JP3837766B2 - 硝化脱窒方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は窒素含有排液を導入し、生物汚泥(活性汚泥)の存在下に曝気工程および嫌気工程を交互に行って、生物学的に硝化脱窒を行うようにした回分式の硝化脱窒方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
回分式の硝化脱窒方法では、単一の処理槽に被処理液(窒素含有排液)を導入し、曝気工程において曝気することにより硝化菌の作用によってアンモニア性窒素を硝酸性窒素に酸化し、嫌気工程において嫌気状態に維持することにより脱窒菌の作用によって、硝酸性窒素を窒素ガスに還元して生物学的に硝化脱窒を行っている。この方法は1個の処理槽で硝化と脱窒を行えるため、被処理液が間欠的に発生する系では有利である。
【0003】
上記の方法では曝気工程において、DO(溶存酸素)を0.1mg/l以下とし、通常の好気的な生物処理と比較して還元的な条件で曝気すると、硝化反応と脱窒反応が同時に進行し、硝化反応により生成した硝酸が脱窒反応で消費される反応が顕著に発生する。このため嫌気工程で脱窒すべき硝酸は曝気工程で消費されなかった硝酸だけとなり、嫌気工程で処理する量が少なくなる。これに応じて嫌気工程で添加する基質(例えばメタノール)の使用量も少なくなる。
【0004】
上記の処理では被処理液中の窒素除去が主な目的であるため、曝気工程はアンモニア性窒素を可能な限り多く硝化するための条件で行われ、嫌気工程は生成した硝酸性窒素を可能な限り多く脱窒するための条件で行われる。可能な限り多くの硝酸性窒素を脱窒するためには、過剰量の基質を添加し、残留する基質は後曝気により除去することが広く行われている。
【0005】
しかし過剰の基質の添加は処理コストを高くするので、これを解消するために、過不足なく基質を添加する試みがなされている。過不足なく基質を添加するためには、サイクル終了時点における硝酸濃度を0に近づけるように基質添加量を制御することによって可能になる。この場合、硝酸濃度はORP(酸化還元電位)値と相関するため、サイクル終了時のORP値を測定し、この値が0付近になるように次のサイクルの基質添加量を制御することにより、サイクル終了時の硝酸濃度を0付近に調整することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記の硝化脱窒方法の処理液はそのまま放流することができず、通常さらに後処理が行われる。後処理として例えばUF(限外濾過)膜処理を行う場合、中継槽、UF原水槽等に滞留するが、その際硝化脱窒処理液中に含まれる生物汚泥の内生呼吸によってBOD成分が溶出し、最終処理液の水質が低下する。
【0007】
このBOD成分について検討を加えたところ、低分子で生物分解性が良好であり、脱窒の基質として利用できることがわかった。またし尿等の一般の窒素含有排液中にも、脱窒に利用できる生物分解性の良好な低分子のBOD成分が含まれている。従って嫌気工程終了時点において、これらの低分子のBOD成分によって脱窒できる程度の硝酸を残留させると、メタノール等の基質の添加量はさらに少なくすることができる。
【0008】
内生呼吸によって生成する低分子のBOD成分の量は処理系によって異なるが、それにより脱窒できる硝酸の量として、例えば20〜60mg/lの硝酸を嫌気工程の終了時点で残留させると、内生呼吸によって生成するBOD成分が脱窒に使用されるため、最終処理液の水質が改善されるほか、嫌気工程で添加する基質の量も少なくなる。
【0009】
一方、処理液を取出した後の槽内液中に残留する硝酸は、新しい被処理液と混合したときに脱窒され、これにより被処理液中の低分子のBOD成分の分解に使用される。従ってサイクル終了時点で上記程度の硝酸を残留させることにより、基質添加量の削減によりコスト低下のために有用である。
【0010】
このようにサイクル終了時点における硝酸濃度を上記のように20〜60mg/lに制御できれば、処理コストを低下させることができるが、上記範囲に制御することは困難である。前述の通りORP値は硝酸濃度に相関しているが、硝酸濃度10mg/l以上の場合のORPの変化は小さいので、サイクル終了時のORP値を測定してこの値の変化時点、例えば硝酸濃度10mg/lの時点を下限として、基質添加量を増加しても、その上限の基質添加量を制御することは困難である。
