JP3694047B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は周方向に延びるコ−ドまたはフィラメントを補強素子とする強化層をカ−カスのクラウン部の周囲に備えたタイヤの耐久性向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
空気入りタイヤにおけるトレッド部のベ−スに対応するカ−カスのクラウン部補強については、通常スチ−ルコ−ドで代表される非伸長性コ−ドをタイヤの赤道面に対し浅い角度(15〜35°)で傾斜配列した層の複数枚を、コ−ドが互いに交差するように重ね合わせて成るベルト層が知られている。
一方、トラック・バス、オフザロ−ド用など高内圧、高荷重が適用されるラジアルタイヤにおいて、特に扁平断面を有するタイヤのクラウン部補強については、上記構造のベルト層では剛性が不足するため、ストレ−ト、或は波形をなして延びる多数の金属コ−ドまたはフィラメントを補強素子とし、これらコ−ドをタイヤの周方向に配列した強化層の複数枚より成るベルト層を、上記傾斜コ−ドのベルト層に代えて、または強化層を傾斜コ−ドのベルト層に加えた強化ベルト層を用いることが従来提案されている。
【0003】
上記強化層について、平面図として示す図5、6に基づき以下詳述する。
図5は強化層のシ−ト巻きタイプを示し、強化層10は周方向矢印Y と平行にストレ−トコ−ド、または波形コ−ドを配列した1枚のゴム引きシ−ト11を用い、その長手方向端部12を重ね合わせたものである。この場合シ−ト端は図5に示すように、軸方向に対し傾斜させることによって厚みの不連続部を周方向に分散させるよう配慮される。
図6は強化層のストリップによる螺旋巻きタイプを示し、このタイプは強化層10の一端からストレ−トコ−ド、または波形コ−ドを複数本並べてゴム引きした長いストリップ13の連続螺旋巻きによって形成したものである。符号14と15はストリップの巻上げ始端と終端である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
強化層のシ−ト巻きタイプは、タイヤ製造に当たり工数の点で短くてすむが、シ−ト両端重ね合わせ部の厚みの影響を周方向に広く振り分けるためには、シ−トの才断角度を周方向に大きく傾ける必要があり、その場合は成形時にシ−ト端部接合の面で作業性が悪化する。
一方螺旋巻きタイプは、製造時の作業性の点では優れているが、ストリップの巻上げ始端と終端位置で剛性の不連続部がタイヤ内に存在し、全体のバランスの面で本質的に欠点を備えるものである。
本発明はかかる問題点に鑑みなされたもので、ユニフォミティ、および耐久性に優れたタイヤを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の一方は、トロイド状のカ−カスをボディ補強とし、このカ−カスのクラウン部の周囲に周方向と実質上平行に配列した多数本のコ−ドまたはフィラメントを補強素子とする強化層の少なくとも1枚を配置し強化したタイヤにおいて、上記強化層が、その幅方向に寝かした波形をなして延びる複数本のコ−ドまたはフィラメントを並べてゴム引きし、その長手方向端部を互いに重ね合わせたリング状ストリップを複数軸方向に並置して成り、且つこれらストリップの端部重ね合わせ位置が各々周方向に異なるものである一方、スチールコードを傾斜配列した第1層および第2層を重ねて該スチールコードを互いに交差させた主幹層とし、この主幹層をカーカス側に配すると共にスチールコードを傾斜配列した第3層をトレッド側に配し、前記主幹層と前記カーカスとの間に前記強化層を配置することを特徴とする空気入りタイヤである。
