JP3835397B2 - 給湯装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭におけるキッチンシステムへ組み込んで使用する水道管直結式ビルトインタイプの給湯装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、この種の水道管直結式ビルトインタイプの給湯装置は知られている（例えば、特許文献１参照）。これは、給水弁を開いた状態で水道管から貯湯容器に給水している時、流量が検出されなくなると即断水と判断して断水報知している。
【０００３】
【特許文献１】
特開２００１−２６３８９号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の給湯装置は、貯湯容器に給水中、流量が検知されなくなると即断水と判断して断水報知しているため、例えば貯湯容器に給水中、同じタイミングで他の場所で水道水を使用し、一時的に水道水の圧力が落ちてしまい流量が検知できなくなった状態でも断水と判断して、本来ならば水圧が復帰する可能性があるにも関わらず断水報知を行ってしまうという課題を有していた。
【０００５】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、給水中、流量が検知できなくなると一時的に水圧が落ちたのか、本当の断水状態かを判断し、使用者に余計な不安を与えず使い勝手が良い給湯装置を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の給湯装置は、給水弁を開いて給水中、給水量検知手段による給水量が所定の値以下になると、所定の時間給水弁を操作して給水量が復帰するのを監視し、復帰が確認できないと断水と判断する水圧復帰監視手段を設けたものである。
【０００７】
これにより、流量が検知できなくなると、一定の時間給水が復帰するのを待ち、復帰が確認できないと断水と確定とするものであり、使用者に余計な不安を与えず使い勝手が良いものである。
【０００８】
また、水圧復帰監視手段は、給水弁を第２の所定時間閉じて水圧の復帰を待った後、第３の所定時間開いて給水量が検知できるようになったか判断する動作を所定回数繰り返し、給水量が復帰しないと断水と判断してなる構成にしたものである。
【０００９】
これにより、給水量が検知できない程水圧が落ちた状態で給水弁を開きっぱなしにして給水量の復帰を確認することで、加熱容器への給水が僅かずつ継続され、加熱容器から水が溢れてしまうのを防ぐとともに、復帰可能な一時的な水道水の圧力の低下による断水誤検知を防止するものである。
【００１０】
【発明の実施の形態】
請求項１に記載の発明は、液体を加熱する加熱容器と、水道管から前記加熱容器への給水経路に設けられた給水を制御する給水弁と、給水弁を通過した給水量を検知する給水量検知手段と、給水弁を給水側に開いて給水中、給水量検知手段による給水量が所定の値以下になると、所定の時間給水弁を操作して給水量が復帰するのを監視し、復帰が確認できないと断水と判断する水圧復帰監視手段とを有し、前記水圧復帰監視手段は、前記給水弁を第２の所定時間閉じた後、第３の所定時間開く動作を所定回数繰り返し、給水量が復帰しないと断水と判断してなる給湯装置としたことにより、他の場所で同時に水道を使用して一時的に水道水の圧力が落ちてしまい、給水量が僅かになり、給水量検知手段で給水量が検知できなくなっても、長時間給水弁を閉じて水圧が復帰するのを待ってから、短い時間給水弁を開いて給水量が検知できるようになったか判断するので、給水量が検知できない程水圧が落ちた状態で給水弁を開きっぱなしにして給水量の復帰を確認することで、加熱容器への給水が僅かずつ継続され、加熱容器から水が溢れてしまうのを防ぐとともに、復帰可能な一時的な水道水の圧力の低下による断水誤検知を防止する。
【００１１】
請求項２に記載の発明は、水圧復帰監視手段は、給水量が復帰すると動作を停止するとともに、水圧復帰監視手段が動作開始する以前の動作を継続する請求項１に記載の給湯装置としたことにより、一時的に水道水の圧力が落ちてしまい給水量が検知できなくった状態で水圧復帰監視手段が動作しても、水圧が復帰すると水圧が落ちる前の動作を継続しているので、使用者に余計な不安を与えず使い勝手が良い。
【００１２】
請求項３に記載の発明は、水圧復帰監視手段が動作中、加熱容器の加熱を停止する水圧低下加熱停止手段を有する請求項１または２に記載の給湯装置としたことにより、水圧復帰監視手段が動作中、加熱容器の加熱を停止する水圧低下加熱停止手段を有することで、加熱容器への給水が復帰するのが確認されない間は加熱容器の加熱を行わないので、加熱容器が空の状態で加熱し、温度が急上昇して加熱容器を破損してしまうのを防ぐ。
【００１３】
請求項４に記載の発明は、水圧復帰監視手段が動作中、加熱容器は所定の温度で保温動作を行う水圧低下保温手段を有する請求項１〜３のいずれか１項に記載の給湯装置としたことにより、加熱容器への給水が復帰するのが確認されない間は加熱容器は保温動作を行っているので、加熱容器が空の状態で加熱し、温度が急上昇して加熱容器を破損してしまうのを防ぐとともに、加熱容器内に水がある場合には水温の低下による雑菌の繁殖を防ぐ。
【００１４】
