JP3833085B2 - インクジェット式記録装置のチューブ加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを吸引してインクヘッドをメンテナンスするインクジェット式記録装置のチューブ加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット式記録装置は、印刷時の騒音が比較的小さく、しかも、小ドットを高密度で形成することができるので、カラー印刷を含む多くの印刷に使用されている。このインクジェット式記録装置は、図示しないが、キャリッジに搭載されてインクカートリッジからインクを供給されるインクジェット式の記録ヘッドと、この記録ヘッドに対して記録媒体を相対的に移動させる記録媒体搬送手段とを備えている。記録ヘッドは、ブラックインク、及びイエロー、シアン、マゼンタからなるカラーインクのインクカートリッジを備え、ブラックインクによるテキスト印刷だけでなく、複数のインクの吐出し割合の変更により、フルカラー印刷が可能なよう構成される。
【0003】
ところで、記録ヘッドは、圧力発生室で加圧されたインクをインク滴としてノズルから記録媒体に吐出して印刷する構造上、ノズルからの溶媒蒸発に起因するインク粘度の上昇、インクの固化、塵埃の付着、気泡の混入等により、印刷不良を招くという問題を抱えている。このため、インクジェット式記録装置には、非印刷時(休止時)に記録ヘッドのノズル形成面を封止するキャッピング手段12が設置される。
このキャッピング手段12は、図9に示すように、図示しない記録ヘッドの下部に位置するノズル13付きのノズル形成面14を封止する。ノズル形成面14を封止するキャップは、図9に示すように、一側部に大気連通弁21が、他側部にはシリコーン(Silicone)ゴムチューブT3がそれぞれ接続され、このシリコーンゴムチューブT3が負圧発生ポンプである吸引ポンプ19と共に廃インクタンク20に接続される。
【0004】
吸引ポンプ19は、比較的低コストで動作が確実なチューブポンプが一般的に使用され、非印刷時に使用されない例えば紙送りモータの動力により動作し、記録ヘッドのノズルからインクを吸引する。この吸引ポンプ19の詳細は、図示しないが、ポンプ本体と、このポンプ本体内で回転するホルダと、これらポンプ本体とホルダとの間に介在されるシリコーンゴムチューブT3と、ホルダにスライド可能に軸支されてポンプ本体のガイド壁にシリコーンゴムチューブT3を圧接する複数の加圧転動ローラとから構成されている。
【0005】
さて、シリコーンゴムチューブT3は、弾力性や復元性に優れるものの、ガスバリアー性に劣るという特徴を有している。例えば、図9の場合には、シリコーンゴムチューブT3からインク溶媒が外部に揮散する度合いが大きくなる。このため、インクジェット式記録装置の長期休止状態においては、キャッピング手段12の内部空間からシリコーンゴムチューブT3を介してインク溶媒が徐々に揮散し、キャップ内における保湿状態が低下するので、記録ヘッドのノズルが目詰まりするおそれが少なくない。
【0006】
係る問題を解消する手段として、例えば特開2000‐141696号公報には、吸引ポンプ19を構成するシリコーンゴムチューブT3のガスバリアー性を向上させるべく、箇所によりシリコーンゴムチューブT3を変更する技術が開示されている。具体的には、キャップと吸引ポンプ19とをシリコーンゴムチューブT3よりもガスバリアー性の高いチューブT6で接続する技術が開示されている。すなわち、キャップに接続される第一のチューブT6と、吸引ポンプ19を構成する第二のチューブT7とを接続部材31で接続するようにしている。第一のチューブT6は、ガスバリアー性に優れるブチルゴム等の材料で成形される。これに対し、第二のチューブT7は、吸引ポンプ19の機能を確保するため、弾力性や復元性に優れるシリコーンゴムで成形される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のインクジェット式記録装置は、以上のようにガスバリアー性については配慮されているが、吸引ポンプ19の吸引効率を向上させる点に関しては、なんら配慮されていない。
【0008】
