JP4186800B2 - 圧縮着火内燃機関 - Google Patents
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Description
圧縮着火燃焼と火花点火燃焼とを切り替えて行う圧縮着火内燃機関において、吸気通路及び排気通路が連通される燃焼室と、排気通路中に設けられ、排気通路の開閉を行う排気手段と、吸気通路中に設けられ、カムにより駆動されて吸気通路の開閉を行うと共に、圧縮着火燃焼時及び火花点火燃焼時のそれぞれの排気行程中と吸気行程中との一方または両方で吸気通路を開く吸気側弁手段と、吸気通路中に設けられ、少なくとも圧縮着火燃焼時の排気行程中に開弁すると共に、火花点火燃焼時の排気行程中の少なくとも前記吸気側弁手段が開いている間は閉弁することで、燃焼室への排気ガスの還流を制御する排気ガス還流制御手段とを備えることを特徴とする。
図1に、実施の形態1に係る圧縮着火内燃機関として、ガスエンジンヒートポンプ(GHP)等に使用される圧縮着火エンジンの1つの燃焼室近傍を平面的にみた模式図を示す。エンジンの燃焼室1に吸気通路2及び排気通路3が接続されている。吸気通路2は、吸気合流路4とその先端で2つに分岐した第1吸気分岐路5a及び第2吸気分岐路5bとからなり、これら2つの吸気分岐路5a及び5bが第1吸気口6a及び第2吸気口6bを介してそれぞれ燃焼室1に連通されている。また、吸気合流路4には燃料供給通路4aが連通されており、燃料であるガスが燃料供給通路4aを通って吸気通路に供給される。これにより、燃料と空気とが燃焼室1への流入前に予め混合された後に燃焼室1内にて圧縮着火燃焼される、いわゆる予混合圧縮着火燃焼が行われる。一方、排気通路3は、排気合流路7と、その先端で2つに分岐した第1排気分岐路8a及び第2排気分岐路8bとを備えている。
また、カムを介してバルブを開閉駆動することは、既存のエンジンに多く使用されているため、大幅な改造をすることなく、既存のカム式のエンジンを流用することができる。
加えて、本発明の圧縮着火エンジンでは、従来のようにコストが非常に高い電磁バルブ式の駆動装置を使用しないため、エンジン全体のコストを低く抑えられる。
次に、本発明の実施の形態2を説明する。この実施の形態2の圧縮着火エンジンは、図1に示した実施の形態1の圧縮着火エンジンにおいて、第2吸気バルブ11が吸気行程中も第1吸気バルブ10と同様に開くようにしたものである。すなわち、一例として、図2において、排気行程では第2吸気バルブ11が実施の形態1と同様に符号Fのようなタイミング・リフト量で開かれ、吸気行程では、第1吸気バルブ10及び第2吸気バルブ11の双方が符号Dのようなタイミング・リフト量で開かれる。第2吸気バルブ11のこのような開閉動作は、突起を二つ有する2段カムを第2吸気バルブ11用のカムとして用いることで実現される。また、本実施の形態では、火花点火燃焼時の吸気行程中には第2吸気バルブ11に吸気機能を発揮させ、且つ、火花点火燃焼時の排気行程中には第2吸気バルブ11が開弁していても排気ガスが吸気合流路4へと排出されないようにする必要があることから、切替弁15は火花点火燃焼時の排気行程中のみ閉じるようにしている。また、図1においては、構成の明瞭性を優先するため、切替弁15と第2吸気バルブ11とがある程度離されて図示されているが、実際には両者は極めて接近して配置されているものとする。
さらに、本実施の形態2では、吸気行程において第1吸気バルブ10だけでなく第2吸気バルブ11も開くことから、2つのバルブを使用して吸気することができ、より多量の吸気を効率よく行うことができる。
次に、本発明の実施の形態3を図6により説明する。この実施の形態3の圧縮着火エンジンは、上述した実施の形態において各燃焼室毎に設けられていた切替弁を、吸気系として一つだけ設ける態様で実施するものである。図6に示されるように、直列4気筒の圧縮着火エンジンにおいて、4つの燃焼室21には、吸気通路22及び排気通路24が接続されている。排気通路24は、各気筒の燃焼室21毎に2つ設けられる排気分岐路24aと、その上流で排気分岐路24aの合計8本分がまとめられる排気集合路24bとを備えている。排気絞り23は、かかる排気集合路24bに設けられている。
