JP3839170B2 - 電源回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば車両の乗員を衝突事故から保護するエアバッグ等の乗員保護装置の電源として用いられる電源回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の乗員保護装置に用いられている電源回路を、図3に示す乗員保護装置を基にして以下に説明する。
【0003】
まず、乗員保護装置全体の概要を説明し、その後電源回路であるDC/DCコンバータ2について説明する。
【0004】
図示されないイグニッションスイッチがオンされ、車載バッテリ1からDC/DCコンバータ2、定電圧回路9等に並列的に電力が供給され、第1逆流防止用ダイオード2dを介してバックアップコンデンサ3がバッテリ電圧まで充電される。
【0005】
一方、制御回路12は、クロックパルスを出力端子P1からDC/DCコンバータ2の第1制御トランジスタ2eをオン、オフ制御することによってコイル2cに流れる電流を断続して、車載バッテリ1の電圧を昇圧して出力し、前述の如くバックアップコンデンサ3を充電する。
【0006】
その後、図示されない加速度センサから衝突に伴う加速度信号が供給され、その加速度信号に基づいて制御回路12が重大衝突と判断すると、制御回路12は出力端子P3及びP4をハイレベルにして第1スイッチ回路5の第1スイッチングトランジスタ5a及び第2スイッチ回路7の第2スイッチングトランジスタ7aのそれぞれをオンしてバックアップコンデンサ3に充電されていた電力をスクイーブ6に供給する。5b,7bはそれぞれ第1スイッチングトランジスタ5a、第2スイッチングトランジスタ7aと並列接続される寄生ダイオード、Aは図示されない加速度センサから加速度信号が供給される制御回路12の入力端子である。
【0007】
また、図示されないイグニッションスイッチがオフされ(またはそれと同等の断線が発生され)、それを制御回路12が認識すると、出力端子P2の出力でスイッチングトランジスタ10をオンして、バックアップコンデンサ3に充電された電力を定電圧回路9に供給する。
【0008】
なお、図3において、1は車載バッテリ、2はDC/DCコンバータで、最大電流規制抵抗2a、電流検出抵抗2b、コイル2c及び第1逆流防止用ダイオード2dからなる直列回路を有し、その直列回路の一端はDC/DCコンバータ2の入力端子を、また他端は出力端子を形成する。また、DC/DCコンバータ2は、第1制御トランジスタ2e、コンパレータ2f、第2制御トランジスタ2g、電圧分割抵抗2hを含み、第1制御トランジスタ2eが、制御回路12の出力端子P2からクロックパルスを受けて、前記コイル2cに断続的に電流を流すことによって前記車載バッテリ1からの入力電圧を昇圧して第1逆流防止用ダイオード2dを介して後述バックアップコンデンサ3に供給する。
【0009】
また、その昇圧された出力電圧は、電圧分割抵抗2hを介してコンパレータ2fに供給され、所定電圧以上になるとバックアップコンデンサ3は十分に充電されたとして、コンパレータ2fの出力をローレベルにして第1制御トランジスタ2eを不作動状態にする。
【0010】
またコイル2cに流れる電流が所定値以上に大きくなると、第2制御トランジスタ2gがオンして前記コンパレータ2fの出力をローレベルにし、第1制御トランジスタ2eを不作動状態にする。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような乗員保護装置にあって、何らかの原因で図3中にX印で示される点がバッテリーライン(+V)にショートした場合、図示されないイグニッションスイッチがオフされた後に、第1ダイオード5b、スイッチングトランジスタ10を介して定電圧回路9に電力が供給され続けることになり、バッテリ上がりを起こす恐れがあった。
【0012】