本発明は上記に鑑みなされたもので、負圧発生ポンプの吸引効率とガスバリアー性を向上させることのできるインクジェット式記録装置のチューブ加工方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明においては上記課題を達成するため、ノズルからインクを吐出すインクジェット式の記録ヘッドと、この記録ヘッドのノズル形成面を封止するキャップと、このキャップに負圧を作用させる負圧発生ポンプとを含み、この負圧発生ポンプを、ポンプ本体内で回転するホルダと、ポンプ本体とホルダとの間に略円弧形に介在するシリコーンゴムチューブと、ホルダにスライド可能に支持されてポンプ本体のガイド壁にシリコーンゴムチューブを押圧する加圧転動ローラとから構成するとともに、キャップと負圧発生ポンプとをシリコーンゴムチューブにより接続し、このシリコーンゴムチューブにポリオレフィン樹脂製の熱収縮チューブを外側から遊嵌するインクジェット式記録装置のチューブ加工方法であって、
シリコーンゴムチューブに外力を加えてその外径を細くし、この状態で熱収縮チューブを加熱収縮させてその収縮が完了した後にシリコーンゴムチューブに対する外力を解除し、シリコーンゴムチューブの熱収縮チューブで被覆された部分の内径を被覆されていない部分の内径よりも小さくすることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明すると、図1はインクジェット式記録装置1の全体構成を示すもので、同図におけるインクジェット式記録装置1は、用紙からなる記録媒体2に対向するキャリッジ3の対向部に搭載されて図示しないインクカートリッジからインクを供給されるインクジェット式の記録ヘッド4と、この記録ヘッド4に対して記録媒体2を図1のD1方向に相対的に移動させる記録媒体搬送手段(図示せず)とを備えている。
【0013】
キャリッジ3は、装置側方のキャリッジモータ5により循環駆動されるエンドレスの駆動ベルト6を介しガイドシャフト7に案内されつつ、記録媒体2の幅方向D2に移動しながら記録媒体2に対してインク滴を吐出すことで記録する。印刷時には、図示しない記録媒体搬送手段により記録媒体2が図のD1方向に断続的に移動するとともに、記録ヘッド4を備えたキャリッジ3がガイドシャフト7に案内されつつ、記録媒体2の幅方向D2に移動しながら記録媒体2に対してインク滴を吐出すことで記録が行われる。
【0014】
記録ヘッド4は、圧力発生室で加圧されたインクをインク滴としてノズルから記録媒体2に吐出して印刷する構造上、ノズルからの溶媒蒸発に起因するインク粘度の上昇、インクの固化、塵埃の付着、気泡の混入等により、印刷不良を招くという問題を抱えている。このため、インクジェット式記録装置1には、非印刷時に記録ヘッド4のノズル形成面を封止するキャッピング手段12が設置される。
【0015】
キャリッジ3は、印刷時には装置の左右方向に移動するが、印刷休止時には装置側方のメンテナンス領域8に移動する。このメンテナンス領域8にはメンテナンスユニット9が設置され、このメンテナンスユニット9が印刷休止時に移動してきたキャリッジ3の下部に位置する。メンテナンスユニット9は、図2に示すように、記録ヘッド4が直上に位置した場合に、記録ヘッド4のノズルを封止できるよう構成されたキャップ10と、このキャップ10の近傍に隣接するゴム等の弾性板からなるワイパーブレード11とから構成されている。このワイパーブレード11は、キャリッジ3が往復移動する際、記録ヘッド4のノズル形成面14を払拭するワイピング動作がなされるよう構成されている。
【0016】
図2において、キャップ10の下方には図示しない吸引ポンプ19が設置されている。これらキャップ10と吸引ポンプ19等からなるキャッピング手段12の構成を示した断面図が図3である。この図3の上部には、記録ヘッド4の下部に形成されるノズル13を備えたノズル形成面14が示されている。このノズル形成面14は、キャリッジ3がキャッピング手段12の上部に移動した場合に、キャップ部材15により封止(キャッピング)されるよう構成されている。ノズル形成面14は、複数のノズル13が穿孔され、各ノズル13に対応して配置された図示しない圧電振動子等の作用により、ブラックインク、及びイエロー、シアン、マゼンタ等のカラーインクが吐出される。
【0017】
ノズル形成面14の下部に位置するキャップ10には、ノズル形成面14に当接する可撓性物質により成形されたキャップ部材15と、このキャップ部材15を外側面において嵌合保持するキャップケース16とが配設されている。このキャップケース16の下底部には、キャップケース16、キャップ部材15をそれぞれ貫通するように吸引口17及び大気開放口18が形成されている。キャップケース16の吸引口17には、チューブT1、シリコーンゴムチューブT3を介して負圧発生ポンプである吸引ポンプ19が接続され、この吸引ポンプ19の排出側23には廃インクタンク20が接続されている。また、キャップケース16の大気開放口18には、大気連通弁21がチューブT2を介して接続されている。対向するチューブT1と弾力性、復元性、耐熱性、耐湿性、耐薬品性、耐老化性等に優れるシリコーンゴムチューブT3とは、図4に示すように、フランジを外周中央に備えた略筒形の接続部材31で相互に接続されている。
