JP2007216517A - 液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液体カートリッジとキャリッジに搭載された液体噴射ヘッドとの接続に硬質の液体供給チューブを使用することができる液体噴射装置を提供すること。
【解決手段】キャリッジ141に搭載された液体噴射ヘッド142から液滴を噴射させる液体噴射装置100の前記キャリッジを所定角度で往復旋回させて液体を噴射させる。これにより、キャリッジは円弧間を往復移動することになるので、液体供給チューブが当該円弧の中心を通るように配設することにより、硬質の液体供給チューブを使用することができる。
【選択図】図1
【解決手段】キャリッジ141に搭載された液体噴射ヘッド142から液滴を噴射させる液体噴射装置100の前記キャリッジを所定角度で往復旋回させて液体を噴射させる。これにより、キャリッジは円弧間を往復移動することになるので、液体供給チューブが当該円弧の中心を通るように配設することにより、硬質の液体供給チューブを使用することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、キャリッジに搭載された液体噴射ヘッドから液滴を噴射させる液体噴射装置に関する。
一般的な液体噴射装置を備えた記録装置の1つであるシリアル方式のインクジェット式プリンタは、記録ヘッドが搭載されたキャリッジを備えており、キャリッジが主走査方向に往復移動しながら記録ヘッドがインク滴を吐出して、副走査方向に搬送される用紙に対して記録するようになっている。キャリッジは、インクカートリッジを搭載して記録ヘッドに直接インクを供給する所謂オンキャリッジのタイプと、外部に配置されたインクカートリッジに接続されたインク供給チューブを介して記録ヘッドにインクを供給する所謂オフキャリッジのタイプがある。オフキャリッジタイプの場合、インク供給チューブは、キャリッジの往復移動に追従可能なように、エラストマ等の可撓性の材料で形成されて、U字状に折り曲げられて配設されている(特許文献1参照)。
上述したインク供給チューブの材料であるエラストマ等は、多孔質な材料であるため、インク溶媒の主体をなす水分が蒸発してインクの粘度が高くなり易く、また、外気がチューブ内のインクに溶解してインクの脱気度が低下し易い。そこで、例えば金属等の緻密質な材料でインク供給チューブを形成すれば上記問題を解消することができる。ところが、金属等の緻密質な材料は硬質であるため、キャリッジの往復移動に追従できず使用することができない。
本発明は、上記のような課題に鑑みなされたものであり、その目的は、液体カートリッジとキャリッジに搭載された液体噴射ヘッドとの接続に硬質の液体供給チューブを使用することができる液体噴射装置を提供することにある。
上記目的達成のため、本発明の液体噴射装置では、キャリッジに搭載された液体噴射ヘッドから液滴を噴射させる液体噴射装置であって、前記キャリッジを所定角度で往復旋回させて液体を噴射させることを特徴としている。これにより、キャリッジは円弧間を往復移動することになるので、液体供給チューブが当該円弧の中心を通るように配設することにより、硬質の液体供給チューブを使用することができる。この旋回駆動機構としては、前記キャリッジを旋回させる駆動源と、前記キャリッジを第1の回転支点を介して前記駆動源と連接する第1のレバー部材と、前記駆動源の近傍に設けられた旋回軸部材と、前記第1のレバー部材と平行に配置され、前記キャリッジを第2の回転支点を介して前記旋回軸部材と連接する第2のレバー部材とを備えたことを特徴としている。そして、前記第1のレバー部材は、一端が前記液体噴射ヘッドと接続されて他端が前記駆動源まで延びる硬質の液体供給チューブと、前記硬質液体供給チューブの他端と液体カートリッジを接続する可撓性の液体供給チューブとを備えたことを特徴としている。
また、前記硬質液体供給チューブは、耐水分透過性及び耐ガスバリア性を有する材料で形成されていることを特徴としている。これにより、液体溶媒の主体をなす水分が蒸発して液体の粘度が高くなることを防止することができると共に、外気がチューブ内の液体に溶解して液体の脱気度が低下することを防止することができる。また、前記駆動源は、外周側にエンコーダを備えたボイスコイルモータであることを特徴としている。これにより、旋回可能なキャリッジを小型に構成することができると共に、高精度な位置制御を行うことができる。また、前記第1及び第2のレバー部材の旋回領域内に被噴射媒体の押さえ部材を設けたことを特徴としている。これにより、被噴射媒体の浮きを防止して高精度な液体噴射を行うことができる。
