JP3837237B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りラジアルタイヤに関し、更に詳しくは、生産性を高めながら、ベルト層の高速耐久性とユニフォミティとを一層向上するようにした空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、空気入りラジアルタイヤのベルト層は、複数本の引き揃えられた補強コードに未加硫ゴムを含浸するようにカレンダー処理した帯状体をバイアスカットし、このバイアスカットされた帯片を接合して長尺のベルト材として巻き取り、これを使用時に巻き出してベルト層の長さに切断し、台タイヤ外周に端部同士が一部オーバーラップするように接合させて巻き付けるようにして少なくとも2層のベルト層が配置され、補強コードが層間で互いに交差するようになっている。
【0003】
しかし、このように構成されたベルト層は、ベルト層の両端部に補強コードの切断端が形成されるため、コードとゴムとが接着されていない部分が存在し、また、層間剪断歪みも大きく、しかも高速走行時にはベルト層両端部に遠心力による外側へのせり上がり現象が発生するので、ベルト層のエッジにセパレーションを招き易く、高速耐久性が劣る。
【0004】
従来、上記対策として、例えば、複数本の引き揃えられた補強コードをゴム引きしたストリップ材をトレッド両端部で折り返しながら偏平螺旋状に連続してタイヤ周方向に巻き付けて、タイヤ幅方向横断面を偏平ループ状にしたベルト層を形成する技術の提案がある。このようにストリップ材を連続的に巻回して偏平ループ状のベルト層を構成することにより、補強コードの切断端がベルト層端に形成されず、層間剪断歪みも小さく、しかも高速走行時のせり上がり現象を抑えることができるので、高速耐久性を改善することができると共に、ユニフォミティの向上もできる。また、カレンダー工程を不要とするので、生産性の向上を図ることができる。
【0005】
ところで、近年、高性能な空気入りタイヤにおいて、高速耐久性やユニフォミティの一層の改善が求められている。また、上記のようなストリップ材を使用する場合にも、ストリップ材端部には補強コードの切断端が存在するので、そのスプライス部の構成如何によってはセパレーションが発生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ゴム引きした補強コードを使用してベルト層を形成した際の高速耐久性とユニフォミティの一層の向上を可能にする空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
本発明の他の目的は、ゴム引きした補強コードを使用してベルト層を形成した際の生産性を一層向上することが可能な空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、トレッド部のカーカス層外周に、隣接する3〜10本のゴム引きした補強コードを1組とする少なくとも3組のゴム引きコード群をタイヤ周方向に傾斜させると共にショルダー部で折り返しながら連続して巻回させ、タイヤ幅方向横断面で偏平ループ状かまたは偏平S字状若しくはZ字状に形成したベルト層を埋設し、かつ前記少なくとも3組のゴム引きコード群の巻始め端部及び巻終わり端部よりなるスプライス部を前記ベルト層の端部よりタイヤ幅方向内側に位置させると共にタイヤ周方向に分散させたことを特徴とする。
【0008】
このようにゴム引きコード群をタイヤ周方向に傾斜させながら、かつショルダー部で折り返しながらカーカス層外周に連続して巻き付けてベルト層を形成する場合、隣接する3〜10本のゴム引きした補強コードを1組のゴム引きコード群とし、それを少なくとも3組用いてそのスプライス部をベルト層端よりタイヤ幅方向内側に配しつつタイヤ周方向で分散させるので、ベルト剛性の不連続点における剛性変化をタイヤ周方向においてなだらかにし、高速耐久性とユニフォミティを一層改善することが可能になる。また、カレンダー工程が不要であり、しかも、ゴム引きコード群を少なくとも3箇所から同時に巻き付けて成形することができるので、生産性を著しく向上することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の空気入りラジアルタイヤの一例をタイヤ赤道線CLから片側だけを半断面にして示す。1はトレッド部、2はビード部、3はサイドウォール部である。タイヤ内側にカーカス層4が1層配置され、その両端部4aが左右のビード部2に配設したビードコア5の周りにビードフィラー6を挟み込むようにしてタイヤ内側から外側に折り返されている。トレッド部1のカーカス層外周には、補強コードfが層間で互いにタイヤ周方向Tに対する傾斜方向を逆向きにして交差するようにした2層のベルト層7が埋設されている。
