JP2003237109A - インクジェット記録装置及び該記録装置の回復処理方法 - Google Patents

インクジェット記録装置及び該記録装置の回復処理方法

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JP2003237109A
JP2003237109A JP2002038785A JP2002038785A JP2003237109A JP 2003237109 A JP2003237109 A JP 2003237109A JP 2002038785 A JP2002038785 A JP 2002038785A JP 2002038785 A JP2002038785 A JP 2002038785A JP 2003237109 A JP2003237109 A JP 2003237109A
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cap
ink
pump
suction
valve
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Tetsuya Ishikawa
哲也 石川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】キャップからインクを吸引する空吸引後のイン
ク流路内の再凝集インクによるメニスカスの生成を阻止
することで、キャッピング時等に吐出口に発生する押し
込み圧の発生などの不具合を防止し、常に安定した吐出
性能を維持する。 【構成】キャップ308の大気連通弁322を開放する
とともにキャップで吐出口89を覆った状態で、キャッ
プと吸引ポンプ324との間に配置した吸引弁323を
閉鎖して該吸引ポンプを作動することによりキャップと
吸引ポンプとの間のインク流路内に所定の負圧を生成し
た後に、前記吸引弁を開放することにより該インク流路
内に高い流速を発生させる空吸引処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録手段から被記録
材へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装
置及び該記録装置のインク吐出性能を維持回復させるた
めの回復処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機
能を有する記録装置、あるいはコンピューターやワード
プロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーショ
ンなどの出力機器として用いられる記録装置は、画像情
報(記録情報)に基づいて紙、布、プラスチックシー
ト、OHP用シート等の被記録材(記録媒体)に画像
(文字や記号等を含む)を記録していくように構成され
ている。前記記録装置は、記録方式により、インクジェ
ット式、ワイヤドット式、サーマル式、レーザービーム
式等に分けることができる。
【0003】被記録材の搬送方向(紙送り方向、副走査
方向)と交叉する方向に主走査しながら記録するシリア
ルタイプの記録装置においては、記録手段としての記録
ヘッドを被記録材に沿って移動(主査)しながらインク
を吐出して画像を形成し、1行分の画像形成を終了した
後に所定量の紙送り(副走査としてのピッチ搬送)を行
い、その後に再び停止した被記録材に対して次の行の画
像を記録(主走査)するという動作を繰り返すことによ
り、被記録材全体の記録が行われる。一方、記録紙等の
被記録材の搬送方向の副走査のみで記録するラインタイ
プの記録装置においては、被記録材を所定の記録位置に
セットし、一括して1行分の記録を行った後、所定量の
紙送り(ピッチ搬送)を行い、さらに次の行の記録を一
括して行うという動作を繰り返すことにより、被記録材
全体の記録が行われる。
【0004】そのうち、インクジェット式の記録装置
(インクジェット記録装置)は、インク吐出部から被記
録材へインクを吐出して記録を行うものであり、記録ヘ
ッドのコンパクト化が容易であり、高精細な画像を高速
で記録することができ、普通紙に特別の処理を必要とせ
ずに記録することができ、ランニングコストが安く、ノ
ンインパクト方式であるため騒音が少なく、しかも、多
種類のインク(例えばカラーインク)を使用してカラー
画像を形成するのが容易であるなどの利点を有してい
る。
【0005】記録手段に形成された吐出口から被記録材
へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置
においては、インク乾燥による吐出口の目詰まり、ある
いは吐出口内の塵埃や気泡等によるインク吐出不良要因
などを解消するため、吐出口保護手段や吐出回復処理手
段が設けられている。前記吐出口保護手段の主な構成
は、ゴム等の弾性材料で形成されたキャップで記録手段
としての記録ヘッド(以下では単にヘッドとも言う)の
吐出口面を覆うキャッピング手段であり、また、前記吐
出回復処理手段の主な構成と作用は、前記キャップ内の
空気をポンプ等の負圧発生手段により吸引、減圧して吐
出口よりインクを強制排出させることで、インクととも
に上記インク吐出不良要因を除去する吸引回復手段、さ
らには記録目的以外で吐出口からインクを吐出する予備
吐出手段や吐出口面に付着したインク等の付着物を拭き
取り除去するワイピング手段などである。
【0006】また、キャップ内を減圧させるための前記
負圧発生手段(吸引手段)としてはピストンポンプやチ
ューブポンプ等が使用されている。また、吸引後にキャ
ップ内、あるいはチューブ等で構成されたインク流路中
に溜まったインクを除去する空吸引手段としては、キャ
ップをヘッドから離して吸引を行う「キャップオープン
空吸引」や、キャッピングをした状態のままキャップ内
を大気に連通するための弁を備えた大気連通機構により
キャップ内を大気連通状態にしてから吸引を行う「キャ
ップクローズ空吸引」等がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記空
吸引を行っても、流路内のインクが完全に除去されるわ
けではなく、例えば、大気連通機構を有しない吐出回復
処理装置においてキャップオープン空吸引を実行する
と、インクの充満したインク流路内に形成される気道は
流速の速い部位つまり流路断面の中央部付近に形成さ
れ、流路の壁面近傍のインクは極めて遅い速度でしか移
動しないために、インクが内壁面に付着した状態で残留
してしまうことになる。この残留したインクは空気の流
れが停止すると同時にその表面張力により再凝集し、イ
ンク流路内にメニスカスを形成してしまう。
【0008】このようなメニスカスを形成すると、本来
キャッピング時にキャップの弾性変形に伴うキャップ内
体積変化分だけの空気を流路を通して放出しなければな
らないにも関わらず、前記メニスカスがその空気の流れ
の抵抗となって空気の放出が阻止され、そのために、ヘ
ッドの吐出口に対して押し込み圧(以下正圧とも言う)
が発生し、吐出口のメニスカスが破壊されたり、異物が
吐出口内に侵入するなどの不具合が発生しやすくなる。
更に、前記メニスカスを張った状態のままで残留インク
が固着してインク流路を塞いでしまった場合には、キャ
ッピング時のキャップ内正圧により吐出口のメニスカス
が破壊され、不吐出等の不具合を生じる場合もあった。
【0009】更に、吸引回復処理実行後のキャップ内残
留インクを効果的に除去することを目的として提案され
ている大気連通機構を設けたインクジェット記録装置の
場合、吸引動作実行時や予備吐出実行時に前記大気連通
機構内に入り込んだインクが空吸引でも完全に除去しき
れないことがあり、その場合にも、残留インクが再凝集
して流路内にメニスカスを形成して同様の不具合を生じ
たり、残留インクが乾燥して増粘・固着すると実質上大
気連通流路を塞いだことになり、キャップクローズ空吸
引実行時にヘッドの吐出口からインクを吸引してしまう
等の不具合を生じたりすることがあった。特に近年耐擦
過性及び耐候性等に優れた顔料系インクに対する需要が
高まっているが、このような顔料系インクにおいては、
従来主流であった染料系インクよりも短時間で増粘・固
着してしまうため、前記不具合が発生する危険性が高ま
っていた。
【0010】このような中、確実にインク流路中のイン
クを回収する方法として、特開平06−270419号
公報において、空吸引時の吸引速度を低下させることが
提案されている。これは、インクの凝集状態を保ったま
ま廃インク処理手段へインクを移送させることでインク
の回収性を向上させようとするものである。しかしなが
ら、完全にインクの凝集状態を保ったままインクを移送
する処理方法では、記録動作のスループットを度外視し
た速度で空吸引を行う必要があり、また、特に記録紙等
の被記録材(記録媒体)への浸透性が高いインクにおい
ては表面張力が低く、結局凝集状態で回収することは不
可能であった。また、特開平08−039830号公報
のように一度流路内で固着してしまったインクを再溶解
させて不具合を解消させる方法も提案されているが、こ
の方法では、大気連通機構に侵入したインクを除去する
ことができず、やはり問題を解決するには至っていなか
った。
【0011】本発明はこのように技術的課題に鑑みてな
されたものであり、本発明の目的は、記録手段の吐出口
面を覆うためのキャップに通じるインク流路内の残留イ
ンク量を減少又は無くすとともにインクの回収性を向上
させることができ、キャップからインクを吸引する空吸
引後のインク流路内の再凝集インクによるメニスカスの
生成を阻止することで、キャッピング時等に吐出口に発
生する押し込み圧の発生などの不具合を防止し、常に安
定した吐出性能を維持できるインクジェット記録装置及
び該記録装置の回復処理方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の主な構成は、キ