【0018】
上記構成において、記録ヘッド4からのインクの吸引作用は、図3に示すように、ノズル形成面14にキャップ部材15を密着させるとともに、大気連通弁21を閉塞した状態で行われる。すなわち、この状態で吸引ポンプ19を作動させることにより、キャップ部材15の内部空間に負圧が作用し、ノズル13からインクが排出される。吸引ポンプ19は一定時間経過後に停止する。
【0019】
次いで、インクの排出に伴い、キャップ部材15の内部負圧がある程度減少した時点で大気連通弁21を開放すると、キャップ部材15の内部に大気が導入されて負圧が解除される。そして、大気連通弁21を開放した状態で吸引ポンプ19を再度作動させると、キャップ部材15内に排出されたインクをチューブT1、シリコーンゴムチューブT3を介して廃インクタンク20に流出させることができる。
【0020】
特に、記録装置1の非印刷時においては、ノズル形成面14をキャップ部材15により封止し、大気連通弁21を開放した状態とし、キャップ部材15の内部空間をインク溶媒で保湿状態に維持するよう構成されている。これにより、記録ヘッド4のノズル13の目詰まりを抑制防止し、印字の再開時における印字動作の信頼性が確保される。
【0021】
キャッピング手段12は、既に説明した通り、インクジェット式記録装置1の休止期間における記録ヘッド4のノズル乾燥を防止する蓋体として機能するが、記録ヘッド4に印刷とは関係ない駆動信号を出力してインク滴を空吐出させるフラッシング動作時のインク受けとしても機能し、さらに吸引ポンプ19からの負圧を記録ヘッド4に作用させてインクを吸引するクリーニング機能をも兼ね備えている。
【0022】
吸引ポンプ19は、図5に示すように、吸引側22がチューブT1、シリコーンゴムチューブT3を介してキャップケース16の吸引口17に、排出側23がシリコーンゴムチューブT3を介して廃インクタンク20に接続されている。この吸引ポンプ19のポンプ本体内には、略U字に湾曲したシリコーンゴムチューブT3を略180°にわたり円弧形に支持するガイド壁24が湾曲形成されている。吸引ポンプ19は、ポンプ本体内にモータ25の駆動で回転するホルダ26を備え、このホルダ26の外周には、円弧形の複数の長溝27が所定の間隔をおいて穿孔され、各長溝27には回転可能な加圧転動ローラ28が支軸29を介して嵌入されており、この加圧転動ローラ28が長溝27に沿ってスライドするよう機能する。
【0023】
各長溝27は、ホルダ26が一定方向に回転する場合には、加圧転動ローラ28がホルダ26の半径外方向にスライドしてシリコーンゴムチューブT3をしごき、ホルダ26が逆の他定方向に回転する場合、加圧転動ローラ28がホルダ26の半径内方向にスライドしてシリコーンゴムチューブT3を開放するよう形成されている。そして、ホルダ26の回転に伴う加圧転動ローラ28の移動軌跡に臨むよう、ゴム等の弾性部材からなるゴムブレーキ30が設置されている。
【0024】
図5はモータ25を一方向、すなわち正転方向に回転させた状態を示し、この場合には、加圧転動ローラ28はゴムブレーキ30により周方向に移動する。したがって、加圧転動ローラ28は、ホルダ26の正転方向への回転に伴い、シリコーンゴムチューブT3をガイド壁24に圧接押圧しつつ転動する。そして、複数の加圧転動ローラ28は、ホルダ26に180°の間隔をおいて軸支されているので、各加圧転動ローラ28が順次シリコーンゴムチューブT3に対してしごき作用を加え、これによりシリコーンゴムチューブT3内に負圧が発生する。このとき、負圧は、接続部材31を介したチューブT1によりキャップ10に作用する。この場合、キャッピング手段12に形成された吸引口17に接続されるチューブT1は、ガスバリアー性に優れる材料、好ましくはブチルゴムを使用してシリコーンゴムチューブT3よりも内径が小さくなるよう成形される。
【0025】
上記構成によれば、チューブT1のガスバリアー性が大幅に向上するので、長期に亘るキャッピングでの保持時にインクヘッドノズル13の目詰まりを著しく抑制防止することができる。さらに、負圧発生ポンプである吸引ポンプ19からキャッピング手段12までの容積を減少させることができるので、吸引ポンプ19による初期の吸引効率が向上する。すなわち、作動気体が少ないので、発生した負圧がキャッピング部に効果的に伝達される。
【0026】