この発明はこのような問題点に着目してなされたもので、例えスクイーブの正電位側のラインが電源に短絡しても定電圧回路に給電され続けないようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この電源回路に係る第1の発明は、最大電流規制抵抗、電流検出抵抗、コイル及び逆流防止用ダイオードを含む直列回路と、制御パルスを受けて前記コイルに流れる電流をオン、オフ制御する制御トランジスタと、前記電流検出抵抗に流れる電流が規定値以上になったとき、前記制御トランジスタへの制御パルスの供給を停止せしめる比較回路とから構成され、入力直流電圧を昇圧して出力するDC/DCコンバータと、該DC/DCコンバータから出力される昇圧電圧によって充電され、その充電された電圧を他の逆流防止用ダイオードを介して出力するコンデンサとを備え、かつ前記DC/DCコンバータの入力端子から分岐して前記バッテリ電圧が供給される定電圧回路を備えてなる電源回路において、前記DC/DCコンバータの入力端子と他の逆流防止用ダイオードの入力端子との間に、前記入力直流電圧の非供給状態への切り替わり時にオンされ、前記バックアップコンデンサから定電圧回路に給電するスイッチングトランジスタが破壊防止用ダイオードに直列接続されてなることを特徴とする。
【0014】
第2の発明は、最大電流規制抵抗、電流検出抵抗、コイル及び逆流防止用ダイオードを含む直列回路と、制御パルスを受けて前記コイルに流れる電流をオン、オフ制御するスイッチングトランジスタと、前記電流検出抵抗に流れる電流が規定値以上になったとき、前記スイッチングトランジスタへの制御パルスの供給を停止せしめる比較回路とから構成され、入力直流電圧を昇圧して出力するDC/DCコンバータと、該DC/DCコンバータから出力される昇圧電圧によって充電され、その充電された電圧を他の逆流防止用ダイオードを介して出力するコンデンサとを備え、前記DC/DCコンバータの入力端子から分岐して前記バッテリ電圧が供給される定電圧回路を備えてなる電源回路において、前記DC/DCコンバータの最大電流規制抵抗と電流検出抵抗との接続点と前記逆流防止用ダイオードとの間に、前記入力電圧の非供給状態への切り替わり時にオンされ、前記バックアップコンデンサから定電圧回路に給電するスイッチングトランジスタが介挿されてなることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明による実施の形態1を図1に基づいて説明する。
図1において、図3と同一構成のもの、または均等なものには同一符号を付してその詳細説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に説明する。
すなわち、図3においてはスイッチングトランジスタ10のエミッタ端子が第3逆流防止用ダイオード4のカソード側に接続されていたが、図1においては、アノード側、すなわちバックアップコンデンサ3のプラス端子に接続されている。
これによって、図中のX点が車両の電源ライン(+V)に接触しても、第3逆流防止用ダイオード4によってスイッチングトランジスタ10への流れ込みが防止されることによって車載バッテリ1のバッテリ上りを防止できる。
【0016】
なお、図1においては、破壊防止用ダイオード11をスイッチングトランジスタ10のコレクタ端子に接続している。すなわち、この破壊防止用ダイオード11がない場合には、図示されないイグニッションスイッチがオンされた直後、バックアップコンデンサ3が充電されるまでの間、スイッチングトランジスタ10のエミッタよりもコレクタ側の電圧が高くなり、その結果、ベース、エミッタ逆電圧の耐圧を超えるバッテリ電圧がベース、エミッタ間に直接印加されるので、ベース、エミッタ間が破壊されてしまう。これを破壊防止用ダイオード11を介挿することによって逆バイアスされないようにして破壊を回避している。
【0017】
実施の形態2.
