JP3837764B2 - 被覆電線シール用組成物及び被覆電線のシール方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温多湿等の条件下においても被覆電線のシール性に優れる被覆電線シール用組成物に関するものであり、自動車、家電製品及びOA機器等の各種電気系統の配線における被覆電線のシール剤として広く利用されるものである。尚、本明細書においては、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基を(メタ)アクリロイルオキシ基と、アクリレート及び/又はメタクリレートを(メタ)アクリレートという。
【0002】
【従来の技術】
自動車、家電製品及びOA機器等には、各種電気系統が電線により配線されており、そのハーネス部は従来加締だけであったが、この方法では、導線と被覆物との隙間にガスや水分が侵入し、導線自身が腐食により断線したり、さらに電線に連結されている精密部品を劣化させ、上記機器の誤動作を引き起こすことがあった。
【0003】
従って、これらトラブルを回避するために、被覆電線の被覆部と露出部の境界部に被覆電線シール用組成物を施し、その隙間を充填固着して気密性を高める方法がとられている。この場合、被覆電線シール用組成物は、作業性の面から、その性能として、導線と被覆物との間に浸透した後、速硬化することが望まれている。
【0004】
このような性能を満たす被覆電線シール剤用組成物としては、低粘度で速硬化性の2−シアノアクリレートを主成分とするシアノアクリレート系組成物が知られている(特開昭48−97086号、特開昭49−33186号)。
しかしながら、従来のシアノアクリレート系組成物の硬化物は柔軟性に乏しいため、該組成物を使用してシールした被覆電線は、無理に折り曲げると導線が断線したり、組成物硬化物が破壊したりして、配線に支障が生じたり、又は被覆電線のシール性がなくなったりする場合があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このため、シアノアクリレート系組成物に可撓性を付与する目的で、2−シアノアクリレートにフタル酸エステルやセバシン酸エステルを配合した組成物、飽和共重合ポリエステルを配合した組成物(特開昭63−284279号)、及び炭素数1〜4のアルキル(メタ)アクリレート、又は炭素数1〜4のアルコキシアルキル(メタ)アクリレートを配合した組成物が知られている(特開昭58−185666号)。
これらの組成物により被覆電線をシールした場合、該組成物の硬化物は外力に対して柔軟性を持つため、被覆電線を屈曲した場合でもシール性が保たれる。しかしながら、例えば自動車のエンジンルーム内においては、アイドリング又は太陽の輻射熱等によりその内部が高温になったり、又凍結防止剤がまかれている道路を走行する場合には、凍結防止剤(塩)がその内部に侵入する場合があり、エンジンルーム内の被覆電線がこの様な環境に曝された場合、被覆電線シール用組成物の硬化物が熱、塩害又は加水分解等により劣化が進行し、初期のシール性を維持することができない。又、家電製品においても、高温下又は多湿下に設置される場合がある。
【0006】
本発明者らは、組成物の硬化物が柔軟性及び被覆電線のシール性に優れ、又該硬化物が、高温、多湿又は塩水噴霧等の環境下、具体的には自動車のエンジンルーム内や水がかかりやすい家電製品等に使用される状況下においても前記性能を保持し、さらに作業性に優れる被覆電線シール用組成物を見出すため鋭意検討を行ったのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の2−シアノアクリレートと特定の(メタ)アクリレートからなる組成物が、作業性に優れ、かつ被覆電線に優れたシール性を付与することを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明の第1発明は、アルキル−2−シアノアクリレート、エステル残基にエーテル結合を有する2−シアノアクリレート及び(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有する(メタ)アクリレートからなる被覆電線シール用組成物であり、第2発明は、被覆電線の露出部及びその周辺を第1発明の組成物で被覆し該組成物を硬化させることを特徴とする被覆電線露出部周辺のシール方法であり、第3発明は、被覆方法として、被覆電線の露出部及びその周辺を第1発明の組成物に浸すことを特徴とする被覆電線露出部周辺のシール方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】
○アルキル−2−シアノアクリレート
本発明組成物の必須構成成分であるアルキル−2−シアノアクリレートは、種々のものが使用可能である。これらは、2−シアノアクリル酸の各種アルキルエステルであり、具体例としては、メチル−2−シアノアクリレート、エチル−2−シアノアクリレート、n-プロピル−2−シアノアクリレート、i-プロピル−2−シアノアクリレート、プロパギル−2−シアノアクリレート、n-ブチル−2−シアノアクリレート、i-ブチル−2−シアノアクリレート、n-ペンチル−2−シアノアクリレート、n-ヘキシル−2−シアノアクリレート、2-エチルヘキシル−2−シアノアクリレート、n-オクチル−2−シアノアクリレート、n-ノニル−2−シアノアクリレート、n-デシル−2−シアノアクリレート、n-ドデシル−2−シアノアクリレート、アリル−2−シアノアクリレート、エチニル−2−シアノアクリレート、2-ブテニル−2−シアノアクリレート、シクロヘキシル−2−シアノアクリレート、フェニル−2−シアノアクリレート、フェネチル−2−シアノアクリレート、クロロエチル−2−シアノアクリレート、2,2,2-トリフルオロエチル−2−シアノアクリレート及びヘキサフルオロイソプロピル−2−シアノアクリレート等が挙げられる。これらは2種以上を併用することもできる。
