JP3837348B2 - 発泡樹脂成形型および発泡樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

発泡樹脂成形型および発泡樹脂成形品の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対の成形型内で発泡性樹脂粒子を蒸気と接触させて発泡樹脂成形品を製造するための発泡樹脂成形型と、その成形型を用いて発泡樹脂成形品を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一対の成形型内で発泡性樹脂粒子を蒸気と接触させて発泡樹脂成形品を製造するための発泡樹脂成形型として、例えば図3に示す構造のものが使用されていた。この従来の成形型は、多数の蒸気穴22,23が縦横に設けられた雄成形型と雌成形型とを備え、これら雌雄成形型を型合わせした際に、それぞれの成形壁部8,9間に製造するべき発泡樹脂成形品の形状に一致するキャビティ7が形成される構成になっている。
この従来の成形型を用いて発泡樹脂成形品を作製するには、上記雌雄成形型を合わせて形成されるキャビティ7に発泡性樹脂粒子を充填し、複数の蒸気穴22,23を介して該発泡性樹脂粒子に蒸気を接触させることによって発泡性樹脂粒子の表面どうしを融着させ、その後冷却して発泡樹脂成形品を成形型から外して作製している。
【0003】
このような発泡樹脂成形型において、サイクル時間の短縮および蒸気の使用量を削減するための改良が種々提案されており、例えば特開平11−342514号公報には、従来必要であった蒸気穴を省略し、凹凸型の合わせ目から蒸気を入れて製品内部の融着を促進させる成形型が開示されている。さらに同公報には、成形型に蒸気穴を形成しないため、蒸気穴形成に伴う成形型の強度低下の恐れがなく、従来の蒸気穴を有する成形型において必要であった8〜12mmの成形型肉厚を、4〜8mmに減少させることができ、その結果成形型の熱容量が小さくなり、加熱冷却の熱効率が向上し、サイクル時間短縮になることが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術にあっては、凹凸型の合わせ目のみから蒸気を製品内部に供給するため、成形型の蒸気開口率が低下し、薄い成形品であれば発泡樹脂粒子が融着するが、厚肉、深物の成形品では内部の融着が不充分になり、成形品の強度が不足する可能性があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、種々の成形品の製造において使用蒸気量を低減でき、成形サイクルを短縮できる発泡性樹脂成形型とその成形型を用いて製造された成形品の提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、複数の蒸気穴が設けられた第1の成形型と第2の成形型とを備え、これら第1と第2の成形型を合わせて形成されるキャビティに発泡性樹脂粒子を充填し、前記複数の蒸気穴を介して該発泡性樹脂粒子に蒸気を接触させ、発泡樹脂成形品を作製する発泡樹脂成形型において、前記第1の成形型と第2の成形型の少なくとも一方の前記発泡樹脂成形品と接する面と反対側の面が、蒸気穴近傍部と、該蒸気穴近傍部よりも凹んだ薄肉部とを有することを特徴とする発泡樹脂成形型を提供する。
本発明の発泡樹脂成形型は、第1の成形型と第2の成形型の少なくとも一方の前記発泡樹脂成形品と接する面と反対側の面が、蒸気穴近傍部と、該蒸気穴近傍部よりも凹んだ薄肉部とを有する構成なので、蒸気穴近傍部の機械強度を損なうことなく、成形型の全質量を減じて熱容量を減少させることができる。したがって、加熱用の蒸気使用量を節減できると共に、成形型冷却時間を短縮し、成形サイクルを短縮できる。
【0007】
本発明の発泡樹脂成形型において、前記薄肉部の肉厚が、前記蒸気穴近傍部の肉厚の40〜90%の範囲とするのが好ましい。
さらに、前記第1の成形型と第2の成形型の前記発泡樹脂成形品と接する面と反対側の面の表面積が、該発泡樹脂成形品と接する面の表面積の1.06倍以上とすることが好ましい。
【0008】
