JP3834908B2 - 多気筒エンジンの吸気装置 - Google Patents

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    • F02M35/10209Fluid connections to the air intake system; their arrangement of pipes, valves or the like
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】
本願発明は、多気筒エンジンの吸気装置に関し、さらに詳しくはエンジンの運転性を良好に維持しつつ吸気負圧を効率的に取り出すことができるようにした多気筒エンジンの吸気装置に関するものである。
【従来の技術】
【0003】
自動車用多気筒エンジンにおいては、掃気性を高めて耐ノッキング性の向上を図る等の観点から、吸気弁と排気弁の開弁オーバラップ期間を、エンジン低負荷域において燃焼室内の燃焼ガスが吸気ポートに吹き返されるような大きな値(例えば、バルブリフト量1mmの時点で−10°CA以上)に設定するという思想が従来から知られている。ところが、単にオーバラップ期間を大きくすると、このオーバラップ期間中に燃焼室内の燃焼ガスが吸気通路側に逆流し、特にスロットル弁の閉作動に伴って吸気負圧が大きくなる低負荷域においてはその逆流量が多くなり燃焼安定性の悪化、あるいは出力の低下を来すこととなり好ましくない。
【0004】
このような背景から、例えば、特開昭64−104921号公報には、各気筒にそれぞれ独立して接続される独立吸気通路に絞り弁を配置し、スロットル弁の開度が減少するに従って(換言すれば、負荷の低下に伴って)上記絞り弁を閉じ側に作動させて吸気ポート側への燃焼ガスの逆流を可及的に抑制する技術が提案されている。
【0005】
一方、自動車のブレーキ用真空倍力装置においては、これを有効に機能させるにはその駆動源として大きい負圧(真空圧に近い高負圧)を確保することが必要となる。この大きな負圧を取り出す方法として、従来一般には各気筒に接続される複数の独立吸気通路の上流側の集合通路部分から負圧を取り出すようにしていた。
【0006】
ところが、このように集合通路部分から負圧を取り出す構造の場合、図6の各独立吸気通路の吸気負圧特性(実線図示部分を参照)に示すように、該集合通路部分において各気筒の独立吸気通路が相互に連通するため、例えば一番気筒が吸気行程にあって比較的大きな負圧が生成されていたとしても、この一番気筒の吸気行程における負圧生成期間が、三番気筒の吸気弁と排気弁とのオーバラップによる燃焼ガスの吸気通路側への吹き返しによって吸気圧力が大きくなる期間に重なることから、これら両者が合成され、最終的に取り出される負圧(合成負圧)としては図7に示す負圧特性Paのように、吸気弁と排気弁の開弁オーバラップが小さい場合の合成負圧の特性Pbに対して比較的圧力の高いもの(大気圧に近い低負圧)となり、ブレーキ用真空倍力装置の負圧タンクに高負圧を生成させることができないことになる。
【0007】
尚、かかる気筒間干渉による取り出し負圧の低負圧化は、負圧取り出しを集合通路部分から行う構成を採用する限り、上述のように大オーバラップのバルブタイミングをもつものに限らず、例えばポンピングロスの低減により燃費効率の向上を図ることを目的に吸気弁の閉弁タイミングを遅らせた所謂「吸気遅閉じ」のバルブタイミング(例えば、バルブリフト量1mm時点で下死点後50°CA以上)をもつものにおいても発生するものである。即ち、図6の吸気負圧特性(破線図示部分を参照)に示すように、吸気遅閉じにおいては、吸気弁の閉弁時期が下死点よりも遅れるものであってこの遅閉じ期間では一旦燃焼室内に吸入された吸気が押し出される状態であることから比較的圧力は高い。従って、例えば、三番気筒の吸気行程において大きな負圧が生成されたとしても、この三番気筒の負圧生成期間が、該三番気筒よりも吸気行程が先行する一番気筒の吸気弁の遅閉じ時期に重合することで、これら両者が合成され、結果的に、大オーバラップのバルブタイミングをもつものと同様に、取り出される負圧(合成負圧)としては比較的圧力の高いものとなり、ブレーキ用真空倍力装置の負圧タンクに高負圧を生成させることができないことになる。
【0008】
従って、大オーバラップのバルブタイミングをもつもの、あるいは「吸気遅閉じ」のバルブタイミングをもつものにおいて、より大きな負圧を安定的に取り出せる技術の開発が要請されるところである。
【0009】
かかる要請に応える一つの手段として、例えば特開平1−151764号公報に開示されるように、各独立吸気通路にそれぞれ絞り弁を備えたエンジンにおいて、該各絞り弁の下流側から吸気負圧を取り出してこれをマスターバックに供給する技術が提案されている。この技術によれば、各気筒において生成される負圧に関して可及的に気筒間干渉が抑制されることから、より大きい吸気負圧を取り出すことが可能となり、この大きな負圧によってブレーキ用真空倍力装置を有効に機能させることができることになる。
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、上掲の特開平1−151764号公報に開示されるものにおいては、各独立吸気通路に設けられ且つ低負荷運転時に閉弁される各絞り弁の下流側から負圧を取り出すようにしているが、この絞り弁は所謂「バタフライ弁」であって、その構造上、閉弁時における絞り状態に固体差が生じることは回避し難い。即ち、譬え上記各絞り弁を全て「全閉」に設定したとしても、該各絞り弁相互間において吸気の漏れ量に差異が生じる。そして、このように上記各絞り弁が全閉とされるのは、スロットルバルブが絞られて吸気負圧が大きくなり吸気通路側への燃焼ガスの吹き返しが増大する惧れのある低負荷運転時であるが、この低負荷運転時は元々必要吸気量か少ないことから、上記各絞り弁の固体差に基づく吸気の漏れ量の相違の影響が各気筒の吸気充填量のバラツキとして顕著に反映され、結果的に各気筒間の燃焼性にバラツキが発生し、その運転性あるいは出力性能に悪影響を及ぼすことになる。
【0011】
また、低負荷運転時の各気筒間の吸気充填量のバラツキを抑えるためには、各絞り弁(第2絞り弁)の絞り開度を、サージタンク上流のスロットルバルブ(第1絞り弁)部位の吸気通路面積よりも大きい吸気通路面積となるように開き気味に設定する必要があり、この場合、大きな負圧(高負圧)を取り出すことが難しくなる。
【0012】
そこで本願発明は、各気筒間における吸気充填量のバラツキを抑えながら、より大きな吸気負圧を安定的に取り出すことができるようにした多気筒エンジンの吸気装置を提案せんとしてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0014】
本願の第1の発明では、複数の気筒毎に吸気弁と排気弁の開弁オーバラップ期間を設け且つ該開弁オーバラップ期間はこれを少なくともエンジン低負荷域において燃焼室内の燃焼ガスが吸気ポートに吹き返されるような値に設定する一方、上記複数の気筒のそれぞれに独立して接続された各独立吸気通路にはエンジン低負荷域において閉じる絞り弁をそれぞれ設け、さらに上記独立吸気通路における上記絞り弁よりも下流側部位とブレーキ用真空倍力装置の負圧タンクとを負圧供給路で接続するとともに、上記負圧供給路には負圧タンク側に対して負圧取出口の圧力が低い時にのみ開弁する一方向弁を備えてなる多気筒エンジンの吸気装置において、上記複数の気筒の全てを吸気順序の連続しない気筒同士からなる気筒群に分けてこれら各気筒群に属する各気筒における上記各独立吸気通路の上記絞り弁よりも下流側部位をそれぞれ連通路により連通させるとともに、上記連通路を介して連通された上記気筒群における独立吸気通路の上記絞り弁よりも下流側部位を、一方向弁を備えた上記負圧供給路を介して上記負圧タンクに接続し、さらに、上記各連通路と上記独立吸気通路における上記絞り弁よりも上流側部位とを流量制御弁を備えた吸気供給路を介して接続するとともに、上記吸気供給路を上記流量制御弁よりも下流側部位において分岐させてこれを上記負圧供給路に接続したことを特徴としている。