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1並びに図2及び図3は、本発明の実施の形態に係る記録装置の1つであるインクジェット式プリンタの使用時の外観構成を前面側から見たときの斜視図及び上面側から見たときの平面図である。尚、図1並びに図2及び図3の説明において、「左右」及び「前後」はインクジェット式プリンタの前面側から見たときの方向をいうものとする。図1は、スタンバイ状態のときを示し、図2及び図3は、用紙の右側端部を記録するときの状態及び用紙の左側端部を記録するときの状態を示す。このインクジェット式プリンタ100は、金属もしくはプラスチックで成る扁平な直方体状の筐体101を備えた携帯性の高い薄型プリンタである。筐体101は、下ケース102と上ケース103を備えている。
下ケース102は、上面が開放された器状に形成されており、内部にプリンタの主要構成部である搬送部120及び制御部130と、本発明の特徴的な部分である記録部140等が収納され、前面にスリット状の排紙口102aが設けられている。上ケース103は、下ケース102より深さが浅い器状に形成されており、上ケース103の開放下面が下ケース102の開放上面に向くようにして下ケース102の後部に旋回自在に取り付けられている。この上ケース103は、後部側の両端部に形成されている突起部103aが下ケース102の後部側の両側面に軸支持されており、これらの突起部103aを中心に下ケース102の上面から後方にかけての鈍角の範囲で旋回するようになっている。
即ち、上ケース103は、プリンタ使用時には下ケース102の斜め上後方に向って突出しており、そのときは給紙する用紙を1枚若しくは複数枚積層保持する機能を有し、プリンタ不使用時には下ケース102の上面設けた図示しない下ケースカバーに接しており、そのときは下ケースカバーと共に下ケース102内部のプリンタの主要構成部である搬送部120、制御部130、記録部140等を保護する機能を有している。そして、プリンタ不使用時には上ケース103は下ケースカバーの上面に接しているので、上ケース103をコンパクトに収納しておくことができる。
上ケース103の裏面後部側には、自動給紙部110が配設されている。この自動給紙部110は、上ケース103と共に旋回自在であり、プリンタ使用時には上ケース103に積層保持される用紙のうち最上層の用紙のみを分離・給紙し、また、プリンタ不使用時には下ケース102の後部に収納される。従って、上ケース103は、下ケース102に内蔵されているプリンタの主要構成部である搬送部120、制御部130、記録部140等のみならず、上ケース103の裏面後部側に取り付けられている自動給紙部110も保護する機能を有している。
搬送部120は、紙受けとして機能している上ケース103から記録部140を通って排紙口102aに至る紙経路に沿って用紙を搬送する機能を有している。この搬送部120は、紙送りローラ121、用紙の中央部を押える中央部押えローラ122、用紙の両端部を押える2つの端部押えローラ123a、123b、紙送り機構124、プラテン125等を備えている。紙送りローラ121、中央部押えローラ122、端部押えローラ123a、123bは、下ケース102内にてこの順で用紙搬送方向の上流側から下流側にかけて配設されている。紙送り機構124は、例えばDCモータやステッピングモータ等の紙送りモータ124aと紙送りギア機構124bを備え、下ケース102内の左側部に配設されている。プラテン125は、平板状に形成されて紙送りローラ121、中央部押えローラ122及び端部押えローラ123a、123bの下方に配設されている。
紙送りローラ121は、金属で成る1本の円筒軸状に形成されており、外周面には搬送時の摩擦係数を高めるためにゴムやセラミック粒子等が被覆されている。そして、紙送りローラ121は、両端が図示しない軸受を介して回転可能に支持され、一端が紙送り機構124に連結されて回転制御される。中央部押えローラ122はプラスチックで成る円盤状に形成されており端部押えローラ123a、123bは、印刷面と接するため、外周部は尖った歯車形状になっている。
