤中に微量の発色剤が均一に混合された発光層を得ることができる。
【0068】
上記のようにホール輸送層上に、表1に記載したホストとドーパントのいずれかの組合せで所定膜厚の発光層を形成した後、蒸着装置21外に搬出する。
【0069】
単色のEL素子の場合、発光層を1層形成した後、直ちに蒸着装置25内に搬入し、その発光層表面に電子輸送層を形成し、次いで電極形成室37内に搬入し、電子輸送層上にカソード電極膜を形成する。そして、搬出室38内に搬入して搬出室38内のカセット内に1枚ずつ収容する。
【0070】
カセットが満載された後、搬出室38内だけに大気を導入し、処理が終了したガラス基板8をカセットごと取り出す。
他方、多色表示用のEL素子を形成する場合、ガラス基板上にマスクを配置した状態で、3台の蒸着室21〜23内で緑、赤、青の発光層を順次形成する。
【0071】
この場合、各色の発光層をバッファ層上に規則正しく点在させておき、各発光層表面に電子輸送層及びカソード電極膜を形成した後、搬出室38から大気中に取り出す。
【0072】
以上説明したように、本発明のEL素子製造装置2(及び本発明の蒸着装置21〜23)によれば、多量の発光剤(ホスト)中に、微量の発色剤(ドーパント)が均一に分散され、ガラス基板8面内での膜厚及び発色剤含有率が略一定となった発光層を得ることができる。
【0073】
一般に、多数のガラス基板を処理し、蒸着源内の有機化合物が減少するにつれ、有機化合物蒸気の放出角度は次第に小さくなる。図7(b)は、放出口55を有さない従来技術の構造の容器本体80に場合を示しており、その容器部分82内に収容された発光剤89が、ほぼ満杯な状態と、残量がほぼゼロとなった状態の放出角度が示されている。符号ψ1は満杯な状態の放出角度、符号ψ2は残量がほぼゼロとなったときの放出角度である。
【0074】
この容器本体80の放出角度ψ1、ψ2の差は非常に大きく、発光層の形成速度や分布は、発光剤89の残量に大きく依存することが分かる。
【0075】
それに対し、図7(a)に示した本発明の容器本体50では、その容器部分56内の発光剤59が、ほぼ満杯な状態から残量がほぼゼロまで変化しても、満杯な状態での蒸気放出角度φ1が小径の放出口55の大きさで制限されているため、残量がほぼゼロのときの放出角度をφ2との差が小さくなっている。
【0076】
発光剤59は大量に消費されることから、容器部分56の径を大きくすいる必要があるが、その場合でも、放出口55の径を小さくすれば、蒸気放出角度の変化を小さくすることができる。
【0077】
上記第1の容器本体5は円形リング形状に形成されていたが、一部に切り欠きが設けられていてもよい。また四角リング形状であってもよい。要するに、第1の容器本体5に設けられた第1の孔52間に、カーボングラファイト材料51等の熱伝導性の高い物質が存在し、熱結合されており、それら第1の孔52の中心位置に、第2の容器本体6が配置できる構造であればよい。
【0078】
また、上記実施例では、図8(a)のガラス基板8上から見た平面図のように、1枚のガラス基板8に対し、1個の蒸着源3を配置したが、図8(b)に示すように、大きなガラス基板9に対しては、上述した蒸着源3と同じ蒸着源を複数個配置することができる。図8(b)の場合には、1個のガラス基板9に対し4個の蒸着源31〜34が配置されている。各蒸着源31〜34は、それぞれ第1、第2の蒸着容器51〜54、61〜64及び熱遮蔽板71〜74を有している。各蒸着源31〜34は、ガラス基板9に対して対称に配置されており、ガラス基板9を回転させたときに各蒸着源31〜34から放出された発光剤の蒸気と発色剤の蒸気が均一に混合するようになっている。
【0079】
【発明の効果】
有機物から成るドーパントを含有する有機薄膜を形成する場合、膜厚及びドーパントの含有率の面内バラツキが小さい有機薄膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のEL素子製造装置を説明するための図
【図2】本発明の蒸着装置を説明するための図
【図3】本発明の蒸着源を説明するための図
【図4】第1、第2の容器本体の配置状態を説明するための図
【図5】第1の容器本体から放出される有機化合物蒸気の放出方向を説明するための図
【図6】第2の容器本体から放出される有機化合物蒸気の放出方向を説明するための図
【図7】(a):本発明の第1の容器本体の断面図
(b):放出口が広い場合の断面図
【図8】(a):一枚の基板に対し、本発明の蒸着源を一個配置した場合の平面図
(b):一枚の基板に対し、本発明の蒸着源を複数個配置した場合の平面図
【図9】EL素子の構造を説明するための図
【図10】従来の蒸着装置を説明するための図
【符号の説明】
2……EL素子製造装置 3、31〜34……蒸着源 21〜23……蒸着装置 41……真空槽 50……第1の容器本体 51……第1の孔 55……放出口 60……第2の容器本体 61……第2の孔 76……第1のヒータ 77……第2のヒータ

Claims (7)

  1. リング形状の第1の容器本体と、
    前記第1の容器本体とは離間し、その中央位置に配置された第2の容器本体とを有し、
    前記第1、第2の容器本体には、有機蒸着材料を収容できる有底の第1、第2の孔が複数個それぞれ設けられたことを特徴とする蒸着源。
  2. 前記第1の容器本体に設けられた前記第1の孔は、前記第2の容器本体に対し、対称に配置されていることを特徴とする請求項1記載の蒸着源。
  3. 少なくとも前記第1の孔は、放出口部分が底面側よりも狭く形成されたことを特徴とする請求項2記載の蒸着源。
  4. 前記第1の容器本体の外周側面と、前記第2の容器本体の周囲には、第1、第2のヒータがそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の蒸着源。
  5. 前記第2のヒータの周囲には、熱遮蔽板が設けられていることを特徴とする請求項4記載の蒸着源。
  6. 真空槽を有し、該真空槽内に請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の蒸着源が配置されたことを特徴とする蒸着装置。
  7. 紫外線ランプが設けられた紫外線照射室と、請求項6記載の蒸着装置とを有することを特徴とするEL素子製造装置。
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