JP3836946B2 - 有機el表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」と略記する。)を画素として利用している有機EL表示装置に係り、特に、対向電極側を光取り出し面とする有機EL素子を備えた有機EL表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL素子は、陽極,有機発光部,陰極がこの順番またはこれとは逆の順番で基材上に順次積層された構成を基本的な層構成とする発光素子であり、当該有機EL素子では、陽極と陰極との間に電圧を印加することによって、有機発光部に使用されている有機発光材料の種類に応じた所定色の発光を得る。当該有機EL素子は、無機EL素子に比べて大幅に低い印加電圧によって発光させることができ、かつ、有機EL素子を画素として用いた場合には視野角依存性の低い表示を行うことができる。このため、現在、有機EL表示装置の開発が活発に進められている。
【0003】
有機EL表示装置を得る場合には、まず基材上に所定個の画素すなわち有機EL素子を形成する必要があるが、有機EL素子の有機発光部に使用されている有機発光材料の耐熱性は比較的低く、加熱により比較的容易にその発光能が消失する。このため、有機EL素子の対向電極(有機発光部の形成後に当該有機発光部上に形成される電極を意味する。以下同じ。)は、当該対向電極の形成時またはその材料となる導電膜の形成時に有機発光材料の発光能が低下もしくは消失しないよう、できるだけ低温(概ね150℃以下)で形成することが望まれる。
例えば『Appl. Phys. Lett. 第68巻』(1996年)の第2606頁には、対向電極側を光取り出し面とする有機EL素子を備えた有機EL表示装置を得るにあたって対向電極となるITO膜を室温で形成したものが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
対向電極側を光取り出し面とする有機EL素子からなる画素を備えた有機EL表示装置を得ようとする場合には、前記の対向電極を透明導電膜によって形成する必要があり、かつ、光透過性および導電性の観点から前記の透明導電膜としては酸化物透明導電膜を用いることが望まれるが、有機EL素子用の対向電極材料として従来より用いられている酸化物透明導電膜を概ね150℃以下という温度条件下で製膜すると、その抵抗率は通常1×10-3Ω・cm以上となる。
【0005】
このため、例えばX−Yマトリックス型の有機EL表示装置のように、所定個の有機EL素子に共通する帯状の対向電極(以下、この対向電極を「対向電極ストライプ」という。)を必要本数形成するタイプの有機EL表示装置においては、有機EL素子用の対向電極材料として従来より用いられている酸化物透明導電膜によって対向電極ストライプを形成すると次のような問題が生じる。
【0006】
すなわち、対向電極側を光取り出し面とする有機EL表示装置については、応答速度,消費電力等の観点から、実用上、前記の対向電極ストライプのシート抵抗を概ね20Ω/□以下にすることが望まれているが、抵抗率が上記のように高い酸化物透明導電膜によって対向電極ストライプを形成し、かつ、高精細の表示装置を得るために当該対向電極ストライプを細線化すると、対向電極ストライプのシート抵抗が容易に20Ω/□を超えてしまう。その結果として応答速度の低下や消費電力の増加等をまねき、実用に供し得る有機EL表示装置を得ることが実質的にできなくなる。
【0007】
酸化物透明導電膜を利用した対向電極ストライプの導電性は、例えば特開平4−229595号公報に記載されているように、対向電極ストライプ用の透明電極導体(酸化物透明導電膜)上に当該酸化物透明導電膜よりも導電性の高い細片(補助配線)を設けることによって向上させることができる。
しかしながら、前記の公報に開示されている発明は無機EL表示装置に関するものであり、当該発明の手法をそのまま有機EL表示装置に適用した場合には次のような問題が生じる。
【0008】
すなわち、上記の公報に開示されている発明ではウエットエッチングを利用したリソグラフィー法によって補助配線を形成しているが、有機EL素子の有機発光部に使用される有機発光材料は、リソグラフィー法で従来より利用されている有機溶剤との接触、換言すれば、レジスト膜の原料として使用されるコーティング溶液中の溶剤,レジストパターン形成時に使用される現像液,ウエットエッチングによって導電膜のパターニングを行う場合には当該ウエットエッチングの際に使用されるエッチング液、あるいはレジストパターンを剥離する際に使用される剥離液との接触によって、比較的容易に溶解する。また、有機EL素子を構成する対向電極は、前記の有機溶剤との接触によって剥離しやすい。これらの結果として、有機EL素子の発光能が容易に消失する。そして、ウエットエッチングを利用したリソグラフィー法によって補助配線を形成する際に、前記の溶剤,現像液,エッチング液あるいは剥離液が有機発光部中に浸入するのを防止することは極めて困難である。
【0009】
このため、上記の公報に開示されている発明の手法をそのまま有機EL表示装置に適用した場合には、有機EL素子の発光効率が著しく低下し、実用に供し得る有機EL表示装置を得ることが実質的にできないというのが現状であり、有機EL素子についての当該手法の効果は全く判明していない。
【0010】
本発明の目的は、対向電極側を光取り出し面とする高精細な表示装置を得ることが容易な有機EL表示装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する本発明の有機EL表示装置は、基材と、該基材上に形成されている複数本の下部電極ストライプと、該下部電極ストライプそれぞれの上に形成されている有機発光部用材料層と、該有機発光部用材料層を介して前記の下部電極ストライプの各々と交差するように形成されている複数本の対向電極ストライプとを備え、前記の対向電極ストライプの各々は、少なくとも前記の下部電極ストライプとの平面視上の交差部それぞれに形成されている透明対向電極と、該透明対向電極の表面上に設けられており、かつ、前記の下部電極ストライプの各々と平面視上交差するようにして形成されている補助配線とからなり、前記の補助配線の抵抗値は該補助配線の下地となっている前記の透明対向電極の抵抗値より低く、かつ、この補助配線の線幅は該補助配線の下地となっている前記の透明対向電極の線幅より狭く、前記の補助配線は融点400℃以下の金属もしくは合金からなり、前記の透明対向電極と前記の下部電極ストライプとの平面視上の交差部が有機EL素子からなる画素として機能し、この有機EL素子の発光効率が1lm/W以上であることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の有機EL表示装置は、前述したように、基材と、当該基材上に形成されている複数本の下部電極ストライプと、当該下部電極ストライプそれぞれの上に形成されている有機発光部用材料層と、当該有機発光部用材料層を介して前記の下部電極ストライプの各々と交差するように形成されている複数本の対向電極ストライプとを備えている。
【0013】
ここで、本発明の有機EL表示装置は基本的には対向電極側を光取り出し面とするものであるが、上記の基材側を光取り出し面として利用することも可能である。したがって、基材としてどのような材質の物を利用するかは、目的とする有機EL表示装置において対向電極側を光取り出し面とするか否かに応じて適宜選択可能である。目的とする有機EL表示装置において対向電極側を光取り出し面とする場合、上記の基材としては有機EL素子からの発光(EL光)に対して高い透過性(概ね80%以上)を与えるもの(以下、このものを「透光性基材」という。)を用いてもよいし、非透光性基材を用いてもよいが、非透光性基材を用いる方がより好ましい。一方、基材側を光取り出し面とする場合には、透光性基材を用いることが好ましい。
【0014】
透光性基材の具体例としては、アルカリガラス,無アルカリガス等の透明ガラスからなるものや、ポリイミド,ポリサルフォン等の透明樹脂からなるもの、透光性アルミナ,ZnS焼結体等の透明セラミックスからなるもの、あるいは石英からなるもの等が挙げられる。一方、非透光性基材を用いる場合、当該非透光性基材は有機材料からなっていてもよいし、無機材料からなっていてもよい。
【0015】
基材はフィルム状物,シート状物および板状物のいずれであってもよく、また、単層構造および複数層構造のいずれの構造を有していてもよい。更には、所望の下部電極ストライプを形成することができさえすれば、電気絶縁性物質,半導体物質および導電性物質のいずれからなっていてもよい。どのような基材を用いるかは、目的とする有機EL表示装置の用途や生産性等を勘案して適宜選択可能である。