中央部押えローラ122は、下ケース102内の後部側に配置されたフレーム104から延びる中央部押えローラ取付部122aに回転自在に取り付けられている。端部押えローラ123a、123bは、下ケース102内の前部側に配置されたフレーム105から延びる端部押えローラ取付部123c、123dに回転自在に取り付けられている。中央部押えローラ122は、後述するキャリッジ141が旋回動作することから、端部押えローラ123a、123bよりも紙送りローラ121側、即ち三角形状に配置されている。これにより、紙送りローラ121を通過した用紙を即座に押えて用紙の浮き上がりを防止することができる。
プラテン125は、上面に副走査方向に延びるリブ125aが所定間隔を開けて複数形成されており、これらのリブ125aにより搬送されてくる用紙を支持するようになっている。このようなリブ125aで用紙を支持することにより、平坦な面で用紙を支持したときに発生する搬送抵抗よりも小さくすることができると共に、記録による吸湿により用紙に発生する所謂コックリングと呼ばれる波打ち現象を吸収することができるので、高精度な記録を行うことができる。
制御部130は、CPU131、ASIC132、メモリ133等が実装された基板134を備えており、紙送りモータ124a、記録ヘッド142、キャリッジモータ143、インクシステム146を構成するポンプユニット62等の各駆動を制御する機能を有している。基板134における下ケース102の背面側には、各種のケーブルを配線することが可能な図示しないコネクタ、例えば電源コネクタ、USBポート、パラレル(RS232C)ポート等が配設されている。また、基板134のコネクタは、紙送りモータ124a、記録ヘッド142、キャリッジモータ143、ポンプユニット62等の各コネクタと図示しないフレキシブルフラットケーブルを介して電気的に接続されている。
記録部(液体噴射装置)140は、紙送りローラ121から搬送されてくる用紙に対してインク(液体)により画像記録する機能を有している。この記録部140は、キャリッジ141、記録ヘッド(液体噴射ヘッド)142、キャリッジモータ(駆動源)143、インクカートリッジ(液体供給カートリッジ)144、インク供給チューブ(液体供給チューブ)145、インクシステム146等を備えている。キャリッジモータ143及びインクカートリッジ144は紙送りローラ121に対し用紙搬送方向上流側に配設され、インクシステム146は紙送りローラ121に対し用紙搬送方向下流側に配設されており、記録ヘッド142及びインク供給チューブ145が搭載されたキャリッジ141が紙送りローラ121を跨ぐようにして配設されている。この記録部140について、更に図4及び図5も参照して説明する。
キャリッジ141は、図4及び図5に示すように、略直方体状に形成されたキャリッジ本体11と、2本のレバーアーム12、13を備えている。キャリッジ本体11は、記録ヘッド142が貫装されていると共に、平行に並設された2本のレバーアーム12、13の各一端が回転自在に取り付けられている。レバーアーム12の他端は、キャリッジモータ143の回転軸31に連結されている。レバーアーム13の他端は、キャリッジモータ143の回転軸31の近傍のフレーム104上に設けられた旋回軸14に回転自在に取り付けられている。従って、2本のレバーアーム12、13は、記録ヘッド142を備えたキャリッジ本体11側がキャリッジモータ143の回転軸31側を中心に用紙の搬送直交方向(主走査方向)に所定角度で往復旋回可能となっている。
そして、キャリッジ141は、インクジェット式プリンタ100が非記録状態であるオフ状態もしくはスタンバイ状態のときは、記録ヘッド142がインクシステム146を構成するキャップ61に封止される待機位置(ホームポジション)、即ち旋回中央位置に位置している。そして、記録状態のときはホームポジションを離脱して搬送されてくる用紙の両側端部間をキャリッジモータ143により往復旋回するようになっている。このとき、2本のレバーアーム12、13は、平行なリンク機構を構成しているので、キャリッジ本体11に貫装された記録ヘッド142のノズル開口列は、常に用紙の搬送方向(副走査方向)に平行となるように保持されることになる。よって、記録ヘッド142のノズル開口列からのインク吐出の制御は、記録ヘッド142のノズル開口列が旋回してしまう場合と比較して簡易なものとすることができる。
