JP3834439B2 - 暖房マット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、室内の壁や天井やフローリングの床等に配設されて室内の暖房を行うための暖房マットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フローリング等の床暖房を行う装置として、温水式の暖房マットが知られている。図5の(a)には本出願人が開発している暖房マットの一例が熱源器と共に示され、図5の(b)には上記図5の(a)に示す暖房マットの断面例が実線により示されている。これら図5の(a)、(b)に示すように、暖房マット1は板状のマット基材2を有し、このマット基材2には複数の小根太3が互いに間隔を介して並設され、また、暖房用の温度調整媒体である温水を通すパイプ4が1本以上(図5の(a)に示す例ではパイプ4aとパイプ4bの2本)上記小根太3を避けた部分に引き回されている。
【0003】
上記マット基材2にはヘッダー5が組み込まれている。このヘッダー5は上記パイプ4を外部配管6を介して熱源器7に連通接続させるものであり、図5の(a)に示す例では、熱源器7から外部配管6を介して供給された往きの湯を分流させてパイプ4aとパイプ4bに供給する機能と、パイプ4aから流れ出た湯水とパイプ4bから流れ出た湯水とを合流させ外部配管6を介して熱源器7に戻す機能とを持つものである。
【0004】
上記マット基材2は例えば約20倍の発泡度を持つポリスチレン等の発泡材料により形成されており、このマット基材2の表面には上記パイプ4を収容配設するための溝8が形成されている。この溝8に上記パイプ4が収容配設された後に、マット基材2の表面にはアルミ箔10が接着剤等を利用して貼り付けられている。
【0005】
図5の(b)に示すように、暖房マット1は、同図の点線に示すような床パネル14の上に敷設され、この暖房マット1の上側にはフローリング床材15が敷設されることとなる。上記フローリング床材15には釘16を打つ領域が定められており、その釘16が打たれる領域のほぼ下方側に暖房マット1の小根太3が配置されるように、小根太3間の間隔が定められて小根太3がマット基材2に配設されている。暖房マット1やフローリング床材15を敷設する際には、上記フローリング床材15の所定の釘打ち領域と暖房マット1の小根太3との位置が合うように、暖房マット1やフローリング床材15を敷設し、その後に、上記フローリング床材15の釘打ち領域に釘16を打ち、その釘16の先方側が下方側の小根太3に打ち込まれることによって、フローリング床材15が暖房マット1に固定される。
【0006】
ところで、上記マット基材2は、図5の(c)に示すように、表面(パイプ4収容用の溝8が形成されアルミ箔10が貼り付けられている面)が内側となるように巻き取られて梱包される場合がある。この梱包の際にマット基材2を巻き取り易くするために、本出願人は、マット基材2が巻き取られる際に外側となる面、つまり、マット基材2の裏面に、巻き取り方向にほぼ直交する方向に沿って図5の(b)、(c)に示すような溝12を複数本互いに間隔を介して形成することを提案している。
【0007】
図5の(b)、(c)に示す例では、マット基材2は上記小根太3とほぼ直交する方向に巻き取られ梱包されることとなるので、マット基材2を巻き取り易くするために、溝12は、マット基材2が巻き取られる際に外側となる裏面に上記小根太3とほぼ平行となる方向に沿ってマット基材2の一端側から他端側に掛けて形成されており、例えば、マット基材2の厚みDが12mmである場合には、上記溝12の深さdは約9mmに形成される。
【0008】
上記図5の(a)、(b)に示す暖房マット1は上記のように構成されている。熱源器7により作られた温水が上記外部配管6とヘッダー5を介してパイプ4a,4bに流れ込み、該温水がパイプ4a,4bを流れることによって、室内に温水の熱が放熱され、室内の暖房が行われる。そして、パイプ4a,4bを流れた湯水はヘッダー5と外部配管6を介して熱源器7に戻され、再び、熱源器7で加熱され、上記のように、外部配管6を通して暖房マット1に供給される。このように、暖房マット1はマット基材2に配設されたパイプ4内に熱源器7の温水を流すことによって室内の暖房を行う。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記構成の暖房マット1では、マット基材2の裏面に溝12を設けることにより、マット基材2を巻き取り易くすることができた。しかしながら、上記溝12を設けたことにより、次に示すような問題が生じる場合があることが分かった。
【0010】
その問題とは、溝12が形成されている部分のマット基材2は厚みが薄く、弱くなっているために、マット基材2を巻き取って梱包する場合のように、マット基材2が曲げられると、図6の(a)に示すように、上記溝12が形成されている部分のマット基材2にクラック13が発生してしまうという問題である。