【0010】
このベルト層7は、隣接する5本のゴム引きした補強コードfを1組とする3組のゴム引きコード群S1,S2,S3を、図2のようにタイヤ周方向Tに傾斜させると共にショルダー部で図3(a)のように折り返しながら偏平螺旋状に連続して巻回して、タイヤ幅方向横断面が図3(b)に示すように偏平ループ状に形成されている。ゴム引きコード群S1,S2,S3のスプライス部S1a, S2a, S3aは、図2に示すようにベルト層両端xよりタイヤ幅方向内側に位置すると共にタイヤ周方向に略120°間隔で均等的に分散させた構成になっている。
【0011】
上記のようなベルト層7は、例えば、加硫前のグリーンタイヤ成形時に、図4(a)に示すように、各1本の補強コード毎に未加硫ゴムによりゴム引きされた5本のストリップ材Sc 〜Sg を1組とするゴム引きコード群Sを、未加硫のカーカス層4上にその巻始め端部Sx をベルト層端位置からタイヤ幅方向内側に離間させると共に、図4(b)に示すように、周上で略120°づつずらした3箇所の位置M,N,Oからそれぞれ図4(a)のようにして各ストリップ材Sc 〜Sg を偏平螺旋状となるように折り返しながらタイヤ周方向に連続して密接するように巻き回し、巻始め端部Sx と巻終わり端部Sy とを図2のようにスプライスして形成することができる。
【0012】
このようにベルト層7をタイヤ周方向Tに傾斜し、かつショルダー部で折り返しながら連続して巻回される3組のゴム引きコード群S1,S2,S3から構成し、そのスプライス部S1a, S2a, S3aをベルト層端xよりタイヤ幅方向内側に位置させながら、タイヤ周上に分散させたので、タイヤ周方向におけるベルト剛性を1箇所で急激に突出するようにせずに、なだらかに分散させることができるため、高速耐久性とユニフォミティの一層の向上ができる。また、ゴム引きコード群S1,S2,S3を3箇所から同時に巻き付けることができるので、生産性を大幅に改善することも可能になり、更に、1本の補強コードをゴム引きしたストリップ材Sc 〜Sg を用いて1組のゴム引きコード群Sを構成することにより、カーカス層4上に直接巻回させてベルト層にすることができるので、生産性を更に向上することができる。
【0013】
図5〜7は、本発明の空気入りラジアルタイヤに用いられるベルト層の他の例を示す。このベルト層7では、隣接する8本のゴム引きした補強コードfを1組とする3組のゴム引きコード群S1,S2,S3を、図5のようにタイヤ周方向Tに傾斜させると共にショルダー部で図6(a)のようにタイヤ外側に折り返しながらジグザグ状に連続してタイヤ周方向Tに巻回し、タイヤ幅方向横断面で偏平S字状若しくはZ字状(図6(b))にした構造になっている。ゴム引きコード群S1,S2,S3の巻始め端部Sx と巻終わり端部Sy は、図7に示すように、ゴム引きコード群を介して外周側と内周側に分かれて配置されている。
【0014】
このようなベルト層7は、例えば、加硫前のグリーンタイヤ成形時に、図8に示すように、各1本の補強コード毎に未加硫ゴムによりゴム引きされた8本のストリップ材Sc 〜Sj を1組とするゴム引きコード群Sを、未加硫のカーカス層上にその巻始め端部Sx をベルト層端位置からタイヤ幅方向内側に離間させると共に、周上で略120°づつずらした3箇所の位置からそれぞれ図のようにして各ストリップ材Sc 〜Sg を順次外側へ折り返しながらタイヤ周方向に連続して密接するように巻き回し、巻始め端部Sx と巻終わり端部Sy とを図5のようにスプライスして形成することができる。
【0015】
このように端部同志が内側と外側に位置するゴム引きコード群S1,S2,S3のスプライス部S1a, S2a, S3aを、上述と同様に、ベルト層両端xよりタイヤ幅方向内側に配設し、かつタイヤ周方向で均等的に分散することによっても、上記と同様の効果を奏することができる。
【0016】
本発明において、ゴム引きコード群S1,S2,S3の巻始め端部Sx と巻終わり端部Sy とは、図2,5に示すように、ジグザグ状に形成され、カーカス層外周に投影したとき互いに凹凸状に噛み合う突き合わせ状にするのが好ましい。このようにオーバーラップさせずに突き合わせ状に接合することにより、ユニフォミティを更に向上することができる。また、凹凸状にして噛み合う突き合わせ形状にすることで、スプライス部におけるゴム引きコード群の補強コード端末を巻き付け方向前後に分散させることができて応力集中を低減させることができるので、スプライス部で破壊が進行するのを遅くさせ、タイヤの耐久性を向上することができる。
【0017】
