JP3837695B2 - 空港の陸上車両に関するリアルタイムな追跡および管理技術 - Google Patents

空港の陸上車両に関するリアルタイムな追跡および管理技術 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衛星測位技術を用いた空港領域における運搬車両の管理分野に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
許可なく滑走路へ移動しようとしている航空機(AC)および陸上車両(LBV)を緊急に停止させることが可能なACおよびLBVの衝突(交差)リスクに関する視聴覚警告技術が現在存在している。この技術は、停止バリアの作動と、無線電話機によるパイロットへの警告と、点灯している照明の追跡によって、ACおよびLBVの位置を自動センサで制御することを基にしている。万が一、停止バリアが許可なく横切られるようなことがあった場合、パイロットの視界をカバーするように据え付けられたインパルス・サーチライトが、センサで自動的に点灯し、管制センターでは、音と光による警報システムが自動的にオンに切り換えられる(RF出願第94005903号、cl.G08G5/06(1995年に公開)を参照)。‐ 類似技術
この技術の欠点は、任意のある時点において、LBVの位置や、そのルートならびに移動速度、LBVの状態、作業実施期間、このような作業の技術スケジュールに対する順守性に関する情報が得られないことにあり、このことから、LBV管理の効果が低下し、LBVの状態について客観的な情報が提供できなくなり、したがって、空港でのフライト・サービス業務の安全性が低下する。
【0003】
また、空港の航空機(AC)および陸上車両(LBV)をリアルタイムに追跡および管理する技術もあり、空港領域(AT)の3次元地理情報システムの作成、ACおよびLBVの静止地心座標軸によるリアルタイムな判断、LBVの速度および/またはルートの制御およびLBV輸送管理などがある(米国特許第5867804号、cl.G06F163/00(1999年2月2日公開)を参照)。‐ 基本技術
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記一定の技術に見られる欠点として、LBVの追跡および管理に関する座標アルゴリズムが(再計算により)過度に複雑化していること、また、ACの車両運搬設備を直接移動させたりLBVの地上設備に対して無線により課題を処理する方法を採用していることから、膨大な実施費用がかかること、航空交通管制端末(ATC)の情報表示装置の使用により、ディスパッチャに対して過度な情報による負担がかかる点などが挙げられる。さらに、実施されている作業の性質やLBVの状態に関する情報を受信する場合に主観が入ることから、その信頼性は低い。また、ACサービス業務の技術スケジュールやフライトの1日単位の計画に基づいたLBVの状態やLBVによる種々の作業の実施時間に関するリアルタイムな情報が全くないことに加え、管理に関する意思決定に影響を与えるLBVの現行座標を判断する上でかかる時間が長くなり、安全性が低下する。
【0005】
特許の対象となる本技術の目的は、LBVの追跡および管理の効果と安全性を高めるとともに、本技術を実施する際にかかる費用を抑制し、かつLBVに関する情報の信頼性を高めることにより、情報の受信に関する限り主観から脱し、ACの品質とLBVにより実施される旅行者へのサービス業務の品質向上を図ることにある。さらに、本技術の目的は、LBVによるACサービス業務の実施に関する情報の受信、転送、記憶、分析、および処理を行なうことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この一定の目的は、空港領域(AS)の地理情報システムの作成と、衛星測位装置を用いたLBVの座標のリアルタイムな判断と、LBVの速度および/またはルート制御ならびにLBV輸送管理とを含む空港の陸上車両(LBV)をリアルタイムに追跡および管理する技術によって、前記基本技術に比べ、LBVの状態および/または各LBVによる作業の実施時間が永続的に制御され、フライトの1日単位の計画に基づく航空機(AC)のフライト後サービス業務の時間的技術スケジュールに従って、LBVによる移動および作業の実施が管理されることにより(この場合、ATの地理情報システムは2次元座標で作成され、LBV座標は相対的地理座標で判断される)、達成される。
【0007】
さらに、LBVの状態制御、および/または、定期的な問合せによる衛星測位装置を用いたLBV座標の判断が行なわれることに加え、取得したデータを、ディスパッチャ・センターの中央データベースへ転送した後に、記憶、分析、処理等が行なわれる。
【0008】
さらに、LBVの状態に関する制御には、点灯のオン/オフ制御、ドアの開閉、エレベータの既定の高さへの昇降、貨物の重量、ACボードの接触、作業実施エリアからの入出、ACへの燃料供給中の燃料および水の量、特殊LBV(トラクタ)のAC降着装置の前脚部との接触、LBVの設備に関するクリップリング、対象との距離および/または貨物梱包の保全性等がある。
【0009】
さらに、不測の事態、および、不測の事態に対する操縦者および/またはLBVの自動装置の反応の制御も行なわれる。
【0010】
さらに、不測の事態に対処しながら、故障、火災、および/または、テロリストの攻撃も考慮している。
【0011】
さらに、LBVによる移動および作業の実施に関する管理が、対話方式および/または厳密に形式化された方式で、LBVから、および/、LBVに対するメッセージの送信によって行なわれる。
【0012】
さらに、LBVから、および/または、LBVへのメッセージ送信と、LBVの状態および/またはその座標に関するデータの受信が、専用デジタル・チャネルで行なわれる。