請求項５に記載の発明は、水圧復帰監視手段が動作開始時、給湯装置の動作状態に応じて水圧低下加熱停止手段または水圧低下保温手段のいずれかの動作を行う水圧低下加熱選択手段を有する請求項４に記載の給湯装置としたことにより、水圧復帰監視手段が動作した時、加熱容器の加熱を行っていないときには水圧低下加熱停止手段によって加熱停止の継続を、反対に加熱容器が加熱中なら水圧低下保温手段をによって加熱容器を保温状態に保つので、給水状態が終了してから加熱を行う給湯装置の動作状態で、水圧復帰監視手段が動作開始すると加熱容器の加熱を停止したままであり無駄な電力の消費を抑え、また給湯装置が加熱中の動作状態で水圧復帰監視手段が動作すると、加熱容器を保温状態に保ち、水温の低下による雑菌の繁殖を防ぐことができ使い勝手が良い。
【００１５】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【００１６】
（参考例１）
図１は本発明の参考例１における給湯装置を示すものである。
【００１７】
図において、１は家庭内に設置されたキッチンユニットを示し、その内部空間に浄水加熱ユニット２を設置している。３は給水管である水道管であり、キッチンユニット１のキッチンシンク１４に臨んだ水道口４と、水道水中の不純物を除去する中空糸膜や活性炭からなる浄水手段５とに接続している。６は水道管３の給水を制御する手動で開閉する元栓であり、水道管３と浄水手段５との給水経路には、浄水手段５への給水を制御する給水弁７と、給水弁７によって給水された給水量を、水が流れることにより内蔵された水車が回り生じたパルスをカウントして計測する給水量検知手段であるところの流量計８を設けている。
【００１８】
浄水手段５を通過した水道水は、水を加熱するヒータ９を有する加熱容器１０へ給水経路１１を介して注がれる。また加熱容器１０には加熱容器１０内の水温を検知する温度検知手段であるサーミスタ１２と、加熱容器１０内の水位を、電極間の電位が水の有無によって変わることから検知する水位検知手段１３を設けている。
【００１９】
そして、給水経路１１上には、浄水手段５を通過した水をキッチンシンク１４に吐出する浄水パイプ１５か、給水経路１１のどちらかに導く切替弁１６が設けてある。１７は加熱容器１０から生じた蒸気を逃がす蒸気パイプ、１８は加熱容器１０内の湯を出湯パイプ１９に吐出するポンプである。上記した浄水パイプ１５、蒸気パイプ１７、および出湯パイプ１９は、水道口４と同様、キッチンシンク１４に臨んで配置されている。上記浄水手段５、ヒータ９、および加熱容器１０等は浄水加熱ユニット２を構成しているものである。
【００２０】
２０は出湯や浄水の吐出及び各種状態を知らせる操作表示部で、キッチンユニット１の上部の操作部１ａに設けてある。
【００２１】
２１は制御手段であるマイクロコンピュータであり、マイクロコンピュータ２１には給水弁７と流量計８、ヒータ９、サーミスタ１２、水位検知手段１３、切替弁１６、ポンプ１６、操作表示部２０を接続し、流量計８、サーミスタ１２、水位検知手段１３、操作表示部２０からの入力に応じて、給水弁７、ヒータ９、切替弁１６、ポンプ１６を出力制御する。
【００２２】
マイクロコンピュータ２１内には、マイクロコンピュータ２１が給水弁７を開いて給水中、流量計８によって検知した給水量が少なくなると、給水弁７を制御して給水量が復帰するのを監視し、一定の時間復帰が確認できないと断水と確定する水圧復帰監視手段２１ａを設けている。
【００２３】
図２は操作表示部２０の詳細を示しており、２０ａはＯＮになると接続されたマイクロコンピュータ２１が切替弁１６を浄水パイプ１５側に切り換えると共に、給水弁７を開いて浄水した水を吐出する浄水スイッチ、２０ｂはＯＮになると接続されたマイクロコンピュータ２１がポンプ１８を駆動して加熱容器１０内の湯を出湯する出湯スイッチ、２０ｃはＯＮになると出湯スイッチ２０ｂの操作を可能とするロック解除スイッチ、２０ｄはロック解除スイッチ２０ｃがＯＮになると点灯してロック解除スイッチ２０ｃの状態を表すロック解除ＬＥＤ、２０ｅは水位検知手段１３が検知した水位を表示する水位表示ＬＥＤである。
【００２４】
以上のように構成された給湯装置についてその動作を説明する。初めての給湯装置の使用時、また使用中、出湯スイッチ２０ｂをＯＮして加熱容器１０内の湯を出湯して満水から水位が下がると、水位検知手段１３が加熱容器１０内の湯量が少ないことを検知してマイクロコンピュータ２１に送り、マイクロコンピュータ２１は水位が少ない信号を受け取ると、切替弁１６を加熱容器１０側に切替るとともに、給水弁７を開いて加熱容器１０内に給水する給水状態になる。
【００２５】
そして水位検知手段１３が水位の満水状態を検知してマイクロコンピュータ２１に送ると、マイクロコンピュータ２１は給水弁７を閉じて給水を止め、サーミスタ１２によって検知した水温に応じてヒータ９を制御して高温の湯を保つ保温状態となる。このように加熱容器内８内には、常に高温の湯が満水状態で出湯可能な状態に保たれる。
【００２６】
次に水圧復帰監視手段２１ａの動きについて、図３を用いて説明する。マイクロコンピュータ２１は給水弁７を開いて切替弁１６を加熱容器１０側に切り替え、加熱容器１０への給水動作中、流量計８によって給水量をチェックする。
【００２７】
本参考例において給水量検知手段として用いている流量計８は通過する水量に応じてパルスを生じるので、１秒あたりのパルス数が３回以上かどうか判断する。３回以上なら給水されていると判断して水圧復帰監視手段２１ａを動作させない。反対に３回未満なら給水量が少ないと判断して水圧復帰監視手段２１ａの動作を開始する。水圧復帰監視手段２１ａはマイクロコンピュータ２１から動作開始の信号を受け取ると、図３のステップ１で給水弁７を開く信号を出力し続けるとともに、ステップ２で流量計８から送られる流量のパルス数をチェックする。
【００２８】
