JP3833524B2 - フイルム製造装置および製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、定尺フイルムをスプールに巻き込んでなる巻回体をパトローネに組み込み、キャップを装着することで巻込パトローネとするフイルム製造装置および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、パトローネに収納された写真感光用フイルムは、フイルムロールから送り出されたフイルムストリップを所定長毎に切断して定尺フイルムとし、それをスプールに巻き込んで巻回体とし、この巻回体をパトローネに組み込んでキャップを装着する各工程を経て製造される。従って、フイルム製造装置の構成は、大型で複雑なものとなることが懸念される。
【0003】
そこで、特開平9−90571号公報に開示された従来技術では、装置を小型で簡易なものとすべく、供給されたスプールに対して定尺フイルムを巻き込む部位とパトローネにキャップを装着する部位との間で旋回移動するスプール/キャップ置換手段と、キャップを装着する部位に対してパトローネを供給するバケットと、キャップを装着する部位とキャップをパトローネにかしめる部位との間で旋回移動するパトローネ部品置換手段とを光密な装置枠内に収納した装置を提案している。
【0004】
しかしながら、この装置の場合、大きな移動範囲で旋回移動する2つの手段を用いて、装置の長手方向に少なくとも3つの作業ステーションを配置しているため、装置全体を大幅に小型化することが困難な構成となっている。また、該手段が旋回移動する間、フイルムの製造が中断されるため、製造効率を向上させることが困難である。
【0005】
一方、巻回体をパトローネに組み込み、キャップを装着して完成品としての巻込パトローネを製造するためには、次のような点を考慮する必要がある。
【0006】
例えば、巻回体は、定尺フイルムの端部をパトローネの外部に所定長露出した状態で組み込まなければならない。巻回体の直径は、スプールに巻き込まれる定尺フイルムの長さによって異なるため、巻回体における定尺フイルムの端部の直径方向に対する位置も定尺フイルムの長さに応じて変動する。従って、巻回体をパトローネに組み込む際には、定尺フイルムの長さを考慮することが必要になる。
【0007】
また、巻回体が組み込まれたパトローネに対してキャップを装着する場合、パトローネに配設された遮光用のリボンを適切に処理しておかないと、例えば、パトローネとキャップとの間に間隙が生じて完全な遮光性を得ることができず、不良品が発生する原因となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これらの点に鑑みてなされたものであり、小型で簡易に構成できるとともに、高い生産性を得ることのできる安価なフイルム製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、本発明装置は、定尺フイルムをスプールに巻き込んでなる巻回体をパトローネに組み込み、キャップを装着することで巻込パトローネとするフイルム製造装置において、
前記パトローネを位置決め保持し、循環搬送される複数のパレットと、
前記各パレットを循環搬送するパレット搬送機構と、
前記パレットの循環搬送路中に設けられ、前記パトローネを前記パレットに供給するパトローネ供給機構と、
前記パレットの循環搬送路中に設けられ、前記パレットに位置決め保持された前記パトローネに前記巻回体を組み込む巻回体組込機構と、
前記パレットの循環搬送路中に設けられ、前記巻回体が組み込まれた前記パトローネに前記キャップを装着するキャップ装着機構と、
前記パレットの循環搬送路中に設けられ、前記巻回体が組み込まれた前記パトローネに前記キャップを固定するキャップ固定機構と、
前記パレットの循環搬送路中に設けられ、前記キャップが固定された前記パトローネに収納された前記定尺フイルムの巻込状態を検査する巻込状態検査機構と、
前記パレットの循環搬送路中に設けられ、前記定尺フイルムの巻込状態が検査された前記巻込パトローネを前記パレットから取り出す取出機構と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明方法は、定尺フイルムをスプールに巻き込んでなる巻回体をパトローネに組み込み、キャップを装着することで巻込パトローネとするフイルム製造方法において、
循環搬送されるパレットに前記パトローネを供給して位置決めするステップと、
前記パレットに位置決め保持された前記パトローネの端部開口部に対し、前記スプールから所定長突出する前記定尺フイルムの端部を位置決めした状態で前記巻回体を組み込むステップと、
前記パレットに位置決め保持され、前記巻回体の組み込まれた前記パトローネの端部開口部に対し、前記キャップを装着するステップと、
前記パレットに位置決め保持された前記パトローネの端部開口部に対し、前記キャップを固定するステップと、
前記パレットに位置決め保持された前記キャップが固定された前記パトローネに収納された前記定尺フイルムの巻込状態を検査するステップと、
前記パレットに位置決め保持され、前記定尺フイルムの巻込状態が検査された前記巻込パトローネを前記パレットから取り出すステップと、
からなることを特徴とする。
【0011】
この場合、パレット搬送機構によって循環搬送されるパトローネに対して、巻回体組込機構による巻回体の組込処理、キャップ装着機構によるキャップの装着処理、キャップ固定機構によるキャップのパトローネに対する固定処理、キャップが固定されたパトローネ中の定尺フイルムの巻込状態の検査処理、検査後の巻込パトローネの取出処理が単一の循環搬送路上で順次行われ、完成品である巻込パトローネが製造される。
【0012】
なお、パレット搬送機構としては、シリンダ機構を所定の部位に配置し、連結されて循環搬送路を構成するパレットを、各処理に同期したタクト送りするように構成することで、機構の簡素化を図り、例えば、トラブル発生時等に対するメンテナンスを容易なものとすることができる。
【0013】
巻込パトローネの製造は、パトローネ等を循環搬送するコンパクトに集約された循環搬送路上で順次行われるため、装置の小型化が達成される。また、各処理部間でワークの置き換えを行うような処理あるいは置換装置が不要となり、その分、処理時間が短縮されて製造効率が向上するとともに、構成も簡易となり、コストダウンを図ることができる。
【0014】
また、巻回体組込機構においては、定尺フイルムの巻き込まれた巻回体を巻回体保持手段により保持し、この巻回体から所定長突出する定尺フイルムの端部を端部位置決め手段によって位置決めし、巻回体挿入手段によってパトローネに挿入する。この場合、定尺フイルムの端部が位置決めされているため、巻回体の直径によらず、種々の長さの定尺フイルムからなる巻回体を同じ巻回体組込機構によりパトローネに確実に組み込むことができる。
【0015】
さらに、キャップ装着機構においては、パトローネのストレート部とハゼ部とを第1パトローネ位置決め手段によって当接位置決めするとともに、ストレート部およびハゼ部間の遮光リボンを折り込んで位置決めすることにより、キャップ保持手段によって保持したキャップを前記パトローネの開口部に確実に装着し、且つ、完全な遮光状態を確保することができる。この場合、キャップ保持手段は、キャップを板体とばね部材とで保持することでその姿勢を維持しておき、板体側からキャップ装着手段を挿入し、ばね部材を変形させながらキャップをパトローネの開口部に装着する。
【0016】
なお、キャップ装着手段を変位させてキャップをパトローネに装着するとともに、キャップ装着手段の変位動作により第1パトローネ位置決め手段を変位させるように構成することで、1つの駆動源でキャップの位置決め処理および装着処理を行うことができるため、その構成および制御がより簡便なものとなる。
【0017】
さらにまた、キャップ固定機構においては、パトローネのストレート部とハゼ部とを第2パトローネ位置決め手段によって当接することにより、キャップのパトローネの開口部に対する固定処理を確実に遂行することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本実施形態のフイルム製造装置10の外観図である。このフイルム製造装置10では、概略、図2に示すようにして巻込パトローネ12を製造する。すなわち、未露光のフイルムロール14には、予めサイドプリントが潜像露光され、パーフォレーション16が穿孔されているとともに、フイルムサイズ(フイルム長さ)に応じた所定長毎にノッチ18が形成されている。このフイルムロール14から送り出されたフイルムストリップ14aは、所定長毎に切断されて定尺フイルム20とされ、次いで、スプール22に巻き込まれることで巻回体24が形成される。巻回体24は、一端部に予めキャップ26が装着されている片開パトローネ28に組み込まれ、他端部にキャップ30が装着されることで、巻込パトローネ12が製造される。
【0019】
以上のようにしてなる巻込パトローネ12を製造するフイルム製造装置10は、フイルムロール14を供給する供給ユニット32と、フイルムロール14から送り出されたフイルムストリップ14aをスプール22に巻き込んで巻回体24とする巻込ユニット34と、巻回体24を片開パトローネ28に挿入しキャップ30を装着することで巻込パトローネ12を組み立てる組立ユニット36とから基本的に構成される。
【0020】
供給ユニット32、巻込ユニット34および組立ユニット36は、光密な筐体38によって囲繞される。供給ユニット32の背面部には、フイルム製造装置10の全体の制御を行うための制御盤45が配設される。また、供給ユニット32の上部には、フイルム製造装置10の内部を監視するためのモニタ40が配設される。なお、モニタ40としては、CRTディスプレイ以外に、作業者の姿勢によらずに画像を確認することのできるヘッドマウントディスプレイを用いることもできる。
【0021】
巻込ユニット34の上部には、スプール22を巻込ユニット34に搬送するためのスプール搬送部42が配設される。このスプール搬送部42には、スプールフィーダ44からスプール22が供給される。なお、スプール搬送部42の上部には、オペレータがフイルム製造装置10の操作を行うための操作盤43が配設される。
【0022】
組立ユニット36の上部には、片開パトローネ28を組立ユニット36に搬送するためのパトローネ搬送部46が配設される。また、組立ユニット36の上部には、組立ユニット36の内部のキャップフィーダ(後述)に対し、キャップ供給通路47を介してキャップ30を供給するためのホッパ48が配設される。さらに、組立ユニット36の側部には、製造された巻込パトローネ12を外部に搬出するための巻込パトローネ搬出部50が配設される。
【0023】
なお、フイルム製造装置10による巻込パトローネ12の生産量等によっては、スプール22を作業者により直接スプール搬送部42に供給するように構成し、スプールフィーダ44を省略することも可能である。また、パトローネ搬送部46に対して片開パトローネ28を自動供給するパトローネフィーダを連結することも可能である。
【0024】
筐体38の前面には、内部のメンテナンス等を行うための扉52a〜52cが供給ユニット32、巻込ユニット34および組立ユニット36に対応して設けられる。各扉52a〜52cには、図3に示すように、作業者が光密な状態で内部の調整作業を行うことのできる遮光性袋手段54a〜54hが配設される。また、供給ユニット32の側部には、フイルムロール14を収納した遮光マガジン(後述)を供給するための扉52dが設けられる。
【0025】
供給ユニット32および組立ユニット36には、外部の空調設備に連結され定温定湿に制御された空調風を給排気するためのダクト68a、68bが配設される。なお、一方のダクト68aまたは68bから空調風を供給し、他方のダクト68aまたは68bから排気用フィルタを介して空調風を排気する構成とすることもできる。
【0026】
遮光性袋手段54a〜54hは、各扉52a〜52cに形成した作業用孔部56a〜56cにブラケット58を介して装着される。遮光性袋手段54a〜54dは、フイルム製造装置10の外側に配設され、遮光性袋手段54e〜54hは、フイルム製造装置10の内側に配設される。各遮光性袋手段54a〜54hは、内部に配設される袋体60aと外部に配設される袋体60bとの二重構造となっており、各開口部は、外光の侵入を阻止すべくゴムバンド62a、62bによって縮小状態とされる。
【0027】
図4は、フイルム製造装置10の内部の全体構成図である。この場合、筐体38の下部には、フイルム製造装置10を移送するためのキャスタ64a〜64d(移送手段)が配設される。また、各キャスタ64a〜64dの近傍には、フイルム製造装置10に設けられ、フイルム製造装置10を所定位置に固定するためのジャッキボルト66a〜66dが配設される。また、巻込ユニット34および組立ユニット36には、内部を監視するための監視用カメラ67a、67bが配設される。これらの監視用カメラ67a、67bは、感光性のフイルムに影響を与えない赤外照明光によって内部を撮像可能な暗視カメラによって構成される。監視用カメラ67a、67bによって撮像された画像は、筐体38の上部に配設されたモニタ40に表示される。
【0028】
供給ユニット32は、フイルムロール14を光密に保持する遮光マガジン70を支持する支持機構72と、フイルムロール14を回転させてフイルムストリップ14aを送り出す送出機構74とを備える。フイルムロール14から送り出されたフイルムストリップ14aは、2つのローラ76a、76bを介して巻込ユニット34に供給される。
【0029】
巻込ユニット34は、供給ユニット32から供給されたフイルムストリップ14aの供給量を調整するバッファ機構78と、フイルムストリップ14aを定尺送りするための送り機構80と、フイルムストリップ14aを切断して定尺フイルム20を得る切断機構82と、フイルムストリップ14aの先端部20aをスプール22に挿入するためのインサート機構84と、スプール22を供給するスプール供給機構86と、定尺フイルム20をスプール22に巻き込むことで巻回体24とする巻込機構88とを備える。
【0030】
組立ユニット36は、上部に配設され、パトローネ搬送部46からの片開パトローネ28を供給するパトローネ供給機構90と、供給された片開パトローネ28または巻込パトローネ12をパレット92により保持し、循環的に搬送する搬送機構94と、巻込ユニット34の巻込機構88から供給された巻回体24を組立ユニット36に移送する移送機構95と、移送機構95によって移送された巻回体24を片開パトローネ28に組み込む組込機構96と、組立ユニット36の中央部に配置されたキャップフィーダ98からキャップ30を供給するキャップ供給機構100と、キャップ30を片開パトローネ28に仮装着する装着機構102と、キャップ30を片開パトローネ28にかしめて固定することにより巻込パトローネ12とするかしめ機構104と、巻込パトローネ12に巻き込まれている定尺フイルム20の引出抵抗および巻込パトローネ12から外部に露出する定尺フイルム20の長さを検査する検査機構106と、巻込パトローネ12を搬送機構94から取り出して巻込パトローネ搬出部50に供給する取出機構108とを備える。これらの各機構は、搬送機構94の流れ方向に沿って順に配列される。
【0031】
次に、上述したフイルム製造装置10内の各機構について詳細に説明する。
【0032】
図5および図6は、供給ユニット32に供給される遮光マガジン70と、それを支持する支持機構72とを示す。
【0033】
遮光マガジン70は、フイルムロール14を収納する本体部110と蓋体部112とから構成される。本体部110には、フイルムロール14からフイルムストリップ14aを取り出すための開口部114が形成されている。開口部114には、取手121を介してスライドさせることで開口部114を開閉するシャッタ部材116が取り付けられるとともに、本体部110の外周部から遮光布118(遮光手段)が装着される。遮光布118は、上部が本体部110に固定され、両側部および下部が本体部110に対してマジックテープ(株式会社クラレ 登録商標)等によって装着される。この場合、フイルムロール14を全て使い切らない状態において、例えば、何らかのトラブルが発生し、あるいは、必要な製造量に到達した際、シャッタ部材116によって開口部114を閉塞し、遮光布118を装着することにより、光密な状態で遮光マガジン70を筐体38の外部に取り出すことができる。
【0034】
遮光マガジン70の本体部110の中央部には、回転軸124が配設されており、この回転軸124に対し固定部材126によってフイルムロール14が固定される。