【0016】
上記の基材には複数本の下部電極ストライプが形成されている。個々の下部電極ストライプの平面視上の形状は、目的とする有機EL表示装置における画素(有機EL素子)の配置仕様等に応じて適宜選択可能である。例えば画素の配置パターンがモザイク型,ストライプ型または4画素配置型である場合には、直線状とすることができる。
【0017】
また、個々の下部電極ストライプの大きさおよび下部電極ストライプ同士のピッチは、目的とする有機EL表示装置における精細化の度合い等に応じて適宜選択される。例えば、高精細なX−Yマトリックス型の有機EL表示装置(画素数が概ね400個/cm2 以上のものを意味する。以下同じ。)を得ようとする場合には、個々の下部電極ストライプの平面視上の形状を短手方向の幅が概ね5〜500μmのストライプ状とし、これらの下部電極ストライプ同士のピッチを概ね5〜500μmとすることが好ましい。
【0018】
下部電極ストライプの材質は、基材に密着し、かつ、微細加工が可能なものであれば基本的によいが、目的とする有機EL表示装置において前記の基材側を光取り出し面とするか否かに応じて、また、下部電極ストライプを陰極として利用するか陽極として利用するかに応じて、適宜選択される。
【0019】
すなわち、目的とする有機EL表示装置において前述した基材側を光取り出し面とする場合には、有機発光部で生じた光(EL光)が透過するように、透光性を有する下部電極ストライプを形成することができる材質を選択する。一方、目的とする有機EL表示装置において前述した基材側を光取り出し面とせずに後述する対向電極ストライプ側を光取り出し面とする場合には、下部電極ストライプは有機発光部で生じたEL光に対して透光性を有していても有していなくてもよいので、当該下部電極ストライプを陰極として利用するか陽極として利用するかに応じて、その材質を選択する。
【0020】
下部電極ストライプを陰極として利用する場合には、仕事関数の小さい(例えば4eV以下)金属,合金,電気伝導性化合物またはこれらの混合物等を当該下部電極ストライプの材料として用いることが好ましく、その具体例としてはナトリウム,ナトリウム−カリウム合金,マグネシウム,リチウム,マグネシウムと銀との合金または混合金属,マグネシウム−銅混合物,アルミニウム,Al/Al23 ,Al−Li合金,インジウムやイッテルビウム等の希土類金属などが 挙げられる。一方、下部電極ストライプを陽極として利用する場合には、仕事関数が大きい(例えば4eV以上、好ましくは5eV以上)金属,合金,電気伝導性化合物またはこれらの混合物等を当該下部電極ストライプの材料として用いることが好ましく、その具体例としてはAu等の金属、CuI,ITO,錫酸化物,亜鉛酸化物,In−Zn−O系酸化物等の導電性透明材料が挙げられる。
なお、下部電極ストライプは単層構造のものでなければならないというものではなく、2層以上の複数層構造のものであってもよい。
【0021】
本発明の有機EL表示装置においては、上述した下部電極ストライプそれぞれの上に有機発光部用材料層が形成されている。
ここで、有機EL素子の層構成の具体例としては下記(1)〜(4)のもの、すなわち、
(1)陽極/発光層/陰極
(2)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
(3)陽極/発光層/電子注入層/陰極
(4)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
のものが挙げられ、上記(1)のタイプの有機EL素子を形成しようとする場合には発光層用の材料層が本発明でいう有機発光部用材料層に相当し、上記(2)のタイプの有機EL素子を形成しようとする場合には正孔注入層用の材料層と発光層用の材料層との積層物が本発明でいう有機発光部用材料層に相当し、上記(3)のタイプの有機EL素子を形成しようとする場合には発光層用の材料層と電子注入層用の材料層との積層物が本発明でいう有機発光部用材料層に相当し、上記(4)のタイプの有機EL素子を形成しようとする場合には正孔注入層用の材料層と発光層用の材料層と電子注入層用の材料層との積層物が本発明でいう有機発光部用材料層に相当する。
【0022】
発光層用の材料層は、通常1種または複数種の有機発光材料によって形成されるが、有機発光材料と電子注入材料および/または正孔注入材料との混合物や、当該混合物もしくは有機発光材料を分散させた高分子材料等によって形成されていてもよい。また、正孔注入層の代わりに正孔輸送層が使用される有機EL素子や、正孔注入層と共に正孔輸送層が併用される有機EL素子もあるが、本明細書でいう「正孔注入層」とは、特に断らない限り、正孔注入層の単独層、正孔輸送層の単独層、および正孔注入層と正孔輸送層との積層物の総称である。
【0023】
本発明でいう有機発光部用材料層の層構成は、前述した下部電極ストライプと後述する対向電極ストライプとの間に電圧を印加することによって所望の発光(EL光)が得られるものであれば特に限定されるものではなく、適宜選択可能である。そして、有機発光部用材料層を構成している層の材料も特に限定されるものではなく、所望色の光(EL光)を出射する有機EL素子が得られさえすれば種々の材料を使用することができる。
【0024】
有機発光部用材料層は、前述した下部電極ストライプおよび後述する対向電極ストライプと共に有機EL素子を構成するものであるので、少なくとも有機EL素子を形成しようとする箇所の下部電極ストライプ上に形成されている。勿論、当該箇所の下部電極ストライプ上の他にその周辺部に形成されていてもよい。下部電極ストライプが形成されている側の基材の外表面(下部電極ストライプの表面を含む。)を覆うようにして有機発光部用材料層を設けるようにすれば、その形成が容易になる。
【0025】
上記の有機発光部用材料層が設けられている側の基材の外表面(有機発光部用材料層の表面を含む。)には、有機発光部用材料層を介して前述した下部電極ストライプの各々と交差するようにして複数本の対向電極ストライプが形成されている。そして、対向電極ストライプの各々は、少なくとも前記の下部電極ストライプとの平面視上の交差部それぞれに形成されている透明対向電極と、当該透明対向電極の表面上に設けられており、かつ、前述した下部電極ストライプの各々と平面視上交差するようにして形成されている補助配線とからなる。
【0026】
1本の対向電極ストライプを構成している透明対向電極は、この対向電極ストライプと下部電極ストライプとの平面視上の交差部それぞれに個別に形成された電極であってもよいし、前記平面視上の交差部の全てに共通するようにして形成された1個の電極であってもよい。
【0027】
対向電極ストライプと下部電極ストライプとの平面視上の交差部それぞれに個別に透明対向電極を形成する場合には、当該透明対向電極の平面視上の形状を例えば矩形,円形,楕円形等とすることができる。一方、対向電極ストライプと下部電極ストライプとの平面視上の交差部の全てに共通するように透明対向電極を形成する場合には、当該透明対向電極の平面視上の形状を直線状とすることができる。透明対向電極の配設仕様および平面視上の形状は、目的とする有機EL表示装置の用途や使用目的等に応じて適宜選択可能である。
【0028】
透明対向電極の材質は、当該透明対向電極を陽極として利用するか陰極として利用するかに応じて適宜選択されるが、いずれの場合でも、有機発光部から出射される光(EL光)の透過率が概ね50%となるようにその材質を選択することが好ましい。前記の透過率は概ね60%以上であることがより好ましく、概ね80%以上であることが特に好ましい。
【0029】
透明対向電極を陽極として利用する場合には、In−Zn−O系酸化物,ITO,ZnO:AlおよびZn−Sn−O系酸化物等の透明導電性酸化物からなる膜厚10〜500nm程度の酸化物透明導電膜や、仕事関数が5eV以上の金属(例えばAu,Pt,Pd等)からなる膜厚1〜20nm程度の超薄膜等によって当該透明対向電極を形成することができる。なかでも、基板温度を室温にして製膜した場合でも抵抗率が5×10-4Ω・cm以下の透明導電膜を容易に得ることができるという観点から、低抵抗率の非晶質透明導電膜、好ましくはIn−Zn−O系非晶質酸化物膜によって陽極用の透明対向電極を形成することが好ましい。前記の非晶質透明導電膜によって透明対向電極を形成するという態様は、本発明の特に好ましい態様である。