また本発明は、発泡樹脂成形型を用い、第1の成形型と第2の成形型を合わせて形成されるキャビティに発泡性樹脂粒子を充填し、複数の蒸気穴を介して該発泡性樹脂粒子に蒸気を接触させることによって発泡樹脂成形品を得ることを特徴とする発泡樹脂成形品の製造方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明に係る発泡樹脂成形型を備えた成形装置の一例を示す断面図であり、図2は該成形型の要部拡大断面図である。この成形装置Aは、雌成形型1(第1の成形型)と雄成形型2(第2の成形型)とからなる発泡樹脂成形型を有しており、雌成形型1は固定台3に固定されている一方、雄成形型2は移動台4に固定され、雄成形型2は移動台4を移動させることによって雌成形型1に対して接近・離間する方向に移動可能に配置されている。なお、雌雄成形型1,2は、熱伝導率が良好な銅、アルミニウム、銅及びアルミニウムの合金、銅、アルミニウム、マグネシウム及びマンガンの合金(ジュラルミン)から形成されるのが好ましい。
【0010】
雌成形型1には凹部5が形成されている一方、雄成形型2には凸部6が形成されており、雌雄成形型1,2は、これら凹部5と凸部6とを互いに対向させた状態に配設されており、雌成形型1の凹部5内に雄成形型2の凸部6を挿入した状態に雌雄成形型1,2を型閉めすると、雌成形型1の凹部5と雄成形型2の凸部6との対向面間にキャビティ7が形成されるように構成されている。なお、雌雄成形型1,2のいずれかの部位には、キャビティ7内に発泡性樹脂粒子を供給するための発泡性樹脂粒子供給管(図示せず)が一体的に設けられていると共にこの発泡性樹脂粒子供給管にはフィラー弁(図示せず)が介装され、更に、発泡樹脂成形品を雌成形型1から離型させるための押出ピン(図示せず)が一体的に設けられている。
【0011】
雌雄成形型1,2内は全面的に中空構造とされ、この中空部はチャンバー20,21とされている。そして、雌雄成形型1,2の成形壁部8,9には、雌雄成形型1,2を型閉めして形成されるキャビティ7内とチャンバー20,21内とを連通させる多数の蒸気穴22,23が、縦横に所定のピッチで設けられている。これらの蒸気穴22,23は、キャビティ7内に充填する発泡性樹脂粒子が漏れ出すのを防止するために、スリットや多数の小穴を穿設した通気部材が装着されている。これら蒸気穴22,23の直径は、雌雄成形型1,2の両方で全て一定としてもよいし、局部的に直径を変えて設けても良く、通常は3〜12mm程度とするのが好ましい。また、縦横のピッチは発泡樹脂成形品の寸法によって適宜選択することができ、通常は縦横とも25mm〜40mm程度である。これらの蒸気穴22,23の形状は特に限定されないが、通常は蒸気穴22,23を円形に穿設し、これら蒸気穴22,23に円筒形の通気部材を装着した構成とされる。
【0012】
更に、チャンバー20,21には、これらのチャンバー20,21内に蒸気を供給するための蒸気供給管24,25の一端部が連結、連通されている一方、蒸気供給管24,25を通じてチャンバー20,21内に供給した蒸気をチャンバー20,21外に排出するための蒸気排出管26,27の一端部が連結、連通されている。これらの蒸気供給管24,25には蒸気供給弁24a,25aが介装されていると共に、蒸気排出管26,27には蒸気排出弁26a,27aが介装されている。
【0013】
また、チャンバー20,21には、これらのチャンバー20,21内の空気を真空吸引するための吸引管28,29の一端部が連結、連通されており、この吸引管28,29には吸引開閉弁28a,29aが介装されていると共に、この吸引開閉弁28a,29aの他端側には真空ポンプ(図示せず)が配設されている。
【0014】
上記雌雄成形型1,2の成形壁部8,9のうち、発泡樹脂成形品と接する面(キャビティ7側の面)と反対側の面(以下、キャビティ反対面という)は、蒸気穴近傍部30,32と、該蒸気穴近傍部30,32よりも凹んだ薄肉部31,33とから構成されている。
【0015】
上記薄肉部31,33の肉厚t1は、蒸気穴近傍部30,32の肉厚t2の40〜90%、好ましくは50〜80%の範囲とするのが好ましい。薄肉部31,33の肉厚t1を上記範囲とすることによって、成形型の機械強度を損なうことなく、成形型の質量及び熱容量が低減され、その結果、加熱用の蒸気使用量が節減できるとともに、成形型の蒸気加熱及び冷却速度が増加し、成形サイクルを短縮できる。薄肉部31,33の肉厚t1が上記範囲より小さいと、成形型1,2の成形壁部8,9の機械強度が十分に得られなくなり、成形壁部8,9が破損し易くなる。一方、薄肉部31,33の肉厚t1が上記範囲を超えると、成形壁部8,9を薄肉化したことによる成形型の質量及び熱容量低減量が小さく、その結果、加熱用の蒸気使用量の節減効果及び成形サイクルの短縮効果が小さく、従来品と大差ないものとなる。