ャップから負圧発生手段までのインク流路の間に、該イ
ンク流路を開閉可能な弁機構を設けることにより、該弁
機構を有しない従来の回復処理手段よりも流速の速い空
吸引処理を可能し、インク流路内の残留インク量を減ら
して回収性を向上するとともに、単位長さ当たりの残留
インク量を減らすことで、空吸引後に再凝集したインク
がメニスカスを形成を防止して前記技術的課題を解決
し、安定的に高い品質を維持することを保証するもので
ある。
【0013】すなわち、請求項1の発明は、上記目的を
達成するため、記録手段の吐出口を覆うキャップと、該
キャップ内を負圧にすることが可能なポンプと、キャッ
プとポンプとの間のインク流路を開閉可能な吸引弁と、
キャップ内と大気とを連通可能な大気連通弁と、を備え
たインクジェット記録装置において、前記大気連通弁を
開放するとともに前記キャップで吐出口を覆った状態
で、前記吸引弁を閉鎖して前記ポンプを作動することに
より前記インク流路内に所定の負圧を生成した後に、前
記吸引弁を開放することを特徴とする。
【0014】請求項2の発明は、上記目的を達成するた
め、記録手段の吐出口を覆うキャップと、該キャップ内
を負圧にすることが可能なポンプと、キャップとポンプ
との間のインク流路を開閉可能な吸引弁と、を備えたイ
ンクジェット記録装置において、前記キャップを前記記
録手段から離間するとともに前記吸引弁を閉鎖して前記
ポンプを作動することにより前記インク流路内に所定の
負圧を生成した後に、前記吸引弁を開放することを特徴
とする。
【0015】請求項7の発明は、上記目的を達成するた
め、記録手段の吐出口を覆うキャップと、該キャップ内
を負圧にすることが可能なポンプと、キャップとポンプ
との間のインク流路を開閉可能な吸引弁と、キャップ内
と大気とを連通可能な大気連通弁と、を備えたインクジ
ェット記録装置の回復処理方法において、前記大気連通
弁を開放するとともに前記キャップで吐出口を覆った状
態で、前記吸引弁を閉鎖して前記ポンプを作動すること
により前記インク流路内に所定の負圧を生成した後に、
前記吸引弁を開放することを特徴とする。
【0016】請求項8の発明は、上記目的を達成するた
め、記録手段の吐出口を覆うキャップと、該キャップ内
を負圧にすることが可能なポンプと、キャップとポンプ
との間のインク流路を開閉可能な吸引弁と、を備えたイ
ンクジェット記録装置の回復処理方法において、前記キ
ャップを前記記録手段から離間するとともに前記吸引弁
を閉鎖して前記ポンプを作動することにより前記インク
流路内に所定の負圧を生成した後に、前記吸引弁を開放
することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を具体的に説明する。なお、各図面を通して同
一符号は同一又は対応部分を示すものである。先ず、大
気連通機構を有するインクジェット記録装置に本発明を
適用した第1実施例について説明する。図1は本発明を
適用したインクジェット記録装置のエンジン部(記録動
作部)を示す外観斜視図である。図1において、図示の
インクジェット記録装置は、インクを吐出することで記
録(印刷、プリント)を行う記録手段としての記録ヘッ
ド401と、記録ヘッド401を搭載してガイドシャフ
ト201及びガイドレール202によって移動可能に案
内支持され、キャリッジモータ203の駆動によりタイ
ミングベルト204を介して両矢印A303方向に移動
可能なキャリッジユニット200、を備えている。
【0018】すなわち、記録ヘッド401を搭載したキ
ャリッジユニット200は、前記ガイドシャフト201
に沿って左右両側(図示では奥行側と手前側)の記録
(印刷)位置と中央部の待機位置とにわたって両矢印A
303方向に移動可能に構成されている。なお、矢印A
305が片側における記録紙の搬送方向を示し、矢印A
306は反対側(他側)における記録紙の搬送方向を示
す。前記インクジェット記録装置は、さらに、記録ヘッ
ド401にインクを供給するための負圧発生装置である
インク供給系ユニット10と、着脱自在(交換可能)な
インク供給源としてのメインタンク501と、移動可能
な記録ヘッド401とメインタンク501及びインク供
給系ユニット10とをつなぐインク供給チューブ(不図
示)と、記録ヘッド401のインク吐出性能を維持回復
するための回復するための回復系ユニット300と、前
記ガイドシャフト201及びガイドレール202が取り
付けられるフレームユニット70と、記録(印刷)動作
の電気的制御を行う制御基板(不図示)と、電源ユニッ
ト90と、を備えている。
【0019】記録手段としての記録ヘッド401は、熱
エネルギーを利用してインクを吐出するものであり、熱
エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたもの
である。また、この記録ヘッド401は、前記電気熱変
換体によって印加される熱エネルギーにより生じる膜沸
騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利
用して、吐出口よりインクを吐出させ、画像を形成する
ものである。
【0020】図22は記録手段としての記録ヘッド40
1のインク吐出部の構造を模式的に示す部分斜視図であ
る。図22において、記録ヘッド401の基板(ベース
プレート)81上には、薄膜83の層を介在させて、半
導体と同様の製造工程(薄膜成形法等)によって、複数
の電気熱変換体82およびこれらに対応する配線が形成
されている。各電気熱変換体82は、図示のように、そ
れぞれの吐出口89及び液路86に対応する位置に配列
されている。基板(ベースプレート)81上(該基板8
1上の薄膜83の上)には、下面に所定間隔で平行に形
成された複数の液路壁84Aを有する液路形成部材84
が接合されている。さらに、液路形成部材84の上面に
は、天板85が接合されている。なお、前記基板81上
に前記電気熱変換体82を含む電気配線及び液路形成部
材84等を接合することにより、吐出素子基板が構成さ
れている。
【0021】各液路壁84Aの間に液路86が形成され
るが、液路形成部材84は、各液路86の内部の所定位
置に前記各電気熱変換体82が配置されるような位置関
係で基板(ベースプレート)81上(該基板81上の薄
膜83の上)に位置決め接合されている。各液路壁84
Aは所定の長さを有し、各液路86の後端は、液路形成
部材84と前記基板(ベースプレート)81(または薄
膜83)との間に形成される共通液室87に連通してい
る。一方、各液路86の他端(先端)は記録ヘッド40
1の吐出口面(一定配列の吐出口89が形成された面)
88にて開口しており、それぞれの開口部によって吐出
口89が形成されている。
【0022】こうして、発熱抵抗体等の電気熱変換体8
2に通電(パルス電圧の印加)してこれを発熱させるこ
とにより、液路86内のインクを膜沸騰させ、その時の
圧力変化により吐出口89からインク滴を吐出させるイ
ンクジェット式の記録ヘッド401が構成されている。
この記録ヘッド401は、複数の吐出口89の配列方向
が記録用紙等の被記録材の搬送方向と交叉(略直交)す
る姿勢で取り付けられ、吐出口面88と被記録材として
の記録紙312又は313との距離(紙間距離)は、例
えば約0.3〜2.0ミリ程度に選定される。
【0023】前記回復系ユニット300を始め、前記キ
ャリッジモータ203、前記インク供給系ユニット1
0、前記メインタンク501、前記制御基板、前記電源
ユニット90などは前記フレームユニット70に位置決
め固定されている。前記回復系300は、前記記録ヘッ
ド401の吐出口近傍に塵埃が付着したり、あるいは吐
出口内や吐出口面(吐出口列が形成されたフェイス面)
上に付着したインクが乾燥・増粘することにより生じる
不吐出やヨレ(異常な方向に吐出しインク滴の着弾位置
がずれること)を解消するために設けられたものであ
り、次に、この回復系について説明する。
【0024】本実施例における回復系300は、主な吐
出回復処理手段として、次のような予備吐出処理手段、
ワイピング処理手段及び吸引回復処理手段を備えてい
る。先ず、予備吐出処理手段は、記録紙以外の領域、本
実施例においては回復系ユニット300に設けられた所
定領域において、非記録時に全ての吐出口から所定のタ
イミングでインク吐出を行うことで、吐出口内あるいは
吐出口周辺の増粘インクを排出したり、同一記録装置内
で複数種のインクを吐出可能な場合には吐出口内に侵入
した他種インクを排出したりするものである。予備吐出
処理のためにに排出されたインクは廃インクタンクへと
送られる。
【0025】前記ワイピング処理手段は、記録のために
吐出した主インク滴と同時に吐出されてしまうミスト、
主インク滴が記録紙に着弾した際に発生する跳ね返りミ
スト、あるいは後述の吐出口からインクを吸引して行わ
れる吸引回復処理により、吐出口面に付着したインクな
どを拭き取り除去するために設けられるものであり、吐
出口面を拭き取り清掃(クリーニング)するためのゴム
状弾性体のブレード(ワイパー)等で構成されている。
【0026】前記吸引回復処理手段は、ゴム等の弾性材
料から成るキャップを記録ヘッド401の吐出口面に押
し当てて密着させ、ポンプ手段により前記キャップ内の
気圧を大気圧以下に減じて吐出口からインクを強制排出
させ、そのインク流と共に吐出口内の塵埃、乾燥インク
あるいは気泡等の吐出妨害要素を排除するものである。
吸引回復処理によって吸引されたインクは、後述の空吸
引処理により廃インクタンクへ送られ処理される。
【0027】図2は本発明を適用したインクジェット記
録装置の回復系ユニット300の構成を示す斜視図であ
る。図2において、回復系ユニット300は前記キャリ
ッジ(キャリッジユニット200)に挿通されたガイド
シャフト201等のキャリッジ移動案内部材が固定され
たフレームユニット70に固定されており、従って、回