各ゴム引きコード群Sのジグザグ状に形成された巻始め端部Sx と巻終わり端部Sy は、図9に示すように、双方の凹凸突き合わせ部の頂点について、連続して隣り合う3個の頂点P,Q,R間を直線で結ぶ2本の線分PQ,QRがなす角度θが0°<θ<135°となるようにするのが好ましい。図では、ジグザグ状の両端部Sx ,Sy に複数の凹部がそれぞれ形成されており、その複数の凹部の角度θを上記の範囲にすることが望ましい。角度θが135°を越えると、タイヤの耐久性を効果的に高めることが困難になる。
【0018】
また、角度θを上記の範囲に規制したスプライス部Sa において、凹凸突き合わせ部頂点間を結ぶ線分の内、最短の距離L(mm)を補強コードfの直径d(mm)に対してL>30dの関係にするのがよい。距離Lが30d以下になると、応力を効果的に分散することが難しくなる。上限値としては、スプライス精度の観点から200d以下にすることが好ましい。なお、図9では、図2におけるスプライス部を示しているが、図5のようなスプライス部の構造であっても、角度θと距離Lは同様にすることができる。
【0019】
上記実施形態では、ゴム引きコード群S1,S2,S3の巻始め端部Sx と巻終わり端部Sy はジグザグ状に形成されているが、それに代えて曲線状の波型形状や曲線とジグザグ線とを組み合わせたものであってもよく、凹凸形状で噛み合うような突き合わせ状となるものであればよい。
また、ゴム引きコード群S1,S2,S3のスプライス部S1a, S2a, S3aに位置する補強コード端末fa は、タイヤ赤道線CLから左右にベルト幅Wの35%以内の範囲Z内に配置するのが好ましく、更に、それらのスプライス部S1a, S2a, S3aをタイヤ幅方向において略均等に分散させるのが、高速耐久性を向上する上で望ましい。
【0020】
ベルト層7の補強コードとしては、スチールコードを好ましく用いることができるが、それに限定されず、従来のベルト層に用いられている公知の高強度、高弾性率のコードも使用可能である。例えば、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール(PBO)繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維等の引張弾性率1500kgf/mm2 以上の有機繊維コードを好ましく使用することができる。
【0021】
ベルト層7の補強コードfのタイヤ周方向Tに対する角度としては、15〜45°の範囲にするのが好ましい。
本発明では、1組のゴム引きコード群を構成する隣接するゴム引きした補強コードの本数として、上記実施形態では5本と8本の例を挙げたが、隣接する3〜10本のゴム引きした補強コードを1組のゴム引きコード群とすることができる。ゴム引きした補強コードが3本未満では生産性を大きく向上することができず、逆に10本を越えると、1個所当たりのスプライス本数が多くなるため、ベルト強度の観点から好ましくない。
【0022】
また、ゴム引きコード群Sは上述した3組に限定されず、それ以上の使用も可能であり、スプライス部を周上に効果的に分散させる点から、少なくとも3組あればよい。上限値としては、ベルト強度の観点から6組にすることが好ましい。上述した実施形態では、ベルト層7の層数を2層にした例を示したが、それに限定されず、偶数層であればよい。
【0023】
【実施例】
実施例1
タイヤサイズを195/70R14で共通にし、図1の構成の空気入りタイヤにおいて、ベルト層のゴム引きコード群の数を3組、各ゴム引きコード群の補強コード本数を5本、スプライス部を120°間隔でタイヤ周方向に分散した図2と図5に示すベルト構造の本発明タイヤ1,2、本発明タイヤ1において、ベルト層を補強コードの切断端をベルトエッジに有する2層のベルト層を各端部同志をオーバーラップさせて接合する構成にした従来タイヤ1、及び本発明タイヤ1において、ベルト層を5本の引き揃えられた補強コードをゴム引きした1本のストリップ材を用いて構成にした従来タイヤ2とをそれぞれ作製した。
【0024】
各試験タイヤにおいて、ベルト層の補強コードには、1×5×0.25構造でコード径が0.65mmのスチールコードを使用し、そのエンド数は36本/50mmで共通である。
本発明タイヤ1,2において、各ゴム引きコード群の巻始め端部と巻終わり端部はジグザグ状に形成され、その双方の凹凸突き合わせ部の頂点について、連続して隣り合う3個の頂点P,Q,R間を直線で結ぶ2本の線分PQ,QRがなす角度θは120°、距離Lは20mmである。また、各ゴム引きコード群のスプライス部の補強コード端末はタイヤ赤道線から左右にベルト幅の35%以内に配置され、かつスプライス部をタイヤ幅方向において均等に分散させた構成にしている。
【0025】
これら各試験タイヤをリムサイズ14×6JJのリムに装着し、以下に示す測定条件により、ユニフォミティ、水圧耐久性、高速耐久性、生産性の評価試験を行ったところ、表1に示す結果を得た。