【0011】
このように、クラック13が発生し該クラック発生部分でマット基材2が分離すると、夏季等の暑いときに上記暖房マット1を敷設した際に、小根太3間の間隔はクラック13が発生していない正常な状態での間隔よりも広くなってしまう。つまり、溝12が形成されている部分でマット基材2が分離していない状態では、夏季等に熱によってアルミ箔10が伸びても、暖房マット1の小根太3間の間隔は変化しないのに対して、上記のように、クラック13が発生し該クラック発生部分でマット基材2が分離した場合には、上記アルミ箔10の伸びと共に、小根太3間の間隔が上記アルミ箔10の伸びに応じて広がってしまうという問題が生じる。
【0012】
また、上記の如く、溝12が形成されている部分のマット基材2は厚みが薄く、弱くなっているために、圧縮方向の力が少し加えられただけで、例えば、図6の(c)に示すように、その部分のマット基材2は割れて互いにくい込み合い、アルミ箔10は盛り上がり、小根太3間の間隔Hは正常な状態よりも狭くなるという問題が生じる虞がある。
【0013】
上記のように、小根太3間の間隔が正常な状態よりも広くあるいは狭くなると、暖房マット1を敷設し、その上側にフローリング床材15を敷設した際に、フローリング床材15の釘16を打つための領域と、小根太3との位置が合わなくなり、このために、フローリング15の所定の釘打ち領域に釘16を打ったときに、その釘16の先方側が暖房マット1の小根太3を打つことができない場合があるという問題が生じる。特に、その釘16の先方側が小根太3を打てずにパイプ4を打ちパイプ4に穴を空けてしまった場合には、パイプ4に湯水を通したときに水漏れが発生し、重大な問題となる。
【0014】
また、上記のように、溝12が形成されている部分のマット基材2にクラック13が発生し該クラック発生部分でマット基材2が分離すると、例えば、暖房マット1を敷設した後に、図6の(b)に示すように、マット基材2はクラック発生部分に挟まれている領域がアルミ箔10から剥がれて落ち込んでしまうという問題が生じる。
【0015】
この発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、マット基材が巻き取られる際に外側となるマット基材の面に溝が形成されている場合に、その溝の形成に起因して小根太間の間隔が広がる、あるいは、狭められるのを防止し、かつ、マット基材が部分的に落ち込むのを回避することができる暖房マットを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためにこの発明は次に示す構成をもって前記課題を解決するための手段としている。すなわち、第1の発明は、板状のマット基材を有し、このマット基材は巻き取られて梱包される梱包形態を採り得る構成と成し、このマット基材の表面と裏面のうち、マット基材が巻き取られる際に外側となる面には巻き取り方向にほぼ直交する方向に沿って溝が複数本互いに間隔を介して設けられており、上記溝の内周面の少なくとも底側部分には補強用被膜が形成され、前記マット基材は発泡成分を含む発泡材料により形成されており、溝の内周面に形成された補強用被膜はマット基材の発泡材料の発泡度よりも発泡度が低い低発泡の膜である構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0018】
第2の発明は、上記第1の発明の構成を備え、低発泡の補強用被膜は溝の内周面を加熱溶融して発泡成分を減少させた加熱形成膜である構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0021】
第3の発明は、上記第1又は第2の発明の構成を備え、補強用被膜は溝の内周面に接着又は熱溶着結合している構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0022】
第4の発明は、上記第1〜第3の発明の何れか1つの発明の構成を備え、マット基材には複数の小根太が互いに間隔を介して溝とほぼ平行に配設され、また、暖房用の温度調整媒体を通すパイプが上記小根太を避けて配設されている構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0023】