【0013】
さらに、空港領域の地理情報システムが、多段構造に作成される。
【0014】
さらに、空港領域の地理情報システムの多段構造は、空港面と、地下通信と、地上物と、LBVの移動に関する配分および構成についての計画と、特殊輸送および運搬設備とから構成されている。
【0015】
さらに、空港領域の地理情報システムが、縮尺変更要素を持つデジタル化マップとして示されている。
【0016】
さらに、LBVは制御されているものの、帰納的方法によってLBVの交通ルートが予め設定されているため、さらに最適化が可能である。
【0017】
さらに、空港領域の地理情報システムにおけるLBVの位置が、アイコンにより視覚化されている。
【0018】
さらに、GSPおよび/またはGLONASSシステムが、衛星測位装置として使用されている。
【0019】
【発明の実施の形態】
空港のLBVのリアルタイムな追跡および管理システムは、車両運搬複合体1と、通信およびチャネル制御サブシステム2と、応用サブシステム3とから成る。応用サブシステム3と通信およびチャネル制御サブシステム2との間は、イーサネットにより接続され、車両運搬複合体1と通信およびチャネル制御サブシステム2との間は、専用デジタル無線チャネル(USWバンド)により接続される。
【0020】
車両運搬複合体1は、各LBVに据え付けられ、入力6と出力バッファおよび不揮発性メモリ8(FLASH)を備えたマイクロプロセッサ5(MP)に相当する車両運搬コントローラ4により構成されている。マイクロチップ・テクノロジー社のPic16C77X Familyは、MP5として使用可能である。MP5は、USWアンテナ11や、ナビゲーションアンテナ13を備えた多重チャネルナビゲーションGPSレシーバ12により、モデム9を通じて、無線局10、例えば、GM350に接続される。LBV状態制御モジュール14と8-32Vの電源モジュール15は、LBV点灯ロック16を介して、MP5の入力バッファ6に接続される。LBV状態制御モジュールは、例えば、点灯オン/オフセンサ、および/または、ドア開閉センサ、および/または、エレベータを既定の高さに昇降するセンサ、および/または、LBVのACボードとの接触センサ、および/または、作業実施エリアへの入出センサ、および/または、車両運搬設備クリップリング・センサ、および/または、対象との距離センサ、および/または、貨物梱包保全性センサなどの1組のセンサから成る。
【0021】
出力バッファ7は、通信呼出し信号、および/または、危険(制限)領域への侵入を知らせる信号を送信するビーコン17、および/または、ラウドスピーカに接続可能である。
【0022】
車両運搬コントローラ4は、テキスト端末またはリモート・キーパネル18という2種類の方法により生産可能である。
【0023】
テキスト端末は、操縦者が、ディスパッチャによるページング通信や、車両運搬複合体1の動作に関する情報を表示できるように設計されている。操縦者が、そのような端末を有していれば、オンライン・モードで種々の状況に対応する標準的な1組のメッセージをディスパッチャに送信(または、ディスパッチャから受信)できる。テキスト端末は、4つの密閉形発光キーの付いた液晶インジケータ(LCI)として形成され、LCIコントローラを介して、MP5に接続されている。
【0024】
MP5は、LCIの代わりにリモート・キーパネルを有していてもよく、このリモートキーパネルは、テキスト端末として、限られた(表に示された)1組の機能を実行するように設計されており、テキスト端末を使用できないLBVに取り付けられ、二地点間動作でのメッセージ送信を可能にする。
【0025】
車両運搬コントローラ4のMP5は、無線局10とナビゲーション・レシーバ12を制御し、さらに、車両運搬複合体1全体を自動的に始動させ、LBVの点灯ロックをオンにしたり、エンジンをオフにしてから予め設定した時間が経過した後に、そのシャットダウンを行なうことにより、例えば、LBVバッテリから成る車両運搬電源モジュール15の放電を防止することができる。
【0026】
GSPレシーバは、衛星信号のデコードや処理を行なって、LBVの座標、速度、ルートを判断する、移動体用に特別に設計された多重チャネル・ナビゲーション・レシーバ12として使用できる。
【0027】
ナビゲーション・レシーバは、大半の必要なGPS機能を備えたロックウェル社の2チップをベースにしている。「ジェミニ/パーシーズ」MonoPac(商標)には、無線周波数信号変換および乗算回路がすべて含まれている。この「ジェミニ/パーシーズ」MonoPac(商標)は、信号をスコーピオ回路に転送する。スコーピオ回路は、単一の集積チップと、GPS信号の特殊な処理に必要な可能な限りのハードウェアを有している。メモリと補助部品をこれらのチップに加えることにより、ナビゲーション・システムが完成する。
【0028】
通信およびチャネル制御サブシステム2は、シリアル通信コントローラ19と、モデム20と、複合USWアンテナ22を備えた無線局21と、ナビゲーションGPSアンテナ24を備えた差動調整装置(DAU)23と、UPSのようにほぼ非中断の電源装置25とを具備している。
【0029】
DAU23は、信号の位相処理を伴う高周波数多重チャネルのナビゲーション・レシーバである。
【0030】
絶対的ではなく相対的な地理座標、例えば、地面に付けられた基準点から見た座標を判断することができ、位置の確度(系統誤差補正)を高める差動GPS(DGPS)ジュピター(例えば、米国特許第56003329号、cl.342/357.03(1997年2月4日公開)参照)をDAU23として使用してもよい。
【0031】
IBMのPCベースの通信コントローラ19は、無線チャネルで送信されるデータ・ストリームを受信して、そのデコーディングを行なうために設けられている。