【0015】
本願の第2の発明では、複数の気筒のそれぞれに独立して接続された各独立吸気通路にはエンジン低負荷域において閉じる絞り弁をそれぞれ設ける一方、上記独立吸気通路における上記絞り弁よりも下流側部位とブレーキ用真空倍力装置の負圧タンクとを負圧供給路で接続するとともに、上記負圧供給路には負圧タンク側に対して負圧取出口の圧力が低い時にのみ開弁する一方向弁を備えてなる多気筒エンジンの吸気装置において、上記各気筒における吸気弁の閉弁タイミングをバルブリフト量1mmの時点で下死点後50°CA以上に設定するとともに、上記複数の気筒の全てを吸気順序の連続しない気筒同士からなる気筒群に分けてこれら各気筒群に属する各気筒における上記各独立吸気通路の上記絞り弁よりも下流側部位をそれぞれ連通路により連通させる一方、上記連通路を介して連通された上記気筒群における独立吸気通路の上記絞り弁よりも下流側部位を、一方向弁を備えた上記負圧供給路を介して上記負圧タンクに接続し、さらに、上記各連通路と上記独立吸気通路における上記絞り弁よりも上流側部位とを流量制御弁を備えた吸気供給路を介して接続するとともに、上記吸気供給路を上記流量制御弁よりも下流側部位において分岐させてこれを上記負圧供給路に接続したことを特徴としている。
【0016】
本願の第3の発明では、上記第1の発明に係る多気筒エンジンの吸気装置において、上記吸気弁と排気弁の開弁オーバラップ期間を、吸気上死点前における期間が吸気上死点後における期間よりも長くなるように設定したことを特徴としている。
【0017】
本願の第4の発明では、上記第1又は第2の発明に係る多気筒エンジンの吸気装置において、上記流量制御弁よりも下流側部位において分岐させた上記両吸気供給路のうちの一方の吸気供給路から上記負圧供給路を分岐させてこれを上記負圧タンクに接続する一方、上記一方の吸気供給路における上記負圧供給路への分岐部から他方の吸気供給路の下流部における上記連通路への接続部までの間に、上記一方の吸気供給路における上記負圧供給路への分岐部から上記他方の吸気供給路の下流部側への空気流通のみを許容する一方向弁を設けたことを特徴としている。
【0018】
本願の第5の発明では、上記第1又は第2の発明に係る多気筒エンジンの吸気装置において、上記負圧供給路が上記連通路から分岐して上記負圧タンクに接続されていることを特徴としている。
【0019】
本願の第6の発明では、上記第5の発明に係る多気筒エンジンの吸気装置において、全ての上記連通路からそれぞれ上記負圧供給路を分岐させるとともに、該各負圧供給路を該各負圧供給路にそれぞれ設けられた上記各一方向弁よりも上記各連通路寄り側からさらに分岐させて該分岐部と上記独立吸気通路における上記絞り弁よりも上流側部位とを流量制御弁を備えた吸気供給路を介して接続したことを特徴としている。
【0020】
本願の第7の発明では、上記第6の発明に係る多気筒エンジンの吸気装置において、上記各負圧供給路から分岐した上記各吸気供給路をその上流側部位において合流させるとともに、この合流部に一つの流量制御弁を配置し、該一つの流量制御弁によって上記各吸気供給路の流量を制御するようにしたことを特徴としている。
【0021】
本願の第8の発明では、上記第1又は第2の発明に係る多気筒エンジンの吸気装置において、上記連通路を介して連通される複数の気筒のうちのいずれか一つの気筒における独立吸気通路の上記絞り弁よりも下流側部位のみから上記負圧供給路を分岐させてこれを上記負圧タンクに接続したことを特徴としている。
【0022】
本願の第9の発明では、上記第1又は第2の発明に係る多気筒エンジンの吸気装置において、上記各連通路のうちの一方の連通路と上記独立吸気通路における上記絞り弁よりも上流側部位とを流量制御弁を備えた吸気供給路を介して接続し、他方の連通路に上記負圧供給路を接続するとともに、上記吸気供給路を上記流量制御弁よりも下流側部位において分岐させてこの分岐通路を上記負圧供給路の中途部に接続し、さらに、上記負圧供給路における上記他方の連通路接続部から上記中途部までの間に上記負圧供給路に介在される第1の一方向弁を配置する一方、上記吸気供給路の上記下流側部位における上記分岐通路から上記一方の連通路ヘの接続部までの間に、上記分岐通路側から上記一方の連通路ヘの接続部側への空気流通のみを許容する第2の一方向弁を設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0023】
本願発明ではかかる構成とすることにより次のような効果が得られる。
【0024】
(a) 本願の第1の発明にかかる多気筒エンジンの吸気装置によれば、大オーバラップのバルブタイミングをもち且つ各気筒の独立吸気通路にそれぞれ絞り弁を配置するとともに該絞り弁よりも下流側から吸気負圧を取り出す構成のものにおいて、各気筒のうち吸気順序が連続しない気筒同士で構成される気筒群に属する各気筒における独立吸気通路の絞り弁よりも下流側部位を相互に連通させる連通路を設けるとともに、上記連通路を介して連通された上記気筒群における独立吸気通路の上記絞り弁よりも下流側部位を、一方向弁を備えた負圧供給路を介して負圧タンクに接続している。
【0025】
従って、例え上記各絞り弁の閉弁時における絞り状態に固体差があったとしても、この固体差に基づく各気筒間における吸気充填量のバラツキは、吸気順序が連続しない気筒同士を上記絞り弁よりも下流側において連通路によって連通させて吸気量を平均化することで可及的に抑制され、それだけ気筒間における燃焼のバラツキが抑制され、良好な運転性あるいは出力性能が確保される。
【0026】
また、吸気順序が連続しない気筒同士を連通路で連通させる構成としていることで、
第1に、例えば全気筒を相互に連通させる構成の場合に比して、連通する気筒数が少ないことから、吸気行程におけるピストンの降下によって吸気負圧の低下がもたらされる容積(即ち、吸気ポートの容積と連通路の容積との和)が小さくなり、それだけ生成される負圧は大きくなる、
第2に、連通路を介して接続された気筒間においては、一つの気筒が吸気行程にあって大きな負圧が生成されている時には、他の気筒の吸気弁は閉弁状態にあるので、上記一方の気筒における生成負圧は上記他の気筒における高い正圧と干渉してその生成負圧が弱められるということがなく、純粋に吸気行程中における生成負圧が得られ、これらの相乗効果としてより大きな吸気負圧の取り出しが可能となる。
【0027】
即ち、この発明の多気筒エンジンの吸気装置によれば、大オーバラップのバルブタイミングをもつものにおいて、各気筒間の吸気充填量のバラツキを可及的に抑制しつつ、より大きな吸気負圧を取り出すことができるものであり、エンジン性能の維持と吸気負圧を利用したブレーキ用真空倍力装置の性能向上との両立が図れるものである。
【0028】
さらに、この発明では、上記複数の気筒の全てを吸気順序の連続しない気筒同士からなる気筒群に分けてこれら各気筒群に属する各気筒における上記各独立吸気通路の上記絞り弁よりも下流側部位をそれぞれ連通路により連通させる一方、上記各連通路と上記独立吸気通路における上記絞り弁よりも上流側部位とを流量制御弁を備えた吸気供給路を介して接続するとともに、上記吸気供給路を上記流量制御弁よりも下流側部位において分岐させてこれを上記負圧供給路に接続しているので、吸気供給路と負圧供給路との共用化が促進され、それだけ通路構成が簡略となり、延いてはコストダウンに寄与できるものである。
【0029】
(b) 本願の第2の発明にかかる多気筒エンジンの吸気装置によれば、各気筒の独立吸気通路にそれぞれ絞り弁を配置するとともに該絞り弁よりも下流側から吸気負圧を取り出す構成のものにおいて、上記各気筒における吸気弁の閉弁タイミングをバルブリフト量1mmの時点で下死点後50°CA以上に設定するとともに、上記各気筒のうち吸気順序が連続しない気筒同士で構成される気筒群に属する各気筒における独立吸気通路の上記絞り弁よりも下流側部位を相互に運通させる連通路を設けるとともに、上記連通路を介して連通された上記気筒群における独立吸気通路の上記絞り弁よりも下流側部位を、一方向弁を備えた土記負圧供給路を介して上記負圧タンクに接続している。
【0030】