【0011】
図3はサイクル終了時のORP値と残留硝酸濃度の関係図であり、硝酸濃度10mg/l以下の領域ではORP値の変化が大きいが、10mg/l以上の領域ではORP値の変化は小さく、ORP値の測定により硝酸濃度を10mg/l以上の特定範囲に制御することは困難であることがわかる。
【0012】
本発明の目的は、上記問題点を解決するため、生物汚泥の内生呼吸により生成する低分子のBOD成分あるいは被処理液中に含まれる低分子のBOD成分を利用して脱窒を行うことができ、これにより脱窒に必要な基質の添加量を少なくして、処理コストを低下させることができる硝化脱窒方法を提案することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は次の硝化脱窒方法である。
(1) 窒素含有排液を処理槽に導入して生物汚泥と混合する工程と、
槽内液を曝気して硝化および脱窒を同時に行う曝気工程と、
曝気を停止するとともに処理槽に基質を導入して嫌気状態で脱窒を行う嫌気工程と、
槽内液の一部を処理液として排出する工程と
を含むサイクルを繰返す回分式の硝化脱窒方法において、
サイクル終了時のORP値またはサイクル中の最低ORP値が設定値の下限値より低い場合は次のサイクルの基質添加量を減少させ、サイクル中の最低ORP値が設定値の上限値より高い場合は基質添加量を増加させ、サイクル終了時の硝酸濃度が10〜80mg/lとなるように制御することを特徴とする硝化脱窒方法。
(2) 上記(1)において、排出された処理液を、生物汚泥を含んだまま貯留する方法。
(3) 上記(1)または(2)において、排出された処理液を、さらにUF膜処理する方法。
【0014】
本発明において「硝酸」は「亜硝酸」および「塩」を含む意味に用いられる。本発明において処理の対象となる窒素含有排液は、窒素化合物を含有する排液であり、主として有機性窒素および/またはアンモニア性窒素化合物を含有する排液が一般的であるが、さらに硝酸性窒素を含有する排液も対象に含まれる。このような排液としては、し尿、下水、食品排水、肥料製造排水などがあげられる。
【0015】
本発明においてこれらの排液を処理する処理槽は、被処理液を間欠的に導入して生物汚泥の存在下に曝気工程と嫌気工程を交互に行う回分式の処理槽である。生物汚泥は通常の回分式の硝化脱窒装置で用いられている生物汚泥であって、アンモニア性窒素を硝酸性窒素に酸化する硝化菌、および硝酸性窒素を窒素ガスに還元する脱窒細菌を含み、通常は下水処理汚泥等を種汚泥として馴養される。基質としてはメタノールが一般に用いられるが、脱窒菌の基質となるものであれば他のものでもよい。
【0016】
処理槽は曝気工程において硝化と脱窒を同時に行う程度の曝気量で処理槽内を曝気するとともに、嫌気工程において曝気を停止して緩やかに攪拌するようにその曝気量を調整できるものを用いる。曝気工程と嫌気工程の切換はDOの検出により行うことができるが、予め定めた標準曝気時間に基づいてタイマーで切換えることもできる。
【0017】
処理槽内にはORP計を設けて混合液のORP値を検出し、演算制御装置により各サイクル終了時のORP値または各サイクル中の最低ORP値を測定し、その値により基質添加量を増減するように構成する。
【0018】
本発明の硝化脱窒方法は、まず処理槽に窒素含有排液を導入し生物汚泥と混合する。このような処理槽において曝気工程と嫌気工程を交互に行うと、典型的には曝気工程では被処理液中の有機物が有機物分解細菌の作用により分解され、有機性窒素はアンモニア性窒素に分解される。一方硝化菌の作用によりアンモニア性窒素は硝酸性窒素に酸化される。そして嫌気工程では曝気の停止により酸素が遮断された状態で、脱窒菌が硝酸中の酸素を利用して有機物を分解し、脱窒が行われる。
【0019】
