JP3379684B2 - 有機el発光装置 - Google Patents

有機el発光装置

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JP3379684B2 JP04947297A JP4947297A JP3379684B2 JP 3379684 B2 JP3379684 B2 JP 3379684B2 JP 04947297 A JP04947297 A JP 04947297A JP 4947297 A JP4947297 A JP 4947297A JP 3379684 B2 JP3379684 B2 JP 3379684B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機EL発光装置
および発光装置用基板に関する。
【0002】
【従来の技術】有機EL素子は、陽極,有機発光部,陰
極がこの順番またはこれとは逆の順番で基材上に順次積
層された構成を基本的な層構成とする発光素子であり、
当該有機EL素子では、陽極と陰極の間に電圧を印加す
ることによって、有機発光部に使用されている有機発光
材料の種類に応じた所定色の発光を得る。そして、有機
EL素子を発光させるのに要する印加電圧は無機EL素
子に比べて大幅に低いことから、有機EL素子を発光源
として用いた面光源や、有機EL素子を画素として用い
た有機EL表示装置の開発が現在活発に進められてい
る。
【0003】有機EL表示装置を得る場合には、まず基
材上に所定個の画素すなわち有機EL素子が形成されて
いる有機EL発光装置(有機EL表示パネル)を作製す
る必要があるが、例えばX−Yマトリックス型の有機E
L表示パネルにおいては、個々の有機EL素子毎に対向
電極(有機発光部の形成後に当該有機発光部上に形成さ
れる電極を意味する。以下同じ。)を形成するというこ
とをせずに、所定個の有機EL素子に共通な帯状の対向
電極(以下、この対向電極を「対向電極ライン」とい
う。)を必要本数形成する。
【0004】ところで、有機EL表示装置の開発の進展
に伴い、現在ではより高精細な有機EL表示装置の開発
が望まれるようになってきており、これに伴って、例え
ばX−Yマトリックス型の有機EL表示パネルにおいて
は対向電極ライン同士のピッチを概ね10〜500μm
に、また、隣り合う対向電極ライン同士のギャップを概
ね50μm以下にすることが望まれている。このため、
対向電極ライン同士のギャップを概ね50μm以下にし
たとしても当該対向電極ライン同士が接しないように、
対向電極ライン同士を高精細に分離する技術の確立が望
まれている。
【0005】対向電極ライン同士が高精細に分離されて
いる有機EL表示パネルとしては、例えば特開平8−2
62998号公報に開示されているものがある。この公
報に開示されている有機EL表示パネル(二次元有機発
光ダイオードアレイ)では、リソグラフィー法によって
対向電極ライン(雰囲気安定金属の層からなる金属スト
リップ)を形成することから、対向電極ライン同士を高
精細に分離することが可能であり、同公報の記載によれ
ば有機EL素子(有機発光ダイオード)を例えば0.5
μmピッチで形成することができる。
【0006】また、欧州特許公開公報第732868号
には、対向電極ライン(第2表示電極)の形成に先立っ
て有機EL素子形成用の基板の所定箇所に樹脂製の隔壁
を形成し、当該隔壁の上面と所定形状のマスクとを突き
合わせながら蒸着法によって対向電極ラインを形成する
ことにより、対向電極ライン同士を高精細(同公報の記
載によれば10μm間隔以下)に分離することが可能な
有機EL表示パネルが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】所定形状のマスクを用
いた従来の蒸着法(上記の欧州特許公開公報に開示され
ているように有機EL素子形成用の基板の所定箇所に隔
壁を形成する場合を除く。)によれば、所望本数の対向
電極ラインを概ね500μm〜数mmピッチで形成する
ことができるが、隣り合う対向電極ライン同士のギャッ
プを50μm以下にしてこれらの対向電極ラインを形成
することは著しく困難であるか、または無理である。
【0008】一方、リソグラフィー法(フォトリソグラ
フィー法等)によれば、所望本数の対向電極ラインを1
0〜500μmピッチで比較的容易に形成することがで
き、かつ、隣り合う対向電極ライン同士のギャップを比
較的容易に50μm以下にすることができる。
【0009】リソグラフィー法によって対向電極ライン
を形成する場合には、対向電極ラインの材料となる導電
膜の製膜,当該導電膜上へのレジスト膜の製膜,レジス
トパターンの形成(前記のレジスト膜の露光および現
像),レジストパターンをマスクとして利用したウエッ
トエッチングまたはドライエッチングによる前記導電膜
のパターンニングおよびレジストパターンの剥離という
各工程を経るわけであるが、有機EL素子を構成してい
る有機発光部の材料である前記の有機発光材料は、レジ
スト膜の原料であるコーティング溶液中の溶剤,レジス
トパターン形成時に使用される現像液,ウエットエッチ
ングの際に使用されるエッチング液あるいはレジストパ
ターンを剥離する際に使用される剥離液と接触すると、
その発光能が低下ないしは消失し易い。そして、リソグ
ラフィー法によって所望本数の対向電極ラインを形成す
る際に前記の溶剤,現像液,エッチング液あるいは剥離
液が有機EL素子の有機発光部に侵入するのを防止する
ことは困難である。
【0010】導電膜のパターニングをドライエッチング
によって行った場合には、上記のエッチング液を使用し
ないで済むので、当該エッチング液が有機EL素子の有
機発光部に侵入することに起因する有機発光材料の発光
能の低下ないしは消失を防止することができる。しかし
ながら、この場合でも前記の溶剤,現像液あるいは剥離
液が有機EL素子の有機発光部に侵入するのを防止する
ことは困難である。更には、ドライエッチングの際の熱
によって有機発光材料の発光能が低下ないしは消失し易
い。
【0011】したがって、上記特開平8−262998
号公報に開示されている有機EL表示パネルのようにリ
ソグラフィー法によって対向電極ラインを形成した場合
には、個々の画素(有機EL素子)の発光特性が高い有
機EL表示パネルを得ることが困難である。
【0012】一方、欧州特許公開公報第732868号
に開示されているように、対向電極ラインの形成に先立
って有機EL素子形成用の基板の所定箇所に樹脂製の隔
壁を形成し、当該隔壁の上面と所定のマスクとを突き合
わせながら蒸着法によって対向電極ラインを形成すれ
ば、対向電極ラインの形成過程で有機発光材料の発光能
が低下ないしは消失するのを防止しつつ、対向電極ライ
ン同士を高精細に分離することが可能である。
【0013】しかしながら、同公報に開示されているよ
うな断面が逆テーパ状を呈するフォトレジスト製の隔壁
は、加工の均一性を確保することが著しく困難であるこ
とから部分的に倒壊してしまい易く、加工の歩留まりが
低い。また、フォトレジスト製の隔壁は吸湿性が比較的
高く、隔壁(フォトレジスト)中に水分が吸収されてい
た場合には当該水分が有機EL素子の製造後に経時的に
放出されて対向電極の劣化を促進することから、有機E
L素子に発光欠陥が生じ易くなる。
【0014】さらに、同公報には非感光性のポリイミド
からなる隔壁本体と、当該隔壁本体上に形成されたSi
2 膜製のオーバーハング部とからなる隔壁も開示され
ているが、このような構造の隔壁では、対向電極ライン
の形成時に当該対向電極ラインの材料がオーバーハング
部の下側(基板側)に回り込んで下部電極(本発明でい
う画素電極に相当する。)上に付着し、リークや短絡が
生じ易い。
【0015】したがって、上記欧州特許公開公報第73
2868号に開示されている有機EL表示パネルのよう
に、対向電極ラインの形成に先立って有機EL素子形成
用の基板の所定箇所に樹脂製の隔壁を形成したとして
も、個々の画素(有機EL素子)の発光特性が高い有機
EL表示パネルを得ることは困難である。
【0016】本発明の第1の目的は、個々の有機EL素
子の発光特性が高く、かつ、高精細な有機EL表示パネ
ルを得ることが容易な有機EL発光装置を提供すること
にある。
【0017】また、本発明の第2の目的は、個々の発光
素子の発光特性が高く、かつ、高精細な表示パネルを得
るのに好適な発光装置用基板を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
る本発明の有機EL発光装置は、基材と、該基材に形成
されている複数本の画素電極ラインと、該画素電極ライ
ンそれぞれの上に形成されている有機発光部と、該有機
発光部上に形成されている複数本の対向電極ラインとを
備え、前記複数本の画素電極ラインの各々は、前記の基
材中に形成されている配線バスと、該配線バスによって
互いに電気的に接続し得る状態で、かつ、前記の基材の
表面に位置するようにして形成されている複数の画素電
極とを有し、前記有機発光部は少なくとも前記画素電極
それぞれの上に形成されており、前記対向電極ラインの
各々は、前記の基材に設けられている分離溝によって互
いに分離されており、かつ、前記画素電極ラインの各々
とそれぞれ1つの画素電極上で平面視上交差し、前記画
素電極と前記対向電極ラインとの平面視上の交差部が有
機EL素子として機能することを特徴とするものであ
る。
【0019】一方、上記第2の目的を達成する本発明の
発光装置用基板は、基材と、該基材に形成されている複
数本の画素電極ラインとを備え、前記複数本の画素電極