ユニフォミティ
JASO C607の試験方法に準拠して実施し、その結果を従来タイヤ1を100とする指数値で評価した。この値が大きい程、ユニフォミティが優れている。
【0026】
水圧耐久性
各試験タイヤを水圧により内圧200kPa まで上昇させ、15分間保持する。その後150kPa/min.で水圧により昇圧し、タイヤが破壊するまでの圧力を測定し、その結果を従来タイヤ1を100とする指数値で評価した。この値が大きい程、タイヤ耐久性が高い。
【0027】
高速耐久性
各試験タイヤの空気圧を220kPa にして、ドラム試験機に取り付け、JISD−4230,JIS高速耐久性試験終了後、30分毎に10km/hr 加速して、タイヤが破壊するまでの走行距離を測定し、その結果を従来タイヤ1を100とする指数値で評価した。この値が大きい程、高速耐久性が優れている。
生産性
各試験タイヤの生産時間を測定し、その結果を従来タイヤ1を100とする指数値で評価した。この値が大きい程、生産性が優れている。
【0028】
【表1】
【0029】
表1から明らかなように、本発明タイヤ1,2は、生産性を大幅に高めながら、高速耐久性とユニフォミティを一層向上できることが判る。
実施例2
タイヤサイズを上記と同じにし、実施例1の本発明タイヤ2において、ベルト層の各ゴム引きコード群の補強コード本数を表2のように変えた本発明タイヤ3〜5と比較タイヤ1,2とをそれぞれ作製した。
【0030】
これら各試験タイヤを実施例1と同じリムサイズのリムに装着し、上記に示す測定条件により、ユニフォミティ、水圧耐久性、高速耐久性、生産性の評価試験を行ったところ、表2に示す結果を得た。
【0031】
【表2】
【0032】
表2から、各ゴム引きコード群の補強コード本数を3本未満にした比較タイヤ1は、生産性が110よりも低く、大幅に改善することが困難であり、逆に10本を越えた比較タイヤ2は、水圧耐久性に劣り、各ゴム引きコード群の補強コード本数を3〜10本の範囲内にした本発明タイヤは、生産性を大きく改善しながら、高速耐久性とユニフォミティを向上できることが判る。
【0033】
【発明の効果】
上述したように本発明は、ゴム引きした補強コードを使用してベルト層を形成する場合、隣接する3〜10本のゴム引きした補強コードを1組とする少なくとも3組のゴム引きコード群を用いてそのスプライス部をベルト層端よりタイヤ幅方向内側に位置させながらタイヤ周上で分散させたので、ベルト剛性の不連続点をなだらかにすることができ、生産性を大幅に改善しながら、高速耐久性とユニフォミティを一層向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りラジアルタイヤの一例を示すタイヤ子午線半断面図である。
【図2】図1のベルト層を示す要部展開図である。
【図3】(a)は図2のベルト層におけるゴム引きコード群の折り返し状態を示す説明図、(b)はX−X矢視図である。
【図4】(a),(b)は図2のベルト層の作り方の一例を示す説明図である。
【図5】図1のベルト層の他の例を示す要部展開図である。
【図6】 (a)は図5のベルト層におけるゴム引きコード群の折り返し状態を示す説明図、(b)はY−Y矢視図である。
【図7】図5のスプライス部の一つを示す拡大断面図である
【図8】図5のベルト層の作り方の一例を示す説明図である。
【図9】図2のベルト層のゴム引きコード群におけるスプライス部の拡大図である。
【符号の説明】
1 トレッド部 2 ビード部
3 サイドウォール部 4 カーカス層
5 ビードコア 6 ビードフィラー
7 ベルト層 CL タイヤセンターライン
S,S1,S2,S3 ゴム引きコード群
Sa,S1a, S2a, S3a スライス部 Sx 巻始め端部
Sy 巻終わり端部 T タイヤ周方向
f 補強コード fa 補強コード端末
x ベルト層端
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りラジアルタイヤに関し、更に詳しくは、生産性を高めながら、ベルト層の高速耐久性とユニフォミティとを一層向上するようにした空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、空気入りラジアルタイヤのベルト層は、複数本の引き揃えられた補強コードに未加硫ゴムを含浸するようにカレンダー処理した帯状体をバイアスカットし、このバイアスカットされた帯片を接合して長尺のベルト材として巻き取り、これを使用時に巻き出してベルト層の長さに切断し、台タイヤ外周に端部同士が一部オーバーラップするように接合させて巻き付けるようにして少なくとも2層のベルト層が配置され、補強コードが層間で互いに交差するようになっている。
【0003】
