JP3835901B2 - 状態判定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば各種機器における検出対象の振動状態等を検出するセンサから入力した信号に基づいて検出対象の状態を判定する状態判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の状態判定装置として、機器の振動等を検出するセンサと、このセンサによる検出対象のセンシング情報を記憶するセンシング情報記憶手段と、検出対象の状態を判定するための条件を生成する判定条件生成手段と、検出対象の状態を判定する判定手段を備えた振動監視装置が知られている(例えば、特開平9−113351号公報参照)。ここに、判定条件の生成は学習モードにおいて行われ、センシング情報記憶手段は、直前(今回)に学習した1組のセンシング情報はそのまま記憶しているが、それ以前に学習したセンシング情報を個別には記憶しておらず、前回までに学習した全てのセンシング情報に基づく特徴量の1組だけを記憶している。また、センシング情報の削除は、直前に記憶したセンシング情報の1組を削除することと、前回までに学習した全てのセンシング情報(1組だけ記憶している特徴量)を削除することができるようになっている。また、前回までの学習データと今回のものとの相違が大きい場合は、その離れ度合いを出力するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この種の状態判定装置においては、学習モードにおいて判定条件の基準を生成するために入力する信号の信号源は、正常なものの中の平均的なもの、正常とみなせる限界的なもの等を予め意図的に選択して用意する場合がある。さらには、入力するデータ数を、例えば3つと決めておき、1つ目は平均的なもの、2つ目は上限的なもの、3つ目は下限的なものというように意味付けして入力したい場合もある。また、基準とする信号源の組み合わせの選択は難しく、上記のような装置にあっては、装置に信号を入力してみて初めて分かる「離れ度合い」を頼りに試行錯誤する場合も多い。
【0004】
そのような背景から、直前に入力したデータ以外を削除したいこともあり、その場合に、上記公報に示される装置においては、入力済みの全てのデータを削除して最初から入力し直さなければならず、作業効率が悪いものとなっていた。
本発明は、上記問題点に鑑み成されたもので、判定条件の基準を生成するためにセンシング情報を入力する学習作業に際して、全ての入力済みのセンシング情報を削除することなく、特定の入力済みセンシング情報を削除することができるようにして、作業効率の良い状態判定装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、検出対象の状態を検出するセンサから入力した信号又はその信号から抽出した情報であるセンシング情報の組を記憶するセンシング情報記憶手段と、センシング情報記憶手段に記憶されたセンシング情報の組に基づいて、検出対象の状態を判定するための条件を生成する判定条件生成手段と、判定条件生成手段によって生成された条件にしたがってセンサから入力した信号より検出対象の状態を判定する判定手段とを備えた状態判定装置において、センシング情報記憶手段は、複数組のセンシング情報の組を番号識別可能な状態でそれぞれ記憶することができるものであり、センシング情報記憶手段にセンシング情報の組が記憶されていることを、いずれのセンシング情報の組が記憶されているのかが番号識別可能なように出力する記憶状態出力手段と、判定条件生成手段にて判定条件を生成する際に、センシング情報記憶手段に記憶されている複数のセンシング情報の組についてそれぞれ個別に判定条件の生成に用いるか否かを識別番号に対応して選択設定するための設定手段と、を備え、判定条件生成手段は、設定手段により判定条件の生成に用いる旨を選択した識別番号に対応するセンシング情報の組を判定条件の生成に用い、設定手段により判定条件の生成に用いない旨を選択した識別番号に対応するセンシング情報の組は、新しいセンシング情報の組が上書きされるまでは復活可能に論理的に削除されたものとして扱って、判定条件の生成に用いないものである。
【0006】