ラインの各々は、前記の基材中に形成されている配線バ
スと、該配線バスによって互いに電気的に接続し得る状
態で、かつ、前記の基材の表面に位置するようにして形
成されている複数の画素電極とを有し、前記画素電極の
各々の側方には、前記複数本の画素電極ラインのそれぞ
れと交差するようにして分離溝が形成されていることを
特徴とするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。まず本発明の有機EL発光装置について説
明すると、この有機EL発光装置は、上述したように、
基材と、当該基材に形成されている複数本の画素電極ラ
インと、当該画素電極ラインそれぞれの上に形成されて
いる有機発光部と、当該有機発光部上に形成されている
複数本の対向電極ラインとを備えている。
【0021】ここで、上記の基材としては、目的とする
有機EL発光装置において当該基材側を光取り出し面と
する場合には、有機EL素子からの発光(EL光)に対
して高い透過性(概ね80%以上)を与えるもの(以
下、このものを「透光性基材」という。)を用いること
が好ましい。また、基材側を光取り出し面としない場合
には、透光性基材を用いてもよいし、非透光性基材を用
いてもよい。
【0022】透光性基材の具体例としては、アルカリガ
ラス,無アルカリガス等の透明ガラスからなるものや、
ポリイミド,ポリサルフォン等の透明樹脂からなるも
の、透光性アルミナ,ZnS焼結体等の透明セラミック
スからなるもの、あるいは石英からなるもの等が挙げら
れる。一方、非透光性基材を用いる場合、当該非透光性
基材は有機材料からなっていてもよいし、無機材料から
なっていてもよい。
【0023】基材はフィルム状物,シート状物および板
状物のいずれであってもよく、また、単層構造および複
数層構造のいずれの構造を有していてもよい。更には、
所望の画素電極ラインを形成することができさえすれ
ば、電気絶縁性物質,半導体物質および導電性物質のい
ずれからなっていてもよい。どのような基材を用いるか
は、目的とする有機EL発光装置の用途や生産性等を勘
案して適宜選択可能である。
【0024】上記の基材には複数本の画素電極ラインが
形成されており、各画素電極ラインは、前述したように
基材中に形成されている配線バスを有している。配線バ
スの数および配線バス同士のピッチは、目的とする有機
EL発光装置の用途や当該有機EL発光装置における精
細化の度合い等に応じて適宜選択可能である。例えば、
高精細な有機EL表示装置(画素数が概ね400個/c
2 以上のものを意味する。以下同じ。)用の有機EL
発光装置(有機EL表示パネル)を得ようとする場合に
は、配線バスの数を概ね20本/cm以上、配線バス同
士のピッチを概ね500μm以下にすることが好まし
い。
【0025】個々の配線バスは、基材の外表面から突出
しないようにして形成されていることが好ましく、基材
中に実質的に埋設されているか、または、その一面が基
材の外表面と実質的に同一の平面内に位置するようにし
て基材中に形成されていることが好ましい。また、個々
の配線バスの平面視上の形状は、目的とする有機EL発
光装置における有機EL素子の配置仕様に応じて適宜選
択可能であり、例えば画素の配置パターンがモザイク
型,ストライプ型または4画素配置型の有機EL表示装
置用の有機EL発光装置(有機EL表示パネル)を得よ
うとする場合には、直線状とすることができる。
【0026】高精細な有機EL表示装置を得るためには
画素電極ラインも高精細化する必要があり、画素電極ラ
インの高精細化に伴って当該画素電極ラインそれぞれの
単位長さ当たりの電気抵抗が増加するので、上記の配線
バスはできるだけ電気抵抗の低い材料によって形成する
ことが好ましく、その比抵抗は概ね5.0×10-5Ω・
cm以下であることが好ましい。
【0027】したがって、配線バスの材料としてはアル
ミニウム(Al),クロム(Cr),モリブデン(M
o),銅(Cu),銀(Ag),白金(Pt),金(A
u),チタン(Ti)およびニッケル(Ni)等の単体
金属や、Al−Ti合金,Al−Ta合金,Al−Nd
合金,Al−Si合金,Al−Yb合金およびAl−M
o合金等のAl系合金、あるいは、W−Mo合金,W−
Ta合金等のタングステン(W)系合金等が好ましい。
配線バスは単層構造のものであってもよいし、複数層構
造のものであってもよい。配線バスを複数層構造とする
場合、個々の層の材質は同じであってもよいし、異なっ
ていてもよい。
【0028】個々の配線バスの幅(平面視したときの短
手方向の長さを意味する。以下同じ。)および厚さ(側
面視したときの高さを意味する。以下同じ。)は、配線
バスの利用形態に応じて当該配線バスに求められる電気
抵抗が異なってくるので、その利用形態に応じて適宜選
択可能である。例えば、X−Yマトリックス型の有機E
L表示装置における走査線として配線バスを利用する場
合には、電気抵抗値が概ね100Ω以下となるように当
該配線バスの幅および厚さ(断面積)を選択することが
好ましく、X−Yマトリックス型の有機EL表示装置に
おける信号線として配線バスを利用する場合には、電気
抵抗値が概ね5kΩ以下となるように当該配線バスの幅
および厚さ(断面積)を選択することが好ましい。
【0029】ただし、配線バスの幅を選択するにあたっ
ては、目的とする有機EL発光装置の用途,当該有機E
L発光装置が前記の基材側を光取り出し面とするか否
か,および配線バス同士のピッチ等についても勘案す
る。すなわち、目的とする有機EL発光装置が有機EL
表示装置用のものであり、かつ、前記の基材側を光取り
出し面とするものである場合、有機EL発光装置の駆動
時に配線バスが視認されると表示装置の表示特性を損な
うことになるので、配線バス同士のピッチを勘案しつ
つ、当該配線バスが視認されないようにその幅を選択す
る。高精細な有機EL表示装置用の有機EL発光装置
(有機EL表示パネル)を得ようとする場合、配線バス
の幅を概ね1〜50μmとし、配線バス同士のピッチを
概ね10〜500μmとすることが好ましい。一方、目
的とする有機EL発光装置が面光源である場合や、有機
EL表示装置用のものであっても前記の基材側を光取り
出し面としないものである場合には、目的とする有機E
L発光装置における精細化の度合いにもよるが、配線バ
スの幅については概ね1〜500μmの範囲内で適宜選
択可能であり、配線バス同士のピッチについては概ね1
0〜500μmの範囲内で適宜選択可能である。
【0030】また、配線バスの厚さは概ね100nm〜
50μmの範囲内で選択可能であるが、当該厚さを選択
するにあたっては、後述する分離溝の形成時に配線バス
の一部(分離溝との交差部)が切除されるか否かについ
ても勘案する。分離溝の形成時に配線バスの一部(分離
溝との交差部)が切除される場合には、断線が生じない
ように、分離溝によって断線されないだけの厚さを確保
する。前記の断線が生じることをできるだけ確実に防止
するうえからは、配線バスの厚さの値を分離溝の深さの
値よりも100nm以上大きくする、すなわち、分離溝
形成後における当該分離溝との交差部の厚さを100n
m以上とすることが好ましい。
【0031】画素電極ラインの各々は、上述した配線バ
スの他に、当該配線バスによって互いに電気的に接続し
得る状態で、かつ、前述した基材の表面に位置するよう
にして形成されている複数の画素電極を有している。画
素電極は、後述する有機発光部および対向電極ラインと
共に有機EL素子を構成するものである。
【0032】図7もしくは図8に示すように、1本の画
素電極ライン20を構成している画素電極21のそれぞ
れは、当該画素電極ライン20を構成している1本の配
線バス22に接しているか、または、図9に示すよう
に、所定の配線23によって前記の配線バス22と結線
されており、これによって、前記の配線バス22を通じ
て互いに電気的に接続し得る状態にある。
【0033】なお、図7に示した基材25は電気絶縁性
材料からなる単層構造のものである。また、図8に示し
た基材26は、電気絶縁性材料からなる2つの層26
a,26bからなる2層構造のものであり、層26bは
配線バス22の形成箇所を除いて層26aの片面全体に
形成されている。そして、図9に示した基材27も電気
絶縁性材料からなる2つの層27a,27bからなる2
層構造のものであり、層27bは画素電極21の形成箇
所毎に形成されている。また、配線23は層27bの平
面視上の中央部において当該層27bを貫通するように
して形成されている。
【0034】図7および図8に示した基材25,26に
おいては後述する分離溝を示していないが、図9に示し
た基材27においては、画素電極21間の間隙(ただ
し、配線バス22と平面視上交差するものに限る。)2
8を分離溝として利用することができる。
【0035】画素電極の平面視上の形状は例えば矩形,
円形,楕円形等とすることができる。また、その大きさ
および画素電極同士のピッチ(1本の画素電極ライン中
での画素電極同士のピッチ)は目的とする有機EL発光
装置における精細化の度合いに応じて適宜選択される。
例えば、高精細な有機EL表示装置用の有機EL発光装
置(有機EL表示パネル)を得ようとする場合には、個
々の画素電極における横方向(パネルの横方向と平行な
方向)または縦方向(パネルの縦方向と平行な方向)の
画素長さを概ね499μm以下、前記のピッチを概ね5
00μm以下にすることが好ましい。
【0036】画素電極の材質は、目的とする有機EL発
光装置において前述した基材側を光取り出し面とするか
否かに応じて、適宜選択される。すなわち、目的とする