【0032】
特許第2070315号と第2095757号により保護されている元のアルゴリズムは、通信コントローラ19により実現されている。
【0033】
応用サブシステム3、すなわち、「管制センター」(CC)と呼ばれているサブシステムはロック26から成り、このロック26は、データを、外部フォーマットから、LBVのサービス業務やLBVの交通ルートおよびLBVの状態等の情報に関するデータをアーカイブして記憶するように設計されたデータベース・メモリ28に接続されたサーバ27が読取り可能なフォーマットへ確実に変換する装置である。ロック26には、少なくとも1台のディスパッチャ端末(DS)28が接続されている。DSの数は任意でもよいが、最適な数は、3-5台である。ディスパッチャ端末(DS)は、表形式(LBV識別子、LBVの種類、速度、LBVに関するデータの作成、インクリメンタル・トランスジューサの状態等)でLBVの位置および状態に関する情報を表示し、ハウスキーピング情報(LBVの種類、乗務員番号、ルート)の挿入、管制センター(CC)のリモート・データベースからの車両の位置と状態に関する要求されたオンライン情報の受信、エプロン領域図形アウトラインの表示、グラフィカル・スキームにおけるLBV位置の表示、図形データの処理(ズーム、スクロール等)、LBV移動パラメタとAC技術サービス業務スケジュールと関連のある事象の自動制御、警報メッセージを受信した場合のディスパッチャの可聴警告およびLBV画像の変化(図示されている対象の色)などを行なうように設計されている。ロック26とDS28との接続だけでなく、応用サブシステム3の通信コントローラ19とのインタラクションも、イーサネットで実行される。サーバについては、例えば、データベース管理システムのオラクル8を使用したサンULTRA10が、サーバとして使用される。
【0034】
特許の対象となる本技術に基づく動作について、以下に説明する。
【0035】
車両運搬コントローラ4のMP5は、ナビゲーション・レシーバ12と車両運搬センサ13のLBV状態制御装置からナビゲーション情報を収集して前処理を行ない、遠隔測定情報を送受信するとともに、テキスト・メッセージを視覚化し、無線局10の動作を制御する。
【0036】
車両運搬設備は、LBVの点灯ロック16を介して、電源モジュール15、例えば、LBVバッテリに接続される。LBVの点灯ロック16をオンにすると、信号が、車両運搬コントローラ4のMP5の入力バッファ6の入力のうちいずれか一つに送信される。車両運搬コントローラ4のMP5は、所定の信号を受信すると、ナビゲーション・レシーバ(NR)12を待機モードから動作モードへ変更し、無線局10をオンにして、LCIの発光またはキーパネル18を使用する指示を出す。
【0037】
車両運搬コントローラ4のMP5は、6分間のホールドアップ後に点灯ロック16をオフにすると、NR12の待機モードへの変更指示と無線局10のオフにする指示を出す。この一定の手順は、LBVのバッテリ放電を防止するために必要である。
【0038】
NR12は、ナビゲーション・アンテナ13から衛星信号を受信し、LBVの位置に関する地理座標を、例えば、1秒間の間隔をおいて生成する。ナビゲーション情報は、ハウスキーピング・データ(測定モード、観測可能な衛星の数等)とともに添付され、2方向非同期ポートを介して、車両運搬コントローラ4のMP5に送信される。車両運搬コントローラのMP5は、NR動作のモードに関する情報をLCI18に送信して視覚化する。
【0039】
車両運搬コントローラ4のMP5は、LBV操縦者が(形式化済み)テキスト・メッセージを予め設定されたリストからCC3に送信できるようにする。メッセージ・データは、不揮発性メモリ8に記憶されており、LCI18で視覚化することが可能である。各メッセージは、緊急なものと情報的なものに分けられる。後者は、複数ブロックにグループ化され、必要なメッセージを検索および選択し、CC3に送信できる。メッセージは、キーパネルを使用して選択ならびに送信される。この場合、無線チャネルを通じて送信されるのが、メッセージ自体(かなり長くてもよい)ではなく、その番号だけの場合、送信される情報量が減少し、無線チャネルの帯域が広くなる。
【0040】
車両運搬コントローラ4のMP5は、テキスト端末を装備していないが、リモート・キーパネルを有しており、「警報」、「開始」、「終了」、「遅延」等の形式化されたメッセージのみを送信できる。
【0041】
MP5は、デジタル情報送受信内部プロトコルに従って、無線チャネルを通じてCC3に送信するためのデータ・パッケージを作成する。このパッケージには、以下のデータが含まれている。
【0042】
‐ ナビゲーション・パラメタ(座標、速度、ルート、時間)
‐ 各センサの状態
‐ 送信用に選択された最新の形式化済みメッセージの番号
パッケージは、自動的に、または、CC3からの問合せによって送信することができ、USW送受信アンテナ11および22間において、専用デジタル無線チャネルを通じて引き渡される。MP5と車両運搬無線局10との間の情報のやり取りは、アナログ・インタフェースを通じて実行される。MP5は、問合せを受信すると、データ・パッケージを、直接またはモデム9を通じて、無線局10に送信する。送信プロセスでは、車両運搬無線局10がパッケージを無事に受信したか、また、基地無線局21にパッケージが届いたか否か確認が行なわれる。
【0043】
MP5は、CC3からテキスト情報パッケージを受信すると、これを不揮発性メモリ8に入れ、LCI18により視覚化する。
【0044】
通信およびチャネル制御サブシステム2は、無線チャネルを通じてLBVと通信し、LBVから遠隔測定情報を受信し、前処理を行なってサーバ27に送信し、ディスパッチャ局(DS)28の画面(端末)の一つに表示するような構成に設計されている。
