JP3838562B2 - オイルブリード性シリコーンゴム組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロール粘着性を抑えることができることで作業性が向上し、また、成形後にオイルが表面にブリードするため、特に自動車部品として好適な硬化物を与えることができるオイルブリード性シリコーンゴム組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリコーンゴムは、様々な形に加工成形され、耐熱性、耐候性、耐久性、離型性、電気特性などが優れているため、建築材料、電気・電子部品、自動車部品、OA機器部品など様々な分野で使われている。また近年、シリコーンゴムは自動車部品としての普及は目覚ましく、オイルシール、コネクター、Oリング、ダイヤフラム、ディストリビューター用グロメットなどに使用されている。特にコネクター、ディストリビューター用グロメットの分野において、組立の際の作業性や装着した後の密閉性、絶縁性などを追及した結果、成形後にオイルが表面にブリードするオイルブリード性ディストリビューターが有効であることが認められたため、かかる用途にオイルブリード性シリコーンゴムが広く使われるに到っている。この場合、ブリードオイルとしてはフェニル基含有シリコーンオイルが使用されている。
【0003】
このようなオイルフリード性シリコーンゴムの成型品は、圧縮成型、移送成型、射出成型等の一般のゴム成型方法によって所望の形状に成型した後、常法に従って加硫硬化させることによって得ることができる。しかし、上記の用途に用いられる成型品の形状は複雑に入り組んでいることが多く、また、成型品形状が小さく、一度の成型で数十個から数百個の成型品を作ることが多いため、成型品が金型から脱型しやすいことは生産性を高める上で必要不可欠である。
【0004】
シリコーンゴム成型品を製造する際には、一般に、脱型性を改良する目的で、金型表面に離型剤を塗布したり、金型表面をコーティングしたり、さらにシリコーンゴム組成物中に離型剤を添加することが行われるが、オイルブリード性シリコーンゴムの場合には、加硫成型時に金型表面にオイルがブリードするため一般に脱型時の抵抗は少ない。しかしながら、抵抗を小さくするためシリコーンゴム組成物へのブリードオイルの添加量を単純に多くすると、ベースとなるオルガノポリシロキサン(生ゴム)の種類によってはシリコーンゴム組成物を混練用ロールミルにかけたときに表面がささくれ状となり、はなはだしいときにはロールの両側にシリコーンゴムコンパウンドが固着してしまい、このため混練の作業性の低下をきたすという問題がある。更に、成型時にはガス不良と呼ばれる成型物中にガス溜まりを生じる成型不良品が高い確率で発生するだけでなく、ブリードしたシリコーンオイルが金型表面に付着し、成型を繰り返すことによって金型表面が汚れてゆき、脱型時の抵抗を大きくするとともに、汚れ成分が成型品に付着したり、金型表面に固着した汚れが原因で成型品に不良が発生する問題が起こる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、ロールミルによる混練作業性を向上させると共に、物理的特性に優れた硬化物を与えるオイルブリード性のシリコーンゴム組成物、およびその製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を達成するため鋭意検討を行った結果、下記の組成物、即ち、
を含有してなることを特徴とするオイルブリード性シリコーンゴム組成物により上記の課題を解決することができることを見出した。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を更に詳しく説明する。
【0008】
〔(A)成分〕
(A)成分のオルガノポリシロキサンは下記一般組成式(1)で表されるものである。
R1 aSiO(4-a)/2 (1)
式中、R1は独立に非置換又は置換の一価炭化水素基を表し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、β−フェニルプロピル基等のアラルキル基、又はこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換した置換一価炭化水素基、例えばクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基などを示す。これらの中でも、好ましくは炭素原子数1〜12の、より好ましくは炭素原子数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基が挙げられる。具体的な好ましい例は、メチル基、フェニル基、ビニル基、トリフルオロプロピル基であり、特にR1に占めるメチル基が少なくとも50モル%、特に80モル%以上であることが好ましい。
