JP3838197B2 - 給湯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭におけるキッチンシステムへ組み込んで使用するビルトインタイプの給湯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、給湯装置ではないが、給水弁制御装置における異常検知手段は知られている。これは、給水弁が閉鎖すべき時に閉鎖していない閉鎖不良を検知して給水弁異常と判断し、電源を遮断することで給水弁を閉鎖している(例えば、許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−313789号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のような方法は、一旦閉鎖不良と判断すると、異常状態の改善なしで、即、電源を遮断するものであるため、一時的に錆等の異物を噛み込んだような場合には、給水弁が完全に閉鎖できないままの状態が継続されてしまうものであった。また、給水弁の閉鎖不良のみを検知しているため、例えば給水弁の可動部に錆が付着し、開放すべき時に開放しない開放不良が生じても対処できないという課題も有していた。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、給水弁の閉鎖、および開放不良の両方の異常を検知して、素早く給水弁の異常状態からの復帰を図る給湯装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の給湯装置は、給水を制御する給水弁の開閉異常を検知する給水弁異常検知手段と、給水弁異常検知手段が給水弁の開閉異常を検知すると、給水弁の開閉を素早く複数回繰り返して給水弁の異常状態からの復帰を促す給水弁復帰手段とを有し、給水経路を通過した液体を出水する出水口と、給水経路を通過した液体を加熱容器または出水口のいずれかに導く切替弁とを備え、給水弁復帰手段は、給水弁異常検知手段から給水弁異常の信号を受け取ると切替弁を加熱容器側に切り替えるものである。
【0007】
これにより、給水弁の異物噛み込み等による閉鎖異常、または錆付着等による開放異常のどちらかの給水弁異常を検知すると、給水弁の開閉を短時間に繰り返すことにより、噛み込んだ異物を弾き飛ばし、または給水弁に付着した錆を剥がし、給水弁の開放異常または閉鎖異常を改善するものである。
【0008】
また、給水弁復帰手段が給水弁の開閉を繰り返している間、給水弁を水が通過してもそ の水は加熱容器側に注がれるため、使用者には給水弁復帰手段が動作中であることが視認できず、余計な不安を与えることがない。
【0009】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、液体を加熱する加熱容器と、水道管から前記加熱容器への給水経路に設けられた給水を制御する給水弁と、前記給水弁の開閉異常を検知する給水弁異常検知手段と、前記給水弁異常検知手段が前記給水弁の開閉異常を検知すると給水弁の開閉を所定の回数繰り返して前記給水弁の異常状態からの復帰を促す給水弁復帰手段と、前記給水経路を通過した液体を出水する出水口と、前記給水経路を通過した液体を前記加熱容器または前記出水口のいずれかに導く切替弁とを備え、前記給水弁復帰手段は、前記給水弁異常検知手段から給水弁異常の信号を受け取ると前記切替弁を前記加熱容器側に切り替える給湯装置とすることにより、給水弁復帰手段が給水弁の開閉を繰り返している間、給水弁を水が通過してもその水は加熱容器側に注がれるため、使用者には給水弁復帰手段が動作中であることが視認できず、余計な不安を与えることがない。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図1〜図6を参照しながら説明する。
【0011】
図1において、1は家庭内に設置されたキッチンユニットを示し、その内部空間に浄水加熱ユニット2を設置している。3は給水管である水道管であり、キッチンユニット1のキッチンシンク14に臨んだ水道口4と、水道水中の不純物を除去する中空糸膜や活性炭からなる浄水手段5とに接続している。水道管3と浄水手段5との給水経路には、浄水手段5への給水を制御する給水弁7と、給水弁7によって給水された給水量を、水が流れることにより内蔵された水車が回り生じたパルスをカウントして計測する、給水量検知手段であるところの流量計8とを設けている。浄水手段5を通過した水道水は、水を加熱するヒーター9を有する加熱容器10へ給水経路11を介して注がれる。また加熱容器10には加熱容器10内の水温を検知する温度検知手段であるサーミスタ12と、加熱容器10内の水位を、電極間の電位が水の有無によって変わることから検知する水位検知手段13を設けている。