上記構成の発明において、マット基材が巻き取られる際に外側となる側のマット基材の面には溝が形成され、この溝には該溝の内周面の少なくとも底側部分に補強用被膜が設けられている。この補強用被膜によって、例えば、マット基材が巻き取られ曲げられたときに上記溝が形成されている部分のマット基材にクラックが発生し難くなり、また、上記溝が形成されている部分のマット基材にクラックが発生したとしても、上記補強用被膜は、クラック発生部分でマット基材が分離するのを防止して、例えば、小根太間の間隔が広がるのを回避させ、また、マット基材が部分的に落ち込むのを防止する。さらに、上記補強用被膜によって、例えば、圧縮方向の力が加えられたときに上記溝が形成されている部分のマット基材が割れて互いにくい込んで小根太間の間隔が狭められるのを回避する。このように、上記溝に補強用被膜を形成することによって、前記溝形成に起因した問題を回避することができ、前記課題が解決される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づき説明する。
【0025】
図1には第1の実施形態例の暖房マットにおいて特徴的な構成部分が抜き出され断面図により模式的に示されている。なお、この第1の実施形態例の説明において、前記図5に示す暖房マットの構成部分と同一構成部分には同一符号を付し、その重複説明は省略する。
【0026】
この第1の実施形態例において特徴的なことは、図1に示すように、マット基材2を巻き取る際に外側となるマット基材2の裏面に溝12を形成し、この溝12の内周面には補強用被膜18が設けられていることである。それ以外の構成は前記図5に示す暖房マットと同様な構成である。
【0027】
この第1の実施形態例では、補強用被膜18は、例えば、約1mmの厚みを持ち、マット基材2が巻き取られ曲げられる際に、溝12が形成されている部分のマット基材2にクラック13が発生する発生率を格段に低減させることができ、また、圧縮方向の力が加えられた際に、溝12が形成されている部分のマット基材2が割れてくい込み合うのを防止でき、さらに、上記クラック13が発生したとしても、その部分でマット基材2が分離するのを防止して小根太3間の間隔が広がるのを回避すると共に、マット基材2を敷設した後にマット基材2が部分的に落ち込むのを回避することができる強度を備えている。
【0028】
この第1の実施形態例によれば、溝12の内周面に補強用被膜18を形成したので、マット基材2を巻き取って梱包する場合のようにマット基材2が曲げられた際に、溝12が形成されている部分のマット基材2に、クラック13が発生し難くなり、また、溝12の内周面に補強用被膜18を形成したので、マット基材2に圧縮方向の力が加えられた際に、溝12が形成されている部分のマット基材2を割れ難くし、前記溝12の形成に起因した小根太3間の間隔広・狭問題を回避することができる。
【0029】
また、上記クラック13が発生したとしても、その部分でマット基材2が分離するのを回避することができることとなり、マット基材2を敷設した後にマット基材2が部分的に落ち込むという問題を回避することができる。
【0031】
以下に、第2の実施形態例を説明する。この第2の実施形態例において特徴的なことは、図2に示すように、マット基材2が巻き取られる際に外側となるマット基材2の裏面に溝12を形成し、この溝12の内周面を含むマット基材2の裏面の全領域が裏面用シート20によって覆われていることである。それ以外の構成は前記第1の実施形態例と同様であり、前記第1の実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0033】
この第2の実施形態例では、次に示すようにして裏面用シート20がマット基材2の裏面に形成される。例えば、図3の(a)に示すように、溝8,12が形成されたマット基材2を用意し、溝12の内周面を含めたマット基材2の裏面に裏面用シート20を接着剤等により接着結合する。
【0034】
あるいは、マット基材2の成型工程で、マット基材2の成型を行うと同時にマット基材2の裏面に裏面用シート20を熱溶着結合させる。つまり、図3の(b)に示すように、マット基材2の成型工程では、マット基材の原材21を表裏両面側から型22a,22bで挟み込み、その状態でマット基材の原材21を加熱して溝8,12等が形成されたマット基材2に成型されるが、このマット基材2の成型工程で、マット基材2の裏面側となるマット基材の原材21部分に上記裏面用シート20を配置し、この状態で、上記のように、マット基材の原材21を表裏両面側から型22a,22bで挟み込んで加熱する。この加熱によりマット基材2の成型が成されると同時に裏面用シート20がマット基材2に熱溶着結合する。
【0035】
この第2の実施形態例によれば、マット基材2が巻き取られる際に外側となる裏面に溝12を形成し、この溝12の内周面を含む全領域に裏面用シート20を形成し、該裏面用シート20によって溝12に補強用被膜18を形成する構成を備えたので、前記第1の実施形態例と同様に、溝12が形成されている部分のマット基材2にクラック13を発生し難くできる。また、溝12が形成されている部分のマット基材2を割れ難くでき、溝12の形成に起因した小根太3間の間隔広・狭問題を防止することができる。
【0036】
さらに、上記クラック13が発生したとしても、そのクラック発生部分でマット基材2が分離するのを防止してマット基材2を敷設した後にマット基材2が部分的に落ち込むのを回避することができる。