有機EL発光装置において前述した基材側を光取り出し
面とする場合には、有機発光部で生じた光(EL光)が
透過するように、透光性を有する画素電極を形成するこ
とができる材質を選択する。一方、目的とする有機EL
発光装置において前述した基材側を光取り出し面とせず
に後述する対向電極ライン側を光取り出し面とする場合
には、画素電極は有機発光部で生じたEL光に対して透
光性を有していても有していなくてもよいので、当該画
素電極を陽極として利用するか陰極として利用するかに
応じて、その材質を選択する。
【0037】画素電極を陽極として利用する場合には、
仕事関数が大きい(例えば4eV以上)金属,合金,電
気伝導性化合物またはこれらの混合物等を当該画素電極
の材料として用いることが好ましく、その具体例として
はAu等の金属、CuI,ITO,錫酸化物,亜鉛酸化
物,In−Zn−O系酸化物等の導電性透明材料が挙げ
られる。一方、画素電極を陰極として利用する場合に
は、仕事関数の小さい(例えば4eV以下)金属,合
金,電気伝導性化合物,またはこれらの混合物等を当該
画素電極の材料として用いることが好ましく、その具体
例としてはナトリウム,ナトリウム−カリウム合金,マ
グネシウム,リチウム,マグネシウムと銀との合金また
は混合金属,マグネシウム−銅混合物,アルミニウム,
Al/Al23 ,Al−Li合金,インジウムやイッ
テルビウム等の希土類金属などが挙げられる。
【0038】本発明の有機EL発光装置においては、少
なくとも上述した画素電極それぞれの上に有機発光部が
形成されている。ここで、有機EL素子の層構成の具体
例としては下記(1)〜(4)のもの、すなわち、 (1)陽極/発光層/陰極 (2)陽極/正孔注入層/発光層/陰極 (3)陽極/発光層/電子注入層/陰極 (4)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極 のものが挙げられる。上記(1)のタイプの有機EL素
子では発光層が本発明でいう有機発光部に相当し、上記
(2)のタイプの有機EL素子では正孔注入層および発
光層が本発明でいう有機発光部に相当し、上記(3)の
タイプの有機EL素子では発光層および電子注入層が本
発明でいう有機発光部に相当し、上記(4)のタイプの
有機EL素子では正孔注入層,発光層および電子注入層
が本発明でいう有機発光部に相当する。
【0039】発光層は、通常1種または複数種の有機発
光材料によって形成されるが、有機発光材料と電子注入
材料および/または正孔注入材料との混合物や、当該混
合物もしくは有機発光材料を分散させた高分子材料等に
よって形成してもよい。また、正孔注入層と共に正孔輸
送層が併用される場合もあるが、本明細書でいう「正孔
注入層」とは、特に断らない限り、正孔注入層と共に正
孔輸送層が併用されている層と、正孔注入層の単独層と
の総称である。
【0040】本発明でいう有機発光部の層構成は、前述
した画素電極と後述する対向電極ラインとの間に電圧を
印加することによって所望の発光(EL光)が得られる
ものであれば特に限定されるものではなく、適宜選択可
能である。そして、有機発光部を構成している層の材料
も特に限定されるものではなく、所望色の光(EL光)
を出射する有機EL素子が得られさえすれば種々の材料
を使用することができる。
【0041】有機発光部は、少なくとも上述した画素電
極それぞれの上に形成されていればよいが、画素電極と
対向電極ラインとの間で短絡が生じるのを防止するうえ
からは、図10に示すように、画素電極30を被覆する
ようにして形成されていることが好ましい。なお、図1
0においては符号31が有機発光部を示しており、符号
32は基材を、また、符号33は後述する分離溝を示し
ている。上述した有機発光部は、前述した画素電極およ
び後述する対向電極ラインと共に有機EL素子を構成す
るものである。
【0042】本発明の有機EL発光装置においては、上
述した有機発光部上に複数本の対向電極ラインが形成さ
れており、対向電極ラインの各々は基材に設けられてい
る分離溝によって互いに分離されている。
【0043】上記の分離溝は、対向電極ラインの材料と
なる導電性材料を真空蒸着法によって所定面に堆積させ
たときに、当該分離溝によって互いに分離された所望本
数の対向電極ラインが自ずと形成されるだけの幅(分離
溝の短手方向の上端の幅を意味する。以下同じ。)およ
び深さを有していればよい。当該幅および深さは対向電
極ラインの厚さ,有機発光部の形成方法や厚さ,画素電
極の厚さ,目的とする有機EL発光装置における精細化
の度合い等に応じて異なってくるが、高精細な有機EL
表示装置用の有機EL発光装置(有機EL表示パネル)
を得ようとする場合には、幅については概ね1〜30μ
mとすることが好ましく、深さについては概ね200n
m〜50μmとすることが好ましい。
【0044】分離溝の幅が1μm未満の場合および分離
溝の深さが200nm未満の場合のいずれにおいても、
対向電極ラインの材料となる導電性材料を真空蒸着法等
によって所定面に堆積させたときに、当該分離溝によっ
て互いに分離された所望本数の対向電極ラインを得るこ
とが困難になる。一方、深さが50μm超える分離溝
は、その形成が困難である。
【0045】分離溝の短手方向の垂直断面形状(長手方
向と直交する方向の垂直断面形状を意味する。以下同
じ。)は特に限定されるものではなく、例えば図11
(a)〜図11(e)に示す形状等、適宜選択可能であ
る。図11(a)に示した分離溝40aは上底よりも下
底の方が長い台形状の垂直断面形状を有するものであ
り、図11(b)に示した分離溝40bは六角形状の垂
直断面形状を有するものであり、図11(c)に示した
分離溝40cは横長の楕円の上部(図11(c)上での
上部)を当該楕円の長軸と平行に一部切り欠いた垂直断
面形状を有するものであり、図11(d)に示した分離
溝40dは逆T字状の垂直断面形状を有するものであ
り、図11(e)に示した分離溝40eは矩形状の垂直
断面形状を有する2本の分離溝40e1,40e2が1
組になったものである。
【0046】隣り合う対向電極ライン同士の間に形成さ
れている分離溝の本数は1本に限定されるものではな
く、図11(e)に示したように2本としてもよいし、
3本以上としてもよい。隣り合う対向電極ライン同士の
間に複数本の分離溝を形成することにより、互いに分離
した対向電極ラインをより確実に形成することができ
る。
【0047】また、図11(a)〜図11(d)に示し
たように、分離溝の短手方向の垂直断面形状を、上端に
おける径よりも深さ方向の中央部や底部等における径の
方が大きい形状とすることにより、真空蒸着法等によっ
て対向電極ラインの材料を堆積させたときに当該対向電
極ラインの材料が分離溝の側壁にも堆積することが抑制
されるので、互いに分離した対向電極ラインを形成する
ことが容易になる。
【0048】なお、配線バスと分離溝とが交差し、か
つ、この交差部における分離溝の内壁の一部または全部
が配線バスによって形成されている場合には、真空蒸着
法等によって対向電極ラインの材料を堆積させたときに
当該対向電極ラインの材料が前記の内壁の一部または全
部に堆積して、配線バスと対向電極ラインとの間で無用
の短絡が生じることになる恐れがある。また、基材とし
て導電性材料からなるものを用いた場合にも、同様の恐
れが生じる。したがって、これらのような場合には、対
向電極ラインの形成に先立って前記の内壁に電気絶縁処
理を施すことが好ましい。この電気絶縁処理は、陽極酸
化,酸素プラズマによる処理,酸素イオンビーム注入等
の方法によって行うことができる。
【0049】上述した分離溝によって互いに分離されて
いる対向電極ラインの各々は、前述したように、画素電
極ラインの各々とそれぞれ1つの画素電極上で平面視上
交差している。これらの交差部においては、基材側から
順に画素電極,有機発光部および対向電極ラインが積層
されているので、当該交差部は有機EL素子として機能
する。
【0050】有機EL表示装置用の有機EL発光装置
(有機EL表示パネル)を得ようとする場合、個々の対
向電極ラインの平面視上の形状は、目的とする有機EL
発光装置における有機EL素子の配置仕様に応じて適宜
選択可能である。例えば画素の配置パターンがモザイク
型,ストライプ型または4画素配置型である場合には、
直線状とすることができる。
【0051】また、対向電極ラインの材質は、目的とす
る有機EL発光装置において前述した基材側を光取り出
し面とするか否かに応じて、適宜選択される。すなわ
ち、目的とする有機EL発光装置において前述した基材
側を光取り出し面とする場合、対向電極ラインは有機発
光部で生じたEL光に対して透光性を有していても有し
ていなくてもよいので、当該対向電極ラインを陽極とし
て利用するか陰極として利用するかに応じて、その材質
を選択する。一方、目的とする有機EL発光装置におい
て前述した基材側を光取り出し面とする場合には、有機
発光部で生じた光(EL光)が透過するように、透光性
を有する対向電極ラインが得られるようにその材質を選
択する。
【0052】対向電極ラインを陰極として利用する場合
には、仕事関数の小さい(例えば4eV以下)金属,合
金,電気伝導性化合物またはこれらの混合物等を上記の
画素電極の材料として用いることが好ましく、その具体
例としてはナトリウム,ナトリウム−カリウム合金,マ
グネシウム,リチウム,マグネシウムと銀との合金また
は混合金属,マグネシウム−銅混合物,アルミニウム,
Al/Al23 ,Al−Li合金,インジウムやイッ
テルビウム等の希土類金属などが挙げられる。一方、対
