JP3837972B2 - 空燃比制御装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は内燃機関の空燃比制御装置にかかり、特に運転状態に応じて空燃比を気筒別に制御する空燃比制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジン制御において、空燃比の制御は専ら運転状態が所定の範囲内にあり、かつ、暖機後に行われてきた。これは、始動直後や冷却水温が低い時に燃料増量が加わり、空燃比がリッチとなり、空燃比制御ができないためであった。特に、従来のO2 センサではストイキ領域しか検出できないので、リッチ領域では空燃比の制御が不可能であった。
【0003】
従来はリッチ状態の割合を予め決めておき、割合を時間または噴射量の総和に応じて減少させ、ゼロになった時にO2 センサによる制御に移行していた。こうした空燃比の制御は例えば特開昭60−36748 号で示される空燃比制御方式がある。しかし、エミッションの有効な低減ができない問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
排気ガスは触媒を通して浄化されるが、一定の空燃比のままでは触媒効果が低減されるので、ある程度空燃比を振ることが必要である。このため、エンジン制御装置は空燃比のずれを増大させるような制御も必要になる。
【0005】
また、燃費向上のためリーン状態での運転もされるが、この場合、NOxが発生する。このNOxを触媒内に蓄積する触媒が知られているが、蓄積量は限界がある。そこで、一時的にリッチ状態のガスを触媒に流すことにより、未燃の炭化水素分を触媒内でNOxと反応させて、触媒内のNOxを減らしていた。
【0006】
こうした空燃比の制御は、従来、エンジンの全気筒にわたって同じ空燃比を設定して、リーンとリッチを繰り返していたために、リッチ時とリーン時の回転変動が大きい問題があった。
【0007】
また、従来のO2 センサを使った制御ではストイキ付近での空燃比のスイッチングしかわからず、リーン領域やリッチ領域に空燃比を変化させる場合、ずれ量がわからない問題があった。
【0008】
本発明の目的は、エンジンの始動直後または冷機状態でのエミッションを低減するために、空燃比制御を行う運転領域の拡大を図り、かつ触媒の早期活性化を図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
まず、空燃比制御を行う運転領域を拡大するために、リッチ領域から、リーン領域まで排気ガスの空燃比を測定できる空燃比センサを用いる。
【0010】
また、触媒の早期活性化を図るために、触媒に流れるガスの空燃比をリッチ化またはリーン化する手段を組み合わせることで課題を解決できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1に本発明に関する内燃機関の一構成を示す。
【0012】
内燃機関100には、インジェクタ101,点火プラグ102,点火コイル103,スロットル104,アイドルスピードコントロール(ISC)バルブ105,水温センサ110,クランク角センサ111,カム角センサ112,スロットルポジションセンサ113,吸気管圧力センサ114、または吸入空気流量計115,空燃比センサ116,触媒118が取り付けられ、各々エンジン制御装置120に接続されている。
【0013】
燃料は燃料タンク1014から燃料ポンプ1011により輸送され、燃圧制御弁1012によって一定の燃料圧力としている。
【0014】
また、燃焼室の近傍にはノッキングの発生を検出するノックセンサ1013が取り付けられ、ノッキング発生時の特有の信号をとらえて、ノック発生を検出可能としている。
【0015】
エンジン制御装置120は吸気管圧力センサ114または吸入空気流量計115の出力を取り込み、センサ電圧を所定のテーブル変換により、実際の単位時間当りの吸入空気量Qaを算出する。同時に、クランク角センサ111のパルス信号を計測し、所定時間内のパルス数またはパルスの時間間隔に応じてエンジンの回転数NDATAを計算する。単位時間当りの吸入空気量QaをNDATAで割り算し、さらに気筒数で割ることにより、1気筒の1回毎の吸入空気量Qacy1を計算する。Qacy1に所定の計数KTIを乗ずることにより、Qacy1で燃焼できる燃料量TIが求められ、後述の補正を加えることによりインジェクタ101を所定の間開弁することにより、必要とする燃料量を噴射して、1燃焼毎の混合気を生成する。