もし、１秒あたりのパルス数が３回以上ならＹＥＳとなり、給水量が復帰したとして水圧復帰監視手段２１ａの動作を終了する。反対に３回未満ならＮＯとなり、ステップ３に移行する。ステップ３では水圧復帰監視手段２１ａが動作開始してからの時間をチェックする。水圧復帰監視手段２１ａが動作開始してから５分経過していないならＮＯとなり、ステップ１に戻って動作を繰り返す。
【００２９】
反対に５分経過したならＹＥＳとなり、給水量が５分間継続して復帰しない状態、つまり水道口４や、その他の場所で水道が使用され一時的に水道水の圧力が落ちた状態ではないとして断水を確定し、水位表示ＬＥＤ２０ｅを点滅させて使用者に水道管の元栓６等のチェックを促す。
【００３０】
以上のように、本参考例によれば、給水弁７を開いて給水中、流量計８による給水量のパルスが３回／秒未満になると、５分間給水弁７を開いて給水量が復帰するのを監視し、復帰が確認できないと断水と判断する水圧復帰監視手段２１ａを設けることにより、水道口４や複数の場所で同時に水道を使用され、一時的に水圧低下を起こしても断水と判断して報知することが無く、使用者に余計な不安を与えず使い勝手が良い。
【００３１】
なお、本参考例において、給水量検知手段として流量計８を用いたが、水道水の圧力を検知する圧力計等その他の給水量検出可能な手段を用いても何ら問題はない。
【００３２】
また、本参考例において、水圧復帰監視手段２１ａが断水と確定するまでの時間を５分としたが、給湯装置の設置場所の水道状態に応じた値に変えても何ら問題はない。
【００３３】
また、本参考例において、水圧復帰監視手段２１ａの働きとして加熱容器１０への給水時を用いたが、給水弁７を開いて切替弁１６を浄水パイプ１５側に切り替えての浄水時を用いた場合も同様である。
【００３４】
（実施例１）
以下、本発明の実施例１における給湯装置について図４を参照しながら説明する。本実施例の全体構成について参考例１と同一の構成要素については、同じ番号を付し説明を省略する。
【００３５】
図４は本実施例における水圧復帰監視手段２１ａの動きについて表したものであり、マイクロコンピュータ２１は給水弁７を開いて切替弁１６を加熱容器１０側に切り替え、加熱容器１０への給水動作中、流量計８によって給水量をチェックする。本実施例において給水量検知手段として用いている流量計８は通過する水量に応じてパルスを生じるので、１秒あたりのパルス数が３回以上かどうか判断する。３回以上なら給水されていると判断して水圧復帰監視手段２１ａを動作させない。
【００３６】
反対に３回未満なら給水量が少ないと判断して水圧復帰監視手段２１ａの動作を開始する。水圧復帰監視手段２１ａはマイクロコンピュータ２１から動作開始の信号を受け取ると、ステップ４で給水弁７に閉じる信号を出力すると、ステップ５で１分経過するのを待つ。１分経過するとステップ６に移行して、ステップ６で給水弁７に開く信号を出力し給水を試み、ステップ７で流量計８から送られる流量のパルス数をチェックする。
【００３７】
もし、１秒あたりのパルス数が３回以上ならＹＥＳとなり、給水量が復帰したとして水圧復帰監視手段２１ａの動作を終了し、水圧復帰監視手段２１ａが動作する前の加熱容器１０への給水動作に戻る。反対に３回未満ならＮＯとなりステップ８に移行する。ステップ８ではステップ６で給水弁７を開いてからの時間が１０秒経過したかどうかを判断する。まだ１０秒経過していないならＮＯとなり、ステップ６に戻って給水量が復帰したかどうかの判断を繰り返す。
【００３８】
反対に１０秒経過したならＹＥＳとなりステップ９に移行する。ステップ９では給水弁７が閉じて１分、給水弁７を開いて１０秒を５回繰り返したかどうかを判断する。まだ５回繰り返していないならＮＯとなり、ステップ４に移行して給水弁を閉じて１分待ちの動作を開始する。
【００３９】
反対に５回繰り返したならばＹＥＳとなり給水量が継続して復帰しない状態、つまり水道口４や、その他の場所で水道が使用され一時的に水道水の圧力が落ちた状態ではないとして断水を確定し、水位表示ＬＥＤ２０ｅを点滅させて使用者に水道管の元栓６等のチェックを促す。
【００４０】
以上のように、本実施例によれば、給水弁７を開いて給水中、流量計８による給水量のパルスが３回／秒未満になると、１分間給水弁７を閉じた後、１０秒間給水弁７を開いて給水量が復帰するのを監視し、これを５回繰り返しても、給水量の復帰が確認できないと断水と判断する水圧復帰監視手段２１ａを設けることにより、１分間給水弁７を閉じて水圧が復帰するのを待ってから、１０秒間給水弁７を開いて給水量が検知できるようになったか判断するので、給水量が検知できない程、水圧が落ちた状態で給水弁７を開きっぱなしにして給水量の復帰を確認することで、加熱容器１０への給水が僅かづつ継続され、加熱容器１０から水が溢れてしまうのを防ぐとともに、復帰可能な一時的な水道水の圧力の低下による断水誤検知を防止する。
【００４１】
なお、本実施例において、給水量検知手段として流量計８を用いたが、水道水の圧力を検知する圧力計等その他の給水量検出可能な手段を用いても何ら問題はない。
【００４２】
また、本実施例において、水圧復帰監視手段２１ａは給水弁７を閉じて待つ時間を１分、開いて給水量の確認をする時間を１０秒。これを繰り返す回数を５回としたが、給湯装置の設置場所の水道状態に応じた値に変えても何ら問題はない。
【００４３】
また、本実施例において、水圧復帰監視手段２１ａの働きとして加熱容器１０への給水時を用いたが、給水弁７を開いて切替弁１６を浄水パイプ１５側に切り替えての浄水時を用いた場合も同様である。
【００４４】
（実施例２）
以下、本発明の実施例２における給湯装置ついて図５を参照しながら説明する。本実施例の全体構成について参考例１と同一の構成要素については、同じ番号を付し説明を省略する。