【0030】
一方、透明対向電極を陰極として利用する場合には、電子注入性を有する膜(以下、この膜を「電子注入性膜」という。)と当該電子注入性膜上に形成された酸化物透明導電膜とからなる2層構造の導電膜によって透明対向電極を形成することが好ましい。前記の電子注入性膜の材質の具体例としては、Ca,Sr,Ba,Mg,希土類金属等の単体金属や、Li合金(Al:Li,In:Li,Pb:Li,Bi:Li,Sn:Li,Zn:Li等),Mg合金(Mg:Ag,Mg:In,Mg:Al,Mg:Li等)等の合金、BaO,SrO,MgO,Li23 およびNa23 等の金属酸化物、LiFおよびNaF等の金属フッ化物などが挙げられる。電子注入性膜としては、仕事関数が3.8eV以下の金属または化合物からなる膜厚0.1〜20nmの超薄膜が好ましい。また、電子注入性膜上に形成する酸化物透明導電膜としては、陽極用の透明対向電極の材質として先に例示した透明導電性酸化物からなる膜厚10〜500nm程度の酸化物透明導電膜が好ましい。
【0031】
上述した透明対向電極と共に対向電極ストライプを構成している補助配線は、透明対向電極の材料のみによって対向電極ストライプを形成した場合よりも導電性の高い対向電極ストライプを得るために設けられたものである。当該補助配線は、この補助配線と共に1本の対向電極ストライプを構成している透明対向電極の表面上に設けられており、かつ、当該補助配線は前述した下部電極ストライプの各々と平面視上交差するようにして形成されている。
【0032】
対向電極ストライプと下部電極ストライプとの平面視上の交差部それぞれに個別に透明対向電極が形成されている場合、上記の補助配線は、1本の対向電極ストライプを構成している全ての透明対向電極を電気的に接続し得るようにして、個々の透明対向電極上および隣り合う透明対向電極の間の基材表面(有機発光部用材料層の表面を含む。)上に形成される。一方、対向電極ストライプを構成している透明対向電極が当該対向電極ストライプと下部電極ストライプとの平面視上の交差部の全てに共通するようにして形成された1個の電極である場合には、この透明対向電極の表面を横切るようにして、かつ、前述した下部電極ストライプの各々と平面視上交差するようにして、当該透明対向電極上に補助配線が形成される。
【0033】
前述したように、補助配線は導電性の高い対向電極ストライプを得るために設けられたものであるので、当該補助配線の抵抗値はその下地となっている透明対向電極の抵抗値よりも低い。高精細の有機EL表示装置を得るうえからは、抵抗率が概ね5×10-5Ω・cm以下の物質によって補助配線を形成することが好ましい。また、補助配線の1cmあたりの抵抗値は1kΩ以下とすることが好ましく、0.5kΩ以下とすることより好ましく、0.1kΩ以下とすることが特に好ましい。
【0034】
補助配線1cmあたりの抵抗値は、補助配線の材質の他に当該補助配線の線幅および厚さによっても変動するが、本発明の有機EL表示装置は基本的に対向電極ストライプ側を光取り出し面とするものである。したがって、対向電極ストライプ側を光取り出し面として利用した場合でも有機EL表示装置の駆動時に補助配線が視認されないよう、補助配線の線幅については、当該補助配線と共に対向電極ストライプを構成している透明対向電極の線幅(対向電極ストライプの長手方向と直交する方向の幅を意味する。以下同じ。)の2〜20%とすることが好ましく、5〜18%とすることがより好ましく、10〜15%とすることが特に好ましい。
【0035】
また、補助配線の厚さは概ね200nm〜数十μmとすることが好ましい。補助配線の厚さが200nm未満では、その材質に拘わらず、1cmあたりの抵抗値が1kΩ以下のものを得ることが困難になる。一方、補助配線の厚さが数十μmを超えると、当該補助配線またはその材料となる導電膜の製膜に長時間を要するようになる。
【0036】
上述した補助配線の材質は、所望の電気的特性を有する補助配線を形成することができさえすれば特に限定されるものではなく、Cu,Al,Mo,Ta,W,Au,Ag,Zr等のように融点が比較的高い導電性材料であってもよいが、有機発光材料の耐熱性は前述したように比較的低い。したがって、補助配線またはその材料となる導電膜を製膜する際の熱によって有機発光材料の発光能が低下するのを抑制するうえからは、融点が概ね400℃以下の金属もしくは合金によって補助配線を形成することが好ましい。このような金属もしくは合金によって補助配線を形成するようにすれば、当該補助配線またはその材料となる導電膜を低基板温度の下に短時間で製膜することが容易になり、かつ、製膜中の熱輻射によって有機発光材料の発光能が低下することを容易に抑制することができる。
【0037】
上記融点が概ね400℃以下の金属の具体例としては、Sn,Pb,In,Ga,Bi等が挙げられる。また、上記融点が概ね400℃以下の合金の具体例としては、Pb−Sn合金,Pb−In合金,Pb−Ag合金,Ga−In合金,Bi−In合金,Pb−Sn−Cd合金,Pb−Cd−Sb合金等が挙げられる。これらの金属または合金の中でも、In,Pb,Sn,In系合金,Pb系合金またはSn系合金によって補助配線を形成した場合には、更に次の利点が得られる。すなわち、透明対向電極と下部電極ストライプとの間で絶縁破壊が生じると絶縁破壊箇所から有機発光材料等に由来するガスが発生し、当該ガスの発生によって補助配線が概ね5〜20μmに亘って断線する場合があるが、このような断線が仮に生じたとしても、前記の金属もしくは合金によって形成された補助配線は自己修復する。したがって、より信頼性の高い有機EL表示装置を得ることが可能になる。
【0038】
本発明の有機EL表示装置は、以上説明した基材,下部電極ストライプ,有機発光部用材料層および対向電極ストライプを必須の構成部材として備えたものであり、当該有機EL表示装置では、下部電極ストライプと対向電極ストライプとの平面視上の交差部それぞれにおいて、基材側から順に下部電極ストライプ,有機発光部用材料層,透明対向電極および補助配線が積層されている。したがって、これらの交差部はそれぞれ有機EL素子として機能し、当該有機EL素子は、下部電極ストライプおよび対向電極ストライプを所定の駆動回路に接続することによって個別に駆動させることができるものであるので、画素として機能させることができる。そして、画素である有機EL素子の発光効率は1lm/W以上である。
【0039】
発光効率が1lm/W以上の有機EL素子は、本発明の有機EL表示装置を例えば後述する方法によって作製することにより、容易に得ることができる。また、本発明の有機EL表示装置においては透明対向電極と補助配線とによって対向電極ストライプを形成しているので、補助配線の材質,線幅,厚さ等を適宜選択することにより、表示装置の高精細化のために当該対向電極ストライプを細線化した場合でも、そのシート抵抗を容易に20Ω/□以下にすることができる。
すなわち、本発明の有機EL表示装置は、対向電極側を光取り出し面とする高精細な表示装置を得ることが容易な有機EL表示装置である。
【0040】
上記の利点を有する本発明の有機EL表示装置は、以上説明した基材,下部電極ストライプ,有機発光部用材料層および対向電極ストライプの他に、必要に応じて下記(1)の保護層,(2)の層間絶縁膜または(3)の封止層、等が設けられていてもよい。
【0041】
(1)保護層
本発明でいう保護層とは、補助配線を形成する工程中において有機発光部用材料層や対向電極が損傷を受けるのを防止するために、補助配線の形成箇所を除いた状態で少なくとも透明対向電極を覆うようにして形成された電気絶縁性材料の層を意味し、当該保護層は、特に、透明対向電極端から酸素,水分,各種溶剤(目的とする有機EL素子の形成時に使用されるもの)が浸入するのを防ぐという役割を担う。その膜厚は、前記の電気絶縁性材料の種類にもよるが、概ね0.2〜10μmである。
【0042】
上記の保護層は、その材料となる層を透明対向電極の形成後に形成し、この層を補助配線の形成に先だって所定形状にパターニングすることで形成される。したがって、当該保護層の材料としては、所望の光透過性を有し、かつ、有機EL素子の発光特性の低下を抑制しつつ製膜することができるものが好ましい。
【0043】
保護層は、Al23 −SiOx (1≦x≦2),MgO,GeO2 ,Li2O等の金属酸化物、LiF,MgF2 ,CaF2 等の金属フッ化物、酸化シリコン、酸化ゲルマニウム、などの無機化合物によって形成することもできるが、特に、有機EL素子に対して不活性な溶剤、すなわち、有機EL素子の有機発光部に使用されている有機材料(有機発光材料,正孔注入層用の有機材料および電子注入層用の有機材料の総称である。以下同じ。)や下部電極ストライプあるいは透明対向電極(特に電子注入性膜)と実質的に反応しない溶剤に可溶の樹脂によって形成することがより好ましい。