【0016】
燃料量TIの計算には以下の補正係数COEFnが乗算される。COEFnにはKTW,KWOT、KAS,APLHAnが含まれる。
【0017】
まず、水温センサ110やスロットルポジションセンサ113の値に応じて、燃料量を補正する。この補正項をKTW,KWOTとする。
【0018】
また、排気ガスは空燃比センサ116によって酸素濃度が測られ、空燃比に応じた電圧信号がエンジン制御装置120に入力される。そして、気筒別に空燃比とのずれを求めて、ずれがあれば補正係数ALPHAnを補正する。
【0019】
さらに、エンジン始動直後は燃料の気化が悪いため、吸入管内部の混合気の濃度が通常の運転状態よりも薄くなってしまうので、濃度を補うために多く噴射する必要がある。この係数をKASとする。
【0020】
図2の(a)に本発明の一実施例で使用する空燃比センサの特性を示す。
【0021】
空燃比がリッチのときは電圧が低く、リーンになるにつれ電圧が高くなる特性となっている。このセンサを使って空燃比制御を行うと、目標空燃比に対してフィードバック制御を行うことにより、一定の空燃比でエンジン制御が可能である。
【0022】
しかし、排気ガス浄化を行う触媒に常にリッチ状態のガスが流れると酸素の供給がないために、浄化率が低下する。そこで、従来のO2 センサによるストイキ付近での空燃比制御と同等の空燃比の摂動が(パータベーション)必要となる。
図2の(b)に示すように、空燃比をリッチまたはリーン領域にまで空燃比を変えて、リーン状態で触媒に酸素を供給し、リッチ状態でその酸素を消費させる制御が必要である。
【0023】
図3に本発明のプログラムの一例であるブロック図を示す。
【0024】
本実施例では、目標空燃比計算手段301,燃料噴射量補正手段302,回転変動率計算手段304,燃料噴射量計算手段305,燃料噴射手段306により内燃機関(エンジン)100を制御している。
【0025】
目標空燃比計算手段301には、吸入空気量(または吸入管圧力)311,回転数312が入力される。また、回転数と吸入空気量により、負荷率313を計算する。目標空燃比計算手段では、回転数と負荷率から、エンジンの運転領域を検出し、どの程度の空燃比TSTIKで運転するかを求める。
【0026】
次に空燃比センサ116の出力信号を取り込み、図2に応じた実際の空燃比を測定し、実空燃比計測手段314により、実空燃比を求める。
【0027】
図4によりエンジン制御装置内の動作について説明する。
【0028】
エンジン制御装置内はマイクロコンピュータ401とプログラムやデータを格納したROM402,一時的なデータの格納に使用するRAM403,エンジンに取り付けられたセンサからの信号を取り込む入力回路404,マイクロコンピュータに所定時間割り込みを発生できるタイマやクロック回路405,マイクロコンピュータの指令によりオンオフ可能な出力回路406、等からなっている。
入力回路404では、電気負荷情報4041をデジタル情報として取り込み、また、吸入空気量や空燃比センサ等のセンサ信号電圧をA/D変換しデジタルデータとしている。
【0029】
基準角度パルスとしてのクランク角センサの出力信号や気筒判別パルスとしてのカム角センサ出力信号を波形整形入力回路を通して、マイクロコンピュータに割込みを発生させる。割込みにより、エンジンの気筒判別を行ったり、パルスエッジの時間間隔TDATAを測定することにより、逆数をとって回転数NDATA を計算する。
【0030】
また、センサ電圧に応じて吸入空気量Qaを求め、Qaを気筒数と回転数で割り算することにより1回あたりの基本吸入空気量Qacy1を求める。
【0031】
Qacy1にインジェクタの流量特性から求められる係数KTIを乗じて、基本燃料噴射量を求める。
【0032】
計算結果は出力回路406のアウトプットコンペア回路で現在の時間に計算値を加算して、コンペアマッチを起こさせて、必要燃料量に対応した時間だけインジェクタ開弁させている。
【0033】
Qacy1はエンジンの出力に比例するので、Qacy1に乗数を乗じて最大の出力時を100%とする負荷率LDATAに換算できる。
【0034】
同時に回転数と負荷率によって設定される点火時期を求めて、点火出力を出して、パルス出力により点火コイルを駆動する。
【0035】
また、通信手段407によりマイクロコンピュータ内の制御パラメータをモニタすることができる。
【0036】