従って、例え上記各絞り弁の閉弁時における絞り状態に固体差があったとしても、この固体差に基づく各気筒間における吸気充填量のバラツキは、吸気順序が連続しない気筒同士を上記絞り弁よりも下流側において連通路によって連通させて吸気量を平均化することで可及的に抑制され、それだけ気筒間における燃焼のバラツキが抑制され、良好な運転性あるいは出力性能が確保される。
【0031】
また、吸気順序が連続しない気筒同士を連通路で連通させる構成としていることで、
第1に、例えば全気筒を相互に連通させる構成の場合に比して、連通する気筒数が少ないことから、吸気行程におけるピストンの降下によって吸気負圧の低下がもたらされる容積(即ち、吸気ポートの容積と連通路の容積との和)が小さくなり、それだけ生成される負圧は大きくなる、
第2に、連通路を介して接続された気筒間においては、一つの気筒が吸気行程にあって大きな負圧が生成されている時には、他の気筒の吸気弁は閉弁状態にあるので、上記一方の気筒における生成負圧は上記他の気筒における高い正圧と干渉してその生成負圧が弱められるということがなく、純粋に吸気行程中における生成負圧が得られ、これらの相乗効果としてより大きな吸気負圧の取り出しが可能となる。
【0032】
即ち、この発明の多気筒エンジンの吸気装置によれば、吸気遅閉じのバルブタイミングをもつものにおいて、各気筒間の吸気充填量のバラツキを可及的に抑制しつつ、より大きな吸気負圧を取り出すことができるものであり、エンジン性能の維持と吸気負圧を利用したブレーキ用真空倍力装置の性能向上との両立が図れるものである。
【0033】
さらに、この発明では、上記複数の気筒の全てを吸気順序の連続しない気筒同士からなる気筒群に分けてこれら各気筒群に属する各気筒における上記各独立吸気通路の上記絞り弁よりも下流側部位をそれぞれ連通路により連通させる一方、上記各連通路と上記独立吸気通路における上記絞り弁よりも上流側部位とを流量制御弁を備えた吸気供給路を介して接続するとともに、上記吸気供給路を上記流量制御弁よりも下流側部位において分岐させてこれを上記負圧供給路に接続しているので、吸気供給路と負圧供給路との共用化が促進され、それだけ通路構成が簡略となり、延いてはコストダウンに寄与できるものである。
【0034】
(c) 本願の第3の発明にかかる多気筒エンジンの吸気装置によれば、上記(a)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が奏せられる。
【0035】
即ち、この発明では、吸気弁と排気弁の開弁オーバラップ期間を、吸気上死点前における期間が吸気上死点後における期間よりも長くなるように設定することで、上記絞り弁の下流側から吸気負圧を取り出すようにしたこととの関係から、例えば上死点を中心に開弁オーバラップ期間を設定する場合に比して、より大きな吸気負圧を取り出すことができるものである。
【0036】
即ち、図6に示すように、オーバラップ期間Lを、上死点前の期間L1が上死点後の期間L2よりも大きくなるように設定すると、生成される吸気負圧は、図7において実曲線P1で示すように、ピストン上死点(TDC)を中心に開弁オーバラップ期間を設定した場合の吸気負圧(図7に破曲線P0で示すもの)に比して、△Pで示す値だけ大きな(高い)負圧が生成される。これは、絞り弁か閉じられていることで吸気ポートの閉空間が小容量とされ、且つ、ピストン上昇に伴って燃焼室容積が次第に減少する過程で大半のオーバラップ期間が過ぎることから、吸気弁の開弁によって燃焼室と一休化した吸気ポートの閉空間は、この燃焼室容積の減少による圧力上昇の過程で、燃焼室から吹き返される燃焼ガスを取り込むこととなり、この結果、上死点を中心に開弁オーバラップ期間を設定した場合に比して、燃焼室から吸気ポートの閉空間へ吹き返される燃焼ガス量が少なくなり、ピストン上死点での該閉空間圧力は高くなるものの、上死点後のピストン降下に伴っていち早く負圧が生成され、大きな負圧が得られるものである。
【0037】
) 本願の第4の発明にかかる多気筒エンジンの吸気装置によれば、上記(a)又は(b)に記載の効果に加えて次のような効果が得られる。
【0038】
即ち、この発明では、上記第1又は第2の発明にかかる多気筒エンジンの吸気装置において、上記流量制御弁よりも下流側部位において分岐させた上記両吸気供給路のうちの一方の吸気供給路から上記負圧供給路を分岐させてこれを上記負圧クンクに接続する一方、上記一方の吸気供給路における上記負圧供給路への分岐部から他方の吸気供給路の下流部における上記連通路への接続部までの間に、上記一方の吸気供給路における上記負圧供給路への分岐部から上記他方の吸気供給路の下流部側への空気流通のみを許容する一方向弁を設けている。
【0039】
かかる構成とすることで、上記一方の気筒群に属する各気筒において生成される吸気負圧は、上記流量制御弁よりも下流部位の両吸気供給路のうちの一方の吸気供給路及び上記負圧供給路を介して上記負圧タンクに供給され、また上記他方の気筒群に属する各気筒において生成される吸気負圧は、土記流量制御弁よりも下流部位の両吸気供給路のうちの上記流量制御弁が備えられた他方の吸気供給路及び上記負圧供給路を介して上記負圧タンクに供給され、該負圧タンクを高負圧に維持することが可能となるものである。
この場合、上記一方の気筒群の連通路と他方の気筒群の連通路とが上記両吸気供給路を介して連通しているので、例えば一方の気筒群に属する気筒が吸気行程にある時に、この吸気行程において吸気ポート側に吹き返された残留ガスの一部が上記他方の気筒群に属する気筒側へ流れ、上記一方の気筒群側において生成された負圧を弱めることも考えられるが、この時には、上記他方の吸気供給路に設けた上記流量制御弁が一種の絞りとして機能するので、かかる気筒群間の干渉による吸気負圧の低下が可及的に抑制され、高い吸気負圧を得ることができることになる。
【0040】
また、上記吸気供給路と負圧供給路とがその一部を共用していることで、上記負圧供給路の短小且つ簡略化が図れるとともに、上記一方向弁及び流量制御弁の設置個数の低減によるコストダウンが図れることになる。
【0041】
) 本願の第5の発明にかかる多気筒エンジンの吸気装置によれば、上記(a)又は(b)に記載の効果に加えて次のような効果が得られる。
【0042】
即ち、この発明では、上記第1又は第2の発明にかかる多気筒エンジンの吸気装置において、上記負圧供給路を上記連通路から分岐させて上記負圧タンクに接続しているので、各気筒において生成された吸気負圧は絞り弁下流の吸気ポート空間から上記連通路に至る間において絞り作用を受けることでその圧力脈動が吸収緩和され、一方向弁を介しての負圧タンク側への取り出しが安定的に行われることになる。
【0043】
) 本願の第6の発明にかかる多気筒エンジンの吸気装置によれば、上記()に記載の効果に加えて次のような効果が得られる。
【0044】
即ち、この発明では、上記第5の発明にかかる多気筒エンジンの吸気装置において、全ての上記連通路からそれぞれ上記負圧供給路を分岐させるとともに、該各負圧供給路を該各負圧供給路にそれぞれ設けられた上記各一方向弁よりも上記各連通路寄り側からさらに分岐させて該分岐部と上記独立吸気通路における上記絞り弁よりも上流側部位とを流量制御弁を備えた吸気供給路を介して接続している。
【0045】
従って、この発明の吸気装置においては、低負荷時における必要吸気量を上記吸気供給路を通して供給される吸気量で賄うことができるので、エンジン低負荷時においては上記絞り弁を全閉とすることが可能となる。この結果、各気筒毎にそれぞれ設けられた各絞り弁の絞り状態の固体差が吸気量に反映されるのが可及的に少なくなり、それだけ各気筒間の吸気充填量のバラツキが抑制される。また、かかる各気筒間における吸気充填量のバラツキの抑制は、上述の如く吸気順序が連続しない気筒同士を連通路を介して連通させたことによってももたらされる。これら両者の相乗作用として、より高いエンジン性能が達成されることになる。
【0046】
