JP3838303B2 - 排気再循環制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気の一部を吸気側に再循環させる排気再循環機構を備えたディーゼルエンジンにおける排気再循環制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンにおけるNOxを低減させるために、排気再循環機構、いわゆるEGRを備えたディーゼルエンジンが知られている。このEGRは、燃焼室内の過剰な空気を燃焼済みの排気に置き換えることにより、NOxの発生を抑制するものである。
【0003】
しかし、ディーゼルエンジンを搭載している車両を急加速する時などのように、燃焼室内に大量に燃料を噴射して軸トルクを上昇させようとした場合、EGRを実行していると、逆に酸素不足を招いて、十分に軸トルクが上昇しないことがある。このため、負荷が高い領域ではEGRを停止あるいは小として、十分な加速が得られるようにしている(特開昭55−128636号公報、トヨタ技術公開集発行番号1012)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、例えば、運転者がアクセルペダルを踏み込んで車両を急加速させるような場合、燃料の増量は電気的機構により極めて応答性良くなされるが、EGRの作動は、排気再循環経路に設けられた弁機構の閉動作を行う必要があり、この弁機構の応答性が遅いことと、再循環していた排気分が空気に置き換わる時間が必要であることから、実質的にEGRの効果がなくなるまでには時間を要し、燃料の切り換えに比較して、EGRの切り替えはかなり応答性の低いものであった。
【0005】
このため、急加速時には、既に燃料の増量がなされているにもかかわらず、EGRが切り替わる途中であるため、十分な空気が燃焼室に供給されない期間が存在した。このような期間では、軸トルクの立ち上がりが鈍くなり走行性が悪化することと、排気中の黒煙が増加する問題が生じた。
【0006】
このような問題を解決するものとして、急加速時に所定時間はEGRをオフする処理を行う技術が提案されている(特開平8−312466号公報)。
しかし、この方式では、ある程度の加速があれば必ず所定時間はEGRをオフしている。すなわち、負荷領域に別途設定されているEGRオフ領域とは無関係に所定時間はEGRをオフにしている。すなわち、EGRオフ領域からは十分に離れた低負荷であっても、アクセルペダルの踏み込み速度が一時的に大きいというだけで、EGRオフを実行してしまうことになる。
【0007】
このため、EGRを行うことが必要な低負荷の領域でも所定時間排気が再循環されず、NOxが増加してしまうという問題が存在した。
本発明は、EGRが設けられたディーゼルエンジンにおいても、急加速操作時に応答性良く軸トルクを上昇させることができるとともに、EGRが必要な領域で不必要にEGRを停止することがない排気再循環制御装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の排気再循環制御装置は、排気の一部を吸気側に再循環させる排気再循環機構を備えたディーゼルエンジンにおける排気再循環制御装置であって、ディーゼルエンジンの負荷を検出する負荷検出手段と、前記負荷検出手段にて検出された負荷が、前記排気再循環機構による再循環処理を停止あるいは再循環量を小とする排気再循環オフ領域に該当する値か否かを判定する運転状態判定手段と、前記運転状態判定手段にて、前記負荷検出手段にて検出された負荷が前記排気再循環オフ領域に該当する値であると判定された場合には前記排気再循環機構による再循環処理を停止あるいは再循環量を小とし、前記排気再循環オフ領域に該当する値でないと判定された場合には前記排気再循環機構による再循環処理を実行あるいは再循環量を大とする排気再循環制御手段と、前記負荷検出手段により検出された負荷の増加速度を検出する負荷増加速度検出手段と、前記負荷増加速度検出手段にて検出された負荷の増加速度に応じたシフト量で前記排気再循環オフ領域を低負荷側へシフトする排気再循環オフ領域シフト手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
排気再循環制御手段は、ディーゼルエンジンの負荷が排気再循環オフ領域に該当する値であると判定された場合には排気再循環機構による再循環処理を停止あるいは再循環量を小とし、排気再循環オフ領域に該当する値でないと判定された場合には排気再循環機構による再循環処理を実行あるいは再循環量を大としている。このことにより、排気再循環機構による排気の再循環処理を行っていても、運転者の加速操作などでディーゼルエンジンの負荷が排気再循環オフ領域に入った場合には、再循環処理を停止あるいは再循環量を小とするので、応答性良く軸トルクを上昇させることができ、十分な走行性を得ることができる。
【0010】
更に、排気再循環オフ領域シフト手段は、ディーゼルエンジンの負荷の増加速度に応じたシフト量で排気再循環オフ領域を低負荷側へシフトしている。このため、急加速などで急速に燃料が増量されることを考慮して、予め排気再循環機構を、再循環処理の停止あるいは再循環量を小へと駆動させることができるので、排気再循環機構の応答性の低さを補って実質的に排気再循環機構の応答性を高めたのと同様な調整制御を行うことができる。したがって、ディーゼルエンジンの燃焼室に増量された燃料が供給されるタイミングに適合させて、十分な空気を供給することができ、急加速操作時における走行性の悪化と黒煙の増加とを防止することができる。
【0011】
しかも、ディーゼルエンジンの負荷の増加速度に応じて一時的な再循環処理の停止あるいは再循環量を小としているのではなく、排気再循環オフ領域を低負荷側へシフトしているので、再循環処理の停止あるいは再循環量を小とする処理は、あくまでも負荷そのものと排気再循環オフ領域との関係にてなされる。このため、再循環処理が十分になされることが必要な領域で不必要に再循環処理を停止したり再循環量小さくしたりすることがなく、NOxの増加を招くことがない。
【0012】
請求項2に示したごとく、前記排気再循環オフ領域は、ディーゼルエンジンの負荷とディーゼルエンジンの回転数とをパラメーターとするマップ上に設定されているものであってもよい。すなわち、ディーゼルエンジンの回転数に応じて、排気再循環オフ領域に入る負荷の境界を異ならせてもよい。
【0013】
排気再循環機構の応答性はディーゼルエンジンの回転数に応じて変化するからであり、また、排気再循環機構の作動状態をディーゼルエンジンの回転数に応じて所望の状態とすることもできるからである。
【0014】
請求項3に示したごとく、前記シフト量は、ディーゼルエンジンの負荷の増加速度とディーゼルエンジンの回転数とに応じて設定されることとしてもよい。シフト量に影響する排気再循環機構の応答性はディーゼルエンジンの負荷の増加速度を考慮していればよいが、更に、ディーゼルエンジンを搭載した車両の走行状態や走行環境におけるNOxの排出抑制重視あるいは黒煙の排出抑制重視等の設計上の調整要因を考慮して、ディーゼルエンジンの回転数に応じてシフト量を調整してもよいからである。
【0015】
請求項4の排気再循環制御装置は、請求項1〜3のいずれか記載の排気再循環制御装置の構成に対して、ディーゼルエンジンの負荷がシフト実行基準値より小さい場合は前記排気再循環オフ領域シフト手段によるシフトを禁止する排気再循環オフ領域シフト禁止手段を備えたものである。
【0016】
このように、ディーゼルエンジンの負荷がシフト実行基準値より小さい場合は、排気再循環オフ領域を低負荷側へシフトしたとしても、直ちに負荷が排気再循環オフ領域へ入るような状況にはならないので、排気再循環オフ領域シフト手段を機能させても無駄な処理を行わせることになる。このため、排気再循環オフ領域シフト禁止手段にて、排気再循環オフ領域シフト手段によるシフト処理を禁止することで、排気再循環制御装置自体の処理負荷が増大することを防止している。
【0017】
そして、このように排気再循環制御装置自体の処理負荷が低下することで、排気再循環制御装置が他の制御処理を並列して行っている場合、他の制御処理を高速に支障なく行うことができるので、排気再循環制御装置に多くの処理を実行させることができ、別途、制御装置を増加しなくてもよくなることから、製造コストの低減に貢献する。
【0018】
請求項5に示したごとく、前記負荷検出手段は、ディーゼルエンジンの負荷として、ディーゼルエンジンのアクセルペダルの操作量を検出することとしてもよい。燃料噴射量は、アクセルペダルの操作量により調整されるので、燃料と排気再循環機構との応答性の差を反映するシフト量を設定するのに好適である。
【0019】
請求項6に示したごとく、前記負荷検出手段は、ディーゼルエンジンの負荷として、ディーゼルエンジンの燃料噴射量を検出することとしてもよい。この場合は、直接に燃料噴射量を捉えているので、燃料と排気再循環機構との応答性の差を反映するシフト量を設定するのに一層好適である。
【0020】