次に、図6は別の実施形態を示すもので、この場合には、キャップ10と吸引ポンプ19とをシリコーンゴムチューブT4により接続し、このシリコーンゴムチューブT4の大部分をガスバリアー性の高い別チューブT5で被覆してシリコーンゴムチューブT4の内径を小径とするようにしている。
図6の上部には、ノズル13を備えたノズル形成面14が開示されている。ノズル形成面14は、記録ヘッド4がキャッピング手段12の上部に移動した場合に、キャップ部材15により封止されるよう構成されている。ノズル形成面14は、複数のノズル13が穿孔され、各ノズル13に対応して配置された図示しない圧電振動子等の作用により、ブラックインク、及びイエロー、シアン、マゼンタ等のカラーインクが吐出される。
【0027】
ノズル形成面14の下部に位置するキャップ10には、ノズル形成面14に当接する可撓性物質により成形されたキャップ部材15と、このキャップ部材15を外側面で保持するキャップケース16とが配設されている。このキャップケース16の下底部には、キャップケース16、キャップ部材15をそれぞれ貫通するように吸引口17及び大気開放口18が形成されている。キャップケース16の吸引口17には、別チューブT5で被包されたシリコーンゴムチューブT4を介して吸引ポンプ19が接続され、この吸引ポンプ19の排出側23には廃インクタンク20が接続されている。また、キャップケース16の大気開放口18には、大気連通弁21がチューブT2を介して接続されている。別チューブT5は、ガスバリアー性能に優れる素材、好ましくはブチルゴム等で成形され、被覆部が非被覆部よりも小径になるよう覆着される。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0028】
係る別チューブT5によるガスバリアー性の向上を表わす実験結果を以下に示す。ガスバリアー性を比較するため、シリコーンゴムチューブT4と別チューブT5とを使用してそれぞれのチューブ内にインクを残存させ、シリコーンゴムチューブT4と別チューブT5とに封を施して放置し、時間変化に伴うそれぞれの重量変化を測定することにより、シリコーンゴムチューブT4と別チューブT5に残存するインクの量を判定したものが図7である。同図の縦軸は重量により測定したチューブT4、T5内のインク残量、横軸は経過時間である。
図7から明らかなように、別チューブT5を使用した場合のほうがインクの残量が多く、ガスバリアー性の向上が期待できるのは明白である。
【0029】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、真空吸引等によりインクヘッドから排出された廃インクの流れるシリコーンゴムチューブT4内に段差の生じることがなくなり、他のチューブで中継した場合に段差で生じる虞れのあるインク溜まりによるチューブ詰まりを抑制防止することができる。例えば、図4においては、インク溜まり40の位置に段差が存在するので、係る位置にインクが溜まり、それが乾燥固着することによりシリコーンゴムチューブT4が詰まり易い。これに対し、本実施形態によれば、係るインク溜まり40がなんら存在しないので、シリコーンゴムチューブT4内にインクの乾燥片からなる栓の生じることがなくなる。
【0030】
次に、別の実施形態を示すと、この場合には、シリコーンゴムチューブT4を被包する別チューブT5を熱収縮チューブとするようにしている(図6の別チューブT5は熱収縮チューブである)。熱収縮チューブとしては、ポリオレフィン樹脂やシリコーンゴム製のチューブ等があげられるが、ガスバリアー性に優れるポリオレフィン樹脂製のチューブが良い。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、被覆のための工程が容易となる。
【0031】
次に、図8 ( a ) 、 ( b ) 、 ( c ) 、 ( d ) は本発明の好ましい実施形態を示すもので、この場合には、図6のシリコーンゴムチューブT4に外力を加えてその外径を小さくし、熱収縮チューブを加熱収縮させてその収縮が完了した後にシリコーンゴムチューブT4に対する外力を解除するようにしている。
以下、このチューブの加工方法を詳細に説明すると、先ず、シリコーンゴムチューブT4と別チューブT5である熱収縮チューブとを遊嵌状態に用意(図8(a)参照)し、シリコーンゴムチューブT4を引っ張ったり、内圧を下げる等の方法でシリコーンゴムチューブT4の外径を細くする(図8(b)参照)。
【0032】