【0045】
差動調整装置(DAU)23は、周知(既定)の基準座標によるある1地点に据え付けられている。DAU23は、GPS衛星からの現行測定結果を基準座標と比較して、測定値の偶然誤差に関する統計分析方法に基づいて、相関的許容量を生成し、この許容量は、1秒間の間隔をおいて、通信コントローラ19に送信され、LBVの現行位置の調整に用いられる。
【0046】
通信コントローラ19は、LBVの位置に関するナビゲーション情報とDAU23によって生成された相関的許容量の両方を処理し、位置測定の確度を高めるために、相対的座標に対してLBVの現在の地理座標を調整する。LBVの位置測定の確度は、1から3メートル(または、1メートル未満)に達することが可能である。
【0047】
応用システム3(管制センターCC)は、ローカル・ネットワークのイーサネットを通じて通信コントローラ19と通信を行ない、情報のエンド・ユーザとなっている。サーバ27のデータベース・メモリ28は、ACのサービス業務スケジュールに関する情報だけでなく、LBVの動作、ディスパッチャ、そのインタラクションに関するあらゆる情報を記憶している。このような情報は、例えば、輸送管理の修正を行なうための動作分析を実行するために、いつでも要求できる。
【0048】
DS28は、電子マップ上における現在の状況や、LBV乗務員の動作を管理するためのサービス業務に関する能力、ディスパッチャの介入を必要とする状況の検出手段等について、2次元多重構造によるリアルタイム表示を行なう特殊地理情報サブシステムを具備している。
【0049】
ディスパッチャは、フライトの1日単位のプランに基づいたAC技術的サービス業務スケジュールに従って、LBVの交通およびLBVによる作業の実施を処理する。図3に、このようなスケジュールの1例が示されている。ここでは、時間図としての作業の実施に関するネットワーク・スケジュールだけでなく、ある特定のAC(この場合、IL‐96)のサービス業務、特定の動作に関する開始および終了時刻、作業時間、実行者などの一覧が示されている。
【0050】
LBVを技術スケジュール通りに作業させるため、ディスパッチャは、DSにおいて以下のような処置を行なう。
【0051】
1.到着および出発リストからの必要なフライトの選択。選択後、ある一定種類のACに関する技術サービス業務表へのアクセスが可能となり、1日単位のスケジュールの現行データに従って、各動作ごとの時刻が確定する。
【0052】
2.技術スケジュールからの必要な動作の選択。
【0053】
3.割当てモードの起動。起動後、LBVの一覧が表示される。表示されたLBVは、一定の動作の実行が可能であるとともに、各LBVに対し、同時に他の業務動作が割り当てられることはない。
【0054】
4.適正なLBVの選択。選択後、選択されたLBVのテキスト・メッセージが自動的に作成され、動作の開始ならびに終了時刻と動作の実行場所が確定する。
【0055】
5.(必要に応じて)追加情報をメッセージに挿入。
【0056】
6.LBVに制御メッセージが送信されたことを確認。
【0057】
LBVの以下の動作に関する制御が確実に行なわれる(割当てとは、その動作に対して認められたある一定のLBVによって実行するために、ディスパッチャが割り当てた技術スケジュールの動作を意味している)。
【0058】
1.割当て受信の確認。LBVの操縦者は、割当てを受信すると、割り当てられた場所と時間に到着する準備に入る。
【0059】
2.割当ての実行開始‐LBVの操縦者は、割り当てられた場所に到着し、その割当ての実行を開始する。
【0060】
3.その他の障害による遅滞に関する信号‐操縦者は、技術スケジュールの進行中の動作を完了していないため、割当てに着手できない。このような状況が発生すると、特別に設けられた表に遅延マークが付けられる。
【0061】
4.緊急信号。緊急事態が発生したために、操縦者が割当てに着手できないか、割当てを引き続き実行できない。このような状況が発生すると、特別に用意された表に警報マークが付けられるとともに、所定のLBVからのメッセージを赤色で強調し、音声信号を発生し、割当てを終了させる。
【0062】
5.割当ての終了‐操縦者は、割当てを無事に終了した。
【0063】
LBVは、操縦者がこのような割当ての受信を確認した後にのみ、割り当てられるものとする。
【0064】
前記動作のうちいずれか一つを完了した旨を知らせる通知を、無線チャネルを通じて、LBVからディスパッチャへ送信したり、あるいは、システムによって自動的に制御されない方法で受信した場合、DSからディスパッチャによって入力することが可能である。
【0065】
システムは、動作の割り当てられた終了時刻と実際の(現行)時刻とをつけ合わせる。作業の実行開始に遅延があった場合、システムは、割当ての予定開始時刻に赤で印をつけ、遅延時間を計算する。割当ての終了に遅延が生じた場合、システムは、割当ての予定終了時刻に赤で印をつけ、遅延時間を計算する。
【0066】
特許の対象となる本技術の実施例を以下に示す。
【0067】
LBVの状態に関する制御には、例えば、ACのサービス業務の動作に関わるLBVの制御および割当て待機(点灯オフ)、パーキングへの移動、ACのサービス業務(燃料供給、点検等)以外の割当ての実行、通信状態、GPSの状態、移動速度、および点灯のオン/オフ、ACまでの距離(タラップの場合)、ドアの開閉(バスの場合)、エレベータの昇降(エレベータの場合)、ルート、イクイップメント・ベイの開、LBVから最新パッケージを受信した時刻、LBVの状態などの制御がある。
【0068】