さらに、吸気供給路と負圧供給路とがその一部において共用されるとともに、該吸気供給路に設けた流量制御弁が絞り機能を発揮し、気筒側において生成された負圧が吸気供給路を介して吸入される大気圧に近い圧力をもつ吸気によって希釈されるのを可及的に防止することから、吸気装置全体としての通路構成の簡略化を促進しつつ、より大きな吸気負圧を取り出すことができるものである。
【0047】
) 本願の第7の発明にかかる多気筒エンジンの吸気装置によれば、上記()に記載の効果に加えて次のような効果が得られる。
【0048】
即ち、この発明は、上記第6の発明にかかる多気筒エンジンの吸気装置において、上記各負圧供給路から分岐した上記各吸気供給路をその上流側部位において合流させるとともに、この合流部に一つの流量制御弁を配置し、該一つの流量制御弁によって上記各吸気供給路の流量を制御するようにしているので、例えば上記各吸気供給路のそれぞれに流量制御弁を備える場合に比して、該流量制御弁の数が少ない分だけコストダウンが図れる。また、各負圧供給路がそれぞれ上記各吸気供給路を介して上記絞り弁の上流側に連通するため、気筒側において生成された吸気負圧が上記吸気供給路を通して導入される大気圧に近い圧力の吸気によって希釈されるものの、上記各吸気供給路がその合流部に設けた上記流量制御弁によって絞られることから希釈の影響は少なく、それだけ大きい吸気負圧を得ることが可能である。従って、この発明の多気筒エンジンの吸気装置によれば、通路構造の簡略化によるコストダウンの促進と大きな吸気負圧の取り出しとを両立できるものである。
【0049】
) 本願の第8の発明にかかる多気筒エンジンの吸気装置によれば、上記(a)又は(b)に記載の効果に加えて次のような効果が得られる。
【0050】
即ち、この発明は、上記第1又は第2の発明にかかる多気筒エンジンの吸気装置において、上記連通路を介して連通される複数の気筒のうちのいずれか一つの気筒における独立吸気通路の上記絞り弁よりも下流側部位のみから上記負圧供給路を分岐させてこれを上記負圧タンクに接続しているので、負圧タンクに近い気筒からより大きなピーク値の吸気負圧を取り出すことができ、それだけ負圧取り出しの効率化が図れる。また、負圧供給路が短くて良く且つ管路配置上において迂回の必要な独立吸気通路の数も少ないことから、該負圧供給路のレイアウト上における自由度が高く、レイアウト設計の容易化が期待できるものである。
【0051】
) 本願の第9の発明にかかる多気筒エンジンの吸気装置によれば、上記(a)又は(b)に記載の効果に加えて次のような効果が得られる。
【0052】
即ち、この発明は、上記第1又は第2の発明にかかる多気筒エンジンの吸気装置において、上記各連通路のうちの一方の連通路と上記独立吸気通路における上記絞り弁よりも上流側部位とを流量制御弁を備えた吸気供給路を介して接続し、他方の連通路に上記負圧供給路を接続するとともに、上記吸気供給路を上記流量制御弁よりも下流側部位において分岐させてこの分岐通路を上記負圧供給路の中途部に接続し、さらに、上記負圧供給路における上記他方の連通路接続部から上記中途部までの間に上記負圧供給路に介在される第1の一方向弁を配置する一方、上記吸気供給路の上記下流側部位における上記分岐通路から上記一方の連通路への接続部までの間に、上記分岐通路側から上記一方の連通路への接続部側への空気流通のみを許容する第2の一方向弁を設けている。
【0053】
かかる構成とすることで、上記一方の気筒群に属する各気筒において生成される吸気負圧は、上記第1の一方向弁を備えた上記負圧供給路を介して上記負圧タンクに供給され、また上記他方の気筒群に属する各気筒において生成される吸気負圧は、第2の一方向弁を備えた上記吸気供給路の下流側部位及び上記負圧供給路を介して上記負圧タンクに供給され、該負圧タンクを高負圧に維持することが可能となるものである。
【0054】
また、この場合、上記一方の気筒群の連通路と他方の気筒群の連通路とが上記負圧供給路及び上記吸気供給路の下流側部位を介して連通しているが、上記吸気供給路の上記下流側部位における上記分岐通路から上記一方の連通路への接続部までの間に、上記分岐通路側から上記一方の達通路への接続部側への空気流通のみを許容する上記第2の一方向弁が設けられているので、例えば他方の気筒群に属する気筒が吸気行程にある時、この吸気行程において吸気ポート側に吹き返された残留ガスの一部は上記一方の気筒群に属する気筒側ヘ流れようとするが、この残留ガスの流れが上記第2の一方向弁によって阻止される。さらにまた、例えば一方の気筒群に属する気筒が吸気行程にある時、この吸気行程において吸気ポート側に吹き返された残留ガスの一部は上記他方の気筒群に属する気筒側ヘ流れようとするが、この残留ガスの流れが上記第1の一方向弁によって阻止される。従って、全ての気筒において生成された負圧が他の気筒によって弱められるということが確実に防止され、それだけ高い吸気負圧を得ることができることになる。
【0055】
また、上記吸気供給路と負圧供給路とがその一部を共用していることで、上記負圧供給路の短小且つ簡略化が図れるとともに、上記一方向弁及び流量制御弁の設置個数の低減によるコストダウンが図れることになる。
【発明の実施の形態】
【0056】
以下、本願発明をいくつかの好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0057】
第1の実施形態
図1には、本願発明の第1の実施形態にかかる吸気装置を備えた自動車用4気筒エンジン10を示している。このエンジン10は、所謂、吸気2弁、排気2弁の4弁式エンジンであって、各気筒1〜4毎にそれぞれ一対の吸気ポート11,11〜14,14と一対の排気ポート15,15〜18,18が設けられている。そして、この実施形態においては、上記エンジン10のバルブタイミングを「大オーバラップ」あるいは「吸気遅閉じ」のいずれかに設定したものとする。尚、ここでいう「大オーバラップ」とは、吸気弁と排気弁の開弁オーバラップ期間が、バルブリフト量1mmの時点で−10°CA以上に設定したバルブタイミングを言い、また「吸気遅閉じ」とは、吸気弁の閉弁タイミングをバルブリフト量1mm時点で下死点後50°CA以上に設定したバルブタイミングを言う。
【0058】
次に、本願発明の要旨をなす吸気系の通路構成を説明すると以下の通りである。即ち、上記各気筒1〜4の各吸気ポート11,11〜14,14には、それぞれ独立吸気通路21〜24が接続されている。そして、この各独立吸気通路21〜24は、その上流端がそれぞれサージタンク25に接続されるとともに該サージタンク25を介してさらに上流側の集合吸気通路20に接続されている。
【0059】
一方、上記各独立吸気通路21〜24の下流部には、該各独立吸気通路21〜24を貫通して設けられ且つアクチュエータ35により適宜回動される弁軸30を介して、それぞれ絞り弁31〜34が取り付けられている。これら各絞り弁31〜34は、上記各独立吸気通路21〜24を開閉するものであるが、この実施形態のものにおいては、該各絞り弁31〜34は、アイドル運転を含む低負荷運転領域においては最小開度とされ該各独立吸気通路21〜24を全閉とする一方、それ以外の運転領域では全開とされる。尚、この各絞り弁31〜34の全閉時における必要吸入空気量(例えば、アイドル運転時の吸入空気量)を確保するために後述する吸気供給路43,44が備えられている。
【0060】
また、これら各気筒1〜4を吸気順序(この実施形態では、一番気筒1→3番気筒3→4番気筒4→2番気筒2の順序としている)が連続しない気筒同士で二つの気筒群、即ち、一番気筒1と4番気筒4とでなる第1気筒群C1と、2番気筒2と3番気筒3とでなる第2気筒群C2とに分け、第1気筒群C1に属する一番気筒1と4番気筒4とはこれらを第1連通路41により、第2気筒群C2に属する2番気筒2と3番気筒3とはこれらを第2連通路42により、それぞれ対応する独立吸気通路21〜24における上記各絞り弁31〜34よりも下流側部位において相互に連通せしめている。
【0061】