【００４５】
マイクロコンピュータ２１内には、水圧復帰監視手段２１ａが動作すると、ヒータ９をＯＦＦする水圧低下加熱停止手段２１ｂを設けている。
【００４６】
以上のように本実施例によれば、水圧低下加熱停止手段２１ｂを設けることにより、水圧復帰監視手段２１ａが動作して、加熱容器１０への給水が復帰するのが確認されない間は、加熱容器１０の加熱を行わないので、加熱容器１０へ給水されないまま加熱し、温度が急上昇して加熱容器１０を破損してしまうのを防ぐことができる。
【００４７】
（実施例３）
以下、本発明の実施例３における給湯装置について図６を参照しながら説明する。本実施例の全体構成について参考例１と同一の構成要素については、同じ番号を付し説明を省略する。
【００４８】
マイクロコンピュータ２１内には、水圧復帰監視手段２１ａが動作すると、サーミスタ１２が検知する温度が８５℃以上ならヒータ９をＯＦＦ、８５℃未満ならＯＮに制御する水圧低下保温手段２１ｃを設けている。
【００４９】
以上のように本実施例によれば、水圧低下保温手段２１ｃを設けることにより、水圧復帰監視手段２１ａが動作して、加熱容器１０への給水が復帰するのが確認されない間は、加熱容器１０は保温動作を行うので、加熱容器１０へ給水されないまま加熱を継続して、温度が急上昇して加熱容器１０を破損してしまうのを防ぐとともに、水温の低下による雑菌の繁殖を防ぐ。
【００５０】
なお、本実施例において、水圧低下保温手段２１ｃは８５℃で保温動作を行ったが保温温度を変更しても何ら問題ない。また保温動作中、ヒータ９の火力を任意に変更しても問題はない。
【００５１】
（実施例４）
以下、本発明の実施例４における給湯装置について図７を参照しながら説明する。本実施例の全体構成について参考例１と同一の構成要素については、同じ番号を付し説明を省略する。
【００５２】
マイクロコンピュータ２１内には、水圧復帰監視手段２１ａが動作中、ヒータ９をＯＦＦする水圧低下加熱停止手段２１ｂと、同じく水圧復帰監視手段２１ａが動作中、サーミスタ１２が検知する温度が８５℃以上ならヒータ９をＯＦＦ、８５℃未満ならＯＮに制御する水圧低下保温手段２１ｃと、水圧復帰監視手段２１ａが動作開始時、ヒータ９がＯＦＦで加熱容器１０が加熱停止状態なら水圧低下加熱停止手段２１ｂのみ動作可能とし、反対に水圧復帰監視手段２１ａが動作開始時、ヒータ９がＯＮで加熱容器１０が加熱中なら水圧低下保温手段２１ｃのみ動作可能とする水圧低下加熱選択手段２１ｄを設けている。
【００５３】
以上のように、本実施例によれば、水圧低下加熱選択手段２１ｄを設けることにより、水圧復帰監視手段２１ａが動作した時、加熱容器１０の加熱を行っていないときには水圧低下加熱停止手段２１ｂによって加熱停止の継続を、反対に加熱容器１０が加熱中なら水圧低下保温手段２１ｃによって加熱容器１０を保温状態に保つので、給水が終了してから加熱を行う給湯装置の動作状態で、水圧復帰監視手段２１ａが動作すると加熱容器１０の加熱を停止したままで無駄な電力の消費を抑え、また給湯装置が加熱中の動作状態で水圧復帰監視手段２１ａが動作すると、加熱容器１０を保温状態に保ち、水温の低下による雑菌の繁殖を防ぐことができ使い勝手が良い。
【００５４】
【発明の効果】
以上のように、本発明の給湯装置によれば、給水量が検知できなくなっても、一定の時間水圧が復帰するのを待ち、復帰が確認できないと断水報知を行うので、一時的な水圧低下を断水と誤判断することが無く、使用者に余計な不安を与えず使い勝手が良い。
【００５５】
また、水圧復帰監視手段は、給水弁を第２の所定時間閉じて水圧の復帰を待った後、第３の所定時間開いて給水量が検知できるようになったか判断する動作を所定回数繰り返し、給水量が復帰しないと断水と判断してなる構成にしたものである。
【００５６】
これにより、給水量が検知できない程水圧が落ちた状態で給水弁を開きっぱなしにして給水量の復帰を確認することで、加熱容器への給水が僅かずつ継続され、加熱容器から水が溢れてしまうのを防ぐとともに、復帰可能な一時的な水道水の圧力の低下による断水誤検知を防止するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の参考例１における給湯装置の全体を示す断面図
【図２】 同給湯装置における操作表示部の詳細を示す平面図
【図３】 同給湯装置における水圧復帰監視手段のフローチャート
【図４】 本発明の実施例１における給湯装置の水圧復帰監視手段のフローチャート
【図５】 本発明の実施例２における給湯装置の全体を示す断面図
【図６】 本発明の実施例３における給湯装置の全体を示す断面図
【図７】 本発明の実施例４における給湯装置の全体を示す断面図
【符号の説明】
３ 水道管
７ 給水弁
８ 流量計（給水量検知手段）
１０ 加熱容器
１１ 給水経路
２１ａ 水圧復帰監視手段
２１ｂ 水圧低下加熱停止手段
２１ｃ 水圧低下保温手段
２１ｄ 水圧低下加熱選択手段手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭におけるキッチンシステムへ組み込んで使用する水道管直結式ビルトインタイプの給湯装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、この種の水道管直結式ビルトインタイプの給湯装置は知られている（例えば、特許文献１参照）。これは、給水弁を開いた状態で水道管から貯湯容器に給水している時、流量が検出されなくなると即断水と判断して断水報知している。
【０００３】
【特許文献１】