LBVの交通および作業は管理されているが、例えば、bus#_move to stop#_、bus#_help#_、bus#_pick up duty officer at entrance#_等の任意の指示を入力できる。
【0069】
LBVからの30の形式化済み指示(メッセージ)は、車両運搬コントローラ4のMP5のメモリに「スレッド」として記憶される。
【0070】
‐医療援助が必要
‐SC要員が必要
‐ACの損傷
‐事故
‐故障
‐パーキングの割当て受諾
‐代理業者用バスの誘導
‐代理業者と共にパーキングへ移動
‐代理業者を伴わずにパーキングへ移動
‐パーキングに到着
‐乗客のバスへの乗車開始
‐エアターミナルへ到着
‐乗客のバスからの降車を開始
‐降車終了
‐バスを出口に誘導
‐パーキングにタラップを設置
‐タラップの取り外し
‐パーキングからタラップを除去
‐ターミナルに到着
‐ベースへの移動開始
‐割当ての受諾と実行
‐パーキングに到着、ローディングの開始
‐ローディングの終了
‐パーキングに到着、燃料供給の開始
‐燃料供給の終了
‐パーキングに到着、割当ての開始
‐割当て終了
‐動作の開始
‐動作の終了
‐障害物の除去
DS28で行なうオペレータの処置
1.ログイン
システムにアクセスするためシフト開始時にシステムに入った時点で、DS28のオペレータは、登録を実行する。そのために、オペレータは、ファイル・メニューのログイン・コマンドを選択する。メインボックス全体に重なっているスクリーン上にオペレータ登録用ダイアローグ・ボックスが現れる(図5を参照)。
【0071】
オペレータの自分(コード)の名前(ユーザ名)とパスワードを、このボックスの各フィールドに入力する。このコード名(「英」文字を使用)は、システム使用前に、保守プログラマー(データベース管理者)に承認されている。
【0072】
パスワードは、入力時に、入力された各文字ごとに、「*」(「星印」1つ)の記号で示される。
【0073】
ユーザ名とパスワードを入力してから、OKまたは<Enter>キーを押す。間違いがなければ、データベース・ログイン・ボックスが消えて、ディスパッチャは作業を開始できるようになる。
【0074】
注: システムへのオペレータの登録、情報へのアクセスの許可(識別)、および命令の実行は、システム管理によって行なわれる。システム管理責任者は、オペレータに、登録に必要なパスワードを与える。
【0075】
以下の条件下において、オペレータは、システムへのアクセスを拒絶されることがある。
【0076】
‐オペレータの名前が、該当するシステムに登録されていない。
【0077】
‐他のオペレータが同じ名前でシステムにログインされている。
【0078】
‐オペレータの名前とパスワードが間違って入力された。
【0079】
2.ログオフ
シフトが終了した時点で、オペレータは、システムへの登録を取り消して、セッションを終了させなければならない。そのためには、ファイル・メニューのLogOffコマンドを選択する必要がある。アプリケーションのメイン・ボックス上に重なっている画面のパスワードを入力するためのダイアローグ・ボックスが表示される(図6を参照)。
【0080】
オペレータは、セッション開始時に用いられるパスワードを入力する。パスワードは、入力された各文字ごとに「*」(「星」印1つ)で示される。
【0081】
パスワードを入力したら、OKまたは<Enter>キーを押す。間違いがなければ、ボックスが消えて、ディスパッチャはその端末から出ることができる。このDSにおけるシフトを引き継ぐ別のディスパッチャは、登録から作業を開始しなければならない(「1.ログイン」を参照)。
【0082】
3.LBVの移動と状態の追跡
3.1.エプロン領域の監視
エプロン領域の監視には、AC、特殊輸送機、その他の車両、およびパーキング・ロットの交通に関する配置および組織図であるMSスキーム(電子マップ)を使用する。MSスキームは、アプリケーションのメイン・ボックスの最上部を占め、全体的な表示と個別の部分表示による異なった縮尺にすることが可能である。ツールバー(図7を参照)に示されている各ツールキーをクリック(選択)することによって、表示の処理を行なう。
【0083】
ツールを選択するときは、マウスを使用する。キーの矢印により、「固定されている」マップの可視範囲(ボックス)を適正な方向に移動させることができる。また、前記キーは、マップの尺度を高く、すなわち、中央の位置を維持したまま表示を拡大できる。さらに、前記キーは、エプロンの可視部分の寸法を拡大し、表示の尺度を低くする逆の動作も行なう。また、前記キーによって、画面上の全体的なマップを見ることができる。
【0084】
3.2.車両位置の監視
車両の位置を監視するために、アプリケーション・メイン・ボックスのマップと車両ブックマーク(図8を参照)が用いられる。マップ上では、車両がアイコンで表されている。各アイコンは、以下の種類の車両に対応している。
【0085】
Figure 0003837695
ブックマークの下部にある右側のスプレッドシートの各行は、各車両に対応している。また、ブックマークの左側にあるスプレッドシートにより、右側のスプレッドシートで見ることができる車両の数を、一定種類の属性によって制限することが可能である。
【0086】
スキームの可視領域に、探している車両が表示されていない場合は、車両ブックマークのスプレッドシートで選択することができる。Show On Map命令により、スプレッドシートで選択された対象が、スキームが占める領域の中央に配置される。スキームの縮尺は変化しないため、可視領域を所望の方向に移動させる。
【0087】
スプレッドシートの車両を検索するために、スプレッドシート・ボックスの「車両検索」を使用できる。車両の割当ては、このボックスにその名前を入力するか、ポップアップ・リストで名前を選択することによって行なわれる。検索キーをクリックすると、探している車両が印を付けられた行に現れる。「マップ上に表示」をクリックすると、その車両がスキームの中央に現れる。