【0012】
給水経路11上には、浄水手段5を通過した水をキッチンシンク14に吐出する浄水パイプ15か、給水経路11のどちらかに導く切替弁16が設けてある。17は加熱容器10から生じた蒸気をキッチンシンク14に逃がす蒸気パイプである。18は加熱容器10内の湯を出湯パイプ19に吐出するポンプである。上記した浄水パイプ15、蒸気パイプ17、および出湯パイプ19は、水道口4と同様、キッチンシンク14に臨んで配置されている。20は出湯や浄水の吐出及び各種状態を知らせる操作表示部で、キッチンユニット1の上部の操作部1aに設けてある。
【0013】
21は給湯装置の制御手段であるマイクロコンピュータであり、このマイクロコンピュータ21には給水弁7と流量計8、ヒーター9、サーミスタ12、水位検知手段13、切替弁16、ポンプ18、操作表示部20を接続しており、流量計8、サーミスタ12、水位検知手段13、操作表示部20からの入力に応じて、給水弁7、ヒーター9、切替弁16、ポンプ18を出力制御する。そして、マイクロコンピュータ21内には、マイクロコンピュータ21が給水弁7を開く制御信号を出力して給水中であるにも拘わらず、流量計8によって給水量が検知できない時は給水弁7の開放異常と判断し、反対に給水弁7を閉じる制御信号を出力しているのに流量計8が給水を検知した時は給水弁7の閉鎖異常と判断する給水弁異常判断手段21aと、給水弁異常判断手段21aが判断した給水弁7の開放異常または閉鎖異常に応じて、給水弁7を開閉制御して給水弁7の異常状態からの復帰を促す給水弁復帰手段21bとを設けている。
【0014】
図2は本実施例における操作表示部20の詳細を示しており、20aはONになると接続されたマイクロコンピュータ21が切替弁16を浄水パイプ15側に切り換えると共に、給水弁7を開いて浄水した水を吐出する浄水スイッチ、20bはONになると接続されたマイクロコンピュータ21がポンプ18を駆動して加熱容器10内の湯を出湯する出湯スイッチ、20cはONになると出湯スイッチ20bの操作を可能とするロック解除スイッチ、20dはロック解除スイッチ20cがONになると点灯してロック解除スイッチ20dの状態を表すロック解除LED、20eは水位検知手段13が検知した水位を表示する水位表示LED、20fはマイクロコンピュータ21により流量計8が計測した給水量が1000リットルに達すると、浄水手段5の浄水能力に達したとして、点灯し浄水手段5の交換を促すカートリッジ交換LED、20gは給水弁7の開放異常または閉鎖異常を点灯して知らせる給水弁異常報知手段であるところの給水弁異常LEDである。
【0015】
以上のように構成された給湯装置についてその動作を説明する。例えば、出湯スイッチ20bをONして加熱容器10内の湯を出湯して満水から水位が下がると、水位検知手段13が加熱容器10内の湯量が少ないことを検知してその信号をマイクロコンピュータ21に送る。マイクロコンピュータ21は水位が少ない信号を受け取ると、切替弁16を加熱容器10側に切替るとともに、給水弁7を開いて加熱容器10内に給水する給水状態にする。そして水位検知手段13が水位の満水状態を検知してその信号をマイクロコンピュータ21に送ると、マイクロコンピュータ21は給水弁7を閉じて給水を止め、サーミスタ12によって検知した水温に応じてヒーター9を制御して高温の湯を保つ保温状態とする。このように加熱容器10内には、常に高温の湯が満水状態にあり、いつでも出湯できる状態に保たれる。
【0016】
次に給水弁異常判断手段21aの動きについて、図3を用いて説明する。給水弁異常判断手段21aは、ステップ1でマイクロコンピュータ21が給水弁7を開いて給水中かどうかを判断する。給水中ならYESとなりステップ2に移行する。ステップ2では流量計8によって、給水が本当に行われているのか判断する。流量計8が計測する1秒あたりのパルス数が3回以上なら、流量計8を水が通過してパルスがカウントできているので、給水弁7を開いた状態で給水が確認できたことから給水弁7は正常となり、YESでステップ1に戻って給水弁7の確認を繰り返す。反対にステップ2で流量計8が計測する1秒あたりのパルス数が3回未満なら、給水弁7を開く制御中なのに流量計8が水の通過を確認できなかったので、給水弁7が正常に開いていないとして、NOとなり給水弁7が開放できない異常であると給水弁復帰手段21bに信号を出力する。