記録ヘッド142は、ブラックインクを吐出するブラックインク用記録ヘッドと、イエロー、シアン、マゼンタの各色のインクを吐出する複数のカラーインク用記録ヘッドとを備えている。そして、記録ヘッド142は、各色毎のインク供給チューブ145に繋がる複数の圧力発生室とそれらに繋がるノズル開口を備えており、例えば圧電素子や発熱素子等により圧力発生室内の圧力を変動させて、圧力発生室内に貯留されているインクをノズル開口から吐出させるようになっている。尚、従来はインクカートリッジから記録ヘッドまでの流路が長く、インクが流路を流れる事による圧力損失を補うため、インク供給チューブ145から記録ヘッド142へインクを加圧供給する場合は、記録ヘッド142内部は減圧弁により負圧にされてインク漏れが防止されていた。本構成によれば、インクカートリッジ144からヘッド142までのインク供給流路長を従来に比べて非常に短くできるため、インクを加圧して長い流路の流路圧力損失を補う必要がなくなる。
キャリッジモータ143は、図4に示すように、ボイスコイルモータ(VCM)であり、外周側にエンコーダ36が配設されている。キャリッジモータ143は、VCMヨーク32a、32b、VCMマグネット33、VCMコイル34を備えている。VCMヨーク32a、32b、及びVCMマグネット33は、それぞれ回転軸31と同心円の同一の扇形状に形成されている。VCMマグネット33は、本願では、上下方向に着磁してあり、裏面にVCMヨーク32bが貼り付けられ、VCMヨーク32aは、VCMマグネット33の上部において所定の間隙を開けて配設されており、VCMヨーク32bと長手方向端部でVCMマグネット33と離れた位置で接して磁気回路を構成している。即ち、VCMヨーク32a及びVCMマグネット33は、VCMヨーク32aに接触しないように挿入されるVCMコイル34が、VCMマグネット33にも接触しないで旋回動作可能な間隔を開けて配設されている。VCMコイル34の端部は、回転軸31に連結されているキャリッジ141の他端に一体化されたコイル取付アーム35に固定されている。このような構成によれば、VCMコイル34に電流を流すことにより、VCMコイル34はVCMヨーク32a及びVCMマグネット33に沿って旋回するので、VCMコイル34に一体化されたキャリッジ141を旋回させることができる。
エンコーダ36は、図4に示すように、エンコーダスケール37、エンコーダセンサ38を備えている。エンコーダスケール37は、VCMヨーク32よりも一回り大きい扇形状に形成されている。そして、エンコーダスケール37は、回転軸31に連結されているキャリッジ141の他端に一体化されたエンコーダ取付アーム39に載置固定されている。エンコーダセンサ38は、受発光素子が対向配置されており、受発光素子の間をエンコーダスケール37の外周部が通過可能な下ケース102内の位置に固定されている。このような構成によれば、エンコーダスケール37はVCMコイル34の旋回に伴って旋回するので、エンコーダスケール37に一体化されたキャリッジ141の旋回位置を検出することができる。以上により、旋回可能なキャリッジ141を小型に構成することができると共に、キャリッジ141の高精度な位置制御を行うことができる。尚、エンコーダセンサ38は、基板134に取り付けるようにしても良い。
インクカートリッジ144は、例えば硬質プラスチック材料で直方体状に形成されており、内部に例えば可撓性材料で袋状に形成されてブラックインク及びライト、シアン、マゼンタの各色のインクが充填されたインクタンクが密閉されている。このインクカートリッジ144は、カートリッジホルダ41に保持されるようになっている。このカートリッジホルダ41は、インクカートリッジ144のインク供給口を開閉するインク供給針が、下ケース102の左側面側を向くようにして配設されている。これにより、インクカートリッジ144をカートリッジホルダ41に対して抜き差しするのみで、カートリッジホルダ41のインク供給針をインクカートリッジ144のインク供給口に対して出し入れすることができる。