【0044】
上記の溶剤としては、有機EL素子の有機発光部に使用されている有機材料の溶解度が0.001%以下のものが特に好ましく、その具体例としては次のフッ素化炭化水素が挙げられる。すなわち、直鎖状パーフルオロアルカン(動粘度が0.1〜1cSt程度のもの)等のフッ素化低級パラフィン(炭素数が50以下のもの)や、パーフルオロアミン等のフッ素化低級アミン(炭素数が20以下のもの)、パーフルオロポリエーテル(分子量が1000〜10000程度のもの)等のフッ素化ポリエーテルなどが挙げられる。また、フッ素化シリコーンオイルを上記の溶剤として用いることもできる。
【0045】
ジクロロメタン,ジクロロエタン,テトラヒドロフラン,ヘキサン,キシレン等の溶剤は有機発光部に使用されている有機材料を溶解させるので、本発明でいう上記の溶剤としては好ましくない。また、過酸化水素水,希塩酸,希硝酸,希アンモニア水等は透明対向電極、特に、透明対向電極が電子注入性膜を備えた複数層構造のものである場合における前記の電子注入性膜に溶解,酸化,変質等の損傷を与えるので、本発明でいう上記の溶剤としては好ましくない。そして、フォトレジストまたはドライフィルムフォトレジストの現像液もしくは剥離液として従来より利用されている水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液,水酸化カリウム水溶液,水酸化ナトリウム水溶液,エチルセルソルブアセテート,ブチルセルソルブアセテート,ブチルエーテル,イソオクタン,アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン等の溶剤もまた、有機発光部に使用されている有機材料または透明対向電極(特に電子注入性膜)に損傷を与えるので、本発明でいう上記の溶剤としては好ましくない。
【0046】
そして、上記の溶剤に可溶の樹脂の具体例としては、(1) ポリクロロトリフルオロエチレン,ポリジクロロジフルオロエチレン,クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体等のフッ素化ポリオレフィン、(2) テトラフルオロエチレンと下式
【化1】
Figure 0003836946
によって示される化合物との共重合体等のフッ素化環状ポリオレフィン、(3) テトラフルオロエチレンとパーフルオロアリルビニルエーテルとの共重合体,クロロトリフルオロエチレンとパーフルオロアリルビニルエーテルとの共重合体,テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体,クロロトリフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体等のフッ素化ポリエーテル、および(4) フッ素化ポリシロキサン、などのフッ素系樹脂が挙げられる。これらの樹脂の中でも、テトラフルオロエチレンと炭素数が4〜8のパーフルオロアリルビニルエーテルとの重合体や、テトラフルオロエチレンと炭素数が4〜8のパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体が好ましい。
【0047】
また、吸水率(ASTM規格のD570に準拠した方法によって測定した吸水率を意味する。以下同じ。)が高い材料によって保護層を形成した場合には、有機EL表示装置の製造過程で当該保護層に水分が吸収され易く、この水分が有機EL表示装置の製造後に経時的に放出されて、有機EL素子の下部電極(下部電極ストライプ)や対向電極ストライプ(特に、電子注入性膜が形成されている場合には当該電子注入性膜)を酸化腐食させる危険性が高くなる。そして、有機EL素子の下部電極や対向電極ストライプが酸化腐食すると当該有機EL素子の発光特性が低下し、場合によっては全く発光しなくなってしまう。したがって、保護層はできるだけ吸水率の低い材料によって形成することが好ましく、特に、吸水率が0.5%以下の材料によって形成することが好ましい。
前述したフッ素系樹脂やMgO,GeO2 ,Al23 ,CaF2 ,LiF,SiOx (1≦x≦2),SiNx (0.1≦x≦4/3)等によって保護層を形成すれば、吸水率が0.5%以下の保護層を容易に得ることができる。
【0048】
(2)層間絶縁膜
本発明でいう層間絶縁膜とは、下部電極ストライプと対向電極ストライプとの間で短絡が生じることや有機EL素子にリーク電流が生じることを防止するために、平面視したときに補助配線と下部電極ストライプとが交差する箇所における前記の下部電極ストライプ表面を覆うようにして形成された電気絶縁膜を意味する。
【0049】
上記の層間絶縁膜は、平面視したときに補助配線と下部電極ストライプとが交差する箇所における前記の下部電極ストライプ表面を覆うようにして形成されていればよく、その形成位置は補助配線の形成位置に応じて適宜選択可能である。例えば、図6に示す有機EL表示装置20におけるように、透明対向電極21の平面視上の縁部に沿って位置するように層間絶縁膜22を形成してもよいし、後述する実施例3の有機EL表示装置におけるように、透明対向電極の平面視上の中央部に沿って位置するように層間絶縁膜を形成してもよい。なお、図6中の符号23は基材を示し、符号24は下部電極ストライプ、符号25は有機発光部用材料層、符号26は補助配線、符号27は前記の透明対向電極22と前記の補助配線26とによって構成されている対向電極ストライプを示している。
【0050】
層間絶縁膜は、所望の電気絶縁性を有し、かつ、高精細なパターニングが可能な材料からなっていればよいが、有機発光部用材料層や対向電極ストライプが層間絶縁膜の端で断線するのを防ぐうえから、その短手方向の垂直断面形状を、下底の方が上底より幅広の台形状、ないしは、かまぼこ状とすることが好ましい。層間絶縁膜の材料としては、例えば電気絶縁性ポリマー,電気絶縁性無機化合物等が好ましく用いられる。前記の電気絶縁性ポリマーの具体例としては、保護層の材料として先に例示したフッ素系樹脂や、ポリイミド,フッ素化ポリイミド,ポリオレフィン,ポリアクリレート,ポリキノリン等が挙げられ、前記の電気絶縁性無機化合物の具体例としては、保護層の材料として先に例示した無機化合物や、フッ素添加SiO2 ,非晶質カーボン等が挙げられる。
【0051】
前述した保護層と同様の理由から、層間絶縁膜の吸水率はできるだけ低いことが好ましく、0.5%下であることが特に好ましい。層間絶縁膜の材料として上記のフッ素系樹脂やポリオレフィン、MgO,GeO2 ,Al23 ,CaF2 ,LiF,SiOx (1≦x≦2),SiNx (0.1≦x≦4/3)等を用いれば、吸水率が0.5%以下の層間絶縁膜を比較的容易に得ることができる。
【0052】
(3)封止層
本発明でいう封止層とは、有機EL表示装置を構成している有機EL素子に水分や酸素が侵入するのを防止するために設けられる層を意味する。有機EL素子に水分や酸素が侵入すると、その発光特性や素子寿命が低下する。
【0053】
封止層の材料の具体例としては、例えば、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリユリア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質および吸水率0.1%以下の防湿性物質、In,Sn,Pb,Au,Cu,Ag,Al,Ti,Ni等の金属、MgO,SiO,SiO2 ,Al23 ,GeO,NiO,CaO,BaO,Fe23 ,Y23 ,T iO2 等の金属酸化物、MgF2 ,LiF,AlF3 ,CaF2 等の金属フッ化物、パーフルオロアルカン,パーフルオロアミン,パーフルオロポリエーテル等の液状フッ素化炭化水素および当該液状フッ素化炭化水素に水分や酸素を吸着する吸着剤を分散させたもの等が挙げられる。
【0054】
上述した保護層,層間絶縁膜または封止層を任意の構成部材とし、前述した基材,下部電極ストライプ,有機発光部用材料層および対向電極ストライプを必須の構成部材とする本発明の有機EL表示装置は、例えば次のようにして作製することができる。
まず、所望の基材の片面に必要本数の下部電極ストライプを形成する。基材の材料および形状ならびに下部電極ストライプの材料,形状,大きさ,ピッチ等については本発明の有機EL表示装置についての説明の中で既に述べてあるので、ここではその説明を省略する。