また本発明の他方は、トロイド状のカ−カスをボディ補強とし、このカ−カスのクラウン部の周囲に周方向と実質上平行に配列した多数本のコ−ドまたはフィラメントを補強素子とする強化層の少なくとも1枚を配置し強化したタイヤにおいて、上記強化層が、その幅方向に寝かした波形をなして延びる複数本のコ−ドまたはフィラメントを並べてゴム引きし、その長手方向端部を互いに重ね合わせたリング状ストリップを複数軸方向に並置して成り、且つこれらストリップの端部重ね合わせ位置が各々周方向に異なるものである一方、スチールコードを傾斜配列した第1層および第2層を重ねて該スチールコードを互いに交差させた主幹層とし、この主幹層をカーカス側に配すると共にスチールコードを傾斜配列した第3層をトレッド側に配し、前記主幹層と前記第3層の間に前記強化層を配置することを特徴とする空気入りタイヤである。
【0006】
【作用】
本発明における強化層は、複数本の波形のコ−ドまたはフィラメントを並べてゴム引きし、その長手方向端部を互いに重ね合わせたリング状ストリップを複数軸方向に並置して成り、これらストリップの端部重ね合わせ位置が各々周方向に異なることを構造上の特徴とする。強化層を、例えば4列のストリップを軸方向に並置して形成する場合、ストリップの重ね合わせ位置を相互に90°間隔を置くことによってストリップの剛性の高い重ね合わせ部が周上均等に分散し、また強力の分散についても同様である。その結果タイヤのユニフォミティが向上し、従来強化層内においてシ−ト、またはストリップの重ね合わせ部に発生し勝ちであったセパレ−ション故障を有利に低減させることができる。
【0007】
【実施例】
以下図面に基づき説明する。図1は本発明における一実施例を示すタイヤの断面図、図2は強化層の平面図、図3は図2におけるA-A 断面図である。
本発明においてタイヤ1 はトロイド状のカ−カス2 をボディ補強とし、このカ−カス2 のクラウン部3 の周囲に、周方向と実質上平行に配列された多数本のコ−ドまたはフィラメントを補強素子とする強化層10の少なくとも1枚を配置し強化するものとする。強化層10はストレ−ト(真っ直ぐに延びる)、または波形をなして延びる上記補強素子4 を並べてゴム引きし、その長手方向端部5 を互いに重ね合わせたリング状ストリップ6 を複数軸方向に並置して成り、且つこれらストリップの重ね合わせ部7 の位置が各々周方向に異なるものである。
図1に示すタイヤ1 は左側半分を省略しているが、赤道面O を中心として左右対称である。
【0008】
図1は11/70R22.5サイズの扁平トラック・バス用タイヤの例を示し、カ−カス2 はスチ−ルコ−ドを赤道面O と直交する方向に配列したプライの1枚より成る。タイヤのクラウン部3 には、路面と係合するトレッド8 とカ−カス2 との間に、ほぼトレッドいっぱいの幅を有するベルト層9 を配置して補強している。
【0009】
ベルト層9 はスチ−ルコ−ドを傾斜配列した層91、92、93と強化層10より成り、カ−カス2 に近接した最も広い第1層91と第1層と重なりこの層に準じて広い第2層92のコ−ドは赤道面O に対し約18°で傾斜し、互いに交差している。この2枚の層は主幹層である。その上にやや幅が狭い第3層93(層91の約80% 幅)のコ−ドは第2層92のコ−ドと同じ向きに実質上同じ角度で傾斜している。これら傾斜層のコ−ドの撚り構造は3+9+15×0.23である。
【0010】
この実施例においては強化層10を傾斜コ−ドの第2、第3層92、93間に、第3層93と同幅で配置したもので、強化層10を図2に示すように、ストリップ6 を4列軸方向に並べて構成している。これらストリップ6 の夫々は、3+9 ×0.19の撚り構造で、波長が36.6mm、振幅(ピ−クツ−ピ−クの1/2)が1.3mmのスチ−ルコ−ドを11本横に平行に並べてゴム引きしたもので、その幅w は30mmである。図2に示す実施例においてストリップ6 の端E は周方向に傾き、また重ね合わせ部7 の相互間隔d は周上90°の角度に相当する。
【0011】
図4は強化層の別の実施例を示す平面図である。
この実施例の特徴は、強化層10を軸方向と平行に才断した端E'を有し、比較的幅w'が狭い(24mm)ストリップ6 を5列並置して構成した点にある。この場合重ね合わせ部7 の相互間隔d'は、周上72°に相当する。
