JP3834955B2 - テレビカメラのレンズ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はテレビカメラのレンズ装置に係り、特にテレビカメラからレンズ装置を取り外すと、自動でフォーカスレンズ及びズームレンズを収納位置に退避させるテレビカメラのレンズ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、テレビカメラで使用される着脱可能なレンズ装置は、屋外で使用される場合等には、通常、カメラから取り外されて収納箱に収納されて運搬される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来、フォーカスレンズやズームレンズは、レンズ装置がカメラから取り外される際の位置(電源オフ時の位置)で停止しているため、その位置が適切でないと上述のようにレンズ装置を運搬する際に、強い振動や衝撃によって、レンズをモータ駆動するためのギアやカム溝等にガタ等が生じることがあった。このため、レンズの操作性や光学性能が悪化したり、最悪の場合には故障して使用できなくなることもあった。
【0004】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、運搬時等における振動や衝撃によってレンズの操作性や光学性能が劣化するのを防止するテレビカメラのレンズ装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成する為に、テレビカメラに着脱可能であって、フォーカスレンズ及び/又はズームレンズをモータによって駆動するテレビカメラのレンズ装置において、前記レンズ装置が前記テレビカメラに装着されているか否かを検出するレンズ着脱検出手段と、前記レンズ着脱検出手段によって前記レンズ装置が前記テレビカメラから取り外されたことを検出すると、前記フォーカスレンズ及び/又はズームレンズを所定の収納位置に移動させる制御手段と、を備え、前記収納位置は、撮影時における前記フォーカスレンズ及び/又はズームレンズの可動範囲の外側に設けられたことを特徴としている。
【0006】
本発明によれば、レンズ装置がテレビカメラから取り外されると、フォーカスレンズ及び/又はズームレンズが所定の収納位置に自動で移動する。この収納位置として、例えば、撮影時のレンズの可動範囲外、或いは、撮影時における無限遠端及びワイド端にフォーカスレンズ及びズームレンズが移動するようにする。これにより、テレビカメラからレンズ装置を取り外した際に、フォーカスレンズやズームレンズを振動や衝撃等に強い位置に確実に収納させて運搬することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係るテレビカメラのレンズ装置の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明に係るレンズ装置が装着されたテレビカメラの構成図である。同図に示すように、テレビカメラ10は、レンズ装置12とカメラ本体14から構成され、カメラ本体14には、ビューファインダ16が設けられている。前記レンズ装置12はカメラ本体に着脱可能でありカメラ本体14とはインターフェースを介して電気的に接続される。
【0008】
テレビカメラ10は雲台18上に固定され、雲台18から延設されたパン・チルト棒22のグリップ部24及び図示しない他のパン・チルト棒のグリップ部には、フォーカスやズームを操作するレンズコントローラ26が取り付けられている。レンズコントローラ26は、ケーブル28を介してレンズ装置12と接続されており、カメラマンは、ビューファインダ16に映る撮影像を見ながらレンズコントローラ26のフォーカスリングやズームリング(サムリング30)を操作することでフォーカス調整やズーム調整を行うことができるようになっている。
【0009】
図2は、上記レンズ装置の光学系の構成を示した断面図である。図2に示すようにレンズ鏡筒40内に撮影光軸42の前方(図中左側)からフォーカスレンズ44、変倍系レンズ46Aと補正系レンズ46Bとからなるズームレンズ46、マスターレンズ48が順に配設されている。