請求項7の排気再循環制御装置は、排気の一部を吸気側に再循環させる排気再循環機構を備えたディーゼルエンジンにおける排気再循環制御装置であって、ディーゼルエンジンの負荷を検出する負荷検出手段と、前記負荷検出手段にて検出された負荷が、前記排気再循環機構による再循環処理を停止あるいは再循環量を小とする排気再循環オフ領域に該当する値か否かを判定する運転状態判定手段と、前記運転状態判定手段にて、前記負荷検出手段にて検出された負荷が前記排気再循環オフ領域に該当する値であると判定された場合には前記排気再循環機構による再循環処理を停止あるいは再循環量を小とし、前記排気再循環オフ領域に該当する値でないと判定された場合には前記排気再循環機構による再循環処理を実行あるいは再循環量を大とする排気再循環制御手段と、前記負荷検出手段により検出された負荷の増加速度を検出する負荷増加速度検出手段と、前記負荷増加速度検出手段にて検出された負荷の増加速度に応じたシフト量で、前記運転状態判定手段にて前記排気再循環オフ領域に該当する値か否かが判定される前記負荷検出手段にて検出された負荷を高負荷側へシフトする検出負荷シフト手段とを備えたことを特徴とする。
【0021】
請求項7では、請求項1〜6が排気再循環オフ領域のシフトであるのとは異なり、負荷検出手段にて検出された負荷を運転状態判定手段での判定のためだけにシフトしている。このことによっても、請求項1と同等の効果を得ることができる。また、負荷検出手段にて検出された負荷のみをシフトするので、処理が迅速で簡単となり、制御処理の負荷を高めない。
【0022】
なお、この請求項7の排気再循環制御装置に対して、前述した請求項2〜6と同様な限定を加えてもよい。
なお、このような排気再循環制御装置の各手段をコンピュータシステムにて実現する機能は、例えば、コンピュータシステム側で起動するプログラムとして備えることができる。このようなプログラムの場合、例えば、ROMやバックアップRAMをコンピュータ読み取り可能な記録媒体として前記プログラムを記録しておき、このROMあるいはバックアップRAMをコンピュータシステムに組み込んで用いることができる。この他、フロッピーディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータシステムにロードして起動することにより用いても良い。
【0023】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は、上述した排気再循環制御装置が適用されたディーゼルエンジン制御装置2の概略構成を表すブロック図である。
【0024】
ディーゼルエンジン4は自動車の駆動用として車両に搭載されている。このディーゼルエンジン4は、ターボチャージャー6を備えており、エアクリーナー8を介して吸気管10に導入された空気は、ターボチャージャー6によって過給され、インタークーラー12、ベンチュリー14を介して、シリンダー16内の燃焼室18に導かれる。
【0025】
燃焼室18内にて燃料噴射弁20から燃料が噴射され、燃焼した後の排気は、排気管22に排出され、ターボチャージャー6を駆動させて外部に排出される。なお、ターボチャージャー6より上流側の排気管22と、ベンチュリー14よりも下流の吸気管10との間には、排気環流管24が設けられ、後述するECU51の指示により開閉が調整されるEGRバルブ26を介して、EGRバルブ26が開状態の場合に排気を排気管22から吸気管10へ供給し、排気再循環を実現している。
【0026】
燃料噴射弁20へは、分配型燃料噴射ポンプ28から高圧燃料が、燃料噴射タイミングと燃料噴射量とが調整されて供給されている。この分配型燃料噴射ポンプ28にはタイミングコントロールバルブ30が設けられて、ECU51により駆動されて燃料噴射タイミングが調整される。更に、分配型燃料噴射ポンプ28には電磁スピル弁32が設けられ、ECU51により駆動されて燃料噴射量が調整される。
【0027】
また、ベンチュリー14内の第1絞り弁34はアクセルペダル36と連動して開閉すると共に、第1絞り弁34の回動軸にはアクセルセンサ38が設けられて、アクセル開度、すなわち、運転者によるアクセルペダル36の操作量を検出している。ベンチュリー14内に第1絞り弁34と並列に設けられた第2絞り弁40はダイヤフラム42を介して、ECU51により調整される。
【0028】
ECU51の電気的構成について、図2のブロック図に従って説明する。
ECU51は、中央処理制御装置(CPU)52、所定のプログラムやマップ等を予め記憶した読出専用メモリ(ROM)53、CPU52の演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)54、予め記憶されたデータ等を保存するバックアップRAM55、タイマカウンタ56等を備えているとともに、入力インターフェース57および出力インターフェース58等を備えている。また、上記各部52〜56と入力インターフェース57および出力インターフェース58とは、バス59によって接続されている。
【0029】
前述したアクセルセンサ38、ベンチュリー14より下流の吸入空気の圧力を検出する吸気圧センサ62、ディーゼルエンジン4の冷却水温を検出する水温センサ64、分配型燃料噴射ポンプ28内で燃料の温度を検出する燃温センサ66、吸気管10に設けられて吸入空気の温度を検出する吸気温センサ67、その他のセンサは、それぞれバッファ、マルチプレクサ、A/D変換器(いずれも図示せず)を介して入力インターフェース57に接続されている。
【0030】
また、分配型燃料噴射ポンプ28の回転からディーゼルエンジン4の回転数を検出する回転数センサ68、ディーゼルエンジン4のクランクシャフトの基準角度位置を検出するクランクポジションセンサ70、車速センサ71、その他のセンサは、波形整形回路(図示せず)を介して入力インターフェース57に接続されている。さらに、図示していないがスタータスイッチ等は入力インターフェース57に直接接続されている。このことで、CPU52は、上記各センサの信号を読み込むことができる。
【0031】
また、前述した電磁スピル弁32、ダイヤフラム42の動作を吸気管10内の負圧の供給状態にて調整することで第2絞り弁40の開度を調整する負圧切換弁72、EGRバルブ26の開度を吸気管10内の負圧の供給状態にて調整することで排気環流管24による排気の環流量を調整する負圧調整弁74は、それぞれ駆動回路(図示せず)を介して出力インターフェース58に接続されている。
【0032】
したがって、CPU52は、前述のごとく入力インターフェース57を介して読み込んだセンサ類の検出値に基づき、出力インターフェース58を介して電磁スピル弁32、負圧切換弁72、負圧調整弁74等を好適に調整し、ディーゼルエンジン4の駆動状態を制御している。
【0033】
次に、本実施の形態において、ECU51により実行される制御のうち、排気再循環制御処理について説明する。図3に排気再循環制御処理のフローチャートを示す。この処理ルーチンは、180゜クランク角毎(爆発行程毎)の割り込みで実行される。なお個々の処理に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表す。
【0034】
まず、排気再循環制御処理が開始されると、アクセルセンサ38の検出信号に基づいて得られている現在のアクセル開度Accpを読み込む(S110)。更に、回転数センサ68の検出信号に基づいて得られている現在のディーゼルエンジン4の回転数NEを読み込む(S120)。
【0035】
次に、このようにして得られたアクセル開度Accpおよび回転数NEに基づいて、図4に示すEGR−OFFマップから、EGRのオン/オフ、すなわち、EGRバルブ26を閉じるか否かの決定を行う(S130)。図4のEGR−OFFマップにおいて、EGRオフ領域(排気再循環オフ領域)とEGRオン領域(排気再循環オン領域)との境界値AccpEを実線で表した場合、アクセル開度Accpおよび回転数NEの値が境界値AccpEよりも上ならばEGRオフと決定され、境界値AccpEよりも下ならばEGRオンと決定される。
【0036】
ステップS130の次に、ステップS130の結果がEGRオフか否かが判定される(S140)。ステップS130の結果がEGRオフであれば(S140で「YES」)、負圧調整弁74を操作してEGRバルブ26を閉とする(S150)。この結果、排気環流管24を介しての排気の環流は停止する。このため、今まで行われていた排気再循環量分の空気が増加して、アクセル開度Accpの増加に応じて増加された燃料噴射量に対処できる。したがって、走行性の改善と黒煙の低減を実現することができる。
【0037】
一方、ステップS130の結果がEGRオンであれば(S140で「NO」)、負圧調整弁74を操作してEGRバルブ26を開とする(S160)。この結果、排気環流管24を介しての排気の環流が実行される。このため、排気再循環量分の空気が減少して、燃料噴射量に適合した空気量となり、NOxの低減を実現することができる。
【0038】
上述した排気再循環制御処理と並行して実行されているEGR−OFFマップ補正処理について説明する。図5にEGR−OFFマップ補正処理のフローチャートを示す。この処理ルーチンは、時間周期の割り込みで実行される。
【0039】
EGR−OFFマップ補正処理が実行されると、まず、アクセルセンサ38の検出信号に基づいて得られている現在のアクセル開度Accp(i)を読み込む(S205)。
【0040】
次に、アクセル開速度dACCPが次式のごとく算出される(S210)。
【0041】
【数1】
dACCP ← Accp(i) − Accp(i−1)