特開２００１−２６３８９号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の給湯装置は、貯湯容器に給水中、流量が検知されなくなると即断水と判断して断水報知しているため、例えば貯湯容器に給水中、同じタイミングで他の場所で水道水を使用し、一時的に水道水の圧力が落ちてしまい流量が検知できなくなった状態でも断水と判断して、本来ならば水圧が復帰する可能性があるにも関わらず断水報知を行ってしまうという課題を有していた。
【０００５】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、給水中、流量が検知できなくなると一時的に水圧が落ちたのか、本当の断水状態かを判断し、使用者に余計な不安を与えず使い勝手が良い給湯装置を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の給湯装置は、給水弁を開いて給水中、給水量検知手段による給水量が所定の値以下になると、所定の時間給水弁を操作して給水量が復帰するのを監視し、復帰が確認できないと断水と判断する水圧復帰監視手段を設けたものである。
【０００７】
これにより、流量が検知できなくなると、一定の時間給水が復帰するのを待ち、復帰が確認できないと断水と確定とするものであり、使用者に余計な不安を与えず使い勝手が良いものである。
【０００８】
また、水圧復帰監視手段は、給水弁を第２の所定時間閉じて水圧の復帰を待った後、第３の所定時間開いて給水量が検知できるようになったか判断する動作を所定回数繰り返し、給水量が復帰しないと断水と判断してなる構成にしたものである。
【０００９】
これにより、給水量が検知できない程水圧が落ちた状態で給水弁を開きっぱなしにして給水量の復帰を確認することで、加熱容器への給水が僅かずつ継続され、加熱容器から水が溢れてしまうのを防ぐとともに、復帰可能な一時的な水道水の圧力の低下による断水誤検知を防止するものである。
【００１０】
【発明の実施の形態】
請求項１に記載の発明は、液体を加熱する加熱容器と、水道管から前記加熱容器への給水経路に設けられた給水を制御する給水弁と、給水弁を通過した給水量を検知する給水量検知手段と、給水弁を給水側に開いて給水中、給水量検知手段による給水量が所定の値以下になると、所定の時間給水弁を操作して給水量が復帰するのを監視し、復帰が確認できないと断水と判断する水圧復帰監視手段とを有し、前記水圧復帰監視手段は、前記給水弁を第２の所定時間閉じた後、第３の所定時間開く動作を所定回数繰り返し、給水量が復帰しないと断水と判断してなる給湯装置としたことにより、他の場所で同時に水道を使用して一時的に水道水の圧力が落ちてしまい、給水量が僅かになり、給水量検知手段で給水量が検知できなくなっても、長時間給水弁を閉じて水圧が復帰するのを待ってから、短い時間給水弁を開いて給水量が検知できるようになったか判断するので、給水量が検知できない程水圧が落ちた状態で給水弁を開きっぱなしにして給水量の復帰を確認することで、加熱容器への給水が僅かずつ継続され、加熱容器から水が溢れてしまうのを防ぐとともに、復帰可能な一時的な水道水の圧力の低下による断水誤検知を防止する。
【００１１】
請求項２に記載の発明は、水圧復帰監視手段は、給水量が復帰すると動作を停止するとともに、水圧復帰監視手段が動作開始する以前の動作を継続する請求項１に記載の給湯装置としたことにより、一時的に水道水の圧力が落ちてしまい給水量が検知できなくった状態で水圧復帰監視手段が動作しても、水圧が復帰すると水圧が落ちる前の動作を継続しているので、使用者に余計な不安を与えず使い勝手が良い。
【００１２】
請求項３に記載の発明は、水圧復帰監視手段が動作中、加熱容器の加熱を停止する水圧低下加熱停止手段を有する請求項１または２に記載の給湯装置としたことにより、水圧復帰監視手段が動作中、加熱容器の加熱を停止する水圧低下加熱停止手段を有することで、加熱容器への給水が復帰するのが確認されない間は加熱容器の加熱を行わないので、加熱容器が空の状態で加熱し、温度が急上昇して加熱容器を破損してしまうのを防ぐ。
【００１３】
請求項４に記載の発明は、水圧復帰監視手段が動作中、加熱容器は所定の温度で保温動作を行う水圧低下保温手段を有する請求項１〜３のいずれか１項に記載の給湯装置としたことにより、加熱容器への給水が復帰するのが確認されない間は加熱容器は保温動作を行っているので、加熱容器が空の状態で加熱し、温度が急上昇して加熱容器を破損してしまうのを防ぐとともに、加熱容器内に水がある場合には水温の低下による雑菌の繁殖を防ぐ。
【００１４】
請求項５に記載の発明は、水圧復帰監視手段が動作開始時、給湯装置の動作状態に応じて水圧低下加熱停止手段または水圧低下保温手段のいずれかの動作を行う水圧低下加熱選択手段を有する請求項４に記載の給湯装置としたことにより、水圧復帰監視手段が動作した時、加熱容器の加熱を行っていないときには水圧低下加熱停止手段によって加熱停止の継続を、反対に加熱容器が加熱中なら水圧低下保温手段をによって加熱容器を保温状態に保つので、給水状態が終了してから加熱を行う給湯装置の動作状態で、水圧復帰監視手段が動作開始すると加熱容器の加熱を停止したままであり無駄な電力の消費を抑え、また給湯装置が加熱中の動作状態で水圧復帰監視手段が動作すると、加熱容器を保温状態に保ち、水温の低下による雑菌の繁殖を防ぐことができ使い勝手が良い。
【００１５】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【００１６】
（参考例１）
図１は本発明の参考例１における給湯装置を示すものである。
【００１７】