目標空燃比計算手段301の出力と実空燃比計算手段314の出力とを燃料噴射量補正手段302で比較し、実空燃比が目標空燃比よりも高い(リーン状態)時は、補正係数ALPHAnを大きくする。低い(リッチ)時はALPHAnを小さくする。ここで、ALPHAnは気筒別に設定する値であり、nは気筒番号を示す。
【0037】
空燃比センサの出力信号の取り込みは、気筒別の図5に示すタイミングで取り込む。本実施例においては、空燃比センサは1つのみ図示しているが、この場合は各気筒の排気ガスが均等に異なるタイミングで空燃比センサにかかるように排気管が構成されているものとする。空燃比センサの数は1つに限るものではなく、各気筒毎の排気管に取り付ける構成でもよい。または、排気ガスの流れが干渉しないように排気管をそろえた複数の気筒に1つの空燃比センサを取り付ける構成でもよい。
【0038】
図5(a)のように、各気筒の基準角度位置信号REFを起動タイミングとし、回転数,負荷率または吸入空気量に応じてディレイ時間を設けて、空燃比センサ出力を取り込むことで排気弁から空燃比センサまでの排気ガスの移動時間遅れを補償する。
【0039】
または、図5(b)のように、REFから一定の時間毎に取り込み、回転数,負荷率または吸入空気量に応じて排気ガスの移動遅れ時間に見合ったタイミングのデータを該当気筒の空燃比RABFnとする。
【0040】
次に気筒別の空燃比制御を説明する。目標空燃比は、例えば、エンジン始動後の所定期間気筒毎に設定する。目標空燃比は回転数と負荷率からエンジンの運転領域に応じてストイキとするための共通制御値KSTIKをまず求める。同時に、始動後時間に応じて燃料噴射量を増量補正するKASと水温に応じて増量補正するKTWを求める。KASやKTWがゼロでない間は、各気筒の空燃比をリッチ状態にすることで運転性を確保する場合があり、この間は空燃比制御を行わない。KASやKTWがゼロになってから、リッチ状態とリーン状態を選択するディザ法を取る。ディザの変動量はKDIZとし、以下のようにKRICHとKLEANを求める(リッチ側へ変動させる係数をKDR、リーン側へ変動させる係数をKDLとする。)。
【0041】
KRICH=KSTIK−KDIZ*KDR
KLEAN=KSTIK+KDIZ*KDL
しかし、ディザによる制御を開始するまで時間がかかり、また、それまでの空燃比をリッチ状態にするため、排気ガスレベルの低減にならない。
【0042】
始動時からディザ法を導入する例として、上記KDIZの代わりにKASとKTWの和を使うことで、エミッションの低減を図ることができる。すなわち、共通の目標値に対して、始動後時間に応じて増量する値KAS、および水温に応じて増量する値KTWをKSTIKから引き算し、ベースとなる空燃比KRICHを以下のように求める。
【0043】
KRICH=KSTIK−(KAS+KTW)*KDR
これにより、KSTIKに対して増量分だけ空燃比をリッチ側に変動できる。
一方、KTGTよりもリーンになる目標空燃比KLEANを下記により求める。
【0044】
KLEAN=KSTIK+(KAS+KTW)*KDL
同時にKASまたはKTWがゼロではない間、燃焼が不安定であり点火時期を遅らせて対応する。
【0045】
また、どの気筒をリッチにするかリーンにするかをパターンKSRLによって実現する。例えば、所定時間毎またはREF信号毎にリッチとリーンを選択するKSRLの気筒に対応するビットに応じてデータを選択する。図6では気筒毎に偶数番目のビットと奇数番目のビットを選択している。1気筒はビット0と1、2気筒はビット2と3、以下ビット4と5というように選択し、2つのビットが両方0であればストイキ,偶数側が1であればリッチ,奇数側が1のときはリーンデータを用いるものとする。KSRLは運転状態に応じてかえる。KSRLの初期値は水温またはエンジン始動後時間に応じた値としてもよい。
【0046】
図7に示すように、データ設定はKASやKTWに応じて選択する。エンジン始動後、KASがゼロでない期間は全体の空燃比をリッチ状態にする必要があれば、リッチまたはストイキのデータを選択するビットパターンのみが設定されているデータKSRL1を使用してもよい。または、KASがゼロでない期間 (701)は、KDL=0またはKDL<KDRとなるように変化させることでもよい(702)。または、気筒数の半分以上をリッチ、半分以下をリーンにする設定でもよい。
【0047】
通常運転状態の場合は、吸入空気量または回転数と負荷率で決まる設定値KDIZをKASまたはKTWの代わりに使用する。
【0048】
始動後、時間の経過や水温の上昇に伴い、KASやKTWがKDIZよりも小さくなった時はKDIZを選択するようにしてもよい(703,704)。