ここで、Accp(i−1)は前回の本処理が実行された際にステップS205で読み込まれたアクセル開度を意味する。
【0042】
次に、アクセル開速度dACCPがシフト実行基準開速度dACCP1以上か否かが判定される(S220)。dACCP1≦dACCPであれば、すなわち、ある程度以上のアクセルペダル36の踏み込み速度であれば(S220で「YES」)、次に、アクセル開度Accp(i)がシフト実行基準開度Accp1以上か否かが判定される(S230)。Accp1≦Accp(i)であれば、すなわち、ある程度以上のアクセルペダル36の踏み込み量であれば(S230で「YES」)、アクセル開速度dACCPに基づいて、図4に示したEGR−OFFマップ用の補正アクセル開度△Accpを図6に示すテーブルから算出する(S240)。
【0043】
図6は、アクセル開速度dACCPをパラメーターとして補正アクセル開度△Accp(シフト量に相当する)を求めるテーブルであり、アクセル開速度dACCPが大きくなれば、補正アクセル開度△Accpも大きくなるように設定されている。なお、アクセル開速度dACCPの内、前述したシフト実行基準開速度dACCP1以下の部分は、ステップS220にて「NO」と判定されて、ステップS240は実行されないので、△Accp=0に設定されている。
【0044】
次に、予め設定されている基本EGR−OFF境界値AccpE(base)と補正アクセル開度△Accpとに基づいて次式のごとく、EGR−OFF境界値AccpEが算出される(S250)。
【0045】
【数2】
AccpE ← AccpE(base) − △Accp
すなわち、アクセル開速度dACCPが大きくなれば補正アクセル開度△Accpが大きくなるので、図4にて実線で表されているEGR−OFF境界値AccpEは、アクセル開度Accpが小さい方へシフトすることになる。
【0046】
例えば、運転者がアクセルペダル36に対して急加速操作を行ったため、図6において、アクセル開速度dACCPがA点からB点に移動した場合、補正アクセル開度△AccpはDだけ増加する。このことにより、図4に示すごとく、定常時のEGR−OFF境界値AccpE(実線)は、Dだけ下にシフトして、一点鎖線にて示すごとく急加速時のEGR−OFF境界値AccpEとなる。
【0047】
逆に、急加速から定常状態となれば、EGR−OFF境界値AccpEはアクセル開度Accpが大きい方へシフトすることとなる。
なお、ステップS230にて「NO」と判定された場合には、例え、EGR−OFF境界値AccpEをアクセル開度Accpが小さい方へシフトするほどにアクセル開速度dACCPが大きくなっていたとしても、現在のアクセル開度Accpの値の位置からして、直ちにEGRオフ領域へ入るような状況にはならないので、ステップS240,S250の処理は実行していない。
【0048】
ここで、アクセルセンサ38が負荷検出手段に相当し、ステップS130が運転状態判定手段としての処理に相当し、ステップS140〜S160が排気再循環制御手段としての処理に相当し、ステップS210が負荷増加速度検出手段としての処理に相当し、ステップS240,S250がEGRオフ領域シフト手段としての処理に相当し、排気環流管24とEGRバルブ26と負圧調整弁74とが排気再循環機構に相当する。
【0049】
以上説明した本実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
(イ).ディーゼルエンジン4のアクセル開速度dACCPに応じたシフト量でEGRオフ領域を低アクセル開度側へシフトしている。このため、急加速操作により急速に燃料が増量されることを考慮して予め排気再循環機構による再循環処理を停止させることができるので、排気再循環機構の応答性の低さを補って実質的に排気再循環機構の応答性を高めたのと同様な調整制御を行うことができる。したがって、ディーゼルエンジン4の燃焼室18に増量された燃料が供給されるタイミングに適合させて、十分な空気を供給することができ、急加速操作時における走行性悪化と黒煙増加とを防止することができる。
【0050】
(ロ).しかも、ディーゼルエンジン4のアクセル開速度dACCPに応じて一時的な排気再循環機構の停止をしているのではなく、EGRオフ領域を低アクセル開度側へシフトしているので、排気再循環機構の停止処理は、あくまでもアクセル開度AccpそのものとEGRオフ領域との関係にてなされる。このため、排気再循環が十分になされることが必要な領域で不必要に排気再循環機構を停止したりすることがなく、NOxの増加を招くことがない。
【0051】
(ハ).EGRオフ領域は、ディーゼルエンジン4のアクセル開度Accpとディーゼルエンジン4の回転数NEとのマップ上に設定されているので、排気再循環機構の応答性がディーゼルエンジン4の回転数NEに応じて変化する状況に対応でき、また、排気再循環機構の作動状態をディーゼルエンジン4の運転状態に応じて所望の適切な状態とすることができる。
【0052】
(ニ).ステップS230にてアクセル開度Accpがシフト実行基準開度Accp1より小さい場合は、ステップS240およびステップS250の処理を実行しないことで、図4のEGR−OFFマップにおけるEGR−OFF境界値AccpEのシフトを禁止している。このように、ディーゼルエンジン4のアクセル開度Accpがシフト実行基準開度Accp1より小さい場合は、排気再循環オフ領域を低アクセル開度Accp側へシフトしたとしても、直ちにアクセル開度Accpが排気再循環オフ領域へ入るような状況にはならないので、ステップS240およびステップS250を実行して排気再循環オフ領域をシフトさせても無駄な処理を行わせることになる。このため、ステップS230にて「NO」と判定することで、EGR−OFF境界値AccpEのシフト処理を禁止し、ECU51の処理負荷が増大することを防止している。このようにECU51の処理負荷が低下することで、ECU51が並列して行っている他の制御処理を高速に支障なく行うことができるので、ECU51に多くの処理を実行させることができ、ECUを増加しなくてもよくなることから、製造コストの低減に貢献する。
【0053】
(ホ).更に、ステップS220にて、アクセル開速度dACCPがシフト実行基準開速度dACCP1より小さい場合にも、ステップS240およびステップS250の処理を実行しない。このように、アクセル開速度dACCPがシフト実行基準開速度dACCP1より小さい場合は、図6からも解るように補正アクセル開度△Accp=0であり、実質的に排気再循環オフ領域を低アクセル開度Accp側へシフトすることがない。このためステップS220にて「NO」と判定することで、ECU51の処理負荷が増大することを防止し、(ハ)と同様な効果を生じさせている。
【0054】
[その他の実施の形態]
・前記実施の形態1においては、ステップS140にて「YES」と判定された場合は、完全にEGRバルブ26を閉じて排気再循環を0としたが、これ以外に、ステップS140にて「YES」と判定された場合は、EGRバルブ26を完全に閉じるのではなく、EGRバルブ26の開度を小とするのみでもよい。すなわち、この場合には、図4のEGR−OFFマップにおけるEGR−OFF境界値AccpEは、排ガス再循環の小とする領域と大(例えば、最大)とする領域との境界を表すことになる。
【0055】
・図6に示したごとく、前記実施の形態1においてはシフト量に相当する補正アクセル開度△Accpは、アクセル開速度dACCPをパラメーターとするテーブルから求められたが、更に、ディーゼルエンジン4の走行状態においてNOxの排出抑制重視あるいは黒煙の排出抑制重視等の調整要因から、アクセル開速度dACCPとディーゼルエンジンの回転数NEとをパラメーターとするマップから補正アクセル開度△Accpを求めてもよい。
【0056】
・前記実施の形態1においては、負荷としてアクセル開速度dACCPを用いたが、負荷としてはこれ以外に例えば、ディーゼルエンジンの燃料噴射量を用いてもよい。このように燃料噴射量を用いると、燃料と排気再循環機構との応答性の差を反映するシフト量を設定するのに一層好適である。
【0057】
・前記実施の形態1では、直接、EGR−OFF境界値AccpEの値を補正アクセル開度△Accpにてシフトさせていた(S250)が、このステップS250のシフト処理は行わずに、図3に示した排気再循環制御処理のステップS130にて、アクセル開度Accpと回転数NEとをパラメータとして、図4のEGR−OFFマップに基づいて排気再循環を実行するか否かを判定する際に、次のように処理することにより、EGR−OFF境界値AccpEをシフトしたのと同等の処理を実行することができる。
【0058】
すなわち、ステップS130においては、補正アクセル開度△Accpを用いてアクセル開度Accpを次式のごとく補正してから、EGR−OFFマップに基づいて排気再循環を実行するか否かを判定するようにしてもよい。
【0059】
【数3】
Accp ← Accp + △Accp
この手法はEGR−OFFマップを補正アクセル開度△Accpにてシフトしたのと同等であり、同様な効果を生じさせることができる。この場合、ステップS130は検出負荷シフト手段としての処理も行っている。
【0060】