【0037】
さらに、マット基材2の成型工程において、マット基材2の加熱成型を行うと同時に裏面用シート20をマット基材2に熱溶着させてマット基材2の裏面に裏面用シート20を結合させる場合には、裏面用シート20を形成するための工程を別に設ける必要が無く、製造工程の増加を防止することができる。
【0038】
上記各実施形態例において共通なことは補強用被膜18はマット基材2の発泡材料の発泡度よりも発泡度が低い低発泡の膜で形成されていることである。例えば、補強用被膜18は、溝12の内周面を加熱溶融してマット基材2の発泡材料から発泡成分を減少させた低発泡の加熱形成膜としてもよい。
【0040】
なお、この発明は上記各実施形態例に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、上記各実施形態例では、溝12の内周面の全面に補強用被膜18が形成されていたが、溝12の底側部分のみに補強用被膜18を形成するようにしてもよい。この場合には、溝12の底側部分のみに形成しても、溝12が形成されている部分のマット基材2でクラック発生や割れを抑制することができると共にその部分でマット基材2が分離するのを防止することができるような強度を持つ補強用被膜18が形成される。
【0041】
さらに、上記第2の実施形態例では、裏面用シート20は溝12の内周面を含むマット基材2の裏面の全領域に接着あるいは熱溶着結合されていたが、例えば、溝12の内周面の底側部分のみに裏面用シート20を接着あるいは熱溶着結合させるようにしてもよいし、また、溝12の内周面の全領域のみに裏面用シート20を接着あるいは熱溶着結合させるようにしてもよい。
【0042】
さらに、上記各実施形態例では、溝12はマット基材2の裏面に形成されていたが、この溝12はマット基材2が巻き取られ梱包される際に外側となる面に形成され、マット基材2の巻き取りを容易にするものであることから、マット基材2の表面(つまり、パイプ4収容用の溝8やアルミ箔10が形成される面)が外側となるようにマット基材2が巻き取られる梱包形態を採り得る場合には、上記溝12はマット基材2の表面に形成される。このように、マット基材2の表面に溝12が形成される場合にも、上記各実施形態例と同様に、溝12の内周面の少なくとも底側部分に補強用被膜18を形成することによって、上記各実施形態例に示したと同様の効果を得ることができる。
【0043】
さらに、上記各実施形態例では、マット基材2にはパイプ4が2本配設される構成であったが、マット基材2に配設されるパイプ4の本数は数に限定されるものではなく、1本でもよいし、3本以上でもよい。
【0044】
さらに、上記各実施形態例では、溝12はU字形状の溝であったが、溝12の形状は上記U字形状に限定されるものではなく、様々な形態を採り得る。
【0045】
さらに、上記各実施形態例では、図5の(a)に示すように、パイプ4の全てがマット基材2内に配設されるタイプの暖房マット1を例にして説明したが、例えば、図4に示すようなマット基材2を備えた暖房マット1にも本発明は適用することができる。上記図4に示す暖房マット1はマット基材2に加えて、小マット24a,24bを有しており、パイプ4をマット基材2と小マット24a,24bに亙り引き回す構成を有している。
【0046】
つまり、上記図4に示すマット基材2には複数の小根太3が互いに間隔を介して配設され、また、その小根太3と平行に直線状のパイプ収容用の溝8が複数本互いに間隔を介して形成されている。このように、マット基材2に形成されたパイプ収容用の溝8が全て直線状である場合には、例えば、パイプ4を上記溝8に収容しながらマット基材2内を引き回したときに、パイプ4のUターン部分4bはマット基材2から食み出すこととなる。上記小マット24a,24bにはそのようなパイプ4のUターン部分4bを収容するための溝25が形成されている。
【0047】
上記マット基材2には上記溝8にパイプ4が収容配設された後にその上側にアルミ箔10が形成される。このマット基材2は前記したと同様に小根太3とほぼ直交する方向に巻き取られて梱包される梱包形態を採り得る場合があり、そのような場合には、マット基材2を巻き取り易くするために、マット基材2には巻き取られる際に外側となる面に前記したような溝12が形成されることがある。この場合に、前記各実施形態例に示したと同様に、溝12の内周面の少なくとも底側部分に補強用被膜を形成することによって、上記各実施形態例と同様に、クラック発生に起因した問題発生を回避することができる。
【0048】
なお、図5に示す形態のマット基材2では、パイプ4を収容するための溝8と、マット基材2を巻き取り易くするための溝12とは交差して形成される部分があるが、上記図4に示すマット基材2では、上記パイプ4収容用の溝8と、マット基材2を巻き取り易くするための溝12とは平行的に設けられ、交差する部分は無い。