【0017】
また、ステップ1でマイクロコンピュータ21が給水弁7を閉じて給水を行っていないならNOとなりステップ3に移行する。ステップ3では流量計8によって、給水弁7が本当に閉じているのかを判断する。流量計8が計測する1秒あたりのパルス数が3回未満なら、流量計8を水が通過しておらず、給水弁7を閉じる制御で給水が確認できなかったので給水弁7は正常となり、YESでステップ1に戻って給水弁7の確認を繰り返す。反対にステップ3で流量計8が計測する1秒あたりのパルス数が3回以上なら、給水弁7を閉じる制御中なのに流量計8が水の通過を確認したので、給水弁7が実際には閉じていないとして、NOとなり給水弁7が閉鎖できない異常であると給水弁復帰手段21bに信号を出力する。
【0018】
次に給水弁復帰手段21bの動きについて、図4を用いて説明する。給水弁復帰手段21bはステップ4で給水弁異常判断手段21aから給水弁異常の信号を受け取ると、切替弁16を加熱容器10側に切り替えステップ5に移行する。ステップ5では受け取った給水弁異常信号が給水弁7を開く制御を行っているのに給水が確認できない給水弁開放異常かどうか判断する。給水弁開放異常の信号ならばYESとなり、ステップ6では給水弁7を開く制御中に給水弁開放異常を検知したので給水弁7に閉じる信号を出力し、ステップ7で給水弁7を閉じる制御のまま1秒経過するのを待つ。1秒経過するとYESとなりステップ8に移行し、給水弁復帰手段21bは給水弁7に開く信号を出力し、ステップ9で給水弁7を開く制御のまま1秒経過するのを待つとともに、その間、流量計8によりパルスをカウントする。1秒経過するとYESとなりステップ10で、流量計8が計測したパルス数が3回/秒以上かどうかを判断する。3回/秒以上ならステップ8、ステップ9で給水弁7を1秒開いている間に流量計8が水の通過を検知できたので、給水が復帰したとしてYESとなり給水弁復帰手段21bの動作を終了し、給水弁異常判断手段21aが給水弁開放異常を検知する以前の動作を継続する。
【0019】
反対に、ステップ10で流量計8が計測したパルス数が3回/秒未満ならばNOとなりステップ11に移行する。ステップ11ではステップ6からステップ10までの動作、つまり給水弁7を1秒間閉じた後、1秒間開く制御動作を8回繰り返したか判断する。まだ8回行っていなければNOとなりステップ6に戻って動作を繰り返す。反対に8回繰り返すとYESとなりステップ12に移行して、ステップ12では、給水弁7を1秒ごとに閉開を8回繰り替えしても給水弁7の開放異常からの復帰が確認できなかったとして、給水弁7を閉じた後、給水弁復帰手段21bは給水弁異常LED20gで給水弁7の開放異常を報知する。
【0020】
図5は給水弁7の開放異常を報知している操作表示部20の詳細図であり、給水弁7を開く制御中に給水弁異常になったことを点灯して表示する。
【0021】
また、ステップ5で給水弁異常判断手段21aから受け取った給水弁異常の信号が、給水弁7を閉じる制御を行っているのに給水が確認された給水弁閉鎖異常ならばNOとなってステップ13に移行する。ステップ13では、給水弁7を閉じる制御中に給水弁閉鎖異常を検知したので給水弁7に開く信号を出力し、ステップ14で給水弁7を開く制御のまま1秒経過するのを待つ。1秒経過するとYESとなりステップ15に移行し、給水弁復帰手段21bは給水弁7に閉じる信号を出力し、ステップ16で給水弁7を閉じる制御のまま1秒経過するのを待つとともに、その間、流量計8によりパルスをカウントする。1秒経過するとYESとなりステップ17で、流量計8が計測したパルス数が3回/秒未満か判断する。3回/秒未満ならステップ15、ステップ16で給水弁7を1秒閉じている間に流量計8が水の通過を検知しなかった、つまり給水弁7の制御に応じた結果となったとしてYESとなり給水弁復帰手段21bの動作を終了し、給水弁異常判断手段21aが給水弁閉鎖異常を検知する以前の動作を継続する。
【0022】
反対に、ステップ17で流量計8が計測したパルス数が3回/秒以上ならばNOとなりステップ18に移行する。ステップ18ではステップ13からステップ17までの動作、つまり給水弁7を1秒間開いた後、1秒間閉じる制御動作を8回繰り返したか判断する。まだ8回行っていなければNOとなりステップ13に戻って動作を繰り返す。反対に8回繰り返すとYESとなり、給水弁復帰手段21bは給水弁7を1秒ごとに開閉を8回繰り替えしても給水弁7の閉鎖異常からの復帰が確認できなかったとして、給水弁異常LED20gで給水弁7の閉鎖異常を報知する。