・前記実施の形態1のステップS250では、EGR−OFFマップのEGR−OFF境界値AccpEをすべてシフトしたが、このようなステップS250のシフト処理は行わずに、図3に示した排気再循環制御処理のステップS130にて、アクセル開度Accpと回転数NEとをパラメータとして、図4のEGR−OFFマップに基づいて排気再循環を実行するか否かを判定する際に、その時の回転数NEに対応するEGR−OFF境界値AccpEのみをステップS250のごとくシフトしてもよい。このことにより、EGR−OFF境界値AccpEのすべてをシフトしなくてもよいので、ECU51の制御処理の負荷が軽くなり、他の処理が迅速となったりあるいはECUを増加させなくてもよくなり、製造コストの低減に貢献できる。この場合、ステップS130は、排気再循環オフ領域シフト手段としての処理も行っている。
【0061】
【発明の効果】
請求項1記載の排気再循環制御装置は、排気再循環制御手段が、ディーゼルエンジンの負荷が排気再循環オフ領域に該当する値であると判定された場合には排気再循環機構による再循環処理を停止あるいは再循環量を小とし、排気再循環オフ領域に該当する値でないと判定された場合には排気再循環機構による再循環処理を実行あるいは再循環量を大としている。このことにより、排気再循環機構による排気の再循環処理を行っていても、運転者の加速操作などでディーゼルエンジンの負荷が排気再循環オフ領域に入った場合には、再循環処理を停止あるいは再循環量を小とするので、応答性良く軸トルクを上昇させることができ、十分な走行性を得ることができる。
【0062】
更に、排気再循環オフ領域シフト手段は、ディーゼルエンジンの負荷の増加速度に応じたシフト量で排気再循環オフ領域を低負荷側へシフトしている。このため、急加速などで急速に燃料が増量されることを考慮して、予め排気再循環機構を、再循環処理の停止あるいは再循環量を小へと駆動させることができるので、排気再循環機構の応答性の低さを補って実質的に排気再循環機構の応答性を高めたのと同様な調整制御を行うことができる。したがって、ディーゼルエンジンの燃焼室に増量された燃料が供給されるタイミングに適合させて、十分な空気を供給することができ、急加速操作時における走行性の悪化と黒煙の増加とを防止することができる。
【0063】
しかも、ディーゼルエンジンの負荷の増加速度に応じて一時的な再循環処理の停止あるいは再循環量を小としているのではなく、排気再循環オフ領域を低負荷側へシフトしているので、再循環処理の停止あるいは再循環量を小とする処理は、あくまでも負荷そのものと排気再循環オフ領域との関係にてなされる。このため、再循環処理が十分になされることが必要な領域で不必要に再循環処理を停止したり再循環量小さくしたりすることがなく、NOxの増加を招くことがない。
【0064】
請求項2は、前記排気再循環オフ領域が、ディーゼルエンジンの負荷とディーゼルエンジンの回転数とをパラメーターとするマップ上に設定されている。すなわち、ディーゼルエンジンの回転数に応じて、排気再循環オフ領域に入る負荷の境界を異ならせている。このことにより、排気再循環機構の応答性がディーゼルエンジンの回転数に応じて変化することに適合できるとともに、また、排気再循環機構の作動状態をディーゼルエンジンの回転数に応じて所望の状態とすることもできる。
【0065】
請求項3は、前記シフト量が、ディーゼルエンジンの負荷の増加速度とディーゼルエンジンの回転数とに応じて設定される。このことにより、ディーゼルエンジンを搭載した車両の走行状態や走行環境におけるNOxの排出抑制重視あるいは黒煙の排出抑制重視等の設計上の調整要因を考慮して、ディーゼルエンジンの回転数に応じてシフト量を調整することができる。
【0066】
請求項4の排気再循環制御装置は、請求項1〜3のいずれか記載の排気再循環制御装置の構成に対して、ディーゼルエンジンの負荷がシフト実行基準値より小さい場合は前記排気再循環オフ領域シフト手段によるシフトを禁止する排気再循環オフ領域シフト禁止手段を備えている。ディーゼルエンジンの負荷がシフト実行基準値より小さい場合には、直ちに負荷が排気再循環オフ領域へ入るような状況にはならない。したがって、請求項4では排気再循環オフ領域シフト禁止手段にて、排気再循環オフ領域のシフト処理を禁止することで、排気再循環制御装置自体の処理負荷が増大することを防止できる。そして、このように排気再循環制御装置自体の処理負荷が低下することで、排気再循環制御装置が他の制御処理を並列して行っている場合、他の制御処理を高速に支障なく行うことができるので、排気再循環制御装置に多くの処理を実行させることができ、別途、制御装置を増加しなくてもよくなることから、製造コストの低減に貢献する。
【0067】
請求項5は、前記負荷検出手段が、ディーゼルエンジンの負荷として、ディーゼルエンジンのアクセルペダルの操作量を検出することとしている。燃料噴射量はアクセルペダルの操作量により調整されるので、燃料と排気再循環機構との応答性の差を反映するシフト量を設定するのに好適となる。
【0068】
請求項6は、前記負荷検出手段が、ディーゼルエンジンの負荷として、ディーゼルエンジンの燃料噴射量を検出することとしている。この場合は、直接に燃料噴射量を捉えているので、燃料と排気再循環機構との応答性の差を反映するシフト量を設定するのに一層好適となる。
【0069】
請求項7の排気再循環制御装置は、請求項1〜6が排気再循環オフ領域のシフトであるのとは異なり、負荷検出手段にて検出された負荷の方を、運転状態判定手段での判定のためだけに、負荷の増加速度に応じたシフト量でシフトしている。このことによっても、請求項1と同等の効果を得ることができる。また、負荷検出手段にて検出された負荷のみをシフトするので、処理が迅速で簡単となり、制御処理の負荷を高めない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1としてのディーゼルエンジン制御装置の概略構成を表すブロック図。
【図2】 実施の形態1で用いられるECUの電気的構成を示すブロック図。
【図3】 実施の形態1でECUにより実行される排気再循環制御処理を示すフローチャート。
【図4】 実施の形態1で用いられるアクセル開度Accpおよび回転数NEに基づいてEGRのオン/オフを決定するEGR−OFFマップの構成説明図。
【図5】 実施の形態1でECUにより実行されるEGR−OFFマップ補正処理を示すフローチャート。
【図6】 実施の形態1で用いられるアクセル開速度dACCPをパラメーターとして補正アクセル開度△Accpを求めるテーブルの構成説明図。
【符号の説明】
2…ディーゼルエンジン制御装置、4…ディーゼルエンジン、6…ターボチャージャー、8…エアクリーナー、10…吸気管、12…インタークーラー、14…ベンチュリー、16…シリンダー、18…燃焼室、20…燃料噴射弁、22…排気管、24…排気環流管、26…EGRバルブ、28…分配型燃料噴射ポンプ、30…タイミングコントロールバルブ、32… 電磁スピル弁、34…第1絞り弁、36…アクセルペダル、38…アクセルセンサ、40…第2絞り弁、42…ダイヤフラム、51…ECU、52… 中央処理制御装置(CPU)、53…読出専用メモリ(ROM)、54…ランダムアクセスメモリ(RAM)、55…バックアップRAM、56…タイマカウンタ、57…入力インターフェース、58…出力インターフェース、59…バス、62…吸気圧センサ、64…水温センサ、66…燃温センサ、67…吸気温センサ、68…回転数センサ、70…クランクポジションセンサ、71…車速センサ、72…負圧切換弁、74…負圧調整弁。
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気の一部を吸気側に再循環させる排気再循環機構を備えたディーゼルエンジンにおける排気再循環制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンにおけるNOxを低減させるために、排気再循環機構、いわゆるEGRを備えたディーゼルエンジンが知られている。このEGRは、燃焼室内の過剰な空気を燃焼済みの排気に置き換えることにより、NOxの発生を抑制するものである。
【0003】
しかし、ディーゼルエンジンを搭載している車両を急加速する時などのように、燃焼室内に大量に燃料を噴射して軸トルクを上昇させようとした場合、EGRを実行していると、逆に酸素不足を招いて、十分に軸トルクが上昇しないことがある。このため、負荷が高い領域ではEGRを停止あるいは小として、十分な加速が得られるようにしている(特開昭55−128636号公報、トヨタ技術公開集発行番号1012)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、例えば、運転者がアクセルペダルを踏み込んで車両を急加速させるような場合、燃料の増量は電気的機構により極めて応答性良くなされるが、EGRの作動は、排気再循環経路に設けられた弁機構の閉動作を行う必要があり、この弁機構の応答性が遅いことと、再循環していた排気分が空気に置き換わる時間が必要であることから、実質的にEGRの効果がなくなるまでには時間を要し、燃料の切り換えに比較して、EGRの切り替えはかなり応答性の低いものであった。
【0005】
