JP3837066B2 - スルホニウム塩の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光カチオン重合開始剤や光酸発生剤等として有用なスルホニウム塩、特にアリール基(芳香環)を有するスルホニウムのポリハロ金属、半金属または非金属塩の製造方法に関する。さらに詳しくは、複分解反応の工程を経ることなく、目的のアニオンを有するスルホニウム塩を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スルホニウムのポリハロ金属、半金属または非金属塩の製造方法については、従来、各種の提案がなされている。従来の製造方法は、全て、まず、硫酸、ポリリン酸あるいはメタンスルホン酸等の強酸の存在下に、スルホキシド化合物とスルフィド化合物を縮合させて使用した強酸のスルホニウム塩とし、次いで、この反応液をポリハロ金属、半金属または非金属塩、すなわち、KBF4、KPF6、KSbF6、KAsF6またはこれらのナトリウム塩等の水溶液に投入して複分解反応を起こさせ、その後、所望のスルホニウムのポリハロ金属、半金属または非金属塩を濾過等により回収する方法である。
【0003】
強酸の存在下に、スルホキシド化合物とスルフィド化合物を縮合させて使用した強酸のスルホニウム塩とする方法としては、スルホキシド化合物とアリールスルフィド化合物を硫酸中で脱水縮合して、アリールスルホニウムの硫酸塩ないし硫酸水素塩とする方法(特開昭61−212554号公報参照)、ジアリールスルフィド化合物の部分酸化を行って、その場に実質的に等モル量のジアリールスルフィド化合物および対応するジアリールスルホキシドの混合物を発生させ、次いで、無水酢酸のような脱水剤の存在下に、硫酸のような強酸を使用してトリアリルスルホニウム塩に転化する方法(特開昭61−100557号公報参照)、五酸化リン(特開平5−4996号公報参照)または無水酢酸の如き無水酸化合物(特開平7−82244号公報参照)のアルキルスルホン酸(例:メタンスルホン酸)溶液中でジアリールスルホキシド化合物とポリアリールスルフィド化合物とを反応させる方法、ポリリン酸の存在下にジアリールスルホキシド化合物とポリアリールスルフィド化合物等とを反応させる方法(特開平7−82245号公報参照)等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来法で縮合反応を行うに当り、硫酸中の反応では芳香環のスルホン化が起こり、目的物の収率が低下するおそれがある。また、本明細書の比較例に記載しているように、アリールスルフィドの種類によっては、モノスルホニウム塩を得ようとしてもビススルホニウム塩が生成すること、メタンスルホン酸のような高価なアルキルスルホン酸中で反応を行うことはコスト高であること、ポリリン酸中の反応では副反応が起こり、目的物の収率が低いことなど、収率およびコスト面の問題がある。
さらに、従来法は、何れもスルホニウム強酸塩の反応液をアルカリ金属のポリハロ金属、半金属または非金属塩の水溶液に投入して複分解反応を起こさせるものであるが、ポリハロ金属、半金属または非金属の塩は、水に対する溶解度が低いため、これらの塩の水溶液を作るためには多量の水を使用する必要がある。したがって、所望のスルホニウム塩を濾過等により回収した後には、多量の廃水が発生する。しかも、この廃水は、反応時において、過剰に使用された強酸や無水酢酸を含むため強酸性であり、廃棄するには苛性ソーダ等により中和処理しなければならず、廃液量はさらに増大するという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、副反応の発生に伴う収率の低下、高価な酸の使用、さらには複分解反応・中和による廃液の多量発生という従来法の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、大過剰の酸を使用することなく、また複分解工程を経ずに、直接目的のスルホニウム塩を製造できる方法を見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、アリール基の少なくとも1つの炭素原子に水素原子が結合しているアリール化合物(A)と、下式(1)
(式中、R1、R2は、置換されていてもよい炭化水素基または複素環基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。)で表されるスルホキシド化合物(B)とを、下式(2)
HMXmYn (2)