【0035】
ここで、供給ユニット32の隔壁130には、装着状態にある遮光マガジン70の開口部114に対応する部位に可動板125が配設される。この可動板125は、フイルム製造装置10のいずれか1つの扉52a〜52dが開放状態となっているときに、オペレータが誤って開口部114のシャッタ部材116を開成することを阻止するためのものである。可動板125は、全ての扉52a〜52dが閉成されたことを検知したとき、シリンダ127によって隔壁130側に退動するように構成される。
【0036】
遮光マガジン70の本体部110の背面部には、上下に延在する支持部材122が装着されており、この上部には、遮光マガジン70の持ち運びを容易とするための取手孔部123が形成される。また、支持部材122の下端部には、支持板120が固定される。背面中央部には、回転軸124に形成した係合部128が露呈する。係合部128の外周部には、遮光マガジン70の搬送中における回転軸124の回転を阻止するためのギア129が一体に形成される。このギア129には、折曲部が遮光マガジン70に軸支される略L字状のロック部材131の一端部が係合する。なお、ロック部材131の一端部は、スプリング135によってギア129側に付勢される(図4参照)。
【0037】
一方、供給ユニット32の隔壁130には、シリンダ137の一端部が軸支され、シリンダ137の他端部から突出するロッド141には、隔壁130に中央部が軸支された板体143の一端部が連結される。この板体143の他端部は、送出機構74に遮光マガジン70が装着された際、シリンダ137の駆動によってロック部材131の他端部を変位可能な位置に配置される。
【0038】
遮光マガジン70を支持する支持機構72は、遮光マガジン70の挿入方向に複数のローラ133が配列されており、筐体38を構成する隔壁130にブラケット132を介して保持される支持台134と、支持台134を隔壁130側に変位させるシリンダ136を有する変位部138とから構成される。支持台134は、扉52d側にガイド板139a、139bを有するとともに、巻込ユニット34側に位置決め板140を有する。また、扉52d側の支持台134の上部には、シリンダ142によって上下に変位し、支持板120に押圧されることで遮光マガジン70を固定する固定ピン144が配設される。
【0039】
送出機構74は、ブラケット146を介して隔壁130に固定される送出モータ148と、送出モータ148のプーリ150にタイミングベルト152を介して連結されるプーリ154と、プーリ154の回転軸156にシリンダ158を介して配設されるチャック部160とを備える。なお、プーリ150とプーリ154との間には、タイミングベルト152のテンションを調整するためのテンションプーリ162が介挿される。回転軸156は、隔壁130に軸受け164a、164bを介して軸支される。チャック部160は、遮光マガジン70の背面部に形成された係合部128に係合し、シリンダ158の作用下に径方向に拡開される3つのチャック爪166a〜166cを有する。また、回転軸156には、その回転位置を検出するためのロータリエンコーダ168がプーリ170a、170bを介して連結される。
【0040】
図7および図8は、供給ユニット32、巻込ユニット34間に配設されるローラ76a、76bから、巻込ユニット34に配設されるバッファ機構78および送り機構80に至る機構の構成を示す。
【0041】
ローラ76a、76bは、供給ユニット32および巻込ユニット34間の上方に並んで配設される。ローラ76a、76b間には、フイルムストリップ14aの両側部に形成された一方のパーフォレーション16を検出する投光器172および受光器174が配設される。
【0042】
バッファ機構78は、巻込ユニット34の隔壁130に鉛直状態で配設したガイドレール178に沿って上下動可能なダンサローラ180を備える。隔壁130には、ガイドレール178と平行に延在する溝部182が形成されるとともに、背面部にシリンダ184が配設される。シリンダ184の移動体186に連結されたロッド187は、溝部182を介して突出し、ダンサローラ180を軸支する基台188を下方向から支持する。また、基台188の側部には、ドグ190が連結されており、このドグ190が隔壁130の上部、中間部、下部にそれぞれ配設したフォトインタラプタ192a〜192cを通過することでダンサローラ180の3個所の位置検出が行われる。
【0043】
送り機構80は、ダンサローラ180の上部に配設されるスプロケット194を備える。フイルムストリップ14aのパーフォレーション16に係合するスプロケット194は、隔壁130の背面部に配設される送りモータ196により駆動される。スプロケット194の上部には、シリンダ198の移動体200にスプリング202a、202bが巻装されたロッド203a、203bを介して連結されるローラ204が配設される。移動体200には、レバー部材206の中間部が軸支される。レバー部材206の下端部には、スプロケット194の側部にフイルムストリップ14aを介して当接するローラ208が軸支される。また、レバー部材206の上端側側部には、テーパ面210が形成される。このテーパ面210側がスプリング211で引張されることにより、レバー部材206が隔壁130に植設されたピン部材212に摺接する。従って、ローラ208は、シリンダ198による移動体200の上下動に伴い、スプロケット194に近接離間可能となる。
【0044】
図9および図10は、巻込ユニット34に配設される切断機構82およびインサート機構84の構成を示す。
【0045】
切断機構82は、基台214によって支持される下刃部216と、シリンダ218によって上下動可能な上刃部220とを備える。この場合、下刃部216および上刃部220によりフイルムストリップ14aが切断され、ノッチ18を基準として定尺フイルム20の先端部20aと後端部20bとが形成される(図2、図42参照)。
【0046】
フイルムストリップ14aが供給される切断機構82の上流側には、上下一対のガイド部材222a、222bが配設される。ガイド部材222a、222b間には、フイルムストリップ14aが挿入される上流側の拡開されたスリット224が形成される。ガイド部材222a、222bの一方の側部には、フイルムストリップ14aのパーフォレーション16を検出する投光器226および受光器228が配設される。また、ガイド部材222a、222bの他方の側部には、フイルムストリップ14aのノッチ18を検出する投光器230および受光器232が配設される。
【0047】
切断機構82の下流側には、フイルムストリップ14aまたは定尺フイルム20が挿入される上下一対のガイド部材234a、234bが配設され、それに続けてインサート機構84が配設される。インサート機構84は、フイルムストリップ14aまたは定尺フイルム20を挟持して送り出すインサートローラ236a、236bと、第1ガイド部材238a、238bと、第2ガイド部材240a、240bとを備える。
【0048】
上部に配設されるインサートローラ236aは、スプリング242a、242bが巻装されたロッド243a、243bにより上下動可能な状態で基台244に支持される。一方、下部に配設されるインサートローラ236bは、基台214に支持されており、送りモータ246により回転駆動される。
【0049】
第1ガイド部材238a、238bは、切断機構82を構成する基台214に固定されるシリンダ248により支持される。シリンダ248には、移動ブラケット250が連結され、移動ブラケット250に上部の第1ガイド部材238aが固定される。また、移動ブラケット250には、シリンダ252が固定され、このシリンダ252に移動ブラケット253を介して下部の第1ガイド部材238bが連結される。この場合、第1ガイド部材238a、238bは、シリンダ252によって近接離間可能に構成される。第1ガイド部材238a、238bの近接時においては、その間に定尺フイルム20が挿入される上流側の拡開されたスリット254が形成される。
【0050】
また、第1ガイド部材238bの下部には、上部がインサートローラ236a、236b側に湾曲するガイド板256が移動ブラケット253に固定されて配設される。このガイド板256は、シリンダ248により移動ブラケット250を介して所定量上昇させた際に、廃棄処分すべきフイルムストリップ14aの一部を下方向に排出するためのものである。
【0051】
第2ガイド部材240a、240bは、シリンダ258a、258bによって近接離間可能に構成される。この場合、上部に配設される第2ガイド部材240aには、凹部260aが形成され、下部に配設される第2ガイド部材240bには、凹部260aに対応する凸部260bが形成される。これらの凹部260aおよび凸部260bは、第2ガイド部材240a、240bの近接時において、挿入されたフイルムストリップ14aの先端部を湾曲させて剛性を付与するためのスリット261を形成する。
【0052】
図11は、巻込ユニット34の上部に配設されるスプール搬送部42と、スプール22を巻込機構88に供給するためのスプール供給機構86との構成を示す。
【0053】
スプール搬送部42は、遮光ケース262を有し、この遮光ケース262内には、スプールフィーダ44に連通するシュート264が配設される。シュート264は、スプール22のフランジ22a、22bを一対のガイド板266a、266bに係合させた状態で搬送するものであり、ガイド板266a、266bは、スプール搬送部42から巻込ユニット34に至る間、湾曲して構成されている。従って、外光がスプールフィーダ44側から巻込ユニット34内に侵入しない構造となっている。なお、遮光ケース262内は、遮光性をさらに向上すべく、2枚の仕切板263a、263bによって仕切られている。
【0054】
巻込ユニット34内のシュート264の下端部には、スプール供給機構86が配設される。スプール供給機構86は、図12に示すように、ブラケット268を介して隔壁130に固定されるシリンダ270を備える。このシリンダ270の移動部272には、ブラケット274を介してスプール切出板276が連結される。スプール切出板276は、一方のガイド板266aの下端部に形成した溝部278より他方のガイド板266b側に進退可能に配置される。なお、スプール切出板276の側部には、ブラケット280を介してセンサ282が配設される。このセンサ282は、シュート264の下端部におけるスプール22の有無を検出する。
【0055】
スプール供給機構86は、さらに、第1シリンダ284と、第1シリンダ284によって上下動可能な第2シリンダ286と、第2シリンダ286によって水平方向に動作可能な移動板288と、移動板288にブラケット290を介して軸支される第3シリンダ292とを備える。第3シリンダ292のロッド294には、リンク部材296の一端部が軸支される。リンク部材296は、中央部が移動板288に軸支されており、他端部には、長孔298が形成される。この長孔298には、中央部がスプール受け300に軸支され一端部が半円弧状となる受け部304の他端部がピン部材302を介して係合する(図43〜図45参照)。なお、受け部304は、移動板288の下端部に配設される。
【0056】
図13〜図16は、スプール供給機構86の下部に配設される巻込機構88の構成を示す。
【0057】
巻込機構88は、隔壁130に固定された2枚の支持板306a、306bと、支持板306a、306b間に橋架されるガイドレール308a、308bと、ガイドレール308a、308bに沿ってインサート機構84と組込機構96との間で移動する基台310とを備える。
【0058】
基台310の下部には、隔壁130に固定された軸受け部材312に一端部が軸支されたシリンダ314(移動機構)が配設される。このシリンダ314の他端部から突出するロッド316の先端部には、リンク部材318の一端部が軸支される。リンク部材318の他端部は、支持板306bに固定されたブラケット320に軸支された支軸322に固定される。一方、支軸322には、リンク部材324の一端部が固定される。そして、このリンク部材324の他端部が基台310の下面部に固定されたブラケット326に軸支される。従って、基台310は、シリンダ314の駆動作用下にガイドレール308a、308bに沿って移動可能である。
【0059】
また、基台310の下面部には、2枚の位置決め板328a、328bが配設される。一方、各支持板306a、306bには、これらの位置決め板328a、328bの位置に対応して衝撃吸収機構330a〜330dが配設される。衝撃吸収機構330a〜330dは、位置決め板328a、328bが当接する衝撃吸収板332と、この衝撃吸収板332を支持板306a、306b側に変位可能に支持するショックアブソーバ334とからなる(図16参照)。衝撃吸収板332は、位置決め板328a、328bが当接した際の衝撃力を吸収するためのものであり、例えば、ハネナイト(内外ゴム株式会社 登録商標)等の制振ゴムを使用することができる。
【0060】
位置決め板328aとブラケット326との間には、シリンダ336が固定され、このシリンダ336の上部に突出するロッド338a、338bには、基台310の上部に配設されるブラケット340がスプリング339a、339bを介して支持される。ブラケット340には、2つの支持ディスク342a、342bが軸支される。これらの支持ディスク342a、342bは、スプール22に巻き込まれたフイルムストリップ14aのパーフォレーション16の部分を支持する。なお、支持ディスク342a、342bは、スプリング339a、339bによって上下動可能な状態に支持されることで、スプール22に巻き込まれるフイルムストリップ14aの巻径の増加に対応する。
【0061】
ブラケット340の両側部の基台310上には、シリンダ344a、344bが配設される。シリンダ344a、344bの各移動部346a、346bには、軸受け部材350a、350bが固定される。軸受け部材350a、350bには、スプール22の両端部に係合する係合部352a、352bが軸支される。一方の移動部346b上には、フイルムストリップ14aをスプール22に対して巻き込むための巻込モータ354が固定されており、この巻込モータ354の駆動軸356に係合部352bが連結される。また、各軸受け部材350a、350bの側部には、スプール22のフランジ22a、22bの状態を検査するための反射型のセンサ358a、358bが配設される。
【0062】
さらに、基台310上には、第1シリンダ360が配設されており、この第1シリンダ360のロッド362の上端部には、係合部352aに隣接して第2シリンダ364が固定される。第2シリンダ364の移動部366には、位相整定板368が配設される。位相整定板368は、スプール22に形成した段部22cに係合することにより、フイルムストリップ14aの先端部20aに対するスプール22の溝部22dの位相の整定を行う。
【0063】
次に、組立ユニット36の上部に配設されるパトローネ搬送部46、搬送された片開パトローネ28を搬送機構94に供給するパトローネ供給機構90、並びに、搬送機構94の各構成について説明する。
【0064】
図17は、パトローネ搬送部46およびパトローネ供給機構90の構成を示す。
【0065】
パトローネ搬送部46は、スプロケット370aを回転駆動する搬送モータ372と、スプロケット370a、370b間に装着されるチェーンベルト374と、チェーンベルト374に所定間隔で固定される複数のパレット376とを備える。パレット376は、片開パトローネ28を保持するV字状の台座376aを有する。台座376aの面には、片開パトローネ28のフイルム取出口を構成するストレート部28aを吸着固定するマグネットが埋め込まれる。なお、片開パトローネ28は、ストレート部28aに対向してハゼ部28bを有し、これらのストレート部28aおよびハゼ部28bには、遮光用のリボン28cが装着されている(図2参照)。
【0066】
パトローネ供給機構90を構成する遮光ケース378の入口近傍には、片開パトローネ28の外周部に記録されているフイルム種類等を示すバーコード28dを読み取るバーコードリーダ380がブラケット382を介して配設される。また、パトローネ供給機構90内におけるチェーンベルト374の側部には、片開パトローネ28の有無を検出する投光器384および受光器385がブラケット386を介して配設される。さらに、パトローネ供給機構90内におけるチェーンベルト374の両側部には、パレット376を検出して片開パトローネ28のパトローネ供給機構90に対する位置決めを行うための投光器388および受光器390が配設される。