上記構成においては、複数のセンシング情報の組をセンシング情報記憶手段に記憶させる際に、各センシング情報の組について、識別番号との対応関係を認識しながら識別番号毎に判定条件の生成に用いるか否かを選択するだけで、判定条件の生成に至る一連の作業(学習完了までの作業)を容易にかつ間違いなく行うことができる。また、複数のセンシング情報の組をセンシング情報記憶手段に記憶させた後に、それら複数のセンシング情報の組の中の何れかが判定の基準としては不適切であったことが判明した場合に、その不適切なセンシング情報の組を選択して削除することができる。すなわち、不適切なセンシング情報の組が直前に記憶させたもの以外である場合でも、その不適切なセンシング情報の組だけを選択して削除することができる。従って、記憶させたセンシング情報の組の中に不適切なものが含まれていた場合でも、判定条件の生成のためのセンシング情報の記憶を初めからやり直す必要がないため、判定条件の生成に至る一連の作業を効率良く行うことができる。また、センシング情報の組の削除は新しいセンシング情報の組を上書きするまでは復活可能であるため、判定条件の生成に用いるセンシング情報の組を適切に設定するための試行錯誤を効率よく行うことができ、判定条件の生成に至る一連の作業をより効率良く行うことができる。
【0007】
「センシング情報」は、センサが検出した信号波形をデジタル化しただけのものでもよいし、そこから抽出した平均値、最大値等のいわゆる特徴量であってもよい。「センシング情報の組」は、1回の入力で得られるセンシング情報の値の集合である。多くの場合、1回の入力で複数のセンシング情報の値が得られるが、1回の入力で得られるのが単一の値の場合もあり、この場合は「センシング情報の組」には1つの値しか属さない。
記憶状態出力手段の「出力」は、ランプの点灯等による視覚的出力が好ましい。「削除」は、センシング情報自体の物理的な削除に限らず、論理的に削除されたと扱われる場合を含む。この場合には、削除後に削除した情報を復活できる場合がある。センシング情報の組の組単位の削除は、いずれかのセンシング情報の組を任意に指定して行えることが好ましい。
【0008】
また、センシング情報記憶手段に記憶されている複数のセンシング情報の組は、各組毎に、判定条件生成手段による判定条件を生成するために用いられる状態と、論理的に削除されたものとして扱われる状態と、新しいセンシング情報の組の上書きが可能な状態とに切換えられるものである。こうすることにより、判定条件の生成に用いるセンシング情報の組の設定の自由度が増し、センシング情報の組を適切に設定するための試行錯誤をより効率よく行うことができ、判定条件の生成に至る一連の作業をより効率良く行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を、添付図を参照して具体的に説明する。ここに説明する状態判定装置は、振動源を内蔵する機械装置が発生する振動を圧電素子を用いて電気信号に変換する振動センサからの信号を入力し、その入力信号に基づいてその機械装置が正常か異常かを判定する振動判定装置である。この振動判定装置は、学習モード、設定モード又は判定モードで動作し、学習モードにおいて振動センサから入力した信号に基づいて判定条件を生成し、設定モード及び判定モードにおいてその判定条件を使用して、振動センサから入力した信号に基づいて検出対象である機械装置が正常か異常かを判定する。設定モードにおいては判定条件を手動で調整することができる。
【0010】
以後に使用する用語について簡単に説明しておく。「PV値」は、判定対象となった信号の離れ度合いを示す値である。離れ度合いとは、入力した信号から抽出した各種特徴量に基づいて入力した信号が判定基準となる信号からどれだけ相違しているかを総合的に表す量であるが、詳細は後に説明する。「SV値」は、正常か異常かの判定のための離れ度合いのしきい値であり、デフォルト値として3が設定されるほか、手動で増減できる。
【0011】
