JP2003239872A - チューブポンプ及び該チューブポンプを用いるインクジェット記録装置 - Google Patents

チューブポンプ及び該チューブポンプを用いるインクジェット記録装置

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JP2003239872A
JP2003239872A JP2002038444A JP2002038444A JP2003239872A JP 2003239872 A JP2003239872 A JP 2003239872A JP 2002038444 A JP2002038444 A JP 2002038444A JP 2002038444 A JP2002038444 A JP 2002038444A JP 2003239872 A JP2003239872 A JP 2003239872A
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Tetsuya Ishikawa
哲也 石川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】簡単かつ安価で信頼性に優れた構成で、スルー
プットの低下を招くことなく、チューブポンプの逆転作
動に伴う逆流を防止する。 【構成】チューブ325を押圧するコロ326の回動方
向の位置検知結果に基づいて、チューブポンプ324の
作動回転方向を正転方向から逆転方向に変更する直前に
おけるコロの停止位置をチューブしごき領域の終端近傍
に設定し、逆転方向に作動回転するときにチューブしご
き部とキャップ内部との間のインク流路338、325
を逆流防止弁323によって閉鎖する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録手段から被記録
材へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装
置におけるインク吐出性能を維持回復させるための回復
系等で使用されるチューブポンプ、並びに該チューブポ
ンプを用いるインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機
能を有する記録装置、あるいはコンピューターやワード
プロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーショ
ンなどの出力機器として用いられる記録装置は、画像情
報(記録情報)に基づいて紙、布、プラスチックシー
ト、OHP用シート等の被記録材(記録媒体)に画像
(文字や記号等を含む)を記録していくように構成され
ている。前記記録装置は、記録方式により、インクジェ
ット式、ワイヤドット式、サーマル式、レーザービーム
式等に分けることができる。
【0003】被記録材の搬送方向(紙送り方向、副走査
方向)と交叉する方向に主走査しながら記録するシリア
ルタイプの記録装置においては、記録手段としての記録
ヘッドを被記録材に沿って移動(主査)しながらインク
を吐出して画像を形成し、1行分の画像形成を終了した
後に所定量の紙送り(副走査としてのピッチ搬送)を行
い、その後に再び停止した被記録材に対して次の行の画
像を記録(主走査)するという動作を繰り返すことによ
り、被記録材全体の記録が行われる。一方、記録紙等の
被記録材の搬送方向の副走査のみで記録するラインタイ
プの記録装置においては、被記録材を所定の記録位置に
セットし、一括して1行分の記録を行った後、所定量の
紙送り(ピッチ搬送)を行い、さらに次の行の記録を一
括して行うという動作を繰り返すことにより、被記録材
全体の記録が行われる。
【0004】そのうち、インクジェット式の記録装置
(インクジェット記録装置)は、インク吐出部から被記
録材へインクを吐出して記録を行うものであり、記録ヘ
ッドのコンパクト化が容易であり、高精細な画像を高速
で記録することができ、普通紙に特別の処理を必要とせ
ずに記録することができ、ランニングコストが安く、ノ
ンインパクト方式であるため騒音が少なく、しかも、多
種類のインク(例えばカラーインク)を使用してカラー
画像を形成するのが容易であるなどの利点を有してい
る。
【0005】記録手段に形成された吐出口から被記録材
へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置
においては、インク乾燥による吐出口の目詰まり、ある
いは吐出口内の塵埃や気泡等によるインク吐出不良要因
などを解消するため、吐出口保護手段や吐出回復処理手
段が設けられている。前記吐出口保護手段の主な構成
は、ゴム等の弾性材料で形成されたキャップで記録手段
としての記録ヘッド(以下では単にヘッドとも言う)の
吐出口面を覆うキャッピング手段である。また、前記吐
出回復処理手段の主な構成と作用は、前記キャップ内の
空気をポンプ等の負圧発生手段により吸引、減圧して吐
出口よりインクを強制排出させることで、該インクとと
もに上記インク吐出不良要因を排出除去する吸引回復手
段、さらには記録目的以外で吐出口からインクを吐出す