【0049】
さらに、上記各実施形態例では、暖房マット1を床に敷設して床暖房を行う例を示したが、室内の壁や天井に配設して室内の暖房を行うこともできるものである。
【0050】
【発明の効果】
この発明によれば、マット基材が巻き取られる際に外側となるマット基材の面には溝が複数本互いに間隔を介して設けられており、その溝の内周面の少なくとも底側部分には補強用被膜が形成されているので、マット基材が巻き取られる場合のようにマット基材が曲げられるときに、上記溝が形成されている部分のマット基材にクラックが発生するのを抑制し、クラック発生率を大幅に低減させることができる。
【0051】
また、溝が形成されている部分のマット基材にクラックが発生したとしても、上記補強用被膜によって、そのクラック発生部分でマット基材が分離するのを防止することができる。このように、溝が形成されている部分でマット基材が分離するのを防止することができることによって、マット基材が部分的に落ち込み、このことに起因してフローリング床が軋む等の問題を回避することができる。また、上記補強用被膜によって、圧縮方向の力が加えられたときに、溝が形成されている部分でマット基材が割れるのを防止することができる。マット基材に小根太が互いに間隔を介して配設されるものにあっては、小根太間の間隔が広がる・狭められるを回避することができ、小根太間の間隔広・狭に起因した問題発生を防止することができる。
【0052】
上記のように、溝の内周面の少なくとも底側部分に補強用被膜を形成することによって、前記溝形成に起因した問題を防止することができる。
【0053】
また、本発明においては、マット基材が発泡材料により形成されており、補強用被膜はそのマット基材の発泡材料の発泡度よりも発泡度が低い低発泡の膜であり、上記したような溝形成に起因した問題発生を回避することができる強度を持ちつつ、補強用被膜の薄膜化を図ることができる。
【0054】
溝の内周面を加熱溶融して発泡成分を減少させて形成した低発泡の補強用被膜が設けられているものにあっては、溝の内周面を加熱溶融するだけで補強用被膜を形成することができるので、補強用被膜を形成するための専用の材料を用意する必要がなく、暖房マットを製造するための材料コストの増加を抑制することができる。
【0055】
補強用被膜が溝の内周面に接着又は熱溶着結合しているものにあっては、簡単に補強用被膜を溝の内周面に結合形成することができる。また、マット基材が発泡材料により形成され、上記補強用被膜が溝の内周面に熱溶着結合している場合には、マット基材の加熱成型工程で、マット基材の成型と同時に補強用被膜を上記溝の内周面に熱溶着結合させることができ、製造工程の増加を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態例の暖房マットにおいて特徴的なマット基材部分を抜き出し模式的に示した断面図である。
【図2】第2の実施形態例の暖房マットにおいて特徴的なマット基材部分を抜き出し模式的に示した断面図である。
【図3】第2の実施形態例に示した補強用被膜をマット基材の裏面の溝に形成する形成手法例を示す説明図である。
【図4】マット基材のその他の例を示す斜視図である。
【図5】本発明者が開発している暖房マットの一例を示す説明図である。
【図6】マット基材を巻き取り梱包し易くするための溝をマット基材に形成した場合に生じる問題を示す説明図である。
【符号の説明】
1 暖房マット
2 マット基材
3 小根太
4 パイプ
12 溝
18 補強用被膜
20 裏面用シート
Claims (4)
- 板状のマット基材を有し、このマット基材は巻き取られて梱包される梱包形態を採り得る構成と成し、このマット基材の表面と裏面のうち、マット基材が巻き取られる際に外側となる面には巻き取り方向にほぼ直交する方向に沿って溝が複数本互いに間隔を介して設けられており、上記溝の内周面の少なくとも底側部分には補強用被膜が形成され、前記マット基材は発泡成分を含む発泡材料により形成されており、溝の内周面に形成された補強用被膜はマット基材の発泡材料の発泡度よりも発泡度が低い低発泡の膜であることを特徴とする暖房マット。
- 低発泡の補強用被膜は溝の内周面を加熱溶融して発泡成分を減少させた加熱形成膜であることを特徴とする請求項1記載の暖房マット。
- 補強用被膜は溝の内周面に接着又は熱溶着結合していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の暖房マット。
- マット基材には複数の小根太が互いに間隔を介して溝とほぼ平行に配設され、また、暖房用の温度調整媒体を通すパイプが上記小根太を避けて配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の暖房マット。
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