曝気工程において、DO値が0.1mg/l以下の好気性条件であって、通常の好気的な生物処理と比較して還元的な雰囲気を維持するように曝気を行うと、硝化と脱窒が同時に進行し、硝化が行われるとともに発生した硝酸も消費される。このため曝気工程の終期において存在する硝酸の量が少なくなり、脱窒工程で必要となる基質の量も少なくなる。ただし、曝気量を抑えすぎると雰囲気が極端に還元的になり、脱窒処理の前提となる硝化の速度が低下するので、硝化が進行する程度の曝気条件を選択する。
【0020】
上記のように曝気量を制御することにより、曝気工程における硝化と脱窒が同時に起こり、曝気により生成した硝酸が効率よく消費され、曝気工程終期に残留する硝酸の量は少なくなる。曝気工程の進行により硝化が進行すると、DO値が上昇する。
【0021】
この段階で曝気装置の停止により曝気工程を終了して、嫌気工程に移り、基質を添加して脱窒を行う。曝気工程の終了は予め設定した標準時間によることもできるが、DO値が所定値以上に達したときに終了するのが好ましい。嫌気工程では曝気工程で生成した硝酸が還元されて脱窒が進行する。このとき基質として添加された有機物が消費される。この嫌気工程では残留する硝酸が少ないため、基質の使用量も少なくなる。
【0022】
嫌気工程の終了により、処理液の一部を排出し、新たに被処理液を導入し、上記操作を繰返す。処理液は固液分離し、分離液は必要により後処理を行った後放流し、あるいは再利用する。分離汚泥は一部を返送汚泥として処理槽に返送し、残部を系外に排出する。固液分離としてUF膜による分離が行われる。
【0023】
本発明では上記のサイクル中ORP計により槽内液のORP値を検出し、各サイクル終了時すなわち嫌気工程終了時のORP値、または各サイクル中の最低ORP値が設定値の下限より低い場合は基質添加量を減少させ、サイクル中の最低ORP値が設定値の上限より高い場合には基質添加量を増加させるように制御する。
【0024】
サイクル終了時のORP値と残留硝酸濃度との関係は図3に示す通りであり、サイクル終了時のORP値の変化点はほぼ硝酸濃度(NOx−Nとして)10mg/lであるので、この点を下限値として基質添加量を制御すると、サイクル終了時の硝酸濃度を10mg/l以上に制御することができる。しかし硝酸濃度10mg/l以上の領域ではORP値の変化が小さいため、サイクル終了時のORP値により上限を設定するのは困難である。
【0025】
図4はサイクル中の最低ORP値とサイクル終了時の硝酸濃度(NOx−Nとして)の関係図であり、サイクル終了時の硝酸濃度10〜80mg/lの領域において最低ORP値が相当の傾斜で変化しており、この領域に下限および上限を設定して基質添加量が制御できることがわかる。下限値についてはサイクル終了時のORP値の場合とは異なり、10mg/lより高い場合でも設定可能である。上限値についても上記範囲の任意の値に設定することができる。
【0026】
従って例えば硝酸濃度の下限値を20mg/lと設定して、それに対応する最低ORP値−120mVより低くなった場合に基質添加量を減少させ、また硝酸濃度の上限値を60mg/lと設定して、それに対応する最低ORP値−50mVより高くなった場合に基質添加量を増加させれば終了時点の硝酸濃度を20〜60mg/lに制御することが可能である。
【0027】
上記によりサイクル終了時点において残留する硝酸は、処理液として取出される場合は、後続する固液分離工程その他の後処理工程において滞留する際、例えばUF膜処理における中継槽やUF原水槽において滞留する際、生物汚泥の内生呼吸によって生成する低分子BOD成分を基質として脱窒される。
【0028】
また槽内液として残留する硝酸は、新しく投入される被処理液中の低分子BOD成分を基質として脱窒される。従って新しい被処理液を導入した直後の槽内液は、低分子BOD成分を基質として脱窒が進行するので、この間曝気を停止した状態を継続してもよいが、被処理液の導入とほぼ同時に曝気工程に移ってもよい。
【0029】
上記のようにサイクル終了時に硝酸を残留させるように基質の添加量を制御することにより、内生呼吸により生成する低分子のBOD成分、および被処理液中に含まれる低分子のBOD成分が有効に利用されるので、基質添加量は少なくなり、処理コストが低くなる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は実施形態の硝化脱窒方法を示すブロック図である。