図1は振動判定装置のハードウエア構成を示す。この振動判定装置は、メモリ、A/Dコンバータを含むワンチップマイクロコンピュータ1(マイコンという)を備え、このマイコン1に、振動を検出するセンサ2とアンプ3からなるトランスデューサ4による検出対象の振動検出信号が増幅度可変アンプ5及び3帯域のフィルタ6を経てA/D入力ポートより入力される。マイコン1には、スイッチ類として詳細は後述するが、3帯域のフィルタ6を選択するフィルタ選択スイッチ7、モード切替スイッチ8、STARTスイッチ9、START外部入力10、TEACHスイッチ11、CLEARスイッチ12、SV−UPスイッチ13、及びSV−DOWNスイッチ14が接続されている。さらに、マイコン1には、LED表示灯として、BUSY−LED15、学習データLED16(D1〜D5)、PASS−LED17、NG−LED18、ALARM−LED19、SV値7セグLED21、及びPV値7セグLED22が接続され、出力端子として、PASS出力23、NG出力24、ALARM出力25、PV値端子出力26が設けられている。増幅度可変アンプ5には、レベルメータIC28を介してLEVEL−LED29が接続されている。電源部30、POWER−LED31、学習データが格納されるEEPROM32(センシング情報記憶手段)が備えられている。
【0012】
図2は振動判定装置のパネルの正面図、図3はその底面図である。装置本体外部に現れたスイッチ及びLED表示灯について説明する。
モード切替スイッチ(MODE)8はTEACH、SET、RUNの3状態をとることができ、それぞれ学習モード、設定モード、判定モードへの移行を指示する働きを有する。設定モードは、学習モードで生成された判定条件の調整と判定動作とを手動で行うためのモードである。
【0013】
TEACHスイッチ11は、学習モードにおいて押されると、学習を開始し、1組のセンシング情報(本実施形態では学習データとよぶ。)を記憶する。学習データの組は5組まで記憶することができる。
CLEARスイッチ12は、学習モードにおいて押されると、学習データを新しく記憶したものから順に1組ずつ削除する。
STARTスイッチ9は、設定モードにおいて押されると判定を開始する。押し続けることで連続判定を行う。このスイッチは設定モードのみにおいて有効であり、判定モードにおける判定開始の指示は外部入力による。判定モードでは、他のスイッチも含めパネル上のスイッチからの入力を受け付けないようにすることにより誤操作を防止している。
SV−UPスイッチ13は、設定モードにおいて押されるとSV値の設定を1増加させる。
SV−DOWNスイッチ14は、設定モードにおいて押されるとSV値の設定を1減少させる。
【0014】
ALARM−LED19は、センサが断線又は短絡のとき点灯する。
PASS−LED17は、判定結果「正常」を示すものであり、設定モード又は判定モードにおいて、判定開始で消灯し、判定終了後にPV値がSV値以下の場合に点灯し、PV値がSV値を超える場合に消灯する。ただし、連続判定時の2回目以降の判定では判定中も前回の点灯状態を保持する。
NG−LED18は、判定結果「異常」を示すものであり、設定モード又は判定モードにおいて、判定開始で消灯し、判定終了後にPV値がSV値を超える場合に点灯し、PV値がSV値以下の場合に消灯する。ただし、連続判定時の2回目以降の判定では判定中も前回の点灯状態を保持する。
これらALARM、PASS、NGは、図3に見える端子台34の端子から電気信号としても出力される。
【0015】
BUSY−LED15は、設定モード又は判定モードにおいて、判定処理実行中に点灯する。
PV−LED22は、設定モード又は判定モードにおいて、判定開始で消灯し、判定終了後にPV値を表示する。ただし、連続判定時の2回目以降の判定では判定中も前回の表示状態を保持する。PV値は図3に見える端子台34の端子から電気信号としても出力される。
SV−LED21は、設定モード又は判定モードにおいて、SV値を表示する。
D1〜D5のLED16(学習データLED:記憶状態出力手段)は、記憶している学習データの組数に応じてD1から順に点灯する。学習中はその学習により追加して点灯されるべきLEDが点滅し、学習終了後に連続点灯となる。
【0016】
フィルタ選択スイッチ7は、図3の端子台34の横のフィルタ選択スイッチ収納部35に通常は蓋がされた状態で収納されているスイッチであり、設定モード又は判定モードにおいてAPF、LPF、HPFの3つの帯域の信号をそれぞれマイコン1に入力するかどうかを決める3つのスイッチからなる。
【0017】
図4は振動判定装置の状態遷移図である。装置の動作を説明する。電源が投入されると、マイコン1がリセットされ、マイコン1内のスタック、レジスタ等の各種状態が所定の状態に初期設定される。
(1)動作モード確認Aにおいては、モード切替SW(スイッチ)がTEACHのとき学習モード、SETまたはRUNのとき判定データ演算への切替を行う。初期状態ではEEPROM32に記憶されている学習データ数に応じたLED(D1〜D5)を点灯する。
【0018】