【0055】
電気絶縁性材料からなる基材を用いた場合の下部電極ストライプの形成は、例えば、当該下部電極ストライプの材料となる導電膜を真空蒸着法,スパッタリング法およびイオンプレーティング法等の各種PVD法や、各種CVD法、あるいは塗布熱分解法等の方法によって形成した後、この導電膜をフォトリソグラフィー法,電子線リソグラフィー法,X線リソグラフィー法等の各種リソグラフィー法によって所望形状にパターニングすることによって行うことができる。また、所定形状のマスクを用いたPVD法,CVD法,スクリーン印刷法等の方法によって直接形成することも可能である。
【0056】
一方、導電性材料からなる基材を用いた場合(電気絶縁性材料からなる層と導電性材料からなる層とを有している複数層構造の基材を用い、かつ、当該基材における導電性材料からなる層に下部電極ストライプを形成する場合を含む。)の下部電極ストライプの形成は、例えば陽極酸化法,イオン注入法等の方法によって当該導電性材料からなる基材または導電性材料からなる層の所望箇所にその厚さ方向の全体に亘って電気絶縁部を形成することにより行うことができる。
あるいは、ポリシリコン等の半導体の所望箇所にホウ素,リン等をイオン注入することによって当該箇所を低抵抗化し、ここを下部電極ストライプとして利用することもできる。
どのような方法によって下部電極ストライプを形成するかは、基材の材質,目的とする有機EL表示装置の用途,生産性等を勘案して適宜選択可能である。
【0057】
上述のようにして下部電極ストライプを作製した後、必要に応じて前述した層間絶縁膜を形成する。層間絶縁膜の材料,形状,形成位置等については本発明の有機EL表示装置についての説明の中で既に述べてあるので、ここではその説明を省略する。
【0058】
層間絶縁膜は、例えば、その材料となる電気絶縁膜を当該電気絶縁膜の材質に応じてPVD法,CVD法,塗布熱分解法,スピンコート法,ディッピング法等の方法によって形成した後、この電気絶縁膜をフォトリソグラフィー法,電子線リソグラフィー法,X線リソグラフィー法等の方法によって所望形状にパターニングすることにより得ることができる。リソグラフィー法は、ウエットエッチング法を利用したものであってもよいしドライエッチング法を利用したものであってもよい。ウエットエッチング法を利用するかドライエッチング法を利用するかは、電気絶縁膜の材質や、目的とする層間絶縁膜の形状および大きさ、あるいは生産性等を勘案して適宜選択可能である。
【0059】
必要に応じての層間絶縁膜の形成が終了した後、前述した下部電極ストライプが形成されている側の基材の外表面(下部電極ストライプの表面、および、層間絶縁膜が形成されている場合には当該層間絶縁膜の表面を含む。)に、有機EL素子において有機発光部となる有機発光部用材料層を形成する。有機発光部用材料層の層構成およびその材料については本発明の有機EL表示装置についての説明の中で既に述べてあるので、ここではその説明を省略する。
【0060】
有機発光部用材料層は、前述した下部電極ストライプおよび後述する対向電極ストライプと共に有機EL素子を構成するものであるので、少なくとも有機EL素子を形成しようとする箇所の下部電極ストライプ上に形成する必要があるが、当該箇所における下部電極ストライプ上の他にその周辺部に形成されていてもよい。有機EL素子を形成しようとする箇所の下部電極ストライプ上の他にその周辺部に有機発光部用材料層を形成したとしても目的とする有機EL表示装置を得ることができるので、下部電極ストライプが形成されている側の基材の外表面(下部電極ストライプの表面、および、層間絶縁膜が形成されている場合には当該層間絶縁膜の表面を含む。)全体に有機発光部用材料層を形成するようにした方が簡便である。
【0061】
有機発光部用材料層を形成するにあたっては、個々の有機EL素子の発光特性が高い有機EL表示装置を得るうえから、少なくとも発光層用の材料層については真空蒸着法によって形成することが好ましい。有機発光部用材料層を構成する他の層については、その材料に応じて種々の方法を適用して形成することができるが、真空蒸着法によって他の層も形成するようにすれば、真空蒸着法のみによって有機発光部用材料層を形成することができるので、実用上好都合である。
【0062】
上述した有機発光部用材料層の形成に引き続き、当該有機発光部用材料層上に透明対向電極を形成する。透明対向電極の材料,形状,大きさ,ピッチ等については本発明の有機EL表示装置についての説明の中で既に述べてあるので、ここではその説明を省略する。
【0063】
透明対向電極の形成は、例えば、当該透明対向電極の材料となる導電膜をPVD法やCVD法によって形成した後、この導電膜をフォトリソグラフィー法,電子線リソグラフィー法,イオン注入により所望箇所を絶縁化する方法等の方法によって所望形状にパターニングすることにより行うことができる。また、所定形状のマスクを用いたPVD法やCVD法によって直接形成することも可能である。このとき、発光特性の高い有機EL素子を形成するうえから、透明対向電極またはその材料となる導電膜の製膜はできるだけ低い基板温度の下にできるだけ迅速に行うことが好ましい。
【0064】
透明対向電極まで形成することにより、当該透明対向電極と前述した下部電極ストライプとの平面視上の交差部それぞれに有機EL素子が形成されるが、本発明の有機EL表示装置を得るためには、さらに補助配線を形成する。なお、透明対向電極の形成後、必要に応じて保護層を形成し、この後に補助配線を形成するようにしてもよい。
上記の保護層は、透明対向電極を覆うようにして形成する。ただし、補助配線を形成しようとする箇所には保護層を形成しない。保護層の材料,膜厚等については本発明の有機EL表示装置についての説明の中で既に述べてあるので、ここではその説明を省略する。
【0065】
保護層の形成は、例えば、透明対向電極まで設けた後の基材の外表面(透明対向電極が設けられている側の外表面)全体に保護層の材料となる保護層用材料層を形成した後、この保護層用材料層をリソグラフィー法によって所望形状にパターニングすることにより行うことができる。このときの保護層用材料層の形成は、その材質に応じてPVD法,CVD法,スピンコート法,ディッピング法等の方法によって行うことができる。
【0066】
有機EL素子の発光特性の低下を抑制するうえから、PVD法やCVD法によって保護層用材料層を形成する場合には、できるだけ低い基板温度の下にできるだけ迅速に保護層用材料層を形成することが好ましい。同様の観点から、スピンコート法,ディッピング法等の方法によって保護層用材料層を形成する場合には、先に例示したフッ素系樹脂および溶剤(有機EL素子に対して実質的に不活性な溶剤)を用いて調製したコーティング溶液や、前記のフッ素系樹脂のプレポリマーを用いることが好ましい。
【0067】
保護層用材料層をパターニングするためのリソグラフィー法は、ウエットエッチング法を利用したものであってもよいしドライエッチング法を利用したものであってもよい。ウエットエッチング法を利用するかドライエッチング法を利用するかは、保護層用材料層の材質や、目的とする保護層の形状、あるいは生産性等を勘案して適宜選択可能である。高精細な補助配線を形成しようとする場合にはドライエッチング法、特に、低温ステージを用いたドライエッチング法を利用したリソグラフィー法によってパターニングすることが好ましい。
【0068】
なお、保護層用材料層が感光性を有している場合には当該保護層用材料層をレジスト膜として利用してレジストパターンを形成してもよく、感光性を有していない場合には当該保護層用材料層上にレジストパターンを形成する必要がある。いずれの場合でも、レジストパターン(保護層用材料層をレジストパターンとして利用した場合を含む。)の剥離は、後述するように、補助配線用の材料層を形成した後に行うことが好ましい。
【0069】
任意の構成部材である保護層を必要に応じて形成した後、補助配線を形成する。補助配線の材料,形状,大きさ等については本発明の有機EL表示装置についての説明の中で既に述べてあるので、ここではその説明を省略する。
保護層を形成しなかった場合における補助配線の形成は、例えば、透明対向電極まで設けた後の基材の外表面(透明対向電極が設けられている側の外表面)全体に補助配線の材料となる導電膜をPVD法やCVD法によって形成した後、この導電膜をリソグラフィー法によって所望形状にパターニングすることにより行うことができる。
【0070】