前記フォーカスレンズ44は、レンズ枠50に保持され、このレンズ枠50の下端にはレンズ鏡筒40のガイド溝40Aに光軸方向にガイドされるガイドピン50Aが設けられる。レンズ枠50の上端には回動自在に支持された駆動ネジ52が螺合され、その駆動ネジ52の一端に固着されたギア54が駆動モータ60の回転軸に固着されたギア56に噛合される。従って、駆動モータ60が回動して駆動ネジ52が回動することによりフォーカスレンズ44が光軸方向に移動する。
【0010】
前記ズームレンズ46の変倍系レンズ46Aと補正系レンズ46Bは、それぞれレンズ枠70、72に保持され、レンズ枠70、72の上端にはレンズ鏡筒40のガイド溝40Bに光軸方向にガイドされるガイドピン70A、72Aが設けられる。
また、レンズ枠70、72の下端にはそれぞれカムフォロワー70B、72Bが設けられ、カムフォロワー70B、72Bは、ズーム円筒カム74のカム溝74A、74Bに嵌合される。ズーム円筒カム74の一端にはギア76が固着され、このギア76は駆動モータ62の回転軸に固着されたギア78と噛合される。
【0011】
従って、駆動モータ62が回動するとズーム円筒カム74が回動し、ズーム円筒カム74が回動することにより、カムフォロワー70B、72Bがカム溝74A、74Bに従動し、変倍系レンズ46A及び補正系レンズ46Bが光軸42上を一定の関係をもって移動する。
また、上記ガイドピン70A、72Aをガイドするガイド溝40Bにはズームレンズ46の変倍系レンズ46Aのワイド側の可動範囲を規制するズームストッパー80が取り付けられる。このズームストッパ−80は、支軸80Aを中心に回動自在にレンズ鏡筒40に支持されるとともに、図3のズームストッパー80の正面図に示すようにズームストッパー80の周面の一部に形成されたギア80Bが駆動モータ64の回転軸64Aに固着されたギア82と噛合される。従って、駆動モータ64が回動すると、ズームストッパー80が支軸80Aを中心に揺動する。
【0012】
ズームストッパー80は撮影時(カメラの電源がオンされている場合)には図2及び図3に示すように、その一部がガイド溝40Bに突出するような回転位置に固定され、上記ガイドピン70Aのワイド側の可動範囲を規制する。一方、レンズ装置12を使用しない場合(レンズ装置12がカメラ本体14から取り外されている場合であり、この場合についての詳細は後述する。)には、ズームストッパー80は駆動モータ64によって図3に示す姿勢から90°回転し、図4に示すようにズームストッパー80がガイド溝40Bに突出しない回転位置で固定される。
【0013】
これにより、ズームレンズ46、即ち、変倍系レンズ46Aと補正系レンズ46Bは、ズームストッパー80で規制される位置(ワイド端)より更にワイド側の位置84、84(以下、このときのズームレンズ46の位置を逃げ位置という。)に移動できるようになり、レンズ装置12を使用しない場合には、この逃げ位置にズームレンズ46が収納されるようになっている。
【0014】
尚、ズーム円筒カム74のカム溝74A、74Bには、ズームレンズ46を上記ズームストッパー80に規制されるワイド端の位置(このときのカムフォロワー70B、72Bのカム溝74A、74B上の位置を符号86、86で示す。)から上記逃げ位置(このときのカムフォロワー70B、72Bのカム溝74A、74B上の位置を符号88、88で示す。)に移動させるためのカム溝が延設されている。
【0015】
また、ズームレンズ46と同様にフォーカスレンズ44についても、前後方向に移動可能な範囲に対して、撮影時における可動範囲が無限遠側で制限されており、レンズ装置12を使用しない場合(レンズ装置12がカメラ本体14から取り外されている場合)には、その制限された位置よりも更に無限遠側の逃げ位置(ガイド溝40Aの符号90で示す位置)にフォーカスレンズ44が収納されるようになっている。
【0016】
図5は、上記レンズ装置12のフォーカスレンズ44及びズームレンズ46の制御系の構成を示した概略構成図である。同図に示すようにレンズ装置12の光学系には上記フォーカスレンズ44、変倍系レンズ46Aと補正系レンズ46Bとからなるズームレンズ46、マスターレンズ48及び絞り49等の光学部材と上記ズームストッパー80が設けられている。尚、符号130は各光学部材を介して受光面上に結像した被写体像を電気信号に変換する撮像素子、符号132は撮像素子130から入力した画像信号に所定の信号処理を施し、上記ビューファインダ16や映像出力端子に映像信号を出力する信号処理回路であり、これらの撮像素子130、信号処理回路132はカメラ本体14内に設けられる。