【0088】
3.3.車両状態の制御
車両の状態は、電子マップ上の画像と車両ブックマークの状態スプレッドシートによって制御される(「車両位置の監視」で述べた図8を参照)。
【0089】
前記スプレッドシートには、車両状態に関する以下の情報が示されている。
【0090】
速度: 自動車(km/h)の現在の速度。車両の速度が許容範囲の速度を超えていなければ、値は緑色で表示される。車両が速度範囲を超えるような(例えば、20km/hを超える)場合は、速度の値が赤色で表示され、音声信号が定期的に発生する。
【0091】
Figure 0003837695
【0092】
ドアの場合のセンサの反応: 「ドア123456」(ドアはいずれも開状態)、「ドア1.3.」(ドア#1とドア#3が開状態)。どのドアも閉じている場合、「ドア...」。
【0093】
イクイップメント・ベイの場合のセンサの反応: 「ベイ開状態」。
【0094】
距離の場合のセンサの反応: 「ACまで1メートル以上」または「ACまで1メートル未満」。
【0095】
点灯: 状態が表示される(オンまたはオフ)。
【0096】
時間: LBVから最新パッケージを受信した時刻が示される(時、分)。
【0097】
GPSの状態: 座標データの経過時間に関する情報。
【0098】
車両の状態: 車両の全体的な状態(正常、遅延、警報)。
【0099】
車両の状態を管理するために、車両アイコンの色を次のように意味づけている。
【0100】
‐黒色: 車両から受信したデータが古くなった(15分以上前に受信)。
【0101】
‐灰色: 車両の点灯がオフになる。
【0102】
‐赤色: 車両から警報信号が発生する。
【0103】
‐青色: 車両が適正に動作している。
【0104】
‐緑色: 車両の点灯がオフになる。
【0105】
緊急状態となった車両や、MSでの矛盾によりアイドル状態となった車両の名前が、スキームの左側にあるスプレッドシートに表示される(緊急リスト)。車両がリストに記載されている理由を知りたいときは、リストの下にある「メッセージ表示」キーをクリックする。クリックすると、ボックスの下部に、「車両からのメッセージ」ブックマークが現れ、緊急リストにその車両が記載されている理由を示すメッセージが、ブックマークのスプレッドシートにマークを付けた状態で示される。テキスト端末が装備されていない車両の場合、緊急状態が発生した理由は、操縦者との声によるやり取りによって判断される。
【0106】
緊急リストから車両を削除するために、オペレータは、リストの下にある「障害物除去」キーを使用できる。システムにサービス性が回復した旨を示すメッセージが届けられた車両は、自動的にリストから削除される。
【0107】
車両操縦者が制限領域に侵入した場合、その車両の名前が、DSのメイン・ボックスの左下にあるスプレッドシートに表示され、その車両番号の付いている行が赤くなる。この場合、可聴信号が発生する。ボックスからこの車両を削除するには、マウスのカーソルを、スプレッドシート内の該当する行に合わせ、マウスの左キーを押す。
【0108】
操縦者から警報信号を受信した場合、オペレータは、以下の状況に従って、措置を採らなければならない。
【0109】
1.医療援助が必要: 空港医療サービスの呼出し
2.保全業務が必要: 保全業務および国民軍の召集
3.ACの損傷: 適正なサービス業務の呼出し
4.事故: その事故に合ったサービス業務の呼出し
5.故障: 技術サポート業務の呼出し
システムのこのような措置は、インタラクションの前記の形式化されたスキーム(重要原則)により、自動的に実現できる。
【0110】
4.車両操縦者とのメッセージのやり取り
4.1.車両操縦者への一般的なメッセージの送信
車両操縦者に一般的なメッセージ(120文字まで)を送信するときは、以下の手順に従わなければならない。
【0111】
1) 車両ブックマーク(図9を参照)を選択する。
【0112】
2) 車両一覧から必要な車両を選択する。
【0113】
3) メッセージを下部に表示されている入力ボックスに書き込む。
【0114】
4) 「メッセージ送信」キーをクリックして、メッセージを送信用待ち行列に入れる。
【0115】
5) 「出力メッセージ」ブックマーク(待ち行列に入れる、送信、送信しない)上で結果を制御できる。
【0116】
4.2.車両から受信したメッセージを見る
車両から受信したメッセージを見るときは、オペレータは、「車両からのメッセージ」ブックマークを選択する。
【0117】
これにより、車両から受信したメッセージの一覧が表示される(図10を参照)。
【0118】
オペレータが読んだメッセージには、「読み終わったメッセージ」として印を付ける必要がある。印は、適正なメッセージの行の「読了」欄をクリックして、付けることが可能である。または、オペレータが、「メッセージ読了」キーをクリックすると、自動的にこのような印が付けられる。クリック後、メッセージ全体(スプレッドシートでその一部だけを見ることができる)が、ブックマークの右側のボックスに表示される。このメッセージの送信元である車両に関する情報は、その上に表示される(青色)。
【0119】
以下に示す表1は、車両から受信する標準的なメッセージと、その状態およびコードを示したものである。
【0120】
5.1.スプレッドシートによるパーキング・スペースの占有率の監視
パーキング・スペースに関する情報を見るときは、「車両パーキング・スペース」ブックマークを選択する(図9を参照)。
【0121】
このブックマークには、空いているパーキング・スペースと、特定のフライトのACによる使用中(予約済み)パーキング・スペースの2種類のリストがある。