(式中、Mは元素周期表のIIIa族またはVa族の元素、Xはハロゲン、Yは水酸基を表し、m、nは、MがIIIa族の場合は、m+n=4、且つn=0〜3の整数であり、MがVa族の場合は、m+n=6、且つn=0〜2の整数である。)で表される強酸(C)の存在下に反応させることを特徴とする、MXmYn -をアニオンとするスルホニウム塩の製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において、アリール基の少なくとも1つの炭素原子に水素原子が結合しているアリール化合物(A)としては、単環式または縮合多環式の無置換のアリール化合物、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ナフタセン,ピレン;アルキル基で置換されたアリール化合物、例えば、トルエン、クメン、tert−ブチルベンゼン、キシレン、エチルベンゼン、ドデシルベンゼン、1−メチルナフタレン、1H−インデン;アリール基で置換されたアリール化合物、例えば、ビフェニル、ビフェニレン、1,2′−ビナフチル、2−フェニルナフタレン;ニトロ基、ニトリル基、ヒドロキシ基、ハロゲン等で置換されたアリール化合物、例えば、ニトロベンゼン、ベンゾニトリル、フェノール、クロロベンゼン、フルオロベンゼン;置換されていてもよいアルコキシ基で置換されたアリール化合物、例えば、アニソール、エトキシベンゼン、1−メトキシナフタレン、ベンジルフェニルエーテル、ベンゾフラン;置換されていてもよいアリールオキシ基で置換されたアリール化合物、例えば、ジフェニルエーテル、2−エトキシナフタレン、4−フェノキシフェノール、キサンテン;アルキルスルホニル基で置換されたアリール化合物、例えば、メチルフェニルスルホン;アリールスルホニル基で置換されたアリール化合物、例えば、ジフェニルスルホン;置換されていてもよいアシル基で置換されたアリール化合物、例えば、アセトフェノン、アセチルアセトフェノン、2−フェニルアセトフェノン;置換されていてもよいアロイル基で置換されたアリール化合物、例えば、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、キサントン;置換されていてもよいアルキルチオ基で置換されたアリール化合物、例えば、チオアニソール、エチルチオベンゼン、ベンゾチオフェン、ベンジルフェニルスルフィド、フェナシルフェニルスルフィド;置換されていてもよいアリールチオ基で置換されたアリール化合物、例えば、ジフェニルスルフィド、ジベンゾチオフェン、(2−メチルフェニル)フェニルスルフィド、(4−メチルフェニル)フェニルスルフィド、2,2′−ジトリルスルフィド、2,3′−ジトリルスルフィド、2−フェニルチオナフタレン、9−フェニルチオアントラセン、(3−クロロフェニル)フェニルスルフィド、(4−クロロフェニル)フェニルスルフィド、3,3′−ジクロロジフェニルスルフィド、(3−ブロモフェニル)フェニルスルフィド、2,2′−ジブロモジフェニルスルフィド、3,3′−ジブロモジフェニルスルフィド、(2−メトキシフェニル)フェニルスルフィド、フェノキサチイン、チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−メトキシチオキサントン、4,4′−ジフェニルチオベンゾフェノン、4,4′−ジフェニルチオジフェニルエーテル、4,4′−ジフェニルチオビフェニル、(4−フェニルチオフェニル)フェニルスルフィド、(4−フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウム塩(ヘキサフルオロリン酸塩、硫酸水素塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩等)、(4−ベンゾイルフェニル)フェニルスルフィド、(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニル)フェニルスルフィド、(2−メチルチオベンゾイルフェニル)フェニルスルフィド等が挙げられる。
【0007】
これらのアリール化合物(A)のうち好ましいものは、単環式または縮合多環式の無置換のアリール化合物、ヒドロキシル基、ハロゲン原子で置換されたアリール化合物、いずれも置換されていてもよいアルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アロイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基で置換されたアリール化合物、より好ましくは、無置換のアリール化合物、ヒドロキシル基、ハロゲン原子で置換されたアリール化合物、置換されていてもよいアルキル基、アルキルオキシ基、アロイル基、アリールチオ基により置換されたアリール化合物である。
特に、ベンゼン、フェノール、クロロベンゼン、フルオロベンゼン、トルエン、tert−ブチルベンゼン、アニソール、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、ジフェニルスルフィド、(4−クロロフェニル)フェニルスルフィド、2−フェニルチオナフタレン、9−フェニルチオアントラセン、(4−フェニルチオフェニル)フェニルスルフィド、4,4′−ジフェニルチオビフェニル、(4−ベンゾイルフェニル)フェニルスルフィド、(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニル)フェニルスルフィド、4,4′−ジフェニルチオベンゾフェノン、チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンが好ましい。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