【0017】
また、上記フォーカスレンズ44及びズームレンズ46を制御する制御系として、フォーカスレンズ44、ズームレンズ46及びズームストッパ80を駆動するための駆動回路100、102、104及び駆動モータ60、62、64と、フォーカスレンズ44、ズームレンズ46の位置を検出する検出器106、108及びA/D変換器110、112と、上記各部材を制御する制御回路120とが設けられている。尚、マスターレンズ48や絞り49等も制御回路120等によって制御されるが、ここではその構成は省略する。
【0018】
上記制御回路120には、フォーカスデマンド(フォーカスリング)、ズームレート(サムリング)、絞りツマミ等のレンズコントローラ26から指令信号が加えられるようになっており、制御回路120はレンズコントローラ26からの指令信号に基づいて各レンズ、絞り44を制御する。
また、制御回路120には、カメラ本体14のメイン電源134が図示しないインターフェース及びレンズ装置12の電源切替部122を介して接続される。撮影時(カメラ本体14のメイン電源134がオンされている場合)において、制御回路120にはメイン電源134からの電源が供給され、制御回路120から上記駆動回路100、102及び駆動モータ60、62等に電源が供給されてフォーカスレンズ44及びズームレンズ46が作動するようになっている。
【0019】
一方、レンズ装置12には補助電源124が搭載され、補助電源124は上記電源切替部122に接続される。尚、補助電源124としては、例えば1次電池、2次電池又はコンデンサ等のように電源を供給できるものであればどのようなものでもよく、2次電池やコンデンサ等の充電式の電源を使用する場合には、メイン電源134から電源が供給されている間にメイン電源134によって充電を行えるようにする。
【0020】
また、上記電源切替部122には接続検出部126が接続される。この接続検出部126は、例えば、レンズ装置12のカメラ本体14との接続部に設けられたスイッチを有しており、レンズ装置12がカメラ本体14に装着されている場合にはスイッチがオフとなり、レンズ装置12がカメラ本体14から取り外されている場合にはスイッチがオンとなるようになっている。
【0021】
上記電源切替部122は、上記接続検出部126のスイッチの状態に応じて、制御回路120に接続する電源をメイン電源134と補助電源124とで切り替える。接続検出部126のスイッチがオフの場合、即ち、レンズ装置12がカメラ本体14に装着されている場合には、メイン電源134を制御回路120に接続して上記フォーカスレンズ44、ズームレンズ46等をメイン電源12によって動作させる。
【0022】
一方、上記接続検出部126のスイッチがオフからオンになった場合、即ち、レンズ装置12がカメラ本体14から取り外された場合、電源切替部122は、補助電源124を制御回路120に接続する。
これにより、レンズ装置12がカメラ本体14から取り外されると、上記制御回路120は補助電源124からの電源によってレンズ装置12の動作を確保し、上記駆動回路100、102及び駆動モータ60、62を作動させてフォーカスレンズ44及びズームレンズ46を上記逃げ位置に移動させる。尚、このとき、駆動回路104及び駆動モータ64を作動させてズームストッパー80によるズームレンズ46の可動範囲の規制を解除する。
【0023】
このように、レンズ装置12がカメラ本体14から取り外されると、フォーカスレンズ44及びズームレンズ46は、撮影時の可動範囲外である無限遠側及びワイド側の逃げ位置(図2に示したように、ガイドピン50Aが位置90に移動した時のフォーカスレンズ44の位置及びガイドピン70A、72Aが位置84、84に移動した時のズームレンズ46の位置)に収納されるようになっているため、レンズ装置12をカメラ本体14から取り外して運搬等する際に、強い振動や衝撃によってフォーカス駆動ネジ52やズーム円筒カム74のカム溝74A、74Bにガタ等が生じても、撮影時におけるフォーカスレンズ44やズームレンズ46の可動範囲内には何の影響もなく、レンズの操作性や光学性能の劣化が防止される。
【0024】