しかし、このように構成されたベルト層は、ベルト層の両端部に補強コードの切断端が形成されるため、コードとゴムとが接着されていない部分が存在し、また、層間剪断歪みも大きく、しかも高速走行時にはベルト層両端部に遠心力による外側へのせり上がり現象が発生するので、ベルト層のエッジにセパレーションを招き易く、高速耐久性が劣る。
【0004】
従来、上記対策として、例えば、複数本の引き揃えられた補強コードをゴム引きしたストリップ材をトレッド両端部で折り返しながら偏平螺旋状に連続してタイヤ周方向に巻き付けて、タイヤ幅方向横断面を偏平ループ状にしたベルト層を形成する技術の提案がある。このようにストリップ材を連続的に巻回して偏平ループ状のベルト層を構成することにより、補強コードの切断端がベルト層端に形成されず、層間剪断歪みも小さく、しかも高速走行時のせり上がり現象を抑えることができるので、高速耐久性を改善することができると共に、ユニフォミティの向上もできる。また、カレンダー工程を不要とするので、生産性の向上を図ることができる。
【0005】
ところで、近年、高性能な空気入りタイヤにおいて、高速耐久性やユニフォミティの一層の改善が求められている。また、上記のようなストリップ材を使用する場合にも、ストリップ材端部には補強コードの切断端が存在するので、そのスプライス部の構成如何によってはセパレーションが発生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ゴム引きした補強コードを使用してベルト層を形成した際の高速耐久性とユニフォミティの一層の向上を可能にする空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
本発明の他の目的は、ゴム引きした補強コードを使用してベルト層を形成した際の生産性を一層向上することが可能な空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、トレッド部のカーカス層外周に、隣接する3〜10本のゴム引きした補強コードを1組とする少なくとも3組のゴム引きコード群をタイヤ周方向に傾斜させると共にショルダー部で折り返しながら連続して巻回させ、タイヤ幅方向横断面で偏平ループ状かまたは偏平S字状若しくはZ字状に形成したベルト層を埋設し、かつ前記少なくとも3組のゴム引きコード群の巻始め端部及び巻終わり端部よりなるスプライス部を前記ベルト層の端部よりタイヤ幅方向内側に位置させると共にタイヤ周方向に分散させたことを特徴とする。
【0008】
このようにゴム引きコード群をタイヤ周方向に傾斜させながら、かつショルダー部で折り返しながらカーカス層外周に連続して巻き付けてベルト層を形成する場合、隣接する3〜10本のゴム引きした補強コードを1組のゴム引きコード群とし、それを少なくとも3組用いてそのスプライス部をベルト層端よりタイヤ幅方向内側に配しつつタイヤ周方向で分散させるので、ベルト剛性の不連続点における剛性変化をタイヤ周方向においてなだらかにし、高速耐久性とユニフォミティを一層改善することが可能になる。また、カレンダー工程が不要であり、しかも、ゴム引きコード群を少なくとも3箇所から同時に巻き付けて成形することができるので、生産性を著しく向上することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の空気入りラジアルタイヤの一例をタイヤ赤道線CLから片側だけを半断面にして示す。1はトレッド部、2はビード部、3はサイドウォール部である。タイヤ内側にカーカス層4が1層配置され、その両端部4aが左右のビード部2に配設したビードコア5の周りにビードフィラー6を挟み込むようにしてタイヤ内側から外側に折り返されている。トレッド部1のカーカス層外周には、補強コードfが層間で互いにタイヤ周方向Tに対する傾斜方向を逆向きにして交差するようにした2層のベルト層7が埋設されている。
【0010】
このベルト層7は、隣接する5本のゴム引きした補強コードfを1組とする3組のゴム引きコード群S1,S2,S3を、図2のようにタイヤ周方向Tに傾斜させると共にショルダー部で図3(a)のように折り返しながら偏平螺旋状に連続して巻回して、タイヤ幅方向横断面が図3(b)に示すように偏平ループ状に形成されている。ゴム引きコード群S1,S2,S3のスプライス部S1a, S2a, S3aは、図2に示すようにベルト層両端xよりタイヤ幅方向内側に位置すると共にタイヤ周方向に略120°間隔で均等的に分散させた構成になっている。
【0011】