【0016】
さらに、雌雄成形型1,2の前記キャビティ反対面の表面積は、該発泡樹脂成形品と接する面の表面積の1.06倍以上、好ましくは1.09倍以上とすることが好ましい。前記キャビティ反対面の表面積を上記範囲とすることで、熱交換効率が向上し、蒸気加熱工程及び冷却工程が短縮でき、成形サイクルを短縮できる。キャビティ反対面の表面積が発泡樹脂成形品に対する上記倍率を下回ると、熱交換効率が向上して蒸気加熱工程及び冷却工程が短縮できる効果が十分に得られず、従来品と大差ないものとなる。
【0017】
このように、本発明の発泡樹脂成形型は、雌雄成形型1,2のキャビティ反対面を、蒸気穴近傍部30,32と、該蒸気穴近傍部30,32よりも凹んだ薄肉部31,33とを有する構成としたので、蒸気穴近傍部30,32の機械強度を損なうことなく、雌雄成形型1,2の全質量を減じて熱容量を減少させることができる。したがって、加熱用の蒸気使用量を節減できると共に、成形型冷却時間を短縮し、成形サイクルを短縮できる。
【0018】
次に、上記成形装置Aを用い、発泡樹脂成形品を成形する要領について説明する。
まず、上述した通り構成された雌雄成形型1,2を型閉めし、雌雄成形型1,2の成形壁部8,9の対向面間にキャビティ7を形成する(型閉め工程)。
続いて、雌成形型1のフィラー弁を開放して発泡性樹脂粒子供給管を通じてキャビティ7内に発泡性樹脂粒子を供給、充填する(充填工程)。
【0019】
発泡性樹脂粒子は、発泡剤を含有させた合成樹脂粒子を予備発泡させて得られるものであり、この合成樹脂粒子を構成する合成樹脂としては、従来から発泡樹脂成形品製造のために用いられている樹脂材料の中から適宜選択して用いることができ、特に限定されず、例えば、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂等を挙げることができ、強度と成形性の良さからポリスチレン系樹脂が好ましい。
【0020】
また、上記発泡剤としては、沸点が合成樹脂の軟化点以下であって、常圧でガス状もしくは液状の有機化合物が適しており、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、シクロペンタン、シクロペンタジエン、ヘキサン、石油エーテル等の炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルエチルエーテル等の低沸点のエーテル化合物、炭酸ガス、窒素等の無機ガス等が用いられる。これらの発泡剤は、一種のみを使用してもよく、また、二種以上を併用してもよい。
発泡剤の含有率としては、合成樹脂粒子重量に対して1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%である。発泡剤の含有量が上記範囲を下回ると、発泡成形品の発泡倍率が不十分で軽量発泡体が得られない。一方、発泡剤の含有量が上記範囲を超えても、発泡倍率の更なる上昇は実質的に見込めず、また発泡が不安定になり好ましくない。
【0021】
充填工程の後、蒸気供給弁24a,25a及び蒸気排出弁26a,27aを開放して蒸気供給管24,25を通じて雌雄成形型1,2のチャンバー20,21内に蒸気を供給、充満させると共に、この蒸気を雌雄成形型1,2の蒸気排出管26,27を通じてチャンバー20,21内に流通させ、チャンバー20,21内を所定時間加熱する(型加熱工程)。その後、雄成形型2の蒸気供給弁25aを閉止すると共に雌成形型1の蒸気排出弁26aを閉止して、雌成形型1の蒸気供給管24を通じて雌成形型1のチャンバー20内に蒸気を供給し、この蒸気を、雌成形型1の蒸気穴22を通じてキャビティ7内に流入させて、発泡性樹脂粒子に接触、通過させ、発泡性樹脂粒子を加熱、発泡させた上で、雄成形型2の蒸気穴23を通じて雄成形型2のチャンバー21内に流入させた後、雄成形型2の蒸気排出管27を通じて外部に排出させる(一方加熱工程)。