なお、本実施の形態は、後述する実施の形態と組み合せて実施することも当然可能であり、切替弁26は、バタフライタイプだけでなく揺動タイプ、シャッタータイプなど他の型式の弁手段を広く用いることができる。
次に、本発明の実施の形態4を図7によって説明する。この実施の形態4の圧縮着火エンジンは、上記の実施の形態1において、バタフライタイプの切替弁15に代えて、揺動タイプの弁体を備えた切替弁415を排気ガス還流制御手段の制御用弁手段として用いるものである。よって、他の構成については上記実施の形態1と同様であるものとする。切替弁415は、第1吸気分岐路5a及び第2吸気分岐路5bの叉部に設けられた支点415aと、かかる支点415aを中心に揺動可能な弁体415bとを備えている。そして、図中点線で示される位置に弁体415bが移動している状態で第1吸気分岐路5aが遮断され、図中実線で示される位置に弁体415bが移動している状態で第2吸気分岐路5bが遮断される。第1吸気バルブ10及び第2吸気バルブ11のそれぞれの開閉タイミングについては、上述した実施の形態の態様を適宜採り得るが、その代表例として図2のタイミング・リフト量を行うものとして説明する。
次に、図8をもとに本発明の実施の形態5を説明する。本実施の形態は、上述したバタフライタイプや揺動タイプの弁体を備えた切替弁から更に代わる、シャッタータイプの弁体を備えた切替弁を、排気ガス還流制御手段の制御用弁手段として用いるものである。よって、他の構成については上記実施の形態1等と同様であるものとする。また、図8は、シャッタータイプの弁構成の説明を優先するために図1の態様に対して吸気経路部分のみを立体的に図示し、また排気系統は図示省略している。燃焼室1の上部には、上記実施の形態と同様に第1吸気口6a及び第2吸気口6bが設けられている。これら第1吸気口6a及び第2吸気口6bには吸気通路502が接続される。吸気通路502は、第1吸気口6a及び第2吸気口6bの双方を包含するように両排気口に接続される単一管状の連通室505と、その上流に設けられている吸気本通路504とを備えている。連通室505内には、高さの低い仕切り551が立設されている。仕切り551は、第1吸気口6a及び第2吸気口6bが形成されている壁部であって連通室505の底面でもある底壁部553において、それら第1吸気口6a及び第2吸気口6bの間の部分から立ち上がっている。また、連通室505には、シャッターバルブ515が設けられている。シャッターバルブ515は、仕切り551と当接又は離隔するようにスライド可能に設けられる。シャッターバルブ515が閉弁状態すなわち仕切り551と当接状態にある場合には、連通室505内が燃焼室1を介さずには連通不能な第1吸気室505aと第2吸気室505bとに区分けされる。すなわち、シャッターバルブ515によって第1吸気口6a及び第2吸気口6bが相互に非連通状態となるように連通室505内が区切られる。シャッターバルブ515の閉弁状態では、第1吸気室505aは吸気本通路504と連通する部屋となり、第2吸気室505bは吸気本通路504とは隔離した部屋となる。
次に、本発明の実施の形態6を、図10を用いて説明する。この実施の形態6の圧縮着火エンジンは、上記の実施の形態1において、吸気バルブを二つではなく一つとしたものである。燃焼室1には1つの吸気口632が形成されており、この吸気口632に図示しない2段カムを介して開閉駆動される吸気側弁手段としての吸気バルブ631が配置されている。すなわち、吸気バルブ631は2段カムの作用によって排気行程と吸気行程との双方において開弁される。また、吸気口632には吸気通路633が接続されており、吸気通路633における吸気口632のごく近く(図10では図解の都合上、ある程度離して図示しているが)には、切替弁615が設けられている。切替弁615は、火花点火燃焼時において少なくとも排気行程中に吸気バルブ631が開弁する間だけ閉じられるようになっている。なお、吸気バルブ631の開閉態様については、図2、図4及び図5の各工程の開閉態様を適宜、選択・組み合せて実施することができる。