向電極ラインを陽極として利用する場合には、仕事関数
が大きい(例えば4eV以上)金属,合金,電気伝導性
化合物またはこれらの混合物等を当該画素電極の材料と
して用いることが好ましく、その具体例としてはAu等
の金属、CuI,ITO,錫酸化物,亜鉛酸化物,In
−Zn−O系酸化物等の導電性透明材料が挙げられる。
【0053】以上説明した本発明の有機EL発光装置で
は、基材に設けた分離溝によって対向電極ライン同士を
分離しているので、リソグラフィー法によらずとも真空
蒸着法等によって互いに分離された複数の対向電極ライ
ンを形成することができ、かつ、対向電極ラインの形成
に先立って基材の所定箇所に樹脂製の隔壁を形成しなく
ても、互いに分離された複数の対向電極ラインを形成す
ることができる。したがって、個々の有機EL素子の発
光特性が高い有機EL発光装置を容易に得ることができ
る。
【0054】また、本発明の有機EL発光装置では、目
的とする対向電極ライン同士のピッチが概ね5μm以上
であれば当該対向電極ライン同士を前記の分離溝のみに
よって分離することができ、画素電極の形成にあたって
は従来と同様にリソグラフィー法を適用することができ
る。したがって、画素数が概ね400個/cm2 以上と
いう高精細な有機EL表示装置用の有機EL発光装置
(有機EL表示パネル)を容易に得ることができる。
【0055】上述した利点を有する本発明の有機EL発
光装置は、有機EL表示パネルまたはその材料として好
適である他、線状の画素アレイとしても好適である。
【0056】なお、有機EL素子に水分や酸素が侵入す
るとその発光特性や素子寿命が低下するので、本発明の
有機EL発光装置においては、所望の封止層を設けて有
機EL素子に水分や酸素が侵入するのを防止することが
好ましい。
【0057】このような封止層の材料の具体例として
は、例えば、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種
のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得
られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ
素共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリイミド、ポリユリア、ポリテト
ラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレ
ン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフル
オロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合
体、吸水率1%以上の吸水性物質および吸水率0.1%
以下の防湿性物質、In,Sn,Pb,Au,Cu,A
g,Al,Ti,Ni等の金属、MgO,SiO,Si
2 ,Al23 ,GeO,NiO,CaO,BaO,
Fe23 ,Y23 ,TiO2 等の金属酸化物、MgF
2 ,LiF,AlF3 ,CaF2 等の金属フッ化物、パ
ーフルオロアルカン,パーフルオロアミン,パーフルオ
ロポリエーテル等の液状フッ素化炭化水素および当該液
状フッ素化炭化水素に水分や酸素を吸着する吸着剤を分
散させたもの等が挙げられる。
【0058】前述した利点を有する本発明の有機EL発
光装置を製造するにあたっては、まず基材に配線バスを
形成し、画素電極を形成する前または画素電極を形成し
た後に分離溝を形成する。上記の配線バスの形成は、例
えば(1) 陽極酸化法,(2) イオン注入法,(3) リフトオ
フ法,(4) 埋設法等の方法により行うことができる。以
下。これらの方法による配線バスの形成について説明す
る。
【0059】(1) 陽極酸化法 この方法は、アルミニウム(Al),クロム(Cr),
タンタル(Ta)等、陽極酸化が可能な導電性材料また
は半導体材料からなるフィルム状物もしくはシート状物
を基材として用いるか、または、片面に前記の材料から
なる層(以下、この層を「被陽極酸化層」という。)を
有する複数層構造の基材を用い、前記のフィルム状物も
しくはシート状物または被陽極酸化層を陽極酸化によっ
て部分的に酸化することによって、酸化を受けていない
箇所を配線バスとして利用する方法である。上記複数層
構造の基材を用いた場合を例にとり、以下具体的に説明
する。
【0060】まず、図12(a)に示すように、電気絶
縁性を有する第1の基材層50と、当該第1の基材層5
0の片面に形成された被陽極酸化層51とを有する基材
52を用意する。被陽極酸化層51の形成はPVD法
(物理的気相蒸着法),CVD法(化学的気相蒸着法)
等、種々の方法により行うことができる。また、被陽極
酸化層51の厚さは、その厚さ方向の全体に亘って陽極
酸化が可能な厚さとする。次に、上記被陽極酸化層51
上にフォトレジスト膜,X線レジスト膜,電子線レジス
ト膜等のレジスト膜を製膜し、当該レジスト膜について
所定のマスクを用いての露光および所定の現像液を用い
ての現像を行って、図12(b)に示すように、所望形
状のレジストパターン53を形成する。当該レジストパ
ターン53においては、配線バスを形成しようとする箇
所以外の箇所に開口部54が形成されている。
【0061】次いで、上記被陽極酸化層51のうちでそ
の上にレジストパターン53が位置していない箇所51
aを、当該箇所51aの厚さ方向の全体に亘って、陽極
酸化により完全に酸化させる。このとき、被陽極酸化層
51のうちでその上にレジストパターン53がある箇所
51bについては、当該レジストパターン53の存在に
より電解液の侵入が抑制されるので、陽極酸化が抑制さ
れる。この後、所定の剥離液を用いて上記のレジストパ
ターン53を剥離する。
【0062】図12(d)に示すように、上述のように
して陽極酸化された被陽極酸化層51においては陽極酸
化された箇所51aが電気絶縁性を示し、陽極酸化され
ていない箇所51bは導電性を示すので、当該導電性を
示す箇所51bを配線バスとして利用することができ
る。
【0063】(2) イオン注入法 この方法は、アルミニウム(Al),銅(Cu),導電
性ケイ素(例えばドーピングされたSi結晶)等、適当
なイオン(例えば酸素イオン)を注入することによって
電気絶縁部を形成することが可能な導電性材料または半
導体材料からなるフィルム状物もしくはシート状物を基
材として用いるか、または、片面に前記の材料からなる
層(以下、この層を「被イオン注入層」という。)を有
する複数層構造の基材を用い、イオン注入によって前記
のフィルム状物もしくはシート状物または被イオン注入
層に部分的に電気絶縁部を形成することによって、イオ
ン注入を受けていない箇所を配線バスとして利用する方
法である。
【0064】イオン注入法を用いての配線バスの形成
は、陽極酸化に変えてイオン注入を行う以外は、上述し
た陽極酸化法と同様にして行うことができる。このとき
のイオン注入は、電気絶縁部を形成したい箇所がその厚
さ方向の全体に亘って電気絶縁性を示すことになるよう
に行う。基材の種類によっては、上記とは逆に、イオン
注入した箇所を配線バスとして利用することも可能であ
る。例えばポリシリコン層の所望箇所にホウ素,リン等
をイオン注入することによって当該箇所を低抵抗化し、
ここを配線バスとして利用することもできる。
【0065】(3) リフトオフ法 この方法は、単層構造または複数層構造の基材上に所定
形状の開口部を有する剥離層を設け、当該剥離層上およ
び前記の基材上(基材表面のうちで前記の開口部の底と
なっている箇所)に配線バスの材料となる導電膜を形成
した後、剥離層を当該剥離層上に形成されている導電膜
ごと除去(リフトオフ)することによって、基材の所望
箇所に配線バスを形成する方法である。以下、(A) 単層
構造の基材を用いる場合と、(B) 複数層構造の基材を用
い場合とに分けて説明する。
【0066】(A) 単層構造の基材を用いる場合 まず、電気絶縁性を有する基材上にフォトレジスト膜,
X線レジスト膜,電子線レジスト膜等のレジスト膜を製
膜し、当該レジスト膜について所定のマスクを用いての
露光および所定の現像液を用いての現像を行って、図1
3(a)に示すように、前記の基材60の片面上に所望
形状のレジストパターン61を形成する。当該レジスト
パターン61においては、配線バスを形成しようとする
箇所に開口部62が形成されている。次に、上記のレジ
ストパターン61をマスクとして用いたエッチング法
(ドライエッチング法またはウエットエッチング法)に
よって、図13(b)に示すように、基材60の所定箇
所、すなわち、前記の開口部62の底に位置している箇
所をエッチングして、所望の深さの凹部63を形成す
る。なお、図13(b)中の二点鎖線は、エッチングさ
れる前の基材60の上端を示している。
【0067】次いで、図13(c)に示すように前記の
凹部63を埋めるようにして、当該凹部63上および前
記のレジストパターン61上に所望の導電膜64を製膜
する。この後、所定の剥離液を用いて上記のレジストパ
ターン61をその上に形成されている導電膜64ごと剥
離する。したがって、レジストパターン61は剥離層に
相当する。上記のようにしてレジストパターン61(剥
離層)の剥離まで行うことにより、図13(d)に示す
ように、前記の凹部63内に製膜された導電膜64から
なる配線バスを単層構造の基材60に形成することがで
きる。
【0068】(B) 複数層構造の基材を用いる場合 まず、図14(a)に示すように、電気絶縁性を有する
第1の基材層70aと、当該第1の基材層70aの片面