続いて、雄成形型2の蒸気供給弁25a及び雌成形型1の蒸気排出弁26aを開放する一方、雌成形型1の蒸気供給弁24a及び雄成形型2の蒸気排出弁27aを閉止して、雄成形型2の蒸気供給管25を通じて雄成形型2のチャンバー21内に蒸気を供給し、この蒸気を、雄成形型2の蒸気穴23を通じてキャビティ7内に流入させて発泡性樹脂粒子に接触、通過させ、発泡性樹脂粒子を加熱、発泡させた上で、雌成形型1の蒸気穴22を通じて雌成形型1のチャンバー20内に流入させた後、雌成形型1の蒸気排出管26を通じて外部に排出させる(逆一方加熱工程)。続いて、雌雄成形型1,2の蒸気供給弁24a,25aを共に開放状態とする一方、雌雄成形型1,2の蒸気排出弁26a,27aを共に閉止し、雌雄成形型1,2のチャンバー20,21内に蒸気供給管24,25を通じて蒸気を供給、充満させて、雌雄成形型1,2の成形壁部8,9を加熱してキャビティ7を加熱すると共に、チャンバー20,21内の蒸気を蒸気穴22,23を通じてキャビティ7内の発泡性樹脂粒子を加熱、発泡させて発泡樹脂成形品を作製する(両面加熱工程)。なお、上記型加熱工程〜両面加熱工程までの一連の工程をまとめて、加熱発泡工程と記す。
【0022】
次に、冷却工程に移り、雌雄成形型1,2の冷却媒体供給管(図示せず)を通じて冷却媒体をチャンバー20,21内に供給、流通させて、キャビティ7内の発泡樹脂成形品を冷却する。なお、冷却媒体としては、特に限定されず、冷却水、冷却エアー等が挙げられる。
【0023】
更に、この冷却媒体による冷却の後、真空ポンプを駆動させ、雌雄成形型1,2のチャンバー20,21内を吸引管28,29を通じて真空吸引して減圧状態とする。チャンバー20,21内とキャビティ7内とは蒸気穴22,23を通じて連通した状態となっていることから、真空ポンプによる真空吸引によって、発泡樹脂成形品のあるキャビティ7内も減圧状態となる。
【0024】
一方、発泡性樹脂粒子の加熱、発泡に用いられた蒸気は、冷却による温度低下に伴って凝縮、液化し、この凝縮水はキャビティ7内にある発泡樹脂成形品の表面及び内部に存在している。
【0025】
しかるに、この発泡樹脂成形品の表面及び内部に存在する凝縮水は上述のようにして減圧状態となることによって円滑に気化し、この凝縮水の気化熱によって発泡樹脂成形品が冷却されると共に、この気化した水分は直ちに真空ポンプによって吸引されて吸引管28,29を通じて外部に排出、除去される。
【0026】
このように、キャビティ7内の発泡樹脂成形品を、チャンバー20,21内を真空吸引によって発泡樹脂成形品表面及び内部に存在する凝縮水を減圧気化させ、この凝縮水の気化熱により冷却しており、よって、発泡樹脂成形品は短時間のうちに効果的に冷却される。また、上述の如く、発泡樹脂成形品の表面に付着した凝縮水及び発泡樹脂成形品内部に入り込んだ凝縮水を減圧気化させて強制的に吸引除去しており、含水率の低い発泡樹脂成形品を得ることができる。
【0027】
続いて、雌雄成形型1,2に配設された真空ポンプを停止させると共に吸引開閉弁28a,29aを閉止し、更に、雌雄成形型1,2の蒸気排出弁26a,27aを開放させて、雌雄成形型1,2のチャンバー20,21内の減圧状態を開放してチャンバー20,21内を大気圧とした上で、移動台4を固定台3に対して離間方向に移動させることによって雌雄成形型1,2を型開きし、雌成形型1に設けられた押出ピンを作動させてキャビティ7内の発泡樹脂成形品を離型させて取り出す(型開き工程)。
【0028】
そして、型閉め工程〜型開き工程を一連の成形工程とし、この成形工程を繰り返し行って発泡樹脂成形品を連続的に成形する。
【0029】
このように、キャビティ反対面に薄肉部31,33を設けた雌雄成形型1,2を備えた成形装置Aを用いて発泡樹脂成形品を作製することにより、従来品と同様の発泡樹脂成形品を、より少ない蒸気使用量とより短い製造サイクルで製造できる。すなわち、この雌雄成形型1,2は、蒸気穴近傍部30,32の機械強度を損なうことなく、薄肉部31,33の形成によって雌雄成形型1,2の全質量を減じて熱容量を減少させたので、加熱用の蒸気使用量を節減できると共に、成形型冷却時間を短縮し、成形サイクルを短縮できる。したがって、本発明によれば製造コストの安価な発泡樹脂成形品を提供できる。
【0030】
【実施例】
(実施例成形型)