また、メイン電源134がオフされると自動でフォーカスレンズ44及びズームレンズ46をこれらの逃げ位置に移動させるようにしているため、ユーザに煩雑な手間を強いることなく、確実に運搬時等の衝撃からレンズ装置12を保護することができる。
次に上記レンズ装置12がカメラ本体14から取り外された際の上記レンズ装置12の制御内容について説明する。図6は、その際の上記レンズ装置12の制御手順を示したフローチャートである。撮影が終了し、レンズ装置12がカメラ本体14から取り外されると(ステップS10)、接続検出部126のスイッチがオンされ、この接続検出部126のオン動作によって上記電源切替部122は、電源をメイン電源134から補助電源124に切り替える(ステップS12)。これにより、レンズ装置12の動作が補助電源124によって確保される。
【0025】
電源切替部122が電源を補助電源124に切り替えると、次に制御回路120は、電源が補助電源124に切り替えられたことを電源切替部122の状態或いはカメラ本体14からの信号等によって検出する。尚、電源が補助電源124に切り替えられたことをカメラ本体14からの信号によって検出する方法として、例えば、カメラ本体14との信号のやり取りにおいてカメラ本体14からの応答信号が有るか否か、又は、カメラ本体14からメイン電源134をオフすることを示す信号が入力されるようになっている場合にはその信号を入力したか否かによって判断することができる。
【0026】
そして、制御回路120は、まず駆動回路104に駆動信号を出力し、補助電源124によって駆動モータ64を駆動させ、ズームストッパー80を解除する(ステップS14)。これによりズームレンズ46が逃げ位置に移動可能となる。
次いで、駆動回路100、102に駆動信号を出力し、補助電源124によって駆動モータ60、62を駆動させ、フォーカスレンズ44及びズームレンズ46をそれぞれ無限遠側、ワイド側の逃げ位置に移動させる(ステップS16)。
【0027】
そして、制御回路100は、検出器106、108によってフォーカスレンズ44及びズームレンズ46の位置を検出し、フォーカスレンズ44及びズームレンズ46が逃げ位置に到達したか否かを判定する(ステップS18)。フォーカスレンズ44及びズームレンズ46がそれぞれ逃げ位置に到達した場合には、フォーカスレンズ44及びズームレンズ46を停止させ(ステップS20)、補助電源124をオフ(ステップS22)して処理を終了する。尚、補助電源124をオフする場合には、電源切替部122を制御して補助電源124の接続をメイン電源134に切り替えるようにしてもよいし、また、補助電源124から電源切替部122への電源の供給を直接遮断するようにしてもよい。
【0028】
以上により、レンズ装置12をカメラ本体14から取り外すと、フォーカスレンズ44及びズームレンズ46が逃げ位置に自動で退避するようになる。
次に、上記レンズ装置12がカメラ本体14から取り外されている状態からカメラ本体14に装着された後、カメラ本体14のメイン電源134がオンされた際の上記レンズ装置12の制御内容について説明する。図7は、その際の上記レンズ装置12の制御手順を示したフローチャートである。レンズ装置12がカメラ本体14に装着されると(ステップS28)、接続検出部126のスイッチがオフされ、この接続検出部126のオフ動作によって上記電源切替部122は、制御回路120にメイン電源134を接続する。
【0029】
次いでユーザによってカメラ本体14に設けられているメイン電源134のスイッチ等がオンされると、カメラ本体14側においてメイン電源134がオンされ、カメラ本体14の動作が開始するとともに(ステップS30)、制御回路120の動作が開始し(ステップS32)、制御回路120は、まず以下の初期設定を実行する。
【0030】
制御回路120は初期設定を開始すると、まず、駆動回路100、102に駆動信号を出力し、駆動モータ60、62を駆動してフォーカスレンズ44及びズームレンズ46をそれぞれ逃げ位置から所定の設定位置に移動させる(ステップS34)。尚、設定位置は、例えば、フォーカスレンズ44を撮影時における無限遠端、ズームレンズ46を撮影時におけるワイド端としてもよいし、調節器によってユーザが予め所望の位置に設定できるようにしてもよい。また、メイン電源134がオフされた際のフォーカスレンズ44及びズームレンズ46の位置を設定位置としてメモリに記録しておき、メイン電源134がオンされた際にその位置に復帰させるようにしてもよい。