る予備吐出手段や吐出口面に付着したインク等の付着物
を拭き取り除去するワイピング手段などである。
【0006】また、キャップ内を減圧させるための前記
負圧発生手段(吸引手段)としてはピストンポンプやチ
ューブポンプ等が使用されている。その中でも、吸引
圧、吸引量、吸引速度等の制御が容易で、しかも製造も
容易であることから近年ではチューブポンプが吸引手段
の主流になりつつある。特に、チューブポンプの駆動回
転方向を選択することにより、ポンプチューブを押圧す
る(押しつぶす)ための回転体としてのコロを回転半径
方向の内側へ退避させることで、チューブに対するコロ
の圧接を解除する方法を用いると、待機時のチューブ圧
接によるクリープを回避することができ、さらに、1系
統のチューブに対して複数のコロを互いに周方向配置位
相をずらして配設することで連続吸引が可能になるた
め、吸引回復手段のみならずインク供給機構としても多
く用いられている。従って、本発明に係るチューブポン
プは、吸引回復用の吸引手段に限定されるものではな
く、このようなインク供給機構に使用される吸引手段に
も適用されるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記チ
ューブポンプを使用した場合、該ポンプの作動方向を逆
転させることで前記回転体(押圧部材)としてのコロを
チューブから退避させることができるものの、退避する
までにわずかではあるがコロがチューブを逆方向にしご
くことがあり、それによってチューブ内の流体が逆方向
に流動する逆流現象が発生することがあった。このよう
な逆流現象の発生は、特に使用回数が増加し、前記チュ
ーブがへたって来た時に顕著であり、場合によっては、
コロのチューブ押圧(チューブ押しつぶし)を受け止め
るためにチューブの外周に180度以上の範囲にわたっ
て形成されたガイド部材(チューブガイド)の終端に至
るまで全く解除されない場合があった。
【0008】このような逆流発生の状況が生じると、例
えば前記キャップが記録ヘッドと密着するキャッピング
動作を行うと同時にコロをポンプチューブから解除させ
ようとすると、キャップ内に正圧が発生し、記録ヘッド
の吐出口内に空気が入り込んでインクのメニスカスが破
壊され、インク不吐出という不具合が生じる場合があっ
た。特にスミア対策として被記録材に対する浸透性を向
上させたインクでは、粘性が低いため、低い圧力でも容
易にメニスカス破壊が生じることになり、キャップ内の
正圧発生は何としてでも防止することが要請されてい
る。
【0009】また、複数種のインクを同一のキャップで
吸引回復処理する回復系においては、前述のような逆流
が発生すると、チューブの途中に残留していたインクが
逆流してキャップ内へ流れ込み、このインクが記録ヘッ
ドの吐出口内に侵入して異なるインク色間で混色が生じ
るなどの不具合も発生していた。さらに、キャップに大
気開放弁を設け、キャッピング時には必ず前記大気開放
弁(大気連通弁)を開放する構成を採っている回復系に
おいても、特に後述するように、チューブガイドの終端
からコロが離れる瞬間にコロの逆転速度(チューブをし
ごいて負圧を発生させる時の回転と逆の方向の回転速
度)が加速され、チューブ内の逆流速度が前記大気開放
弁から排出可能な最大流速を越えてしまい、やはり吐出
口のメニスカス落ち等の不具合を生じることがあった。
【0010】これらの技術的課題に対して最も有効な対
策はキャップが記録ヘッドに当接しているときにはポン
プを逆転させない構成を採ることであるが、このような
構成においては、駆動を独立させると駆動源が2系統化
されて記録装置の大型化及びコストアップを招くことな
り、また、駆動源を1つにして駆動伝達機構に切換機構
を設けると部品点数の増大によるコストアップや装置の
大型化や信頼性の低下や切換動作による記録装置のスル
ープットの低下などの不具合が発生してしまう。
【0011】また、記録ヘッドのキャッピングとポンプ
の逆転によるコロ解除(チューブ押圧解除)を一連のギ
ア列により同時に行うようにした構成を採用する場合で
も、ポンプが十分に逆方向に回転した後でキャッピング
を行うような構成を採れば前記不具合を解消できるが、
回復系の駆動伝達用のカム角度の割付の関係からキャッ
ピング速度を極端に低下させない限り前記不具合を解消
することが困難であり、そのため、記録装置の大幅なス
ループットの低下を招くという新たな不具合が発生する
ことになる。そこで、これらの技術的課題を解決する方
法として例えば特許公開2000−062208号では
コロガイドの回転軸上にワンウエイクラッチを組み込む
方法が提案されているが、ここで開示されているワンウ
エイクラッチを組み込む方法ではチューブポンプの機構
が複雑化してしまい、チューブポンプ、引いてはこれを
用いる回復系及びインクジェット記録装置の信頼性低下
が避けられないという解決すべき技術的課題があった。
【0012】本発明は上記のような技術的課題に鑑みて
なされたものであり、本発明の目的は、簡単かつ安価で
信頼性に優れた構成で、スループットの低下を招くこと
なく、ポンプの逆転作動に伴う逆流を防止することが可