【0008】
で表されるスルホキシド化合物(B)において、式中、R1、R2は置換されていてもよい炭化水素基または複素環基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。R1、R2としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;ピリジル基、フルフリル基等の芳香族複素環基が挙げられる。さらに、R1、R2は互いに結合してテトラメチレン基のような環を形成していてもよい。
【0009】
R1、R2は置換されていてもよく、置換基の例としては、メチル基、エチル基等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;メトキシ基等のアルキルオキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;メチルチオ基等のアルキルチオ基;フェニルチオ基等のアリールチオ基;アセチル基等のアシル基;ベンゾイル基等のアロイル基;アセトキシ基等のアシロキシ基;ベンゾイロキシ基等のアロイロキシ基;さらにはニトリル基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
【0010】
スルホキシド化合物(B)の例としては、ジメチルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド、ジフェニルスルホキシド、ジベンゾチオフェン−S−オキシド、(4−メチルフェニル)フェニルスルホキシド、4,4′−ジメチルジフェニルスルホキシド、4,4′−ジメトキシジフェニルスルホキシド、4−メチルチオジフェニルスルホキシド、(4−フェニルチオフェニル)フェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジフルオロジフェニルスルホキシド、4,4′−ジクロロジフェニルスルホキシド等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
これらのスルホキシド化合物(B)のうち好ましいものは、R1、R2が置換されていてもよいアリール基であるスルホキシド化合物、特に、ジフェニルスルホキシド、4,4′−ジメチルジフェニルスルホキシド、4,4′−ジメトキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジフルオロジフェニルスルホキシド、4,4′−ジクロロジフェニルスルホキシドである。
スルホキシド化合物(B)は、市販のものや別途合成したものを使用してもよく、また必要により、反応系内で該当するスルフィド化合物と過酸化水素等の過酸化物との反応により発生させることもできる。
【0011】
本発明において、式:HMXmYn(2)で表される強酸(C)は、Mが元素周期表のIIIa族(ホウ素、アルミニウム等)またはVa族(リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス等)から選ばれる元素、Xはフッ素、塩素、臭素等から選ばれるハロゲン、Yは水酸基であり、mおよびnは、MがIIIa族の場合は、m+n=4、且つn=0〜3の整数であり、MがVa族の場合は、m+n=6、且つn=0〜2の整数である。
このような強酸(C)の例としては、HBF4、HBF3(OH)、HBF2(OH)2、BF(OH)3、HAlCl4、HPF6、HPF5(OH)、HPF4(OH)2、HPCl6、HPBr6、HAsF6、HSbCl6、HSbF6、HSbF5(OH)、HSbF4(OH)2、HBiF6等で表される化合物が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
これらの強酸(C)のうち好ましいものは、HBF4、HPF6、HAsF6、HSbF6、特に、HBF4、HPF6、HSbF6である。
強酸(C)は、そのままで、あるいは、水和物やジエチルエーテル錯体等の錯体の形で、さらには水溶液あるいは酢酸等の有機酸やジエチルエーテル等の有機溶剤の溶液として使用してもよい。
【0012】
強酸(C)は市販のものを使用してもよいが、アリール化合物(A)とスルホキシド化合物(B)の反応前あるいは反応中に、反応系内あるいは反応系外で発生させてもよい。