に形成されている平坦化層(電気絶縁性を有するもの)
70bとを有する複数層構造の基材70を用意する。平
坦化層70bの材料としては、ポリイミド,フッ素系樹
脂,ポリキノリン,ポリオレフィン,ポリオキサジアゾ
ール等の樹脂や、SiO2 ,Al23 ,Ta25 ,S
iOF,MgO,Yb23 等の酸化物、Si34 ,S
iNx (0<x<(4/3)),GaN,GaInN,
SiON,SiAlON等の窒化物、または酸化物ガラ
ス等を用いることができる。
【0069】個々の有機EL素子に無発光部分(ダーク
スポット)等の発光欠陥が生じるのを抑制するうえから
は、ASTM規格のD570に準拠した方法によって測
定した吸水率が0.1%以下の平坦化層70bを形成す
ることが特に好ましい(以下、「吸水率」とは前記の方
法によって測定したものを意味する。)。なお、平坦化
層70bの形成方法は、スピンコート法,塗布法,浸漬
塗布法,PVD法(物理的気相蒸着法),CVD(化学
的気相蒸着法)法等、その材料に応じて適宜選択され
る。次に、上記の平坦化層70b上にフォトレジスト
膜,X線レジスト膜,電子線レジスト膜等のレジスト膜
を製膜し、当該レジスト膜について所定のマスクを用い
ての露光および所定の現像液を用いての現像を行って、
図14(b)に示すように、所望形状のレジストパター
ン71を形成する。レジストパターン71においては、
配線バスを形成しようとする箇所に開口部72が形成さ
れている。
【0070】次いで、上記のレジストパターン71をマ
スクとして用いたエッチング法(ドライエッチング法ま
たはウエットエッチング法)によって、図14(c)に
示すように、基材70の所定箇所、すなわち、前記の開
口部72の底に位置している平坦化層70bをエッチン
グして、所望の深さの凹部73を形成する。次に、図1
4(d)に示すように、前記の凹部73を埋めるように
して、当該凹部73上および前記のレジストパターン7
1上に所望の導電膜74を製膜する。この後、所定の剥
離液を用いて上記のレジストパターン71をその上に形
成されている導電膜74ごと剥離する。したがって、レ
ジストパターン71は剥離層に相当する。
【0071】上記のようにしてレジストパターン71
(剥離層)の剥離まで行うことにより、図14(e)に
示すように、前記の凹部73内に製膜された導電膜74
からなる配線バスを複数層構造の基材70に形成するこ
とができる。なお、単層構造の基材および複数層構造の
基材のいずれを用いる場合でも、厚さが概ね1μm〜数
10μm程度と厚い配線バスをPVD法やCVD法によ
り形成しようとすると長時間を要するので、厚肉の配線
バスを形成しようとする場合には配線バスの材料となる
導電膜の一部をメッキ法によって形成してもよい。
【0072】メッキ法を利用して配線バスを形成する場
合には、例えば、リフトオフ法によって図15(a)に
示すように薄肉の導電膜77aからなる配線バスを一旦
形成した後、メッキ法によって当該薄肉の配線バス77
a上に所望の導電膜を製膜して、図15(b)に示すよ
うに、前記薄肉の配線バス77aとメッキ法によって形
成された導電膜77bとからなる2層構造の配線バス7
7を形成する。なお、図15に示した部材のうちで図1
4に示したものと共通するものについては、図14に付
した符号と同じ符号を付してある。
【0073】(4) 埋設法 この方法は電気絶縁性を有する基材中に配線バスを埋設
する方法である。基材中に埋設されている配線バスと画
素電極との導通は、配線バスの表面に達するスルーホー
ルを基材の所定箇所に設け、このスルーホールを利用し
て図られる。
【0074】電気絶縁性を有する基材中に配線バスを埋
設するにあたっては、まず、電気絶縁性を有する第1の
基材層の片面上に配線バスの材料となる導電膜をCVD
法,真空蒸着法,スパッタリング法等の方法によって形
成した後、当該導電膜をリソグラフィー法等によって所
定形状にパターニングして、図16(a)に示すように
第1の基材層80の片面に配線バス81を形成する。あ
るいは、第1の基材層80の片面にCVD法,真空蒸着
法,スパッタリング法等の方法によって配線バス81を
直接形成する。次に、図16(b)に示すように、上記
の配線バス81を覆うようにして当該配線バス81上お
よび前記第1の基材層80上に電気絶縁膜82を形成す
る。電気絶縁膜82の材料としては、リフトオフ法につ
いての説明の中で平坦化膜の材料として例示したものと
同じものが挙げられる。上記の電気絶縁膜82まで形成
することにより、第1の基材層80と電気絶縁膜82と
からなる複数層構造の基材83中に配線バス81を埋設
することができる。
【0075】この後、リソグラフィー法,レーザー加工
法等の方法によって、図16(c)に示すように、配線
バス81と画素電極(図示せず。)との導通を図るため
に利用されるスルーホール84を前記の電気絶縁膜82
の所定箇所に形成する。配線バス81と画素電極との導
通を図るうえからは、スルーホール84の垂直断面形状
を、下底より上底の方が長い台形状とすることが好まし
い。なお、上記の電気縁膜82には、画素電極や対向電
極ラインに断線が生じない範囲内で、図16(d)に示
すように多少のうねりがあってもよい。
【0076】一方、前述した分離溝は、例えば、上述の
ようにして配線バスが形成されている基材の表面の所定
箇所に画素電極を形成する前、または画素電極を形成し
た後、サンドブラスト法,切削加工法,リソグラフィー
法,レーザー加工法等の方法によって形成することがで
きる。上述した埋設法によって配線バスを形成する場合
には、スルーホールと一緒に分離溝を形成してもよい。
分離溝は、画素電極の側方に位置するようにして、か
つ、対向電極ラインの材料となる導電性材料を真空蒸着
法等によって所定面に堆積させたときに、当該分離溝に
よって互いに分離された所望本数の対向電極ラインが自
ずと形成されるように形成する。
【0077】配線バスと分離溝とが交差し、かつ、この
交差部における分離溝の内壁の一部または全部が配線バ
スによって形成されている場合には、本発明の有機EL
発光装置についての説明の中で述べたように、対向電極
ラインの形成に先立って前記の内壁に電気絶縁処理を施
すことが好ましい。
【0078】画素電極を形成するにあたっては、まず、
画素電極の材料となる導電膜をPVD法やCVD法等に
よって基材の所定面に製膜した後、当該導電膜をリソグ
ラフィー法等によって所定形状にパターニングして画素
電極を得る。あるいは、真空蒸着法,スパッタリング法
等の方法によって基材の所定面に画素電極を直接形成す
る。個々の画素電極は特定の配線バスと共に画素電極ラ
インを構成するように形成し、1本の画素電極ラインに
は特定の配線バスによって互いに電気的に接続し得る状
態にある画素電極を複数個設ける。
【0079】1本の画素電極ラインを構成している画素
電極と配線バスとは電気的に接続し得る状態になってい
なければならないので、画素電極は、所定の配線バスと
電気的に接続し得るように形成する。陽極酸化法,イオ
ン注入法あるいはリフトオフ法によって基材中に配線バ
スを形成した場合には、配線バスの一側面(配線バスの
厚さ方向の上面)が裸出しているので、この側面に接す
るようにして画素電極を形成する。また、埋設法によっ
て配線バスを形成した場合には、(i) 画素電極の一部が
スルーホールの内側側面および底面(配線バスの表面)
にも達するようにして当該画素電極を形成してもよい
し、(ii)画素電極を形成するに先立ってスルーホールを
所望の導電材料によって埋めるか、または、当該スルー
ホールの内側側面および底面(配線バスの表面)に所望
の導電膜を形成し、その後に、スルーホールを埋めてい
る前記の導電材料またはスルーホールの内側側面および
底面(配線バスの表面)に形成されている前記の導電膜
と接するようにして画素電極を形成してもよい。
【0080】上述のようにして配線バス,分離溝および
画素電極を形成することにより、本発明の発光装置用基
板を得ることができる。この発光装置用基板では基材に
分離溝が形成されているので、リソグラフィー法によら
ずとも真空蒸着法によって、互いに分離された複数の対
向電極ラインを当該基板上に容易に形成することがで
き、かつ、対向電極ラインの形成に先立って基材の所定
箇所に樹脂製の隔壁を形成しなくても、互いに分離され
た複数の対向電極ラインを形成することができる。ま
た、目的とする対向電極ライン同士のピッチが概ね5μ
m以上であれば当該対向電極ライン同士を前記の分離溝
のみによって分離することができ、画素電極の形成にあ
たっては従来と同様にリソグラフィー法を適用すること
ができる。
【0081】したがって、本発明の発光装置用基板を構
成している画素電極上に所望の有機発光部および対向電
極ラインを形成することにより、個々の有機EL素子の
発光特性が高い有機EL発光装置を容易に得ることがで
きる。また、画素数が概ね400個/cm2 以上という
高精細な有機EL表示装置用の有機EL発光装置(有機
EL表示パネル)を容易に得ることができる。上記の利
点を有する本発明の発光装置用基板は、無機EL発光装
置(無機EL表示パネルを含む。)を得るための基板と
しても好適である。
【0082】前述した本発明の有機EL発光装置は、上
述のようにして本発明の発光装置用基板を得た後、少な
くとも前記の画素電極上に所望の層構成の有機発光部を
形成し、当該有機発光部上に所望本数の対向電極ライン
を形成することにより、あるいは、対向電極ラインの形
成後に更に所望の封止層を形成することにより、得るこ
とができる。
【0083】有機発光部は、少なくとも上述した画素電