次いで、シリコーンゴムチューブT4の外径を細くしたまま、熱収縮チューブを加熱収縮させ、シリコーンゴムチューブT4と熱収縮チューブとをそれぞれ細くして充分に冷却する(図8(c)参照)。こうして冷却を施したら、シリコーンゴムチューブT4に加えていた外力を取り除いて元の状態に復帰させれば、被覆部分の内径が非常に細くなったシリコーンゴムチューブT4を得ることができる(図8(d)参照)。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0033】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、熱収縮チューブの収縮力だけでシリコーンゴムチューブT4を収縮させる場合に比べ、大きく収縮させることができ、その結果、より内径の小さいシリコーンゴムチューブT4を得ることができる。さらに、内径の小さいシリコーンゴムチューブT4を得ることができれば、その分、初期のシリコーンゴムチューブT4の効率を向上させることが可能になる。
【0034】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、負圧発生ポンプの吸引効率とガスバリアー性とをそれぞれ向上させることができるという効果がある。具体的には、シリコーンゴムチューブの外径を小さくした状態で熱収縮チューブを加熱収縮するので、熱収縮チューブの収縮力だけでシリコーンゴムチューブを収縮させる場合に比べ、大きく収縮させることができる。この結果、より内径の小さいシリコーンゴムチューブを得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るインクジェット式記録装置のチューブ加工方法の実施形態におけるインクジェット式記録装置を示す全体斜視説明図である。
【図2】 図1のインクジェット式記録装置のメンテナンスユニットを示す斜視図である。
【図3】 本発明に係るインクジェット式記録装置のチューブ加工方法の実施形態におけるインクジェット式記録装置のキャッピング手段を示す断面説明図である。
【図4】 本発明に係るインクジェット式記録装置のチューブ加工方法の実施形態におけるインクジェット式記録装置の接続部材を示す断面説明図である。
【図5】 本発明に係るインクジェット式記録装置のチューブ加工方法の実施形態におけるインクジェット式記録装置の吸引ポンプを示す断面説明図である。
【図6】 本発明に係るインクジェット式記録装置のチューブ加工方法の実施形態におけるインクジェット式記録装置のキャッピング手段を示す断面説明図である。
【図7】 本発明に係るインクジェット式記録装置のチューブ加工方法の実施形態におけるインクジェット式記録装置のシリコーンゴムチューブと別チューブに残存するインクの量を判定したグラフである。
【図8】 本発明に係るインクジェット式記録装置のチューブ加工方法の実施形態を示す説明図である。
【図9】 従来のキャッピング手段を示す説明図である。
【図10】 箇所によりシリコーンゴムチューブを変更する従来技術を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1 記録装置
2 記録媒体
4 記録ヘッド
10 キャップ
12 キャッピング手段
13 ノズル
14 ノズル形成面
15 キャップ部材
19 吸引ポンプ(負圧発生ポンプ)
24 ガイド壁
26 ホルダ
28 加圧転動ローラ
31 接続部材
T3 シリコーンゴムチューブ
T4 シリコーンゴムチューブ
T5 別チューブ
Claims (1)
- ノズルからインクを吐出すインクジェット式の記録ヘッドと、この記録ヘッドのノズル形成面を封止するキャップと、このキャップに負圧を作用させる負圧発生ポンプとを含み、この負圧発生ポンプを、ポンプ本体内で回転するホルダと、ポンプ本体とホルダとの間に略円弧形に介在するシリコーンゴムチューブと、ホルダにスライド可能に支持されてポンプ本体のガイド壁にシリコーンゴムチューブを押圧する加圧転動ローラとから構成するとともに、キャップと負圧発生ポンプとをシリコーンゴムチューブにより接続し、このシリコーンゴムチューブにポリオレフィン樹脂製の熱収縮チューブを外側から遊嵌するインクジェット式記録装置のチューブ加工方法であって、
シリコーンゴムチューブに外力を加えてその外径を細くし、この状態で熱収縮チューブを加熱収縮させてその収縮が完了した後にシリコーンゴムチューブに対する外力を解除し、シリコーンゴムチューブの熱収縮チューブで被覆された部分の内径を被覆されていない部分の内径よりも小さくすることを特徴とするインクジェット式記録装置のチューブ加工方法。
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