【0067】
パトローネ供給機構90は、シリンダ392と、シリンダ392の移動部394にアーム部材396を介して連結される略円柱状の挿入部材398とを備える。挿入部材398は、パレット376によって搬送される片開パトローネ28の開口部に挿入され、片開パトローネ28を搬送機構94に供給する。
【0068】
搬送機構94は、複数のパレット92をリンク部材402によって連結して構成されており、パレット92は、遮光ケース378内および組立ユニット36に配設した略楕円状のガイドレール404に沿って循環搬送される。なお、組立ユニット36の上部の遮光ケース378内には、遮光性を高めるため、搬送路を囲繞するように構成された遮光通路406を備える。
【0069】
図18は、パレット92の詳細な構成を示す。パレット92を構成する基台408の裏側には、パレット92をガイドレール404に沿って移動させるためのローラ409a〜409dが軸支される。基台408の表側には、片開パトローネ28または巻込パトローネ12を保持する可動ホルダ410および固定ホルダ412が配設される。可動ホルダ410は、中央部において折曲するアーム部材414の一端部に一体的に形成される。アーム部材414は、中央部が基台408に軸支され、他端部には、可動ホルダ410を回動させるためのカムフォロア416が装着される。また、アーム部材414の可動ホルダ410側の部位と基台408とは、スプリング418によって連結されており、可動ホルダ410を固定ホルダ412側に付勢している。
【0070】
基台408の中、アーム部材414の折曲した部分には、偏心シャフト420が螺合されており、この偏心シャフト420により、可動ホルダ410の固定ホルダ412に対する相対的な位置関係が調整可能である。固定ホルダ412には、片開パトローネ28を吸着保持するためのマグネット422が埋め込まれるとともに、先端部分に片開パトローネ28のストレート部28aを受ける受け部材424が一体的に形成される。
【0071】
基台408には、さらに、パレット92の位置決めを行うためのカムフォロア426がアーム部材414の他端部近傍に装着される。また、可動ホルダ410の近傍には、基台408の裏面側に貫通する位置決め用の孔部428が形成される。さらにまた、基台408の中、可動ホルダ410と固定ホルダ412によって形成される保持部中央には、後述する組込機構96を構成するスプール位置決めピンが挿入される孔部429が形成される。
【0072】
ここで、パトローネ供給機構90の部位と、組立ユニット36における組込機構96に対応する部位と、検査機構106に対応する部位とには、パレット92の可動ホルダ410を所定量開放させるためのシリンダ430が配設される。このシリンダ430のロッド432の先端部は、カムフォロア416を押圧することでアーム部材414を回動させ、可動ホルダ410を開放方向に付勢する。また、パトローネ供給機構90の部位と、組立ユニット36における組込機構96の部位と、キャップ供給機構100の部位と、かしめ機構104の部位と、検査機構106の部位とには、シリンダ434によって変位する位置決めピン436が配設されており、この位置決めピン436が組立ユニット36を構成する隔壁130に形成された孔部438を介して基台408の孔部428に挿入されることにより、パレット92が位置決めされる。
【0073】
一方、組立ユニット36の取出機構108に対応する部位には、図19に示すパレット92の駆動機構および位置決め機構が配設される。駆動機構は、ガイドレール440によってガイドされた状態でシリンダ442により移動する移動部444と、移動部444に装着されたシリンダ446によって進退可能に構成される係合ピン448とを備える。係合ピン448は、隔壁130に形成した長孔450に対して出入可能であるとともに長孔450に沿って上下動可能に構成される。この係合ピン448は、パレット92の孔部428に係合する。従って、リンク部材402によって連結された全てのパレット92は、この駆動機構によって間欠的に搬送される。
【0074】
また、位置決め機構は、パレット92の側部に配設されるシリンダ452によって移動する移動部454を有する。移動部454は、V字状の溝部456を有し、この溝部456が基台408に装着されたカムフォロア426に係合することでパレット92の位置決めが行われる。さらに、移動部454には、シリンダ455が固定されており、このシリンダ455の移動部459には、押圧部材457が配設される。この押圧部材457は、アーム部材414の端部のカムフォロア416を押圧することで、可動ホルダ410および固定ホルダ412による巻込パトローネ12の保持を解除する。
【0075】
次に、組立ユニット36に配設される移送機構95および組込機構96の構成について説明する。
【0076】
図20および図21において、移送機構95は、定尺フイルム20が巻き込まれた巻回体24を巻込機構88より受け取り、組立ユニット36に移送する。組込機構96は、移送された巻回体24を移送機構95から所定位置に位置決めされたパレット92に組み込む。
【0077】
移送機構95は、長尺な第1シリンダ458を有し、この第1シリンダ458の移動部460には、第2シリンダ462が配設される。第2シリンダ462の移動部463には、スプール22のフランジ22a、22bを把持する2対のクランパ464a〜464dを開閉させるシリンダ465が固定される。また、クランパ464a〜464dには、スプール22に巻き込まれた定尺フイルム20の巻き戻りを阻止すべく外周部を把持する1対のクランパ466a、466bが連結される。これらのクランパ464a〜464dおよびクランパ466a、466bは、シリンダ465によって同時に開閉される。
【0078】
組込機構96は、組立ユニット36の隔壁130に固定されるブラケット468により支持される第1シリンダ470と、第1シリンダ470の移動部471によってパレット92の方向に変位する第2シリンダ472と、第2シリンダ472によってパレット92の方向に変位するL字状の移動ブラケット474と、移動ブラケット474に配設される第3シリンダ476および第4シリンダ478とを備える。
【0079】
第3シリンダ476には、上下に開閉可能な規制プレート480a、480bが連結される。規制プレート480a、480bは、巻回体24から突出する定尺フイルム20の後端部20bを挟持して支持するもので、下部の規制プレート480aが上部の規制プレート480bよりも幅広に構成される。また、第4シリンダ478には、筒体の上下を切り欠いてなる保持板482a、482bが固定されており、この保持板482a、482bの切り欠かれた部分には、第4シリンダ478によって開閉されるクランパ484a、484bが連結される。保持板482a、482bおよびクランパ484a、484bは、筒体を構成し、スプール22のフランジ22a側の突部22eに係合する。
【0080】
一方、筒体を構成する保持板482a、482bおよびクランパ484a、484bに対向する隔壁130側には、スプール22のフランジ22b側に係合するスプール位置決めピン485が配設される。スプール位置決めピン485は、シリンダ487の移動体489に装着されたブラケット491によって一端側が支持され、他端側が隔壁130に形成された孔部493を介してパレット92の孔部429に挿通可能である。なお、ブラケット491とスプール位置決めピン485の中間部に装着されたリング部材495との間には、スプリング497が巻装されており、ブラケット491に対して進退自在に構成されている。
【0081】
図22は、キャップ供給機構100および装着機構102の構成を示す。
【0082】
キャップ供給機構100は、キャップフィーダ98(図4参照)からシュート486を介して搬送されるキャップ30を受け取り、装着機構102に供給するガイド板488a、488bを有する。ガイド板488a、488bは、断面形状がキャップ30をガイドする略U字状に形成されており(図22参照)、ブラケット490a、490bを介し所定距離離間した状態で隔壁130に固定される。なお、下部に配設されるブラケット490bの先端部には、ブラケット492を介してセンサ494が装着される。このセンサ494は、ガイド板488a、488b間に臨んで配設され、キャップ30の有無を検出する。
【0083】
ガイド板488a、488bの下端部には、装着機構102を構成する2枚の支持板496a、496bの中、隔壁130側の支持板496bが配設される。支持板496bには、ブラケット498が固定されており、ブラケット498には、ピン部材500が板体502を介して連結される。なお、ピン部材500は、その後端部に配設されるケーシング504に内装された図示しないスプリングにより進退可能である。ピン部材500は、図23に示すように、支持板496a側からガイド板488a、488b間に臨入可能である。また、ブラケット498には、ピン部材506が板体508、510を介して連結される。なお、ピン部材506は、後端部に配設されるケーシング512に対してスプリング514により進退可能である。これらのピン部材500および506は、支持板496bの動作に伴って変位するもので、図23に示すように、上部に配設されるピン部材506がキャップ30の孔部30aに挿入されているとき、下部に配設されるピン部材500がガイド板488a、488bから外部に退避し、上部に配設されるピン部材506がガイド板488a、488bから外部に退避しているとき、下部に配設されるピン部材500がキャップ30を下方向から支持するように設定される。
【0084】
装着機構102を構成する支持板496a、496bは、図22に示すように、互いに平行で且つ傾斜して配設されており、一方の支持板496aの両端部には、ロッド516a、516bの一端部が固定される。ロッド516a、516bは、図24に示すように、支持板496bの両端部および隔壁130を貫通し、他端部が連結板518によって連結される。隔壁130には、シリンダ520が配設されており、このシリンダ520のロッド522が連結板518に固定される。また、支持板496a、496b間のロッド516a、516bには、スプリング524a、524bが巻装される。支持板496bは、支持板496aの支持板496bに対する変位量を規制するストッパ528a、528bを有し、隔壁130は、支持板496bの隔壁130に対する変位量を規制するストッパ530a、530bを有する。
【0085】
支持板496aの中央部には、先端部がキャップ30を押圧する押圧部材532が配設され、押圧部材532の中央部には、キャップ30の孔部30aに挿入されるピン部材534が配設される。ピン部材534は、押圧部材532に内装された図示しないスプリングによって進退可能である。また、押圧部材532の上下には、カム部材538a、538bが配設される。カム部材538a、538bは、後端部が支持板496aに固定される一方、先端部分が支持板496bの上下に配設され、この先端部分には、後述するカムフォロアに当接するテーパ面540a、540bが形成される。
【0086】
支持板496bには、図23に示すように、板体544が装着されており、キャップ供給機構100を構成するガイド板488a、488bの下端部に対応して、キャップ30の通路である溝部542が支持板496bと板体544との間に形成される。なお、板体544には、押圧部材532およびピン部材534が挿通する孔部546が形成される。一方、支持板496b側にも、孔部546に対向する部位に孔部548が形成されており、この孔部548に対してキャップ保持部材550が装着される。
【0087】
キャップ保持部材550は、図25に示すように、ドーナツ形状を呈し、中央部にキャップ30が挿通する孔部554が形成される。キャップ保持部材550は、支持板496bに形成された溝部542に連通する溝部556を上部に有する。キャップ30は、この溝部556を介して孔部554に導入される。溝部556に対向する孔部554の内周面には、キャップ30を吸着保持するための複数のマグネット555が植設される。また、孔部554の内周面には、キャップ30の有無を検出するためのキャップ検出センサ557が配設される。
【0088】
さらに、キャップ保持部材550には、支持板496b側より切欠部558a、558bが形成されており、この切欠部558a、558bに植設されたピン部材552a、552bの軸部には、一端側が孔部554に臨むばね部材560a、560bが装着される。ばね部材560a、560bは、孔部554に導入されたキャップ30を板体544およびマグネット555と協同して保持する。
【0089】
支持板496bの隔壁130側の面には、図26に示すように、ガイドレール562aおよび562bに沿って略上下方向に変位可能なスライドテーブル564a、564bが配設される。なお、スライドテーブル564aは、支持板496bとスライドテーブル564aとを連結するスプリング566a、566bによって上方向に付勢され、スライドテーブル564bは、支持板496bとスライドテーブル564bとを連結するスプリング566c、566dによって下方向に付勢される。スライドテーブル564aは、上部に突出する突出部568aを有し、この突出部568aには、カム部材538aのテーパ面540aに当接するカムフォロア570aが軸支される。また、スライドテーブル564bは、下部に突出する突出部568bを有し、この突出部568bには、カム部材538bのテーパ面540bに当接するカムフォロア570bが軸支される。
【0090】
スライドテーブル564a、564bには、半円形状を呈するガイドブロック572a、572bが固定される。ガイドブロック572a、572bは、図27(図26のXXVII−XXVII線断面図)に示すように、内周径が片開パトローネ28の外周径に略等しく設定されたパトローネガイド部574a、574bと、内周径がキャップ30の外周径に略等しく設定されたキャップガイド部576a、576bとを有する。また、ガイドブロック572bは、ガイドブロック572aとの接合部分が切り欠かれており、片開パトローネ28のストレート部28aをガイドするガイド面578と、スライドテーブル564b側に傾斜し、ストレート部28aおよびハゼ部28bに装着されたリボン28cを片開パトローネ28に挿入されたスプール22側に折り込む折込面580とが形成される。
【0091】
図28は、かしめ機構104の構成を示す。かしめ機構104は、支持台582a、582bを有し、支持台582a、582b間には、ガイドロッド584a、584bによって支持されたスライド板586が配設される。一方の支持台582aには、シリンダ588が固定されており、シリンダ588のロッド590がスライド板586に連結される(図29参照)。また、他方の支持台582bとスライド板586との間には、スプリング592a、592bが巻装される。
【0092】
スライド板586には、連結部材594が固定され、この連結部材594には、連結部材596が連結される。連結部材594および596は、相互に近接離間可能な状態に係合する。スライド板586に固定される連結部材594の中央部には、先端部にテーパ面598が形成された押型600が取付板602を介して装着される。押型600の中央部には、スプリング604を介してスライドバー606が挿入されており、このスライドバー606の先端部には、スプール22の突部22eに係合するスプール支持部材608がスプリング610を介して装着される。なお、スライドバー606の先端部606aは、キャップ30の孔部30aの外周部に係合することでキャップ30の変形を防止する。
【0093】
一方、押型600の先端部には、テーパ面612が形成され8分割されたかしめ型614a〜614hが配設される。かしめ型614a〜614hは、キャップ30の外周部内周面に押圧されるくさび部616a〜616hを先端部に有する。また、かしめ型614a〜614hは、連結部材596に対してスプリング618a〜618hを介して押圧される。なお、このかしめ型614a〜614hは、連結部材596に固定された保持部材622および623間に保持される。
【0094】
かしめ機構104と、その前面に配設されるパレット92との間には、図30および図31に示す位置決め機構624が配設される。位置決め機構624は、片開パトローネ28のハゼ部28b側の位置決めを行う第1位置決め部626aと、片開パトローネ28のストレート部28a側の位置決めを行う第2位置決め部626bとを備える。第1位置決め部626aは、先端部がハゼ部28bの折曲部分に挿入される位置決めプレート628を有する。この位置決めプレート628は、シリンダ630により片開パトローネ28の軸線方向に変位するとともに、シリンダ632によりハゼ部28bの折曲部分方向に変位するように構成される。また、第2位置決め部626bは、一端部がストレート部28aに押圧される押圧部材634を有する。押圧部材634は、他端部がリンク部材636を介してシリンダ638のロッド640に連結される。なお、押圧部材634の支軸近傍には、リンク部材636の回動域を規制するためのストッパ部材635が配設される。
