JP3836335B2 - 散光式警告灯 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な散光式警告灯に関する。詳しくは、警光ユニットを備えたグローブユニットを昇降させる形態の散光式警告灯に関する。
【0002】
【従来の技術】
警察車輌、救急車等緊急車輌の多くは、周囲に回転光、フラッシュ光等の警光を散光して周囲に警告を発するために、散光式警告灯を屋根に搭載している。
【0003】
かかる散光式警告灯には、例えば、事故現場等では、警告効果をより高めるために、あるいは、トランクを開けた状態でも後方から視認できるように、散光式警告灯をリフトアップ(上昇させて)して周囲からの視認性を高めるようにしたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、リフトアップが可能な従来の散光式警告灯にあっては、散光式警告灯の全体をリフトアップするため、被昇降物の重量が大きく、昇降手段の負担が大きいという問題があった。特に、散光式警告灯がスピーカ部を備えている場合には昇降手段の重量負担はかなり大きなものとなる。
【0005】
昇降手段の重量負担が大きいと言うことは、昇降手段がそれだけ大型化し、、大型化した昇降手段を収納するためのスペースが車輌のルーフと散光式警告灯との間に必要となり、その分車高が高くならざるを得ない。
【0006】
また、大きな昇降手段収納スペースをルーフ上に持つと言うことは不格好であるばかりでなく、風切り音等も発生し不都合である。
【0007】
そこで、本発明は、昇降手段の重量負担を軽減することによって、昇降手段を小型化することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明散光式警告灯は、上記した課題を解決するために、グローブ内に所望の警告光を発する警光ユニットを備えた複数のグローブユニットが一体的な外観を呈するように配置されて成り、上記グローブユニットのうちの少なくとも一のグローブユニットを昇降させるリンク機構を備えたものである。
【0009】
従って、本発明散光式警告灯にあっては、複数のグローブユニットのうち少なくとも一つを昇降させれば良く、従って、リンク機構が昇降させる被昇降物の重量が軽減され、その分リンク機構を小型に構成することが出来る。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明散光式警告灯の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0013】
散光式警告灯1は外観的に一体化した、すなわち、外見上一体的に見える2つのグローブユニットを備える。
【0014】
固定グローブユニット2は透明なグローブ3内に警光ユニットとしてLEDユニット4、4、・・・とフラッシュユニット5、5が収納されて成る。
【0015】
グローブ3は前方を向いた前面部3aと該前面部3aの両端から側方へ回り込んだ側方回り込み部3b、3bを備え、上方から見て後方に開口した凹状をしている。
【0016】
LEDユニット4は基板4aに多数の発光ダイオード(LED)4b、4b、・・・が実装されて成り、グローブ3の前面部3aにおいてはLED4b、4b、・・・が前方を向いた向きで、また、側方回り込み部3b、3bにおいてはLED4b、4bが側方を向いた向きで、LEDユニット4、4、・・・がグローブ3内に配設されている。
【0017】
フラッシュユニット5は閃光発光する光源、例えば、キセノンランプ5aと該光源5aの光を前方へ反射するリフレクタ5bとから成る。2つのフラッシュユニット5、5は側方回り込み部3b、3bにおいてLEDユニット4、4、・・・の内側にそれぞれリフレクタ5b、5bが前方を向いた向きで配置される。
【0018】
もう一つのグローブユニット、すなわち、昇降グローブユニット6は、透明なグローブ7内にLEDユニット4、4、・・・が配置されて成る。グローブ7は上方から見て横長の長方形を為し、両端部を除いた部分、すなわち、固定グローブユニット2の前面部3aに対応した部分の上面8aが他の部分8b、8bの上面より低くされている。また、グローブ7の下面には下方に開口した凹部7aが形成されている。そして、該グローブ7内には複数のLEDユニット4、4、・・・がそれぞれLED4b、4b、・・・が外側を向く向きで配設されている。
【0019】
上記昇降グローブユニット6はリンク機構9によって昇降される。
【0020】
リンク機構9は同期動作する2組のXリンク10、10とこれらXリンク10、10の上下を支持する平行レール11、12とから成る。平行レール11、12はそれぞれ平行に左右方向へ延びる平行な2本のレール体13、13及び14、14から成り、各レール体13、13、14、14はそれぞれCチャンネル状をしており、平行レール11のレール体13、13は互いの開口面が反対側を向いた向きでベース15の前後両面に固定され、平行レール12のレール体14、14は互いの開口面が対面した状態でグローブ7の凹部7a内に固定されている。なお、ベース15は平面形状がグローブ7の凹部7aより一回り小さい扁平な長方体をしている。
【0021】