復系ユニット300とキャリッジユニット200(キャ
リッジ及び記録ヘッド)との相対位置が精度良く確保さ
れている。
【0028】図2において、301は予備吐出口であ
り、該予備吐出口301の長さ、すなわち記録ヘッド4
01の吐出口列方向(複数の吐出口が配列された方向)
の長さは、該記録ヘッドの吐出口列全長よりも短い寸法
で形成されている。これは、記録ヘッド401の全ての
吐出口について同時に予備吐出を行うのではなく、分割
して一部ずつ順次予備吐出を行うことで全吐出口の予備
吐出を行うことにより、回復系ユニット300の小型化
を達成するためである。本実施例では、記録ヘッド40
1に数(2箇)に合わせて2箇の予備吐出口301が設
けられ、各々の予備吐出口内にはインク吸収体302が
配置されている。また、本実施例では、分割吐出よる予
備吐出処理時間の増加を回避するため、キャリッジを移
動させながら予備吐出を行ういわゆる流し予備吐出(図
4参照)が採用されている。
【0029】図2において、303はゴム等の弾性材料
の平板で形成されたブレードであり、2箇の記録ヘッド
401の各々に対して1枚ずつ設けられている。その理
由は、一体構成とした場合の2箇の記録ヘッド401の
吐出口面高さズレの影響を排除したり、2箇の記録ヘッ
ド401が吐出するインクの種類が異なる場合には各々
のインクがブレード上や吐出口面上で混合してしまう不
具合を防止したりするするためである。前記各ブレード
303はブレードホルダ304に固定されている。該ブ
レードホルダ304は、不図示のブレードバネにより、
各ブレード303が記録ヘッド401と対向する方向す
なわち上方向へ向くような回動位置になるように、ブレ
ードシャフト305に対して弾性的に付勢されて係合さ
れている。このブレードシャフト305はブレードギア
305aと一体化されている。
【0030】また、前記ブレードシャフト305は不図
示のブレード駆動手段により矢印A302方向に回動可
能なように構成されており、従って、該ブレードシャフ
トに係合されたブレードホルダ304及び各ブレード3
03も該ブレードシャフト305と共に同様に回動する
ことが可能である。更に前記ブレードホルダ304には
ブレードカム306が一体化され、前記キャリッジ20
0がワイピング手段上を矢印A303方向に移動する際
に該キャリッジ上のブレードリブ(不図示)に弾性的に
押し下げられることにより、前記ブレード303と記録
ヘッド401の吐出口面とのオーバーラップ量(以下侵
入量と呼ぶ)を精度よく確保しながらワイピング処理を
実行できる構成となっている。これにより、記録ヘッド
401と回復系300との高さ方向の取り付け位置公差
の如何を問わず、常に安定した侵入量を確保でき、常に
良好なワイピング処理を実行することが可能である。ま
た、307はブレードクリーナであり、該ブレードクリ
ーナ307はブレード303に付着したインク等の異物
を掻き落とすことにより該ブレード303を清浄化する
ためのエッジ部を有している。
【0031】図2において、308はゴム等の弾性部材
で形成されたキャップであり、309はキャップ308
内に設けられたポリエチレン等の材料で構成された多孔
質体から成るキャップ吸収体であり、310は前記キャ
ップ308を保持するキャップホルダである。311は
キャップレバーである。前記キャップホルダ310は、
前記キャップレバー311に対して不図示のキャップバ
ネを介して矢印A304方向に付勢される状態で取り付
けられている。また、前記キャップレバー311は、回
復系ユニット300のカム軸380に固定された後述の
キャップレバーカム350(図11)によりキャップ3
08をオープンあるいはクローズできるように上下動可
能に構成されている。312、313は各々種類の異な
る被記録材としての記録紙であり、一方の記録紙312
は前記回復系ユニット300の片側で矢印A305方向
に搬送され、他方の記録紙313は前記回復系ユニット
300の他側で矢印A306方向に搬送される。
【0032】すなわち、図1及び図2において、キャリ
ッジユニット200は回復系ユニット300の真上にあ
るときをホームポジションとし、前記各記録紙312、
313の搬送方向矢印A305、306と交差(通常直
交)する矢印A303方向に移動可能であり、該キャリ
ッジユニット200を回復系ユニット300の片側へ移
動させて記録紙312の搬送経路上に位置させることに
より矢印A305方向に搬送される記録紙312へ記録
することができ、また、前記キャリッジユニット200
を回復系ユニット300の他側(反対側)へ移動させて
記録紙313の搬送経路上に位置させることにより矢印
A306方向に搬送される記録紙313へ記録すること
ができるように構成されている。
【0033】図2において、390はキャリッジロック
アームであり、該キャリッジロックアーム390は、回
復系ユニット300の真上に位置するキャリッジユニッ
ト200上の記録ヘッド401をキャッピングする時、
すなわちカム軸380に固定されたキャップレバーカム
350(図11)のカム作動によりキャップレバー31
1が矢印A391方向に上昇した時に、キャリッジ20
0に設けられた穴と係合して該キャリッジを定位置に固
定し、衝撃等により記録ヘッド401とキャップ308
との位置ずれが生じないようにするための錠止部材であ
る。また、前記キャリッジロックアーム390と前記キ
ャップレバー311との間には不図示のロックバネが配
されており、該キャリッジロックアーム390はキャリ
ッジレバー311に対して矢印A390方向に弾性的に
下降できるように構成されている。これによって、キャ
リッジロックアーム390がキャリッジ200の対応す
る穴部以外に当接したとしても、回復系ユニット300
やキャリッジユニット200に損傷を与えない構成とな
っている。
【0034】図3は図2の回復系ユニット300の駆動
系の構成を示す図である。370は回転軸に歯車が固定
された回復系駆動専用モータであり、371はモータ次
段ギアである減速用の第1ダブルギアであり、372は
第1ダブルギアと係合するとともにポンプ軸273を回
動中心として回動可能に構成されたアイドラギアであ
る。前記ポンプ軸273には、後述のコロガイド327
(図5)が固定されている。斜線で示した374は前記
ポンプ軸273に固定されたポンプカムである。このポ
ンプカム374には、前記アイドラギア372に設けら
れたリブ372aと係合する切り欠き部374aが形成
されている。この切り欠き部374aと前記リブ372
aとの間には図示のような回転角55度分の遊びが設け
られている。375は前記アイドラギア372と係合す
る第2のダブルギアである。376は第2のダブルギア
375と係合するギア一体型のワンウエイクラッチであ
る。
【0035】前記ワンウエイクラッチ376は、図中矢
印A380方向(CCW方向)に回転したときのみその
回動中心であるカム軸380に対して締め付けトルクを
発生して該カム軸を回転駆動できるように構成されてい
る。つまり、前記回復系駆動専用モータ370がず3中
に矢印で示すCCW方向(反時計回り)に回転するとき
だけ、前記ワンウエイクラッチ376が矢印A380方
向(CCW方向)に回転して回復系ユニット300のカ
ム軸380を回転駆動し、前記回復系駆動専用モータ3
70が図示と反対のCW方向(時計回り)に回転するす
るときには、前記ワンウエイクラッチ376がフリー状
態となり、回復系ユニット300のカム軸380は回転
せず、ポンプ軸373が所定の遊びを持って回転を開始
するように構成されている。
【0036】すなわち、前記アイドラギア372と前記
ポンプカム374との間の前記回転角55度分の遊びが
設けられているため、回復系ユニット300のポンプを
駆動するためのポンプ軸373は回復系駆動専用モータ
370によってアイドラギア372が前記遊び角度以上
回転させられた後で回転駆動されることになる。このよ
うな構成を採ることにより、吸引力発生手段としてのチ
ューブポンプ324(図4)を正転させて吸引負圧を発
生させる時には、カム軸380を介して駆動可能なキャ
ップ308及び弁機構には駆動が伝達されず、また、ワ
ンウエイクラッチ376を介してカム軸380に回転力
を伝達してキャップ308及び弁機構を駆動するときに
は、チューブポンプ324が逆方向に駆動されてコロ3
26がポンプチューブ325を押しつぶす状態から解放
され、吸引負圧を発生しないように構成されている。
【0037】図4は図2の回復系ユニット300のイン
ク流路と弁構成を示すブロック図である。なお、本実施
例では、図1及び図2でも述べたように2箇の記録ヘッ
ド401が使用されており、それに応じて2系統を有し
ているが、説明のために本図では一方の記録ヘッド40
1に対する1系統のみを示している。ここで、401は
記録ヘッド、321は予備吐出弁、322は大気連通
弁、323は吸引弁、324は負圧発生手段としてのチ
ューブポンプである。チューブポンプ324はポンプ軸
373により矢印A309で示す正転方向に駆動される
ときに負圧吸引力を発生し、矢印A310で示す逆転方
向に駆動されるときには負圧を発生することなく空転す
るように構成されている。
【0038】先ず、予備吐出処理により予備吐出口30
1に吐出されたインクを回収するための予備吐出口空吸
引処理のときの弁の状態について説明する。図4におい
て、予備吐出は記録ヘッドを記録領域外の401Aから
401Bまで移動させながら予備吐出口301に向けて
インクを吐出することにより実行される。次いで、予備
吐出口301内に溜まったインクは、予備吐出弁321
のみを開放するとともに他の2つの弁(大気連通弁32
2及び吸引弁323)を閉鎖し、チューブポンプ324
を図3の駆動機構により正方向(矢印A309方向)に
回転駆動してポンプチューブ325内に負圧を発生させ
ることにより、予備吐出チューブ364及びポンプチュ