インク供給チューブ145は、硬質のインク供給チューブ51と可撓性のインク供給チューブ52、53が組み合わされた構成となっている。硬質のインク供給チューブ51は、上記各色用のチューブが束ねられて、各一端が対応する各色の記録ヘッド142に可撓性のインク供給チューブ53により接続され、各他端がキャリッジモータ143の回転軸31に位置するように、レバーアーム12の上面の一端側から他端側に掛けて配設されている。可撓性のインク供給チューブ52は、上記各色用のチューブが束ねられて、各一端が対応する各色の硬質のインク供給チューブ51に接続され、各他端が対応する各色のインクカートリッジ144に接続されている。
硬質のインク供給チューブ51は、耐水分透過性及び耐ガスバリア性を有する緻密質な材料、例えばステンレスで形成されている。可撓性のインク供給チューブ52、53は、例えばブチルゴムやエラストマ等で形成されている。上述したようにレバーアーム12は他端を中心に往復旋回してキャリッジ141に貫装された記録ヘッド142がレバーアーム12の一端で円弧間を往復移動するのみである。このため、硬質のインク供給チューブ51をレバーアーム12の一端から他端に掛けて配設、即ち当該円弧の中心を通るように配設することにより、硬質のインク供給チューブ51には折り曲げ力は加わらない。従って、硬質のインク供給チューブ51を使用することができる。一方、可撓性のインク供給チューブ52、53は、キャリッジ141の動きに追従する必要があり、この部分は柔らかな部材になるため、水分蒸発、空気の通りにくい材質で作る必要がある。しかし、全体的に見ると、従来のインク供給チューブは全体が可撓性のある材質であったものに対し、チューブ全長を短くすると共に、大半に硬質のインク供給チューブ51が使用できる事により、インク溶媒の主体をなす水分が蒸発してインクの粘度が高くなることを防止することができると共に、外気がチューブ内のインクに溶解してインクの脱気度が低下することを防止することができる。
また、硬質のインク供給チューブ51は、プラスチックによっても構成することができる。例えばポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマ等で成る直方体状のブロックを形成し、この一面に上記各色のインクが通る溝を形成する。そして、このブロックの溝形成面を覆うために、溝形成面と溶着するための例えばポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマ等で成るフィルムを用意する。そして、このフィルム上に耐水分透過性及び耐ガスバリア性を有する例えばアルミニウム等の薄膜を蒸着し、更にこの薄膜の上に薄膜を保護するための例えばナイロン等で成るフィルムを貼着する。以上のような構成の硬質のインク供給チューブ51であっても、インク溶媒の主体をなす水分が蒸発してインクの粘度が高くなることを防止することができると共に、外気がチューブ内のインクに溶解してインクの脱気度が低下することを防止することができる。
インクシステム146は、記録ヘッド142のインクの吐出を良好な状態に保つ機能を有しており、記録ヘッド142のノズル面を覆うキャップ61及びキャップ61から廃インクとエアーを吸引するポンプユニット62を備えている。キャップ61は、ゴム等の軟質材により器状に形成されており、記録ヘッド142がホームポジションに位置しているときに、インク乾燥や埃、塵の混入等によるノズルの目詰まり等を防止するために、図示しない上下機構により上昇して記録ヘッド142のノズル面を封止するようになっている。このキャップ61の底面には、ノズルから吐出される廃インクを回収するための図示しない複数の穴が穿孔されており、図示しないパイプを介してポンプシステム62に接続されている。
以上のような構成のインクジェット式プリンタ100において、用紙に記録する場合の動作を説明する。尚、インクジェット式プリンタ100とコンピュータ等との接続配線や電源プラグの接続は既に完了しているものとする。先ず、ユーザは、指を上ケース103の前端に掛け、上ケース103を持ち上げ後方へ旋回させ、用紙の先端側を自動給紙部110に差し込む。これにより、用紙の後端側は上ケース103に沿って保持されるので、用紙は手前に傾斜した状態でセッティングされることになる。そして、インクジェット式プリンタ100をスタンバイ状態にし、コンピュータ等から記録指令を入力する。すると、用紙は、自動給紙部110により先端が紙送りローラ121まで送り出され、更に紙送りローラ121により副走査方向である前方へ送り出される。