このため、急加速時には、既に燃料の増量がなされているにもかかわらず、EGRが切り替わる途中であるため、十分な空気が燃焼室に供給されない期間が存在した。このような期間では、軸トルクの立ち上がりが鈍くなり走行性が悪化することと、排気中の黒煙が増加する問題が生じた。
【0006】
このような問題を解決するものとして、急加速時に所定時間はEGRをオフする処理を行う技術が提案されている(特開平8−312466号公報)。
しかし、この方式では、ある程度の加速があれば必ず所定時間はEGRをオフしている。すなわち、負荷領域に別途設定されているEGRオフ領域とは無関係に所定時間はEGRをオフにしている。すなわち、EGRオフ領域からは十分に離れた低負荷であっても、アクセルペダルの踏み込み速度が一時的に大きいというだけで、EGRオフを実行してしまうことになる。
【0007】
このため、EGRを行うことが必要な低負荷の領域でも所定時間排気が再循環されず、NOxが増加してしまうという問題が存在した。
本発明は、EGRが設けられたディーゼルエンジンにおいても、急加速操作時に応答性良く軸トルクを上昇させることができるとともに、EGRが必要な領域で不必要にEGRを停止することがない排気再循環制御装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の排気再循環制御装置は、排気の一部を吸気側に再循環させる排気再循環機構を備えたディーゼルエンジンにおける排気再循環制御装置であって、ディーゼルエンジンの負荷を検出する負荷検出手段と、前記負荷検出手段にて検出された負荷が、前記排気再循環機構による再循環処理を停止あるいは再循環量を小とする排気再循環オフ領域に該当する値か否かを判定する運転状態判定手段と、前記運転状態判定手段にて、前記負荷検出手段にて検出された負荷が前記排気再循環オフ領域に該当する値であると判定された場合には前記排気再循環機構による再循環処理を停止あるいは再循環量を小とし、前記排気再循環オフ領域に該当する値でないと判定された場合には前記排気再循環機構による再循環処理を実行あるいは再循環量を大とする排気再循環制御手段と、前記負荷検出手段により検出された負荷の増加速度を検出する負荷増加速度検出手段と、前記負荷増加速度検出手段にて検出された負荷の増加速度に応じたシフト量で前記排気再循環オフ領域を低負荷側へシフトする排気再循環オフ領域シフト手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
排気再循環制御手段は、ディーゼルエンジンの負荷が排気再循環オフ領域に該当する値であると判定された場合には排気再循環機構による再循環処理を停止あるいは再循環量を小とし、排気再循環オフ領域に該当する値でないと判定された場合には排気再循環機構による再循環処理を実行あるいは再循環量を大としている。このことにより、排気再循環機構による排気の再循環処理を行っていても、運転者の加速操作などでディーゼルエンジンの負荷が排気再循環オフ領域に入った場合には、再循環処理を停止あるいは再循環量を小とするので、応答性良く軸トルクを上昇させることができ、十分な走行性を得ることができる。
【0010】
更に、排気再循環オフ領域シフト手段は、ディーゼルエンジンの負荷の増加速度に応じたシフト量で排気再循環オフ領域を低負荷側へシフトしている。このため、急加速などで急速に燃料が増量されることを考慮して、予め排気再循環機構を、再循環処理の停止あるいは再循環量を小へと駆動させることができるので、排気再循環機構の応答性の低さを補って実質的に排気再循環機構の応答性を高めたのと同様な調整制御を行うことができる。したがって、ディーゼルエンジンの燃焼室に増量された燃料が供給されるタイミングに適合させて、十分な空気を供給することができ、急加速操作時における走行性の悪化と黒煙の増加とを防止することができる。
【0011】
しかも、ディーゼルエンジンの負荷の増加速度に応じて一時的な再循環処理の停止あるいは再循環量を小としているのではなく、排気再循環オフ領域を低負荷側へシフトしているので、再循環処理の停止あるいは再循環量を小とする処理は、あくまでも負荷そのものと排気再循環オフ領域との関係にてなされる。このため、再循環処理が十分になされることが必要な領域で不必要に再循環処理を停止したり再循環量小さくしたりすることがなく、NOxの増加を招くことがない。
【0012】
請求項2に示したごとく、前記排気再循環オフ領域は、ディーゼルエンジンの負荷とディーゼルエンジンの回転数とをパラメーターとするマップ上に設定されているものであってもよい。すなわち、ディーゼルエンジンの回転数に応じて、排気再循環オフ領域に入る負荷の境界を異ならせてもよい。
【0013】
排気再循環機構の応答性はディーゼルエンジンの回転数に応じて変化するからであり、また、排気再循環機構の作動状態をディーゼルエンジンの回転数に応じて所望の状態とすることもできるからである。
【0014】
請求項3に示したごとく、前記シフト量は、ディーゼルエンジンの負荷の増加速度とディーゼルエンジンの回転数とに応じて設定されることとしてもよい。シフト量に影響する排気再循環機構の応答性はディーゼルエンジンの負荷の増加速度を考慮していればよいが、更に、ディーゼルエンジンを搭載した車両の走行状態や走行環境におけるNOxの排出抑制重視あるいは黒煙の排出抑制重視等の設計上の調整要因を考慮して、ディーゼルエンジンの回転数に応じてシフト量を調整してもよいからである。
【0015】
請求項4の排気再循環制御装置は、請求項1〜3のいずれか記載の排気再循環制御装置の構成に対して、ディーゼルエンジンの負荷がシフト実行基準値より小さい場合は前記排気再循環オフ領域シフト手段によるシフトを禁止する排気再循環オフ領域シフト禁止手段を備えたものである。
【0016】
このように、ディーゼルエンジンの負荷がシフト実行基準値より小さい場合は、排気再循環オフ領域を低負荷側へシフトしたとしても、直ちに負荷が排気再循環オフ領域へ入るような状況にはならないので、排気再循環オフ領域シフト手段を機能させても無駄な処理を行わせることになる。このため、排気再循環オフ領域シフト禁止手段にて、排気再循環オフ領域シフト手段によるシフト処理を禁止することで、排気再循環制御装置自体の処理負荷が増大することを防止している。
【0017】
そして、このように排気再循環制御装置自体の処理負荷が低下することで、排気再循環制御装置が他の制御処理を並列して行っている場合、他の制御処理を高速に支障なく行うことができるので、排気再循環制御装置に多くの処理を実行させることができ、別途、制御装置を増加しなくてもよくなることから、製造コストの低減に貢献する。
【0018】
請求項5に示したごとく、前記負荷検出手段は、ディーゼルエンジンの負荷として、ディーゼルエンジンのアクセルペダルの操作量を検出することとしてもよい。燃料噴射量は、アクセルペダルの操作量により調整されるので、燃料と排気再循環機構との応答性の差を反映するシフト量を設定するのに好適である。
【0019】
請求項6に示したごとく、前記負荷検出手段は、ディーゼルエンジンの負荷として、ディーゼルエンジンの燃料噴射量を検出することとしてもよい。この場合は、直接に燃料噴射量を捉えているので、燃料と排気再循環機構との応答性の差を反映するシフト量を設定するのに一層好適である。
【0020】
請求項7の排気再循環制御装置は、排気の一部を吸気側に再循環させる排気再循環機構を備えたディーゼルエンジンにおける排気再循環制御装置であって、ディーゼルエンジンの負荷を検出する負荷検出手段と、前記負荷検出手段にて検出された負荷が、前記排気再循環機構による再循環処理を停止あるいは再循環量を小とする排気再循環オフ領域に該当する値か否かを判定する運転状態判定手段と、前記運転状態判定手段にて、前記負荷検出手段にて検出された負荷が前記排気再循環オフ領域に該当する値であると判定された場合には前記排気再循環機構による再循環処理を停止あるいは再循環量を小とし、前記排気再循環オフ領域に該当する値でないと判定された場合には前記排気再循環機構による再循環処理を実行あるいは再循環量を大とする排気再循環制御手段と、前記負荷検出手段により検出された負荷の増加速度を検出する負荷増加速度検出手段と、前記負荷増加速度検出手段にて検出された負荷の増加速度に応じたシフト量で、前記運転状態判定手段にて前記排気再循環オフ領域に該当する値か否かが判定される前記負荷検出手段にて検出された負荷を高負荷側へシフトする検出負荷シフト手段とを備えたことを特徴とする。
【0021】
請求項7では、請求項1〜6が排気再循環オフ領域のシフトであるのとは異なり、負荷検出手段にて検出された負荷を運転状態判定手段での判定のためだけにシフトしている。このことによっても、請求項1と同等の効果を得ることができる。また、負荷検出手段にて検出された負荷のみをシフトするので、処理が迅速で簡単となり、制御処理の負荷を高めない。
【0022】
なお、この請求項7の排気再循環制御装置に対して、前述した請求項2〜6と同様な限定を加えてもよい。
なお、このような排気再循環制御装置の各手段をコンピュータシステムにて実現する機能は、例えば、コンピュータシステム側で起動するプログラムとして備えることができる。このようなプログラムの場合、例えば、ROMやバックアップRAMをコンピュータ読み取り可能な記録媒体として前記プログラムを記録しておき、このROMあるいはバックアップRAMをコンピュータシステムに組み込んで用いることができる。この他、フロッピーディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータシステムにロードして起動することにより用いても良い。