有機EL素子の発光特性の低下を抑制するうえから、前記の導電膜はできるだけ低い基板温度の下にできるだけ迅速に形成することが好ましい。同様の観点から、リソグラフィー法で使用するレジスト膜は、保護層についての説明の中で先に例示したフッ素系樹脂によって形成し、その現像液,エッチング液(ただし、ウエットエッチングによってパターニングする場合に限る。)および剥離液として、保護層についての説明の中で既に述べた「有機EL素子に対して実質的に不活性な溶剤」を使用することが好ましい。
【0071】
一方、保護層を形成した場合における補助配線の形成は、例えば、保護層(保護層上に当該保護層を形成する際に使用されたレジストパターンがそのまま残されている場合には、保護層とレジストパターンとの積層物)をマスクとして利用しつつ、補助配線の材料をPVD法やCVD法によって蒸着させ、その後に、前記のマスクを当該マスク上に形成されている層(補助配線の材料からなる層)ごと除去することにより行うことができる。
【0072】
上記のマスクの除去は、当該マスクを完全に除去するまで行わなければならないというものではなく、マスク上に形成されている層(補助配線の材料からなる層)が除去されるまで行えば実用上は十分である。前記のマスクの表層部が溶解されれば、当該マスク上に形成されている層は自ずと除去される。その結果として、補助配線を形成しようとする箇所以外の箇所に形成されている補助配線の材料層が除去されるので、所望の補助配線が得られる。
【0073】
有機EL素子の発光特性の低下を抑制するうえから、上記のマスクの除去は、保護層についての説明の中で既に述べた「有機EL素子に対して実質的に不活性な溶剤」を用いて行うことが好ましい。保護層を形成する際に使用したレジストパターンをそのまま残した状態で補助配線の材料を蒸着させれば、上記のように保護層とレジストパターンとの積層物をマスクとして利用することができ、かつ、このマスクを当該マスク上に形成されている層(補助配線の材料からなる層)ごと除去するにあたっては前記のレジストパターンのみを剥離させればよいので、有機EL素子の発光特性の低下を抑制しつつ所望の保護層および補助配線を形成することがより容易になる。
【0074】
上述のようにして補助配線まで形成することにより、前述した基材,下部電極ストライプ,有機発光部用材料層および対向電極ストライプを必須の構成部材として備え、保護層および層間絶縁膜を任意の構成部材とする本発明の有機EL表示装置が得られる。
【0075】
なお、前述したように、有機EL表示装置を構成している有機EL素子に水分や酸素が侵入するとその発光特性や素子寿命が低下する。したがって、補助配線を形成した後、有機EL素子に水分や酸素が侵入するのを防止するための封止層を形成することが好ましい。封止層の材料については本発明の有機EL表示装置についての説明の中で既に述べてあるので、ここではその説明を省略する。
【0076】
封止層を形成するにあたっては、当該封止層の材料に応じてPVD法,CVD法,スピンコート法,キャスト法等を適宜適用することができるが、封止層形成時の熱によって、あるいは封止層の形成に使用される溶剤によって有機EL素子の発光特性が低下しないように留意する。
【0077】
封止層の材料として液状フッ素化炭化水素や当該液状フッ素化炭化水素に水分や酸素を吸着する吸着剤を分散させたもの等の液状物を用いる場合には、基材上に形成されている有機EL素子(既に別の封止層があってもよい。)の外側に、前記の基材と共同してこの有機EL素子との間に空隙を形成しつつ当該有機EL素子を覆うハウジング材を設け、前記の基材と前記のハウジング材とによって形成された空間に前記の液状物を充填することによって封止層を形成することが好ましい。前記のハウジング材としては、吸水率の小さいガラスまたはポリマー(例えば三フッ化塩化エチレン)からなるものが好適に用いられる。ハウジング材を使用する場合には、上述した封止層を設けずに当該ハウジング材のみを設けてもよいし、ハウジング材を設けた後に、当該ハウジング材と前記の基材とによって形成された空間に酸素や水を吸着する吸着材の層を設けるか当該吸着材からなる粒子を分散させてもよい。
【0078】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1
まず、10cm角の板ガラスの片面にCr膜とAu膜とからなる膜厚100nmの2層構造の導電膜が製膜されているもの(HOWA産業社製)を用意した。前記のCr膜の膜厚は5nm程度であり、当該Cr膜はAu膜用のアンダーコート層である。
次に、フォトリソグラフィー法によって上記の導電膜をパターニングして、図1(a),(b)に示すように、板ガラスからなる基材1の片面に幅280μm,長さ10cmのストライプ状を呈する下部電極ストライプ2を300μmピッチで計120本形成した(以下、当該下部電極ストライプ2まで形成した後の板ガラスを「下部電極ストライプ付き基板3」という。)。
【0079】
上記の下部電極ストライプ付き基板3をイソプロピルアルコール中で3分間超音波洗浄し、さらにUVとオゾンとを併用した洗浄装置を用いて30分間洗浄した後、当該洗浄後の下部電極ストライプ付き基板3を市販の真空蒸着装置(日本真空技術社製)に入れ、基板ホルダーに固定した。
この後、以下の要領で正孔輸送層用材料層,発光層用材料層および透明対向電極を上記の真空蒸着装置によって順次形成して、図2(a),(b)に示すように、下部電極ストライプ付き基板3において下部電極ストライプ2が形成されている側の外表面に、正孔輸送層用材料層と発光層との2つの層からなる有機発光部用材料層4と、透明対向電極5とを設けた。
【0080】
まず、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−(1−ナフチル)−[1,1’ビフェニル]−4,4’−ジアミン(以下、このものを「NPD」と略記する。)を蒸着材料として用いて、下部電極ストライプ付き基板3において下部電極ストライプ2が形成されている側の外表面全体に膜厚80nmの正孔輸送層用材料層(NPD層)を形成した。次に、緑色のEL光が生じる有機発光材料の1つであるトリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウム(以下、このものを「Alq」と略記する。)を蒸着材料として用いて、前記の正孔輸送層用材料層(NPD層)上に膜厚75nmの発光層用材料層(Alq層)を形成した。
【0081】
そして、MgとAgとを蒸着材料として用いて、前記の発光層用材料層(Alq層)上に幅200μm,長さ4.6cmのストライプ状を呈する膜厚7nmの透明対向電極(Mg−Ag層)5を300μmピッチで計320本形成した。透明対向電極5を形成するにあたっては所定形状のマスクを使用し、このときのMgの蒸着レートは1.4nm/s、Agの蒸着レートは0.1nm/sとした。また、各透明対向電極5は、前述した下部電極ストライプ2のそれぞれと平面視上直交するようにして形成した。当該透明対向電極5における光透過率(測定光の波長は510nm)は70%であり、そのシート抵抗は200Ω/□であった。
なお、前述した正孔輸送層用材料層(NPD層)の製膜から上述した透明対向電極5の製膜が終了するまでの間、真空蒸着装置の真空槽は1度も開放せず、各層の製膜は連続して行った。
【0082】
上記の透明対向電極5まで形成した後の下部電極ストライプ付き基板3では、前述したように下部電極ストライプ2と透明対向電極5とが平面視上交差し、これらの交差部においては、基材からみて下部電極ストライプ2,有機発光部用材料層4および透明対向電極5がこの順で積層されている。したがって、この平面視上の交差部は下部電極,有機発光部および対向電極からなる有機EL素子6(図2参照)として機能し、当該有機EL素子6は緑色のEL光を出射する。
【0083】
次に、透明対向電極5が形成されている側の下部電極ストライプ付き基板3の外表面全体に、図3(a),(b)に示すように、膜厚2μmのフッ素系樹脂層(硬化後のもの。吸水率は0.01%以下。)7をスピンコート法を利用して形成した。このとき、フッ素系樹脂層7の材料(コーティング溶液)としては旭ガラス社製のサイトップCTX−809Aを用い、下部電極ストライプ付き基板3の回転数を1200rpm,回転時間を30秒間としてスピンコーティングを行った後、ホットプレートを用いて80℃で1分間熱処理して、乾燥・硬化させた。
【0084】