図1及び図2に示すように、成形壁部8,9のキャビティ反対面に肉厚t2=8.0mmの蒸気穴近傍部30,32と、肉厚t1=6.0mmの薄肉部31,33を区画して形成した雄成形型(表1中では凸型と記す)と雌成形型(表1中では凹型と記す)を有する実施例成形型(材質:鋳物用アルミ合金AC−4A)を用い、外寸法の長さ(L)が400mm、幅(W)が300mm、高さ(H)が104mmで、内寸法の長さ(l)が360mm、幅(w)が260mm、高さ(h)が87mmの箱形の発泡樹脂成形品を作製した。この実施例成形型のキャビティ反対面の表面積は、発泡樹脂成形品と接する面の表面積の1.13倍であった。なお、発泡樹脂成形品と接する面(キャビティ7側の面)の表面積は、発泡樹脂成形品の表面積に等しいものである。
【0031】
(比較例成形型)
図3及び図4に示すように、成形壁部8,9の肉厚t2が一定(8mm)で薄肉部を設けていない雄成形型(表1中では凸型と記す)と雌成形型(表1中では凹型と記す)を有する比較例成形型(材質:鋳物用アルミ合金AC−4A)を用い、実施例成形型と同じく外寸法の長さ(L)が400mm、幅(W)が300mm、高さ(H)が104mmで、内寸法の長さ(l)が360mm、幅(w)が260mm、高さ(h)が87mmの箱形の発泡樹脂成形品を作製した。この比較例成形型のキャビティ反対面の表面積は、発泡樹脂成形品と接する面の表面積の1.03倍であった。なお、発泡樹脂成形品と接する面(キャビティ7側の面)の表面積は、発泡樹脂成形品の表面積に等しいものである。
【0032】
上記実施例成形型と比較例成形型の構造の詳細を表1に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0003837348
【0034】
これらの実施例成形型及び比較例成形型を用い、発泡剤を含むポリスチレン樹脂粒子(積水化成品社製、商品名「エスレンビーズHDM」)を嵩倍率60倍に予備発泡させた発泡性樹脂粒子を用いて発泡樹脂成形品をそれぞれ作製した。それぞれの成形型について成形条件を変えて、表2に示す実施例1〜3(実施例成形型を使用)、比較例1〜3(比較例成形型を使用)それぞれの条件で成形を行い、それぞれの蒸気使用量と成形品の融着率を測定し、その結果を表2に記す。
【0035】
【表2】
Figure 0003837348
【0036】
上記成形は次の1〜9に記した通りの一般的な工程を経て行った。
1.まず凹凸型(雌雄成形型)を型閉めし、この凹凸型の成形壁部の対向面によってキャビティを形成する。(型閉め工程)
2.型閉め工程の後、凹型のフィラー弁を開放して発泡性樹脂粒子供給管を通してキャビティ内に発泡性樹脂粒子を供給、充填する。(充填工程)
3.凹凸型の蒸気供給弁を開放、凹凸型のドレン弁を開放し、凹凸型のチャンバー内に蒸気を流す。(金型加熱工程)
4.凹型の蒸気供給弁を開放、ドレン弁を閉じ、凸型の蒸気供給弁を閉じ、ドレン弁を開放し、キャビティ内に蒸気を通し、発泡性樹脂粒子内を加熱する。この時凹型内の圧力が規定値に達するまで加熱を行う。(一方加熱工程)
5.凸型の蒸気供給弁を開放、ドレン弁を閉じ、凹型の蒸気供給弁を閉じ、ドレン弁を開放し、キャビティ内に蒸気を通し、発泡性樹脂粒子内を一方加熱とは逆の方向から加熱する。(逆一方加熱工程)
6.凹凸型の蒸気供給弁を開放、凹凸型のドレン弁を閉じ、凹凸型のチャンバー内を規定値で加圧する。(両面加熱工程)
7.チャンバー内に設置した配管を通して、冷却水を凹凸型にかけて、凹凸型を冷却する。(水冷工程)
8.真空ポンプを駆動させてチャンバー内を吸引し、凹凸型に付着した水分を蒸発させて、潜熱を奪い凹凸型を冷却する。この際、発泡圧が規定値に達するまでチャンバー内を吸引する。(放冷工程)
9.凹凸型を開き、離型ピンを駆動させて成形品を取り出す。
【0037】
実施例1〜3、比較例1〜3で成形した製品を見比べると、表面の光沢は区別が付かず、製品を割って発泡性樹脂粒子どうしの融着率を測定した結果、表2中に記した通り、実施例と比較例の製品の融着率はほぼ同等であった。
ここで、融着率とは成形品の破断面において、発泡粒子が材料破壊している粒子数と界面破壊(剥離)している粒子数との合計を分母とし、材料破壊している粒子数を分子としてパーセンテージで表したものを言う。
【0038】
成形型の重量を比較例成形型の26.5kgから実施例成形型の21.85kgに17.5%軽量化することで一方加熱時間を短縮することができた(表2参照)。
