JP3839381B2 - 平衡非平衡変換器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は平衡非平衡変換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2(a)〜(e)に従来の技術による平衡非平衡変換器の構成の平面図を示す。誘電体基板6上で導体薄膜5をパタニングして形成した、コプレーナ線路3からスロット線路2あるいはコプレーナストリップ線路8への平衡非平衡変換器においては、コプレーナ線路3を構成する2つのスロットのうち一方に、変換器が動作する周波数においてλ/4の電気長をもつスロット線路1によるショートスタブ(図2(a)、(e))、該ショートスタブと同様の作用を持つラジアル(扇形状)スロット線路7によるショートタブ(図2(b)、(c))、円形スロット線路9によるショートスタブ(図2(d))等が接続されていた(図2(a)、(b)、(c)については、非特許文献1,2参照)。図2(b)、(c)、(d)は、より広帯域化するために、図2(a)のλ/4の電気長をもつスロット線路1をラジアルスロット線路7や円形スロット線路9に置き換えたものもである。
【0003】
【非特許文献1】
「アイトリプルイーマイクロウエーブガイデイッドウエーブレター」、第2巻、1992年、p.415−416
【非特許文献2】
「アイトリプルイートランザクション」、第MTT−4巻、1993年、p.2116−2125。
【0004】
ショートスタブの接続された側のスロットは、動作周波数において開放状態となる。またコプレーナ線路3と該ショートスタブの接続点にはエアブリッジ4が設けてあり、コプレーナ線路3のグラウンド間が接続されている。
【0005】
これらの働きにより、コプレーナ線路3を構成する2つのスロットの信号は同相で合成され、コプレーナ線路3のもう一方のスロットヘ接続されているスロット線路2あるいはコプレーナストリップ線路8より平衡出力が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の平衡非平衡変換器においては、必ず一部にスロット線路1,2、ラジアルスロット線路7、円形スロット線路9等のスロット線路に類する線路が使われており、誘電体基板6が厚い場合や取り扱う周波数が高い場合に、それらスロット線路に類する線路の周波数分散が問題となる。
【0007】
すなわち、λ/4の電気長をもつスロット線路1によるショートスタブでは、周波数分散のために必ずしも理想的なインピーダンスを示さず、平衡非平衡変換器の反射損、インピーダンス不整合、帯域幅の減少につながっていた。また、ラジアルスロット線路7や円形スロット線路9を用いる場合も、スロット線路1と同様の傾向を示し特性の劣化が見られた。さらに、スロット線路1,2、ラジアルスロット線路7、円形スロット線路9の周辺に十分なマージンスペースが与えられない場合にも特性の乱れが大きく設計性の悪さにつながっていた。
【0008】
これらの問題が発生するのは、スロット線路1,2、ラジアルスロット線路7、円形スロット線路9等で電磁界分布が広範囲に広がる結果、誘電体基板6や周辺の構造物による影響を受けやすいためである。
【0009】
したがって、従来これらの問題を回避するためには、十分に薄い誘電体基板を用い、さらにスロット線路類の部分には十分なマージンスペースを与えるより他に方法が無かった。
【0010】
本発明の目的は、誘電体基板の厚さや周辺の構造物による影響が少なく、広帯域かつ低損失な平衡非平衡変換器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかる発明は、誘電体基板上におけるコプレーナ線路からコプレーナストリップ線路への波長λを中心波長とする平衡非平衡変器において、前記コプレーナ線路を構成する2つのスロットのうち一方を第1のコプレーナストリップ線路に接続すると共に該第1のコプレーナストリップ線路をλ/4の長さで短絡し、前記コプレーナ線路の他方のスロットを第2のコプレーナストリップ線路に接続してなり、該第2のコプレーナストリップ線路から平衡出力を得るようにしたことを特徴とする平衡非平衡変換器とした。