極それぞれの上に形成されていればよいが、画素電極上
以外の箇所にまで亘って形成されていてもよい。画素電
極と対向電極ラインとの間で短絡が生じるのを防止する
うえからは、図10に示したように、画素電極を被覆す
るようにして形成されていることが好ましい。
【0084】有機発光部を形成するにあたっては、個々
の有機EL素子の発光特性が高い有機EL発光装置を得
るうえから、少なくとも発光層については真空蒸着法に
よって形成することが好ましい。有機発光部を構成する
他の層については、その材料に応じて種々の方法を適用
して形成することができるが、真空蒸着法によって他の
層も形成するようにすれば、真空蒸着法のみによって有
機発光部を形成することができるので、実用上好都合で
ある。
【0085】また、対向電極ラインは、画素電極ライン
の各々とそれぞれ1つの画素電極上で平面視上交差する
ように形成する。対向電極ラインを形成するにあたって
リソグラフィー法を適用すると、個々の有機EL素子の
発光特性が高い有機EL発光装置を得ることが困難にな
るので、対向電極ラインは真空蒸着法,スパッタリング
法等の方法によって形成することが好ましい。このと
き、所定形状のマスクを用いてもよいが、基材に前述し
た分離溝が形成されていることから、対向電極ラインの
材料となる導電材料を基材の所定面上、すなわち、画素
電極および有機発光部が形成されている側の面上にマス
クを介さずに単に堆積させるだけでも、前記の分離溝に
よって互いに分離された所定本数の対向電極ラインを形
成することができる。
【0086】上述した分離溝によって互いに分離されて
いる対向電極ラインの各々は、前述したように、画素電
極ラインの各々とそれぞれ1つの画素電極上で平面視上
交差しており、画素電極上には有機発光部が形成されて
いる。これらの交差部においては、基材側から順に画素
電極,有機発光部および対向電極ラインが積層されてい
るので、当該交差部は有機EL素子として機能する。
【0087】対向電極ラインの形成後に所望の封止層を
形成する場合には、封止層の材料に応じて真空蒸着法,
スピンコート法,スパッタリング法,キャスト法,MB
E(分子線エピタキシー)法,クラスターイオンビーム
蒸着法,イオンプレーティング法,プラズマ重合法(高
周波励起イオンプレーティング法),反応性スパッタリ
ング法,プラズマCVD法,レーザーCVD法,熱CV
D法,ガスソースCVD法等を適宜適用して、当該封止
層を形成する。
【0088】封止層の材料として液状フッ素化炭化水素
や当該液状フッ素化炭化水素に水分や酸素を吸着する吸
着剤を分散させたもの等の液状物を用いる場合には、基
材上に形成されている有機EL素子(既に別の封止層が
あってもよい。)の外側に、前記の基材と共同してこの
有機EL素子との間に空隙を形成しつつ当該有機EL素
子を覆うハウジング材を設け、前記の基材と前記のハウ
ジング材とによって形成された空間に前記の液状物を充
填することによって封止層を形成することが好ましい。
前記のハウジング材としては、吸水率の小さいガラスま
たはポリマー(例えば三フッ化塩化エチレン)からなる
ものが好適に用いられる。ハウジング材を使用する場合
には、上述した封止層を設けずに当該ハウジング材のみ
を設けてもよいし、ハウジング材を設けた後に、当該ハ
ウジング材と前記の基材とによって形成された空間に酸
素や水を吸着する吸着材の層を設けるか当該吸着材から
なる粒子を分散させてもよい。
【0089】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。実施例1 (1)配線バスおよび分離溝の形成 まず、図1(a)に示すように、20×20×0.11
cmのガラス板1と当該ガラス板1の片面に形成された
膜厚4.5μmの第1フッ素系樹脂層(硬化後のもの。
吸水率は0.01%以下。)2とからなる透光性基材3
を用意した。上記の第1フッ素樹脂層2は、ガラス板1
の片面にスピンコート法によって膜厚5μmのフッ素系
樹脂層(ただし未硬化のもの。使用コーティング液は旭
ガラス社製のサイトップCTX−809A。)を形成し
た後に当該フッ素系樹脂層を300℃で60分間乾燥・
硬化させて得たものである。このとき、スピンコーティ
ングの初期の段階ではガラス板1の回転数を500rp
mとし、この回転数で10秒間回転させた後、回転数を
700rpmに上げて更に20秒間回転させた。
【0090】次いで、スピンコート法(回転数300r
pm,回転時間20秒)によって上記の第1フッ素系樹
脂層2上に膜厚2μmのポジ型レジスト(東京応化社製
のTOPR−100)層を形成し、このポジ型レジスト
層を90℃で30分間プレベークした。この後、所定形
状のマスクを用いつつ前記のポジ型レジスト層(プレベ
ーク後のもの)を高圧水銀灯のg線(波長436nm)
によって露光し、更に現像を行って、図1(b)に示す
ように、所定箇所に開口部4aを有するレジストパター
ン4を得た。前記の開口部4aは、平面視上、配線バス
を形成しようとする箇所に重なっている。
【0091】次に、上記のレジストパターン4をマスク
として用いた反応性イオンエッチングにより、図1
(c)に示すように、前記の第1フッ素樹脂層2に長さ
16cm,幅20μm,深さ2μmの溝2aを100μ
mピッチで計1920本形成した。このときの反応性イ
オンエッチングは、CHF3 ガスとCF4 ガスとArガ
スとの混合ガスをエッチングガスとして用い、CHF3
ガスおよびCF4 ガスの流量をそれぞれ30SCCM、
Arガスの流量を100SCCM、プラズマ出力を30
0Wにして行った。なお、図1(c)中の二点鎖線は、
反応性エッチングによってエッチングされる前の第1フ
ッ素樹脂層2の上端を示している。
【0092】次いで、レジストパターン4が形成されて
いる側からレジストパターン4の上面および各溝2aの
底面(図1(c)に示した状態でみたときの「上面」ま
たは「底面」)にDCスパッタリング法によってアルミ
ニウム(Al)を堆積させて、図1(d)に示すよう
に、これらの上面および底面に膜厚2μmのAl膜5を
形成した。この後、所定の剥離液を用いて前記のレジス
トパターン4をその上に形成されているAl膜5と共に
剥離した。
【0093】この剥離まで行うことにより、図1(e)
に示すように、ガラス板1とこのガラス板1の片面に形
成された第1フッ素樹脂層2とからなる透光性基材3中
に、長さ16cm,幅20μm,厚さ2μmのAl層5
からなる配線バス(以下、「配線バス5」という。)が
100μmピッチで計1920本形成された。
【0094】次に、配線バス5および第1フッ素樹脂層
2それぞれの上に、スピンコート法により膜厚3μmの
フッ素系樹脂層(ただし未硬化のもの。使用コーティン
グ液は前出のサイトップCTX−809A。)を形成
し、このフッ素樹脂層を硬化させて、図2(a)に示す
ように、配線バス5および第1フッ素樹脂層2それぞれ
の上に膜厚4.6μmの第2フッ素系樹脂層(硬化後の
もの)6を形成した。
【0095】次いで、スピンコート法によって上記の第
2フッ素系樹脂層6上に膜厚2μmのポジ型レジスト
(東京応化社製のTOPR−100)層を形成し、プレ
ベーク,所定形状のマスクを用いての露光,現像を順次
行って、図2(b)に示すように、配線バス5の各々と
平面視上直交する溝状の開口部7aが所定ピッチで形成
されているレジストパターン7を得た。前記の開口部7
aの各々は、平面視上、分離溝を形成しようとする箇所
に重なっている。
【0096】次に、上記のレジストパターン7をマスク
として用いた反応性イオンエッチングにより、図2
(c)に示すように、前記の第2フッ素樹脂層6に長さ
20cm,幅10μm,深さ2μmの溝6aを300μ
mピッチで計480本形成した。なお、図2(c)中の
二点鎖線は、反応性エッチングによってエッチングされ
る前の第2フッ素樹脂層6の上端を示している。
【0097】上記の溝6aまで形成した透光性基材3を
フッ素樹脂用の溶剤(旭ガラス社製のCTS01V)に
30秒間浸漬した。この浸漬により、上記の溝6aそれ
ぞれの短手方向の垂直断面形状は、図2(d)に示すよ
うに、上底よりも下底の方が長い台形状となった(以
下、これらの溝の各々を「分離溝6b」という。)。こ
の垂直断面形状は、走査型電子顕微鏡によって確認し
た。この後、所定の剥離液を用いて前記のレジストパタ
ーン7を剥離して、配線バス5と分離溝6bとを有する
透光性基材を得た。
【0098】図2(e)に示すように、上述のようにし
て得られた透光性基材10は、ガラス板1と、このガラ
ス板1の片面に形成された第1フッ素樹脂層2と、この
第1フッ素樹脂層2の片面側に100μmピッチで形成
された計1920本の配線バス5と、前記の第1フッ素
樹脂層2上および前記の各配線バス5上に形成された第
2フッ素樹脂層6と、この第2フッ素樹脂層6に所定の
ピッチで形成された計480本の分離溝6bとを有して
いる。各分離溝6bの深さは2.1μmであり、隣り合
う分離溝6b同士のピッチは300μmである。そし
て、前記の配線バス5の各々と前記の分離溝6bの各々
とは、平面視上直交している。
【0099】(2)有機EL素子の形成 まず、上記の透光性基材10における第2フッ素樹脂層
6上に、スピンコート法によって膜厚4μm(分離溝6
b以外の箇所における膜厚)のポジ型レジスト(東京応
化社製のTOPR−100)層を形成し、プレベーク,
所定形状のマスクを用いての露光,現像を順次行って、
図3(a)に示すように、円形の水平断面形状を有する
開口部11aが所定ピッチで形成されているレジストパ
ターン11を得た。前記の各開口部11aは、配線バス