【0095】
図32および図33は、検査機構106の構成を示す。検査機構106は、巻込パトローネ12に巻き込まれた定尺フイルム20の引出抵抗を検査する引出抵抗検査部107と、巻込パトローネ12から外部に露出する定尺フイルム20の長さを検査する長さ検査部109とを備える。
【0096】
引出抵抗検査部107は、基台642上に固定されるシリンダ644と、基台642上に配設されたガイドレール646に沿って変位可能な第1スライドテーブル648および第2スライドテーブル650とを備える。
【0097】
シリンダ644のロッド652には、巻込パトローネ12に装着されたキャップ30に係合する係合部654が配設される。この場合、キャップ30に対する係合部654の係合力は、ロッド652に巻装されたスプリング653により保持される。第1スライドテーブル648上には、シリンダ644側の部位にシリンダ656が固定され、このシリンダ656の移動体658には、ブラケット659を介してシリンダ660が固定される。シリンダ660は、巻込パトローネ12から外部に露出する定尺フイルム20の後端部20bを把持するクランプ部材662a、662bを有する。
【0098】
また、第1スライドテーブル648における第2スライドテーブル650側の部位には、ブラケット664が固定されており、このブラケット664にスプリング666の一端部が連結される。スプリング666の他端部は、第2スライドテーブル650上に固定されたブラケット668に連結される。基台642上にはブラケット670を介してモータ672が固定される。モータ672は、駆動軸674を直線的に変位させる直動モータからなり、その駆動軸674の先端部がブラケット668に固定される。
【0099】
さらに、第2スライドテーブル650上には、ブラケット664に対向してブラケット676が固定される。そして、ブラケット664およびブラケット676には、近接センサを構成するドグ678および検出器680が配設される。
【0100】
長さ検査部109は、引出抵抗検査部107の側部であって、定尺フイルム20の後端部20bの延長上に配置される。長さ検査部109を構成するシリンダ111の移動体113には、所定間隔離間して対向配置される2枚の板体115a、115bが配設される。これらの板体115a、115bには、2対の発光部117a、119aおよび受光部117b、119bが配設される。この場合、定尺フイルム20の後端部20bが受光部117b、119b間に配置されるとき、巻込パトローネ12から外部に露出する定尺フイルム20の長さが適切であると判断される。
【0101】
図34〜図37は、取出機構108および巻込パトローネ搬出部50の構成を示す。取出機構108は、パレット92によって搬送された巻込パトローネ12を取り出して直立状態とする取出部682と、取出部682によって取り出された巻込パトローネ12を移載する第1移載部684と、第1移載部684によって移載された巻込パトローネ12を巻込パトローネ搬出部50に移載するとともに、肩高さ検査を行う第2移載部686とを備える。なお、肩高さとは、巻込パトローネ12のキャップ30までの高さを言うものとする。
【0102】
取出部682は、隔壁130に固定されたブラケット688に配設されたシリンダ690によって移動する移動体692と、移動体692に連結されたブラケット694に装着されたクランプ部696とを有する。クランプ部696は、ブラケット694に対して回転可能に構成されており、巻込パトローネ12を把持するクランプ部材698a、698bと、このクランプ部材698a、698bを開閉するシリンダ700とからなる。一方、ブラケット694には、ロータリアクチュエータ704が装着され、このロータリアクチュエータ704によって回転駆動されるギア706には、クランプ部696に装着されているギア708が噛合する。
【0103】
第1移載部684は、取出部682の移動端の下部に配設されており、シリンダ710と、ガイドレール712に沿って移動するシリンダ710の移動体714と、移動体714に配設される受け部材716とを備える。受け部材716は、取出部682から供給された巻込パトローネ12を保持し、第2移載部686に移動する。
【0104】
第2移載部686は、取出部682(図34参照)を構成するシリンダ690に沿って延在するシリンダ718と、シリンダ718の移動体720にブラケット721を介して固定されるシリンダ722および724と、一方のシリンダ722の移動部726に装着される押圧部材728と、他方のシリンダ724の移動部729に連結されたシリンダ730によって開閉されるクランプ部材732a、732bとを備える。押圧部材728は、移動部726に対してスプリング731を介して上下動作可能に配設される。押圧部材728の移動部733の変位量は、巻込パトローネ12の肩高さ情報として検出される。クランプ部材732a、732bは、第1移載部684によって搬送された巻込パトローネ12を把持し、巻込パトローネ搬出部50に供給する。
【0105】
巻込パトローネ搬出部50は、組立ユニット36の内部から外部に連通する搬送コンベア734を有する。組立ユニット36から外部に連通する搬送コンベア734は、遮光カバー736(図4参照)によって囲繞される。なお、搬送コンベア734の側部には、シリンダ738が配設される。シリンダ738は、移動部である押圧部材742を有し、製品不良等として指定された巻込パトローネ12を搬送コンベア734から排出する。
【0106】
図38は、フイルム製造装置10におけるフイルムフィード制御系の制御回路ブロック図を示す。この制御回路は、送出機構74によるフイルムロール14からのフイルムストリップ14aの送り出しから、巻込機構88によるスプール22への巻き込みに至るまでの制御を行うもので、予め設定された基準パターンに基づき、各機構におけるフイルムフィードパターンを生成するフイルムフィードパターン生成部744a、744bと、生成されたフイルムフィードパターンに従い、送出機構74によるフイルムストリップ14aの送り出しを制御するフイルムロール回転制御部746と、送り機構80におけるスプロケット194の回転を制御するスプロケット制御部748と、インサート機構84におけるインサートローラ236bの回転を制御するインサートローラ制御部750と、巻込機構88におけるスプール22の回転を制御するスプール回転制御部752と、バッファ機構78におけるフォトインタラプタ192bによる検出信号を用いてダンサローラ180の位置補正を行うダンサ位置補正部781とを備える。
【0107】
なお、フイルムフィードパターン生成部744aは、フイルムストリップ14aの先端部の頭出しを行うためのフイルムフィードパターンを生成する。フイルムフィードパターン生成部744bは、上位のコンピュータあるいはオペレータによって入力されたフイルムサイズ情報に基づき、頭出しされたフイルムストリップ14aから自動運転によって巻込パトローネ12を製造するためのフイルムフィードパターンを生成する。フイルムフィードパターン生成部744a、744bと、フイルムロール回転制御部746、スプロケット制御部748、インサートローラ制御部750およびスプール回転制御部752との間には、フイルムフィードパターン生成部744aおよび744bを切り換えるための切換スイッチSW1が配設される。
【0108】
フイルムロール回転制御部746は、切換スイッチSW2およびサーボアンプ754を介してフイルムロール14の送出モータ148を制御する。なお、切換スイッチSW2は、フイルムロール回転制御部746とダンサ位置補正部781とを切り換えてサーボアンプ754に接続する。
【0109】
送出モータ148に連結されたロータリエンコーダ168には、ロータリエンコーダ168から供給される信号のパルス数をカウントするカウンタ756が接続される。送出機構74とバッファ機構78との間のローラ76a、76bに配設された受光器174は、フイルムストリップ14aのパーフォレーション16に従ってパルス信号を生成し、割り込みI/O758、カウンタ759および760に供給する。カウンタ756、760および割り込みI/O758からの信号は、フイルムロール14の直径を算出するロール径算出部762に供給される。ロール径算出部762は、フイルムロール14の直径を算出し、フイルムロール回転制御部746に供給する。また、カウンタ759からの信号は、ダンサローラ180の位置を算出するためのダンサ位置算出部764に供給される。
【0110】
スプロケット制御部748は、サーボアンプ768を介してスプロケット194の送りモータ196を制御するとともに、スプロケット194によるフイルムストリップ14aの送り長さ情報を巻き取り径算出部784に供給する。巻き取り径算出部784は、この送り長さ情報と、上位のコンピュータあるいはオペレータによって入力されたフイルム厚み情報とに基づき、スプール22に対するフイルムストリップ14aの巻き取り径を算出する。
【0111】
送り機構80と切断機構82との間には、パーフォレーション16を検出する受光器228と、ノッチ18を検出する受光器232とが配設される。受光器228からの信号は、カウンタ761を介してダンサ位置算出部764に供給される。ダンサ位置算出部764は、カウンタ759および761からの信号に基づいてダンサローラ180の位置を算出し、その位置信号をダンサ位置補正部781に供給する。
【0112】
また、受光器228からの信号は、カウンタ770を介してフイルム判定部772に供給されるとともに、アンドゲート774の一方の入力端子に供給される。一方、アンドゲート774の他方の入力端子には、受光器232からの信号が供給される。そして、アンドゲート774の出力は、割り込みI/O776を介してフイルム判定部772に供給される。なお、割り込みI/O776からの信号は、フイルムストリップ14aの切断位置を決定するための信号として、フイルムフィードパターン生成部744aにも供給される。
【0113】
フイルム判定部772は、フイルムストリップ14aが設定されたフイルムサイズ相当量送られる間、カウンタ770によってカウントしたパーフォレーション16のカウント数から実際に走行したフイルムストリップ14aの長さを確認し、その良否を判定するとともに、切断機構82によるフイルムストリップ14aの切断位置を保証するため、ノッチ18の通過後のパーフォレーション16のカウント数が規定の値であるか否かを判定する。
【0114】
インサートローラ制御部750は、サーボアンプ778を介してインサートローラ236bの送りモータ246を制御する。
【0115】
スプール回転制御部752は、サーボアンプ780を介してスプール22を回転させる係合部352bの巻込モータ354を制御する。この場合、スプール回転制御部752には、巻き取り径算出部784から巻き取り径に係る情報が供給される。スプール回転制御部752は、この情報に基づいて巻込モータ354を駆動制御する。
【0116】
本実施形態のフイルム製造装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その動作について説明する。
【0117】
この場合、フイルム製造装置10は、キャスタ64a〜64dによって所定の場所に移動された後、ジャッキボルト66a〜66dを床に接地することで固定される。この場合、フイルム製造装置10の位置をキャスタ64a〜64dを介して自由に変えることができるので、例えば、メンテナンスの際、フイルム製造装置10をメンテナンスルームに搬入して調整するといった対応が可能となる。
【0118】
また、フイルム製造装置10内は、ダクト68a、68bを介してエアが給排気されることにより空調制御される。この場合、フイルム製造装置10が設置される部屋全体の空調制御が不要となるため、空調設備および空調制御に係るコストを大幅に引き下げることができる。
【0119】
フイルム製造装置10は、図2に示す巻込パトローネ12を製造するもので、その製造に先立つ準備作業として、スプールフィーダ44にスプール22を供給する作業、ホッパ48からキャップ供給通路47を介して組立ユニット36内のキャップフィーダ98にキャップ30を供給する作業、パトローネ搬送部46に片開パトローネ28を供給する作業、および、供給ユニット32にフイルムロール14を供給する作業が行われる。
【0120】
フイルムロール14は、次のようにして供給される。先ず、作業者は、フイルム製造装置10の側部の扉52dを開き、フイルムロール14を収納した遮光マガジン70(図5参照)を供給ユニット32に装填する。この場合、遮光マガジン70の背面部には、図4および図6に示すように、スプリング135によって付勢されたロック部材131の一端部がギア129に係合しており、これによって、搬送中における回転軸124の回転が阻止されている。従って、遮光マガジン70の搬送中において、収納されているフイルムロール14が巻き戻されるといった事態を回避することができる。なお、遮光マガジン70は、本体部110に対して蓋体部112が装着され、フイルムロール14を光密な状態に保持しているものとする。
【0121】
遮光マガジン70は、支持板120をガイド板139a、139b間に臨入させ、支持板120の先端部が位置決め板140に当接するまで支持機構72のローラ133に沿って移動させる。その後、扉52dを閉じることにより、フイルム製造装置10内が光密な状態とされる。
【0122】
次に、図6において、シリンダ142が駆動され、固定ピン144が支持板120の上面部に当接し、遮光マガジン70が固定される。遮光マガジン70が固定されると、シリンダ136が駆動され、支持機構72が隔壁130側に変位し、遮光マガジン70の背面部に設けられた係合部128にチャック部160が係合する。チャック部160が係合すると、シリンダ158が駆動されてチャック爪166a〜166cが外方向に変位し、フイルムロール14の回転軸124に連結される。
【0123】
送出機構74に遮光マガジン70が装填されると、隔壁130に配設されたシリンダ137が駆動され、そのロッド141に一端部が連結された板体143が回動し、他端部がロック部材131の他端部を変位させることにより、ギア129との係合状態が解除され、フイルムロール14が回転可能な状態となる。
【0124】
前記のようにしてフイルムロール14が供給ユニット32に装填された後、遮光マガジン70の遮光布118を取り外した上でシャッタ部材116を開成し、フイルムロール14の端部を巻込ユニット34の切断機構82まで通す作業(以下、この作業を「通紙」という。)を行う。この場合、監視用カメラ67a、67b(図4参照)は、巻込ユニット34および組立ユニット36の内部の画像をフイルムロール14を感光させない波長の照明光に基づいて撮影し、フイルム製造装置10の上部に配設されたモニタ40に表示する。
【0125】
なお、フイルム製造装置10の何れかの扉52a〜52dが開いている場合、シャッタ部材116の近傍に配設される可動板125が遮光マガジン70の外周部に沿って突出し、オペレータによる遮光布118の取り外しとシャッタ部材116の開成を阻止するため(図4参照)、オペレータが誤って遮光布118を取り外してシャッタ部材116を開成し、フイルムロール14を露光させてしまう事態を回避することができる。全ての扉52a〜52dが閉成され、フイルム製造装置10内が遮光状態になると、シリンダ127が駆動され、可動板125が隔壁130側に退動し、シャッタ部材116を開成可能な状態となる。
【0126】
通紙に先立ち、バッファ機構78を構成するダンサローラ180は、シリンダ184を駆動しロッド187を介して上昇させることにより、ドグ190がフォトインタラプタ192aによって検出される最上部に配置される。
【0127】
送り機構80は、シリンダ198を駆動してユニットを上部に移動させることにより、ローラ204がスプロケット194から離間し、また、ピン部材212が転動するテーパ面210によってレバー部材206が回動することでローラ208がスプロケット194から離間する(図39参照)。さらに、切断機構82を構成する上刃部220を下刃部216から離間させる。
【0128】