強酸(C)を発生させる方法としては、例えば、BF3、PF5、AsF5、SbF5等のフッ化物とフッ化水素とを反応させる方法、LiBF4、NaBF4、KBF4、Ba(BF4)2、LiPF6、NaPF6、KPF6、LiSbF6、NaSbF6、KSbF6等のようなHMXmYnのアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩と、硫酸、リン酸、塩酸等の無機酸とを反応させる方法、B2O3、P2O5、Sb2O5等の酸化物とフッ化水素を反応させる方法(例えば、“Supplement to MELLORS COMPREHENSIVE TREATISE ON INORGANIC AND THEORETICAL CHEMISTRY Vol .VIII, Supplement III, Phosphorus, Section XXXI (LONGMAN,1971)等に記載)が挙げられる。
上記の方法のうち、BF3、PF5、SbF5等のフッ化物とフッ化水素を反応させる方法およびHMXmYnのアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩と、硫酸、リン酸、塩酸等の無機酸とを反応させる方法、特に、NaBF4、NaPF6、NaSbF6あるいはこれらのK塩と硫酸とを反応させる方法が、簡便で好ましい。
【0013】
BF3、PF5、SbF5等のフッ化物とフッ化水素を反応させる方法としては、例えば、ジエチルエーテルのような非反応性溶媒に、通常、0〜30℃の温度で冷却下、BF3、PF5のガスを徐々に吹き込むか、SbF5のような液体を滴下してフッ化物の溶液を作った後、0〜30℃の温度で、通常、当量のフッ化水素を温水で加熱してガス状で吹き込む方法、あるいは、0〜10℃程度に冷却して液状で滴下する方法が挙げられる。
上記の反応において、BF3、PF5、SbF5等のフッ化物とジエチルエーテルとのモル比は、通常、1:1以上、好ましくは、1:2以上である。フッ化物に対するジエチルエーテルのモル比が1より少ないと、過剰量のフッ化物がガスとして系外に飛散するおそれがある。ジエチルエーテル量に特に上限はないが、通常、フッ化物1モルに対して10モル以下、好ましくは、6モル以下である。
BF3、PF5、SbF5等のフッ化物とフッ化水素の反応モル比は、通常、1:0.8〜1.2、好ましくは、1:1である。
【0014】
HMXmYnのアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩と、硫酸、リン酸、塩酸等の無機酸とを反応させる方法としては、例えば、水、酢酸等の有機酸、無水酢酸等の有機酸無水物、アセトニトリル等の極性有機溶媒等の溶媒中に、これらの塩を加えて溶解または分散させ、次いで、無機酸を滴下して反応させる方法が挙げられる。
HMXmYnのアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩と硫酸の使用量は、通常、理論量でよいが、理論の0.5〜4倍の範囲で変化させても良好な結果が得られる。例えば、NaPF6と硫酸との反応の場合の理論量は、1モルのNaPF6に対して硫酸1モルであるが、硫酸量を0.5〜4.0モルの範囲で変化させてもよい。1モルのNaPF6に対して硫酸量が0.5モル未満の場合、必要量のHPF6が発生しない場合があり、4.0モルを超える場合は、アリール化合物(A)あるいはスルホキシド化合物(B)のスルホン化が起こり、また廃酸量が増えるため好ましくない。硫酸の濃度としては、20%以上、好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上である。
この反応における反応温度は、通常、0〜80℃、好ましくは、20〜60℃である。
【0015】
本発明の反応に際し、アリール化合物(A)とスルホキシド化合物(B)のモル比は、通常、1:(0.9〜3.0)、好ましくは、1:(1.0〜2.1)である。1モルのアリール化合物(A)に対してスルホキシド化合物(B)が0.9モル未満では、目的のスルホニウム塩の収率が低くなり、3.0モルを超えると、必要以上のスルホキシド化合物(B)を使用することとなり、コスト高となる。
スルホキシド化合物(B)と強酸(C)のモル比は、通常、1:(0.9〜3.0)、好ましくは、1:(1.0〜1.5)である。1モルのスルホキシド化合物(B)に対して強酸(C)が0.9モル未満では、目的のスルホニウム塩の収率が低くなり、3.0モルを超えると、廃酸量が増え、コスト高となる。
【0016】
本発明の反応は、アリール化合物(A)とスルホキシド化合物(B)との脱水縮合であり、反応系内に過剰の水分があると反応が遅くなり、収率が低下する。このため、本発明の反応は、必要により脱水剤(D)の存在下で行うことができる。脱水剤(D)としては、五酸化リン、オキシ塩化リン等の無機酸化物、ポリリン酸等の無機酸、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水フタル酸等の有機酸無水物等が挙げられる。これらの脱水剤(D)は、単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。これらの脱水剤(D)のうち好ましいものは、無水酢酸等の有機酸無水物、特に無水酢酸である。