(2)学習モード(センシング情報記憶に相当)においては、モード切替SWがTEACHのとき学習モードとして動作する。このモードでは、学習処理/学習データ削除を実行する。これらの機能は作業者がSW入力により設定するものとし、外部からの制御は行えない。使用可能なSWは、TEACH−SWとCLEAR−SWである。初期状態でSV,PV,PASS,NGの各LEDを消灯し、EEPROM32に記憶されている学習データ数に応じたLED(D1〜D5)を点灯する。
【0019】
学習処理は、TEACH−SWが押された(ONされた)時に実行する。TEACH−SWが押し続けられた場合、連続して学習処理を実行する。つまり、TEACH−SWがONの間、学習データD5まで継続して最大5個の学習処理を実行する。データはD1からD5の順に学習を行う。学習処理の初期状態ではPV−LEDを消灯する。オートゲイン処理(増幅度可変アンプ5の増幅度の自動調整)を行うには、D1を学習する時にオートゲイン処理を行い、以降設定されたゲインレベルをアンプ倍率として設定し、センサ信号の値の範囲が所定範囲内になるようにアンプ倍率を設定する。学習中は該当する学習データLEDを点滅させる。学習データ演算は後述する。学習終了後、点滅中の学習データLEDを点灯する。
【0020】
削除処理は、CLEAR−SWが押された(ONされた)時に実行する。CLEAR−SWが一旦OFFされるまで、次の学習処理及び削除処理は行われない。D5からD1の順に現在記憶されている学習データを1つ削除する。削除処理の初期状態ではPV−LEDを消灯する。削除された学習データに該当する学習LED(D1〜D5のいずれか)を消灯する。D1データが削除された場合(すなわち全データが削除された場合)、設定データ(SV値・ゲインレベル等)をデフォルト値に設定する。
【0021】
(3)判定データ演算(判定条件生成に相当)においては、モード切替SWが、SET又はRUNであって、学習データが記憶されている時に判定データの演算を実行する。初期状態では、PV,PASS,NGの各LEDを消灯する。学習データがない場合、学習モード待ち状態となり、モード切替SW以外の入力は受け付けない。EEPROM32に記憶されている学習データがある場合、判定データ演算を行い、SV−LEDにSV値を表示する。
【0022】
(4)動作モード確認Bにおいては、モード切替SWがTEACHのとき、動作モード確認A、SETのとき設定モード、またRUNのとき判定モードへの切替を行う。初期状態ではPV,PASS,NGの各LEDを消灯する。記憶されている学習データに対応したLED(D1〜D5)を点灯する。
【0023】
(5)学習データが記憶されておりモード切替SWがSETであれば設定モードとして動作する。設定モードでは、SV値の設定/フィルタ選択/判定処理を実行する。これらの機能は作業者がスイッチ操作により設定するものとし、外部からの信号線による制御は行えない。使用可能なスイッチは、START−SW,SV−UP−SW,SV−DOWN−SWである。初期状態では、PV,PASS,NGの各LEDを消灯する。EEPROM32に記憶されている学習データに対応したLED(D1〜D5)を点灯する。SV−LEDはSV値を表示する。SV値設定処理では、SV−UP−SWを用いてSV値UP処理を、SV−DOWN−SWを用いてSV値DOWN処理を行う(判定条件生成に相当)。
【0024】
設定モードにおける判定処理は、START−SWが押された時に実行する。START−SWが押し続けられた場合、連続して判定処理を実行する。判定処理開始時に、PV,PASS,NGの各LEDは消灯される。連続判定時は2回目以降の判定処理開始時に、PV,PASS,NGの各LEDは消灯されない。判定処理中はBUSYを点灯する。PV値演算、判定演算終了後、判定結果を出力する。PV−LEDにて離れ度合いPVを11段階で表示する。PASSを、PVがSV以上の場合にON、PVがSVを越える場合にOFFする。NGを、PVがSV以下の場合にOFF、PVがSVを越える場合にONする。フィルタ選択処理については、設定モードにおいては、常時(ただし判定中および連続判定時を除く)、FILTER−SWの内容を読み込み、その結果にしたがって使用するフィルタの組合わせを選択する。
【0025】