5の各々と平面視上重なる位置に形成されている。
【0100】次に、上記のレジストパターン11をマス
クとして用いた反応性イオンエッチングにより、図3
(b)に示すように、開口部11aの下の第2フッ素樹
脂層6から配線バス5の表面に達するスルーホール12
を、1本の配線バス5あたり300μmピッチで480
個形成した。このときの反応性イオンエッチングは、C
HF3 ガスとCF4 ガスとArガスとO2 ガスとの混合
ガスをエッチングガスとして用い、CHF3 ガスとCF
4 ガスとArガスの流量の総量を160SCCM、CH
3 ガスとCF4 ガスとArガスとの流量比をCHF3
ガス:CF4 ガス:Arガス=10:2:3、O2 ガス
の流量を16SCCMとして行い、プラズマ出力は30
0Wとした。この条件は、反応性イオンエッチングによ
って形成されるスルーホール12の内部空間の形状を逆
円錐台状、すなわち、上端の開口部の径の方が下端の開
口部の径より大きい円錐台状にするための条件である。
なお、図3(b)中の二点鎖線は、反応性エッチングに
よってエッチングされる前の第2フッ素樹脂層6の上端
を示している。
【0101】上記のようにしてスルーホール12を形成
した後、所定の剥離液を用いて前記のレジストパターン
11を剥離し、酸素プラズマを用いて前記の第2フッ素
樹脂層6の表面処理を行った。この表面処理は、第2フ
ッ素樹脂層6の表面を改質して、画素電極との密着性を
向上させるためのものである。
【0102】次いで、表面を改質した後の第2フッ素樹
脂層6上に、DCマグネトロンスパッタリング法によっ
て膜厚200nmのIn−Zn−O系非晶質酸化物膜を
製膜した。このとき、スパッタリングターゲットとして
はIn−Zn−O系酸化物焼結体(インジウム(In)
の原子比In/(In+Zn)=0.84)を用い、A
rガスとO2 ガスとの混合ガス(Arガス:O2 ガス=
1000:5.0(体積比))を真空槽内圧力が3×1
-1Paとなるように真空槽内に導入してスパッタリン
グを行い、スパッタリング出力は200W,基板温度は
室温とした。
【0103】In−Zn−O系非晶質酸化物膜の製膜
後、当該非晶質酸化物膜をフォトリソグラフィー法によ
ってパターンニングして、80×260μm角の画素電
極を1本の配線バス5あたり300μmピッチで480
個形成した。
【0104】図4(a),図4(b)に示すように、上
記の画素電極13のそれぞれは、平面視したときに前述
したスルーホール12が中央部に位置するようにして、
第2フッ素樹脂層6(表面改質後のもの)上に形成され
ており、配線バス5と画素電極13とはスルーホール1
2の底部において接している。そして、1本の配線バス
5と、スルーホール12の底部において当該配線バス5
に接している480個の画素電極とで、1本の画素電極
ライン14を形成している。画素電極ライン14は10
0μmピッチ(ただし、配線バス5同士のピッチ)で計
1920本形成されており、画素電極ライン14それぞ
れの長さは16cm、その電気抵抗値は300Ωであっ
た。当該画素電極ライン14まで形成することにより、
本発明の発光装置用基板15が得られた。
【0105】次に、上記の画素電極13それぞれの上お
よびこれらの画素電極13の周囲に、下式(I)
【化1】 によって示されるアミンオリゴマー(以下、このものを
「TPD74」と略記する。)からなる膜厚200nm
(画素電極13における周縁部での膜厚)の正孔注入層
を真空蒸着法によって形成した。
【0106】また、上記の正孔注入層上およびその周囲
に、下式(II)
【化2】 によって示されるN,N’−ビス(3−メチルフェニ
ル)−N,N’−ジフェニル−(1,1’−ビフェニ
ル)−4,4’−ジアミン(以下、「TPD」と略記す
る。)からなる膜厚20nm(画素電極13上における
周縁部での膜厚)の正孔輸送層を真空蒸着法によって形
成した。
【0107】さらに、上記の正孔輸送層上およびその周
囲に、有機発光材料の1つであるトリス(8−ヒドロキ
シキノリノ)アルミニウム錯体(以下、「Alq」と略
記する。)からなる膜厚60nm(画素電極13上にお
ける周縁部での膜厚)の発光層を真空蒸着法によって形
成した。
【0108】この後、発光装置用基板15(図4参照)
において上記の発光層まで形成されている側の面上に、
マスクを用いることなく、Al−Li合金(Li濃度は
0.5at%)からなる膜厚200nm(画素電極13上
における周縁部での膜厚)の導電膜を真空蒸着法によっ
て形成した。このとき、発光装置用基板15に分離溝6
bが300μmピッチで形成されていることから、前述
した画素電極ライン14の各々とそれぞれ1つの画素電
極13上で平面視上交差する幅290μmの対向電極ラ
インが300μmピッチで自ずと形成された。
【0109】上記の対向電極ラインまで形成することに
より、図5に示すように、画素電極ライン14と対向電
極ライン16との平面視上の交差部の各々には、画素電
極(In−Zn−O系非晶質酸化物膜)13,有機発光
部17(正孔注入層(TPD74層),正孔輸送層(T
PD層)および発光層(Alq層)が順次積層されたも
の)および対向電極ライン(Al−Li合金からなる導
電膜)16が順次積層されてなる有機EL素子18が形
成された。また、各分離溝6b内にも、有機発光部17
と同一層構成の層17aおよび対向電極ライン16と同
一材料からなる層16aが積層された。なお、正孔注入
層(TPD74層)の製膜から対向電極ラインの製膜
(Al−Li合金からなる導電膜)の製膜までは1台の
真空蒸着装置を用いて行い、かつ、その間、真空槽を1
度も開放せずに連続して各層の製膜を行った。
【0110】(3)封止層の形成 上記のようにして有機EL素子まで形成することより、
本発明の有機EL発光装置が得られたが、個々の有機E
L素子の素子寿命がより長い有機EL発光装置を得るた
めに、次のようにして封止層を形成した。まず、所定の
大きさを有するガラス蓋を用意した。このガラス蓋に
は、後述する注入口として使用される貫通孔が設けられ
ている。次に、このガラス蓋と上記(2)で作製した有
機EL発光装置とを、有機EL発光装置を構成している
各有機EL素子と前記のガラス蓋との間に所望の空間が
形成されるようにして、紫外線硬化型樹脂を用いて貼り
合わせた。次いで、ガラス蓋に形成されている貫通孔を
注入口として利用して、上記の空間内に液状フッ素化炭
化水素(ダイキン工業社製のデムナムS−20)を充填
し、これによって当該液状フッ素化炭化水素からなる封
止層を形成し、その後に注入口を密閉して、目的とする
有機EL発光装置を得た。
【0111】比較例1 まず、20×20×0.11cmのガラス板の片面に実
施例1と同条件でIn−Zn−O系非晶質酸化物膜を製
膜し、この非晶質酸化物膜をフォトリソグラフィー法に
よってパターンニングして、膜厚200nmのIn−Z
n−O系非晶質酸化物膜からなる長さ16cm,幅80
μmのストライプ状の下部電極ラインを100μmピッ
チで計1920本形成した。これらの下部電極ラインは
互いに平行に形成されており、その電気抵抗値は24k
Ωであった。次に、ガラス板において上記の下部電極ラ
インが形成されている側の面上に実施例1と同条件で正
孔注入層(TPD74層),正孔輸送層(TPD層)お
よび発光層(Alq層)を形成し、この後、所定形状の
マスクを用いた真空蒸着法によって対向電極ライン(A
l−Li合金からなる導電膜)を形成した。個々の対向
電極ラインは長さ20cm,幅200μmのストライプ
状を呈し、これらの対向電極ラインは互いに平行に、か
つ、下部電極ラインと平面視上直交するようにして30
0μmピッチで計480本形成されている。この後、実
施例1と同様にして封止層を形成して、目的とする有機
EL発光装置を得た。
【0112】比較例2 分離溝に代えて樹脂製の隔壁を形成した以外は実施例1
と同様にして、目的とする有機EL発光装置(封止層ま
で形成したもの)を得た。なお、上記樹脂製の隔壁を形
成するにあたっては、その材料としてフォトレジスト
(日本ゼオン社製のLAX−1)を用い、当該フォトレ
ジストからなる膜をスピンコート法によって形成した後
に80℃で20分プレベークし、プレベーク後のフォト
レジスト膜をフォトリソグラフィー法によってパターニ
ングし、その後120℃で30分間ポストベークした。
図6に示すように、形成した隔壁19の短手方向の垂直
断面形状は、上面の幅が10μmで下面の幅が3μmで
ある逆テーパ状を呈し、その高さは5μmである。な
お、図6に示した部材のうちで図4に示したものと共通
するものについては、図4と同じ符号を付してある。
【0113】発光試験 実施例1,比較例1および比較例2でそれぞれ得た各有
機EL発光装置について、以下の条件で発光試験を行っ
た。まず、いずれの有機EL発光装置についても、画素
電極(比較例1のものでは下部電極ライン)を信号電
極、対向電極ラインを走査電極として用い、これらの電
極と所定の駆動回路とを接続した。そして、各有機EL
素子を個別に発光させることができるか否かを確かめ
た。また、デューティー比1/480で画像表示を行っ
て、表示された画像を評価した。
【0114】その結果、実施例1で得た有機EL発光装
置においては、全ての有機EL素子を個別に発光させる
ことができ、また、各有機EL素子を高輝度に、かつ、
実質的に均一に発光させることができた。これらのこと
から、実施例1で得た有機EL発光装置においては、対
向電極ライン同士が隣接するもの同士で短絡することも
なく良好に分離されており、個々の画素電極ラインにお