このオルガノポリシロキサンは分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する必要があり、RlのうちO.001〜10モル%、特にO.01〜5モル%がアルケニル基、特にビニル基であることが好ましい。
アルケニル基の含有量が少なすぎるとこの組成物の硬化性が不十分となり、また多すぎると該組成物から得られる硬化物の物理的特性が悪くなる。
【0009】
このオルガノポリシロキサンは、十分な機械的強度のシリコーンゴムを与えるために、重合度は3,000以上、好ましくは5,000以上であり、重合度の上限は100,000、より好ましくは20,000である。
【0010】
また、上記式(1)において、aは1.95〜2.05、好ましくは1.98〜2.03の正数であり、通常、実質的には2に近い数である。aが1.95未満の場合、重合度が3,000以上のオルガノポリシロキサンを合成することが容易でなく、またaが2.05を越える場合、重合度が3,000以上のオルガノポリシロキサンを再現性よく安定して合成することが容易でない。
【0011】
(A)成分のオルガノポリシロキサンの分子構造は概ね直鎖状であるが、得られる硬化物のゴム弾性を損なわない範囲において分岐構造を含んでいてもよく、即ち、モノオルガノシロキシ単位、及びSiO2単位を少量含んでいてもよい。
また、(A)成分のオルガノポリシロキサンは、分子構造や重合度の異なる2種以上の組合せでもよい。
【0012】
この(A)成分のオルガノポリシロキサンの分子鎖末端はトリメチルシリル基、ジメチルビニルシリル基、ジメチルヒドロキシシリル基、メチルビニルシリル基、トリビニルシリル基などで封鎖されたものとすることができ、少なくとも末端に1つ以上のビニル基を含有するオルガノポリシロキサンを含むことが好ましい。
【0013】
〔(B)成分〕
(B)成分の微粉末シリカ(シリカ系充填剤)は、その比表面積が50m2/g以上、好ましくは100〜400m2/gである。このような微粉末シリカとしては、例えば、ヒュームドシリカ、沈降シリカ等が挙げられ、これらは1種単独でも2種以上を組み合わせて使用することができる。また、これらの充填剤は、例えば鎖状オルガノポリシロキサン、環状オルガノポリシロキサン、ヘキサメチルシシラザン、各種オルガノシランで表面処理したものでもよい。特に、(B)成分の微粉末シリカの少なくとも一部はその表面が疎水化処理されたヒュームドシリカからなることが好ましい。即ち、(B)成分の全部が表面処理により疎水化されたヒュームドシリカでもよいし、一部がこのような疎水化ヒュームドシリカで残部が疎水化処理されていないシリカ微粉末であってもよい。
(B)成分の配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100重量部に対して5〜100重量部の割合であり、好ましくは5〜50重量部である。配合量が少なすぎたり、多すぎると得られろシリコーンゴム組成物の加工性が低下し、得られた硬化物の十分な機械的強度が得られない。
【0014】
〔(C)成分〕
(C)成分の、両末端がトリメチルシリル基で封鎖されたジメチルシリコーンオイルは、下記一般式(2):
(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]mSi(CH3)3 ・・・ (2)
(式中、mは好ましくは1〜300、より好ましくは10〜200、さらにより好ましくは10〜60の整数である。)
で表される無官能性のジメチルオルガノポリシロキサンである。
【0015】
(C)成分は、本発明の組成物の硬化物から(D)成分のフェニル基含有シリコーンオイルを効率よくブリードさせる役割を果たす。
【0016】
(C)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して0.5〜10重量部であり、好ましくは1〜5重量部である。配合量が0.5重量部未満であると、(D)成分のブリード性が悪くなるおそれがあり、10重量部を越えるとゴムコンバウンドがべたつき、作業性が低下するおそれがある。
【0017】
〔(D)成分〕
(D)成分のフェニル基含有シリコーンオイルとしては、下記式(3)で示されるフェニル基含有シリコーンオイルが好ましい。
R2 3SiO(R2 2SiO)nSiR2 3 (3)
(式中、R2は脂肪族不飽和基を含有しない、同一または異なる、置換又は非置換の1価炭化水素基であって、その少なくとも1つはフェニル基であり、nは1〜1,000の整数である。)