【0031】
そして、制御回路120は、検出器106、108によってフォーカスレンズ44及びズームレンズ46が上記設定位置に到達したか否かを判定し(ステップS36)、到達した場合にはその位置でフォーカスレンズ44及びズームレンズ46を停止させる(ステップS38)。尚、フォーカスレンズ44及びズームレンズ46を設定位置に停止させた後、マスターレンズ48を図示しない駆動機構によって駆動してピントの初期設定を行うようにしてもよい。
【0032】
次いで、制御回路120は、駆動回路104に駆動信号を出力し、駆動モータ64を駆動して、ズームストッパー80を有効にし、ズームレンズ34のワイド端位置を規制する(ステップS40)。
これにより、制御回路120は、初期設定処理を終了し、通常の撮影動作のモード(ノーマルモード)に切り替える(ステップS42)。尚、上記初期設定処理において制御回路120が、例えば、フォーカスレンズ44、ズームレンズ46を位置制御によって設定位置に移動させていた場合等に、ノーマルモードでは、レンズコントローラ26による通常の制御、即ち、フォーカスレンズ44を位置制御、ズームレンズ46を速度制御に切り替える。
【0033】
以上の処理により、逃げ位置に収納されたフォーカスレンズ44及びズームレンズ46が逃げ位置から撮影時における可動範囲に復帰し、撮影が行えるようになる。
尚、上記図7のフローチャートでは、レンズ装置12がカメラ本体14に装着された後、カメラ本体14のメイン電源134がオンされて初めてフォーカスレンズ44やズームレンズ46が撮影時におけるレンズ可動範囲内に復帰するようにしたが、これに限らず、レンズ装置12がカメラ本体14に装着された際に、カメラ本体14のメイン電源134のオン・オフにかかわらず補助電源124によりフォーカスレンズ44及びズームレンズ46を所定の設定位置に復帰させるようにしてもよい。
【0034】
以上、上記実施の形態では、レンズ装置12がカメラ本体14から取り外された後、フォーカスレンズ44及びズームレンズ46が逃げ位置に到達すると、制御回路120の指示によって補助電源134をオフさせるようにしたが、制御回路120の指示等によらず、例えば、タイマーによって補助電源124からの電源の供給時間を制限し、所定時間が経過した場合に補助電源124が自動でオフとなるようにしてもよい。
【0035】
また、上記実施の形態では、フォーカスレンズ44及びズームレンズ46の逃げ位置を無限遠側及びワイド側に設けたが、これに限らず至近側及びテレ側に設けるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、ズームレンズ46についてのみ撮影時における可動範囲を規制するズームストッパー80を設けるようにしたが、フォーカスレンズ44について同様に撮影時における可動範囲を規制するストッパーを設けるようにしてもよい。
【0036】
また、上記実施の形態では、フォーカスレンズ44及びズームレンズ46を撮影時におけるレンズの可動範囲の外側に設けた逃げ位置に収納するようにしたが、これに限らず、撮影時におけるレンズ可動範囲内の振動や衝撃に強い位置に収納するようにしてもよい。例えば、機械的に振動や衝撃に強い位置を収納位置としてもよいし、また、フォーカスレンズ44については無限遠端、ズームレンズ46についてはワイド端を収納位置としてもよい。即ち、フォーカスレンズ44の無限遠端近傍やズームレンズ46のワイド端近傍においては、至近端やテレ端と比較してフォーカスレンズ44やズームレンズ46の位置精度が低くても撮影画像に与える影響が少なく、仮にレンズ装置12の運搬中等に強い振動や衝撃によって無限遠端或いはワイド端における位置精度が劣化したとしてもレンズの操作性や光学性能に与える影響は少ない。
【0037】
従って、無限遠端及びワイド端をフォーカスレンズ44及びズームレンズ46の収納位置とすることによっても、振動や衝撃によってレンズの操作性や光学性能が劣化するのを防止することができる。