【0122】
パーキング・スペース内の車両に関するデータを取得する必要がある場合は、オペレータが、適正なリストの中から選択し、「マップ上に表示」キーをクリックする。このパーキングに関する領域は、マップ・ボックスの中央に表示される。
【0123】
5.パーキング・スペースの占有率の監視
5.2.マップによるパーキング・スペースの占有率の監視
マップ上にパーキング・スペースを表示するときは、オペレータは、適正なスプレッドシートのLBVが記載されている行を強調表示して、「マップ上に表示」キーをクリックしなければならない。これにより、該当するLBVが、マップ・ボックスの中央に表示される。
【0124】
パーキング・スペースは、マップ上に八角形で示される。
【0125】
また、航空機のアイコン・シルエットが、航空機のサービス業務が行なわれるパーキング・スペースに表示される。
【0126】
6.技術スケジュールの実行に関する制御
6.1.デイリー・スケジュール・フライト・リストを見る
フライト・リストを見るときは、オペレータは、「デイリー・スケジュール」ブックマーク(図10を参照)を選択する。
【0127】
以下のフライト・パラメタが、スプレッドシートで指定される。
【0128】
‐フライト・ナンバー
‐予定到着時刻
‐遅延時間を考慮した到着時刻
‐ボード・ナンバー
‐航空機の種類
‐パーキング・スペース(割当てられている場合)
‐フライトの種類(ローカル、国際、臨時)
【表1】
Figure 0003837695
‐到着と出発
7.ACのサービス業務とその制御命令の発行に対する車両の割当て
マップの右側にあるアプリケーション・ボックスにある「今後のフライト」スプレッドシートに、到着/出発を指定されたフライトが表示される(図11を参照)。
【0129】
この表のフライトの表示は、該当するフライトのサービス業務を行なうために、車両を割り当てる必要のあることをオペレータに知らせる働きをする。
【0130】
車両を割り当てるために、オペレータは、「技術スケジュール」ブックマークを選択する(図14を参照)。
【0131】
これにより、フライト・リストと、フライト・サービス業務が割り当てられるパーキング・スペースが表示される。フライトとパーキング・スペースを選択すると、作業一覧と選択されたフライトに対するその開始および終了時刻が、スプレッドシートの右側に表示される。「今後のフライト」スプレッドシートのフライト行をダブルクリックすると、フライトを選択し、「技術スケジュール」ブックマークを開くことができる。オペレータは、作業の各種類ごとに、許可されている車両の一覧から車両を1台割り当てなければならない。右側のスプレッドシートの印が付けられている行に指定された動作用の車両を選択するときは、「車両割当て」キーをクリックする。これにより、「車両割当て」ボックスが現れる。また、ここでは、別の動作を実行するためのこのボックスの変形例が示されている(図15および図16を参照)。
【0132】
割当てボックスの車両は、左側のリストの中から選択される。選択は、「選択」キーをクリックすることによって確認される。特定の変形例を選択するか、または、追加情報(属性の構成は、実行される動作の種類によって異なる)を入力することにより、「メッセージ属性」領域にあるこの補足的ボックスを利用して、技術的な動作を詳しく示すことができる。車両が選択されると、画面上にメッセージが現れる。場合によっては、システムにアクセスできない情報がそこに挿入されることもある。「割当て」キーをクリックすると、操縦者にメッセージが送信される。
【0133】
動作に割り当てられた車両の代わりのものを使用可能にするときは、「技術スケジュール」ブックマークで「割当て取消し」キーを使用する。このキーが、クリックされると、技術動作スプレッドシートの選択された行において、車両名と、動作の開始/終了のマーク/時間に関するフィールドがクリアされる。その後、車両の新規割当てが実行できるようになる。
【0134】
車両乗務員が割当ての受信を確認すると、その車両は、その動作に割り当てられたものとして、(「技術スケジュール」ブックマーク上で)印が付けられる。
【0135】
オペレータが必要な割当てをすべて行なったサービス業務のフライトは、「今後のフライト」スプレッドシートから削除される。一部が割り当てられたか、または、車両の割当てが取り消された(スケジュールが完全に作成されていない)フライトは、「車両割当て」リスト(スキームの右側の上から二番目)に表示される。オペレータは、このようなフライトにも車両の割当てを行なわなければならないことは言うまでもない。
【0136】
8.種々のLBVによるACサービス技術スケジュールの実行に関する制御
動作の実行については、「技術スケジュール」ブックマークに表示されている。車両乗務員が割当ての受信を確認すると、割り当てられた印が、その動作に対応するスプレッドシートの行に表示される。
【0137】
車両からの作業開始を示すメッセージが受信されると、動作状態は、「実行中」に変わる。
【0138】
車両からの動作終了を示すメッセージが受信されると、その動作に対応するスプレッドシート行に、「終了」マークが表示される。代替方法として、オペレータは、「技術スケジュール」ブックマークの下にある「割当て受諾」、「動作開始」、「動作終了」、および「車両遅滞」キーを使用して、技術的動作を実行する状態をシステム用に定義する。
【0139】
このような方法は、何らかの理由により、車両からのメッセージが通常の方法で(すなわち、無線チャネルを通じてサーバへ)受信されなかった場合や、オペレータが、他の(音声)通信チャネルを通じて車両の状態に関する信頼性の高い情報を受信した場合に用いられる。
【0140】