上記のようなベルト層7は、例えば、加硫前のグリーンタイヤ成形時に、図4(a)に示すように、各1本の補強コード毎に未加硫ゴムによりゴム引きされた5本のストリップ材Sc 〜Sg を1組とするゴム引きコード群Sを、未加硫のカーカス層4上にその巻始め端部Sx をベルト層端位置からタイヤ幅方向内側に離間させると共に、図4(b)に示すように、周上で略120°づつずらした3箇所の位置M,N,Oからそれぞれ図4(a)のようにして各ストリップ材Sc 〜Sg を偏平螺旋状となるように折り返しながらタイヤ周方向に連続して密接するように巻き回し、巻始め端部Sx と巻終わり端部Sy とを図2のようにスプライスして形成することができる。
【0012】
このようにベルト層7をタイヤ周方向Tに傾斜し、かつショルダー部で折り返しながら連続して巻回される3組のゴム引きコード群S1,S2,S3から構成し、そのスプライス部S1a, S2a, S3aをベルト層端xよりタイヤ幅方向内側に位置させながら、タイヤ周上に分散させたので、タイヤ周方向におけるベルト剛性を1箇所で急激に突出するようにせずに、なだらかに分散させることができるため、高速耐久性とユニフォミティの一層の向上ができる。また、ゴム引きコード群S1,S2,S3を3箇所から同時に巻き付けることができるので、生産性を大幅に改善することも可能になり、更に、1本の補強コードをゴム引きしたストリップ材Sc 〜Sg を用いて1組のゴム引きコード群Sを構成することにより、カーカス層4上に直接巻回させてベルト層にすることができるので、生産性を更に向上することができる。
【0013】
図5〜7は、本発明の空気入りラジアルタイヤに用いられるベルト層の他の例を示す。このベルト層7では、隣接する8本のゴム引きした補強コードfを1組とする3組のゴム引きコード群S1,S2,S3を、図5のようにタイヤ周方向Tに傾斜させると共にショルダー部で図6(a)のようにタイヤ外側に折り返しながらジグザグ状に連続してタイヤ周方向Tに巻回し、タイヤ幅方向横断面で偏平S字状若しくはZ字状(図6(b))にした構造になっている。ゴム引きコード群S1,S2,S3の巻始め端部Sx と巻終わり端部Sy は、図7に示すように、ゴム引きコード群を介して外周側と内周側に分かれて配置されている。
【0014】
このようなベルト層7は、例えば、加硫前のグリーンタイヤ成形時に、図8に示すように、各1本の補強コード毎に未加硫ゴムによりゴム引きされた8本のストリップ材Sc 〜Sj を1組とするゴム引きコード群Sを、未加硫のカーカス層上にその巻始め端部Sx をベルト層端位置からタイヤ幅方向内側に離間させると共に、周上で略120°づつずらした3箇所の位置からそれぞれ図のようにして各ストリップ材Sc 〜Sg を順次外側へ折り返しながらタイヤ周方向に連続して密接するように巻き回し、巻始め端部Sx と巻終わり端部Sy とを図5のようにスプライスして形成することができる。
【0015】
このように端部同志が内側と外側に位置するゴム引きコード群S1,S2,S3のスプライス部S1a, S2a, S3aを、上述と同様に、ベルト層両端xよりタイヤ幅方向内側に配設し、かつタイヤ周方向で均等的に分散することによっても、上記と同様の効果を奏することができる。
【0016】
本発明において、ゴム引きコード群S1,S2,S3の巻始め端部Sx と巻終わり端部Sy とは、図2,5に示すように、ジグザグ状に形成され、カーカス層外周に投影したとき互いに凹凸状に噛み合う突き合わせ状にするのが好ましい。このようにオーバーラップさせずに突き合わせ状に接合することにより、ユニフォミティを更に向上することができる。また、凹凸状にして噛み合う突き合わせ形状にすることで、スプライス部におけるゴム引きコード群の補強コード端末を巻き付け方向前後に分散させることができて応力集中を低減させることができるので、スプライス部で破壊が進行するのを遅くさせ、タイヤの耐久性を向上することができる。
【0017】
各ゴム引きコード群Sのジグザグ状に形成された巻始め端部Sx と巻終わり端部Sy は、図9に示すように、双方の凹凸突き合わせ部の頂点について、連続して隣り合う3個の頂点P,Q,R間を直線で結ぶ2本の線分PQ,QRがなす角度θが0°<θ<135°となるようにするのが好ましい。図では、ジグザグ状の両端部Sx ,Sy に複数の凹部がそれぞれ形成されており、その複数の凹部の角度θを上記の範囲にすることが望ましい。角度θが135°を越えると、タイヤの耐久性を効果的に高めることが困難になる。
【0018】
また、角度θを上記の範囲に規制したスプライス部Sa において、凹凸突き合わせ部頂点間を結ぶ線分の内、最短の距離L(mm)を補強コードfの直径d(mm)に対してL>30dの関係にするのがよい。距離Lが30d以下になると、応力を効果的に分散することが難しくなる。上限値としては、スプライス精度の観点から200d以下にすることが好ましい。なお、図9では、図2におけるスプライス部を示しているが、図5のようなスプライス部の構造であっても、角度θと距離Lは同様にすることができる。
【0019】