【0049】
KASとKTWの計算は、吸入空気量の積算値に応じてゼロにしていく方法でもよい。
【0050】
吸入空気量が所定値以上の場合、触媒を通過する排気ガス量が触媒の処理量よりも大きくなり、浄化率が低下するので、リーン状態やリッチ状態のガスを触媒に通すと排気レベルが悪化するので、目標空燃比をストイキに限定することも必要である。
【0051】
REF信号の割り込みで、気筒別に上記RAMのビットの組み合わせをチェックし、リッチ状態を選択した場合はKRICHを係数とする。同様にリーン状態を選択した場合KLEANを係数とする。よって、気筒別の目標空燃比TABFn はKSTIK,KRICH,KLEANから選択された値となる。該当気筒の空燃比と目標空燃比とを比較し、その差分DABFnを求める。
【0052】
DABFn=TABFn−RABFn
差分DABFnに基づき、PID制御を行う。すなわち、図8に示すように比例部の係数KP,積分部の係数KI,微分部の係数KDをそれぞれ求め、DABFnに対して以下の演算を行いALPHAnを求める。
【0053】
ALPHAn=KP*DABFn+KI*IDABFn+KD*DDABFn
ここでIDABFnはDABFnの積算値であり、
IDABFn=DABFn+IDABFn(i−1)
である。
【0054】
また、DDABFnはDABFnの前回値との差分であり、
DDABFn=DABFn−DABFn(i−1)
である。
【0055】
KP,KI,KDはそれぞれ、運転状態によってマップまたはテーブル検索により求められる値である。
【0056】
次に、KSRLの変更方法について図9により説明する。KSRLが1つの場合、特定の気筒のみリッチまたはリーン状態を続けてしまうので、回転変動が特定のパターンで生じる可能性がある。そこで、KSRLを複数用意し、エンジンのクランク軸が2回転する毎に使用するパターンを切替えることで回転変動を抑えることができる。
【0057】
例えば、KSRLをk個用意し、エンジンのクランク軸が2回転する毎にKSRLのl番目(l≦k)のパターンを使用する。そして、使用するパターンがk番目になった時、次は1番目に戻るようにする(図9(a))。または、KSRLのパターン長を気筒数よりも長くして、エンジンのクランク軸が2回転する毎に、気筒の該当するビット位置をずらす方法がある(図9(b))。
【0058】
次に、回転変動を求める方法を図10により説明する。図10−(a)に示すように、回転変動は、各気筒の基準角度位置の時間間隔TDATAを測定することにより検出する。
【0059】
各気筒のTDATA[i](i=1〜気筒数)から回転数NELEを求める。NELEは所定値KDATAをTDATAで割り算することにより、
NELE=KDATA/TDATA
で求められる。
【0060】
回転変動率dNは次のように求める。
【0061】
dN=f(NELE)
算出関数f( )は例えばIIRフィルタ形式により算出する場合、NELEにki0を乗じた値801を入力とし、過去の演算値802,803にそれぞれ係数を乗じて8021,8031との和804を求めて新規の演算値dNtemp805とする。これらの演算値802,803,805に係数8021,8022,8023を乗じて和を回転変動率dN806とする。計算は以下のように求められる。
【0062】
計算方法はIIRに限定されるものではなく、FIR形でもよい。また、
TDATAから直接計算してもよい。
【0063】
図10−(b)に示すように、回転変動率dNに応じて、KRICHとKLEANの差を小さくなるように補正する。すなわち、KDRとKDLを0に近づけるようにする。
【0064】
また、同時に点火時期についても補正を加える。リーン状態で運転している場合、着火性が悪いため点火時期をTDC付近にする必要がある。そこで、気筒別の点火時期について、TDC方向への遅角側にはすぐに点火時期が変化し、進角側には所定の変化量のみ点火時期を進めるダイナミックリミテーションを施す。すなわち、図11に示すようにKLEANを選択している気筒には遅角側の点火時期とし、その後KSTIKまたはKRICHが選択された場合でも点火時期を通常位置に戻すのではなく、所定の回転数にわたりΔDLS分だけ点火時期を進めるようにしていく。これにより着火性を確保しながら回転変動を抑えることができる。
【0065】