図1において、1は処理槽、2は中継槽、3はUF原水槽、4はUF膜装置、5は演算装置である。
【0031】
処理槽1は内部に槽内液6を収容し、上部に被処理液路7、返送汚泥路8、アルカリ注入路9、基質導入路10、および中部に処理液路11が連絡している。また処理槽1の下部から上部に循環液路12が連絡し、途中に設けられたインジェクタ13により空気導入路14から空気を導入して曝気を行うように構成されている。15はORP計、16はDO計で、それぞれ検出値を演算装置5に入力するようにされている。
【0032】
中継槽2は処理液路11から処理液を受けて貯留し、移送路17によりUF原水槽3に移送するように連絡している。UF膜装置4はUF膜4aにより濃縮液室4bと透過液室4cに分割され、濃縮液室4bは循環液路18a、18bによりUF原水槽3の原水が循環し、透過液室4cから処理水路19により最終処理水が取出されるようになっている。返送汚泥路8はUF原水槽3から処理槽1に連絡する途中で余剰汚泥路20を分岐している。
【0033】
上記の装置による硝化脱窒方法は、まず処理槽1に被処理液路7からポンプP1により被処理液を導入するとともに、返送汚泥路8からポンプP2により返送汚泥を導入して、生物汚泥を含む槽内液6と混合する。そしてポンプP3により循環液路12を通して槽内液6を循環して混合し、途中で弁V1を通して空気導入路14から空気を導入し、インジェクタ13で吸引して処理槽1内に循環することにより曝気を行う。
【0034】
この間ORP計15およびDO計16によりそれぞれORP値およびDO値を測定して演算装置5に入力し、DO値が0.1mg/l以下を維持するように弁V1の開度を調整し、曝気量を制御する。これにより処理槽1内では硝化と脱窒が同時に進行し、被処理液に含まれていたアンモニア性窒素(NH4−N)が硝化菌の作用により硝酸性窒素(NOx−N)に硝化されるとともに、生成する硝酸は脱窒菌の作用により窒素ガス(N2)に還元されて脱窒される。
【0035】
このような処理におけるアンモニア性窒素(NH4−N)、硝酸性窒素(NOx−N)、ORP、DOの各値の変化のパターンは図2に示されている。アンモニア性窒素は曝気工程の進行とともに低下し、これと反比例的に硝酸濃度は高くなる。硝酸濃度が高くなり、別途設けたpH計が低pHを検出したときは、ポンプP4を駆動しアルカリ注入路9よりアルカリを注入して中和する。
【0036】
アンモニア性窒素が0に近づくとDO値が上昇するので、DO計16によりその上限値を検出すると弁V1を閉じて曝気を停止し、ポンプP3による循環量を低下させて緩やかな攪拌に切換え、嫌気工程に移る。このときポンプP5を駆動して基質導入路10からメタノール等の基質を導入し、脱窒を行う。
【0037】
脱窒の進行により硝酸濃度が低下すると、ORP値も低下して0に近づくので、ポンプP6を駆動して槽内液の一部を処理液として処理液路11から中継槽2に引抜き、その引抜終了時点で1サイクルを終了する。この引抜終了後ポンプP1を駆動して被処理液を処理槽1に導入し、以下同様の操作を繰返して次のサイクルの処理が行われる。
【0038】
上記各サイクルにおいて、ORP値はサイクル終了時点のORP値Aから、次のサイクル開始後さらに低下して最低ORP値Bに達したのち上昇に転じる。これは被処理液中の低分子BODが消費されて脱窒が行われるためである。この間曝気は停止したままでもよいが、図2のように曝気を行っても消化と脱窒は進行する。
【0039】
上記の処理におけるサイクル終了時のORP値Aまたはサイクル中の最低ORP値Bと硝酸濃度(NOx−N)との関係は図3および図4に示す通りであり、上記の処理では、これらの値が設定範囲を維持するように演算装置5により基質添加量の制御を行う。
【0040】
すなわちサイクル終了時のORP値Aまたはサイクル中の最低ORP値Bが下限値に達したとき、制御装置5は基質の過剰添加と判定して次回の基質の添加量を制限するようにポンプP5を制御する。またサイクル中の最低ORP値Bが上限値に達したときは基質添加量の不足と判定し、基質の添加量を増加するように制御する。
【0041】
これにより処理液中の硝酸濃度は例えば10〜60mg/lの設定値に維持される。