【0023】
図6は給水弁7の閉鎖異常を報知している操作表示部20の詳細図であり、給水弁7を閉じる制御中に給水弁異常になったことを点灯して表示する。
【0024】
以上のように、本実施例によれば、マイクロコンピュータ21が給水弁7を開く制御信号を出力して給水中、流量計8によって給水量が検知できない時は給水弁7の開放異常と、反対に給水弁7を閉じる制御信号を出力しているのに流量計8が給水を検知した時は給水弁7の閉鎖異常と判断する給水弁異常判断手段21aと、給水弁異常判断手段21aが給水弁異常と判断すると切替弁16を加熱容器10側に切り替えるとともに、給水弁7の開放異常または閉鎖異常に応じて、給水弁7を1秒毎に開閉制御して給水弁7の異常状態からの復帰を促し、それでも復帰ができなければ給水弁異常LED20gを用いて、給水弁7の開放異常または閉鎖異常のどちらの異常が生じたかを知らせる給水弁復帰手段21bを設けることにより、浄水手段5の交換時期を知らせるために設けた給水量検知手段であるところの流量計8を用い、給水弁7の異物噛み込み等による閉鎖異常、または錆付着等による開放異常の両方の弁異常が検知できるのでコスト的にも優れ、また給水弁7の開放異常または閉鎖異常を検知したときには、それぞれ給水弁7を反対方向に駆動して、短時間に給水弁7を開閉させることで生じる衝撃により、速やかに噛み込んだ異物や付着した錆等の除去を図ることができる。また給水弁7の異常状態が改善できなければ、その異常状態を表示して知らせることができるので、修理を行う際に使い勝手がよい。
【0025】
なお、本実施例においては、給水弁7の開閉異常を検知する給水弁異常検知手段として、給水弁異常判断手段21aと給水量検知手段としての流量計8を用いたが、これに限らず、流量計8に代えて水道水の圧力を検知する圧力計等、その他の給水量検知手段を用いても何ら問題ない。
【0026】
また、本実施例において、給水弁復帰手段21bは給水弁7の復帰を図るのに、給水弁7を開く時間を1秒、閉じる時間を1秒、繰り返す回数を8回としたが、使用する給水弁の特性や設置場所の水圧に応じて時間及び回数をそれぞれ任意に変更しても問題はない。また、特に同じ時間で開閉する必要もない。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、本発明の給湯装置によれば、給水弁の錆付着による開放異常、異物噛み込みによる閉鎖異常両方の異常を検知でき、さらに給水弁の開閉を素早く複数回繰り返して生じる衝撃により、噛み込んだ異物を弾き飛ばし、または給水弁に付着した錆を剥がし、給水弁の開放異常または閉鎖異常の改善を図ることができる。
【0028】
また、給水弁復帰手段が給水弁の開閉を繰り返している間、給水弁を水が通過してもその水は加熱容器側に注がれるため、使用者には給水弁復帰手段が動作中であることが視認できず、余計な不安を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例における給湯装置の全体を示す断面図
【図2】 同給湯装置における操作表示部の詳細を示す平面図
【図3】 同給湯装置における給水弁異常判断手段のフローチャート
【図4】 同給湯装置における給水弁復帰手段のフローチャート
【図5】 同給湯装置における給水弁の開放異常を報知している操作表示部の平面図
【図6】 同給湯装置における給水弁の閉鎖異常を報知している操作表示部の平面図
【符号の説明】
5 浄水手段
7 給水弁
8 流量計(給水量検知手段)
10 加熱容器
11 給水経路
16 切替弁
20g 給水弁異常LED(給水弁異常報知手段)
21a 給水弁異常判断手段
21b 給水弁復帰手段
Claims (1)
- 液体を加熱する加熱容器と、水道管から前記加熱容器への給水経路に設けられた給水を制御する給水弁と、前記給水弁の開閉異常を検知する給水弁異常検知手段と、前記給水弁異常検知手段が前記給水弁の開閉異常を検知すると給水弁の開閉を所定の回数繰り返して前記給水弁の異常状態からの復帰を促す給水弁復帰手段と、前記給水経路を通過した液体を出水する出水口と、前記給水経路を通過した液体を前記加熱容器または前記出水口のいずれかに導く切替弁とを備え、前記給水弁復帰手段は、前記給水弁異常検知手段から給水弁異常の信号を受け取ると前記切替弁を前記加熱容器側に切り替える給湯装置。
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