そこで、作業者は、遮光性袋手段54a〜54hを介して手をフイルム製造装置10内に挿入する。この場合、遮光性袋手段54a〜54hは、図3に示すように、扉52a〜52cの外側および内側が二重の袋体60a、60bによって構成されているため、手を挿入した部分より外光が内部に漏れ込む心配がない。
【0129】
作業者は、モニタ40に表示された内部の画像に従い、遮光マガジン70の遮光布118を外し、シャッタ部材116を開いてフイルムロール14の端部であるフイルムストリップ14aを取り出し、ローラ76a、76bおよびダンサローラ180を介してスプロケット194にフイルムストリップ14aのパーフォレーション16を掛ける。次いで、フイルムストリップ14aの端部をガイド部材222a、222bのスリット224に挿通し、切断機構82まで通紙する。
【0130】
オペレータによる通紙作業が終了すると、送り機構80を構成するシリンダ198が駆動され、ローラ204および208がフイルムストリップ14aを介してスプロケット194に当接する。これによって、フイルムストリップ14aが挟持される(図8参照)。
【0131】
その後、シリンダ184を最下点まで下降させると、ロッド187によって支持されていたダンサローラ180は、自重によって下降し、通紙されたフイルムストリップ14aのたるみが吸収される。この場合、ダンサローラ180は、フイルムストリップ14aによってつり下げられた状態となる(図7参照)。
【0132】
次に、ダンサローラ180を最上部のフォトインタラプタ192aによって検出される位置まで移動させるため、送出機構74を構成する送出モータ148をフイルムロール14の巻き戻し方向に低速で回転させる。そして、ダンサローラ180の基台188に連結されたドグ190がフォトインタラプタ192aによって検出された時点で送出モータ148の駆動を停止させる。この結果、バッファ機構78におけるフイルムストリップ14aが最も短い状態に設定される(以下、この位置を「通紙原点」と称する。)。
【0133】
ダンサローラ180が通紙原点に設定された後、ダンサローラ180の位置を任意のタイミングで正確に把握するため、バッファ機構78の上流側に配設されるパーフォレーション16を計数する受光器174に接続されるカウンタ759と、バッファ機構78の下流側に配設されるパーフォレーション16を計数する受光器228に接続されるカウンタ761との計数値をそれぞれ0にリセットする。ダンサ位置算出部764は、ダンサローラ180が任意の位置にある場合、一定間隔で形成されているパーフォレーション16の間隔情報に基づき、これらのカウンタ759、761によって計数されたパーフォレーション16の計数値の差分から、ダンサローラ180の通紙原点に対する相対的な位置を正確に算出することができる。
【0134】
前記のようにしてフイルムストリップ14aの通紙作業を行った後、製品とすべきフイルムストリップ14aの頭出し作業を行う。この場合、図38に示す制御回路において、切換スイッチSW1は、フイルム頭出し時におけるフイルムフィードパターン生成部744a側に接続され、切換スイッチSW2は、フイルムロール回転制御部746側に接続される。
【0135】
先ず、フイルムロール14の回転とスプロケット194の回転とを同調させてフイルムストリップ14aを送り出すために、フイルムロール14の直径を算出する。
【0136】
そこで、バッファ機構78の上流に配設される受光器174からの信号に基づいてパーフォレーション16を計数するカウンタ760の計数値を0にリセットした後、送出モータ148のみを駆動してフイルムストリップ14aを少量送り出す。なお、この送出量は、フイルムストリップ14aの送り出しによって増加するカウンタ760の計数値が予め設定した値、すなわち、ダンサローラ180がフォトインタラプタ192aおよび192b間の範囲に収まるように設定する。
【0137】
ロール径算出部762は、カウンタ756および760によって検出された計数値に基づき、フイルムロール14の直径を求める。この場合、フイルムロール14の直径をD(mm)、パーフォレーション16のピッチをn(mm)、カウンタ756によって計数された少量送出動作中におけるロータリエンコーダ168からの出力パルスの増加分をΔP、カウンタ760によって計数されたパーフォレーション16の計数値をN、フイルムロール14の1回転で生成されるロータリエンコーダ168からの出力パルス数をkとすると、フイルムロール14の直径Dは、
(π・D)・(ΔP/k)=n・N …(1)
の関係から求めることができる。
【0138】
なお、ロール径算出部762は、図40のタイミングチャートに示すように、径計算要求信号の発生直後のパーフォレーション16の検出信号の立ち上がりエッジを割り込みI/O758により割り込み信号として取り込み、この瞬間のカウンタ756および760の現在値を読み込む。この後、径計算要求信号の終了直後のパーフォレーション16の立ち上がりエッジを再び割り込み信号として取り込み、カウンタ756および760の現在値を再度読み込む。この1回目と2回目のカウンタ756の読み込み値の差分が(1)式におけるロータリエンコーダ168の出力パルスの増加分ΔPに相当し、カウンタ760の読み込み値の差分が(1)式におけるパーフォレーション16の計数値Nに相当する。この増加分ΔPと計数値Nの両者を用いて、(1)式に基づきフイルムロール14の直径Dを算出している。
【0139】
このように、フイルムロール14に精度良くパーフォレーション16が設けられていることを利用し、直接的にフイルムロール14の直径Dを測定することなく、比較的低コストな機器構成で直径Dを算出することができる。また、パーフォレーション16の検出信号の立ち上がりエッジを基準に割り込み処理を行うことで、シーケンサのサイクルタイムの影響を極小にし、フイルムロール14の直径Dを精度良く算出することができる。
【0140】
次に、フイルムストリップ14aに設けられているノッチ18の位置を基準として、フイルムストリップ14aの先端部の形状を、図2に示す先端部20aの形状に加工する処理を行う。
【0141】
先ず、インサート機構84を駆動し、フイルムストリップ14aの先端部側から所定長さの範囲を廃却できる状態に設定する。すなわち、シリンダ248を駆動し、移動ブラケット250および253を介して、第1ガイド部材238a、238bを近接させた状態で上昇させる。この場合、移動ブラケット253に固定されたガイド板256も共に上昇し、図41に示す状態に設定される。
【0142】
その後、フイルムロール回転制御部746により送出機構74における送出モータ148が駆動され、プーリ150、154、回転軸156、チャック部160および遮光マガジン70の回転軸124が回転することにより、フイルムロール14からフイルムストリップ14aが送り出される。同時に、スプロケット制御部748により送り機構80における送りモータ196が駆動され、スプロケット194が回転することにより、フイルムストリップ14aが切断機構82を介してインサート機構84を構成するインサートローラ236a、236b間に供給される。さらに、インサートローラ制御部750によりインサートローラ236bの送りモータ246が送りモータ196と同期して駆動されることにより、フイルムストリップ14aの先端部がガイド板256の湾曲する下面部にガイドされて巻込ユニット34の下方向に送られる。なお、送出モータ148、送りモータ196および246は、フイルムロール14、スプロケット194およびインサートローラ236bの各周速度が協調するように制御される。
【0143】
この場合、フイルムストリップ14aを巻込ユニット34の下方向に送るのは、例えば、送り出されたフイルムストリップ14aの最初の部分が通紙の際にオペレータが触れている部分であり、また、フイルムロール14の外周部分に位置しているために損傷している可能性のある部分であることから、その部分を廃棄するためである。また、フイルムストリップ14aの廃棄処理は、巻込パトローネ12の製造中においても、必要に応じて行われる。
【0144】
ここで、フイルムストリップ14aに形成されているノッチ18は、その形成位置がフイルムロール14のロット間の誤差を含んでいる可能性がある。一方、品質面から、パーフォレーション16の孔部に対するフイルムストリップ14aの切断位置を一定とする必要がある。このため、ノッチ18の検出信号とパーフォレーション16の検出信号のアンド信号をアンドゲート774によって生成し、この信号のエッジを定尺フイルム20の切断位置の基準信号として用いることで、ノッチ位置のロット間の誤差によらずにパーフォレーション16の孔部に対するフイルムストリップ14aの切断位置を一定とすることができる。併せて、このアンドゲート774からのアンド信号を割込みI/O776経由で処理し、シーケンサのサイクルタイムの影響を最小とすることで、より高精度に切断位置を確定することができる。
【0145】
フイルムフィードパターン生成部744aは、ノッチ18の検出に基づく前記切断位置の基準信号を受信した後、ノッチ18を切断機構82による所定の切断部位まで引き続き搬送する。このとき、最終的なノッチ18の搬送停止の位置をより精度良く得るため、フイルムフィードパターン生成部744aにおけるフイルムフィード速度を、フイルムストリップ14aの送り速度が十分に低速となるように変更する。この変更されたフイルムフィードパターンにより、フイルムロール14、スプロケット194およびインサートローラ236bが低速度で駆動される。この場合のフイルムロール14、スプロケット194およびインサートローラ236bの送り量は、当該フイルム製造装置10の設計値によって一意に決定される。
【0146】
フイルムストリップ14aが所定量搬送され、ノッチ18が切断機構82の所定部位に到達すると、搬送動作が停止される。その後、切断機構82は、シリンダ218を駆動して上刃部220を下降させ、フイルムストリップ14aの切断処理を行う。この結果、定尺フイルム20の先端部20aおよび後端部20bが形成される(図42参照)。
【0147】
切断機構82によってフイルムストリップ14aが切断され、シリンダ218の駆動によって上刃部220が下刃部216から離間した後、インサートローラ236bが送りモータ246によって駆動され、切断機構82内に残ったフイルムストリップ14aの不要部分がガイド板256を介して巻込ユニット34の下方に廃棄される。また、この切断処理によって生じたノッチ18を含む屑も切断機構82から巻込ユニット34の下方に廃棄される。
【0148】
フイルムロール14の不要部分が廃棄された後、自動運転による巻込パトローネ12の製造に先立つ各機構の初期設定が行われる。
【0149】
そこで、インサート機構84を構成するシリンダ248が駆動され、図41の状態から移動ブラケット250が下降することにより、第1ガイド部材238a、238bが共に下降する。この結果、インサートローラ236a、236bの下流側には、フイルムストリップ14aの先端部が挿通される通路が形成される(図10参照)。
【0150】
次に、切換スイッチSW2がダンサ位置補正部781側に接続される。ダンサ位置補正部781は、ダンサ位置算出部764からのダンサローラ180の位置情報に基づき、送出機構74の送出モータ148を駆動し、フイルムロール14からフイルムストリップ14aを送り出す。これにより、フォトインタラプタ192a、192b間に配設されていたダンサローラ180が下降する。ダンサローラ180がフォトインタラプタ192bに到達すると、ダンサ位置補正部781は、送出モータ148の駆動を停止させる。以下、フォトインタラプタ192bにおけるダンサローラ180の位置を「ダンサ原点」と称する。
【0151】
以上の準備作業とともに、上流のコンピュータあるいはオペレータによる入力作業により、自動運転時のフイルムフィードパターン生成部744bに対して定尺フイルム20のサイズ情報が設定されるとともに、巻取り径算出部784に対して定尺フイルム20の厚み情報が設定される。
【0152】
続いて、自動運転による巻込パトローネ12の製造が開始される。この場合、切換スイッチSW1は、自動運転時のフイルムフィードパターン生成部744b側に接続され、切換スイッチSW2は、フイルムロール回転制御部746側に接続される。
【0153】
先ず、スプール22は、スプールフィーダ44からスプール供給機構86を介して巻込機構88に供給される。
【0154】
すなわち、図11において、スプールフィーダ44から供給されたスプール22は、シュート264を構成するガイド板266a、266bにフランジ22a、22bが係合した状態で落下し、スプール供給機構86に供給される。スプール供給機構86におけるガイド板266a、266bの下端部には、図11に示すように、スプール切出板276が溝部278を介して臨入しており、最下部のスプール22がこのスプール切出板276によって保持される。そして、このスプール切出板276の下部には、スプール22を巻込機構88に移載するためのスプール受け300が待機する。
【0155】
シリンダ270が駆動され、移動部272およびブラケット274を介してスプール切出板276が溝部278から抜き取られると、最下部のスプール22がスプール受け300上に落下する。スプール22の1つがスプール受け300に移載された後、シリンダ270を駆動し、スプール切出板276を再び溝部278に臨入させ、次のスプール22の落下を阻止する。
【0156】
スプール22を受け取ったスプール受け300は、第3シリンダ292を駆動することで受け部304を図43の時計方向に回動させてスプール22を保持した後、第1シリンダ284の駆動により巻込機構88を構成する係合部352a、352bの高さまで下降する。次いで、スプール受け300および受け部304は、第2シリンダ286の駆動によりインサート機構84側に移動し(図44参照)、係合部352a、352b間に臨入する。この状態において、巻込機構88を構成するシリンダ344a、344bが駆動され、移動部346a、346bに支持された軸受け部材350a、350bを介して係合部352a、352bをスプール22に指向して変位させ、両端部に係合させる(図13、図15参照)。
【0157】
スプール22が巻込機構88に受け渡された後、スプール供給機構86を構成する第3シリンダ292が駆動され、ロッド294が下方向に変位すると、リンク部材296が回動し、その先端部に連結された受け部304が長孔298に挿通されたピン部材302によって回動し、受け部304がスプール22から離間する(図45参照)。次いで、受け部304およびスプール受け300は、図43および図44に示す動作と逆の動作でガイド板266a、266bの下端部まで復帰し、次のスプール22を受け取るために待機する。
【0158】
スプール供給機構86よりスプール22を受け取った巻込機構88では、先ず、第2シリンダ364を駆動し、移動部366を介して位相整定板368をスプール22に形成された段部22cの上部まで移動させた後、第1シリンダ360を駆動し、ロッド362を介して第2シリンダ364を下降させ、位相整定板368の先端部をスプール22に当接させる(図46参照)。次いで、スプール回転制御部752は、巻込モータ354を駆動し(図47参照)、係合部352bを介してスプール22を回転させる。このとき、位相整定板368の先端部がスプール22の段部22cに当接すると、巻込モータ354に所定以上のトルクが発生するため、そのトルクをサーボアンプ780が検出して巻込モータ354の回転が停止し、スプール22の溝部22dが所定の位相に整定されることになる。
【0159】
スプール22の位相が整定された後、位相整定板368は、図15に示す原位置に戻される。次いで、フイルムストリップ14aの先端部20aをスプール22の溝部22dに挿入する処理が行われる。
【0160】
フイルムロール回転制御部746、スプロケット制御部748およびインサートローラ制御部750は、送出モータ148、送りモータ196および246を図47に示すフイルムフィードパターンA1およびA3に従って駆動することにより、フイルムストリップ14aを所定長だけスプール22側に搬送する。この場合、フイルムストリップ14aの先端部20aは、インサート機構84を構成する第1ガイド部材238a、238bによってガイドされて搬送された後、第2ガイド部材240a、240bの凹部260aおよび凸部260bによって湾曲され、剛性が付与された状態で溝部22dに支障なく挿入される(図10、図13参照)。
【0161】