【0010】
これらの中でもエチル−2−シアノアクリレート、イソプロピル−2−シアノアクリレート及びイソブチル−2−シアノアクリレートを使用することが、硬化性及び接着性に優れるため好ましい。
【0011】
アルキル−2−シアノアクリレートの配合割合は、組成物の全量を基準にして、10〜40重量%好ましくは、より好ましくは20〜30重量%である。この割合が10重量%より少ないと、十分なシール性及び耐水性が得られない場合があり、一方40重量%を越えると組成物の硬化物が柔軟性が十分でないことがある。
【0012】
○エステル残基にエーテル結合を有する2−シアノアクリレート
本発明に用いられるエステル残基にエーテル結合を有する2−シアノアクリレートとしては、アルコキシアルキル−2−シアノアクリレート及び環状アルキルエーテルの2−シアノアクリレート等がある。
アルコキシアルキル−2−シアノアクリレートの具体例としては、メトキシエチル−2−シアノアクリレート、エトキシエチル−2−シアノアクリレート、プロポキシエチル−2−シアノアクリレート、イソプロポキシエチル−2−シアノアクリレート、ブトキシエチル−2−シアノアクリレート、ヘキシロキシエチル−2−シアノアクリレート、2-エチルヘキシロキシエチル−2−シアノアクリレート、ブトキシエトキシエチル−2−シアノアクリレート、ヘキシロキシエトキシエチル−2−シアノアクリレート、2-エチルヘキシロキシエトキシエチル−2−シアノアクリレート、メトキシプロピル−2−シアノアクリレート、メトキシプロポキシプロピル−2−シアノアクリレート、メトキシプロポキシプロポキシプロピル−2−シアノアクリレート、エトキシプロピル−2−シアノアクリレート及びエトキシプロポキシプロピル−2−シアノアクリレート等が挙げられる。環状アルキルエーテルの2−シアノアクリレートの具体例としては、テトラヒドロフルフリル−2−シアノアクリレート等が挙げられる。これらは2種以上を併用することもできる。
【0013】
これらの中でも、メトキシエチル−2−シアノアクリレート、エトキシエチル−2−シアノアクリレート及びブトキシエチル−2−シアノアクリレート等の低級アルコキシエチル−2−シアノアクリレートを使用することが、入手容易で安定性に優れるため好ましい。
【0014】
エステル残基にエーテル結合を有する2−シアノアクリレートの配合割合は、組成物の全量を基準にして、30〜80重量%が好ましく、より好ましくは40〜70重量%である。この割合が30重量%より少ないと柔軟性が十分でないことがあり、一方80重量%を越えると耐水性不良を引き起こすことがある。
【0015】
○(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有する(メタ)アクリレート
(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有する(メタ)アクリレートは、種々のものが使用できるが、シアノアクリレートの接着性に悪影響を及ぼすことのないアミン等の官能基を含有しないものが好ましい。又、該(メタ)アクリレートとしては、分子量の小さいものほど、又この(メタ)アクリロイルオキシ基の数が多いものほど、耐水性及び耐塩害性に優れるため好ましい。
【0016】
2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート〔市販品としては、 NK エステル 1G ;新中村化学工業(株)製等がある、以下同様〕、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート〔アクリレート: アロニックス M-260 ;東亞合成(株)製等、メタクリレート: NK エステル 4G,9G,14G,23G;新中村化学工業(株)製等〕、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート〔 アロニックス M-220 ;東亞合成(株)製等〕、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート〔 ライトアクリレート NP-A ;共栄社油脂化学工業(株)製等〕、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート〔 ライトアクリレート 1・ 6HX-A ;共栄社油脂化学工業(株)製等〕、ビスフェノールAのエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート〔 アロニックス M-210 ;東亞合成(株)製等〕、3−(メタ)アクリロイルオキシグリセリンモノ(メタ)アクリレート〔 ライトアクリレート G-201P ;共栄社油脂化学工業(株)製等〕、水添ジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート〔 ライトアクリレート DCP-A;共栄社油脂化学工業(株)製等〕、例えば式(1)で表されるポリエステル(メタ)アクリレート