上記Xリンク10は2本の主リンク16、16と4本の補助リンク17、17及び18、18とから成る。主リンク16、16は互いの中央16aで回動自在に連結され補助リンク17、17は主リンク16、16のほぼ4分の1の長さを有していて互いの一端部が回動自在に連結されると共に他端部17a、17aが主リンク16、16の回動連結部16aから下側の部分のほぼ中間部に回動自在に連結される。補助リンク18、18も主リンク16、16のほぼ4分の1の長さを有していて、互いの一端部が回動自在に連結されると共に他端部18a、18aが主リンク16、16の回動連結部16aから上側の部分のほぼ中間部に回動自在に連結されている。
【0022】
また、主リンク16、16の端部には軸19、19を介してカラ20、20、・・・が回転可能に支持されている。そして、主リンク16、16、・・・の上端に支持されたカラ20、20、・・・は上側の平行レール12のレール体14、14内に転動可能に位置され、また、主リンク16、16の下端に支持されたカラは下側の平行レール11のレール体13、13内に転動可能に位置される。さらに、下側の補助リンク17、17、・・・の互いに連結された一端部17b、17bは下側の平行レール11のレール体13、13のほぼ中央部に回動可能に連結され、上側の補助リンク18、18、・・・の互いに連結された一端部18b、18b、・・・は上側の平行レール11のレール体14、14のほぼ中央部に回動可能に連結される。これによって、Xリンク10、10の平行レール11、12に対する位置が規定される。
【0023】
そして、上記Xリンク10、10は図示しない駆動手段によって、主リンク16、16、、・・・の下端同士及び上端同士が図5に示すように離間した状態(下降状態)と図6に示すように接近した状態(上昇状態)との間で移動される。
【0024】
そして、車体の屋根に固定される前後方向に平行に延びる2本の脚部21、21の上面に上記固定グローブユニット2及び昇降グローブユニット6の昇降用リンク機構9のベース15が固定され、図1や図3に示す下降時において固定グローブユニット2と昇降グローブユニット6との間に上方から見て横長の空間ができ、該空間にスピーカユニット22が配設される。また、この下降時において、固定グローブユニット2のグローブ3の外面と昇降グローブユニット6のグローブ7の外面とは一体感をもって配置される。すなわち、グローブ3の側方回り込み部3b、3bの上面及び側面はグローブ7の左右両端部の上面8b、8b及び側面と連続するように配置され、また、グローブ3の前面部3aの上面とグローブ7の中央部上面8aとはほぼ同じ高さに位置される。
【0025】
スピーカユニット22は上方から見てほぼ横長の長方形を為すスピーカケース23内にスピーカ24が配置されて成る。そして、スピーカケース23は上記固定グローブユニット2と昇降グローブユニット6との間の空間内で上記脚部21、21上に固定され、この状態で、スピーカケース23の上面はグローブ3の側方回り込み部3b、3bの後部上面及びグローブ7の左右両端部上面8b、8bとほぼ同じ高さに位置し、従って、グローブ3の前面部3aの上面及びグローブ7の中央部上面8aよりやや上方に突出している。そして、スピーカケース23の上端部の前面及び後面には左右に延びる放音スリット23a、23aが形成され、該放音スリット23a、23aはグローブ3の前面部3a上面及びグローブ7の中央部上面8aを越して前方及び後方を臨むようになっている。このように、放音スリット23a、23aが上端部に形成されていて、且つ、その先を遮るものがないので、スピーカ24の音は全周によく響き渡り、且つ、スピーカケース23内にこもることがないので、車室内に響くことがない。
【0026】
そして、通常時は、図1に示すように、昇降グローブユニット6が下降した状態、すなわち、リンク機構9の主リンク16、16、・・・の上端同士及び下端同士が開いた状態(図5参照)となっている。なお、このような下降時にあっては、リンク機構9は昇降グローブユニット6のグローブ7の下面に形成された凹部7aによって覆われ、外部からは見えないようになっている。
【0027】
そして、警告効果を高くしたい場合には、図示しない駆動手段によって主リンク16、16、・・・の上端同士及び下端同士が近づくように(図6参照)駆動し、図2に示すように、昇降グローブユニット6を上昇させる。なお、昇降グローブユニット6が上昇される高さは50cm程度が望ましい。すなわち、散光式警告灯1が搭載される自動車には、後部トランクを開放したときに、トランクカバーの先端が屋根の上方30cmほどに達するものがあり、そのような自動車に搭載され、且つ、トランクが開放されたときでも、50cmほど上昇されれば、十分に後方から視認することができる。
【0028】
上記した散光式警告灯1にあっては、これを構成しているユニット2、6、22のうち重量部であるスピーカユニット22を除いた一部6のみを昇降させるものであるので、リンク機構9にかかる重量負担が軽く、リンク機構9を小型に構成して警告灯全体の小型化を図ることができると共にリンク機構9の耐久性を向上させることができる。
【0029】