尚、レンズの収納位置を撮影時におけるレンズの可動範囲内とした場合においても、上記実施の形態と同様、レンズ装置12がカメラ本体14に装着された際に(又は、装着された後カメラ本体14のメイン電源134がオンされた際に)、フォーカスレンズ44及びズームレンズ46を所定の設定位置、例えば、レンズ装置12の取り外し時におけるフォーカスレンズ44及びズームレンズ46の位置等に移動させるようにしてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るテレビカメラのレンズ装置によれば、レンズ装置がテレビカメラから取り外されると、フォーカスレンズ及び/又はズームレンズを所定の収納位置に自動で移動させるようにしたため、テレビカメラからレンズ装置を取り外して運搬する際に、フォーカスレンズやズームレンズを振動や衝撃等に強い位置に確実に退避させることができる。これにより、ユーザの手間を要せず、且つ確実に運搬時の衝撃等によるレンズの操作性や光学性能の劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るレンズ装置が装着されたテレビカメラの構成図である。
【図2】図2は、本発明に係るレンズ装置の光学系の構成を示した断面図である。
【図3】図3は、本発明に係るレンズ装置の制御系の構成を示した構成図である。
【図4】図4は、ズームストッパーの正面図である。
【図5】図5は、ズームストッパーがオフされている場合を示した正面図である。
【図6】図6は、本発明に係るレンズ装置のカメラ本体取り外し時の制御手順を示したフローチャートである。
【図7】図7は、本発明に係るレンズ装置のカメラ本体装着時の制御手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
10…テレビカメラ
12…レンズ装置
14…カメラ本体
16…ビューファインダ
26…レンズコントローラ
44…フォーカスレンズ
46…ズームレンズ
100、102、104…駆動回路
60、62、64…駆動モータ
106、108…検出器
120…制御回路
122…電源切替部
124…補助電源
126…接続検出部
134…メイン電源

Claims (8)

  1. テレビカメラに着脱可能であって、フォーカスレンズ及び/又はズームレンズをモータによって駆動するテレビカメラのレンズ装置において、
    前記レンズ装置が前記テレビカメラに装着されているか否かを検出するレンズ着脱検出手段と、
    前記レンズ着脱検出手段によって前記レンズ装置が前記テレビカメラから取り外されたことを検出すると、前記フォーカスレンズ及び/又はズームレンズを所定の収納位置に移動させる制御手段と、を備え
    前記収納位置は、撮影時における前記フォーカスレンズ及び/又はズームレンズの可動範囲の外側に設けられたことを特徴とするテレビカメラのレンズ装置。
  2. 前記フォーカスレンズの収納位置無限遠端側に設けられ、前記ズームレンズの収納位置がワイド端側に設けられたことを特徴とする請求項1のテレビカメラのレンズ装置。
  3. 前記制御手段は、前記レンズ着脱検出手段によって前記レンズ装置が前記テレビカメラに装着されたことを検出すると、前記フォーカスレンズ及び/又はズームレンズを前記収納位置から所定の撮影開始位置に移動させることを特徴とする請求項1のテレビカメラのレンズ装置。
  4. 前記レンズ装置は補助電源を備え、
    前記レンズ装置が前記テレビカメラから取り外されると、前記補助電源によって前記モータを駆動することを特徴とする請求項1のテレビカメラのレンズ装置。
  5. 前記補助電源は、前記フォーカスレンズ及び/又はズームレンズが前記収納位置に到達すると、オフされることを特徴とする請求項4のテレビカメラのレンズ装置。
  6. 前記補助電源は、オンされてから所定時間経過するとオフされることを特徴とする請求項4のテレビカメラのレンズ装置。
  7. 前記補助電源は、前記カメラの電源によって充電されるコンデンサ又は2次電池であることを特徴とする請求項4のテレビカメラのレンズ装置。
  8. 撮影時における前記フォーカスレンズ及び/又はズームレンズの可動範囲を規制するストッパーを設け、前記レンズ装置が前記テレビカメラから取り外されたことを検出すると、前記ストッパーによる規制を解除して前記フォーカスレンズ及び/又はズームレンズを前記収納位置に移動可能にしたことを特徴とする請求項1のテレビカメラのレンズ装置。
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