脱水剤(D)の量は、アリール化合物(A)とスルホキシド化合物(B)の反応時の系内水分が7%以下、好ましくは、5%以下、さらに好ましくは、3%以下になるように使用する。系内水分とは、強酸(C)として水溶液や水和物を使用する場合の水、強酸(C)を発生させるために使用する硫酸中の水、溶媒中の水、およびアリール化合物(A)とスルホキシド化合物(B)の反応により生成する水等の合計をいう。
【0017】
本発明の反応は、溶媒の存在下に行ってもよい。この溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジクロロメタン等の塩素系有機溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、酢酸等の有機酸、無水酢酸、無水プロピオン酸等の有機酸無水物、アセトニトリル等の極性有機溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。これらの溶媒のうち好ましいものは、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジクロロメタン等の塩素系有機溶剤、酢酸等の有機酸および無水酢酸、プロピオン酸無水物等の有機酸無水物、アセトニトリル等の極性有機溶媒、特に、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、酢酸、無水酢酸、アセトニトリルである。
溶媒の使用量は、アリール化合物(A)、スルホキシド化合物(B)、強酸(C)、脱水剤(D)および溶媒の合計質量に基づき、通常、0〜80質量%である。
【0018】
本発明において、各原料の仕込み順序には特に制限はないが、通常、まず脱水剤(D)および/または溶媒を仕込み、スルホキシド化合物(B)を投入して、混合・溶解した後に、強酸(C)を徐々に投入し、次いでアリール化合物(A)を投入する。
強酸(C)を反応系内で発生させる場合は、例えば、水や酢酸、無水酢酸、アセトニトリル等の溶媒を仕込んだ後に、まず強酸(C)を発生させる反応を行い、次いでこの溶液に、スルホキシド化合物(B)を投入して、混合・溶解し、アリール化合物(A)、溶媒および必要により脱水剤(D)を仕込んでもよく、あるいは、アリール化合物(A)、スルホキシド化合物(B)、溶媒および必要により脱水剤(D)を仕込んだ後に、強酸(C)を発生させる原料を仕込んでもよい。
本発明における反応温度は、通常、−30℃〜120℃、好ましくは、0℃〜100℃、特に、10〜80℃である。
反応時間は、反応温度、反応濃度、撹拌の程度によるが、通常、0.5〜24時間、好ましくは、1〜10時間である。
【0019】
本発明においては、脱水剤や使用した有機酸無水物、酢酸、ジエチルエーテル等の溶媒は、反応後に、常圧または減圧下で留去することにより容易に回収することができる。
これらを回収する際の温度は、通常、40〜120℃、好ましくは50〜80℃である。温度が120℃を超えると、目的のスルホニウム塩が分解する恐れがある。回収した脱水剤や溶媒は再使用することができる。
【0020】
本発明において反応液から所望のスルホニウム塩を回収する方法は、得られたスルホニウム塩の性質により異なるが、例えば、反応液に水を投入するか、反応液を水に投入して目的物を析出させ、析出物が固体の場合は、濾過、水洗、次いで乾燥する方法、析出物が液状の場合は、ジクロロメタン、酢酸エチル等の有機溶剤を用いて目的物を抽出し、水洗後、分液した有機層を濃縮、乾燥する方法等が挙げられる。得られたスルホニウム塩は、必要により、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ジクロロメタン等の塩素系溶剤で洗浄するか、これらの溶剤で再結晶させて純度を向上させることができる。
本発明の製造方法により得られるスルホニウム塩は、光カチオン重合開始剤、レジスト用の光酸発生剤、エポキシ樹脂用熱潜在性硬化触媒等として使用することができる。
【0021】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】
実施例1
100mlの反応容器にジフェニルスルホキシド4.05g(20.0mmol)、酢酸4.05g、ヘキサフルオロリン酸75%水溶液5.67g(29.1mmol)を仕込み、冷却下、無水酢酸13.99g(137mmol)を徐々に滴下し、30分間混合した。次いで、この溶液を室温に温調した後、ジフェニルスルフィド3.61g(19.4mmol)を滴下し、室温で1時間撹拌した(反応濃度:24%)。
この反応液を70℃まで昇温し、減圧下、酢酸を主成分とする溶媒4.5gを回収した。