ーブ325を通して矢印A307方向へ排出され、不図
示の廃インク処理手段へと送られる。
【0039】次に吸引回復処理について説明する。な
お、図4ではキャップ308と記録ヘッド401とが離
間しているが、吸引回復処理実行時にはカム軸380を
介して後述のキャップレバーカム350(図11)を駆
動することによりキャップレバー311を矢印A391
方向に上昇させてゴム状弾性体のキャップ308を記録
ヘッド401の吐出口面に押し付けて密着させ、吐出口
列を覆ってから(キャッピングしてから)吸引回復処理
が実行する。図4において、吸引回復処理は、予備吐出
弁321と大気連通弁322と吸引弁323とを閉じた
状態でチューブポンプ324を作動させてポンプ内に十
分な負圧を生成した後、該吸引弁323のみを開放する
ことにより、キャップ308内の圧力を瞬時に減圧し負
圧状態にすることで吸引を行う。
【0040】負圧吸引力によって吐出口からインクを吸
い出す上記吸引回復処理を行った後に、キャップ308
の内部やキャップチューブ338及びポンプチューブ3
25等の内部の残留インクを回収するための空吸引を実
行する。この空吸引時には、キャップ308を記録ヘッ
ド401に密着させた状態のまま大気連通弁322と吸
引弁323とを開放して、大気連通チューブ339から
空気を取り込める状態にした後でポンプ軸373を矢印
A309方向(正方向)に回動させてチューブポンプ3
24を作動させる。なお、図4中にも、回復系ユニット
300の左右両側に沿って搬送される記録紙312及び
313、並びに該回復系ユニットのブレード303が図
示されている。
【0041】図5は図4中の負圧発生手段としてのチュ
ーブポンプ324の負圧発生時の状態を示す縦断面図で
あり、図6は図5のチューブポンプ324を逆方向(矢
印A310方向)に回転させるときの状態を示す縦断面
図である。次に図5及び図6を用いてチューブポンプ3
24の構造について説明する。図5及び図6において、
325はシリコーンゴム製のポンプチューブであり、3
26はポンプチューブ325をしごいて該ポンプチュー
ブ内に負圧を発生させるためのコロであり、326aは
コロ326の両側に設けられた軸部である。前記コロ3
26はコロガイド327の回動(公転)に伴って回転
(自転)しながらポンプチューブ325を押しつぶして
しごくことが可能なコロであり、180度の位相ズレを
もって2箇所に設けられている。
【0042】327は前記コロ326を回転(自転)自
在に支持するためのコロガイドであり、327aは前記
各コロ326に対応して前記コロガイド327に設けら
れた溝である。各溝327aには、対応するコロ326
の両側に設けられた軸部326aが挿入されている。各
コロ326は各溝327a沿って移動可能なように構成
されている。328はコロ326の移動に伴う騒音を低
減するためのコロダンパーであり、該コロダンパー32
8はゴム等の弾性部材により形成されている。
【0043】チューブポンプ324が作動して負圧を発
生させている状態を示す図5において、コロ326はコ
ロガイド327の溝327aの最も外周寄りの端部に移
動しており、この状態でコロガイド327が矢印A30
9方向(正方向)に回動(公転)することにより、コロ
326は回転(自転)するとともにポンプチューブ32
5を押しつぶしながら回動(公転)し、該ポンプチュー
ブ325をしごいている。前記コロダンパー328は、
ポンプチューブ押しつぶし領域A308の範囲外におい
て、溝327a内で自由に移動できるコロ326を該溝
327aの一端部(コロガイド327の外周寄りの端
部)に確実に寄せた状態に保っている。また、2箇のコ
ロ326は180度の位相ズレを持っているが、ポンプ
チューブ325を円弧状に案内保持するためのチューブ
ガイド329はA308に示すように180度以上の領
域に配置されているため、コロガイド327を矢印A3
09方向(正方向)に回動させている間は連続的かつ無
限にポンプチューブ326をしごいて負圧を発生し続け
ることが可能である。
【0044】図6は、図5と逆方向(図5中の矢印A3
09と逆の矢印A310方向)にコロガイド327を回
動させるときの状態を示す。図6の状態では、コロ32
6はポンプチューブ325と干渉することで発生する負
荷により、溝327a内では図5とは逆の方向に寄せら
れ、該コロ326がコロガイド327の回動中心方向
(ポンプ軸373の方向)へ逃げた状態(退避状態)に
なり、ポンプチューブ325を押しつぶさずに事実上空
転している。従って負圧は発生されず、かつポンプチュ
ーブ325を押しつぶしてクリープさせる心配も無い状
態となっている。よって、電源OFFあるいは記録待機
時のように長時間の停止が考えられるときには、このよ
うな図6に示すような状態になっていることが望まし
い。なお、ポンプチューブ325にへたりが生じていな
いときに溝327a内におけるコロ326の位置を図5
中の326a(外周寄りの位置)から図6中の326b
に移行させるためには、本実施例の構成ではポンプ軸3
73を中心とするコロガイド327の回転角度(通常逆
方向の回転)で約40度の回転角を要する。
【0045】図5において、上記チューブポンプ324
にはフォトインタラプタ600が設けられており、コロ
ガイド327に設けられたフラグ602によりコロ62
6の回動方向の位相角位置を検知することができる構成
となっている。このような構成によれば、ポンプチュー
ブ325にへたりが生じたり、あるいは、コロ326の
軸部326aのコロガイド327の溝327a内におけ
る位置に該コロ326の回転軸部との摺動摩耗により生
じた凹みにより、コロガイド327の矢印A310方向
の逆転時にコロ326がチューブ325から受ける負荷
が低下したり、コロ326が退避するために必要な負荷
力が増大して図6に示すような位置にコロ326が退避
せずに図5中の326aの位置のまま逆転したりしたと
しても、逆転開始前のコロ326の位置を図5中の軸部
326bで示すような位置、すなわちチューブガイド3
29の終端近傍(コロガイド327の回転方向によって
は始端位置近傍)の位置に停止させておくことが可能に
なる。
【0046】これによって、コロ326がチューブ32
5をしごく距離をごくわずかな距離に抑えることが可能
である。つまり、コロガイド327が回動してコロ32
6の押圧方向に配設されていたチューブガイド329が
存在しない領域に来るとコロ326の退避状態に関わら
ず必然的にチューブ325は押圧されなくなり、更にコ
ロガイド327が逆転してコロ326が図5及び図6中
の最下点に来た時にはコロ326とチューブ325が干
渉し、その時の負荷抵抗によりコロ326がその軸部3
26bで示すような位置へ移動することになり、それに
よって、ポンプチューブ325内におけるインクの逆流
は確実に防止される。
【0047】なお、この時にコロ326を軸部326a
で示す位置から軸部326bで示す位置へ移動させるの
に必要な力は極めて小さく、チューブ325のへたり状
態に関わらずコロ326は退避可能である。コロ326
は重力により図中鉛直下方向の位置(軸部326bで示
す位置)へ移動し、それ以後はポンプ324が矢印A3
10方向の逆転を続けてもコロ326がチューブ325
を押圧することは無い。また、吸引弁323(図4)と
併用することにより一層効果的に逆流を防止する場合に
も、該吸引弁323に求められる逆流防止力が小さくな
り、それによって、吸引弁機構の大型化やバネ圧アップ
による必要駆動トルクの増大を抑制乃至は防止すること
ができる。
【0048】図7は図4中の予備吐出弁321の構成を
示す縦断面図であり、図8は図4中の吸引弁323の構
成を示す縦断面図であり、図9は図4中の大気連通弁3
22の構成を示す縦断面図である。図7において、33
0は予備吐出弁321の開閉を制御するためにカム軸3
80に固定された予備吐出弁カムであり、331は前記
予備吐出弁カム330とともに後述する全ての弁を内蔵
した弁ホルダであり、332はゴム等の弾性材料により
形成されたダイアフラム弁である予備吐出弁ゴムであ
り、333aは前記予備吐出弁ゴム332と係合した弁
シャフトであり、334aは弁シャフト333aと係合
した予備吐出弁アームであり、335aは予備吐出弁ア
ーム334aと前記予備吐出弁カム330とに当接する
予備吐出弁カムフォロワーであり、336aは前記予備
吐出弁アーム334aを予備吐出弁カム330方向へ付
勢する予備吐出弁アームバネである。また、337は予
備吐出弁部321から吸引弁部323までのインク流路
を形成する弁チューブである。
【0049】図7中の実線は予備吐出弁ゴム332が弁
ホルダ331内に構成された予備吐出チューブ364と
弁チューブ337との間の流路を閉鎖した状態を示して
いる。この閉鎖状態から予備吐出弁カム330(カム軸
380)が矢印A311方向へ回動して予備吐出弁アー
ム334aが二点鎖線で示す状態まで回動すると弁シャ
フト333aが二点鎖線の位置まで移動して予備吐出弁
321が開放状態になり、予備吐出口301に接続され
た予備吐出チューブ364と前記弁チューブ337との
間の流路が開放(接続)される。なお、本図において番
号の後にaが付記されているものは各々の部材において
予備吐出弁機構部321に使用されている部材であるこ
とを示し、一方後述の図8において番号の後にbが付記
されているものは各々の部材において吸引弁機構部32
3に使用されている部材であることを示しているが、使
用されている部位が異なるだけで機能及び形状は同一で
ある。
【0050】図4中の吸引弁323の構成を示す図8に
おいて、341は吸引弁323の開閉を制御するために
カム軸380に固定された吸引弁カムであり、331は
前記吸引弁カム341とともに前記予備吐出弁カム33
0及び後述する大気連通弁カム343等の全ての弁を内
蔵した弁ホルダであり、342はゴム等の弾性材料によ
り形成されたダイアフラム弁である吸引弁ゴムであり、