ける電圧降下が小さく、個々の有機EL素子の発光特性
が高く、かつ、有機EL素子同士の間での製造ムラも小
さいことが確認された。さらに、実施例1で得た有機E
L発光装置においては、表示された画像にクロストーク
が認められず、また、画素電極ラインの電気抵抗が高す
ぎることに起因する応答速度の遅れも認められなかっ
た。
【0115】一方、比較例1で得た有機EL発光装置に
おいては、各有機EL素子を個別に発光させることがで
きなかった。このことから、隣接するもの同士で短絡し
ている対向電極ラインが存在することが確認された。こ
れは、所定形状のマスクを用いた真空蒸着法によって対
向電極ラインを形成するにあたり、隣り合う対向電極ラ
イン同士のギャップを100μmにしようとしたことか
ら、対向電極ライン同士の分離が不完全になったためで
ある。また、当該有機EL発光装置においては各有機E
L素子を均一に発光させることができず、有機EL素子
同士の間での輝度ムラが非常に大きかった。これは、下
部電極ラインの電気抵抗値が24kΩと高く、下部電極
ラインでの電圧降下が大きいことに起因しているものと
推察される。そして、有機EL素子同士の間での輝度ム
ラが非常に大きいことから、良好な画像表示を得ること
はできなかった。
【0116】また、比較例2で得た有機EL発光装置に
おいては、配線バスが形成されていることから画素電極
ラインでの電圧降下は問題のないものであったが、各有
機EL素子を個別に発光させることはできなかった。こ
の原因を調べたところ、隔壁の短手方向の垂直断面形状
が不均一であったことから当該隔壁が部分的に倒壊し、
この部分で対向電極ライン同士が短絡したためであるこ
とが判明した。
【0117】保存試験 実施例1および比較例2でそれぞれ得た各有機EL発光
装置を70%RH(相対湿度),室温の条件下で100
0時間保存し、その後に前記の発光試験を行った。その
結果、実施例1で得た有機EL発光装置においては保存
後も各有機EL素子の発光特性が高く、保存前と同様の
発光試験結果が得られたが、比較例2で得た有機EL発
光装置においては対向電極ラインのエッジに沿って無発
光部分(ダークスポット)が拡がって、各有機EL素子
の有効発光面積が減少して表示輝度が低下した。
【0118】有機EL素子の層構成が同じで、かつ、同
一構成の封止層によって有機EL素子が封止されている
実施例1の有機EL発光装置と比較例2の有機EL発光
装置とにおいて、保存後に上記のような差異が生じた原
因は、吸水率が2〜3%と高いフォトレジストによって
形成された隔壁を有しているか否かにあると推察され
る。すなわち、前記の隔壁を有していない実施例1の有
機EL発光装置においては外部からの水分の侵入が封止
層によって抑制され、かつ、封止層によって封止されて
いる各部材からの水分の放出も実質的になかったことか
ら、保存中に対向電極の劣化が生じず、保存前と同様の
発光試験結果が得られたと推察される。これに対し、前
記の隔壁を有している比較例2の有機EL発光装置にお
いては、外部からの水分の侵入は封止層によって抑制さ
れたものの、隔壁に含有されていた水分が経時的に放出
され、この水分が隔壁に隣接している対向電極ラインの
エッジ部に侵入して対向電極ラインが劣化したことか
ら、保存後においては対向電極ラインのエッジに沿って
無発光部分(ダークスポット)が拡がり、有効発光面積
が減少して表示輝度が低下したものと推察される。
【0119】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の有機EL
発光装置は、個々の有機EL素子の発光特性が高く、か
つ、高精細な有機EL表示パネルを得ることが容易な有
機EL発光装置である。したがって、本発明によれば表
示特性に優れた有機EL表示装置を提供することが容易
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において透光性基材に配線バスを形成
するまでの過程の概略を示す断面図である。
【図2】実施例1において配線バスを形成した後の透光
性基材に分離溝を形成するまでの過程の概略を示す断面
図である。
【図3】実施例1において配線バスおよび分離溝を有す
る透光性基材にスルーホールを形成する過程の概略を示
す断面図である。
【図4】図4(a)は実施例1で作製した発光装置用基
板を画素電極側からみたときの概略を示す平面図であ
り、図4(b)は当該発光装置用基板の概略を示す断面
図である。
【図5】実施例1で作製した有機EL発光装置の概略を
示す断面図である。
【図6】比較例2で形成した隔壁の概略を説明するため
の断面図である。
【図7】図7(a)は本発明の有機EL発光装置を構成
している画素電極ラインの一例を配線バスの短手方向と
平行な方向からみたときの概略を示す断面図であり、図
7(b)は当該画素電極ラインを配線バスの長手方向と
平行な方向からみたときの概略を示す断面図である。
【図8】図8(a)は本発明の有機EL発光装置を構成
している画素電極ラインの他の一例を配線バスの短手方
向と平行な方向からみたときの概略を示す断面図であ
り、図8(b)は当該画素電極ラインを配線バスの長手
方向と平行な方向から部分的に断面をとりながらみたと
きの概略を示す図である。
【図9】図9(a)は本発明の有機EL発光装置を構成
している画素電極ラインの他の一例を配線バスの短手方
向と平行な方向からみたときの概略を示す断面図であ
り、図9(b)は当該画素電極ラインを配線バスの長手
方向と平行な方向から部分的に断面をとりながらみたと
きの概略を示す図である。
【図10】本発明の有機EL発光装置を構成している有
機発光部の形成例を示す断面図である。
【図11】本発明の有機EL発光装置を構成している分
離溝の短手方向の垂直断面形状の例を示す断面図であ
る。
【図12】本発明の有機EL発光装置を構成している配
線バスを陽極酸化法によって形成する際の形成過程の一
例の概略を示す断面図である。
【図13】本発明の有機EL発光装置を構成している配
線バスを単層構造の基材にリフトオフ法によって形成す
る際の形成過程の一例の概略を示す断面図である。
【図14】本発明の有機EL発光装置を構成している配
線バスを複数層構造の基材にリフトオフ法によって形成
する際の形成過程の一例の概略を示す断面図である。
【図15】本発明の有機EL発光装置を構成している配
線バスとして肉厚の配線バスを形成する際の形成過程の
一例の概略を示す断面図である。
【図16】本発明の有機EL発光装置を構成している配
線バスを埋設法によって形成する際の形成過程の一例の
概略を示す断面図である。
【符号の説明】
3…透光性基材、 5,22,51b,64,74,7
7,81…配線バス、6b,28,33,40a,40
b,40c,40d,40e…分離溝、 12,84…
スルーホール、 13,21,30…画素電極、 1
4,20…画素電極ライン、 15…発光装置用基板、
16…対向電極ライン、 17,31…有機発光部、
18…有機EL素子、 25,26,27…基材。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 33/00 - 33/28

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、該基材に形成されている複数本
    の画素電極ラインと、該画素電極ラインそれぞれの上に
    形成されている有機発光部と、該有機発光部上に形成さ
    れている複数本の対向電極ラインとを備え、 前記複数本の画素電極ラインの各々は、前記の基材中に
    形成されている配線バスと、該配線バスによって互いに
    電気的に接続し得る状態で、かつ、前記の基材の表面に
    位置するようにして形成されている複数の画素電極とを
    有し、 前記有機発光部は少なくとも前記画素電極それぞれの上
    に形成されており、 前記対向電極ラインの各々は、前記の基材に設けられて
    いる分離溝によって互いに分離されており、かつ、前記
    画素電極ラインの各々とそれぞれ1つの画素電極上で平
    面視上交差し、 前記画素電極と前記対向電極ラインとの平面視上の交差
    部が有機EL素子として機能する、ことを特徴とする有
    機EL発光装置。
  2. 【請求項2】 分離溝の径方向の垂直断面形状が、上底
    よりも下底の方が長い台形状を呈する、請求項1に記載
    の有機EL発光装置。
  3. 【請求項3】 対向電極ラインの各々が互いに平行であ
    り、かつ、対向電極ライン同士のピッチが10〜500
    μmである、請求項1または請求項2に記載の有機EL
    発光装置。
  4. 【請求項4】 有機EL素子が、該有機EL素子に水分
    や酸素が侵入することを防止するための封止層によって
    封止されている、請求項1〜請求項3のいずれか1項に
    記載の有機EL発光装置。
  5. 【請求項5】 基材と、該基材に形成されている複数本
    の画素電極ラインとを備え、 前記複数本の画素電極ラインの各々は、前記の基材中に
    形成されている配線バスと、該配線バスによって互いに
    電気的に接続し得る状態で、かつ、前記の基材の表面に
    位置するようにして形成されている複数の画素電極とを
    有し、 前記画素電極の各々の側方には、前記複数本の画素電極
    ラインのそれぞれと交差するようにして分離溝が形成さ
    れている、ことを特徴とする発光装置用基板。
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