内容物を室温まで冷却した後に、20mlのジクロロメタンを加えて溶解し、水20mlで1回、さらに水10mlで3回洗浄した。有機層からジクロロメタンを留去して、やや黄みをおびたタール状物9.73g(収率97%)を得た。洗浄廃水を中和したところ、40%水酸化ナトリウム水溶液23gを要した。
13C−NMRおよびIRによる分析から、このタール状物は、ヘキサフルオロリン酸(4−フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウムからなり、不純物として原料であるジフェニルスルフィドおよびジフェニルスルホキシドを含有していることが確認された。HPLCで分析したところ、純度は94%であった。
このタール状物に、10mlのエタノールを加えて撹拌したところ結晶が析出した。この結晶を濾過で分離、乾燥して、8.96gの白色粉末(精製物)を得た。純度は99%以上であった。
【0023】
実施例2
100mlの反応容器に、ヘキサフルオロリン酸カリウム5.36g(29.1mmol)、酢酸5.36gを仕込み、撹拌混合した後に、濃硫酸2.91g(29.1 mmol)を仕込み、30分間撹拌した。
この溶液に、ジフェニルスルホキシド4.05g(20.0mmol)、無水酢酸5.94g(58.2mmol)を予め均一に溶解しておいた溶液を室温で投入し、次いでジフェニルスルフィド3.61g(19.4mmol)を滴下し(反応濃度:28%)、45℃で1時間熟成した後、65℃で減圧下、酢酸を主成分とする溶媒5.1gを回収した。
この反応液を室温まで冷却した後に、20mlのジクロロメタンと20mlの水を加えて溶解、洗浄し分液した。有機層をさらに水10mlで3回洗浄した後、ジクロロメタンを留去して、やや黄みをおびた固形物9.83g(収率:98%)を得た。洗浄水は、11gの40%苛性ソーダ水溶液で中和した。
得られた固形物は、13C−NMR分析とIR分析から、目的のヘキサフルオロリン酸(4−フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウム、および微量の原料を含んでいた。HPLCの分析結果から、純度は96%であった。
この固形物を、10mlのエタノールで処理し、乾燥して9.15gの白色粉末を得た。純度は99%以上であった。
【0024】
実施例3
ヘキサフルオロリン酸カリウムをヘキサフルオロリン酸ナトリウム4.24g(25.2mmol)に、酢酸をアセトニトリル4.24gに代えた以外は、実施例2と同様にして、やや黄みをおびた固形物9.80g(収率:98%)を得た。アセトニトリルを主とする溶媒4.1gを回収し、洗浄水は、10gの40%苛性ソーダ水溶液で中和した。
得られた固形物は、13C−NMR分析とIR分析から、目的のヘキサフルオロリン酸(4−フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウム、および微量の原料を含んでいた。HPLCの分析結果から、純度は95%であった。
この固形物を、10mlのエタノールで処理し、乾燥して9.05gの白色粉末を得た。純度は99%以上であった。
【0025】
実施例4
100mlの反応容器にジエチルエーテル10ml、五フッ化アンチモン4.33g(20.0mmol)を仕込み、均一混合した後、5℃で、フッ化水素0.40g(20.0mmol)を滴下した。この溶液に、予め、ジエチルエーテル10mlにジフェニルスルホキシド4.07g(20.0mmol)、ジフェニルスルフィド3.73g(20.0mmol)、無水酢酸2.04g(20.0mmol)を溶解した溶液を、10℃で滴下し(反応濃度:27%)、30分間撹拌した後、35℃で1時間反応させた。
この反応液に水20mlを加え、常圧でジエチルエーテルを留去し、2gの40%苛性ソーダを徐々に投入して中和した後に、得られた固体を濾過で分離した。10mlの水で2回洗浄し、減圧乾燥して、11.5g(収率:95%、純度:96%)の白色固形物を得た。
得られた固形物は、13C−NMR分析とIR分析から、目的のヘキサフルオロアンチモン酸(4−フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウムであることが確認された。
【0026】
実施例5
ヘキサフルオロリン酸カリウムをヘキサフルオロアンチモン酸カリウム5.86g(21.3mmol)に、酢酸をアセトニトリル5.86gに代えた以外は、実施例2と同様にして、やや黄みをおびた固形物11.56g(収率:98%、純度:94%)を得た。このとき、アセトニトリルを主とする溶媒5.7gを回収し、洗浄水は、10gの40%苛性ソーダ水溶液で中和した。
13C−NMR分析とIR分析から、得られた固形物は微量の原料を含んでいた。
このタール状物を、10mlのエタノールで処理し、乾燥して10.4gの白色粉末を得た。純度は99%以上であった。
【0027】
実施例6