333bは前記吸引弁ゴム342と係合した弁シャフト
であり、334bは弁シャフト333bと係合した吸引
弁アームであり、335bは吸引弁アーム334bと前
記吸引弁カム341とに当接する吸引弁カムフォロワー
であり、336bは前記吸引弁アーム334bを吸引弁
カム341方向へ付勢する吸引弁アームバネである。ま
た、337は吸引弁部323と前記予備吐出弁部321
との間をインク流路を形成する弁チューブである。
【0051】図8において、338はキャップ308か
ら弁ホルダ331までのインク流路を形成するキャップ
チューブ(図4参照)である。図8中の実線は吸引弁が
閉じられた状態を示しており、キャップチューブ338
と弁チューブ337との間は前記予備吐出弁321の場
合と同様に吸引弁ゴム342によって閉鎖されている。
この閉鎖状態から吸引弁カム341(カム軸380)が
矢印A312方向へ回動して吸引弁アーム334bが二
点鎖線で示す状態まで回動すると弁シャフト333bが
二点鎖線の位置まで移動して吸引弁323が開放状態に
なり、キャップチューブ338と弁チューブ337との
間の流路が開放(接続)される。また、前記弁ホルダ3
31には前記チューブポンプ324のポンプチューブ3
25が接続され、該吸引弁323の開閉制御によってキ
ャップ308とチューブポンプ324との間の流路を開
閉できるように構成されている。
【0052】図4中の大気連通弁322の構成を示す図
9において、343は大気連通弁322の開閉を制御す
るためにカム軸380に固定された大気連通弁カムであ
り、331は図7及び図8中でも示した全ての弁を内蔵
した弁ホルダであり、344はゴム等の弾性材料により
形成された大気連通弁ゴムであり、345は大気連通弁
アームであり、346は大気連通弁アーム345を大気
連通弁ゴム344に当接する方向に付勢する大気連通弁
アームバネである。図9中の実線は大気連通弁322が
閉鎖された状態を示している。この閉鎖状態から前記大
気連通弁カム343(カム軸380)が矢印A313方
向に回動して大気連通弁アーム345が支軸345aを
中心に二点鎖線の位置まで時計回り方向に回動させられ
ると、弁アーム345がアームバネ346に抗して大気
連通弁ゴム344から離隔され、キャップ308の内部
に通じる大気連通チューブ339は大気に開放される。
【0053】なお、本実施例では、上記大気連通弁32
2は、前記予備吐出弁321及び吸引弁323とは異な
り、2箇のキャップ308に接続された2本の大気連通
チューブ339から成る2系統のインク流路が不図示の
ジョイント部材によって1本のチューブにまとめられて
おり、1本にまとめられたチューブが前記大気連通弁ゴ
ム344に接続されているため、その弁機構(大気連通
弁機構322)は2箇のキャップ308に対して1箇設
けるだけで十分に所期の機能を達成することができる。
【0054】図10は図2中のキャップ308の縦断面
図である。図10において、309は前記キャップ吸収
体であり、347は大気連通チューブ339(図4)と
の接続部であり、348はキャップチューブ338(図
4)との接続部である。図11及び図12はキャップ3
08の上下動作を示す図であり、図11はキャップ30
8が最も下がった(記録ヘッド401から離間した)キ
ャップオープンの状態を示し、図12はキャップ308
が最も上がった(記録ヘッド401に密着した)キャッ
プクローズの状態を示す。図11及び図12において、
350は回復系ユニット300のカム軸380に固定さ
れたキャップレバーカムであり、前記キャップレバー3
11には前記キャップレバーカム350に対するカムフ
ォロワー311aが一体に設けられている。
【0055】図11及び図12から明らかなように、カ
ム軸380によってキャップレバーカム350が回動し
て所定位置で停止することにより、記録ヘッド401の
吐出口面に対するキャップ308の当接(キャッピン
グ)及び離間(アンキャッピング)を制御することがで
きる。なお、キャップホルダ310とキャップレバー3
11との間にはキャッピング時の圧接力を調整するため
のキャップバネ(不図示)が配設されている。また、キ
ャップレバーカム350とキャップレバー311のカム
フォロワー311aとは、単に当接しているだけでな
く、互いに係合する構造になっており、そのため、キャ
ップ308と記録ヘッド401とがインクの固着等によ
り貼り付いてしまった場合でも、引き剥がすことが可能
である。
【0056】一方、本実施例における回復系ユニット3
00の駆動機構においては、図3に示すようにアイドラ
ギア372とポンプ軸373との間に、コロガイド32
7の位相角55度分だけの空転領域が設けられており、
チューブポンプ324の回転方向を逆転させた際に位相
角55度分だけ遅れてコロガイド327が回転を開始す
るように構成されている。また、カム軸380への駆動
伝達の途中にはワンウエイクラッチ376が介在してい
るため、チューブポンプ324が負圧を発生させる方向
(正方向)に駆動されている時には、カム軸380へは
駆動が伝達されず、予備吐出弁321、大気連通弁32
2、吸引弁323等の弁機構並びにキャップ308やブ
レード303などの状態は変化しないように構成されて
いる。また、このような構成を設けることにより、カム
軸380を駆動して吸引弁323を完全に閉鎖した後で
チューブポンプ324(そのコロガイド327)の逆回
転を開始させることが可能であり、それによって、チュ
ーブポンプ324側からキャップ308内への逆流を確
実に防止することができる。
【0057】図13はカム軸380の回動に対する予備
吐出弁321、大気連通弁322、吸引弁323等の弁
機構並びにキャップ308やブレード303などの状態
変化を示すカムチャートであり、図14は本実施例に係
るインクジェット記録装置における記録処理及び回復処
理の一連の動作を示すフローチャートであり、図15は
図14中の予備吐出処理の動作を示すフローチャートで
あり、図16は図14中のワイピング処理の動作を示す
フローチャートであり、図17は図14中の予備吐出口
空吸引処理の動作を示すフローチャートであり、図18
は図14中の吸引回復処理の動作を示すフローチャート
である。次に、図13〜図18を用いて回復系300の
一連の回復処理動作について説明する。なお、以下の説
明における丸付き数字は図13中に示したカムポジショ
ン(カムの回転位置)を示すものである。
【0058】まず記録時の回復系300の動作について
説明する。図14において、S301で記録命令を受け
取ると、S302で回復系駆動専用モータ370が図3
中におけるCCW方向(反時計回り方向)へ回転を開始
し、カム軸380を矢印A380方向に回転させて図1
3中のにキャップオープンの状態となる。そこで、図
15に示す予備吐出処理を実行する。予備吐出処理にお
いては、S321でキャリッジ200を予備吐出準備位
置まで移動させ、次いでS322でブレード303に近
い側の吐出口のブロックから順次流し予備吐出(キャリ
ッジ200を移動させながらのインク吐出)を実行す
る。予備吐出が全吐出口において終了するとインク吐出
及びキャリッジ移動を停止し、予備吐出処理を終了す
る。
【0059】次に、図14において、S304でキャリ
ッジユニット200を記録位置(本実施例では、回復系
ユニット300の両側に設けられた記録位置から選択さ
れたいずれか一側の記録位置)まで移動させ、S305
でタイマTを0にリセットしてからカウントをスタート
させる。S306で、キャリッジユニット200が位置
する側の記録位置へ搬送されてきた記録紙に対し記録情
報に応じてインクを吐出して記録を行う。次いで、S3
07で記録命令の有無を判別し、記録命令が無ければS
311へ進んでワイピング処理(図16)を実行する。
【0060】S307で記録命令が有れば、S308に
てタイマTを参照する。タイマTが60sec以下であ
ればS306へ戻ってそのまま記録を継続し、Tが60
sec以上であればS309にて吐出口面に付着したイ
ンクを拭き取るためのワイピング処理(図16)を実行
するとともにS310で予備吐出処理(図15)を実行
する。これらのS306〜S310の動作はS307で
記録命令無しと判別されるまで繰り返し実行される。な
お、S310における予備吐出処理は、S309におけ
るワイピング処理により記録ヘッド401の吐出口内に
押し込まれた可能性のある乾燥インクあるいは異なる種
類のインク等を排出するため処理動作である。そして、
S307で記録命令無しと判別されると、前述したよう
にS311へ進んでワイピング処理(図16)を実行す
る。
【0061】図16において、上記ワイピング処理で
は、S331にてキャリッジ200をワイピング準備位
置まで移動させる。次いでS332にてモータ370を
CCW方向に回転させ、前記カム位置におけるブレー
ド303の先端が下方向に向いた状態からカム位置に
おけるブレード303の先端が上方向に向いたワイピン
グ可能な状態へ移行させる。そして、S333でキャリ
ッジユニット200を移動させて記録ヘッド401のワ
イピングを実行する。このときのキャリッジ200の移
動速度は、必ずしも一定にする必要はなく、例えばイン
クの種類に応じて変更しても良い。記録ヘッド401の
吐出口面の全域がブレード303により拭き取り清掃さ
れた後、キャリッジ200を停止させ、S334でモー
タ370をCCW方向に回転させることにより、ブレー
ド303を下向きにして格納してブレードオフにしたカ
ム位置の状態にし、ワイピング処理を終了する。な
お、ブレード303の回転機構(オン・オフ機構)につ
いては、本発明と直接関わり合いが無いことから詳細説
明は省略する。
【0062】S307で記録命令が無くなると、S31
1へ進んで記録終了時のワイピング処理を実行して吐出
口面のインクを除去し、次いでS312にて図17に示