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の平衡非平衡変換器において、前記第1のコプレーナストリップ線路は、前記第1のコプレーナストリップ線路を構成する2つの導体間距離が前記コプレーナ線路との接続点から離れるに従い増大し先端で短絡するように形成されていることを特徴とする平衡非平衡変換器とした。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の平衡非平衡変換器において、前記第1のコプレーナストリップ線路は、扇形状に形成されていることを特徴とする平衡非平衡変換器とした。
【0015】
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の平衡非平衡変換器において、前記第1又は第2のコプレーナストリップ線路は、前記コプレーナ線路に対して90度を除く角度で伸びるよう形成されていることを特徴とする平衡非平衡変換器とした。
【0016】
請求項5に係る発明は、請求項1に記載の平衡非平衡変換器において、前記第1のコプレーナストリップ線路は、途中が曲折されていることを特徴とする平衡非平衡変換器とした。
【0017】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
図1(a)は第1の実施形態の平衡非平衡変換器の構成を示す平面図である。ここでは、従来技術の図2(a)で示した平衡非平衡変換器のλ/4スロット線路1およびスロット線路2がコプレーナストリップ線路11,8に置き換えられている。コプレーナストリップ線路は、導体薄膜5からなる金属線の幅とその金属線の間隔の比率を調整することで特性インピーダンスを可変できる特徴がある。このためスロット線路と異なり必要な特性インピーダンスを維持したまま全線路幅を細くすること可能である。コプレーナストリップ線路は全線路幅が細いほど電磁界の広がりが小さいため、誘電体基板6による周波数分散や周辺の構造物の影響を低減できる特徴がある。
【0018】
コプレーナストリップ線路の金属線幅をW、金属線間隔をSとすれば、L=2×(S+2W)程度の距離Lだけ離れた所ではコプレーナストリップ線路との干渉は十分小さくなる。平衡非平衡変換器に用いるコプレーナストリップ線路として、L=30μm程度の線路は一般的なアルミナ基板や高周波集積回路に用いられる半導体基板上で容易に実現できる。
【0019】
このため、本実施形態では、従来のλ/4スロット線路と比較して誘電体基板や周辺の構造物からの影響を大幅に低減できるうえに、パタン面積の縮小も行える。この結果、高周波集積回路等に用いられる数100μm程度の厚い半導体基板上においても、平衡非平衡変換器が設計性良くかつコンパクトに作成できるようになる。
【0020】
[第2の実施形態]
図1(b)は第2の実施形態の平衡非平衡変換器の構成を示す平面図である。ここでは、従来技術の図2(b)、(c)で用いられている広帯域化のためのラジアル(扇形状)スロット線路7が広帯域化のためのラジアル(扇形状)コプレーナストリップ線路12に置き換えられている。また図2(b)で用いられているスロット線路2がコプレーナストリップ線路8に置き換えられている。通常のλ/4コプレーナストリップ線路(図1(a)の符号11)においては金属線間の距離Sは一定であるが、ラジアルコプレーナストリップ線路12はコプレーナ線路3との接続点からの距離に比例して金属線間の距離Sが増加する形状である。
【0021】
本実施形態では、図2(b)、(c)のラジアルスロット線路7と比較してラジアルコプレーナストリップ線路12の電磁界分布の広がりは小さいため、誘電体基板6による周波数分散や周辺の構造物の影響を低減でき、設計性良くかつコンパクトに平衡非平衡変換器が作成できるようになる。
【0022】
[第3の実施形態]
図1(c)は第3の実施形態の平衡非平衡変換器の構成を示す平面図である。ここでは図2(d)で用いられている広帯域化のための円形スロット線路9が広帯域化のための円形コプレーナストリップ線路13に置き換えられている。また図2(d)のスロット線路2がコプレーナストリップ線路8に置き換えられている。
【0023】