そして、用紙がプラテン125に達すると、キャリッジ141の主走査方向への往復旋回が開始される。即ち、図6に示すように、ホームポジションに位置していたキャリッジ141は、ホームポジションを離脱して搬送されてくる用紙の両端部間を往復旋回する。このとき、記録ヘッド142は、副走査方向に搬送されつつある用紙に対し例えば圧電素子により圧力発生室内の圧力を変動させて、圧力発生室内に貯留されているインクをノズルから吐出して、用紙上に所定の文字や画像等を記録する。そして、記録ヘッド142の圧力発生室内には、インクカートリッジ144内のインクが可撓性のインク供給チューブ52から硬質のインク供給チューブ51を介して供給される。このときの記録ヘッド142の走査タイミングやインク吐出タイミングは、制御部130により制御され、高精度なインクドット制御、ハーフトーン処理等が実行されるようになっている。そして、用紙は、紙送りローラ121により更に前方へ送り出され、最終的に記録が完了した用紙は排紙口102aから外部へ排紙される。
記録装置としてインクジェット式プリンタを例に説明したが、これに限定されるものではなく、例えばファクシミリやコピー機等にも適用可能である。また、記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を液体噴射ヘッドから被噴射媒体に噴射して液体を被噴射媒体に付着させる液体噴射装置の意味として、例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタ製造に用いる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイや面発光ディスプレイ(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等を備えた装置にも適用可能である。
11 キャリッジ本体、12、13 レバーアーム、14 旋回軸、31 回転軸、32a 32b VCMヨーク、33 VCMマグネット、34 VCMコイル、35 コイル取付アーム、36 エンコーダ、37 エンコーダスケール、38 エンコーダセンサ、39 エンコーダ取付アーム、51 硬質インク供給チューブ、52 53 可撓性インク供給チューブ、100 インクジェット式プリンタ、110 自動給紙部、120 搬送部、130 制御部、140 記録部、141 キャリッジ、142 記録ヘッド、143 キャリッジモータ、144 インクカートリッジ、145 インク供給チューブ
Claims (6)
- キャリッジに搭載された液体噴射ヘッドから液滴を噴射させる液体噴射装置であって、
前記キャリッジを所定角度で往復旋回させて液体を噴射させることを特徴とする液体噴射装置。 - 前記キャリッジを旋回させる駆動源と、前記キャリッジを第1の回転支点を介して前記駆動源と連接する第1のレバー部材と、前記駆動源の近傍に設けられた旋回軸部材と、前記第1のレバー部材と平行に配置され、前記キャリッジを第2の回転支点を介して前記旋回軸部材と連接する第2のレバー部材とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
- 前記第1のレバー部材は、一端が前記液体噴射ヘッドと接続されて他端が前記駆動源まで延びる硬質の液体供給チューブと、前記硬質液体供給チューブの他端と液体カートリッジを接続する可撓性の液体供給チューブとが配設されていることを特徴とする請求項2に記載の液体噴射装置。
- 前記硬質液体供給チューブは、耐水分透過性及び耐ガスバリア性を有する材料で形成されていることを特徴とする請求項3に記載の液体噴射装置。
- 前記駆動源は、外周側にエンコーダを備えたボイスコイルモータであることを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載の液体噴射装置。
- 前記第1及び第2のレバー部材の旋回領域内に被噴射媒体の押さえ部材を設けたことを特徴とする請求項2〜5の何れか一項に記載の液体噴射装置。
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