【0012】
強化層10は図1に示す配置例の他、カ−カス2 とベルト層9 の間に必要な幅をもって配置することが出来る。またタイヤの用途によっては、傾斜コ−ドのベルト層とトレッドの間に設けたり、ベルト層全体を必要な枚数の強化層によって形成することもできる。
【0013】
【効果】
本発明に成るタイヤの効果を確かめるべく11/70R22.5サイズのタイヤに図1に示す構造を共通して適用し、強化層については、図2および4に示す実施例1および2のタイヤに、図5および6に示す比較例1および2のタイヤを交え、ユニフォミティ(RFV )およびドラム上の5000粁耐久テストを行い評価した。この場合テストタイヤの強化層における補強素子として、撚り構造3+9 ×0.19、波長36.6mm、振幅1.3mmの波形スチ−ルコドを共通して使用し、また比較例2の強化層は、20mm幅のストリップを使用した。
【0014】
耐久テストの条件として、リム22.5×8.25、内圧8.0Kgf/Cm2c、荷重2750Kgf 、速度65Km/H、室温38°C とした。
テスト結果は表1に示す通りである。
【0015】
【表1】
【0016】
このように、カ−カスのクラウン部の周囲に配置する強化層につき、複数本のコ−ドを並べてゴム引きし、その長手方向端部を互いに重ねて固着したリング状ストリップを複数軸方向に並置し、これらストリップの端部固着位置を各々周方向に位相差を設けて構成することによって、タイヤのユニフォミティ、並びに耐久性を有利に向上させることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における実施例のタイヤ断面図。
【図2】実施例における強化層の平面図。
【図3】図2におけるA-A 断面図。
【図4】実施例における強化層の平面図。
【図5】比較例における強化層の平面図。
【図6】比較例における強化層の平面図。
【符号の説明】
1 タイヤ
2 カ−カス
3 クラウン部
4 強化層のコ−ド
5 端部
6 ストリップ
7 重ね合わせ部
10 強化層
Claims (2)
- トロイド状のカ−カスをボディ補強とし、このカ−カスのクラウン部の周囲に周方向と実質上平行に配列した多数本のコ−ドまたはフィラメントを補強素子とする強化層の少なくとも1枚を配置し強化したタイヤにおいて、上記強化層が、その幅方向に寝かした波形をなして延びる複数本のコ−ドまたはフィラメントを並べてゴム引きし、その長手方向端部を互いに重ね合わせたリング状ストリップを複数軸方向に並置して成り、且つこれらストリップの端部重ね合わせ位置が各々周方向に異なるものである一方、スチールコードを傾斜配列した第1層および第2層を重ねて該スチールコードを互いに交差させた主幹層とし、この主幹層をカーカス側に配すると共にスチールコードを傾斜配列した第3層をトレッド側に配し、前記主幹層と前記カーカスとの間に前記強化層を配置することを特徴とする空気入りタイヤ。
- トロイド状のカ−カスをボディ補強とし、このカ−カスのクラウン部の周囲に周方向と実質上平行に配列した多数本のコ−ドまたはフィラメントを補強素子とする強化層の少なくとも1枚を配置し強化したタイヤにおいて、上記強化層が、その幅方向に寝かした波形をなして延びる複数本のコ−ドまたはフィラメントを並べてゴム引きし、その長手方向端部を互いに重ね合わせたリング状ストリップを複数軸方向に並置して成り、且つこれらストリップの端部重ね合わせ位置が各々周方向に異なるものである一方、スチールコードを傾斜配列した第1層および第2層を重ねて該スチールコードを互いに交差させた主幹層とし、この主幹層をカーカス側に配すると共にスチールコードを傾斜配列した第3層をトレッド側に配し、前記主幹層と前記第3層の間に前記強化層を配置することを特徴とする空気入りタイヤ。
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