(6)学習データが記憶されておりモード切替SWがRUNであれば判定モードとして動作する。判定モードでは判定処理を実行する。作業者による設定を不可能にするため、SWによる制御は行わず、外部からの信号線による制御のみとなる。判定処理は、上記設定モードでの判定処理とほぼ同様である(共に判定に相当)。
【0026】
次に、上記学習処理で用いられるアルゴリズム(特徴量演算及び学習)について説明する。
特徴量演算:サンプリンングデータ(256個の連続した入力波形)から特徴量を演算し、その入力波形の特徴を把握する。特徴量は下記の演算式で示される4種類を用意する。異なる3フィルタからの信号について、それぞれ特徴量を演算することで、計12種類の特徴量を有することになる。図5に特徴量の内容を示す。
【数1】
レンジ=最大値−最小値
絶対値平均=(1/N)Σ|xi |
最大P−P=ピークTOピークの最大値
傾き平均=(1/N)Σ|xi+1 −xi |
ただしXi はサンプリングデータの値、Nはサンプリングデータの数である。
【0027】
学習:各フィルタについてサンプリング及び、各特徴量演算を16回行い、フィルタと特徴量との組合せごとに16個ずつの値を得る。その16個の値の平均及び偏差をフィルタと特徴量との組合せごとに演算し、EEPROM32に格納する。このときEEPROM32に格納されるデータの1組が学習データである。偏差σは下記の式により演算する。
【数2】
【0028】
図6は、EEPROM32のメモリマップを示す。新しい学習データは以前に学習された有効な学習データが記憶されている領域の次の領域に格納される。削除処理時は有効に記憶されている学習データ数を管理し、例えば、データ4まで学習された後、1データ削除処理されれば、学習データ数は3となり、判定条件作成には、データ1〜3を使用することになる。データ4は未だEEPROM内に残っており、再度、学習するとデータ4上に上書きすることになる。
【0029】
上記設定モード及び判定モードにおける判定処理で用いられるアルゴリズムを説明する。
判定データ演算(判定条件生成に相当):有効に記憶されている学習データ(最大5つまで)について、上記学習で演算された、各学習データについてのフィルタと特徴量との組み合わせごとの平均μn 及び偏差σn (n は1から有効に記憶されている学習データ数Pまで)より、フィルタと特徴量との組み合わせごとに、全学習データについての平均及び偏差である合成平均M及び合成偏差Sを式3により演算する。
【数3】
【0030】
判定:START−SW(設定モード)又はSTART外部入力(判定モード)により、判定動作を開始する。各フィルタについてサンプリング及び各特徴量演算を4回行い、フィルタと特徴量との組合わせごとに4個ずつの値を得る。上記で演算された合成平均及び合成偏差をもとにサンプリングごと及びフィルタと特徴量との組み合わせごとに離れ度合いを演算する。1組のサンプリング(1組のサンプリングは1回ずつ各フィルタを使用した3つのサンプリングからなる。)の中での最大の離れ度合いを選択する。この最大の離れ度合いの4組のサンプリングにわたる平均値をPV値として表示し、SV値とのしきい値判定でPASS又はNGを出力する。以下にPV値の演算式、手順を示す。
(a)波形サンプリング(3フィルタ)、(b)各特徴量の演算(4特徴量×3フィルタ)、(c)(b)より各特徴量の離れ度合い|(Y−M)/S|を演算し、うち最大の離れ度合いRを演算する。
【数4】
【0031】
(d)(a)〜(c)を4組のサンプリングに対応して4回演算し、得られた4つのRの平均をPV値とする。
【数5】
PV=(1/Q)(R1 +R2 +…+RQ )
PV:判定結果 Q:平均回数(4回)
【0032】
以上説明した実施形態では、学習モードにおける機能及び設定モードにおけるSV値の手動調整機能が「センシング情報記憶手段」及び「判定条件生成手段」に、設定モード及び判定モードにおける判定機能が「判定手段」に、学習データLED(D1〜D5)を点灯する機能が「記憶状態出力手段」に、CLEARスイッチに関する機能が「センシング情報削除手段」に該当する。
【0033】
図7に他の実施形態を、上記実施形態と相違する部分のみについて示す。学習データLED(D1〜D5)に対応して各種設定を行うためのスイッチSW1〜SW5を設けた。それぞれのスイッチは「学習」、「有効」、「無効」の3つの位置をとることができる。スイッチが「学習」位置にあると学習モードにおいてそれに対応する記憶手段にセンシング情報を記憶することができる。複数のスイッチが「学習」位置になっているとエラーとなる。スイッチが「有効」又は「学習」位置にあるとそれに対応するセンシング情報が記憶されていれば、そのセンシング情報は判定条件の生成のために用いられる。スイッチが「無効」位置にあると、それに対応するセンシング情報が記憶されている場合でも、そのセンシング情報は判定条件の生成のために用いられない。すなわち、論理的には削除されたものとして扱われる。