Claims (5)
- 圧縮着火燃焼と火花点火燃焼とを切り替えて行う圧縮着火内燃機関において、
吸気通路及び排気通路が連通される燃焼室と、
排気通路中に設けられ、排気通路の開閉を行う排気手段と、
吸気通路中に設けられ、カムにより駆動されて吸気通路の開閉を行うと共に、圧縮着火燃焼時及び火花点火燃焼時のそれぞれの排気行程中と吸気行程中との一方または両方で吸気通路を開く吸気側弁手段と、
吸気通路中に設けられ、少なくとも圧縮着火燃焼時の排気行程中に開弁すると共に、火花点火燃焼時の排気行程中の少なくとも前記吸気側弁手段が開いている間は閉弁することで、燃焼室への排気ガスの還流を制御する排気ガス還流制御手段と
を備えることを特徴とする圧縮着火内燃機関。 - 前記吸気通路は、燃焼室毎に設けられる合流路と、合流路の下流で分岐して燃焼室に連通する第1及び第2吸気分岐路とを備え、
前記吸気側弁手段は、第1吸気分岐路に設けられ、圧縮着火燃焼及び火花点火燃焼の両燃焼時において吸気行程のみ開く第1吸気バルブと、第2吸気分岐路に設けられ、両燃焼時において少なくとも排気行程に開く第2吸気バルブとを含み、
前記排気ガス還流制御手段は、第2吸気分岐路に設けられて火花点火燃焼時には第2吸気分岐路を常に遮断すると共に、圧縮着火燃焼時には第2吸気分岐路を常に開通する制御用弁手段である、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮着火内燃機関。 - 前記吸気側弁手段は、2段カムを介して排気行程及び吸気行程の両方で開く各燃焼室毎に設けられた単一の吸気バルブを含み、
前記排気ガス還流制御手段は、吸気通路に設けられて、吸気行程中に開いて吸気を行うと共に、火花点火燃焼時における排気行程の少なくとも前記吸気バルブが開弁する間、閉じて吸気通路を遮断する制御用弁手段である、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮着火内燃機関。 - 前記燃焼室は複数設けられており、
前記吸気側弁手段は、各燃焼室毎に設けられ少なくとも排気行程に開く複数の吸気バルブを含み、
前記吸気通路は、少なくとも排気行程に開く前記吸気バルブによって流路が開閉される複数の吸気分岐路と、これら吸気分岐路を一つにまとめる吸気合流路とを備え、
前記排気ガス還流制御手段は、吸気合流路に設けられて火花点火燃焼時における排気行程の少なくとも前記吸気バルブが開弁する間、吸気合流路を遮断する制御用弁手段である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の圧縮着火内燃機関。 - 前記燃焼室及び前記吸気通路は第1吸気口及び第2吸気口によって連通されており、
前記吸気通路は、その下流端部に、第1吸気口及び第2吸気口の双方を包含するように両吸気口に接続される単一管状の連通室を有し、
前記吸気側弁手段は、圧縮着火燃焼及び火花点火燃焼の両燃焼時において吸気行程のみ前記第1吸気口を開く第1吸気バルブと、少なくとも排気行程に前記第2吸気口を開く第2吸気バルブとを有し、
前記排気ガス還流制御手段は、閉弁時に第1吸気口及び第2吸気口が相互に非連通状態となるように前記連通室内を区切るシャッターバルブを有し、該シャッターバルブは、圧縮着火燃焼時の少なくとも排気行程に第1吸気口及び第2吸気口が相互に連通状態となるように開弁する、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮着火内燃機関。
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