式(3)においてR2により示される、脂肪族不飽和基を含有しない、置換又は非置換の1価炭化水素基は炭素原子数1〜10、特に1〜8のものが好ましく、分子中に存在する複数のR2は同一でも異なっていてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基、ならびに、これらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した、例えば3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられ、メチル基が好ましい。
【0018】
R2のうち少なくとも1個はフェニル基であり、フェニル基含有量は全R2の5〜50モル%、特に10〜40モル%であることが好ましい。このようなフェニル基含有オルガノポリシロキサンとしては、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン/フェニルメチルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン/フェニルメチルシロキサン/メチル・3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン共重合体等が例示される。
【0019】
また、nは1〜1,000、好ましくは10〜800、特に好ましくは50〜500の整数である。
【0020】
(D)成分のフェニル基含有シリコーンオイルの配含量は、(A)成分100重量部に対して0.5〜10重量部であり、好ましくは1〜5重量部である。配合量が10重量部を越えると、シリコーンゴム組成物の粘着力が増加してロール加工性が低下する。0.5重量部未満になるとオイルブリード性、ひいては潤滑性が十分でなくなる。
【0021】
〔(E)成分〕
本発明のシリコーンゴム組成物を硬化させてシリコーンゴムとするには通常硬化剤を配合する。硬化剤としては、ヒドロシリル化反応を利用する硬化剤と、有機過酸化物からなる硬化剤(触媒)とを使用することができる。
【0022】
(ヒドロシリル化反応を利用する硬化剤)
ヒドロシリル化反応を利用する硬化剤は、オルガノハイドロジェンポリシロキサンと白金族金属系触媒との組合せからなる。
【0023】
また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、1分子中に2個以上、好ましくは3個以上のSiH基を有するオルガノポリシロキサンであればよく、直鎖状、環状又は分枝状のいずれであってもよいが、重合度が300以下のものが好適である。具体的には、式:HbR3 cSiO(4−b−c)/2
〔式中、bおよびcは、それぞれ、0<b≦30(好ましくは0.02≦b≦2)および0≦c≦3(好ましくは0≦c≦2)であり、但し0<b+c≦3、好ましくは0.02≦b+c≦3であり;R3はR1について定義した通りの基である。〕で表されるものが好ましい。また、このようなSiH基は、ポリシロキサン鎖の末端でもよいし、途中にあってもよい。かかるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分のオルガノポリシロキサンのアルケニル基1モルに対して、通常SiH基が0.5〜8モル、特に1〜5モルとなる割合で用いることが好ましい。
【0024】
また、同時に使用される白金族金属系触媒は、(A)成分のオルガノポリシロキサン生ゴム中のアルケニル基とオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のSiH基とのヒドロシリル化反応の触媒として作用するもので、(A)成分のオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンの合計量に対して、通常0.1〜1,000ppm、好ましくは1〜100ppm(白金族金属として)の範囲で使用される。白金族金属系触媒としては、例えば米国特許第2970150号に記載されている微粉末金属白金触媒、米国特許第2823218号に記載されている塩化白金酸触媒、米国特許第3159601号及び3159662号に記載されている白金−炭化水素錯化合物、米国特許第3516946号に記載されている塩化白金酸−オレフィン錯化合物、米国特許第3775452号、3814780号に記載されている白金−ビニルシロキサン錯体等を使用することができる。
【0025】
ヒドロシリル化反応により硬化させる場合には、室温における保存安定性を良好でかつ適度なポットライフを保持するために、メチルビニルシクロテトラシロキサン、アセチレンアルコール類、亜リン酸エステル類等の反応制御剤を添加することもできる。
【0026】
なお、ヒドロシリル化反応による硬化は、60〜400℃の温度で1分〜5時間程度加熱することにより行うことができる。
(有機過酸化物からなる硬化剤)