システムは、車両からのメッセージが適切な時刻に到着するよう制御したり、オペレータが似たような動作を行なうよう制御する。予め決められた時刻にこのようなことが行なわれないと、「フライト・サービス」バーの「サービス業務遅延」スプレッドシートに、フライト・ナンバーが表示される、音声信号によって、この表示が完了する。
【0141】
実行中の作業に関する技術スケジュールを、予定時刻と比較すると、作業の開始/終了に遅れが生じていることが分かる。システムは、技術スケジュールが順守されていない状態を管理し、マップの右側にある「サービス業務遅延」スプレッドシートに、このようなスケジュール違反が発生したフライト・ナンバーを表示する(図16)。
【0142】
このスプレッドシートの行で、左のマウス・キーをダブルクリックすると、「技術スケジュール」ブックマークが開き、右側のスプレッドシートの適正なフライトに関する動作が表示される。
【0143】
9.システム動作がうまく実施されない場合の手順
ディスパッチャ端末プログラムが有効に機能しない場合、オペレータは、システム管理責任者に連絡するか、システム管理責任者によって割り当てられた一連の動作を実行しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】特許の対象となる本技術を実現する空港の陸上車両(LBV)のリアルタイムな追跡および管理システムを示す図である。
【図2】前記システムのハードウェアとソフトウェアとの複合体の構造を示す図である。
【図3】LBVのフライト後サービス業務に関する時間的技術スケジュールを示す図である。
【図4】DSディスパッチャの作業に関するアルゴリズムを示す図である。
【図5】オペレータ作業中のDS表示器の画像を示す図である。
【図6】オペレータ作業中のDS表示器の画像を示す図である。
【図7】オペレータ作業中のDS表示器の画像を示す図である。
【図8】オペレータ作業中のDS表示器の画像を示す図である。
【図9】オペレータ作業中のDS表示器の画像を示す図である。
【図10】オペレータ作業中のDS表示器の画像を示す図である。
【図11】オペレータ作業中のDS表示器の画像を示す図である。
【図12】オペレータ作業中のDS表示器の画像を示す図である。
【図13】オペレータ作業中のDS表示器の画像を示す図である。
【図14】オペレータ作業中のDS表示器の画像を示す図である。
【図15】オペレータ作業中のDS表示器の画像を示す図である。
【図16】オペレータ作業中のDS表示器の画像を示す図である。
【図17】オペレータ作業中のDS表示器の画像を示す図である。

Claims (9)

  1. 空港の陸上車両(LBV)に関するリアルタイムな追跡および管理方法であって、現在の状況を反映した空港領域の地理情報システムを作成し、衛星測位装置による各車両の座標に関するリアルタイムな判断する方法において、
    LBVの速度およびルートを制御し、LBVの交通管理をし、
    1日単位の飛行計画に基づく航空機のフライト後サービス業務の時間的技術スケジュールに従って、少なくとも一つの対話モード及び形式的なモードでLBVから及びLBVへ送信されるメッセージの少なくとも一つによって、少なくとも一つのLBVの状態および各車両の作業実施時間並びに複数の LBV の動きおよび作業の実施を制御し、
    空港領域の地理情報システムが2次元座標で作成され、車両の座標は相対的地理座標で判断されることを特徴とする方法。
  2. 衛星測位装置による車両座標の決定及び状態の制御が、定期的な問合せによって実施されるとともに、取得したデータを、ディスパッチャ・センターの中央データベースへ転送してから、記憶、分析、処理等が行なわれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. LBV 状態に関する制御が、点灯のオン/オフ制御と、ドアの開閉と、パーキングへの移動と、 AC のサービス業務(燃料供給、点検)以外の割当ての実行、通信状態、 GPS の状態、 AC までの距離、イクイップメント・ベイの開、 LBV からの最新パッケージを受信した時刻の少なくとも一つから成ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 車両からおよび車両への少なくとも一つのメッセージ送信と、車両の状態およびその座標に関するデータの受信とが、専用デジタル・チャネルを通じて実行されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  5. 前記空港領域の前記地理情報システムが、多段構造に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 前記空港領域の前記地理情報システムの前記多段構造が、空港面と、地下通信と、地上物と、LBVの交通に関する配分および構成についての計画と、特殊輸送および運搬設備とを有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 前記空港領域の前記地理情報システムが、縮尺変更要素を備えたデジタル化マップとして示されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 前記空港領域の前記地理情報システムにおける車両の位置が、アイコンにより視覚化されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. GSPおよびGLONASSシステムの少なくとも一つが衛星測位装置として使用されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
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