この実施の形態2を図2に基づいて説明する。
図2において、図3と同一構成のもの、または均等なものには同一符号を付してその詳細説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に説明する。
すなわち、図1と同様にスイッチングトランジスタ10のエミッタ端子を第3逆流防止用ダイオード4のアノード側に接続している。図2においては、破壊防止用ダイオード11を削除し、スイッチイングトランジスタ10のコレクタ端子を最大電流規制抵抗2aと電流検出抵抗2bとの接続点に直接接続している。
【0018】
なお、破壊防止用ダイオード11が削除されても、図示されないイグニッションスイッチのオンに伴ってスイッチングトランジスタ10に印加される電圧は、最大電流規制抵抗2aと電流検出抵抗2bとによって、例えばバッテリ電圧の30%に分圧された電圧が印加されるので、ベース、エミッタ逆電圧の耐圧を越えることがなくなる。
これによって、図中のX点が電源ライン(+V)にショートしても、第3逆流防止用ダイオード4によってスイッチングトランジスタ10への流れ込みが、防止される。
【0019】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この第1の発明によれば、スクイーブの正電位側が電源ラインにショートしても定電圧回路にスイッチングトランジスタを介して流れ込むことがないので、バッテリ上がりを防止できるという効果が発揮される。第2の発明によれば、さらに破壊防止用ダイオードを削除できるという効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る電源回路を用いた乗員保護装置の実施の形態1の回路ブロック説明図である。
【図2】この発明に係る電源回路を用いた乗員保護装置の実施の形態2の回路ブロック説明図である。
【図3】従来の回路ブロック説明図である。
【符号の説明】
1 車載バッテリ
2 DC/DCコンバータ
2a 最大電流規制抵抗
2c コイル
2d 第1逆流防止用ダイオード
2e 第1制御トランジスタ
2f コンパレータ
2g 第2制御トランジスタ
3 バックアップコンデンサ
5 第1スイッチ回路
5a 第1スイッチングトランジスタ
6 スクイーブ
7 第2スイッチ回路
7a 第2スイッチングトランジスタ
9 定電圧回路
10 スイッチングトランジスタ
11 破壊防止用ダイオード
12 制御回路

Claims (2)

  1. 最大電流規制抵抗、電流検出抵抗、コイル及び逆流防止用ダイオードを含む直列回路と、制御パルスを受けて前記コイルに流れる電流をオン、オフ制御する制御トランジスタと、前記電流検出抵抗に流れる電流が規定値以上になったとき、前記制御トランジスタへの制御パルスの供給を停止せしめる比較回路とから構成され、入力直流電圧を昇圧して出力するDC/DCコンバータと、
    該DC/DCコンバータから出力される昇圧電圧によって充電され、その充電された電圧を他の逆流防止用ダイオードを介して出力するコンデンサとを備え、かつ前記DC/DCコンバータの入力端子から分岐して前記バッテリ電圧が供給される定電圧回路を備えてなる電源回路において、前記DC/DCコンバータの入力端子と他の逆流防止用ダイオードの入力端子との間に、前記入力直流電圧の非供給状態への切り替わり時にオンされ、前記バックアップコンデンサから定電圧回路に給電するスイッチングトランジスタが破壊防止用ダイオードに直列接続されてなることを特徴とする電源回路。
  2. 最大電流規制抵抗、電流検出抵抗、コイル及び逆流防止用ダイオードを含む直列回路と、制御パルスを受けて前記コイルに流れる電流をオン、オフ制御するスイッチングトランジスタと、前記電流検出抵抗に流れる電流が規定値以上になったとき、前記スイッチングトランジスタへの制御パルスの供給を停止せしめる比較回路とから構成され、入力直流電圧を昇圧して出力するDC/DCコンバータと、
    該DC/DCコンバータから出力される昇圧電圧によって充電され、その充電された電圧を他の逆流防止用ダイオードを介して出力するコンデンサとを備え、前記DC/DCコンバータの入力端子から分岐して前記バッテリ電圧が供給される定電圧回路を備えてなる電源回路において、前記DC/DCコンバータの最大電流規制抵抗と電流検出抵抗との接続点と、前記逆流防止用ダイオードとの間に、前記入力電圧の非供給状態への切り替わり時にオンされ、前記バックアップコンデンサから定電圧回路に給電するスイッチングトランジスタが介挿されてなることを特徴とする電源回路。
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