【0023】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は、上述した排気再循環制御装置が適用されたディーゼルエンジン制御装置2の概略構成を表すブロック図である。
【0024】
ディーゼルエンジン4は自動車の駆動用として車両に搭載されている。このディーゼルエンジン4は、ターボチャージャー6を備えており、エアクリーナー8を介して吸気管10に導入された空気は、ターボチャージャー6によって過給され、インタークーラー12、ベンチュリー14を介して、シリンダー16内の燃焼室18に導かれる。
【0025】
燃焼室18内にて燃料噴射弁20から燃料が噴射され、燃焼した後の排気は、排気管22に排出され、ターボチャージャー6を駆動させて外部に排出される。なお、ターボチャージャー6より上流側の排気管22と、ベンチュリー14よりも下流の吸気管10との間には、排気環流管24が設けられ、後述するECU51の指示により開閉が調整されるEGRバルブ26を介して、EGRバルブ26が開状態の場合に排気を排気管22から吸気管10へ供給し、排気再循環を実現している。
【0026】
燃料噴射弁20へは、分配型燃料噴射ポンプ28から高圧燃料が、燃料噴射タイミングと燃料噴射量とが調整されて供給されている。この分配型燃料噴射ポンプ28にはタイミングコントロールバルブ30が設けられて、ECU51により駆動されて燃料噴射タイミングが調整される。更に、分配型燃料噴射ポンプ28には電磁スピル弁32が設けられ、ECU51により駆動されて燃料噴射量が調整される。
【0027】
また、ベンチュリー14内の第1絞り弁34はアクセルペダル36と連動して開閉すると共に、第1絞り弁34の回動軸にはアクセルセンサ38が設けられて、アクセル開度、すなわち、運転者によるアクセルペダル36の操作量を検出している。ベンチュリー14内に第1絞り弁34と並列に設けられた第2絞り弁40はダイヤフラム42を介して、ECU51により調整される。
【0028】
ECU51の電気的構成について、図2のブロック図に従って説明する。
ECU51は、中央処理制御装置(CPU)52、所定のプログラムやマップ等を予め記憶した読出専用メモリ(ROM)53、CPU52の演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)54、予め記憶されたデータ等を保存するバックアップRAM55、タイマカウンタ56等を備えているとともに、入力インターフェース57および出力インターフェース58等を備えている。また、上記各部52〜56と入力インターフェース57および出力インターフェース58とは、バス59によって接続されている。
【0029】
前述したアクセルセンサ38、ベンチュリー14より下流の吸入空気の圧力を検出する吸気圧センサ62、ディーゼルエンジン4の冷却水温を検出する水温センサ64、分配型燃料噴射ポンプ28内で燃料の温度を検出する燃温センサ66、吸気管10に設けられて吸入空気の温度を検出する吸気温センサ67、その他のセンサは、それぞれバッファ、マルチプレクサ、A/D変換器(いずれも図示せず)を介して入力インターフェース57に接続されている。
【0030】
また、分配型燃料噴射ポンプ28の回転からディーゼルエンジン4の回転数を検出する回転数センサ68、ディーゼルエンジン4のクランクシャフトの基準角度位置を検出するクランクポジションセンサ70、車速センサ71、その他のセンサは、波形整形回路(図示せず)を介して入力インターフェース57に接続されている。さらに、図示していないがスタータスイッチ等は入力インターフェース57に直接接続されている。このことで、CPU52は、上記各センサの信号を読み込むことができる。
【0031】
また、前述した電磁スピル弁32、ダイヤフラム42の動作を吸気管10内の負圧の供給状態にて調整することで第2絞り弁40の開度を調整する負圧切換弁72、EGRバルブ26の開度を吸気管10内の負圧の供給状態にて調整することで排気環流管24による排気の環流量を調整する負圧調整弁74は、それぞれ駆動回路(図示せず)を介して出力インターフェース58に接続されている。
【0032】
したがって、CPU52は、前述のごとく入力インターフェース57を介して読み込んだセンサ類の検出値に基づき、出力インターフェース58を介して電磁スピル弁32、負圧切換弁72、負圧調整弁74等を好適に調整し、ディーゼルエンジン4の駆動状態を制御している。
【0033】
次に、本実施の形態において、ECU51により実行される制御のうち、排気再循環制御処理について説明する。図3に排気再循環制御処理のフローチャートを示す。この処理ルーチンは、180゜クランク角毎(爆発行程毎)の割り込みで実行される。なお個々の処理に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表す。
【0034】
まず、排気再循環制御処理が開始されると、アクセルセンサ38の検出信号に基づいて得られている現在のアクセル開度Accpを読み込む(S110)。更に、回転数センサ68の検出信号に基づいて得られている現在のディーゼルエンジン4の回転数NEを読み込む(S120)。
【0035】
次に、このようにして得られたアクセル開度Accpおよび回転数NEに基づいて、図4に示すEGR−OFFマップから、EGRのオン/オフ、すなわち、EGRバルブ26を閉じるか否かの決定を行う(S130)。図4のEGR−OFFマップにおいて、EGRオフ領域(排気再循環オフ領域)とEGRオン領域(排気再循環オン領域)との境界値AccpEを実線で表した場合、アクセル開度Accpおよび回転数NEの値が境界値AccpEよりも上ならばEGRオフと決定され、境界値AccpEよりも下ならばEGRオンと決定される。
【0036】
ステップS130の次に、ステップS130の結果がEGRオフか否かが判定される(S140)。ステップS130の結果がEGRオフであれば(S140で「YES」)、負圧調整弁74を操作してEGRバルブ26を閉とする(S150)。この結果、排気環流管24を介しての排気の環流は停止する。このため、今まで行われていた排気再循環量分の空気が増加して、アクセル開度Accpの増加に応じて増加された燃料噴射量に対処できる。したがって、走行性の改善と黒煙の低減を実現することができる。
【0037】
一方、ステップS130の結果がEGRオンであれば(S140で「NO」)、負圧調整弁74を操作してEGRバルブ26を開とする(S160)。この結果、排気環流管24を介しての排気の環流が実行される。このため、排気再循環量分の空気が減少して、燃料噴射量に適合した空気量となり、NOxの低減を実現することができる。
【0038】
上述した排気再循環制御処理と並行して実行されているEGR−OFFマップ補正処理について説明する。図5にEGR−OFFマップ補正処理のフローチャートを示す。この処理ルーチンは、時間周期の割り込みで実行される。
【0039】
EGR−OFFマップ補正処理が実行されると、まず、アクセルセンサ38の検出信号に基づいて得られている現在のアクセル開度Accp(i)を読み込む(S205)。
【0040】
次に、アクセル開速度dACCPが次式のごとく算出される(S210)。
【0041】
【数1】
dACCP ← Accp(i) − Accp(i−1)
ここで、Accp(i−1)は前回の本処理が実行された際にステップS205で読み込まれたアクセル開度を意味する。
【0042】
次に、アクセル開速度dACCPがシフト実行基準開速度dACCP1以上か否かが判定される(S220)。dACCP1≦dACCPであれば、すなわち、ある程度以上のアクセルペダル36の踏み込み速度であれば(S220で「YES」)、次に、アクセル開度Accp(i)がシフト実行基準開度Accp1以上か否かが判定される(S230)。Accp1≦Accp(i)であれば、すなわち、ある程度以上のアクセルペダル36の踏み込み量であれば(S230で「YES」)、アクセル開速度dACCPに基づいて、図4に示したEGR−OFFマップ用の補正アクセル開度△Accpを図6に示すテーブルから算出する(S240)。
【0043】
図6は、アクセル開速度dACCPをパラメーターとして補正アクセル開度△Accp(シフト量に相当する)を求めるテーブルであり、アクセル開速度dACCPが大きくなれば、補正アクセル開度△Accpも大きくなるように設定されている。なお、アクセル開速度dACCPの内、前述したシフト実行基準開速度dACCP1以下の部分は、ステップS220にて「NO」と判定されて、ステップS240は実行されないので、△Accp=0に設定されている。
【0044】
次に、予め設定されている基本EGR−OFF境界値AccpE(base)と補正アクセル開度△Accpとに基づいて次式のごとく、EGR−OFF境界値AccpEが算出される(S250)。
【0045】
【数2】
AccpE ← AccpE(base) − △Accp
すなわち、アクセル開速度dACCPが大きくなれば補正アクセル開度△Accpが大きくなるので、図4にて実線で表されているEGR−OFF境界値AccpEは、アクセル開度Accpが小さい方へシフトすることになる。