ジフェニルスルフィドを(4−ベンゾイル)ジフェニルスルフィド5.63g(19.4mmol)、ジフェニルスルホキシドを4,4′−ジフルオロジフェニルスルホキシド4.77g(20.0mmol)とした以外は実施例3と同様にして11.71gを得た。収率は92%、純度は95%であった。
【0028】
実施例7
100mlの反応容器に、ヘキサフルオロアンチモン酸カリウム5.86g(21.3mmol)、無水酢酸9.90g(97.0mmol)、濃硫酸6.40g(64.0mmol)を仕込み、撹拌、混合し、次いで4,4′−ジメチルジフェニルスルホキシド4.61g(20.0mmol)を仕込み、30分間撹拌した。
この溶液に、2−イソプロピルチオキサントン4.92g(19.4mmol)、酢酸4.92gを予め加熱溶解した溶液を仕込み、45℃で2時間反応した後に、65℃、減圧下で酢酸を主とする溶媒4.9gを回収した。
この反応液を室温まで冷却し、20mlのジクロロメタンと30mlの水を加えて、冷却下、19gの40%水酸化ナトリウム水溶液で中和後、廃水した。有機層をさらに水10mlで3回洗浄した後、ジクロロメタンを留去して、黄色の固形物9.83g(収率:94%、純度:95%)を得た。
得られた固形物は、目的の2−イソプロピルチオキサントンの4,4′−ジメチルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩であった。
【0029】
実施例8
ジフェニルスルフィドをアニソール2.10g(19.4mmol)、ヘキサフルオロアンチモン酸カリウムをヘキサフルオロアンチモン酸ナトリウム5.52g(21.3mmol)とした以外は実施例5と同様にして、やや茶色の固形物9.45g(収率:92%、純度:95%)を得た。得られた固形物は、ヘキサフルオロアンチモン酸(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムであった。
【0030】
実施例9
ヘキサフルオロリン酸カリウムをテトラフルオロホウ酸ナトリウム3.20g(29.1mmol)とした以外は実施例2と同様にして、目的物であるテトラフルオロホウ酸(4−フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウムの固形物8.28g(収率:93%、純度:94%)を得た。
【0031】
比較例1
100mlの反応容器に濃硫酸20ml(36.8g、368mmol)とジフェニルスルホキシド2.05g(10.1mmol)を加えて溶解し、この溶液に、室温で、ジフェニルスルフィド1.80g(9.7mmol)を2分間かけて滴下し、1時間撹拌を継続した(反応濃度:9.5%)。
次いで、予め調製しておいたヘキサフルオロリン酸カリウム1.87g(10.2mmol)を水60mlに溶解した溶液中に氷60gを加え、氷水冷却下、徐々に投入したところ、白色の固体が析出した。
白色の固体を濾過で分離し、10mlの水で4回洗浄後、減圧乾燥して、白色粉末3.3gを得た。濾過廃水と洗浄水を中和したところ、71gの40%水酸化ナトリウム水溶液を要した。
得られた白色粉末を、13C−NMRおよびIRで分析したところ、予想したスルホニオ基を1個有するヘキサフルオロリン酸(4−フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウムではなく、スルホニオ基を2個有するビスヘキサフルオロリン酸(4−フェニルチオフェニル)ビスジフェニルスルホニウム、および構造不明の不純物を含有していた。得られたジスルホニウム塩の収率は80%、純度は90%であった。また、上記の濾過で分離した際の濾液を分析したところ、ジフェニルスルフィドのスルホン化物が含まれていることが確認された。
【0032】
比較例2
100mlの反応容器に無水酢酸7.9g(77mmol)、メタンスルホン酸43.0g(447mmol)、ジフェニルスルホキシド12.12g(60mmol)とジフェニルスルフィド9.3g(50mmol)を仕込み均一に溶解させた(反応濃度:30%)後、80℃で6時間反応させた。室温に冷却後、氷水冷却下、反応液を300mlの水に滴下し、ヘキサフルオロリン酸カリウム9.5g(52mmol)を加え1時間撹拌した。
析出した茶色の結晶を濾過、水50mlの水で3回洗浄した後、減圧乾燥し、茶色の固体25.3g(収率:98%、純度:63%)を得た。濾過廃水と洗浄水を中和したところ、52gの40%水酸化ナトリウム水溶液を要した。
得られた茶色の固体を、13C−NMRおよびIRにより分析したところ、主成分は、ヘキサフルオロリン酸(4−フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウムであり、不純物は、ビスヘキサフルオロリン酸(4−フェニルチオフェニル)ビスジフェニルスルホニウム、少量の原料、および構造不明の化合物を含有していた。
【0033】
比較例3