図において、１は家庭内に設置されたキッチンユニットを示し、その内部空間に浄水加熱ユニット２を設置している。３は給水管である水道管であり、キッチンユニット１のキッチンシンク１４に臨んだ水道口４と、水道水中の不純物を除去する中空糸膜や活性炭からなる浄水手段５とに接続している。６は水道管３の給水を制御する手動で開閉する元栓であり、水道管３と浄水手段５との給水経路には、浄水手段５への給水を制御する給水弁７と、給水弁７によって給水された給水量を、水が流れることにより内蔵された水車が回り生じたパルスをカウントして計測する給水量検知手段であるところの流量計８を設けている。
【００１８】
浄水手段５を通過した水道水は、水を加熱するヒータ９を有する加熱容器１０へ給水経路１１を介して注がれる。また加熱容器１０には加熱容器１０内の水温を検知する温度検知手段であるサーミスタ１２と、加熱容器１０内の水位を、電極間の電位が水の有無によって変わることから検知する水位検知手段１３を設けている。
【００１９】
そして、給水経路１１上には、浄水手段５を通過した水をキッチンシンク１４に吐出する浄水パイプ１５か、給水経路１１のどちらかに導く切替弁１６が設けてある。１７は加熱容器１０から生じた蒸気を逃がす蒸気パイプ、１８は加熱容器１０内の湯を出湯パイプ１９に吐出するポンプである。上記した浄水パイプ１５、蒸気パイプ１７、および出湯パイプ１９は、水道口４と同様、キッチンシンク１４に臨んで配置されている。上記浄水手段５、ヒータ９、および加熱容器１０等は浄水加熱ユニット２を構成しているものである。
【００２０】
２０は出湯や浄水の吐出及び各種状態を知らせる操作表示部で、キッチンユニット１の上部の操作部１ａに設けてある。
【００２１】
２１は制御手段であるマイクロコンピュータであり、マイクロコンピュータ２１には給水弁７と流量計８、ヒータ９、サーミスタ１２、水位検知手段１３、切替弁１６、ポンプ１６、操作表示部２０を接続し、流量計８、サーミスタ１２、水位検知手段１３、操作表示部２０からの入力に応じて、給水弁７、ヒータ９、切替弁１６、ポンプ１６を出力制御する。
【００２２】
マイクロコンピュータ２１内には、マイクロコンピュータ２１が給水弁７を開いて給水中、流量計８によって検知した給水量が少なくなると、給水弁７を制御して給水量が復帰するのを監視し、一定の時間復帰が確認できないと断水と確定する水圧復帰監視手段２１ａを設けている。
【００２３】
図２は操作表示部２０の詳細を示しており、２０ａはＯＮになると接続されたマイクロコンピュータ２１が切替弁１６を浄水パイプ１５側に切り換えると共に、給水弁７を開いて浄水した水を吐出する浄水スイッチ、２０ｂはＯＮになると接続されたマイクロコンピュータ２１がポンプ１８を駆動して加熱容器１０内の湯を出湯する出湯スイッチ、２０ｃはＯＮになると出湯スイッチ２０ｂの操作を可能とするロック解除スイッチ、２０ｄはロック解除スイッチ２０ｃがＯＮになると点灯してロック解除スイッチ２０ｃの状態を表すロック解除ＬＥＤ、２０ｅは水位検知手段１３が検知した水位を表示する水位表示ＬＥＤである。
【００２４】
以上のように構成された給湯装置についてその動作を説明する。初めての給湯装置の使用時、また使用中、出湯スイッチ２０ｂをＯＮして加熱容器１０内の湯を出湯して満水から水位が下がると、水位検知手段１３が加熱容器１０内の湯量が少ないことを検知してマイクロコンピュータ２１に送り、マイクロコンピュータ２１は水位が少ない信号を受け取ると、切替弁１６を加熱容器１０側に切替るとともに、給水弁７を開いて加熱容器１０内に給水する給水状態になる。
【００２５】
そして水位検知手段１３が水位の満水状態を検知してマイクロコンピュータ２１に送ると、マイクロコンピュータ２１は給水弁７を閉じて給水を止め、サーミスタ１２によって検知した水温に応じてヒータ９を制御して高温の湯を保つ保温状態となる。このように加熱容器内８内には、常に高温の湯が満水状態で出湯可能な状態に保たれる。
【００２６】
次に水圧復帰監視手段２１ａの動きについて、図３を用いて説明する。マイクロコンピュータ２１は給水弁７を開いて切替弁１６を加熱容器１０側に切り替え、加熱容器１０への給水動作中、流量計８によって給水量をチェックする。
【００２７】
本参考例において給水量検知手段として用いている流量計８は通過する水量に応じてパルスを生じるので、１秒あたりのパルス数が３回以上かどうか判断する。３回以上なら給水されていると判断して水圧復帰監視手段２１ａを動作させない。反対に３回未満なら給水量が少ないと判断して水圧復帰監視手段２１ａの動作を開始する。水圧復帰監視手段２１ａはマイクロコンピュータ２１から動作開始の信号を受け取ると、図３のステップ１で給水弁７を開く信号を出力し続けるとともに、ステップ２で流量計８から送られる流量のパルス数をチェックする。
【００２８】
もし、１秒あたりのパルス数が３回以上ならＹＥＳとなり、給水量が復帰したとして水圧復帰監視手段２１ａの動作を終了する。反対に３回未満ならＮＯとなり、ステップ３に移行する。ステップ３では水圧復帰監視手段２１ａが動作開始してからの時間をチェックする。水圧復帰監視手段２１ａが動作開始してから５分経過していないならＮＯとなり、ステップ１に戻って動作を繰り返す。
【００２９】
反対に５分経過したならＹＥＳとなり、給水量が５分間継続して復帰しない状態、つまり水道口４や、その他の場所で水道が使用され一時的に水道水の圧力が落ちた状態ではないとして断水を確定し、水位表示ＬＥＤ２０ｅを点滅させて使用者に水道管の元栓６等のチェックを促す。
【００３０】