さらに、上記第1連通路41からは第1吸気供給路43が、また上記第2連通路42からは第2吸気供給路44が、それぞれ分岐されるとともに、該第1吸気供給路43と第2吸気供給路44とはその上流側において合流され、一本の集合通路部48となって上記集合吸気通路20に接続されている。そして、第1吸気供給路43と第2吸気供給路44の合流部47より上流側に位置する上記集合通路部48には、該集合通路部48の通路面積、即ち、空気流量を増減調整する流量制御弁51が備えられている。この流量制御弁51は、アイドル運転を含む低負荷運転領域においては所定の絞り状態で開弁し、それ以外の運転領域においては全閉とされる。
【0062】
また、上記第1吸気供給路43における上記合流部47よりも上記第1連通路41寄り位置には、該第1連通路41側の圧力が上記合流部47側の圧力よりも低い場合に開弁し、これと逆の場合には閉弁する一方向弁54が備えられている。さらに、上記第2吸気供給路44は、上記合流部47と上記第2連通路42との中間位置において分岐して第1負圧供給路45に接続されている。この第1負圧供給路45は、その一端がブレーキ用真空倍力装置の負圧タンク5に接続されるとともに、その通路途中には、上記第2連通路42側の圧力が上記負圧タンク5側の圧力よりも低い場合に開弁し、これと逆の場合には閉弁する一方向弁53が備えられている。
【0063】
尚、上記各絞り弁31〜34と上記流量制御弁51とは、ともに制御器(図示省略)からの制御信号を受けて作動制御される。
【0064】
続いて、この実施形態の吸気装置における負圧タンク5への吸気負圧の取り出しについて説明すると次の通りである。
【0065】
この吸気装置においては、二つの気筒群C1,C2の双方から吸気負圧を取り出すことができる。
【0066】
「第2気筒群C2からの負圧取り出し」
第2気筒群C2からの負圧取り出しは次のようにして行われる。即ち、第2気筒群C2に属し且つ吸気行程が連続しない2番気筒2及び3番気筒3においてはそれぞれその吸気行程において対応する各独立吸気通路22,23の上記各絞り弁32,33の下流側に負圧が生成される。そして、この2番気筒2及び3番気筒3での生成負圧は、第2吸気供給路44及び第1負圧供給路45を通り且つ上記一方向弁53を介して上記負圧タンク5側に供給される。
【0067】
この場合、上記第1気筒群C1側の第1吸気供給路43に設けた上記一方向弁54は、上記第2気筒群C2側の第2連通路42の圧力が該第2気筒群C2に属する上記2番気筒2及び3番気筒3の吸気行程時において上記第1気筒群C1側の第1連通路41の圧力よりも低いことから、閉弁作動し上記第1吸気供給路43は該一方向弁54により閉じられている。従って、上記第1気筒群C1の第1連通路41側の高い圧力が第2吸気供給路44側に流れることがなく、上記第2気筒群C2側の生成負圧は上記第1気筒群C1側の圧力によって弱められることなく高負圧を維持したまま上記負圧タンク5へ供給される。
【0068】
尚、低負荷時には上記流量制御弁51から吸気が供給されるので、該流量制御弁51から供給される吸気圧力によって上記第2気筒群C2の2番気筒2あるいは3番気筒3で生成される負圧が弱められることが懸念されるが、この流量制御弁51はデューティ制御によって絞り状態とされるので、上記生成負圧へ及ぼす影響は可及的に抑制され、上記負圧タンク5の負圧維持という点においてはほとんど問題を生じない。
【0069】
「第1気筒群C1からの負圧取り出し」
第1気筒群C1からの負圧取り出しは次のようにして行われる。即ち、第1気筒群C1に属し且つ吸気行程が連続しない1番気筒1及び4番気筒4においてはそれぞれその吸気行程において対応する各独立吸気通路21,24の上記各絞り弁31,34の下流側に負圧が生成される。そして、この1番気筒1及び4番気筒4での生成負圧は、第1吸気供給路43→第2吸気供給路44→第1負圧供給路45を経て且つ上記各一方向弁54,55を介して上記負圧タンク5側に供給される。この場合、低負荷時における上記第1気筒群C1側の各気筒1,4への吸気供給は、該一番気筒1及び4番気筒4の吸気行程時にはこれらの生成負圧によって上記一方向弁54が開いているので該一方向弁54を介して行われる。
【0070】
尚、上記第1気筒群C1の一番気筒1と4番気筒4とから負圧取り出しが行われる場合、これらを連通する上記第1連通路41側の圧力が、吸気行程にはなく比較的高い圧力となっている上記第2気筒群C2側の圧力によって弱められることになるが、この場合においても、例えば上記負圧タンク5の圧力が、上記第1気筒群C1側と第2気筒群C2との合成圧力よりも高い時には上記一方向弁53を介して上記第2気筒群C2に属する上記2番気筒2と3番気筒3とから負圧タンク5に負圧が供給されることとなり、結果的に全気筒が負圧供給に寄与する。これに対して、上記負圧タンク5の圧力がかなり低い場合には、上記第1気筒群C1に属する一番気筒1と4番気筒4からの負圧供給はなくなり、上記第2気筒群C2に属する2番気筒2と3番気筒3のみから負圧供給がなされる。また、上記負圧タンク5の圧力が設定負圧以下である場合には、上記一方向弁54が閉じるので、エンジン10側から負圧タンク5への負圧供給は全く無くなる。
【0071】
このように、上記第1気筒群C1側からの負圧供給時には、上記第2気筒群C2側からの負圧供給時ほどの強い負圧は供給できないが、この場合においても上記負圧タンク5の圧力に応じて、上記第1気筒群C1側からの負圧供給と、該第1気筒群C1側に加えて上記第2気筒群C2側からも負圧供給がなされることによってブレーキ用真空倍力装置を有効に機能させることができるものである。尚、例えば、第1気筒群C1側からの負圧供給時にも、上記第2気筒群C2側からの負圧供給時と同様の強い負圧を負圧タンク5へ供給するためには、上記第2吸気供給路44の上記第1負圧供給路45との分岐部と上記合流部47との間に上記一方向弁54と同様の機能をもつ一方向弁を配置すれば良い。
【0072】
以上のように、この実施形態の吸気装置においては、エンジン10の各気筒1〜4において生成される大きな吸気負圧(高負圧)を上記負圧タンク5に安定的に供給することができるものであるが、これに加えて、特に低負荷時においては各気筒間における吸気充填量のバラツキを可及的に抑制して高い運転性能をも確保することができるものである。即ち、各気筒1〜4のうち吸気順序が連続しない気筒同士で構成される気筒群C1,C2に属する各気筒1,4及び同2,3における独立吸気通路21〜24の上記絞り弁31〜34よりも下流側部位を相互に連通させる連通路41,42を設けるとともに、上記連通路41,42を介して連通された上記気筒群C1,C2における独立吸気通路21〜24の上記絞り弁31〜34よりも下流側部位を、一方向弁53を備えた負圧供給路45を介して負圧タンク5に接続しているので、譬え上記各絞り弁31〜34の閉弁時における絞り状態に固体差があったとしても、この固体差に基づく各気筒間における吸気充填量のバラツキは、上記各連通路41,42によって連通させて吸気量を平均化することで可及的に抑制され、それだけ気筒間における燃焼のバラツキが抑制され、良好な運転性あるいは出力性能が確保されることになる。
【0073】
また、このように吸気順序が連続しない気筒同士を連通路41,42で連通させる構成とすることで、第1に、例えば全気筒1〜4を相互に連通させる構成の場合に比して、連通する気筒数が少ないことから、吸気行程におけるピストンの降下によって吸気負圧の低下がもたらされる容積(即ち、吸気ポートの容積と連通路の容積との和)が小さくなり、それだけ生成される負圧は大きくなり、第2に、連通路41,42を介して接続された気筒間においては、一つの気筒が吸気行程にあって大きな負圧が生成されている時には、他の気筒の吸気弁は閉弁状態にあるので、上記一方の気筒における生成負圧は上記他の気筒における高い正圧と干渉してその生成負圧が弱められるということがなく、純粋に吸気行程中における生成負圧が得られ、これらの相乗効果としてより大きな吸気負圧の取り出しが可能となる。
【0074】
さらに、この実施形態の吸気装置においては、次のような特有の利点もある。
【0075】
即ち、上記第2気筒群C2に属する各気筒2,3を連通する上記第2連通路42から分岐された上記第2吸気供給路44を、さらにその途中で分岐させてこれを上記第1負圧供給路45に接続することで、該第1負圧供給路45と上記第2吸気供給路44との間においてそれらの通路の一部を共用するようにしているので、この共用される分だけ全体としての通路構成が簡略となり、延いてはコストダウンに寄与できるものである。