【0017】
【化1】
式(1)において、m+nの平均値は、2〜4である。
【0018】
〔 KAYARAD HX-220,620 ;日本化薬(株)製等〕、ウレタン(メタ)アクリレート〔 アロニックス M-1100,1200,1210,1310,1600;東亞合成(株)製等〕、ビスフェノールA−ジエポキシ−(メタ)アクリル酸付加物〔 V#540;大阪有機化学工業(株)製等〕、等がある。
3個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート〔 アロニックス M-305 ;東亞合成(株)製等〕、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート〔 アロニックス M-309 ;東亞合成(株)製等〕、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート〔 アロニックス M-310,320 ;東亞合成(株)製等〕、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート〔 NK エステル TMPT ;新中村化学工業(株)製等〕等があり、4個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート〔 アロニックス M-450 ;東亞合成(株)製等〕があり、5個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、6個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート〔 KAYARAD DPHA ;日本化薬(株)製〕、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート〔 KAYARAD DPCA ー20,30,60,120 ;日本化薬(株)製〕等が挙げられる。これらは2種以上を併用することもできる。
【0019】
これらの中でも、式(1)で表されるアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等を使用することが、得られる組成物の硬化物が適度な柔軟性を示し、耐水性にも優れるため好ましい。
【0020】
これらの(メタ)アクリレートの配合割合としては、組成物の合計量を基準にして1〜50重量%好ましく、より好ましくは10〜40重量%である。この割合が、1重量%より少ないと十分な柔軟性及び耐水性が得られない場合があり、一方50重量%を越えるとシール性不良を引き起こすことがある。
【0021】
○その他の成分
本発明の組成物には、所望成分として下記に示す安定剤、重合促進剤、重合開始剤、増粘剤及びその他の添加剤が、通常使用される範囲内で適宜配合されていてもよい。
[安定剤]組成物の貯蔵安定性向上させるためのもので、重合抑制剤であり、例えばハイドロキノンや亜硫酸ガス等が挙げられる。
[重合促進剤]組成物の接着速度を速めるためのもので、アニオン重合促進剤としては、ポリアルキレンオキサイド及びその誘導体、クラウンエーテル及びその誘導体、シラクラウンエーテル及びその誘導体、並びにカリキサレン誘導体等が挙げられる。
[重合開始剤]組成物中の(メタ)アクリレート成分の重合を促進させるもので、ラジカル開始剤としては、ハイドロパーオキサイド、パーオキシエステル、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ジ−t−ブチルハイドロパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド及びパーオキシジカーボネート等の有機過酸化物が挙げられる。
[増粘剤]2−シアノアクリレートは、本来無色透明の低粘度液状のものであるが、これに増粘剤として、例えば、各種(メタ)アクリレートのホモポリマー或いはコポリマー、アクリルゴム、セルロース誘導体及びシリカ等を溶解又は分散させ、組成物に粘度又はチクソ性を付与することもできる。
[その他添加剤]これら以外にも、染料、顔料、可塑剤及び希釈剤等を配合することもできる。
【0022】
○使用方法
本発明の被覆電線シール用組成物は、1本の導線が絶縁性の被覆物で被覆されているもの、数本の導線をよったより線が絶縁性の被覆物で被覆されているもの等、種々の被覆電線に使用可能である。
本発明の第2発明は、被覆電線の露出部及びその周辺を第1発明の組成物で被覆し該組成物を硬化させる被覆電線露出部周辺のシール方法である。被覆方法としては、種々の採用でき、例えば、被覆電線の露出部及びその周辺に本発明の組成物を塗布或いは注入する方法、又は被覆電線の露出部及びその周辺を本発明の組成物に浸す方法等を挙げることができる。被覆した組成物の硬化方法としては、シアノアクリレート系接着剤で通常採用される方法が適用でき、通常は放置することにより空気中の水分により硬化し、又、組成物の硬化速度が充分でないときは、被覆部分を、アニオン重合開始剤であるアミン、例えばN,N’−ジメチルアニリン、トリエタノールアミン〔市販品としては、aaアクセラレータ;東亞合成(株)等がある〕等を噴霧し、硬化促進させることもできる。