本実施形態でも、前記した第2の実施形態と同様に、円形コプレーナストリップ線路13を用いることによる電磁界分布の広がりの抑制効果により、誘電体基板6による周波数分散や周辺の構造物の影響を低減でき、設計性良くかつコンパクトに平衡非平衡変換器が作成できるようになる。
【0024】
[第4の実施形態]
図1(d)は第4の実施形態の平衡非平衡変換器の構成を示す平面図である。ここでは、図1(a)の第1の実施形態と同様に、図2(e)で用いられているλ/4スロット線路1とスロット線路2をλ/4コプレーナストリップ線路11とコプレーナストリップ線路8に置き換えた構造をしている。
【0025】
[第5の実施形態]
図1(e)は第5の実施形態の平衡非平衡変換器の構成を示す平面図である。λ/4コプレーナストリップ線路11は任意の角度に曲げることが可能であり、ここではコプレーナ線路3に対して90度以外の角度で接続している。また同様に平衡出力を取り出すためのコプレーナストリップ線路8もコプレーナ線路3に対して90度以外の角度で接続している。コプレーナストリップ線路は線路間の干渉がスロット線路より少ないため、2本の線路を接近させやすく、本実施形態のように、線路の接続角度の自由度が改善される。
【0026】
[第6の実施形態]
図1(f)は第6の実施形態の平衡非平衡変換器の構成を示す平面図である。ここでは、図1(a)において用いられているλ/4コプレーナストリップ線路11を途中で複数回折り曲げたものである。図2(a)のλ/4スロット線路1と比べて線路間の干渉が少なく小さく、折りたたんだ場合にも特性の乱れが少ないため、曲折により全体の占有面積を従来より縮小することが可能である。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、誘電体基板厚さによる周波数分散効果や周辺の構造物による特性劣化を抑制し、設計性良くコンパクトかつ高性能な平衡非平衡変換器が作成できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)〜(f)は第1〜第6の実施形態の平衡非平衡変換器の構成を示す平面図である。
【図2】 (a)〜(e)は従来の平衡非平衡変換器の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
1:λ/4スロット線路
2:スロット線路
3:コプレーナ線路
4:エアブリッジ
5:導体薄膜
6:誘電体基板
7:ラジアル(扇形状)スロット線路
8:コプレーナストリップ線路
9:円形スロット線路
10:λ/4コプレーナ線路
11:λ/4コプレーナストリップ線路
12:ラジアル(扇形状)コプレーナストリップ線路
13:円形コプレーナストリップ線路
Claims (5)
- 誘電体基板上におけるコプレーナ線路からコプレーナストリップ線路への波長λを中心波長とする平衡非平衡変器において、
前記コプレーナ線路を構成する2つのスロットのうち一方を第1のコプレーナストリップ線路に接続すると共に該第1のコプレーナストリップ線路をλ/4の長さで短絡し、前記コプレーナ線路の他方のスロットを第2のコプレーナストリップ線路に接続してなり、該第2のコプレーナストリップ線路から平衡出力を得るようにしたことを特徴とする平衡非平衡変換器。 - 請求項1に記載の平衡非平衡変換器において、
前記第1のコプレーナストリップ線路は、前記第1のコプレーナストリップ線路を構成する2つの導体間距離が前記コプレーナ線路との接続点から離れるに従い増大し先端で短絡するように形成されていることを特徴とする平衡非平衡変換器。 - 請求項2に記載の平衡非平衡変換器において、
前記第1のコプレーナストリップ線路は、扇形状に形成されていることを特徴とする平衡非平衡変換器。 - 請求項1に記載の平衡非平衡変換器において、
前記第1又は第2のコプレーナストリップ線路は、前記コプレーナ線路に対して90度を除く角度で伸びるよう形成されていることを特徴とする平衡非平衡変換器。 - 請求項1に記載の平衡非平衡変換器において、
前記第1のコプレーナストリップ線路は、途中が曲折されていることを特徴とする平衡非平衡変換器。
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