すような予備吐出口空吸引処理を実行する。この予備吐
出口空吸引処理は、予備吐出によって予備吐出口301
内に溜まったインクを不図示の廃インク処理手段へ排出
するための処理である。図17に示す前記予備吐出口空
吸引処理においては、S341ではモータ370をCC
W方向に回転させて図13中のカム位置の状態にした
後、S342にてモータ370をCW方向(時計回り方
向)に所定回転角度だけ回転させてチューブポンプ32
4を正方向に回転駆動することにより、予備吐出口30
1内のインクを、予備吐出チューブ364及びポンプチ
ューブ325を通して廃インク吸収体(不図示)へ排出
する。
【0063】次いで、S343にて、前記チューブポン
プ324(図5)のフォトインタラプタ(ポンプセン
サ)600の検知結果を参照し、該センサがオンした時
点でチューブポンプ324の作動を停止させる。このよ
うな位置でチューブポンプ324(コロガイド327の
回動)を停止させることにより、いずれかのコロ326
がチューブガイド329の始端(逆転方向の終端)から
回転角度で約20度進んだ位置(逆転方向では約20度
手前の位置)にあるときにコロガイド327の回転を停
止させて、予備吐出口空吸引処理を終了する。なお、前
記S342におけるモータ370のCW方向の所定回転
角度は、予備吐出口301内あるいはチューブ364、
325内に残留するインク量が記録ヘッド401あるい
は回復系300に対して不具合を与えない量まで確実に
減じるような角度に設定してある。
【0064】図14において、次にS313にてキャリ
ッジ200をホームポジションすなわちキャッピングポ
ジション(本実施例ではキャリッジユニット200の移
動範囲の中間位置に設けられている)まで移動し、S3
14にてモータ370をCCW方向に回転させて図13
中のカム位置で示すキャップクローズの状態(記録ヘ
ッド401をキャッピングした状態)にする。なお、こ
の場合、吸引弁323はキャップ308が記録ヘッド4
01に当接するよりも前に閉鎖される。また、S314
においては、モータ370のCCW方向の回転によりコ
ロ326がチューブガイド329から確実に解除された
後に前記吸引弁323を再度開放されてからカム位置
のキャッピング状態にされる。そして、記録処理を終了
する。
【0065】なお、S314にてモータ370をCCW
方向に回転させて図13中のカム位置で示すキャップ
クローズの状態にするときのポンプ軸373の回転角度
は約100度であり、この角度は、チューブポンプ32
4のポンプ動作の遅れ角55度とコロ326がポンプチ
ューブ325を押しつぶした状態から開放した状態にす
るために必要な回転角20度とを合わせた角度よりも十
分に大きい角度である。従って、インクジェット記録装
置の待機時(キャッピング時)には、チューブポンプ3
24は、図6に示すような、コロ326が回転中心方向
に寄せられることでチューブ325を押しつぶすことの
ない空転状態になっている。
【0066】次に記録ヘッド401が長期間使用されな
かったために吐出口内のインクが固着したり、吐出口内
に気泡が混入して吐出が行われなくなった場合等に自動
的あるいは手動により実行される、吸引回復処理(図1
8)について説明する。図18において、先ずS361
にて吸引回復命令を受け取ると、S362で記録装置が
キャッピング状態であるか否かを検知する。記録装置が
待機状態等でキャッピング状態である場合(すなわち図
13中のカム位置の状態でキャッピングが行われてい
る場合)にはS364へ進み、アンキャッピング状態の
場合はS363へ進んでワイピング処理(図16)を実
行してからS364へ進む。S364では、キャッピン
グを行ってカム位置の状態にし、更にモータ370を
CCW方向に回転させて全ての弁(本実施例では、吸引
弁323、大気連通弁322、予備吐出弁321の3種
の弁)を閉鎖したカム位置の状態にする。
【0067】次にS365にてモータ370をCW方向
に回転させてポンプを駆動(正回転)し、3種の弁(計
5箇)からチューブポンプ324(計2箇)までの間の
チューブ内の圧力を所定値まで減圧する。次にS366
でモータ370をCCW方向に回転させてカム位置の
状態とし、吸引弁323のみを開放してキャップ308
内に負圧を作用させる。このときの状態からの状態
に至るまで、ポンプ駆動系はチューブポンプ324をA
310方向(逆方向)に45度だけ回転させようとする
が、図3に示すように駆動系の途中に55度までの空転
領域が設けられているので、コロガイド327が回転す
ることはなく、従ってチューブポンプ324は作動しな
い。そのため、ポンプチューブ325はコロ326によ
り押しつぶされて閉鎖した状態が保たれている。
【0068】ここで、吐出口内の乾燥インクや気泡等を
除去するために必要な所定インク量を吸引できれば吸引
回復動作を終了しても良い。吸引量が不足している場合
は次のような追加吸引を行う。すなわち、このときの吸
引で記録ヘッド401から排出されたインクはキャップ
308内及び大気連通弁322からポンプ324に至る
までの空間に入り込むので、S366で吸引弁323を
開放するとともに、S367にて再度モータ370をC
W方向に回転させてチューブポンプ324を作動させる
ことにより、負圧を発生させて再度の吸引を行う。
【0069】吸引量が所定値に達したら、S368にて
モータ370をCCW方向に回転させて大気連通弁32
2を開放し、カム位置の状態としてキャップ308内
を大気に開放した後、記録ヘッド401からの強制イン
ク排出(吸引動作)を停止させる。続いてS369にて
モータ370をCW方向に回転してポンプ324を作動
させ、キャップ308内、大気連通チューブ364内、
キャップチューブ338内、ポンプチューブ325内の
インクを廃インク処理手段へ排出する。次にS370に
てカム位置の状態として大気連通弁322以外の全て
の弁(3つの弁)を閉鎖し、S371にてポンプ324
を作動(正転)させてポンプ機構部から前記閉鎖した弁
までの間のインク流路内の圧力を減じて負圧状態にした
後、S372にて吸引弁323を開放してカム位置10の
状態とし、大気連通チューブ339内に流速の速い空気
を流し込んで該チューブ内のインクのメニスカスを破壊
する。
【0070】続いて、S373にてキャップ308をオ
ープンし、S374にて前記ワイピング処理(図16)
を実行し、S375にて前記予備吐出処理(図15)を
実行し、S376にて前記予備吐出口空吸引処理(図1
7)を実行し、最後にS377にてキャリッジ200を
ホームポジションに移動させてからS378でモータ3
70をCCW方向に回転させてキャッピング(キャップ
クローズ)を行い、一連の吸引回復処理を終了する。
【0071】なお、本実施例では、前記カム軸380に
キャップカム(不図示)が固定されており、該キャップ
カムをフラグとしたフォトインタラプタから成るキャッ
プカムセンサが設けられている。このキャップカムセン
サの検知結果により、カム軸380に固定された各種カ
ム等の位相を検知することが可能なように構成されてい
る。ここで、前記キャップカムセンサの検知タイミング
は、キャップオープンとキャップクローズの直前に設定
されている。このように検知タイミングを設定する理由
は次のとおりである。
【0072】すなわち、キャップオープン時には、キャ
ップレバー311と一体化されたカムフォロワー311
aは、本実施例では総計800gf程度のバネ力を有す
るキャップバネ(不図示)の作用により、キャップレバ
ーカム350を図3中で反時計回り方向(CCW方向)
に回す力(作用)を受け、前記ワンウエイクラッチ37
6が空転する方向にキャップレバーカム350がオーバ
ーランして位相ズレを起こす可能性があり、さらにま
た、逆にキャップクローズ時には、カム軸380に対し
て最も大きな負荷が作用するため、ステッピングモータ
により構成される回復系駆動用のモータ370が脱調す
る危険性があり、これらにより生ずる位相ズレを補正し
て常に正しい位相で各種カム(カム軸280)の回動位
置を制御するためには、前記キャップカムセンサの検知
タイミングをキャップオープンとキャップクローズの直
前に設定する必要があるからである。
【0073】図19は従来のインクジェット記録装置に
おける空吸引実行時のチューブ内のインク残留状態を経
時的に示す模式図であり、図20に本発明を適用したイ
ンクジェット記録装置においてチューブ内のメニスカス
破壊のための空吸引を実施した時のチューブ内インクの
状態を経時的に示す模式図である。図19及び図20を
参照してチューブ内のメニスカスの破壊の状態について
詳述する。
【0074】図19において、(a)のようにチューブ
内にインクが残留している時、吸引する空気の流速が遅
い場合には(b)のように空気が通る気道径ΦA1は小
さくなり、従ってチューブに対する単位面積及び単位長
さ当たりの残留インクは多くなる。なお、図19の
(b)中のVは流路内にインクが充満しているときのイ
ンクの流速分布を示すものであり、矢印は速度ベクトル
である。このように残留したインクは、その量がインク
流路の断面積に対して所定量以上となると、ポンプ32
4の駆動が停止され空気の流れが停止すると(c)のよ
うに前記残留インクが凝集し、凝集したインクが表面張
力により盛り上がると(d)のように再度メニスカスを
形成することになる。
【0075】このような再度のメニスカスが形成される
一因として、大気連通チューブ322の内径の細さが挙
げられるが、インクの回収性、流路構成部材の占有体
積、這い回し性等からその内径は約Φ1〜約Φ2(約1
mm〜約2mm)程度という小さな径で構成する必要が
ある場合が多く、例え浸透性が高く表面張力の低い染料
系のフォトインク等を使用するであっても、従来の空吸
引手段によって残留インクによるメニスカスの生成を防
止することは不可能であった。
【0076】これに対し、流速が速い場合には図20の