【0076】
また、上記各連通路41,42にその下流部がそれぞれ接続された上記各吸気供給路43,44をその上流側において合流させるとともに、該合流部47よりも上流側の上流部に一つの流量制御弁51を配置し、さらに、上記各吸気供給路43,44のうち上記第2気筒群C2側の第2吸気供給路44の下流部から上記負圧供給路45を分岐させてこれを上記負圧タンク5に接続する一方、上記第1気筒群C1側の上記第1吸気供給路43に上記一方向弁54を設けることで、上記各吸気供給路43,44との共用化による上記負圧供給路45のさらなる短小且つ簡略化が図れるものである。
【0077】
第2の実施形態
図2には、本願発明の第2の実施形態にかかる吸気装置を備えた自動車用4気筒エンジン10を示している。このエンジン10は4弁式エンジンであって、各気筒1〜4毎にそれぞれ一対の吸気ポート11,11〜14,14と一対の排気ポート15,15〜18,18が設けられている。
【0078】
上記各気筒1〜4の各吸気ポート11,11〜14,14には、それぞれ独立吸気通路21〜24が接続されている。そして、この各独立吸気通路21〜24は、その上流端がそれぞれサージタンク25に接続されるとともに該サージタンク25を介してさらに上流側の集合吸気通路20に接続されている。
【0079】
一方、上記各独立吸気通路21〜24の下流部には、該各独立吸気通路21〜24を貫通して設けられ且つアクチュエータ35により適宜回動される弁軸30を介して、それぞれ絞り弁31〜34が取り付けられている。これら各絞り弁31〜34は、上記各独立吸気通路21〜24を開閉するものであって、アイドル運転を含む低負荷運転領域においては最小開度とされ該各独立吸気通路21〜24を全閉とする一方、それ以外の運転領域では全開とされる。
【0080】
また、これら各気筒1〜4を吸気順序が連続しない気筒同士で二つの気筒群、即ち、一番気筒1と4番気筒4とでなる第1気筒群C1と、2番気筒2と3番気筒3とでなる第2気筒群C2とに分け、該第1気筒群C1に属する一番気筒1と4番気筒4とはこれらを第1連通路41により、第2気筒群C2に属する2番気筒2と3番気筒3とはこれらを第2連通路42により、それぞれ対応する独立吸気通路21〜24における上記各絞り弁31〜34よりも下流側部位において相互に連通せしめている。
【0081】
さらに、上記第1連通路41からは第1吸気供給路43が、また上記第2連通路42からは第2吸気供給路44が、それぞれ分岐されるとともに、該第1吸気供給路43と第2吸気供給路44とはその上流側の合流部47において合流し、一本の集合通路部48となって上記集合吸気通路20に接続されている。そして、この第1吸気供給路43と第2吸気供給路44における上記合流部47よりも上記各連通路41,42寄り部位には、該連通路41,42の通路面積、即ち、空気流量を増減調整する流量制御弁51,52がそれぞれ設けられている。この各流量制御弁51,52は、アイドル運転を含む低負荷運転領域においては所定の絞り状態で開弁し、それ以外の運転領域においては全閉とされる。
【0082】
また、上記第1吸気供給路43における上記流量制御弁51よりも上記第1連通路41寄り位置からは一方向弁53を備えた第1負圧供給路45が分岐され、また上記第2吸気供給路44における上記流量制御弁52よりも上記第2連通路42寄り位置からは一方向弁54を備えた第2負圧供給路46が分岐されている。そして、これら二つの負圧供給路45,46は、上記各一方向弁53,54よりも下流側において合流し且つブレーキ用真空倍力装置の負圧タンク5に接続されている。尚、上記各一方向弁53,54は、上記第1連通路41あるいは第2連通路42側の圧力が上記負圧タンク5側の圧力よりも低い場合にそれぞれ開弁し、これと逆の場合にはそれぞれ閉弁するようになっている。
【0083】
尚、上記各絞り弁31〜34と上記流量制御弁51とは、ともに制御器(図示省略)からの制御信号を受けて作動制御される。
【0084】
続いて、この実施形態の吸気装置における負圧タンク5への吸気負圧の取り出しについて説明すると次の通りである。
【0085】
この吸気装置においては、二つの気筒群C1,C2の双方から吸気負圧を取り出すことができる。
【0086】
「第2気筒群C2からの負圧取り出し」
第2気筒群C2からの負圧取り出しは次のようにして行われる。即ち、第2気筒群C2に属し且つ吸気行程が連続しない2番気筒2及び3番気筒3においてはそれぞれその吸気行程において対応する各独立吸気通路22,23の上記各絞り弁32,33の下流側に負圧が生成される。そして、この2番気筒2及び3番気筒3での生成負圧は、第2吸気供給路44及び第2負圧供給路46を通り且つ上記一方向弁54を介して上記負圧タンク5側に供給される。
【0087】
この場合、上記第1気筒群C1側の第1吸気供給路43から分岐した上記第1負圧供給路45に設けられた上記一方向弁53は、該第1気筒群C1に属する各気筒1,4が吸気行程ではなく上記第1連通路41側の圧力が上記負圧タンク5側の圧力よりも高いことから閉弁している。従って、上記第1気筒群C1の第1連通路41側の高い圧力が上記第1負圧供給路45を通って上記第2負圧供給路46側の負圧と合成されて弱められるということはなく、上記負圧タンク5には上記第2気筒群C2側の強い生成負圧がそのまま供給されることになる。
【0088】
尚、低負荷時には上記第2吸気供給路44に設けた流量制御弁52を介して上記第2連通路42側に吸気が供給されるので、この供給される吸気圧力によって上記第2気筒群C2側において生成される負圧が弱められることも懸念されるが、この流量制御弁52はデューティ制御によって絞り状態とされるので、上記生成負圧へ及ぼす影響は可及的に抑制され、上記負圧タンク5の負圧維持という点においてはほとんど問題を生じない。
【0089】
「第1気筒群C1からの負圧取り出し」
第1気筒群C1からの負圧取り出しは、上記第2気筒群C2側からの負圧取り出しと同様に行われる。即ち、第1気筒群C1に属し且つ吸気行程が連続しない1番気筒1及び4番気筒4においてはそれぞれその吸気行程において対応する各独立吸気通路21,24の上記各絞り弁31,34の下流側に負圧が生成される。そして、この1番気筒1及び4番気筒4での生成負圧は、第1吸気供給路43及び第1負圧供給路45を通り且つ上記一方向弁53を介して上記負圧タンク5側に供給される。
【0090】
この場合、上記第2気筒群C2側の第2吸気供給路44から分岐した上記第2負圧供給路46に設けられた上記一方向弁54は、該第2気筒群C2に属する各気筒2,3が吸気行程ではなく上記第2連通路42側の圧力が上記負圧タンク5側の圧力よりも高いことから閉弁している。従って、上記第2気筒群C2の第2連通路42側の高い圧力が上記第2負圧供給路46を通って上記第1負圧供給路45側の負圧と合成されて弱められるということはなく、上記負圧タンク5には上記第1気筒群C1側の強い生成負圧がそのまま供給されることになる。
【0091】
尚、低負荷時には上記第1吸気供給路43に設けた流量制御弁51を介して上記第1連通路41側に吸気が供給されるので、この供給される吸気圧力によって上記第1気筒群C1側において生成される負圧が弱められることも懸念されるが、この流量制御弁51はデューティ制御によって絞り状態とされるので、上記生成負圧へ及ぼす影響は可及的に抑制され、上記負圧タンク5の負圧維持という点においてはほとんど問題を生じない。
【0092】
以上のように、この実施形態の吸気装置においては、上記第1の実施形態における吸気装置の場合と同様に、エンジン10の各気筒1〜4において生成される大きな吸気負圧(高負圧)を上記負圧タンク5に安定的に供給することができるとともに、これに加えて、特に低負荷時においては各気筒間における吸気充填量のバラツキを可及的に抑制して高い運転性能をも確保することができること等も同様である。
【0093】