次いで、図4(a)に示すように、上記のフッ素系樹脂層7上に膜厚3μmのポジ型レジスト(東京応化社製のTOPR−1000)層8を形成した。このポジ型レジスト層8の形成もスピンコート法を利用して行い、下部電極ストライプ付き基板3の回転数を3000rpm,回転時間を30秒としてスピンコーティングを行った後、ホットプレートを用いて90℃で1分間熱処理して、乾燥・硬化させた。この後、所定形状のマスクを用いつつ上記のポジ型レジスト層8をg線(波長436nm)によって露光し、更に現像を行って、図4(b)に示すように所定箇所に開口部9aを有するレジストパターン9を得た。前記の開口部9aの各々は、前述した下部電極ストライプ2(図1参照)の各々と平面視上直交するように形成されている。
【0085】
次に、上記のレジストパターン9をマスクとして用いたプラズマエッチングによってフッ素系樹脂層7をパターニングした。このとき、CHF3 ガスとCF4 ガスとArガスとの混合ガスをエッチングガスとして用い、これらのガスの流量をCHF3 ガス=24SCCM,CF4 ガス=24SCCM,Arガス=98SCCMとし、真空度を0.5Torrに、プラズマ出力を300Wにしてエッチングを行った。
【0086】
上記のパターニングにより、図4(c)に示すように、下部電極ストライプ2が形成されている側の下部電極ストライプ付き基板3の外表面には、平面視上の形状が幅20μm,長さ4.6cmのストライプ状を呈する開口部10aが300μmピッチで計320本形成されているフッ素系樹脂製の保護層10が形成された。なお、図4(c)中の二点鎖線は、エッチングされる前のフッ素系樹脂層7の上端を示している。
【0087】
以上の処理を終えた下部電極ストライプ付き基板3を再度真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、上記の保護層10が形成されている側の下部電極ストライプ付き基板3の外表面に真空蒸着法によって膜厚1μmのIn膜を製膜した。図4(d)に示すように、前記のIn膜11は保護層10の上面の他に、保護層10に形成されている開口部10aから裸出している透明対向電極5表面にも形成された。
【0088】
この後、レジストパターン9用の剥離液として液状フッ素化炭化水素(旭ガラス社製のCT−Solv 100)を用い、この剥離液中に上記のIn膜11まで形成した後の下部電極ストライプ付き基板3を浸漬して超音波振動を付与し、この状態で3分間、超音波洗浄した。この超音波洗浄により、レジストパターン9上に形成されているIn膜11はレジストパターン9と共に除去されたが、透明対向電極5それぞれの表面に形成されているIn膜11は残った。その結果として、ストライプ状の透明対向電極5と当該透明対向電極5の表面に形成されているIn膜(このIn膜は補助配線に相当するので、以下「補助配線11a」という。)からなる計320本の対向電極ストライプ12が得られ、同時に、目的とする有機EL表示装置が得られた。
【0089】
図5に示すように、この有機EL発光装置13は、板ガラスからなる基材1と、当該基材1の片面に形成された計240本の下部電極ストライプ2と、これらの下部電極ストライプ2を覆うようにして形成された有機発光部用材料層4と、前記の下部電極ストライプ2の各々と平面視上直交するようにして前記の有機発光部用材料層4上に形成された計320本の対向電極ストライプ12とを有しており、補助配線11aの形成箇所を除いく透明対向電極5表面上および有機発光部用材料層4表面上には、保護層10が設けられている。
【0090】
個々の下部電極ストライプ2は、前述したように幅280μm,長さ10cmのストライプ状を呈し、これらの下部電極ストライプ2は300μmピッチで形成されている。また、個々の対向電極ストライプ12は、透明対向電極5と、この透明対向電極5の表面に形成された補助配線11aとからなっており、個々の対向電極ストライプ12の1cmあたりの抵抗値は150Ωである。
【0091】
個々の透明対向電極5は、前述したように幅200μm,長さ4.6cmのストライプ状を呈し、個々の補助配線11aは幅20μm,長さ4.6cmのストライプ状を呈している。また、補助配線11aは300μmピッチで形成されている。
【0092】
上記の有機EL表示装置13においては、透明対向電極5と下部電極ストライプ2との平面視上の交差部が有機EL素子6からなる画素として機能する。
【0093】
実施例2
実施例1と全く同じ要領で透明対向電極まで形成した後、透明対向電極であるMg−Ag層上にIn−Zn−O系非晶質酸化物からなる膜厚150nmの透明導電膜をスパッタリング法によって製膜した。このとき、スパッタリングターゲットとしてはIn−Zn−O系酸化物焼結体(インジウム(In)の原子比In/(In+Zn)=0.68)を用い、ArガスとO2 ガスとの混合ガス(Arガス:O2 ガス=1000:8(体積比))を真空槽内圧力が3×10-1Paとなるように真空槽内に導入してスパッタリングを行い、スパッタ出力は2W/cm2 ,基板温度は室温とした。また、製膜にあたってはポリイミド製のマスクを用い、上記の透明導電膜の平面視上の形状および大きさが透明対向電極の平面視上の形状および大きさと実質的に一致するようにして製膜した。
この後、実施例1と全く同じ要領で保護層および補助配線を設けて、目的とする有機EL表示装置を得た。この有機EL表示装置を構成している個々の対向電極ストライプの1cmあたりの抵抗値は120Ωである。
【0094】
実施例3
まず、実施例1と全く同じ要領で下部電極ストライプ付き基板を得、当該下部電極ストライプ付き基板において下部電極ストライプが形成されている側の外表面全体にスピンコート法を利用してポリオレフィン系の電気絶縁膜を形成した。このとき、電気絶縁膜の材料としては、感光性の電気絶縁膜を形成することができるコーティング溶液である日本ゼオン社製のZCOAT−1410を用い、このコーティング溶液をスピンコートした後に70℃で30分間熱処理した。
次に、所定形状のマスクを用いつつ上記の電気絶縁膜をg線(波長436nm;照射エネルギー120mJ/cm2 )によって露光し、現像を行ってからクリーンオーブンを用いて250℃で2時間キュアーし、その後にUV/O2 アッシング装置で10分間処理した。
【0095】
アッシング装置による上記の処理まで行うことにより、下部電極ストライプが形成されている側の下部電極ストライプ付き基板の外表面には、幅約30μm,長さ4.6cmのストライプ状を呈する膜厚1μmの層間絶縁膜が300μmピッチで計320本形成された。これらの層間絶縁膜は、下部電極ストライプのそれぞれと平面視上直交するようにして形成されており、当該層間絶縁膜の幅方向の垂直断面形状は、下底の方が上底より幅広の台形状、ないしはかまぼこ状を呈する。
【0096】
この後、実施例1と全く同じ要領で有機発光部用材料層,透明対向電極および補助配線を形成して、有機EL表示装置を得た。このとき、層間絶縁膜と透明対向電極とは、平面視したときに透明対向電極の中央部に沿って層間絶縁膜が位置するように形成した。また、実施例1で形成した保護層は最終的に完全に剥離した。そして、補助配線の各々は、平面視したときに上述の層間絶縁膜のいずれかに完全に包含されるようにして形成した。
【0097】
比較例1
補助配線を設けなかった以外は実施例1と全く同じ要領で有機EL表示装置を得た。この有機EL表示装置における個々の対向電極ストライプ(透明対向電極)の1cmあたりの抵抗値は10kΩである。
【0098】
比較例2
ポジ型レジスト膜8(図4参照)の材料として東京応化社製のOFPR−800を用い、かつ、レジストパターン9(図4参照)用の剥離液として2%NaOH水溶液を用いた以外は実施例1と全く同じ要領で有機EL表示装置を得た。この有機EL表示装置における個々の対向電極ストライプ(透明対向電極)の1cmあたりの抵抗値を測定しようとしたが、測定不能であった。
【0099】
発光効率の測定
実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例2でそれぞれ得た各有機EL表示装置について、以下の条件で有機EL素子の発光効率を測定した。
まず、有機EL表示装置中の所定の下部電極ストライプ同士および所定の対向電極ストライプ同士を結線し、計178個の有機EL素子(平面視上の面積で概ね0.1cm2 。以下、これらの有機EL素子を「有機EL素子群」と総称する。)が同時に点灯するようにした。
次に、下部電極ストライプを陽極、対向電極ストライプを陰極として用いて上記の有機EL素子群に直流の定電流(電流密度は1mA/cm2 )を流し、これによって当該有機EL素子群を構成している各有機EL素子を点灯させて、このときの輝度を測定した。
【0100】
そして、下式により発光効率を求めた。
【数1】
Figure 0003836946
【0101】