有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,6−ビス(p−トルオイルパーオキシカルボニルオキシ)ヘキサン、ジ(4−メチルベンゾイルパーオキシ)ヘキサメチレンビスカーボネート等が挙げられ、これらは1種単独でも2種以上を組み合せて用いることができる。その添加量は、有効量(即ち、所謂触媒量)でよいが、通常、(A)成分のオルガノポリシロキサン100重量部に対して、0.01〜5重量部、特に0.05〜3重量部を配合することが好ましい。
【0027】
この有機過酸化物を用いた組成物の硬化条件は特に制限されないが、通常100〜400℃の温度で1分〜5時間程度加熱することによって硬化させることができる
・その他の添加物:
本発明の組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、シリコーンゴム組成物に通常適宜配合することのある種々の配合剤、例えば粉砕シリカ、けいそう土、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、カーボンブラック、酸化バリウム、酸化マグネシウム、水酸化セリウム、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、アスベスト、ガラスウール、微粉マイカ、溶融シリカ粉末などを必要に応じて添加配合してもよい。更に、必要に応じて顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、酸化アンチモン、塩化パラフィン白金化合物等の難燃剤、窒化ホウ素、酸化アルミニウム等の熱伝導向上剤、アゾビスイソブチルニトリル、アゾジカルボンアミド、p一トルエンスルフォンヒドラジド等の発泡剤などを配合しても差支えない。
【0028】
〔組成物の調製〕
本発明のオイルブリード性シリコーンゴム組成物は、上述した(A)〜(E)の必須成分およびその他の所要成分を適宜混合することにより調製することができ、配合の順序は特に制限されない。しかし、まず、上記の(A)成分、(B)成分および(C)成分の混合物を100〜300℃で熱処理し、得られた熱処理後の混合物に上記の(D)成分と(E)成分とを一緒にまたは別々に配合することが好ましい。ここで一緒にとは両成分を同時に配合することである。また、別々にとは(D)成分と(E)成分の一方を先に配合し、他方を後で配合する場合を含んでいる。典型的な例では、(D)成分のみ先に配合して(E)成分を含まないコンパウンドを調製して置き、(E)成分は組成物を使用する直前に配合する場合が挙げられる。また、上記の調製方法において、第一に、(C)成分を(A)成分及び(B)成分と一緒に加熱処理することが、得られる硬化物から(D)成分のオイルが適度のブリードする上で効果的であることが判明した。また、第二にかかる熱処理後に(D)成分を配合することも(D)成分の適切なブリード性を得る上で効果的であることが判明した。その結果、(D)成分の添加量が少量であっても例えばロールミルを用いる混練作業中にごく少量の(D)成分のフェニル基含有シリコーンオイルがロール表面に移行し、その結果、ロール作業性が改善されると共に、こうして得られた組成物から得られた硬化物は使用時においてオイルフリード性に優れ、良好な物性を示す。
【0029】
【実施例】
以下の説明において、粘度は25℃における測定値を示す。
【0030】
実施例1
ジメチルシロキサン単位99.85モル%、メチルビニルシロキサン単位0.125モル%、ジメチルビニルシロキサン単位0.025モル%からなる、平均重合度が約8000のオルガノポリシロキサン生ゴム100重量部に、トリメチルシリル基で処理された比表面積120m2/gの疎水性シリカ50重量部、分子末端に水酸基を含有するジメチルポリシロキサン(重合度20)7重量部、粘度400mPa・sの末端トリメチルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン3重量部をニーダー内で均一に混練りした後、170℃2時間熱処理してシリコーンゴムコンパウンドを得た。
【0031】
このシリコーンゴムコンパウンド100重量部に対して、ジメチルシロキサン単位72モル%とジフェニルシロキサン単位28モル%とからなり、粘度400mPa・sの末端トリメチルシリル基封鎖オルガノポリシロキサン5重量部、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンジクミルパーオキサイド0.6重量部を2本ロールミルで混合分散して、ロール加工性を次の基準で判定しつつ、シリコーンゴム組成物(E1)を製造した。
【0032】
−ロール加工性の判定基準−
○:シリコーンゴムコンパウンドがロールに粘着せず、素練りが容易である。
△:シリコーンゴムコンパウンドがロールに多少粘着するが、素練りがさほど困難ではない。
×:シリコーンゴムコンパウンドがロールに粘着し、素練りが困難である。
この組成物(E1)を165℃で10分間プレスキュアーし、次に200℃で4時間ポストキュアーを行うことによって試験片を作製した。