尚、図3には、上記第2の実施形態にかかる吸気装置における吸気供給系の変形例を示している。このものにおいては、上記第1吸気供給路43と第2吸気供給路44との合流部47に、上記集合通路部48の通路面積を変更調整するようにして流量制御弁51を配置している。
【0094】
このような構成とすることで、例えば上記各吸気供給路43,44のそれぞれに流量制御弁を備える場合に比して、該流量制御弁の数が少ない分だけコストダウンが図れる。また、各負圧供給路45,46がそれぞれ上記各吸気供給路43,44を介して連通するため各気筒側において生成された吸気負圧が上記吸気供給路43,44を通して導入される大気圧に近い圧力の吸気によって希釈されることになるが、この場合、上記各吸気供給路43,44がその合流部47に設けた上記流量制御弁51によって絞られることから希釈の影響は少なく、大きい吸気負圧を得ることが可能である。
【0095】
第3の実施形態
図4には、本願発明の第3の実施形態にかかる吸気装置を備えた自動車用4気筒エンジン10を示している。このエンジン10は、所謂、吸気2弁、排気2弁の4弁式エンジンであって、各気筒1〜4毎にそれぞれ一対の吸気ポート11,11〜14,14と一対の排気ポート15,15〜18,18が設けられている。上記各気筒1〜4の各吸気ポート11,11〜14,14には、それぞれ独立吸気通路21〜24が接続されている。そして、この各独立吸気通路21〜24は、その上流端がそれぞれサージタンク25に接続されるとともに該サージタンク25を介してさらに上流側の集合吸気通路20に接続されている。
【0096】
一方、上記各独立吸気通路21〜24の下流部には、該各独立吸気通路21〜24を貫通して設けられ且つアクチュエータ35により適宜回動される弁軸30を介して、それぞれ絞り弁31〜34が取り付けられている。これら各絞り弁31〜34は、上記各独立吸気通路21〜24を開閉するものであるが、この実施形態のものにおいては、該各絞り弁31〜34は、アイドル運転を含む低負荷運転領域においてはアイドル運転等に必要な吸気量を確保し得る最小開度とされる一方、それ以外の運転領域においては全開とされる。従って、この実施形態のものにおいては、上記各実施形態の如く「吸気供給路」は設けられていない。
【0097】
また、これら各気筒1〜4を吸気順序が連続しない気筒同士で二つの気筒群、即ち、一番気筒1と4番気筒4でなる第1気筒群C1と、2番気筒2と3番気筒3とでなる第2気筒群C2とに分け、第1気筒群C1に属する一番気筒1と4番気筒4とはこれらを第1連通路41により、第2気筒群C2に属する2番気筒2と3番気筒3とはこれらを第2連通路42により、それぞれ対応する独立吸気通路21〜24における上記各絞り弁31〜34よりも下流側部位において相互に連通せしめている。
【0098】
さらに、上記第1連通路41により連通された上記一番気筒1の独立吸気通路21と4番気筒4の独立吸気通路24のうち、ブレーキ用真空倍力装置の負圧タンク5に近い側にある4番気筒4の独立吸気通路24における上記絞り弁34よりも下流側部位からは、一方向弁53を備えた第1負圧供給路45が分岐されている。また、上記第2連通路42により連通された上記2番気筒2の独立吸気通路22と3番気筒3の独立吸気通路23のうち、上記負圧タンク5に近い側にある3番気筒3の独立吸気通路23における上記絞り弁33よりも下流側部位からは、一方向弁54を備えた第2負圧供給路46が分岐されている。そして、この第1負圧供給路45と第2負圧供給路46とは、上記各一方向弁53,54よりも下流側において合流し且つ上記負圧タンク5に接続されている。
【0099】
この実施形態にかかる吸気装置においては、上記各実施形態の吸気装置と同様に、上記第1気筒群C1に属する各気筒1,4と第2気筒群C2に属する各気筒2,3とをそれぞれ第1連通路41及び第2連通路42によって連通させたことで上記各31〜34の閉弁状態における各気筒間における吸気充填量のバラツキを可及的に抑制して良好な運転性を実現できるとともに、上記第1気筒群C1側と第2気筒群C2側とからそれぞれ強い吸気負圧を負圧タンク5に供給することができるものである。
【0100】
かかる共通の効果に加えて、この実施形態の吸気装置においては、上記第1気筒群C1側の生成負圧を上記負圧タンク5に供給するための第1負圧供給路45の負圧取出口と、上記第2気筒群C2側の生成負圧を上記負圧タンク5に供給するための第2負圧供給路46の負圧取出口とを、それぞれ各気筒群C1,C2に属する各気筒のうち上記負圧タンク5に近い側の気筒、具体的には上記第1気筒群C1側にあっては上記4番気筒4、上記第2気筒群C2側にあっては上記3番気筒3にそれぞれ接続される各独立吸気通路23,24の各絞り弁33,34下流側部位のみに接続している。かかる特有の構成により、上記負圧タンク5に近い気筒からより大きなピーク値の吸気負圧を取り出すことができ、それだけ負圧取り出しの効率化が図れるものである。また、負圧供給路45,46の長さが短くて良く且つ管路配置上において迂回の必要な独立吸気通路の数も少ないことから、該負圧供給路45,46のレイアウト上における自由度が高く、それだけレイアウト設計の容易化が期待できるものである。
【0101】
第4の実施形態
図5には、本願発明の第4の実施形態にかかる吸気装置を備えた自動車用4気筒エンジン10を示している。この実施形態は、上記第1の実施形態の変形例とも言うべきものであって、その基本構成は上記第1の実施形態のものと同様であって、この第1の実施形態におけるシステムと異なる点は、該第1の実施形態においては負圧供給路45に設けられていた一方向弁53を、該負圧供給路45の上記第2吸気供給路44との分岐部よりも第2連通路42寄り位置に設けた点である。
【0102】
かかる一方向弁53の配置構成とすることで、上記第1の実施形態の場合と同様に全気筒から吸気負圧を取り出すことができるのに加えて、特に上記第1気筒群C1からの負圧取り出し時には、以下に述べるように、上記第1実施形態の場合よりもさらに大きな吸気負圧を取り出すことが可能となるものである。
【0103】
「第2気筒群C2からの負圧取り出し」
第2気筒群C2からの負圧取り出しは次のようにして行われる。即ち、第2気筒群C2に属し且つ吸気行程が連続しない2番気筒2及び3番気筒3においてはそれぞれその吸気行程において対応する各独立吸気通路22,23の上記各絞り弁32,33の下流側に負圧が生成される。そして、この2番気筒2及び3番気筒3での生成負圧は、第2吸気供給路44及び一方向弁53を経て第1負圧供給路45から上記負圧タンク5側に供給される。
【0104】
この場合、上記第1気筒群C1側の第1吸気供給路43に設けた上記一方向弁54は、上記第2気筒群C2側の第2連通路42の圧力が該第2気筒群C2に属する上記2番気筒2及び3番気筒3の吸気行程時において上記第1気筒群C1側の第1連通路41の圧力よりも低いことから、閉弁作動し上記第1吸気供給路43は該一方向弁54により閉じられている。従って、上記第1気筒群C1の第1連通路41側の高い圧力が第2吸気供給路44側に流れることがなく、上記第2気筒群C2側の生成負圧は上記第1気筒群C1側の圧力によって弱められることなく高負圧を維持したまま上記負圧タンク5へ供給される。
【0105】
ところで、低負荷時には上記流量制御弁51を介して吸気が供給されるので、該流量制御弁51から供給される吸気圧力によって上記第2気筒群C2の2番気筒2あるいは3番気筒3で生成される負圧が弱められることが懸念されるが、この流量制御弁51はデューティ制御によって絞り状態とされるので、上記生成負圧へ及ぼす影響は可及的に抑制され、上記負圧タンク5の負圧維持という点においてはほとんど問題を生じない。
【0106】
「第1気筒群C1からの負圧取り出し」
第1気筒群C1からの負圧取り出しは次のようにして行われる。即ち、第1気筒群C1に属し且つ吸気行程が連続しない1番気筒1及び4番気筒4においてはそれぞれその吸気行程において対応する各独立吸気通路21,24の上記各絞り弁31,34の下流側に負圧が生成される。そして、この1番気筒1及び4番気筒4での生成負圧は、第1吸気供給路43→第2吸気供給路44→第1負圧供給路45を経て且つ上記一方向弁54を介して上記負圧タンク5側に供給される。この場合、低負荷時における上記第1気筒群C1側の各気筒1,4への吸気供給は、該一番気筒1及び4番気筒4の吸気行程時にはこれらの生成負圧によって上記一方向弁54が開いているので該一方向弁54を介して行われる。