ようになり、(a)のようにチューブ内にインクが残留
している時、流速は速いと(b)のようにインクは壁面
に対して薄く広がったように残留する。そのため、単位
面積及び単位長さ当たりの残留インク量は少なくなり、
吸引動作停止後にインクが凝集しても流路断面を覆い尽
くしてメニスカスを形成することは無く、図20の
(c)のように分断された小さなインク滴が形成される
だけである。このように、本発明を実施したインクジェ
ット記録装置によれば、、大気連通チューブ内には確実
に気道が確保されるため、記録ヘッド401の吐出口に
対して正圧が作用する状態になることは無い。なお、キ
ャップチューブ325内等の吸引流路中に形成されたイ
ンクのメニスカスが長期の放置により固着した場合につ
いては、吸引回復処理に伴う大きな負圧吸引力により確
実に解消されるので、不具合を生じる危険性は無い。
【0077】なお、本発明をによる空吸引はキャッピン
グ直前の空吸引でのみ行えば十分である。例えば前記予
備吐出を専用の予備吐出受容部(予備吐出口301等)
に行うのではなく、前記キャップ308内のような他の
部位に対して行うような場合には、一連の記録(印刷)
を実行している最中にキャップ308内のインクが満タ
ンになる前に空吸引を行って該キャップ内のインクを回
収排出しなければならないが、キャッピング直前でない
場合の空吸引においては前記不具合が生じる危険性が無
いため、従来通り吸引弁を開放したままでポンプを駆動
して空吸引を行なっても良い。このように必要に応じて
本発明に係る空吸引を実行することで記録装置のスルー
プットを向上させることができる。
【0078】また、前記キャッピング直前の空吸引に加
えて、電源OFF準備の処理動作中に前記空吸引処理を
行っても良い。これは、例えば、電源OFF命令が発令
された時点でキャッピング状態であったとしても、一度
キャップ308をオープンし、前記空吸引を実行した後
に再度キャッピングを行うものであり、これによれば、
インク流路内のインク除去が更に確実になり、長期放置
におけるインク流路内のインク固着に伴う不具合の発生
を確実に防止できる。
【0079】図21は本発明を適用したインクジェット
記録装置の回復処理方法及び回復処理装置の第2実施例
を実施するための回復系ユニット300のカム軸380
の回動に対する予備吐出弁321、大気連通弁322、
吸引弁323等の弁機構並びにキャップ308やブレー
ド303などの状態変化を示すカムチャートである。以
上説明した第1実施例では大気連通機構を有する吐出回
復処理装置のメニスカス破壊について述べたが、次に、
図21を参照して大気連通機構を持たない吐出回復処理
装置を有するインクジェット記録装置における第2実施
例に係るインク流路内のメニスカス破壊について説明す
る。大気連通機構が無い場合にはキャッピング時におけ
るキャップ308内空気の逃げ道は吸引回復処理を実行
する時にインクを吸引するための吸引流路となる。従っ
てキャッピング前には吸引流路内にインクのメニスカス
を生成しないような構成を採る必要がある。
【0080】この第2実施例の前述の第1実施例との大
きな相違点は、大気連通弁を駆動する大気連通弁カム
(図9中のカム343)が無いことと、空吸引時にはキ
ャップ308がオープン状態にされていることである。
従って、図13中のカムポジションは存在しない。図
21のカムチャートはその他の点では図13のカムチャ
ートと実質的に同じである。
【0081】このような第2実施例によれば、吸引回復
処理の吸引行程の後にキャップ308をオープンしてか
ら本発明に係る空吸引を行い、続いて更に吸引ポンプ
(チューブポンプ)324を駆動することでメニスカス
の破壊及びインク流路内の空吸引を確実に実行すること
が可能である。なお、図13中のカムポジションにお
いて吸引を実行した後、カムポジションで停止させず
にカムポジション10までカム軸380を連続的に回転さ
せてからチューブポンプ324を駆動すれば(作動させ
れば)、通常の空吸引を実行することも可能であり、前
述の第1実施例と同様、必要に応じて実行する空吸引の
種類を選択することで記録装置のスループットの向上が
可能である。
【0082】なお、以上の実施例では、被記録材(31
2又は313の全幅または一部をカバーする長さのライ
ンタイプの記録ヘッド401を用いて副走査(被記録材
の搬送動作)のみで記録するライン記録方式のインクジ
ェット記録装置を例に挙げて説明したが、本発明は、記
録手段を被記録材に対して相対移動させながら1ライン
を記録する主走査と上記副走査とを併用して記録するシ
リアル記録方式のインクジェット記録装置に対しても同
様に適用することができ、同様の効果を達成し得るもの
である。また、本発明は、1個の記録手段で記録する記
録装置、異なる色のインクで記録する複数の記録手段を
用いるカラー記録装置、あるいは同一色彩で異なる濃度
で記録する複数の記録手段を用いる階調記録装置、さら
には、これらを組み合わせた記録装置の場合にも、同様
に適用することができ、同様の効果を達成し得るもので
ある。
【0083】さらに、本発明は、記録ヘッドとインクタ
ンクを一体化した交換可能なヘッドカートリッジを用い
る構成、記録ヘッドとインクタンクを別体にし、その間
をインク供給用のチューブ等で接続する構成など、記録
ヘッドとインクタンクの配置構成がどのような場合にも
同様に適用することができ、同様の効果が得られるもの
である。なお、本発明は、インクジェット記録装置の場
合、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を用いる
記録手段を使用するものにも適用できるが、中でも、熱
エネルギーを利用してインクを吐出する方式の記録手段
を使用するインクジェット記録装置において優れた効果
をもたらすものである。かかる方式によれば、記録の高
密度化、高精細化が達成できるからである。
【0084】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、請求項
1の発明によれば、記録手段の吐出口を覆うキャップ
と、該キャップ内を負圧にすることが可能なポンプと、
キャップとポンプとの間のインク流路を開閉可能な吸引
弁と、キャップ内と大気とを連通可能な大気連通弁と、
を備えたインクジェット記録装置において、前記大気連
通弁を開放するとともに前記キャップで吐出口を覆った
状態で、前記吸引弁を閉鎖して前記ポンプを作動するこ
とにより前記インク流路内に所定の負圧を生成した後
に、前記吸引弁を開放する構成としたので、記録手段の
吐出口面を覆うためのキャップに通じるインク流路内の
残留インク量を減少又は無くすとともにインクの回収性
を向上させることができ、キャップからインクを吸引す
る空吸引後のインク流路内の再凝集インクによるメニス
カスの生成を阻止することで、キャッピング時等に吐出
口に発生する押し込み圧の発生などの不具合を防止し、
常に安定した吐出性能を維持できるインクジェット記録
装置が提供される。
【0085】請求項2の発明によれば、記録手段の吐出
口を覆うキャップと、該キャップ内を負圧にすることが
可能なポンプと、キャップとポンプとの間のインク流路
を開閉可能な吸引弁と、を備えたインクジェット記録装
置において、前記キャップを前記記録手段から離間する
とともに前記吸引弁を閉鎖して前記ポンプを作動するこ
とにより前記インク流路内に所定の負圧を生成した後
に、前記吸引弁を開放する構成としたので、記録手段の
吐出口面を覆うためのキャップに通じるインク流路内の
残留インク量を減少又は無くすとともにインクの回収性
を向上させることができ、キャップからインクを吸引す
る空吸引後のインク流路内の再凝集インクによるメニス
カスの生成を阻止することで、キャッピング時等に吐出
口に発生する押し込み圧の発生などの不具合を防止し、
常に安定した吐出性能を維持できるインクジェット記録
装置が提供される。
【0086】請求項3及び4の発明によれば、上記請求
項1又は2の構成に加えて、前記空吸引処理は、少なく
とも前記記録手段に前記キャップを当接させる直前の空
吸引工程において実行される構成、あるいは、前記空吸
引処理は、電源OFF準備時の処理動作においても実行
される構成としたので、一層効率よく上記効果を達成で
きるインクジェット記録装置が提供される。
【0087】請求項7の発明によれば、記録手段の吐出
口を覆うキャップと、該キャップ内を負圧にすることが
可能なポンプと、キャップとポンプとの間のインク流路
を開閉可能な吸引弁と、キャップ内と大気とを連通可能
な大気連通弁と、を備えたインクジェット記録装置の回
復処理方法において、前記大気連通弁を開放するととも
に前記キャップで吐出口を覆った状態で、前記吸引弁を
閉鎖して前記ポンプを作動することにより前記インク流
路内に所定の負圧を生成した後に、前記吸引弁を開放す
る構成としたので、記録手段の吐出口面を覆うためのキ
ャップに通じるインク流路内の残留インク量を減少又は
無くすとともにインクの回収性を向上させることがで
き、キャップからインクを吸引する空吸引後のインク流
路内の再凝集インクによるメニスカスの生成を阻止する
ことで、キャッピング時等に吐出口に発生する押し込み
圧の発生などの不具合を防止し、常に安定した吐出性能
を維持できるインクジェット記録装置の回復処理方法が
提供される。
【0088】請求項8の発明によれば、記録手段の吐出
口を覆うキャップと、該キャップ内を負圧にすることが
可能なポンプと、キャップとポンプとの間のインク流路
を開閉可能な吸引弁と、を備えたインクジェット記録装
置の回復処理方法において、前記キャップを前記記録手
段から離間するとともに前記吸引弁を閉鎖して前記ポン
プを作動することにより前記インク流路内に所定の負圧
を生成した後に、前記吸引弁を開放する構成としたの
で、記録手段の吐出口面を覆うためのキャップに通じる
インク流路内の残留インク量を減少又は無くすとともに