無水酢酸19.5g(191mmol)とエタンスルホン酸106.2g(965mmol)を混合、溶解し、これに(4−ベンゾイル)ジフェニルスルフィド29.0g(100mmol)、4,4′−ジフルオロジフェニルスルフィド23.9g(100mmol)を仕込み、80℃に昇温し7時間反応を行い、次に反応混合物を300mlの水に注ぎ入れた後、ヘキサフルオロリン酸ナトリウムを16.8g(100mmol)加え、1時間撹拌した。
析出した固体を濾過、水50mlの水で5回洗浄した後、減圧乾燥し、茶色の固体を得た(収量:55.8g、収率:85%、純度:80%)。濾過廃水と洗浄水を中和したところ、119gの40%水酸化ナトリウム水溶液を要した。
得られた茶色の固体を、13C−NMRおよびIRにより分析したところ、主成分は、ヘキサフルオロリン酸(4−ベンゾイルフェニル)チオフェニル4,4′−ジフルオロジフェニルスルホニウムであり、不純物として、4,4′−ジフルオロジフェニルスルホキシド、(4−ベンゾイル)ジフェニルスルフィド、および構造不明の不純物を含有していた。
【0034】
比較例4
無水酢酸750g(7.35mmol)と硫酸250g(2.50mmol)を混合、溶解し、これに2−イソプロピルチオキサントン127g(0.50mmol)を仕込み、液温を40℃にして4,4′−ジメチルジフェニルスルホキシド115g(0.50mmol)を約2.5時間で分割して仕込んだ。次いで40℃で2.5時間反応後、45℃で2.5時間反応を行い、次に2Lの水に注ぎ入れ、40%水酸化ナトリウム水溶液1700gで中和、静置した。
水層を廃水後に、水2.5Lを入れ、活性炭25gを入れ50℃で1時間撹拌し、次いで濾過し、濾液にトルエン1200gを加え、さらにヘキサンフルオロアンチモン酸カリウム124g(0.45mol)を少しずつ加え、20分間撹拌後、静置し、水層を排水した。トルエン層に15%食塩水を1000g加え洗浄排水した後、トルエンを減圧下約60℃で留去して、黄色の固体275gを得た(収率:78%、純度:88%)。
得られた黄色の固体を、13C−NMRおよびIRにより分析したところ、主成分は、2−イソプロピルチオキサントンの4,4′−ジメチルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩であり、不純物として、4,4′−ジフルオロジフェニルスルホキシド、2−イソプロピルチオキサントンに基づくピークが検出された。
【0035】
実施例1〜9および比較例1〜4の結果を表1に示す。この表から、本発明の製造方法は、従来法に比べて目的のスルホニウム塩の収率、純度が高く、また廃液発生量が少ないことが分かる。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
本発明のスルホニウム塩の製造方法は、下記の効果を有する。
1.目的のスルホニウム塩を、高純度、高収率で製造することができる。
2.強酸を多量に使用せず、また、使用した無水酢酸や酢酸のような脱水剤、溶媒を回収することができるため、廃水中和に要するアルカリ量を低減することができる。
3.複分解工程が無いため、廃液発生量を大幅に低減することができる。
Claims (6)
- アリール基の少なくとも1つの炭素原子に水素原子が結合しているアリール化合物(A)と、下式(1)
(式中、R1、R2は、置換されていてもよい炭化水素基または複素環基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。)で表されるスルホキシド化合物(B)とを、下式(2)
HMXmYn (2)
(式中、Mは元素周期表のIIIa族またはVa族の元素、Xはハロゲン、Yは水酸基を表し、m、nは、MがIIIa族の場合は、m+n=4、且つn=0〜3の整数であり、MがVa族の場合は、m+n=6、且つn=0〜2の整数である。)で表される強酸(C)の存在下に反応させることを特徴とする、MXmYn -をアニオンとするスルホニウム塩の製造方法。 - 脱水剤(D)の存在下に反応させる請求項1記載の製造方法。
- アリール化合物(A)が、置換されていてもよいアリールチオ基および/またはアロイル基を有する請求項1または2記載の製造方法。
- スルホキシド化合物(B)のR1およびR2が、置換されていてもよいアリール基である請求項1〜3の何れか記載の製造方法。
- 強酸(C)が、HBF4、HPF6およびHSbF6から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4の何れか記載の製造方法。
- 強酸(C)が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のBF4塩、PF6塩またはSbF6塩と硫酸との反応により得られる請求項5記載の製造方法。
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