以上のように、本参考例によれば、給水弁７を開いて給水中、流量計８による給水量のパルスが３回／秒未満になると、５分間給水弁７を開いて給水量が復帰するのを監視し、復帰が確認できないと断水と判断する水圧復帰監視手段２１ａを設けることにより、水道口４や複数の場所で同時に水道を使用され、一時的に水圧低下を起こしても断水と判断して報知することが無く、使用者に余計な不安を与えず使い勝手が良い。
【００３１】
なお、本参考例において、給水量検知手段として流量計８を用いたが、水道水の圧力を検知する圧力計等その他の給水量検出可能な手段を用いても何ら問題はない。
【００３２】
また、本参考例において、水圧復帰監視手段２１ａが断水と確定するまでの時間を５分としたが、給湯装置の設置場所の水道状態に応じた値に変えても何ら問題はない。
【００３３】
また、本参考例において、水圧復帰監視手段２１ａの働きとして加熱容器１０への給水時を用いたが、給水弁７を開いて切替弁１６を浄水パイプ１５側に切り替えての浄水時を用いた場合も同様である。
【００３４】
（実施例１）
以下、本発明の実施例１における給湯装置について図４を参照しながら説明する。本実施例の全体構成について参考例１と同一の構成要素については、同じ番号を付し説明を省略する。
【００３５】
図４は本実施例における水圧復帰監視手段２１ａの動きについて表したものであり、マイクロコンピュータ２１は給水弁７を開いて切替弁１６を加熱容器１０側に切り替え、加熱容器１０への給水動作中、流量計８によって給水量をチェックする。本実施例において給水量検知手段として用いている流量計８は通過する水量に応じてパルスを生じるので、１秒あたりのパルス数が３回以上かどうか判断する。３回以上なら給水されていると判断して水圧復帰監視手段２１ａを動作させない。
【００３６】
反対に３回未満なら給水量が少ないと判断して水圧復帰監視手段２１ａの動作を開始する。水圧復帰監視手段２１ａはマイクロコンピュータ２１から動作開始の信号を受け取ると、ステップ４で給水弁７に閉じる信号を出力すると、ステップ５で１分経過するのを待つ。１分経過するとステップ６に移行して、ステップ６で給水弁７に開く信号を出力し給水を試み、ステップ７で流量計８から送られる流量のパルス数をチェックする。
【００３７】
もし、１秒あたりのパルス数が３回以上ならＹＥＳとなり、給水量が復帰したとして水圧復帰監視手段２１ａの動作を終了し、水圧復帰監視手段２１ａが動作する前の加熱容器１０への給水動作に戻る。反対に３回未満ならＮＯとなりステップ８に移行する。ステップ８ではステップ６で給水弁７を開いてからの時間が１０秒経過したかどうかを判断する。まだ１０秒経過していないならＮＯとなり、ステップ６に戻って給水量が復帰したかどうかの判断を繰り返す。
【００３８】
反対に１０秒経過したならＹＥＳとなりステップ９に移行する。ステップ９では給水弁７が閉じて１分、給水弁７を開いて１０秒を５回繰り返したかどうかを判断する。まだ５回繰り返していないならＮＯとなり、ステップ４に移行して給水弁を閉じて１分待ちの動作を開始する。
【００３９】
反対に５回繰り返したならばＹＥＳとなり給水量が継続して復帰しない状態、つまり水道口４や、その他の場所で水道が使用され一時的に水道水の圧力が落ちた状態ではないとして断水を確定し、水位表示ＬＥＤ２０ｅを点滅させて使用者に水道管の元栓６等のチェックを促す。
【００４０】
以上のように、本実施例によれば、給水弁７を開いて給水中、流量計８による給水量のパルスが３回／秒未満になると、１分間給水弁７を閉じた後、１０秒間給水弁７を開いて給水量が復帰するのを監視し、これを５回繰り返しても、給水量の復帰が確認できないと断水と判断する水圧復帰監視手段２１ａを設けることにより、１分間給水弁７を閉じて水圧が復帰するのを待ってから、１０秒間給水弁７を開いて給水量が検知できるようになったか判断するので、給水量が検知できない程、水圧が落ちた状態で給水弁７を開きっぱなしにして給水量の復帰を確認することで、加熱容器１０への給水が僅かづつ継続され、加熱容器１０から水が溢れてしまうのを防ぐとともに、復帰可能な一時的な水道水の圧力の低下による断水誤検知を防止する。
【００４１】
なお、本実施例において、給水量検知手段として流量計８を用いたが、水道水の圧力を検知する圧力計等その他の給水量検出可能な手段を用いても何ら問題はない。
【００４２】
また、本実施例において、水圧復帰監視手段２１ａは給水弁７を閉じて待つ時間を１分、開いて給水量の確認をする時間を１０秒。これを繰り返す回数を５回としたが、給湯装置の設置場所の水道状態に応じた値に変えても何ら問題はない。
【００４３】
また、本実施例において、水圧復帰監視手段２１ａの働きとして加熱容器１０への給水時を用いたが、給水弁７を開いて切替弁１６を浄水パイプ１５側に切り替えての浄水時を用いた場合も同様である。
【００４４】
（実施例２）
以下、本発明の実施例２における給湯装置ついて図５を参照しながら説明する。本実施例の全体構成について参考例１と同一の構成要素については、同じ番号を付し説明を省略する。
【００４５】
マイクロコンピュータ２１内には、水圧復帰監視手段２１ａが動作すると、ヒータ９をＯＦＦする水圧低下加熱停止手段２１ｂを設けている。
【００４６】
以上のように本実施例によれば、水圧低下加熱停止手段２１ｂを設けることにより、水圧復帰監視手段２１ａが動作して、加熱容器１０への給水が復帰するのが確認されない間は、加熱容器１０の加熱を行わないので、加熱容器１０へ給水されないまま加熱し、温度が急上昇して加熱容器１０を破損してしまうのを防ぐことができる。
【００４７】
（実施例３）
以下、本発明の実施例３における給湯装置について図６を参照しながら説明する。本実施例の全体構成について参考例１と同一の構成要素については、同じ番号を付し説明を省略する。