【0046】
例えば、運転者がアクセルペダル36に対して急加速操作を行ったため、図6において、アクセル開速度dACCPがA点からB点に移動した場合、補正アクセル開度△AccpはDだけ増加する。このことにより、図4に示すごとく、定常時のEGR−OFF境界値AccpE(実線)は、Dだけ下にシフトして、一点鎖線にて示すごとく急加速時のEGR−OFF境界値AccpEとなる。
【0047】
逆に、急加速から定常状態となれば、EGR−OFF境界値AccpEはアクセル開度Accpが大きい方へシフトすることとなる。
なお、ステップS230にて「NO」と判定された場合には、例え、EGR−OFF境界値AccpEをアクセル開度Accpが小さい方へシフトするほどにアクセル開速度dACCPが大きくなっていたとしても、現在のアクセル開度Accpの値の位置からして、直ちにEGRオフ領域へ入るような状況にはならないので、ステップS240,S250の処理は実行していない。
【0048】
ここで、アクセルセンサ38が負荷検出手段に相当し、ステップS130が運転状態判定手段としての処理に相当し、ステップS140〜S160が排気再循環制御手段としての処理に相当し、ステップS210が負荷増加速度検出手段としての処理に相当し、ステップS240,S250がEGRオフ領域シフト手段としての処理に相当し、排気環流管24とEGRバルブ26と負圧調整弁74とが排気再循環機構に相当する。
【0049】
以上説明した本実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
(イ).ディーゼルエンジン4のアクセル開速度dACCPに応じたシフト量でEGRオフ領域を低アクセル開度側へシフトしている。このため、急加速操作により急速に燃料が増量されることを考慮して予め排気再循環機構による再循環処理を停止させることができるので、排気再循環機構の応答性の低さを補って実質的に排気再循環機構の応答性を高めたのと同様な調整制御を行うことができる。したがって、ディーゼルエンジン4の燃焼室18に増量された燃料が供給されるタイミングに適合させて、十分な空気を供給することができ、急加速操作時における走行性悪化と黒煙増加とを防止することができる。
【0050】
(ロ).しかも、ディーゼルエンジン4のアクセル開速度dACCPに応じて一時的な排気再循環機構の停止をしているのではなく、EGRオフ領域を低アクセル開度側へシフトしているので、排気再循環機構の停止処理は、あくまでもアクセル開度AccpそのものとEGRオフ領域との関係にてなされる。このため、排気再循環が十分になされることが必要な領域で不必要に排気再循環機構を停止したりすることがなく、NOxの増加を招くことがない。
【0051】
(ハ).EGRオフ領域は、ディーゼルエンジン4のアクセル開度Accpとディーゼルエンジン4の回転数NEとのマップ上に設定されているので、排気再循環機構の応答性がディーゼルエンジン4の回転数NEに応じて変化する状況に対応でき、また、排気再循環機構の作動状態をディーゼルエンジン4の運転状態に応じて所望の適切な状態とすることができる。
【0052】
(ニ).ステップS230にてアクセル開度Accpがシフト実行基準開度Accp1より小さい場合は、ステップS240およびステップS250の処理を実行しないことで、図4のEGR−OFFマップにおけるEGR−OFF境界値AccpEのシフトを禁止している。このように、ディーゼルエンジン4のアクセル開度Accpがシフト実行基準開度Accp1より小さい場合は、排気再循環オフ領域を低アクセル開度Accp側へシフトしたとしても、直ちにアクセル開度Accpが排気再循環オフ領域へ入るような状況にはならないので、ステップS240およびステップS250を実行して排気再循環オフ領域をシフトさせても無駄な処理を行わせることになる。このため、ステップS230にて「NO」と判定することで、EGR−OFF境界値AccpEのシフト処理を禁止し、ECU51の処理負荷が増大することを防止している。このようにECU51の処理負荷が低下することで、ECU51が並列して行っている他の制御処理を高速に支障なく行うことができるので、ECU51に多くの処理を実行させることができ、ECUを増加しなくてもよくなることから、製造コストの低減に貢献する。
【0053】
(ホ).更に、ステップS220にて、アクセル開速度dACCPがシフト実行基準開速度dACCP1より小さい場合にも、ステップS240およびステップS250の処理を実行しない。このように、アクセル開速度dACCPがシフト実行基準開速度dACCP1より小さい場合は、図6からも解るように補正アクセル開度△Accp=0であり、実質的に排気再循環オフ領域を低アクセル開度Accp側へシフトすることがない。このためステップS220にて「NO」と判定することで、ECU51の処理負荷が増大することを防止し、(ハ)と同様な効果を生じさせている。
【0054】
[その他の実施の形態]
・前記実施の形態1においては、ステップS140にて「YES」と判定された場合は、完全にEGRバルブ26を閉じて排気再循環を0としたが、これ以外に、ステップS140にて「YES」と判定された場合は、EGRバルブ26を完全に閉じるのではなく、EGRバルブ26の開度を小とするのみでもよい。すなわち、この場合には、図4のEGR−OFFマップにおけるEGR−OFF境界値AccpEは、排ガス再循環の小とする領域と大(例えば、最大)とする領域との境界を表すことになる。
【0055】
・図6に示したごとく、前記実施の形態1においてはシフト量に相当する補正アクセル開度△Accpは、アクセル開速度dACCPをパラメーターとするテーブルから求められたが、更に、ディーゼルエンジン4の走行状態においてNOxの排出抑制重視あるいは黒煙の排出抑制重視等の調整要因から、アクセル開速度dACCPとディーゼルエンジンの回転数NEとをパラメーターとするマップから補正アクセル開度△Accpを求めてもよい。
【0056】
・前記実施の形態1においては、負荷としてアクセル開速度dACCPを用いたが、負荷としてはこれ以外に例えば、ディーゼルエンジンの燃料噴射量を用いてもよい。このように燃料噴射量を用いると、燃料と排気再循環機構との応答性の差を反映するシフト量を設定するのに一層好適である。
【0057】
・前記実施の形態1では、直接、EGR−OFF境界値AccpEの値を補正アクセル開度△Accpにてシフトさせていた(S250)が、このステップS250のシフト処理は行わずに、図3に示した排気再循環制御処理のステップS130にて、アクセル開度Accpと回転数NEとをパラメータとして、図4のEGR−OFFマップに基づいて排気再循環を実行するか否かを判定する際に、次のように処理することにより、EGR−OFF境界値AccpEをシフトしたのと同等の処理を実行することができる。
【0058】
すなわち、ステップS130においては、補正アクセル開度△Accpを用いてアクセル開度Accpを次式のごとく補正してから、EGR−OFFマップに基づいて排気再循環を実行するか否かを判定するようにしてもよい。
【0059】
【数3】
Accp ← Accp + △Accp
この手法はEGR−OFFマップを補正アクセル開度△Accpにてシフトしたのと同等であり、同様な効果を生じさせることができる。この場合、ステップS130は検出負荷シフト手段としての処理も行っている。
【0060】
・前記実施の形態1のステップS250では、EGR−OFFマップのEGR−OFF境界値AccpEをすべてシフトしたが、このようなステップS250のシフト処理は行わずに、図3に示した排気再循環制御処理のステップS130にて、アクセル開度Accpと回転数NEとをパラメータとして、図4のEGR−OFFマップに基づいて排気再循環を実行するか否かを判定する際に、その時の回転数NEに対応するEGR−OFF境界値AccpEのみをステップS250のごとくシフトしてもよい。このことにより、EGR−OFF境界値AccpEのすべてをシフトしなくてもよいので、ECU51の制御処理の負荷が軽くなり、他の処理が迅速となったりあるいはECUを増加させなくてもよくなり、製造コストの低減に貢献できる。この場合、ステップS130は、排気再循環オフ領域シフト手段としての処理も行っている。
【0061】
【発明の効果】
請求項1記載の排気再循環制御装置は、排気再循環制御手段が、ディーゼルエンジンの負荷が排気再循環オフ領域に該当する値であると判定された場合には排気再循環機構による再循環処理を停止あるいは再循環量を小とし、排気再循環オフ領域に該当する値でないと判定された場合には排気再循環機構による再循環処理を実行あるいは再循環量を大としている。このことにより、排気再循環機構による排気の再循環処理を行っていても、運転者の加速操作などでディーゼルエンジンの負荷が排気再循環オフ領域に入った場合には、再循環処理を停止あるいは再循環量を小とするので、応答性良く軸トルクを上昇させることができ、十分な走行性を得ることができる。
【0062】