先端部20aがスプール22の溝部22dに挿入された後、フイルムストリップ14aのスプール22への巻き込み処理が開始される。この場合、インサート機構84を構成する第1ガイド部材238a、238bおよび第2ガイド部材240a、240bは、巻き込み処理中のフイルムストリップ14aの損傷を回避するため、図48に示すように、フイルムストリップ14aから離間した状態に設定される。すなわち、シリンダ252が駆動され、移動ブラケット253を介して第1ガイド部材238bが下降し、第1ガイド部材238aから離間する。また、シリンダ258a、258bが駆動され、第2ガイド部材240a、240bが上下に離間する。
【0162】
次いで、フイルムロール回転制御部746、スプロケット制御部748、インサートローラ制御部750およびスプール回転制御部752は、送出モータ148、送りモータ196、246および巻込モータ354を図47に示すフイルムフィードパターンA2〜A4に従って駆動する。なお、巻込モータ354は、係合部352bをスプール22の位相整定時とは逆方向に回転させる。これにより、フイルムストリップ14aのスプール22に対する巻き込み処理が行われる。
【0163】
ここで、フイルムストリップ14aをスプール22に巻き込むことにより巻き太りが生じる。この巻き太りによる巻き込みの周速度の上昇と、これに伴う巻き込みテンションの上昇を防ぐため、スプール回転制御部752は、フイルムフィードパターンA2を基準に、巻取り径算出部784からの巻取り径情報を用いて、巻込み周速度がスプロケット194の周速度と同等となるようにフイルムフィードパターンA4をリアルタイムで算出し、巻込モータ354の回転を制御する。
【0164】
すなわち、巻取り径算出部784は、与えられた製品情報であるフイルムストリップ14aの厚みtと、スプロケット制御部748から得られるフイルムストリップ14aの現時点での搬送長さLと、スプール22の軸芯の径D0とを用いて、スプール22に巻き込まれたフイルムストリップ14aの巻取り径Drwを、
π・(Drw/2)2−π・(D0/2)2=L・t …(2)
の関係から求める。得られた巻取り径Drwは、スプール回転制御部752に供給され、これによって巻込モータ354の回転が図47に示すフイルムフィードパターンA4のように制御される。
【0165】
また、フイルムストリップ14aの巻き込み処理中において、巻込モータ354に発生するトルクをサーボアンプ780により検出し、所定以上のトルクが発生しないように巻込モータ354を制御することにより、巻き込み処理中のフイルムストリップ14aに対して過度のテンションのかかることを回避し、品質への悪影響を防ぐことができる。なお、巻取り径算出部784からの巻取り径の情報をサーボアンプ780のトルク制限データとして反映することにより、定テンション巻き込み処理、あるいは、テンションを徐々に変化させるテーパテンション巻き込み処理を行うことも可能である。
【0166】
一方、上記のようにして、フイルムストリップ14aの先端部20aをスプール22の溝部22dに挿入し、また、フイルムストリップ14aをスプール22に巻き込む動作を行う間、フイルムストリップ14aは、スプロケット194やインサートローラ236bと異なった速度パターンで、図47に示すフイルムフィードパターンA3に従ってフイルムロール14から送り出される。この場合、フイルムストリップ14aの送出速度をスプロケット194やインサートローラ236bに比較して緩慢に加減速される制御とすることにより、急激な加減速によるフイルムロール14の巻きずれを回避し、フイルムストリップ14aの品質を良好に維持することができる。なお、フイルムロール14の加減速を小さく設定することにより、送出モータ148の小型化を達成することもできる。
【0167】
ここで、フイルムストリップ14aは、バッファ機構78を介して巻込機構88に供給される訳であるが、バッファ機構78を構成するダンサローラ180は、送出機構74によるフイルムストリップ14aの送出速度と、巻込機構88によるフイルムストリップ14aの巻き込み速度との差を調整すべく、フイルムストリップ14aのバッファとなるループを形成する。この場合、フイルムストリップ14aのループがダンサローラ180によって縦方向に強制的に形成されるため、ダンサローラ180を用いることなくフイルムストリップ14aをフリーな状態でループさせる場合に比較して、ループを収容するのに必要な供給ユニット32、巻込ユニット34間の水平方向の距離を小さく設定し、フイルム製造装置10を小型化することができる。
【0168】
また、送出モータ148によるフイルムフィードパターンA3と、送りモータ196によるフイルムフィードパターンA1、A2との関係を適切に設定することにより、ダンサローラ180の上下の変動幅を最小限のものとし、フイルム製造装置10の上下方向に対するサイズを小型化することもできる。この場合のフイルムフィードパターンA1〜A3は、フイルムストリップ14aの送出開始タイミング、送出速度および加減速時間を変数とし、バッファ機構78へのフイルムストリップ14aの搬入量とバッファ機構78からのフイルムストリップ14aの搬出量との差分を計算することで、容易に求めることができる。
【0169】
なお、フイルムロール回転制御部746は、フイルムロール14から送り出されるフイルムストリップ14aの送出速度を設定されたフイルムフィードパターンA3に合致させるべく、ロール径算出部762によって1回の送り毎に算出されるロール径に基づいて送出モータ148を駆動制御する。図47におけるフイルムフィードパターンA3に重ねて表示した点線の特性は、このようにして制御した場合におけるダンサローラ180のフォトインタラプタ192bの位置を基準とした変動状態を示す。
【0170】
さらに、上記のようにしてフイルムストリップ14aを送り出してスプール22に巻き込む動作を行うことにより、所定長のフイルムストリップ14aのスプール22に対する巻き込みが完了した際、ダンサローラ180の厳密な位置制御を行うことなく、簡易な制御構成においてダンサローラ180をダンサ原点であるフォトインタラプタ192bの近傍に停止させることができる。なお、フォトインタラプタ192bの上下に配設されるフォトインタラプタ192aまたは192cがダンサローラ180を検知したときには、異常であると判定することができる。
【0171】
一方、係合部352a、352bの側部には、スプール22のフランジ22a、22bの状態を検査するための反射型のセンサ358a、358bが配設されており、これらのセンサ358a、358bは、スプール22の位相整定時、あるいは、スプール22へのフイルムストリップ14aの巻き込み時において、フランジ22a、22bの状態の検査を行う。
【0172】
すなわち、スプール22が係合部352a、352bによって回転している間、反射型のセンサ358a、358bは、赤外光等の光を各フランジ22a、22bに対して照射し、各フランジ22a、22bの状態を検査する。各フランジ22a、22bが正常である場合には、センサ358a、358bが反射光を受光できるよう光軸が調整されている。一方、例えば、図49に示すように、フランジ22aに欠損部22fが存在している場合には、欠損部22fがセンサ358aから照射される光の光軸上に位置したとき、前記光がフランジ22aによって反射されないため、センサ358aは、フランジ22aに欠損部22fが存在することを検出する。フランジ22b側についても同様にセンサ358bによって検査される。
【0173】
このように、スプール22におけるフランジ22a、22bの状態検査は、スプール22の位相整定処理、あるいは、スプール22に対するフイルムストリップ14aの巻き込み処理と並行して行われるため、検査に要する時間がフイルムの製造時間に付加されることがなく効率的である。なお、フランジ22a、22bに欠損部22fを有するスプール22にフイルムストリップ14aが巻回されて構成される巻込パトローネ12は、例えば、後述する巻込パトローネ搬出部50において、不良品としてシリンダ738によって変位する押圧部材742により搬送コンベア734から廃棄することができる(図35参照)。
【0174】
また、スプール22におけるフランジ22a、22bの状態検査は、スプール22に対してフイルムストリップ14aを巻回させる前に行うこともできる。
【0175】
この場合、巻込機構88は、位相整定板368によるスプール22の位相整定処理に先立ち、巻込モータ354を駆動してスプール22を回転させることにより、フランジ22a、22bの状態を検査する。そして、フランジ22a、22bに欠損部22fのあることが確認された場合、位相整定板368による位相整定処理およびスプール22に対するフイルムストリップ14aの巻回処理を行うことなく、空の状態のスプール22を次の工程に渡すようにする。
【0176】
このような処理を行うことにより、フイルムストリップ14aの巻回されていない巻込パトローネ12を、不良品として巻込パトローネ搬出部50から廃棄することができる。従って、フイルムストリップ14aを無駄にすることがなく、経済的である。
【0177】
スプール22に所定長のフイルムストリップ14aが巻装されると、切断機構82を構成するシリンダ218が駆動され、上刃部220が下刃部216に指向して下降し、ノッチ18の部分においてフイルムストリップ14aを切断し、これによって定尺フイルム20が形成される。なお、切断されたノッチ18の部分は、巻込ユニット34の下方に廃棄される。
【0178】
フイルムストリップ14aが切断された後、次のフイルムストリップ14aの供給のための初期設定として、ダンサローラ180の位置補正を行う。すなわち、フイルムストリップ14aの送出動作完了時において、ロール径算出部762による算出誤差等により、ダンサローラ180の停止位置がダンサ原点から若干ずれてしまい、このずれが次のフイルムストリップ14aを送り出す際に誤差として累積されてしまうことが懸念される。
【0179】
そこで、ダンサ位置算出部764は、カウンタ759および761の各計数値からダンサローラ180の位置を算出する。この算出結果から、ダンサローラ180がダンサ原点であるフォトインタラプタ192bの上下どちらにあるかを判断する。切換スイッチSW2をダンサ位置補正部781側に切り換えた後、ダンサ位置補正部781は、前記の判断結果に基づき送出モータ148の回転方向を決定して逆転または正転させ、ダンサローラ180がフォトインタラプタ192bによって検出されるダンサ原点に到達した時点で送出モータ148の駆動を停止させる(図47参照)。次いで、ダンサローラ180がダンサ原点に到達した後、カウンタ759および761による計数値を、フイルムストリップ14aのバッファ機構78における既知のループ量に見合ったダンサ位置検出結果となるよう、適切な計数値に初期化する。また、切換スイッチSW2は、フイルムロール回転制御部746側に切り換える。
【0180】
このように、ダンサローラ180の位置をその変位量から直接検出することなく、バッファ機構78に対するフイルムストリップ14aの入出量から間接的に算出するため、位置検出に要する設備コストを低減し、且つ、充分な精度からなるダンサローラ180の位置決め制御を行うことができる。なお、このダンサローラ180の位置補正処理は、後述する切断後の定尺フイルム20の後端部20bの巻き込み動作と並行して行うことにより、機械のサイクルタイムの短縮を図ることができる。
【0181】
フイルムストリップ14aが切断され、所定長の定尺フイルム20がスプール22に巻き込まれた後、定尺フイルム20の後端部20bの巻き込み処理を行う。この場合、後端部20bの必要な巻き込み量は、機械寸法によって一意に決定されており、送りモータ246および巻込モータ354とを協調させて行われる(図47参照)。
【0182】
一方、巻込機構88は、後端部20bの巻き込み動作において、定尺フイルム20の後端部20bがインサートローラ236a、236bの接触点を通過した時点で、組立ユニット36の移送機構95への変位動作を開始する。これにより、後端部20bの巻き込み動作完了後に移送機構95へ変位する場合に比較して、機械サイクルタイムを短縮することができる。
【0183】
すなわち、図15において、シリンダ336が駆動され、ロッド338a、338bを介してブラケット340が上昇し、それに軸支されている支持ディスク342a、342bがスプール22に巻装されている定尺フイルム20の部分に当接する。これにより、定尺フイルム20の巻き戻りが阻止される。なお、支持ディスク342a、342bは、図15に示すように、スプリング339a、339bを介して上下動自在に支持されているため、スプール22に対する定尺フイルム20の巻取り径によらず、定尺フイルム20を好適に支持することができる。
【0184】
次いで、図14および図16において、シリンダ314が駆動されると、そのロッド316の先端部に軸支されたリンク部材318および324が回動し、リンク部材324の端部に連結された基台310がガイドレール308a、308bに沿って移送機構95側に変位する。この基台310上には、スプール22が保持されており、スプール22が基台310とともに移送機構95側に変位することになる。
【0185】
基台310がガイドレール308a、308bに沿って移動した際、その下面部に配設した位置決め板328a、328bが支持板306bに配設した衝撃吸収機構330cおよび330dに当接することで、移送機構95に対するスプール22の位置決めが行われる。この場合、衝撃吸収機構330cおよび330dは、ショックアブソーバ334を有するとともに、当接部位に衝撃吸収板332を設けているため、振動がスプール22側に伝わることがなく、極めて良好な巻き込み状態を得ることができるとともに、機械の寿命を長期化させることができる。さらに、振動が十分に吸収される構成であるため、巻込機構88を高速に変位させることが可能となる。従って、スプール22に定尺フイルム20が巻き込まれてなる巻回体24を移送機構95に対して高速で受け渡すことができる。
【0186】
一方、移送機構95を構成するクランパ464a〜464dおよび466a、466bは、第1シリンダ458および第2シリンダ462が駆動されることにより、巻込機構88側の前進端に待機する(図20参照)。なお、クランパ464a〜464dおよび466a、466bは、図50に示すように、シリンダ465によって開放状態に設定されている。
【0187】
そこで、巻回体24がクランパ464a〜464d間および466a、466b間に臨入すると、シリンダ465が駆動され、巻回体24がクランプされる。なお、クランパ464a〜464dは、スプール22のフランジ22a、22bをクランプし、クランパ466a、466bは、定尺フイルム20をクランプする。このとき、定尺フイルム20の巻き戻りは、クランパ466a、466bによって阻止される。
【0188】
次いで、巻込機構88において、シリンダ344a、344bが駆動され、係合部352a、352bがスプール22から離脱し、同時に支持ディスク342a、342bがシリンダ336によって離脱した後、巻込機構88は、インサート機構84側に復帰する。この場合、巻込機構88における基台310の下面部に配設した位置決め板328a、328bが支持板306aに配設した衝撃吸収機構330aおよび330bに当接することで、振動が十分に吸収された状態でインサート機構84側に対する位置決めが行われる。
【0189】
一方、移送機構95は、第1シリンダ458の駆動により組込機構96が配置された部位まで移動する(図20参照)。次に、組込機構96が移送機構95に保持された巻回体24を搬送機構94によって供給される片開パトローネ28に挿入する処理を行う。この挿入処理に先立ち、片開パトローネ28の供給処理について説明する。
【0190】
図17において、片開パトローネ28は、パトローネ搬送部46を構成するパレット376に形成されたV字状の台座376aに載置される。この場合、キャップ30の装着されていない方を手前とし、片開パトローネ28のストレート部28aが搬送方向の下流側となるように載置する。台座376aには、図示しないマグネットが埋設されており、片開パトローネ28は、このマグネットによって吸着固定される。片開パトローネ28を保持したパレット376は、搬送モータ372が駆動されることにより、チェーンベルト374を介して矢印方向に動くことで片開パトローネ28をパトローネ供給機構90へと搬送する。なお、片開パトローネ28の搬送経路中には、片開パトローネ28に設けられたバーコード28dを読み取るバーコードリーダ380が配設されており、読み取ったバーコード28dに基づき、例えば、種類の異なる片開パトローネ28が供給されているか否かの検査を行うことができる。
【0191】
パトローネ供給機構90まで搬送された片開パトローネ28は、投光器384および受光器385によって片開パトローネ28の有無が検出されるとともに、投光器388および受光器390によって検出された信号に基づいてパレット376の位置決めがなされた後、搬送機構94に移載される。