その結果、実施例1〜実施例3で得た各有機EL表示装置における上記の発光効率は1.2〜1.7lm/Wであったが、比較例1で得た有機EL表示装置における上記の発光効率は0.8lm/W、比較例2で得た有機EL表示装置における有機EL素子の発光効率は0.05lm/Wであった。
【0102】
比較例1で得た有機EL表示装置における有機EL素子の発光効率が上記のように低いのは、対向電極ストライプの1cmあたりの抵抗値が10kΩと高いことから、対向電極ストライプの抵抗により印加電圧が上昇したためであると推察される。
【0103】
また、比較例2で得た有機EL表示装置における有機EL素子の発光効率が上記のように低いのは、ポジ型レジスト膜8(図4参照)を形成する際にその材料として用いたポジ型レジスト溶液中の溶剤が発光層(Alq層)に浸入し、また、レジストパターン9(図4参照)用の剥離液として用いた2%NaOH水溶液が発光層(Alq層)に浸入し、これらの溶剤との接触によってAlqの発光能が著しく低下したためと推察される。実際、ポジ型レジスト溶液によって80%の画素(有機EL素子)が溶解し、これらの画素はその形状を留めていない。上記の測定値は残存している画素について測定したものである。
【0104】
駆動試験
実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例2でそれぞれ得た各有機EL表示装置について、下部電極ストライプを走査電極、対向電極ストライプを信号電極として用い、これらの電極と所定の駆動回路とを接続して、デューティー比1/120で2分割駆動を行った。
その結果、実施例1〜実施例3のいずれで得た有機EL表示装置においても、対向電極ストライプの抵抗値が小さいことから、画像表示を問題なく行うことができた。
【0105】
これに対し、比較例1で得た有機EL表示装置においては、対向電極ストライプの抵抗値が大きいことから電圧降下が最大10V以上に達し、画像表示を行うことができなかった。また、比較例2で得た有機EL表示装置においては、画素として残存している有機EL素子が20%しかなく、しかも発光効率が著しく低いことから、駆動させることができなかった。
【0106】
リーク電流の測定
実施例1〜実施例3でそれぞれ得た各有機EL表示装置について、5Vの逆方向バイアス(有機EL素子が発光する電圧印加方向とは逆方向の電圧印加を意味する。)を印加することによってリーク電流を計測した。
その結果、実施例1で得た有機EL表示装置では20μA,実施例2で得た有機EL表示装置では800μA,実施例3で得た有機EL表示装置では15μAのリーク電流が計測されたが、これらのリーク電流は画像表示上問題のないものであった。ただし、消費電力を低く抑えるうえからはリーク電流についてもできるだけ低減することが好ましく、そのためには、実施例2の有機EL表示装置と実施例3の有機EL表示装置との比較から明らかなように、平面視したときに補助配線と下部電極ストライプとが交差する箇所における前記の下部電極ストライプ表面を覆うようにして層間絶縁膜を設けることが好ましい。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、対向電極側を光取り出し面として利用することができるにも拘わらず実用に供し得る性能を有する高精細の有機EL表示装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は実施例1で作製した下部電極ストライプ付き基板を下部電極ストライプの長手方向を望むようにしてみたときの概略を示す断面図であり、図1(b)は前記の下部電極ストライプ付き基板を下部電極ストライプの短手方向を望むようにしてみたときの概略を示す断面図である。
【図2】図2(a)は実施例1で透明対向電極まで形成した後の下部電極ストライプ付き基板を下部電極ストライプの長手方向を望むようにしてみたときの概略を示す断面図であり、図2(b)は前記の下部電極ストライプ付き基板を下部電極ストライプの短手方向を望むようにしてみたときの概略を示す断面図である。
【図3】図3(a)は実施例1で保護層用材料層まで形成した後の下部電極ストライプ付き基板を下部電極ストライプの長手方向を望むようにしてみたときの概略を示す断面図であり、図3(b)は前記の下部電極ストライプ付き基板を下部電極ストライプの短手方向を望むようにしてみたときの概略を示す断面図である。
【図4】図4(a)は実施例1でフォトリソグラフィー法によって保護層を形成するにあたってレジスト膜まで形成した後の下部電極ストライプ付き基板を下部電極ストライプの短手方向を望むようにしてみたときの概略を示す断面図であり、図4(b)は前記のレジスト膜をレジストパターンにパターニングした後の下部電極ストライプ付き基板を下部電極ストライプの短手方向を望むようにしてみたときの概略を示す断面図であり、図4(c)は前記のレジストパターンをマスクとして用いて保護層用材料層を保護層にパターニングした後の下部電極ストライプ付き基板を下部電極ストライプの短手方向を望むようにしてみたときの概略を示す断面図であり、図4(d)は補助配線用のIn膜まで形成した後の下部電極ストライプ付き基板を下部電極ストライプの短手方向を望むようにしてみたときの概略を示す断面図である。
【図5】図5(a)は実施例1で作製した有機EL表示装置を対向電極ストライプが形成されている側からみたときの概略を示す平面図であり、図5(b)は前記の有機EL表示装置を下部電極ストライプの短手方向を望むようにしてみたときの概略を示す断面図である。
【図6】図6(a)は、本発明の有機EL表示装置のうちで層間絶縁膜を有するものの一例について、これを層間絶縁膜の短手方向を望むようにしてみたときの概略を示す断面図であり、図6(b)は前記の有機EL表示装置を層間絶縁膜の長手方向を望むようにしてみたときの概略を示す断面図である。
【符号の説明】
1,23…基材、 2,24…下部電極ストライプ、 4,25…有機発光部用材料層、 5,21…透明対向電極、 6…有機EL素子(画素)、 10…保護層、 11a,26…補助配線、 12,27…対向電極ストライプ、 13,20…有機EL表示装置、 22…層間絶縁膜。

Claims (6)

  1. 基材と、該基材上に形成されている複数本の下部電極ストライプと、該下部電極ストライプそれぞれの上に形成されている有機発光部用材料層と、該有機発光部用材料層を介して前記の下部電極ストライプの各々と交差するように形成されている複数本の対向電極ストライプとを備え、
    前記の対向電極ストライプの各々は、少なくとも前記の下部電極ストライプとの平面視上の交差部それぞれに形成されている透明対向電極と、該透明対向電極の表面上に設けられており、かつ、前記の下部電極ストライプの各々と平面視上交差するようにして形成されている補助配線とからなり、
    前記の補助配線の抵抗値は該補助配線の下地となっている前記の透明対向電極の抵抗値より低く、かつ、この補助配線の線幅は該補助配線の下地となっている前記の透明対向電極の線幅より狭く、
    前記の補助配線は融点400℃以下の金属もしくは合金からなり、
    前記の透明対向電極と前記の下部電極ストライプとの平面視上の交差部が有機EL素子からなる画素として機能し、この有機EL素子の発光効率が1lm/W以上である、
    ことを特徴とする有機EL表示装置。
  2. 補助配線が抵抗率5×10−5Ω・cm以下の物質からなる、請求項1に記載の有機EL表示装置。
  3. 補助配線1cmあたりの抵抗値が1kΩ以下である、請求項1または請求項2に記載の有機EL表示装置。
  4. 補助配線の線幅が、該補助配線の下地となっている透明対向電極の線幅の2〜20%である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の有機EL表示装置。
  5. 所定の開口部を有する保護層によって透明対向電極および有機発光部用材料層が覆われており、前記の開口部から裸出している部材の表面上に補助配線が形成されている、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の有機EL表示装置。
  6. 平面視したときに補助配線と下部電極ストライプとが交差する箇所を覆うようにして、前記の下部電極ストライプの表面に層間絶縁膜が形成されている、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の有機EL表示装置。
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