上記実施形態では、ゴム引きコード群S1,S2,S3の巻始め端部Sx と巻終わり端部Sy はジグザグ状に形成されているが、それに代えて曲線状の波型形状や曲線とジグザグ線とを組み合わせたものであってもよく、凹凸形状で噛み合うような突き合わせ状となるものであればよい。
また、ゴム引きコード群S1,S2,S3のスプライス部S1a, S2a, S3aに位置する補強コード端末fa は、タイヤ赤道線CLから左右にベルト幅Wの35%以内の範囲Z内に配置するのが好ましく、更に、それらのスプライス部S1a, S2a, S3aをタイヤ幅方向において略均等に分散させるのが、高速耐久性を向上する上で望ましい。
【0020】
ベルト層7の補強コードとしては、スチールコードを好ましく用いることができるが、それに限定されず、従来のベルト層に用いられている公知の高強度、高弾性率のコードも使用可能である。例えば、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール(PBO)繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維等の引張弾性率1500kgf/mm2 以上の有機繊維コードを好ましく使用することができる。
【0021】
ベルト層7の補強コードfのタイヤ周方向Tに対する角度としては、15〜45°の範囲にするのが好ましい。
本発明では、1組のゴム引きコード群を構成する隣接するゴム引きした補強コードの本数として、上記実施形態では5本と8本の例を挙げたが、隣接する3〜10本のゴム引きした補強コードを1組のゴム引きコード群とすることができる。ゴム引きした補強コードが3本未満では生産性を大きく向上することができず、逆に10本を越えると、1個所当たりのスプライス本数が多くなるため、ベルト強度の観点から好ましくない。
【0022】
また、ゴム引きコード群Sは上述した3組に限定されず、それ以上の使用も可能であり、スプライス部を周上に効果的に分散させる点から、少なくとも3組あればよい。上限値としては、ベルト強度の観点から6組にすることが好ましい。上述した実施形態では、ベルト層7の層数を2層にした例を示したが、それに限定されず、偶数層であればよい。
【0023】
【実施例】
実施例1
タイヤサイズを195/70R14で共通にし、図1の構成の空気入りタイヤにおいて、ベルト層のゴム引きコード群の数を3組、各ゴム引きコード群の補強コード本数を5本、スプライス部を120°間隔でタイヤ周方向に分散した図2と図5に示すベルト構造の本発明タイヤ1,2、本発明タイヤ1において、ベルト層を補強コードの切断端をベルトエッジに有する2層のベルト層を各端部同志をオーバーラップさせて接合する構成にした従来タイヤ1、及び本発明タイヤ1において、ベルト層を5本の引き揃えられた補強コードをゴム引きした1本のストリップ材を用いて構成にした従来タイヤ2とをそれぞれ作製した。
【0024】
各試験タイヤにおいて、ベルト層の補強コードには、1×5×0.25構造でコード径が0.65mmのスチールコードを使用し、そのエンド数は36本/50mmで共通である。
本発明タイヤ1,2において、各ゴム引きコード群の巻始め端部と巻終わり端部はジグザグ状に形成され、その双方の凹凸突き合わせ部の頂点について、連続して隣り合う3個の頂点P,Q,R間を直線で結ぶ2本の線分PQ,QRがなす角度θは120°、距離Lは20mmである。また、各ゴム引きコード群のスプライス部の補強コード端末はタイヤ赤道線から左右にベルト幅の35%以内に配置され、かつスプライス部をタイヤ幅方向において均等に分散させた構成にしている。
【0025】
これら各試験タイヤをリムサイズ14×6JJのリムに装着し、以下に示す測定条件により、ユニフォミティ、水圧耐久性、高速耐久性、生産性の評価試験を行ったところ、表1に示す結果を得た。
ユニフォミティ
JASO C607の試験方法に準拠して実施し、その結果を従来タイヤ1を100とする指数値で評価した。この値が大きい程、ユニフォミティが優れている。
【0026】
水圧耐久性
各試験タイヤを水圧により内圧200kPa まで上昇させ、15分間保持する。その後150kPa/min.で水圧により昇圧し、タイヤが破壊するまでの圧力を測定し、その結果を従来タイヤ1を100とする指数値で評価した。この値が大きい程、タイヤ耐久性が高い。
【0027】
高速耐久性
各試験タイヤの空気圧を220kPa にして、ドラム試験機に取り付け、JISD−4230,JIS高速耐久性試験終了後、30分毎に10km/hr 加速して、タイヤが破壊するまでの走行距離を測定し、その結果を従来タイヤ1を100とする指数値で評価した。この値が大きい程、高速耐久性が優れている。
生産性