【0192】
ここで、搬送機構94を構成するパレット92は、リンク部材402によって連結されており、組立ユニット36内の取出機構108近傍に配置された駆動機構(図19参照)によりガイドレール404に沿って循環搬送される。すなわち、パレット92は、コーナ部の1つに孔部428を備えている。駆動機構を構成する係合ピン448は、シリンダ446によって隔壁130に形成した長孔450より突出し、孔部428に係合する。次いで、シリンダ442が駆動され、移動部444が係合ピン448を変位させることにより、パレット92が間欠的に搬送される。
【0193】
パレット92がパトローネ供給機構90による片開パトローネ28の挿入部位に到達すると、その部位に配設されたシリンダ434が駆動され、位置決めピン436がパレット92の孔部428に挿入されることでパレット92が位置決めされる。さらに、その部位に配設されたシリンダ430が駆動され、ロッド432がアーム部材414のカムフォロア416を押圧する(図18参照)。そのため、アーム部材414が回動し、その先端部に配設された可動ホルダ410が固定ホルダ412より所定量離間した状態となる。
【0194】
この状態において、パトローネ供給機構90を構成するシリンダ392が駆動されると、移動部394に連結されたアーム部材396を介して挿入部材398が変位し、片開パトローネ28の中空部に挿入される。次いで、挿入部材398をさらに変位させることにより、その変位方向に配設されているパレット92における可動ホルダ410および固定ホルダ412間に片開パトローネ28が挿入される。片開パトローネ28が挿入された後、シリンダ430を駆動してロッド432を後退させることにより、可動ホルダ410がスプリング418の引張力によって固定ホルダ412側に変位し、片開パトローネ28を保持する。なお、片開パトローネ28のストレート部28aは、固定ホルダ412に固定された受け部材424によって位置決め支持される。
【0195】
片開パトローネ28を保持したパレット92は、ガイドレール404に沿って組込機構96の前面まで搬送される(図20参照)。パレット92が組込機構96に搬送されると、その部位に配設されたシリンダ434が駆動され、位置決めピン436がパレット92の孔部428に挿入されることでパレット92が位置決めされる。続いて、その部位に配設されたシリンダ487が駆動され、移動体489を介してスプール位置決めピン485が変位し、パレット92の可動ホルダ410、固定ホルダ412間に形成された孔部429を介して片開パトローネ28内に挿入される(図21参照)。そして、スプール位置決めピン485の先端部は、移送機構95によって保持されたスプール22のフランジ22b側の端部に係合し、スプール22を位置決めする。
【0196】
同時に、第2シリンダ472が駆動され、移動ブラケット474を介して規制プレート480a、480b、保持板482a、482bおよびクランパ484a、484bを移送機構95に保持された巻回体24側に前進させる。このとき、保持板482a、482bは、図51に示すように、スプール22の突部22eに係合し、クランパ484a、484bが突部22eの上下に配置される。また、幅広の規制プレート480aは、定尺フイルム20の後端部20bの下面部に配置され、幅狭の規制プレート480bは、定尺フイルム20の後端部20bの上面部に配置される。
【0197】
次いで、第4シリンダ478が駆動されると、クランパ484a、484bがスプール22の突部22eをクランプする。また、第3シリンダ476が駆動されると、規制プレート480aが後端部20bの下面を位置決めし、規制プレート480bが規制プレート480aとともに後端部20bを挟持する(図52参照)。
【0198】
前記のようにしてスプール22が保持されるとともに、定尺フイルム20の後端部20bが挟持されると、シリンダ465が駆動され、クランパ464a〜464dおよび466a、466bが巻回体24から離間し、次いで、第2シリンダ462が駆動され、クランパ464a〜464dおよび466a、466bが移動部463とともに組込機構96の前面から退避する。
【0199】
次いで、シリンダ430が駆動され、ロッド432がアーム部材414の端部のカムフォロア416を押圧することにより、アーム部材414が回動し、可動ホルダ410が固定ホルダ412より離間する。このとき、片開パトローネ28のストレート部28aおよびハゼ部28b間が離間し、その間に隙間が形成される。なお、片開パトローネ28は、固定ホルダ412に埋設されているマグネット422によって吸着保持されている。
【0200】
前記の状態において、移送機構95に保持された巻回体24を組込機構96によって片開パトローネ28に挿入する処理を行う。
【0201】
そこで、第1シリンダ470が駆動され、移動部471を介して第3シリンダ476および第4シリンダ478が巻回体24を保持した状態で前進し、パレット92によって保持されている片開パトローネ28に巻回体24を挿入する。この場合、下面部が規制プレート480aによって位置決めされている定尺フイルム20の後端部20bは、片開パトローネ28のストレート部28a、ハゼ部28b間の間隙に支障なく挿入される(図53参照)。なお、後端部20bの下面部が規制プレート480aによって位置決めされるため、例えば、巻き取り径の異なる定尺フイルム20であっても、後端部20bの高さを常に一定に保持し、片開パトローネ28に対して確実に挿入することができる。
【0202】
以上のようにして巻回体24が片開パトローネ28に挿入されると、パレット92のカムフォロア416を押圧しているロッド432が後退し、片開パトローネ28が可動ホルダ410および固定ホルダ412によって保持される。次いで、位置決めピン436が後退してパレット92を開放する。その後、パレット92は、巻回体24が挿入された片開パトローネ28を保持した状態でキャップ30の装着機構102に搬送された後、パレット92の孔部428に対して再び位置決めピン436が挿入されることで、パレット92が位置決め固定される(図18参照)。
【0203】
装着機構102では、キャップ供給機構100から供給されるキャップ30を片開パトローネ28に仮装着する処理が行われる。すなわち、ホッパ48からキャップ供給通路47を介してキャップフィーダ98に収容されたキャップ30は、シュート486からキャップ供給機構100を構成するガイド板488a、488bを介して装着機構102に供給される(図22参照)。
【0204】
図24において、シリンダ520が駆動されると、そのロッド522に連結された連結板518を介してロッド516a、516bが隔壁130側に変位する。このロッド516a、516bの変位に伴い、装着機構102を構成する支持板496a、496bが隔壁130側に変位する。
【0205】
ここで、支持板496bの隔壁130側への変位に伴い、支持板496bに固定されたブラケット498、板体502を介してピン部材500がガイド板488a、488b間に臨入する。同時に、支持板496bの隔壁130側への変位に伴い、ブラケット498に連結された板体508、510を介してピン部材506がガイド板488a、488b間より抜き取られる。この結果、1つのキャップ30がピン部材506から離脱して落下し、ピン部材500によって支持される。なお、全く逆の動作により、支持板496bが隔壁130から離間する方向に変位すると、上部に位置するピン部材506がキャップ30の孔部30aに挿入されてキャップ30を保持する一方、下部に位置するピン部材500がガイド板488a、488b間から抜き取られ、その上部に支持されたキャップ30が装着機構102側に落下する(図23参照)。なお、以下の説明では、上記の動作によって1つのキャップ30が装着機構102に供給されているものとする。
【0206】
キャップ供給機構100から供給されたキャップ30は、支持板496bに形成された溝部542を介してキャップ保持部材550の中央部に供給される。このとき、キャップ30は、図25に示すように、マグネット555と、キャップ保持部材550に装着されたばね部材560a、560bと、支持板496bに装着された板体544(図23参照)とによって保持される。
【0207】
そこで、装着機構102を構成するシリンダ520がさらに変位すると、支持板496bがストッパ530a、530bに当接し、その変位が阻止される。一方、支持板496aは、スプリング524a、524bを圧縮しながら支持板496b側にさらに変位する。従って、支持板496aに装着されたピン部材534が板体544に形成した孔部546を介してキャップ30の孔部30aに挿入される。次いで、押圧部材532の先端部がキャップ30における孔部30aの外周部を押圧し、キャップ30をばね部材560a、560bの弾発力に抗してガイドブロック572a、572b側へ変位させる(図25参照)。この場合、キャップ30は、ピン部材534によって保持されているので、脱落することはない。
【0208】
一方、ガイドブロック572a、572bが装着されたスライドテーブル564a、564bは、支持板496aに連結されたカム部材538a、538bによって近接変位する。すなわち、図22および図26に示すように、支持板496aが隔壁130側に変位すると、カム部材538a、538bの先端部におけるテーパ面540a、540bがスライドテーブル564a、564bの上下に配設されたカムフォロア570a、570bをスプリング566a〜566dの弾発力に抗して押圧する。これにより、スライドテーブル564a、564bがガイドレール562a、562bにガイドされた状態で近接変位する。従って、スライドテーブル564a、564bに装着されたガイドブロック572a、572bも近接変位することになる。
【0209】
ここで、隔壁130と支持板496bとの間には、パレット92によって搬送された巻回体24の収納された片開パトローネ28が位置決め配置されている。従って、半円弧形状からなるガイドブロック572a、572bは、図27に示すように、キャップ30が装着される片開パトローネ28の端部を挟持調整することになる。すなわち、ガイドブロック572a、572bに形成されたパトローネガイド部574a、574bが片開パトローネ28の端部外周部を挟持し、これによって片開パトローネ28のストレート部28aと、ハゼ部28bとがリボン28cを介して密着する。また、片開パトローネ28の端部から突出するリボン28cは、ガイドブロック572bに形成されたガイド面578の折込面580によってハゼ部28b側に折り込まれる。さらに、片開パトローネ28の端部には、ガイドブロック572a、572bに形成されたキャップガイド部576a、576bによってキャップ30が挿入される隙間が形成される。
【0210】
そこで、ピン部材534によって保持されたキャップ30は、押圧部材532により押し込まれ、片開パトローネ28の端部に装着される。このとき、リボン28cがガイドブロック572bの折込面580によって折り込まれているため、キャップ30によって噛み込まれることがなく、片開パトローネ28内の巻回体24の光密性が確保される。
【0211】
前記のようにしてキャップ30が仮装着された巻込パトローネ12は、パレット92により次のかしめ機構104に搬送される。なお、キャップ30は、片開パトローネ28の端部のスプリングバックの力により保持されているため、搬送中にキャップ30が脱落するようなことはない。
【0212】
かしめ機構104に巻込パトローネ12が搬送されると、その部位に配設されたシリンダ434が駆動され、位置決めピン436がパレット92の孔部428に挿入されることでパレット92が位置決めされる。次いで、図30および図31に示す位置決め機構624によって巻込パトローネ12のストレート部28aとハゼ部28bとが位置決め固定される。すなわち、第1位置決め部626aにおいて、位置決めプレート628を有するシリンダ632がシリンダ630の駆動によって巻込パトローネ12の軸線方向に変位する。次いで、シリンダ632が駆動され、位置決めプレート628がハゼ部28bの折曲部分に差し込まれる。一方、第2位置決め部626bにおいて、シリンダ638が駆動されると、リンク部材636を介して押圧部材634が回動し、その先端部がストレート部28aに押圧される。この結果、ストレート部28aおよびハゼ部28bが位置決めプレート628および押圧部材634によって挟持位置決めされる。
【0213】
前記の状態において、かしめ機構104が駆動される。図28および図29において、シリンダ588が駆動されると、ロッド590およびスライド板586を介して押型600が巻込パトローネ12側に変位する。押型600が所定量変位すると、スライドバー606を介してスプール支持部材608が変位し、スプール22の突部22eに係合し、スプール22を保持する(図54参照)。また、スライドバー606の先端部606aは、図54に示すように、キャップ30の孔部30a周辺を、スプール22の突部22eと前記先端部606aとによって挟持することで変形しない状態に保持する。
【0214】
一方、押型600のテーパ面598にテーパ面612が当接するかしめ型614a〜614hは、押型600の変位方向と直交する方向に変位する。この場合、かしめ型614a〜614hの先端部に形成されたくさび部616a〜616hは、キャップ30の外周部を巻込パトローネ12の端部内周部に指向して変形させる。この結果、キャップ30が巻込パトローネ12にかしめられることになる。
【0215】
キャップ30がかしめられた巻込パトローネ12は、次に、パレット92によって検査機構106に搬送され、巻込パトローネ12に巻き込まれた定尺フイルム20の引出抵抗の検査と、巻込パトローネ12から外部に露出する定尺フイルム20の後端部20bの長さ検査が行われる。この場合、検査機構106にパレット92が搬送されると、位置決めピン436が基台408の孔部428に挿入されてパレット92が位置決め固定された後、ロッド432によってカムフォロア416が押圧され、アーム部材414が回動して可動ホルダ410による巻込パトローネ12の挟持状態が解除される(図18参照)。
【0216】
次いで、図32および図33において、シリンダ644が駆動され、ロッド652が変位して係合部654がキャップ30に係合し、巻込パトローネ12を固定する。なお、係合部654は、スプール22の突部22eに当接することがなく、スプール22を回転可能な状態としている。また、シリンダ656が駆動され、クランプ部材662a、662bが定尺フイルム20の後端部20bの上下に配置される。その後、シリンダ660が駆動され、クランプ部材662a、662bが後端部20bを挟持する。
【0217】
クランプ部材662a、662bが後端部20bを挟持すると、モータ672が駆動され、その駆動軸674を介してブラケット668がガイドレール646に沿って変位する。ブラケット668には、スプリング666を介してブラケット664が連結されており、ブラケット664には、さらに、第1スライドテーブル648を介して定尺フイルム20の後端部20bを挟持するクランプ部材662a、662bが連結されている。従って、ブラケット668の変位は、ガイドレール646を介してクランプ部材662a、662bに伝達され、後端部20bを巻込パトローネ12より引き出すことになる。
【0218】
なお、定尺フイルム20の引出抵抗の検査を行う際、図33に示す引出抵抗検査部107を構成するモータ672は、図55に示すように設定した変位速度でブラケット668を矢印方向に変位させる。この場合、空気圧力で動作するシリンダを用いてブラケット668を変位させる場合に比較すると、モータ672を用いることにより、ブラケット668の変位速度を安定して管理することができる。
【0219】
ここで、スプリング666の弾性力は、定尺フイルム20を巻込パトローネ12から引き出す際の許容最大引出抵抗よりも大きな力が加えられたとき、所定長まで伸張するように設定されている。従って、例えば、キャップ30等に定尺フイルム20が噛み込まれることがなく、巻込パトローネ12に適正な状態で定尺フイルム20が巻装されていると、定尺フイルム20が容易に引き出されるため、第2スライドテーブル650の変位に伴って第1スライドテーブル648も変位する。この場合、第2スライドテーブル650に固定された検出器680と、第1スライドテーブル648に固定されたドグ678との距離は、所定距離以下に保持される。この結果、定尺フイルム20の引出抵抗が十分に小さく、適正な状態に巻装されているものと判定することができる。