【００４８】
マイクロコンピュータ２１内には、水圧復帰監視手段２１ａが動作すると、サーミスタ１２が検知する温度が８５℃以上ならヒータ９をＯＦＦ、８５℃未満ならＯＮに制御する水圧低下保温手段２１ｃを設けている。
【００４９】
以上のように本実施例によれば、水圧低下保温手段２１ｃを設けることにより、水圧復帰監視手段２１ａが動作して、加熱容器１０への給水が復帰するのが確認されない間は、加熱容器１０は保温動作を行うので、加熱容器１０へ給水されないまま加熱を継続して、温度が急上昇して加熱容器１０を破損してしまうのを防ぐとともに、水温の低下による雑菌の繁殖を防ぐ。
【００５０】
なお、本実施例において、水圧低下保温手段２１ｃは８５℃で保温動作を行ったが保温温度を変更しても何ら問題ない。また保温動作中、ヒータ９の火力を任意に変更しても問題はない。
【００５１】
（実施例４）
以下、本発明の実施例４における給湯装置について図７を参照しながら説明する。本実施例の全体構成について参考例１と同一の構成要素については、同じ番号を付し説明を省略する。
【００５２】
マイクロコンピュータ２１内には、水圧復帰監視手段２１ａが動作中、ヒータ９をＯＦＦする水圧低下加熱停止手段２１ｂと、同じく水圧復帰監視手段２１ａが動作中、サーミスタ１２が検知する温度が８５℃以上ならヒータ９をＯＦＦ、８５℃未満ならＯＮに制御する水圧低下保温手段２１ｃと、水圧復帰監視手段２１ａが動作開始時、ヒータ９がＯＦＦで加熱容器１０が加熱停止状態なら水圧低下加熱停止手段２１ｂのみ動作可能とし、反対に水圧復帰監視手段２１ａが動作開始時、ヒータ９がＯＮで加熱容器１０が加熱中なら水圧低下保温手段２１ｃのみ動作可能とする水圧低下加熱選択手段２１ｄを設けている。
【００５３】
以上のように、本実施例によれば、水圧低下加熱選択手段２１ｄを設けることにより、水圧復帰監視手段２１ａが動作した時、加熱容器１０の加熱を行っていないときには水圧低下加熱停止手段２１ｂによって加熱停止の継続を、反対に加熱容器１０が加熱中なら水圧低下保温手段２１ｃによって加熱容器１０を保温状態に保つので、給水が終了してから加熱を行う給湯装置の動作状態で、水圧復帰監視手段２１ａが動作すると加熱容器１０の加熱を停止したままで無駄な電力の消費を抑え、また給湯装置が加熱中の動作状態で水圧復帰監視手段２１ａが動作すると、加熱容器１０を保温状態に保ち、水温の低下による雑菌の繁殖を防ぐことができ使い勝手が良い。
【００５４】
【発明の効果】
以上のように、本発明の給湯装置によれば、給水量が検知できなくなっても、一定の時間水圧が復帰するのを待ち、復帰が確認できないと断水報知を行うので、一時的な水圧低下を断水と誤判断することが無く、使用者に余計な不安を与えず使い勝手が良い。
【００５５】
また、水圧復帰監視手段は、給水弁を第２の所定時間閉じて水圧の復帰を待った後、第３の所定時間開いて給水量が検知できるようになったか判断する動作を所定回数繰り返し、給水量が復帰しないと断水と判断してなる構成にしたものである。
【００５６】
これにより、給水量が検知できない程水圧が落ちた状態で給水弁を開きっぱなしにして給水量の復帰を確認することで、加熱容器への給水が僅かずつ継続され、加熱容器から水が溢れてしまうのを防ぐとともに、復帰可能な一時的な水道水の圧力の低下による断水誤検知を防止するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の参考例１における給湯装置の全体を示す断面図
【図２】 同給湯装置における操作表示部の詳細を示す平面図
【図３】 同給湯装置における水圧復帰監視手段のフローチャート
【図４】 本発明の実施例１における給湯装置の水圧復帰監視手段のフローチャート
【図５】 本発明の実施例２における給湯装置の全体を示す断面図
【図６】 本発明の実施例３における給湯装置の全体を示す断面図
【図７】 本発明の実施例４における給湯装置の全体を示す断面図
【符号の説明】
３ 水道管
７ 給水弁
８ 流量計（給水量検知手段）
１０ 加熱容器
１１ 給水経路
２１ａ 水圧復帰監視手段
２１ｂ 水圧低下加熱停止手段
２１ｃ 水圧低下保温手段
２１ｄ 水圧低下加熱選択手段手段
Claims (5)
- 液体を加熱する加熱容器と、水道管から前記加熱容器への給水経路に設けられた給水を制御する給水弁と、前記給水弁を通過した給水量を検知する給水量検知手段と、前記給水弁を給水側に開いて給水中、前記給水量検知手段による給水量が所定の値以下になると、所定の時間前記給水弁を操作して給水量が復帰するのを監視し、復帰が確認できないと断水と判断する水圧復帰監視手段とを有し、前記水圧復帰監視手段は、前記給水弁を第２の所定時間閉じて水圧の復帰を待った後、第３の所定時間開いて給水量が検知できるようになったか判断する動作を所定回数繰り返し、給水量が復帰しないと断水と判断してなる給湯装置。
- 水圧復帰監視手段は、給水量が復帰すると動作を停止するとともに、前記水圧復帰監視手段が動作開始する以前の動作を継続する請求項１に記載の給湯装置。
- 水圧復帰監視手段が動作中、加熱容器の加熱を停止する水圧低下加熱停止手段を有する請求項１または２に記載の給湯装置。
- 水圧復帰監視手段が動作中、加熱容器は所定の温度で保温動作を行う水圧低下保温手段を有する請求項１〜３のいずれか１項に記載の給湯装置。
- 水圧復帰監視手段が動作開始時、給湯装置の動作状態に応じて水圧低下加熱停止手段または水圧低下保温手段のいずれかの動作を行う水圧低下加熱選択手段を有する請求項４に記載の給湯装置。
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