【0033】
この試験片についてJIS K 6249に準拠して常態の物性(引張り強さ、剪断時伸び)を測定した。
試験片の3日後にブリードしてきたオイルをふき取り、ブリード量を測定した。
結果を表1に示す。
【0034】
実施例2
実施例1の粘度400mPa・sの末端トリメチルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサンの配合量を5重量部にした以外は、実施例1に従って配合し、シリコーンゴム組成物(E2)を製造した。
【0035】
実施例1と同様にして、ロール加工性、硬化物の物性およびオイルブリード量を測定した。結果を表1に示す。
【0036】
実施例3
ジメチルシロキサン単位99.85モル%、メチルビニルシロキサン単位0.125モル%、ジメチルビニルシロキサン単位0.025モル%からなる、平均重合度が約8,000のオルガノポリシロキサン100重量部に、比表面積200m2/g、平均粒子径1.9μmの沈降シリカを30重量部、トリメチルシリル基で処理された比表面積120m2/gの疎水性シリカ35重量部、分子末端に水酸基を含有するジメチルポリシロキサン(重合度20)7重量部、粘度400mPa・sの末端トリメチルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン3重量部をニーダー内で均一に混練りした後、170℃で2時間熱処理してシリコーンゴムコンパウンドを得た。
【0037】
このシリコーンゴムコンパウンド100重量部に対して、ジメチルシロキサン単位74モル%とジフェニルシロキサン単位26モル%とからなり、粘度400mPa・sの末端トリメチルシリル基封鎖オルガノポリシロキサン5重量部、塩化白金酸−ビニルシロキサン錯体(白金含有量:1重量%)0.05重量部、エチニル−メチル−デシルカルビノール0.06重量部、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.5重量%)1.2重量部を2本ロールで混合分散して、ロール加工性を観測し、シリコーンゴム組成物(E3)を製造した。
【0038】
実施例1と同様にして、ロール加工性、硬化物の物性およびオイルブリード量を測定した。結果を表1に示す。
【0039】
比較例1
粘度400mPa・sの末端トリメチルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサンを使用しなかった以外は、実施例1に従って配合し、シリコーンゴム組成物(C1)を製造した。
実施例1と同様にして、ロール加工性、硬化物の物性およびオイルブリード量を測定した。結果を表1に示す。
【0040】
比較例2
比較例1で使用したジメチルシロキサン単位72モル%とジフェニルシロキサン単位28モル%とからなり、粘度400mPa・sの末端トリメチルシリル基封鎖オルガノポリシロキサンの配合量を10重量部に増加させた以外は比較例1と同様にしてシリコーンゴム組成物(C3)を製造した。
【0041】
実施例1と同様にして、ロール加工性、硬化物の物性およびオイルブリード量を測定した。結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】
本発明のオイルブリード性シリコーンゴム組成物はロール加工性に優れ、得られるゴム硬化物はオイルフリード性に優れ、成型材料として、建築材料、電気・電子部品、自動車部品、OA機器部品などの様々な分野、特に自動車用部品の材料として好適である。
Claims (6)
- 前記(D)成分が、式(3):
R2 3SiO(R2 2SiO)nSiR2 3
(式中、R2は脂肪族不飽和結合を含有しない、同一または異なる、置換又は非置換の一価炭化水素基であって、R2の少なくとも一つはフェニル基であり、nは1〜1,000の整数である。)
で表されるフェニル基含有シリコーンオイルである請求項1記載の組成物。 - 前記(E)成分の硬化剤が、オルガノハイドロジェンポリシロキサンと白金族金属系触媒とからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の組成物。
- 前記(E)成分の硬化剤が有機過酸化物からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の組成物。
- 自動車部品用である請求項1〜4いずれか1項記載の組成物。
- 請求項1に記載の(A)成分、(B)成分および(C)成分の混合物を100〜300℃で熱処理し、得られた熱処理後の混合物に請求項1に記載の(D)成分と(E)成分とを一緒にまたは別々に配合することを特徴とする請求項1に記載のオイルブリード性シリコーンゴム組成物の製造方法。
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