インクの回収性を向上させることができ、キャップから
インクを吸引する空吸引後のインク流路内の再凝集イン
クによるメニスカスの生成を阻止することで、キャッピ
ング時等に吐出口に発生する押し込み圧の発生などの不
具合を防止し、常に安定した吐出性能を維持できるイン
クジェット記録装置の回復処理方法が提供される。
【0089】請求項9及び10の発明によれば、上記請
求項7又は8の構成に加えて、前記空吸引処理は、少な
くとも前記記録手段に前記キャップを当接させる直前の
空吸引工程において実行される構成、あるいは、前記空
吸引処理は、電源OFF準備時の処理動作においても実
行される構成としたので、一層効率よく上記効果を達成
できるインクジェット記録装置の回復処理方法が提供さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット記録装置のエ
ンジン部(記録動作部)を示す外観斜視図である。
【図2】本発明を適用したインクジェット記録装置の回
復系ユニットの構成を示す斜視図である。
【図3】図2の回復系ユニットの駆動機構を示す模式的
側面図である。
【図4】図2の回復系ユニットのインク流路と弁構成を
示すブロック図である。
【図5】図4中の負圧発生手段としてのチューブポンプ
の負圧発生時の状態を示す縦断面図である。
【図6】図5のチューブポンプを逆方向に回転させてポ
ンプチューブの押しつぶしを解除したときの状態を示す
縦断面図である。
【図7】本発明を適用したインクジェット記録装置の回
復系ユニットの予備吐出弁の構造を示す縦断面図であ
る。
【図8】本発明を適用したインクジェット記録装置の回
復系ユニットの吸引弁の構造を示す縦断面図である。
【図9】本発明を適用したインクジェット記録装置の回
復系ユニットの大気連通弁の構造を示す縦断面図であ
る。
【図10】図2中のキャップを示す縦断面図である。
【図11】図2中のキャップが最も下がったキャップオ
ープンの状態を示す部分縦断面図である。
【図12】図2中のキャップが最も上がったキャップク
ローズの状態を示す部分縦断面図である。
【図13】回復系ユニットのカム軸の回動に対する予備
吐出弁、大気連通弁、吸引弁等の弁機構並びにキャップ
やブレードなどの状態変化を示すカムチャートである。
【図14】本発明を適用したインクジェット記録装置に
おける記録処理及び回復処理の一連の動作を示すフロー
チャートである。
【図15】図14中の予備吐出処理の動作を示すフロー
チャートである。
【図16】図14中のワイピング処理の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図17】図14中の予備吐出口空吸引処理の動作を示
すフローチャートである。
【図18】図14中の吸引回復処理の動作を示すフロー
チャートである。
【図19】従来のインクジェット記録装置における空吸
引実行時のチューブ内のインク残留状態を経時的に示す
模式図である。
【図20】本発明を適用したインクジェット記録装置に
おいてチューブ内のメニスカス破壊のための空吸引を実
施した時のチューブ内インクの状態を経時的に示す模式
図である。
【図21】本発明を適用したインクジェット記録装置の
第2実施例における回復系ユニットのカム軸の回動に対
する予備吐出弁、大気連通弁、吸引弁等の弁機構並びに
キャップやブレードなどの状態変化を示すカムチャート
である。
【図22】図1中の記録手段としての記録ヘッドのイン
ク吐出部の構造を模式的に示す部分斜視図である。
【符号の説明】
10 インク供給ユニット 70 フレームユニット 82 電気熱変換体 88 吐出口面 89 吐出口 90 電源ユニット 200 キャリッジユニット 201 ガイドシャフト 202 ガイドレール 203 キャリッジモータ 204 タイミングベルト 300 回復系ユニット 301 予備吐出口 302 インク吸収体 303 ブレード 304 ブレードホルダ 305 ブレードシャフト 305a ギア 306 ブレードカム 307 ブレードクリーナ 308 キャップ 309 キャップ吸収体 310 キャップホルダ 311 キャップレバー 311a カムフォロワー 312 被記録材(記録紙) 313 被記録材(記録紙) 321 予備吐出弁 322 大気連通弁 323 吸引弁 324 チューブポンプ 325 ポンプチューブ 326 コロ 327 コロガイド 328 コロダンパー 329 チューブガイド 330 予備吐出弁カム 331 弁ホルダ 332 予備吐出弁ゴム 333a 予備吐出弁シャフト 333a 吸引弁シャフト 334a 予備吐出弁アーム 334b 吸引弁アーム 335a 予備吐出弁カムフォロワー 335b 吸引弁カムフォロワー 336a 予備吐出弁アームバネ 336b 吸引弁アームバネ 337 弁チューブ 338 キャップチューブ 339 大気連通チューブ 341 吸引弁カム 342 吸引弁ゴム 344 大気連通弁ゴム 345 大気連通弁アーム 346 大気連通弁アームバネ 347 大気連通チューブとの接続部 348 キャップチューブとの接続部 350 キャップレバーカム 364 予備吐出チューブ 370 回復系駆動専用モータ 371 第1ダブルギア 372 アイドラギア 373 回復系のポンプ軸 374 ポンプカム 374a 切り欠き部(ポンプカム) 375 第2ダブルギア 376 ワンウエイクラッチ 380 回復系のカム軸 390 キャリッジロックアーム 401 記録手段(記録ヘッド) 600 フォトインタラプタ 602 フラグ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録手段の吐出口を覆うキャップと、該
    キャップ内を負圧にすることが可能なポンプと、キャッ
    プとポンプとの間のインク流路を開閉可能な吸引弁と、
    キャップ内と大気とを連通可能な大気連通弁と、を備え
    たインクジェット記録装置において、 前記大気連通弁を開放するとともに前記キャップで吐出
    口を覆った状態で、前記吸引弁を閉鎖して前記ポンプを
    作動することにより前記インク流路内に所定の負圧を生
    成した後に、前記吸引弁を開放することを特徴とするイ
    ンクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 記録手段の吐出口を覆うキャップと、該
    キャップ内を負圧にすることが可能なポンプと、キャッ
    プとポンプとの間のインク流路を開閉可能な吸引弁と、
    を備えたインクジェット記録装置において、 前記キャップを前記記録手段から離間するとともに前記
    吸引弁を閉鎖して前記ポンプを作動することにより前記
    インク流路内に所定の負圧を生成した後に、前記吸引弁
    を開放することを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記空吸引処理は、少なくとも前記記録
    手段に前記キャップを当接させる直前の空吸引工程にお
    いて実行されることを特徴とする請求項1又は2に記載
    のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記空吸引処理は、電源OFF準備時の
    処理動作においても実行されることを特徴とする請求項
    3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記記録手段は、インクを吐出するため
    に利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体を備
    えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記インクジェット記録手段は前記電
    気熱変換体が発生する熱エネルギーによりインクに生じ
    る膜沸騰を利用して吐出口よりインクを吐出させること
    を特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装
    置。
  7. 【請求項7】 記録手段の吐出口を覆うキャップと、該
    キャップ内を負圧にすることが可能なポンプと、キャッ
    プとポンプとの間のインク流路を開閉可能な吸引弁と、
    キャップ内と大気とを連通可能な大気連通弁と、を備え
    たインクジェット記録装置の回復処理方法において、 前記大気連通弁を開放するとともに前記キャップで吐出
    口を覆った状態で、前記吸引弁を閉鎖して前記ポンプを
    作動することにより前記インク流路内に所定の負圧を生
    成した後に、前記吸引弁を開放することを特徴とするイ
    ンクジェット記録装置の回復処理方法。
  8. 【請求項8】 記録手段の吐出口を覆うキャップと、該
    キャップ内を負圧にすることが可能なポンプと、キャッ
    プとポンプとの間のインク流路を開閉可能な吸引弁と、
    を備えたインクジェット記録装置の回復処理方法におい
    て、 前記キャップを前記記録手段から離間するとともに前記
    吸引弁を閉鎖して前記ポンプを作動することにより前記
    インク流路内に所定の負圧を生成した後に、前記吸引弁
    を開放することを特徴とするインクジェット記録装置の
    回復処理方法。
  9. 【請求項9】 前記空吸引処理は、少なくとも前記記録
    手段に前記キャップを当接させる直前の空吸引工程にお
    いて実行されることを特徴とする請求項7又は8に記載
    のインクジェット記録装置の回復処理方法。
  10. 【請求項10】 前記空吸引処理は、電源OFF準備時
    の処理動作においても実行されることを特徴とする請求
    項9に記載のインクジェット記録装置の回復処理方法。
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