JPH0678254B2 - 6,6′−ジヒドロキシ−3,3,3′,3′−テトラメチル−1,1′−スピロビインダンの製造方法 - Google Patents

6,6′−ジヒドロキシ−3,3,3′,3′−テトラメチル−1,1′−スピロビインダンの製造方法

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JPH0678254B2 JP60149166A JP14916685A JPH0678254B2 JP H0678254 B2 JPH0678254 B2 JP H0678254B2 JP 60149166 A JP60149166 A JP 60149166A JP 14916685 A JP14916685 A JP 14916685A JP H0678254 B2 JPH0678254 B2 JP H0678254B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、6,6′−ジヒドロキシ−3,3,3′,3′−1,1′
−スピロビインダンの新規な製造方法に関する。更に詳
しくは2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
をペルフルオロアルカンスルホン酸の存在下に加熱処理
することを特徴とする6,6′−ジヒドロキシ−3,3,3′,
3′−テトラメチル−1,1′−スピロビインダンの製造方
法に関する。
6,6′−ジヒドロキシ−3,3,3′,3′−テトラメチル−1,
1′−スピロビインダンは樹脂原料として極めて有用な
物質である。
(従来の技術) 従来、6,6′−ジヒドロキシ−3,3,3′,3′−テトラメチ
ル−1,1′−スピロビインダンの製造方法に関しては、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを約2
倍量の硫酸中にて140℃で6時間処理して製造する方法
(米国特許第3,271,463号)。
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを大過
剰の臭化水素酸中にて還流下、7時間処理して製造する
方法(ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサエティ(J.Ch
em.Soc.1962,415))。
また、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
を濃塩酸と共にオートクレーブ中100℃で24時間処理し
て製造する方法(米国特許、第3,271,463号)などが知
られている。
しかしながら、これらの方法は、原料である2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに対して、多量の
硫酸または臭化水素酸を使用し、さらに濃塩酸を使用す
る場合、オートクレーブ中で目的物を製造しているが、
収率が極めて低く、実用的でない。このように公知の製
造方法は硫酸または臭化水素酸を多量に使用するため容
積効率が悪く、廃液の処理等無公害化の処理負荷が大き
くなる。また腐食に耐える装置が必要などこれらの方法
を実施する上で工業的に合理的でなく製造作業上極めて
困難である。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の課題は、このような6,6′−ジヒドロキシ−3,
3,3′,3′−テトラメチル−1,1′−スピロビインダンを
製造する従来技術の問題点を解消した全く新規な6,6′
−ジヒドロキシ−3,3,3′,3′−テトラメチル−1,1′−
スピロビインダンの製造方法を提供することである。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した。その
結果原料である2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパンに対して触媒量のペルフルオロアルカンスルホ
ン酸の存在下に加熱処理することにより、合理的かつ効
率良く6,6′−ジヒドロキシ−3,3,3′,3′−テトラメチ
ル−1,1′−スピロビインダンが得られることを見出
し、本発明を完成するに至つた。すなわち、本発明は2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンをペルフ
ルオロアルカンスルホン酸の存在下に加熱処理すること
を特徴とする6,6′−ジヒドロキシ−3,3,3′,3′−テト
ラメチル−1,1′−スピロビインダンの製造方法であ
る。
本発明の方法で使用する原料は2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパンである。また、本発明の方法に
おいて無溶媒で処理するか、あるいは溶媒中で処理して
も良い。使用する溶媒は芳香族およびハロゲン化炭化水
素類で芳香族炭化水素溶媒としては、例えばベンゼン、
トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベン
ゼン、クロロベンゼン、プロモベンゼン、アニソール、
ナフタリン、ビフェニル、ジフェニルエーテル等が挙げ
られる。ハロゲン化炭化水素溶媒としては、例えば、1,
1−ジクロロエタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタ
ン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタ
ン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラク
ロロエタン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチ
レン、テトラクロロエチレン等が挙げられる。これら溶
媒の使用量は特に限定されないが、通常原料に対して1
〜10重量倍で十分である。
本発明の方法で使用するペルフルオロアルカンスルホン
酸としては、一般式CnF2n+1SO3H(nは1〜8の整数)
で表わされるスルホン酸で具体的にはトリフルオロメタ