また、昇降されるグローブユニット6に備えられた警光ユニットはLEDユニット4であるので、昇降グローブユニット6自体の重量も軽くすることができる。
【0030】
なお、上記した実施の形態にあっては、散光式警告灯1を構成している各ユニット2、6、22はすべてが脚部21、21に固定されて物理的に一体化されているが、各ユニット、特にグローブユニット2、6が外観的に一体化されていればよく、車輌に取り付けられる前の状態ではバラバラであっても、車輌に取り付けられた状態で、一体感をもって見えれば十分である。
【0031】
また、上記実施の形態にあっては、リンク機構としてXリンク10、10を構成要素とするものを採用したが、本発明におけるリンク機構がそのようなものに限ることを意味するものではなく、リンクを組み合わせてグローブユニットを昇降させることができるものであれば、どのようなものであってもかまわない。例えば、リンクを「く」字状に組み合わせ、「く」が屈伸するように動作するようなものも適用可能である。
【0033】
さらにまた、グローブ内に収容される警光ユニットとして、LEDユニットとフラッシュユニットを示したが、本発明においてグローブ内に収容される警光ユニットがこれらに限られることを意味するものではなく、そのほかの警光ユニット、例えば、回転灯ユニット等をグローブ内に収容することも可能である。
【0034】
そのほか、上記した実施の形態において示した各部の形状乃至構造は、何れも本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって、本発明の技術的範囲が限定的に解釈されるようなことがあってはならないものである。
【0035】
【発明の効果】
以上に記載したところから明らかなように、本発明散光式警告灯は、グローブ内に所望の警告光を発する警光ユニットを備えた複数のグローブユニットが一体的な外観を呈するように配置されて成り、上記グローブユニットのうちの少なくとも一のグローブユニットを昇降させるリンク機構を備えたことを特徴とする。
【0036】
従って、本発明散光式警告灯にあっては、複数のグローブユニットのうち少なくとも一つを昇降させれば良く、従って、リンク機構が昇降させる被昇降物の重量が軽減され、その分リンク機構を小型に構成することが出来る。
【0037】
請求項2に記載した発明にあっては、スピーカ部を備え、昇降されるグローブユニットはスピーカ部を有しないので、リンク機構は最重量部であるスピーカ部を昇降させないため、リンク機構の重量負担が軽減される。
【0040】
請求項に記載した発明にあっては、昇降されるグローブユニットは下方に開口した凹部を有し、該凹部内に上記リンク機構の少なくとも一部が収納されるので、昇降されるグローブユニットがリンク機構の折り畳み時における収納部となるので、リンク機構が備えられた部分の薄型化が可能になる。
【0041】
請求項に記載した発明にあっては、昇降されるグローブユニット内には警光ユニットとして発光ダイオード(LED)を光源とするLEDユニットが備えられているので、昇降されるグローブユニットの軽量化と小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図面は本発明散光式警告灯の実施の形態を示すものであり、本図は通常の状態を示す斜視図である。
【図2】リフトアップされた状態を示す斜視図である。
【図3】通常時の中央縦断面図である。
【図4】リフトアップ時の中央縦断面図である。
【図5】図3のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図4のVI−VI線に沿う断面図である。
【図7】底面図である。
【符号の説明】
1…散光式警告灯、2…固定グローブユニット(昇降されないグローブユニット)、3…グローブ、4…LEDユニット(警光ユニット)、4b…発光ダイオード、5…フラッシュユニット(警光ユニット)、6…昇降グローブユニット(昇降されるグローブユニット)、7…グローブ、7a…凹部、9…リンク機構、22…スピーカユニット(スピーカ部)

Claims (4)

  1. グローブ内に所望の警告光を発する警光ユニットを備えた複数のグローブユニットが一体的な外観を呈するように配置されて成り、
    上記グローブユニットのうちの少なくとも一のグローブユニットを昇降させるリンク機構を備えた
    ことを特徴とする散光式警告灯。
  2. スピーカ部を備え、
    昇降されるグローブユニットはスピーカ部を有しない
    ことを特徴とする請求項1に記載の散光式警告灯。
  3. 昇降されるグローブユニットは下方に開口した凹部を有し、
    該凹部内に上記リンク機構の少なくとも一部が収納される
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の散光式警告灯。
  4. 昇降されるグローブユニット内には警光ユニットとして発光ダイオード(LED)を光源とするLEDユニットが備えられている
    ことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の散光式警告灯。
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