本発明の組成物のうち低粘度の組成物は、これが導線と被覆物の隙間に容易に浸透し、被覆電線を充分にシールすることができ、又作業性にも優れるためるため好適であり、被覆電線の露出部及びその周辺を本発明の組成物に浸す方法を採用することが可能であり、より具体的には、被覆電線の被覆物を剥がした導線を特定の部品と加締め、この被覆電線の露出部及びその周辺を、本発明の組成物に浸す。被覆電線の露出部及びその周辺を浸す時間としては、使用する組成物の種類によって適宜選択すればよいが、通常は数秒〜30秒程度である。
この方法において、硬化速度が速すぎ、組成物が導線と被覆物の隙間内部に十分浸透しない場合には、前記した重合抑制剤の割合を増加させた組成物を使用すればよい。
【0023】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により、本発明をより具体的に説明する。
○ 実施例1〜6
表1に示す組成の化合物及びこれらの合計量100重量部に対して1部のジ−t−ブチルハイドロパーオキサイド〔パーブチルZ、日本油脂(株)製〕1部を使用し、常法により被覆電線シール用組成物を調製した。
【0024】
【表1】
1)表中の括弧内は重量%を意味する。
2)KAYARAD HX−620:
【0025】
【化2】
式(1)においてm+nの平均値は4である。
【0026】
○評価
得られた組成物について、以下の評価を行った。それらの結果を表2に示す。・硬化物の柔軟性
10mm×50mm×厚さ1mmのポリエチレンテレフタレート製容器に、組成物を入れて硬化させ、硬化後容器から硬化物を取り外して試験体を作成した。得られた試験体を90度に折り曲げ、試験体が割れるかどうか評価した。又加熱処理後の評価試験として、試験体を120℃の環境下で5日養生したものを使用し、同様に評価した。
表2において、○、×は以下の意味を示す。
○:試験体が割れない
×:試験体が割れる
【0027】
・電線シール性試験
軟質塩ビ被覆銅線(導線の直径:30本の銅線がよられたものの直径2.5mm,被覆塩ビの外径3.5mm)の被覆塩ビを先端から5mm剥ぎ、その先端からおよそ20mmを組成物に約3秒浸した後、浸した部分にアニオン重合促進剤〔aaアクセラレータ、東亞合成(株)製〕をスプレーして硬化させた。
このシールした被覆電線に、シールしない側から0.5kg/cm2 の圧縮空気を送り、シールした被覆電線の先端を水につけて空気漏れの有無を確認した。
表2において、○、×は以下の意味を示す。
○:空気もれあり
×:空気もれなし
【0028】
又、前記シールした被覆電線について、80℃の温水に1.5時間浸漬したもの、及び40℃で5%塩水噴霧の環境下にて3日放置したものについても、上記と同様に電線シール性試験を行った。
【0029】
【表2】
【0030】
表2から明らかなように、本発明の組成物の硬化物は、熱処理後に90度に折り曲げても折れることがなく、被覆電線の折り曲げに充分に追従できるものであった。又、温水及び塩水処理後も空気漏れが無く、シール性は良好であった。
【0031】
比較例1〜7
比較例1〜3においては、表3に示す組成の化合物を使用し、常法により被覆電線シール用組成物を調製した。又比較例4〜7においては、表3に示す組成の化合物及びこれらの合計量100重量部に対して1部のジ−t−ブチルハイドロパーオキサイド〔パーブチルZ、日本油脂(株)製〕1部を使用し、常法により被覆電線シール用組成物を調製した。これらの組成物について、実施例と同様に評価した。それらの結果を表4に示す。
【0032】
【表3】
1)表中の括弧内は重量%を意味する。
【0033】
【表4】
【0034】
比較例において、(メタ)アクリレートを配合しない比較例1〜3の組成物の硬化物は、柔軟性に乏しいものであり、又比較例4〜同8の組成物の硬化物は、加熱処理後の柔軟性に乏しいものであった。又比較例1、同2、同4〜同7の組成物において、初期の電線シール性には問題がなかったが、温水又は塩水処理後においては、電線シール性を発現しなくなった。
【0035】
【発明の効果】
本発明の被覆電線シール用組成物は、作業性に優れ、かつその硬化物は優れた柔軟性及び電線シール性を有するものである。さらに、本発明の組成物の硬化物は、高温多湿等の条件下においても柔軟性及び電線シール性を維持することができるため、自動車、家電製品、OA機器等の各種電気系統の配線の電線シール剤として広く利用され得るものである。
Claims (3)
- アルキル−2−シアノアクリレート、エステル残基にエーテル結合を有する2−シアノアクリレート及び(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有する(メタ)アクリレートからなる被覆電線シール用組成物。
- 被覆電線の露出部及びその周辺を請求項1に記載の組成物で被覆し該組成物を硬化させることを特徴とする被覆電線露出部周辺のシール方法。
- 被覆方法として、被覆電線の露出部及びその周辺を請求項1に記載の組成物に浸すことを特徴とする請求項2記載の被覆電線露出部周辺のシール方法。
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