【0039】
実施例成形型と比較例成形型のそれぞれの放冷時の蒸気室内の圧力降下速度を測定した結果を図5に、また放冷時の蒸気室圧力の変化を測定した結果を図6に示す。なお、冷却工程は面圧0.028MPaで終了させている。
これらの図から判るように、実施例成形型では、成形型のキャビティ反対面の表面積が大きいので、蒸発潜熱により奪われる熱量が多く、さらに成形型の熱容量も少ないため、面圧降下速度が大きく、その結果放冷工程時間を短縮することができた。図6に示す通り、実施例成形型では放冷時間はほぼ100〜120秒で終了できるのに対し、比較例成形型はバラツキが大きく、終了までに150〜250秒かかった。
【0040】
良品を得られる条件(実施例1)から両面加熱時間を短くし、製品の融着率を落とし、蒸気使用量と融着率の関係と、蒸気圧を落として蒸気使用量と融着の関係を調べ、結果を図7に示す。図7の結果から、実施例成形型は比較例成形型に比べて蒸気使用量が少なくても高い融着率が得られる傾向にあることが判明し、また実施例成形型の蒸気使用量は比較例の88〜90%でも良品が得られることが判った。
【0041】
また良品を得られる条件において、実施例成形型を用いた成形サイクルは、比較例成形型を用いた成形サイクルの61.3〜63.6%で成形ができ、生産性を上げることができる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明に係る発泡樹脂成形型は、第1の成形型と第2の成形型の少なくとも一方の前記発泡樹脂成形品と接する面と反対側の面が、蒸気穴近傍部と、該蒸気穴近傍部よりも凹んだ薄肉部とを有する構成としたので、蒸気穴近傍部の機械強度を損なうことなく、成形型の全質量を減じて熱容量を減少させることができる。したがって、加熱用の蒸気使用量を節減できると共に、成形型冷却時間を短縮し、成形サイクルを短縮できる。
また本発明によれば、この発泡樹脂成形型を用いて製造コストを低減し、安価な発泡樹脂成形品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る発泡樹脂成形型を備えた成形装置の一例を示す該装置の概略断面図である。
【図2】 図1の成形型の要部拡大断面図である。
【図3】 従来の発泡樹脂成形型(比較例成形型)を備えた成形装置の一例を示す該装置の概略断面図である。
【図4】 図3の成形型の要部拡大断面図である。
【図5】 実施例の結果として、放冷工程での面圧降下比較結果を示すグラフである。
【図6】 同じく放冷時の蒸気室圧力比較結果を示すグラフである。
【図7】 使用蒸気量と融着率との関係を調べた試験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 雌成形型(第1の成形型)
2 雄成形型(第2の成形型)
7 キャビティ
22,23 蒸気穴
30,32 蒸気穴近傍部
31,33 薄肉部
A 成形装置

Claims (4)

  1. 複数の蒸気穴が設けられた第1の成形型と第2の成形型とを備え、これら第1と第2の成形型を合わせて形成されるキャビティに発泡性樹脂粒子を充填し、前記複数の蒸気穴を介して該発泡性樹脂粒子に蒸気を接触させ、発泡樹脂成形品を作製する発泡樹脂成形型において、
    前記第1の成形型と第2の成形型の少なくとも一方の前記発泡樹脂成形品と接する面と反対側の面が、蒸気穴近傍部と、該蒸気穴近傍部よりも凹んだ薄肉部とを有することを特徴とする発泡樹脂成形型。
  2. 前記薄肉部の肉厚が、前記蒸気穴近傍部の肉厚の40〜90%の範囲である請求項1に記載の発泡樹脂成形型。
  3. 前記第1の成形型と第2の成形型の前記発泡樹脂成形品と接する面と反対側の面の表面積が、該発泡樹脂成形品と接する面の表面積の1.06倍以上である請求項1または2に記載の発泡樹脂成形型。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載した発泡樹脂成形型を用い、第1の成形型と第2の成形型を合わせて形成されるキャビティに発泡性樹脂粒子を充填し、複数の蒸気穴を介して該発泡性樹脂粒子に蒸気を接触させることによって発泡樹脂成形品を得ることを特徴とする発泡樹脂成形品の製造方法
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