【0034】
いま、図7に示したように、点灯しているLEDがD1、D3、D4であるとすると、これらに対応するセンシング情報が記憶されている。しかし、D4に対応するセンシング情報は、スイッチSW4が「無効」位置にあるから、判定条件の生成には用いられない。判定条件の生成に用いられるのは、D1、D3に対応するセンシング情報のみとなる。学習モードでは、スイッチSW3が「学習」位置であるから、D3に対応するセンシング情報が上書きされる。このようにして、学習作業の進め方がより自由となり、判定基準として適切なセンシング情報を選択するための試行錯誤を効率よく行うことができる。
【0035】
本発明は、上記実施形態に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、各モードで用いられるスイッチ等の具体的手段は、任意の形態を採用することができ、要するに、センシング情報の組を組単位で任意の組数削除(無効化を含む。)することができるものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による振動判定装置のハードウエア構成図である。
【図2】振動判定装置のパネルの正面図である。
【図3】その底面図である。
【図4】振動判定装置の状態遷移図である。
【図5】特徴量の内容を示す図である。
【図6】EEPROM32のメモリマップ図である。
【図7】他の実施形態による学習データLEDと設定スイッチ部の構成図である。
【符号の説明】
1 ワンチップマイクロコンピュータ
2 センサ
9 STARTスイッチ(判定手段)
10 START外部入力(判定手段)
11 TEACHスイッチ(センシング情報記憶手段)
12 CLEARスイッチ(センシング情報削除手段)
13 SV−UPスイッチ(判定条件生成手段)
14 SV−DOWNスイッチ(判定条件生成手段)
16 学習データLED(D1〜D5:記憶状態出力手段)
32 EEPROM(センシング情報記憶手段)
Claims (2)
- 検出対象の状態を検出するセンサから入力した信号又はその信号から抽出した情報であるセンシング情報の組を記憶するセンシング情報記憶手段と、
前記センシング情報記憶手段に記憶されたセンシング情報の組に基づいて、前記検出対象の状態を判定するための条件を生成する判定条件生成手段と、
前記判定条件生成手段によって生成された条件にしたがって前記センサから入力した信号より検出対象の状態を判定する判定手段とを備えた状態判定装置において、
前記センシング情報記憶手段は、複数組のセンシング情報の組を番号識別可能な状態でそれぞれ記憶することができるものであり、
前記センシング情報記憶手段にセンシング情報の組が記憶されていることを、いずれのセンシング情報の組が記憶されているのかが番号識別可能なように出力する記憶状態出力手段と、
前記判定条件生成手段にて判定条件を生成する際に、前記センシング情報記憶手段に記憶されている複数のセンシング情報の組についてそれぞれ個別に判定条件の生成に用いるか否かを識別番号に対応して選択設定するための設定手段と、を備え、
前記判定条件生成手段は、前記設定手段により判定条件の生成に用いる旨を選択した識別番号に対応するセンシング情報の組を判定条件の生成に用い、前記設定手段により判定条件の生成に用いない旨を選択した識別番号に対応するセンシング情報の組は、新しいセンシング情報の組が上書きされるまでは復活可能に論理的に削除されたものとして扱って、判定条件の生成に用いない
ことを特徴とする状態判定装置。 - 前記センシング情報記憶手段に記憶されている複数のセンシング情報の組は、各組毎に、前記判定条件生成手段による判定条件を生成するために用いられる状態と、前記論理的に削除されたものとして扱われる状態と、新しいセンシング情報の組の上書きが可能な状態とに切換えられるものであることを特徴とする請求項1に記載の状態判定装置。
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