【0220】
一方、定尺フイルム20の引出抵抗が大きい場合には、第2スライドテーブル650の変位に伴う第1スライドテーブル648の変位量が小さく、スプリング666が所定長以上伸張して、検出器680がドグ678より離間する。従って、検出器680は、定尺フイルム20の巻込パトローネ12からの引出抵抗が大きく、当該巻込パトローネ12が不良品であるものと判定することができる。
【0221】
図56は、ドグ678に対する検出器680の距離と、その距離に応じた検出器680からの出力との関係を示す。
【0222】
検出器680は、ドグ678に対する検出器680の距離の増加に比例して増加する電圧値を出力する。検出器680がドグ678から距離ath以上離間し、電圧値がvth以上となったとき、定尺フイルム20の引出抵抗が許容最大引出抵抗を超過しており、当該巻込パトローネ12が不良品であると判定される。
【0223】
表1は、分銅等の基準器を用いて検出機構の校正を行う際の実験データを示す。この実験では、スプリング666の初張力を250gf(=2.45N)とし、各種分銅負荷を引張している。この実験から、設定したスプリング666の初張力、すなわち、許容最大引出抵抗に相当する250gの分銅を負荷とした場合、確実に不良品として判定される結果が得られた。なお、スプリング666の選定にあたっては、製品の引出抵抗規格値だけでなく、第1スライドテーブル648とガイドレール646間の摺動抵抗や、シリンダ656とシリンダ660へのエア配管によって生じる抵抗、あるいは、スプリング666が伸張することによる張力の増加分などを考慮した上で適宜設定する必要がある。
【0224】
【表1】
Figure 0003833524
【0225】
また、検査機構106は、引出抵抗検査部107に併設して、巻込パトローネ12から外部に露出する定尺フイルム20の長さを検査する長さ検査部109を備えている。この長さ検査部109は、図32に示すように、引出抵抗検査部107のクランプ部材662a、662bによって把持されて引き出された定尺フイルム20の後端部20bが受光部117b、119b間に配置された場合には、巻込パトローネ12から外部に露出する後端部20bの長さが規定範囲内にあるものと判定し、それ以外の場合には、規定範囲外として不良品であるものと判定することができる。なお、パレット92によって巻込パトローネ12が搬送される際、巻込パトローネ12から露出する定尺フイルム20の後端部20bと、長さ検査部109の板体115a、115bが干渉することを防ぐため、長さ検査の実施時以外は、シリンダ111により前記板体115a、115bを退行させておく。
【0226】
定尺フイルム20の引出抵抗と、巻込パトローネ12から外部に露出する定尺フイルム20の長さが検査された巻込パトローネ12は、次に、取出機構108に搬送される。
【0227】
取出機構108では、先ず、図19に示すように、パレット92の側部に配置された溝部456を有する移動部454がシリンダ452によって変位し、基台408に植設されたカムフォロア426に係合する。これによってパレット92が取出機構108に位置決めされる。パレット92が溝部456によって位置決めされた後、移動部454に装着されたシリンダ455によって移動部459がパレット92側に変位し、移動部459に連結された押圧部材457がアーム部材414のカムフォロア416を押圧し、アーム部材414を回動させることにより、巻込パトローネ12の保持を解除する。
【0228】
そこで、図34および図36において、取出機構108を構成するシリンダ690が駆動され、移動体692およびブラケット694を介してクランプ部材698a、698bが巻込パトローネ12に接近する。クランプ部材698a、698bが片開パトローネ28の外周部に配設されると、シリンダ700が駆動され、クランプ部材698a、698bが巻込パトローネ12を把持する。次いで、シリンダ690の移動体692が後退して巻込パトローネ12をパレット92より取り出す。
【0229】
巻込パトローネ12がパレット92から取り出された後、ロータリアクチュエータ704が駆動され、ギア706および708を介してクランプ部材698a、698bが旋回し、巻込パトローネ12が直立状態に設定される。この場合、クランプ部材698a、698bの下部には、第1移載部684を構成する受け部材716が待機している。そこで、シリンダ700が駆動されてクランプ部材698a、698bが開成されることにより、把持されていた巻込パトローネ12が落下し、受け部材716に保持される。受け部材716によって保持された巻込パトローネ12は、シリンダ710の駆動によってガイドレール712に沿って第2移載部686の下部まで移動する。
【0230】
図35および図37において、第1移載部684の上部には、第2移載部686を構成するクランプ部材732a、732bが待機しており、巻込パトローネ12が到着すると、シリンダ724が駆動され、移動部729を介してクランプ部材732a、732bが下降し、次いで、シリンダ730が駆動されることにより、巻込パトローネ12がクランプ部材732a、732bによって把持される。巻込パトローネ12を把持したクランプ部材732a、732bは、シリンダ724によって上昇した後、シリンダ718の駆動により移動体720を介して巻込パトローネ搬出部50を構成する搬送コンベア734の上部に移動する。そして、クランプ部材732a、732bが開成されて搬送コンベア734上に載置された巻込パトローネ12は、完成品として組立ユニット36の外部に搬出される。
【0231】
一方、クランプ部材732a、732bの側部には、押圧部材728が並設されており、クランプ部材732a、732bが搬送コンベア734の上部に移動した際、第1移載部684によって搬送された次の巻込パトローネ12に対して、シリンダ722によって押圧部材728を下降させて押圧させる。押圧部材728の中央部には、スプール22の突部22eを回避すべく凹部786が形成されており、押圧部材728は、巻込パトローネ12のキャップ30に当接する。これにより、押圧部材728に連結する板部材788が上昇する。板部材788の下面部には、シリンダ722によって下降する移動部726側に固定された2個の近接センサ790、792が配置されており、それぞれの近接センサ790、792は、肩高さの上限および下限がオンオフの閾値となるように板部材788との距離が設定されている。従って、近接センサ790、792のオンオフ信号を判断することにより、巻込パトローネ12の肩高さが規定の範囲内にあるか否かが判定される。
【0232】
そこで、巻込機構88におけるセンサ358a、358bによりスプール22のフランジ22a、22bに欠陥があると判定された巻込パトローネ12、検査機構106または第2移載部686の押圧部材728による検査の結果、不良品と判定された巻込パトローネ12、あるいは、製品の抜き取り検査対象とされた巻込パトローネ12等は、巻込パトローネ搬出部50の搬出路の側部に配設された押圧部材742により搬送コンベア734外に排出されることになる。
【0233】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、パレット搬送機構によって循環搬送されるパトローネに対して、巻回体の組込処理、キャップの装着処理、キャップの固定処理、定尺フイルムのパトローネに対する巻込状態の検査処理、巻込パトローネの取出処理を順次行い、完成品である巻込パトローネを効率的に製造することができる。
【0234】
この場合、パレットと各処理機構との間でパトローネ等の受け渡し処理を行う必要がないため、その分の処理時間が短縮されるとともに、装置構成も簡便なものとなる効果が得られる。また、各処理装置がパレットの単一の循環搬送路に沿って配設されるため、フイルム製造装置をコンパクトに構成することができる。
【0235】
さらに、巻回体組込機構においては、スプールから突出する定尺フイルムの端部を定尺フイルムの長さによらず一定位置に位置決めすることができる。従って、同一の装置により異なる長さの定尺フイルムからなる巻回体をパトローネに確実に組み込むことができる。
【0236】
また、キャップ装着機構においては、パトローネのストレート部およびハゼ部の位置決めを行った状態で、保持されたキャップを前記パトローネの開口部に確実に装着することができる。なお、キャップを装着する際、パトローネのストレート部およびハゼ部間に配設された遮光リボンを折り込んだ状態で装着処理を行うため、遮光リボンによるフイルムの遮光状態を完全なものとすることができる。
【0237】
さらにまた、パトローネの開口部の位置決め処理およびキャップのパトローネへの装着処理を1つの駆動源によって行うことができるため、装置構成およびこれらの処理の制御をより簡易なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のフイルム製造装置の外観図である。
【図2】本実施形態のフイルム製造装置による巻込パトローネの製造工程の説明図である。
【図3】本実施形態のフイルム製造装置が具備する遮光性袋手段の断面構成図である。
【図4】本実施形態のフイルム製造装置の内部構成図である。
【図5】本実施形態の供給ユニットの斜視構成図である。
【図6】本実施形態の供給ユニットの正面断面構成図である。
【図7】本実施形態の送り機構の斜視構成図である。
【図8】本実施形態の送り機構の側面図である。
【図9】本実施形態の切断機構およびインサート機構の斜視構成図である。
【図10】本実施形態の切断機構およびインサート機構の一部断面正面図である。
【図11】本実施形態のスプール搬送部およびスプール供給機構の一部断面側面図である。
【図12】本実施形態のスプール供給機構の一部切欠斜視構成図である。
【図13】本実施形態の巻込機構の斜視構成図である。
【図14】本実施形態の巻込機構における移動手段の斜視構成図である。
【図15】本実施形態の巻込機構の正面図である。
【図16】本実施形態の巻込機構の一部断面側面図である。
【図17】本実施形態のパトローネ搬送部およびパトローネ供給機構の斜視構成図である。
【図18】本実施形態の搬送機構におけるパレットおよびその位置決め機構の斜視構成図である。
【図19】本実施形態の搬送機構におけるパレットおよびその駆動機構の斜視構成図である。
【図20】本実施形態の移送機構および組込機構の斜視構成図である。
【図21】本実施形態の移送機構および組込機構の平面図である。
【図22】本実施形態のキャップ供給機構および装着機構の斜視構成図である。
【図23】本実施形態のキャップ供給機構および装着機構の要部一部断面図である。
【図24】本実施形態の装着機構の平面図である。
【図25】本実施形態の装着機構における要部斜視構成図である。
【図26】本実施形態の装着機構における要部斜視構成図である。
【図27】本実施形態の装着機構における図26のXXVII−XXVII線断面図である。
【図28】本実施形態のかしめ機構の斜視構成図である。
【図29】本実施形態のかしめ機構の断面図である。
【図30】本実施形態のかしめ機構における位置決め機構の斜視構成図である。
【図31】本実施形態のかしめ機構における位置決め機構の側面図である。
【図32】本実施形態の検査機構の斜視構成図である。
【図33】本実施形態の検査機構における引出抵抗検査部の側面図である。
【図34】本実施形態の取出機構における取出部および第1移載部の斜視構成図である。
【図35】本実施形態の取出機構における第1移載部、第2移載部および巻込パトローネ搬出部の斜視構成図である。
【図36】本実施形態の取出機構における取出部および第1移載部の正面図である。
【図37】本実施形態の取出機構における第1移載部および第2移載部の正面図である。
【図38】本実施形態のフイルムフィード制御系の制御回路ブロック図である。
【図39】本実施形態の送り機構の動作説明図である。
【図40】本実施形態のフイルムロールの送り出し径算出のためのタイミングチャートである。
【図41】本実施形態のインサート機構の動作説明図である。
【図42】本実施形態の切断機構によって切断されるフイルムの説明図である。
【図43】本実施形態のスプール供給機構の動作説明図である。
【図44】本実施形態のスプール供給機構の動作説明図である。
【図45】本実施形態のスプール供給機構の動作説明図である。
【図46】本実施形態の巻込機構におけるスプールの位相整定動作の説明図である。
【図47】本実施形態のフイルムフィード制御系におけるフイルムフィードパターンの説明図である。
【図48】本実施形態のインサート機構の動作説明図である。
【図49】本実施形態の巻込機構におけるスプールのフランジの状態検査の説明図である。
【図50】本実施形態の巻込機構と移送機構との間での巻回体の受け渡し動作の説明図である。
【図51】本実施形態の組込機構による巻回体の保持前の状態説明図である。
【図52】本実施形態の組込機構による巻回体の保持状態の説明図である。
【図53】本実施形態の組込機構による巻回体の片開パトローネへの挿入状態の説明図である。
【図54】本実施形態のかしめ機構によるキャップのかしめ動作の説明図である。
【図55】本実施形態の検査機構における変位速度の説明図である。
【図56】本実施形態の検査機構におけるセンサ出力の説明図である。
【符号の説明】
10…フイルム製造装置 12…巻込パトローネ
14…フイルムロール 16…パーフォレーション
18…ノッチ 20…定尺フイルム
22…スプール 24…巻回体
28…片開パトローネ 30…キャップ
32…供給ユニット 34…巻込ユニット
36…組立ユニット 38…筐体
40…モニタ 42…スプール搬送部
45…制御盤 46…パトローネ搬送部
50…巻込パトローネ搬出部 54a〜54h…遮光性袋手段
72…支持機構 74…送出機構
78…バッファ機構 80…送り機構
82…切断機構 84…インサート機構
86…スプール供給機構 88…巻込機構
90…パトローネ供給機構 92…パレット
94…搬送機構 95…移送機構
96…組込機構 100…キャップ供給機構
102…装着機構 104…かしめ機構
106…検査機構

Claims (2)

  1. 定尺フイルムをスプールに巻き込んでなる巻回体をパトローネに組み込み、キャップを装着することで巻込パトローネとするフイルム製造装置において、
    前記パトローネを位置決め保持し、循環搬送される複数のパレットと、
    前記各パレットを循環搬送するパレット搬送機構と、
    前記パレットの循環搬送路中に設けられ、前記パトローネを前記パレットに供給するパトローネ供給機構と、
    前記パレットの循環搬送路中に設けられ、前記パレットに位置決め保持された前記パトローネに前記巻回体を組み込む巻回体組込機構と、
    前記パレットの循環搬送路中に設けられ、前記巻回体が組み込まれた前記パトローネに前記キャップを装着するキャップ装着機構と、
    前記パレットの循環搬送路中に設けられ、前記巻回体が組み込まれた前記パトローネに前記キャップを固定するキャップ固定機構と、
    前記パレットの循環搬送路中に設けられ、前記キャップが固定された前記パトローネに収納された前記定尺フイルムの巻込状態を検査する巻込状態検査機構と、
    前記パレットの循環搬送路中に設けられ、前記定尺フイルムの巻込状態が検査された前記巻込パトローネを前記パレットから取り出す取出機構と、
    を備えることを特徴とするフイルム製造装置。
  2. 定尺フイルムをスプールに巻き込んでなる巻回体をパトローネに組み込み、キャップを装着することで巻込パトローネとするフイルム製造方法において、
    循環搬送されるパレットに前記パトローネを供給して位置決めするステップと、
    前記パレットに位置決め保持された前記パトローネの端部開口部に対し、前記スプールから所定長突出する前記定尺フイルムの端部を位置決めした状態で前記巻回体を組み込むステップと、
    前記パレットに位置決め保持され、前記巻回体の組み込まれた前記パトローネの端部開口部に対し、前記キャップを装着するステップと、
    前記パレットに位置決め保持された前記パトローネの端部開口部に対し、前記キャップを固定するステップと、
    前記パレットに位置決め保持された前記キャップが固定された前記パトローネに収納された前記定尺フイルムの巻込状態を検査するステップと、
    前記パレットに位置決め保持され、前記定尺フイルムの巻込状態が検査された前記巻込パトローネを前記パレットから取り出すステップと、
    からなることを特徴とするフイルム製造方法。
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