上記の処理は1サイクルを例えば3時間とし、曝気工程が約2時間、嫌気工程が約1時間、処理液の引抜と被処理液の導入がそれぞれ約10分間程度とされる。そして槽内液の全量をQとすると、被処理液の導入量は約Q/(8〜10)、処理液の引抜量はQ/(3〜4)、返送汚泥量はQ/(4〜5)程度とされる。
【0042】
中継槽2に取出された処理液はここで一時的に貯留したのち、ポンプP7によりUF原水槽3に移送し、ここで固液分離するとともにUF膜処理に供される。すなわちUF原水槽3で貯留中の脱窒処理液をポンプP8を駆動して加圧することにより、循環液路18aからUF膜装置4の濃縮液室4bに供給してUF膜4aを通して透過液を透過液室4cに透過させる。
【0043】
濃縮液室4bの濃縮液は循環液路18bからUF原水槽3に循環する。透過液は最終処理水として処理水路19から取出される。UF原水槽3内の濃縮液はポンプP2により返送汚泥路8から処理槽1に返送され、余剰分は余剰汚泥として余剰汚泥路20から排出される。
【0044】
上記の処理において中継槽2およびUF原水槽3では処理液が生物汚泥を含んだまま貯留されるため、汚泥の内生呼吸により低分子のBOD成分が溶出するが、これを基質として脱窒が行われ、残留する硝酸が有効に利用されるとともに、処理水質も高くなる。また残留槽内液6中の硝酸は被処理液と混合されたとき、被処理液中の低分子BOD成分を基質として脱窒される。
【0045】
このように上記の処理では、内生呼吸により生成する低分子BOD成分または被処理液中に存在する低分子BOD成分を基質として利用できるため、基質の添加量を少なくして、低コストでの処理が可能になる。
【0046】
サイクル終了時の残留硝酸濃度の好ましい値はそれぞれの処理系によって異なるので、各系について実験的に好ましい値を求め、それに対応するサイクル終了時のORP値Aまたは最低ORP値Bを図3または図4により設定することにより、それぞれの処理系に適した処理が可能になる。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、サイクル終了時のORP値またはサイクル中の最低ORP値により基質添加量を制御するようにしたので、生物汚泥の内生呼吸により生成する低分子のBOD成分あるいは被処理液中に含まれる低分子のBOD成分を利用して脱窒を行うことができ、これにより脱窒に必要な基質の添加量を少なくして、処理コストを低下させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の硝化脱窒方法を示すブロック図である。
【図2】図1の処理のタイミング図である。
【図3】サイクル終了時のORP値と残留硝酸濃度の関係図である。
【図4】サイクル中の最低ORP値と残留硝酸濃度の関係図である。
【符号の説明】
1 処理槽
2 中継槽
3 UF原水槽
4 UF膜装置
5 演算装置
6 槽内液
7 被処理液路
8 返送汚泥路
9 アルカリ注入路
10 基質導入路
11 処理液路
12、18a、18b 循環液路
13 インジェクタ
14 空気導入路
15 ORP計
16 DO計
17 移送路
19 処理水路
20 余剰汚泥路
P1、P2… ポンプ
V1 弁
Claims (3)
- 窒素含有排液を処理槽に導入して生物汚泥と混合する工程と、
槽内液を曝気して硝化および脱窒を同時に行う曝気工程と、
曝気を停止するとともに処理槽に基質を導入して嫌気状態で脱窒を行う嫌気工程と、
槽内液の一部を処理液として排出する工程と
を含むサイクルを繰返す回分式の硝化脱窒方法において、
サイクル終了時のORP値またはサイクル中の最低ORP値が設定値の下限値より低い場合は次のサイクルの基質添加量を減少させ、サイクル中の最低ORP値が設定値の上限値より高い場合は基質添加量を増加させ、サイクル終了時の硝酸濃度が10〜80mg/lとなるように制御することを特徴とする硝化脱窒方法。 - 請求項1において、排出された処理液を、生物汚泥を含んだまま貯留する方法。
- 請求項1または2において、排出された処理液を、さらにUF膜処理する方法。
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