更に、排気再循環オフ領域シフト手段は、ディーゼルエンジンの負荷の増加速度に応じたシフト量で排気再循環オフ領域を低負荷側へシフトしている。このため、急加速などで急速に燃料が増量されることを考慮して、予め排気再循環機構を、再循環処理の停止あるいは再循環量を小へと駆動させることができるので、排気再循環機構の応答性の低さを補って実質的に排気再循環機構の応答性を高めたのと同様な調整制御を行うことができる。したがって、ディーゼルエンジンの燃焼室に増量された燃料が供給されるタイミングに適合させて、十分な空気を供給することができ、急加速操作時における走行性の悪化と黒煙の増加とを防止することができる。
【0063】
しかも、ディーゼルエンジンの負荷の増加速度に応じて一時的な再循環処理の停止あるいは再循環量を小としているのではなく、排気再循環オフ領域を低負荷側へシフトしているので、再循環処理の停止あるいは再循環量を小とする処理は、あくまでも負荷そのものと排気再循環オフ領域との関係にてなされる。このため、再循環処理が十分になされることが必要な領域で不必要に再循環処理を停止したり再循環量小さくしたりすることがなく、NOxの増加を招くことがない。
【0064】
請求項2は、前記排気再循環オフ領域が、ディーゼルエンジンの負荷とディーゼルエンジンの回転数とをパラメーターとするマップ上に設定されている。すなわち、ディーゼルエンジンの回転数に応じて、排気再循環オフ領域に入る負荷の境界を異ならせている。このことにより、排気再循環機構の応答性がディーゼルエンジンの回転数に応じて変化することに適合できるとともに、また、排気再循環機構の作動状態をディーゼルエンジンの回転数に応じて所望の状態とすることもできる。
【0065】
請求項3は、前記シフト量が、ディーゼルエンジンの負荷の増加速度とディーゼルエンジンの回転数とに応じて設定される。このことにより、ディーゼルエンジンを搭載した車両の走行状態や走行環境におけるNOxの排出抑制重視あるいは黒煙の排出抑制重視等の設計上の調整要因を考慮して、ディーゼルエンジンの回転数に応じてシフト量を調整することができる。
【0066】
請求項4の排気再循環制御装置は、請求項1〜3のいずれか記載の排気再循環制御装置の構成に対して、ディーゼルエンジンの負荷がシフト実行基準値より小さい場合は前記排気再循環オフ領域シフト手段によるシフトを禁止する排気再循環オフ領域シフト禁止手段を備えている。ディーゼルエンジンの負荷がシフト実行基準値より小さい場合には、直ちに負荷が排気再循環オフ領域へ入るような状況にはならない。したがって、請求項4では排気再循環オフ領域シフト禁止手段にて、排気再循環オフ領域のシフト処理を禁止することで、排気再循環制御装置自体の処理負荷が増大することを防止できる。そして、このように排気再循環制御装置自体の処理負荷が低下することで、排気再循環制御装置が他の制御処理を並列して行っている場合、他の制御処理を高速に支障なく行うことができるので、排気再循環制御装置に多くの処理を実行させることができ、別途、制御装置を増加しなくてもよくなることから、製造コストの低減に貢献する。
【0067】
請求項5は、前記負荷検出手段が、ディーゼルエンジンの負荷として、ディーゼルエンジンのアクセルペダルの操作量を検出することとしている。燃料噴射量はアクセルペダルの操作量により調整されるので、燃料と排気再循環機構との応答性の差を反映するシフト量を設定するのに好適となる。
【0068】
請求項6は、前記負荷検出手段が、ディーゼルエンジンの負荷として、ディーゼルエンジンの燃料噴射量を検出することとしている。この場合は、直接に燃料噴射量を捉えているので、燃料と排気再循環機構との応答性の差を反映するシフト量を設定するのに一層好適となる。
【0069】
請求項7の排気再循環制御装置は、請求項1〜6が排気再循環オフ領域のシフトであるのとは異なり、負荷検出手段にて検出された負荷の方を、運転状態判定手段での判定のためだけに、負荷の増加速度に応じたシフト量でシフトしている。このことによっても、請求項1と同等の効果を得ることができる。また、負荷検出手段にて検出された負荷のみをシフトするので、処理が迅速で簡単となり、制御処理の負荷を高めない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1としてのディーゼルエンジン制御装置の概略構成を表すブロック図。
【図2】 実施の形態1で用いられるECUの電気的構成を示すブロック図。
【図3】 実施の形態1でECUにより実行される排気再循環制御処理を示すフローチャート。
【図4】 実施の形態1で用いられるアクセル開度Accpおよび回転数NEに基づいてEGRのオン/オフを決定するEGR−OFFマップの構成説明図。
【図5】 実施の形態1でECUにより実行されるEGR−OFFマップ補正処理を示すフローチャート。
【図6】 実施の形態1で用いられるアクセル開速度dACCPをパラメーターとして補正アクセル開度△Accpを求めるテーブルの構成説明図。
【符号の説明】
2…ディーゼルエンジン制御装置、4…ディーゼルエンジン、6…ターボチャージャー、8…エアクリーナー、10…吸気管、12…インタークーラー、14…ベンチュリー、16…シリンダー、18…燃焼室、20…燃料噴射弁、22…排気管、24…排気環流管、26…EGRバルブ、28…分配型燃料噴射ポンプ、30…タイミングコントロールバルブ、32… 電磁スピル弁、34…第1絞り弁、36…アクセルペダル、38…アクセルセンサ、40…第2絞り弁、42…ダイヤフラム、51…ECU、52… 中央処理制御装置(CPU)、53…読出専用メモリ(ROM)、54…ランダムアクセスメモリ(RAM)、55…バックアップRAM、56…タイマカウンタ、57…入力インターフェース、58…出力インターフェース、59…バス、62…吸気圧センサ、64…水温センサ、66…燃温センサ、67…吸気温センサ、68…回転数センサ、70…クランクポジションセンサ、71…車速センサ、72…負圧切換弁、74…負圧調整弁。
Claims (7)
- 排気の一部を吸気側に再循環させる排気再循環機構を備えたディーゼルエンジンにおける排気再循環制御装置であって、
ディーゼルエンジンの負荷を検出する負荷検出手段と、
前記負荷検出手段にて検出された負荷が、前記排気再循環機構による再循環処理を停止あるいは再循環量を小とする排気再循環オフ領域に該当する値か否かを判定する運転状態判定手段と、
前記運転状態判定手段にて、前記負荷検出手段にて検出された負荷が前記排気再循環オフ領域に該当する値であると判定された場合には前記排気再循環機構による再循環処理を停止あるいは再循環量を小とし、前記排気再循環オフ領域に該当する値でないと判定された場合には前記排気再循環機構による再循環処理を実行あるいは再循環量を大とする排気再循環制御手段と、
前記負荷検出手段により検出された負荷の増加速度を検出する負荷増加速度検出手段と、
前記負荷増加速度検出手段にて検出された負荷の増加速度に応じたシフト量で前記排気再循環オフ領域を低負荷側へシフトする排気再循環オフ領域シフト手段と、
を備えたことを特徴とする排気再循環制御装置。 - 前記排気再循環オフ領域は、ディーゼルエンジンの負荷とディーゼルエンジンの回転数とをパラメーターとするマップ上に設定されていることを特徴とする請求項1記載の排気再循環制御装置。
- 前記シフト量は、ディーゼルエンジンの負荷の増加速度とディーゼルエンジンの回転数とに応じて設定されることを特徴とする請求項1または2記載の排気再循環制御装置。
- 請求項1〜3のいずれか記載の排気再循環制御装置の構成に対して、
ディーゼルエンジンの負荷がシフト実行基準値より小さい場合は前記排気再循環オフ領域シフト手段によるシフトを禁止する排気再循環オフ領域シフト禁止手段を備えたことを特徴とする排気再循環制御装置。 - 前記負荷検出手段は、ディーゼルエンジンの負荷として、ディーゼルエンジンのアクセルペダルの操作量を検出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の排気再循環制御装置。
- 前記負荷検出手段は、ディーゼルエンジンの負荷として、ディーゼルエンジンの燃料噴射量を検出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の排気再循環制御装置。
- 排気の一部を吸気側に再循環させる排気再循環機構を備えたディーゼルエンジンにおける排気再循環制御装置であって、
ディーゼルエンジンの負荷を検出する負荷検出手段と、
前記負荷検出手段にて検出された負荷が、前記排気再循環機構による再循環処理を停止あるいは再循環量を小とする排気再循環オフ領域に該当する値か否かを判定する運転状態判定手段と、
前記運転状態判定手段にて、前記負荷検出手段にて検出された負荷が前記排気再循環オフ領域に該当する値であると判定された場合には前記排気再循環機構による再循環処理を停止あるいは再循環量を小とし、前記排気再循環オフ領域に該当する値でないと判定された場合には前記排気再循環機構による再循環処理を実行あるいは再循環量を大とする排気再循環制御手段と、
前記負荷検出手段により検出された負荷の増加速度を検出する負荷増加速度検出手段と、
前記負荷増加速度検出手段にて検出された負荷の増加速度に応じたシフト量で、前記運転状態判定手段にて前記排気再循環オフ領域に該当する値か否かが判定される前記負荷検出手段にて検出された負荷を高負荷側へシフトする検出負荷シフト手段と、
を備えたことを特徴とする排気再循環制御装置。
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