【0107】
ところで、上記第1気筒群C1の一番気筒1と4番気筒4とから負圧取り出しが行われる時には、上記第2気筒群C2側は吸気行程にはなくその圧力が高くなっている。この場合、上記第2気筒群C2側の第2連通路42に接続する上記第2吸気供給路44の上記第1負圧供給路45との分岐部よりも該第2連通路42寄り位置に上記一方向弁53が設けられており、且つこの一方向弁53は上記第2連通路42側の圧力が上記負圧タンク5側の圧力よりも高く閉弁状態にあるので、例えば第2気筒群C2側からの高い圧力によって第1気筒群C1側の生成負圧が干渉を受けてその負圧が低下するということが未然に且つ確実に防止される。従って、上記第1気筒群C1側の純粋な生成負圧をそのまま上記負圧タンク5に供給することが可能となり、上記負圧タンク5に上記第1の実施形態の場合よりもさらに大きい負圧を供給することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の第1の実施形態にかかる吸気装置のシステム図である。
【図2】 本願発明の第2の実施形態にかかる吸気装置のシステム図である。
【図3】 図2に示した吸気装置における流量制御弁部分の変形構造例を示す断面図である。
【図4】 本願発明の第3の実施形態にかかる吸気装置のシステム図である。
【図5】 本願発明の第4の実施形態にかかる吸気装置のシステム図である。
【図6】 多気筒エンジンにおける吸気負圧の特性説明図である。
【図7】 吸気負圧特性の比較図である。
【図8】 吸・排気弁のオーバラップ説明図である。
【図9】 オーバラップ状態に対応した吸気負圧の生成状態説明図である。
【符号の説明】
1〜4は気筒、5は負圧タンク、10はエンジン、11〜14は吸気ポート、15〜18は排気ポート、20は集合吸気通路、21〜24は独立吸気通路、25はサージタンク、30は弁軸、31〜34は絞り弁、35はアクチュエータ、41及び42は連通路、43及び44は吸気供給路、45及び46は負圧供給路、47は合流部、48は集合通路部、51及び52は流量制御弁、53及び54は一方向弁、C1及びC2は気筒群である。

Claims (9)

  1. 複数の気筒毎に吸気弁と排気弁の開弁オーバラップ期間を設け且つ該開弁オーバラップ期間はこれを少なくともエンジン低負荷域において燃焼室内の燃焼ガスが吸気ポートに吹き返されるような値に設定する一方、
    上記複数の気筒のそれぞれに独立して接続された各独立吸気通路にはエンジン低負荷域において閉じる絞り弁をそれぞれ設け、
    さらに上記独立吸気通路における上記絞り弁よりも下流側部位とブレーキ用真空倍力装置の負圧タンクとを負圧供給路で接続するとともに、
    上記負圧供給路には負圧タンク側に対して負圧取出口の圧力が低い時にのみ開弁する一方向弁を備えてなる多気筒エンジンの吸気装置であって、
    上記複数の気筒の全てを吸気順序の連続しない気筒同士からなる気筒群に分けてこれら各気筒群に属する各気筒における上記各独立吸気通路の上記絞り弁よりも下流側部位をそれぞれ連通路により連通させるとともに、
    上記連通路を介して連通された上記気筒群における独立吸気通路の上記絞り弁よりも下流側部位を、一方向弁を備えた上記負圧供給路を介して上記負圧タンクに接続し、
    さらに、上記各連通路と上記独立吸気通路における上記絞り弁よりも上流側部位とを流量制御弁を備えた吸気供給路を介して接続するとともに、
    上記吸気供給路を上記流量制御弁よりも下流側部位において分岐させてこれを上記負圧供給路に接続したことを特徴とする多気筒エンジンの吸気装置。
  2. 複数の気筒のそれぞれに独立して接続された各独立吸気通路にはエンジン低負荷域において閉じる絞り弁をそれぞれ設ける一方、
    上記独立吸気通路における上記絞り弁よりも下流側部位とブレーキ用真空倍力装置の負圧タンクとを負圧供給路で接続するとともに、
    上記負圧供給路には負圧タンク側に対して負圧取出口の圧力が低い時にのみ開弁する一方向弁を備えてなる多気筒エンジンの吸気装置であって、
    上記各気筒における吸気弁の閉弁タイミングをバルブリフト量1mmの時点で下死点後50°CA以上に設定するとともに、
    上記複数の気筒の全てを吸気順序の連続しない気筒同士からなる気筒群に分けてこれら各気筒群に属する各気筒における上記各独立吸気通路の上記絞り弁よりも下流側部位をそれぞれ連通路により連通させる一方、
    上記連通路を介して連通された上記気筒群における独立吸気通路の上記絞り弁よりも下流側部位を、一方向弁を備えた上記負圧供給路を介して上記負圧タンクに接続し、
    さらに、上記各連通路と上記独立吸気通路における上記絞り弁よりも上流側部位とを流量制御弁を備えた吸気供給路を介して接続するとともに、
    上記吸気供給路を上記流量制御弁よりも下流側部位において分岐させてこれを上記負圧供給路に接続したことを特徴とする多気筒エンジンの吸気装置。
  3. 請求項1において、
    上記吸気弁と排気弁の開弁オーバラップ期間を、吸気上死点前における期間が吸気上死点後における期間よりも長くなるように設定したことを特徴とする多気筒エンジンの吸気装置。
  4. 請求項1又は2において、
    上記流量制御弁よりも下流側部位において分岐させた上記両吸気供給路のうちの一方の吸気供給路から上記負圧供給路を分岐させてこれを上記負圧タンクに接続する一方、
    上記一方の吸気供給路における上記負圧供給路への分岐部から他方の吸気供給路の下流部における上記連通路への接続部までの間に、上記一方の吸気供給路における上記負圧供給路への分岐部から上記他方の吸気供給路の下流部側への空気流通のみを許容する一方向弁を設けたことを特徴とする多気筒エンジンの吸気装置。
  5. 請求項1又は2において、
    上記負圧供給路が上記連通路から分岐して上記負圧タンクに接続されていることを特徴とする多気筒エンジンの吸気装置。
  6. 請求項5において、
    全ての上記連通路からそれぞれ上記負圧供給路を分岐させるとともに、
    該各負圧供給路を該各負圧供給路にそれぞれ設けられた上記各一方向弁よりも上記各連通路寄り側からさらに分岐させて該分岐部と上記独立吸気通路における上記絞り弁よりも上流側部位とを流量制御弁を備えた吸気供給路を介して接続したことを特徴とする多気筒エンジンの吸気装置。
  7. 請求項6において、
    上記各負圧供給路から分岐した上記各吸気供給路をその上流側部位において合流させるとともに、
    この合流部に一つの流量制御弁を配置し、該一つの流量制御弁によって上記各吸気供給路の流量を制御するようにしたことを特徴とする多気筒エンジンの吸気装置。
  8. 請求項1又は2において、
    上記連通路を介して連通される複数の気筒のうちのいずれか一つの気筒における独立吸気通路の上記絞り弁よりも下流側部位のみから上記負圧供給路を分岐させてこれを上記負圧タンクに接続したことを特徴とする多気筒エンジンの吸気装置。
  9. 請求項1又は2において、
    上記各連通路のうちの一方の連通路と上記独立吸気通路における上記絞り弁よりも上流側部位とを流量制御弁を備えた吸気供給路を介して接続し、他方の連通路に上記負圧供給路を接続するとともに、
    上記吸気供給路を上記流量制御弁よりも下流側部位において分岐させてこの分岐通路を上記負圧供給路の中途部に接続し、
    さらに、上記負圧供給路における上記他方の連通路接続部から上記中途部までの間に上記負圧供給路に介在される第1の一方向弁を配置する一方、
    上記吸気供給路の上記下流側部位における上記分岐通路から上記一方の連通路ヘの接続部までの間に、上記分岐通路側から上記一方の連通路ヘの接続部側への空気流通のみを許容する第2の一方向弁を設けたことを特徴とする多気筒エンジンの吸気装置。
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