各試験タイヤの生産時間を測定し、その結果を従来タイヤ1を100とする指数値で評価した。この値が大きい程、生産性が優れている。
【0028】
【表1】
【0029】
表1から明らかなように、本発明タイヤ1,2は、生産性を大幅に高めながら、高速耐久性とユニフォミティを一層向上できることが判る。
実施例2
タイヤサイズを上記と同じにし、実施例1の本発明タイヤ2において、ベルト層の各ゴム引きコード群の補強コード本数を表2のように変えた本発明タイヤ3〜5と比較タイヤ1,2とをそれぞれ作製した。
【0030】
これら各試験タイヤを実施例1と同じリムサイズのリムに装着し、上記に示す測定条件により、ユニフォミティ、水圧耐久性、高速耐久性、生産性の評価試験を行ったところ、表2に示す結果を得た。
【0031】
【表2】
【0032】
表2から、各ゴム引きコード群の補強コード本数を3本未満にした比較タイヤ1は、生産性が110よりも低く、大幅に改善することが困難であり、逆に10本を越えた比較タイヤ2は、水圧耐久性に劣り、各ゴム引きコード群の補強コード本数を3〜10本の範囲内にした本発明タイヤは、生産性を大きく改善しながら、高速耐久性とユニフォミティを向上できることが判る。
【0033】
【発明の効果】
上述したように本発明は、ゴム引きした補強コードを使用してベルト層を形成する場合、隣接する3〜10本のゴム引きした補強コードを1組とする少なくとも3組のゴム引きコード群を用いてそのスプライス部をベルト層端よりタイヤ幅方向内側に位置させながらタイヤ周上で分散させたので、ベルト剛性の不連続点をなだらかにすることができ、生産性を大幅に改善しながら、高速耐久性とユニフォミティを一層向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りラジアルタイヤの一例を示すタイヤ子午線半断面図である。
【図2】図1のベルト層を示す要部展開図である。
【図3】(a)は図2のベルト層におけるゴム引きコード群の折り返し状態を示す説明図、(b)はX−X矢視図である。
【図4】(a),(b)は図2のベルト層の作り方の一例を示す説明図である。
【図5】図1のベルト層の他の例を示す要部展開図である。
【図6】 (a)は図5のベルト層におけるゴム引きコード群の折り返し状態を示す説明図、(b)はY−Y矢視図である。
【図7】図5のスプライス部の一つを示す拡大断面図である
【図8】図5のベルト層の作り方の一例を示す説明図である。
【図9】図2のベルト層のゴム引きコード群におけるスプライス部の拡大図である。
【符号の説明】
1 トレッド部 2 ビード部
3 サイドウォール部 4 カーカス層
5 ビードコア 6 ビードフィラー
7 ベルト層 CL タイヤセンターライン
S,S1,S2,S3 ゴム引きコード群
Sa,S1a, S2a, S3a スライス部 Sx 巻始め端部
Sy 巻終わり端部 T タイヤ周方向
f 補強コード fa 補強コード端末
x ベルト層端
Claims (6)
- トレッド部のカーカス層外周に、隣接する3〜10本のゴム引きした補強コードを1組とする少なくとも3組のゴム引きコード群をタイヤ周方向に傾斜させると共にショルダー部で折り返しながら連続して巻回させ、タイヤ幅方向横断面で偏平ループ状かまたは偏平S字状若しくはZ字状に形成したベルト層を埋設し、かつ前記少なくとも3組のゴム引きコード群の巻始め端部及び巻終わり端部よりなるスプライス部を前記ベルト層の端部よりタイヤ幅方向内側に位置させると共にタイヤ周方向に分散させた空気入りラジアルタイヤ。
- 各ゴム引きコード群の巻始め端部と巻終わり端部とを前記カーカス層外周に投影したとき互いに凹凸状に噛み合う突き合わせ状にした請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記ゴム引きコード群の巻始め端部と巻終わり端部とをジグザグ状或いは波形状にした請求項2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 各ゴム引きコード群のスプライス部における補強コード端末をタイヤ赤道線から左右にベルト幅の35%以内に配置した請求項1,2または3に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記ゴム引きコード群のスプライス部をタイヤ幅方向において分散させた請求項4に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記ゴム引きコード群を1本の補強コードをゴム引きしたストリップ材を用いて構成した請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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