次に図12により空燃比制御の診断を説明する。診断項目には空燃比センサの異常と制御値の異常検出がある。まず、空燃比センサの信号電圧が正常範囲外の場合、または、気筒別に空燃比を変えて運転しているときに空燃比センサの信号出力が変化しない場合、空燃比センサの異常と判定される。この場合は気筒別に空燃比を変えて制御することを停止し、ストイキで運転する。すなわちKSTIKとする。ただし、KTWまたはKASがゼロでない場合はKRICHで運転する。さらに、DABFnがゼロになるまでの時間TMDABnを計測し、TMDABnが所定時間以上の場合、空燃比制御の異常が考えられる。空燃比を制御する気筒番号と該当の気筒の空燃比センサ出力による空燃比とが一致しない場合、または、排気系に異常がある場合、または空燃比センサの応答遅れが初期値よりも大きくなった場合、空燃比制御の異常となる。この場合も、気筒別の空燃比制御を停止し、ストイキで運転する。すなわちKSTIKとする。ただし、KTWまたは
KASがゼロでない場合はKRICHで運転する。
【0066】
本発明の実施例では、1つの気筒のみの説明を行ったが、複数の気筒にわたって異なる目標空燃比を設定し、気筒毎に制御することも可能である。または複数の気筒をグループ化して、各グループ別に目標空燃比を設定してもよい。特に、各気筒毎に目標空燃比を設定することにより、気筒間の空気充填効率の差を補償することが可能である。
【0067】
【発明の効果】
本発明により、エンジン始動直後から触媒への排気ガスの空燃比制御ができるので、触媒活性化を早めることができエミッションを低減する効果がある。
【0068】
また、従来、ノックの発生をとらえて点火時期をリタードさせてノック制御を行っているが、ノック発生気筒に対して目標空燃比をリッチ状態に設定することで、ノック発生を回避することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のエンジン構成図。
【図2】空燃比センサの特性図。
【図3】プログラムのブロック図。
【図4】エンジン制御装置内の動作図。
【図5】空燃比センサ出力の取り込みタイミング。
【図6】目標空燃比の計算方法の説明図。
【図7】シフトパターンデータの選択の説明図。
【図8】PID制御の説明図。
【図9】KSRLの変更方法の説明図。
【図10】回転変動率の算出説明図。
【図11】点火時期のダイナミックリミテーションの説明図。
【図12】空燃比制御の診断図。
【符号の説明】
100…内燃機関、101…インジェクタ、102…点火プラグ、103…点火コイル、104…スロットル、105…ISCバルブ、110…水温センサ、111…クランク角センサ、112…カム角センサ、113…スロットルポジションセンサ、114…吸気管圧力センサ、115…吸入空気流量計、116…空燃比センサ、118…触媒、120…エンジン制御装置、1011…燃料ポンプ、1012…燃圧制御弁、1013…ノックセンサ。
Claims (4)
- 排気ガスの空燃比を検出するセンサを備え、エンジンの運転状態に応じて空燃比を制御する空燃比制御装置において気筒別に空燃比を測定し、空燃比センサ出力に応じて燃料噴射量を補正する手段を備え、気筒別または複数の気筒毎に、理論空燃比または理論空燃比よりもリッチ状態またはリーン状態の目標空燃比を設定し、理論空燃比状態とリッチ状態とリーン状態の燃焼を気筒別にまたは複数の気筒毎に交互に繰り返し、エンジンの回転数に応じて所定の回転毎に前記理論空燃比状態またはリッチ状態またはリーン状態を異なる気筒または異なる複数の気筒に割り当てることを特徴とする空燃比制御装置。
- 排気ガスの空燃比を検出するセンサを備え、エンジンの運転状態に応じて空燃比を制御する空燃比制御装置において気筒別に空燃比を測定し、空燃比センサ出力に応じて燃料噴射量を補正する手段を備え、気筒別または複数の気筒毎に、理論空燃比または理論空燃比よりもリッチ状態またはリーン状態の目標空燃比を設定し、理論空燃比状態とリッチ状態とリーン状態の燃焼を気筒別にまたは複数の気筒毎に交互に繰り返し、エンジンの回転数に応じて所定の時間経過毎に前記理論空燃比状態またはリッチ状態またはリーン状態を異なる気筒または異なる複数の気筒に割り当てることを特徴とする空燃比制御装置。
- 請求項1または2の何れかにおいて、エンジン始動後、気筒毎にまたは複数の気筒毎に異なる目標空燃比を設定する期間を、吸入空気量に応じて変えることを特徴とする空燃比制御装置。
- 請求項1または2の何れかにおいて、前記理論空燃比またはリッチ状態またはリーン状態の燃焼を回転数に応じた燃焼回数分だけ持続させることを特徴とする空燃比制御装置。
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