ンスルホン酸(CF3SO3H)、 ペンタフルオロエタンスルホン酸(C2F5SO3H)、 ヘプタフルオロプロパンスルホン酸(C3F7SO3H)、 ノナフルオロブタンスルホン酸(C4F9SO3H)、 ウンデカフルオロペンタンスルホン酸(C5F11SO3H)、 トリデカフルオロヘキサンスルホン酸(C6F13SO3H)、 ペンタデカフルオロヘプタンスルホン酸 (C7F15SO3H)、ヘプタデカフルオロオクタンスルホン
酸(C8F17SO3H)、等があげられ、工業的には、トリフ
ルオロメタンスルホン酸(CF3SO3H)が好ましい。これ
らペルフルオロアルカンスルホン酸は原料に対して0.05
〜20重量%使用され、好ましくは0.1〜10重量%程度が
用いられる。反応温度は、通常、50℃〜200℃の範囲で
あるが、好ましくは60〜160℃の範囲である。反応時間
は1〜20時間で行なう。
本発明の方法における一般的な実施態様としては、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとペルフル
オロアルカンスルホン酸を装入し、加熱処理する。この
反応の終点は高速液体クロマトグラフィーにより原料の
減少を見ながら決定することが出来る。反応終了後、直
ちにアルカリ水溶液を加えアルカリ金属塩として析出さ
せるか、溶媒を留去し、さらに副生するフェノールを減
圧蒸留にて留去して回収し、アルカリ水溶液を加えアル
カリ金属塩として析出させるか、あるいはその析出した
アルカリ金属塩を取り出し鉱酸により中和し、目的物の
粗製品を得る。その粗製品を溶剤により再結晶を行ない
目的物を得る方法がある。
(作用と効果) 本発明の方法によれば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパンを触媒量のペルフルオロアルカンスル
ホン酸の存在下に加熱処理することにより容易に目的物
が製造できる。
したがつて廃液の処理等の負荷がなく、製造作業上合理
的かつ効率良く、目的物が製造出来、工業的に実施する
上で極めて有利な、6,6′−ジヒドロキシ−3,3,3′,3′
−テトラメチル−1,1′−スピロビインダンの製造方法
である。
(実施例) 以下、本発明の方法を実施例により更に詳細に説明す
る。
実施例1 1セパラブルフラスコに2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン250g(1.1モル)とトリフルオロメ
タンスルホン酸1gを装入し140〜150℃で5時間反応す
る。反応終了後、直ちに、副生するフェノールを減圧蒸
留により留去、回収し、冷却してイソプロパノール(IP
A)150mlを装入し、溶解する。次に9%苛性ソーダ水溶
液510g装入するとナトリウム塩結晶が析出する。これを
過し更に25%IPA水溶液300mlにて80〜83℃で30分間処
理し、冷却、過し15%IPA水溶液中で塩酸水溶液によ
り中和する。析出した結晶を別、水洗、乾燥してベン
ゼン中にて共沸により脱水した後、過、乾燥して6,
6′−ジヒドロキシ−3,3,3′,3′−テトラメチル−1,
1′−スピロビインダンの白色結晶を得た。収量81.5g mp215〜217℃ MS:308(M+)、293(M−CM3 実施例2 1セパラブルフラスコにて、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン125g(0.55モル)とトリフルオ
ロメタンスルホン酸1.2gおよびトルエン375mlを装入
し、還流下で9時間反応する。反応終了後冷却し、直ち
にトルエンを留去し、次いで副生するフェノールを減圧
蒸留にて留去回収し、実施例1と同様な操作により6,
6′−ジヒドロキシ−3,3,3′,3′−テトラメチル−1,
1′−スピロビインダンの白色結晶を得た。収量39g、mp
215〜217℃ 実施例3 1セパラブルフラスコにて、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン125g(0.55モル)とトリフルオ
ロメタンスルホン酸1.2gおよびテトラクロロエチレン37
5mlを装入し還流下で7時間反応する。反応終了後実施
例2と同様な操作により6,6′−ジヒドロキシ−3,3,
3′,3′−テトラメチル−1,1′−スピロビインダンの白
色結晶を得た。収量40g mp215〜217℃ 実施例4 500mlセパラブルフラスコに2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン125g(0.55モル)とペンタフルオロ
エタンスルホン酸0.5gを装入し140〜150℃で6時間反応
する。反応終了後実施例1と同様な操作により6,6′−
ジヒドロキシ−3,3,3′,3′−テトラメチル−1,1′−ス
ピロビインダンの白色結晶を得た。収量42g mp215〜21
7℃ 実施例5 500mlセパラブルフラスコに2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン125g(0.55モル)とペルフルオロヘ
プタンスルホン酸0.5gを装入し140〜150℃で5時間反応
する。反応終了後実施例1と同様な操作により6,6′−
ジヒドロキシ−3,3,3′,3′−テトラメチル−1,1′−ス
ピロビインダンの白色結晶を得た。収量40g mp215〜21
7℃ 実施例6 2セパラブルフラスコに2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン500g(2.2モル)とトリフルオロメ
タンスルホン酸0.5gを装入し150〜160℃で8時間反応す
る。
反応終了後実施例1と同様な操作により6,6′−ジヒド
ロキシ−3,3,3′,3′−テトラメチル−1,1′−スピロビ
インダンの白色結晶を得た。収量160g mp215〜217℃

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)
    プロパンをペルフルオロアルカンスルホン酸の存在下に
    加熱処理することを特徴とする式(1) で表わされる、6,6′−ジヒドロキシ−3,3,3′,3′−テ
    トラメチル−1,1′−スピロビインダンの製造方法。
JP60149166A 1985-06-28 1985-07-09 6,6′−ジヒドロキシ−3,3,3′,3′−テトラメチル−1,1′−スピロビインダンの製造方法 Expired - Fee Related JPH0678254B2 (ja)

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