能なチューブポンプ及び該チューブポンプを用いるイン
クジェット記録装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明を適用したチュー
ブポンプ及び該ポンプを用いるインクジェット記録装置
の具体的構成は、例えば、回転(自転)及び回動(公
転)が可能な回転体としてのコロでポンプチューブを押
しつぶしながらしごいていくことにより該ポンプチュー
ブ内に負圧を発生させるチューブポンプにおいて、前記
コロの回動位置を検知する検知手段を設け、前記コロの
逆方向回動開始直前にに該コロがポンプチューブを案内
支持するチューブガイド部材の終端近傍で停止するよう
に制御するとともに、前記チューブポンプと前記キャッ
プとの間のインク流路に逆流防止弁を設け、少なくとも
逆流を防止すべき時には該逆流防止弁を閉鎖するように
構成する点にある。
【0014】そこで、請求項1のチューブポンプに係る
発明は、上記目的を達成するため、円弧状の規制面に沿
って配設されたチューブを該規制面側に押圧する回転体
と、該回転体を前記チューブを押圧する第1の位置と前
記チューブの押圧を解除する第2の位置とに移動させ得
るように支持するとともに、前記規制面と同心の軸を中
心に回動駆動される回転体支持部材と、前記回転体の位
置を検知可能な回転体位置検知手段と、を有し、前記回
転体の位置検知結果に基づいて、前記回転体支持部材の
回動方向を変更する直前における該回転体の停止位置を
制御することを特徴とする。
【0015】請求項2のチューブポンプに係る発明は、
上記目的を達成するため、円弧状の規制面に沿って配設
されたチューブを該規制面側に押圧する回転体と、該回
転体を前記チューブを押圧する第1の位置と前記チュー
ブの押圧を解除する第2の位置とに移動させ得るように
支持するとともに、前記規制面と同心の軸を中心に回動
駆動される回転体支持部材と、前記回転体による前記チ
ューブの押圧部と該チューブ内に発生した圧力が作用す
る圧力作用部との間のインク流路を開閉するために設け
られた弁機構と、を有し、前記回転体が前記チューブを
押圧した状態で前記圧力作用部に正圧が作用する方向に
前記回転体支持部材が回動するときに前記弁機構により
前記インク流路を閉鎖することを特徴とする。
【0016】請求項3のチューブポンプに係る発明は、
上記目的を達成するため、円弧状の規制面に沿って配設
されたチューブを該規制面側に押圧する回転体と、該回
転体を前記チューブを押圧する第1の位置と前記チュー
ブの押圧を解除する第2の位置とに移動させ得るように
支持するとともに、前記規制面と同心の軸を中心に回動
駆動される回転体支持部材と、前記回転体の位置を検知
可能な回転体位置検知手段と、前記回転体による前記チ
ューブの押圧部と該チューブ内に発生した圧力が作用す
る圧力作用部との間のインク流路を開閉するために設け
られた弁機構と、を有し、前記回転体の位置検知結果に
基づいて、前記回転体支持部材の回動方向を変更する直
前における該回転体の停止位置を制御するとともに、前
記回転体が前記チューブを押圧した状態で前記圧力作用
部に正圧が作用する方向に前記回転体支持部材が回動す
るときに前記弁機構により前記インク流路を閉鎖するこ
とを特徴とする。
【0017】上記請求項1〜3のチューブポンプに係る
発明においては、さらに次のような構成を採ることが好
ましい。すなわち、前記回転体支持部材の回動方向の変
更は、前記回転体が第1の位置に移動させられる方向の
回動から逆方向の回動への変更である構成とすることが
好ましく、また、前記回転体支持部材の回動方向の変更
直前における前記回転体の停止位置は、前記回転体支持
部材の回動方向変更後における前記規制面の開始点より
も終端側に近い位置である構成とすることが好ましく、
さらには、前記回転体支持部材は、駆動源の回転方向が
反転した場合には所定の遅れをもって回動を開始する構
成とすることが好ましい。
【0018】請求項7のインクジェット記録装置に係る
発明は、上記目的を達成するため、記録手段からインク
を吐出して被記録材に記録するインクジェット記録装置
において、記録手段の吐出口からインクを吸引する負圧
吸引力を発生するためのチューブポンプを具備し、該チ
ューブポンプは、円弧状の規制面に沿って配設されたチ
ューブを該規制面側に押圧する回転体と、該回転体を前
記チューブを押圧する第1の位置と前記チューブの押圧
を解除する第2の位置とに移動させ得るように支持する
とともに、前記規制面と同心の軸を中心に回動駆動され
る回転体支持部材と、前記回転体の位置を検知可能な回
転体位置検知手段と、を有し、前記回転体の位置検知結
果に基づいて、前記回転体支持部材の回動方向を変更す
る直前における該回転体の停止位置を制御することを特
徴とする。
【0019】請求項8のインクジェット記録装置に係る
発明は、上記目的を達成するため、記録手段からインク
を吐出して被記録材に記録するインクジェット記録装置
において、記録手段の吐出口からインクを吸引する負圧
吸引力を発生するためのチューブポンプを具備し、該チ
ューブポンプは、円弧状の規制面に沿って配設されたチ
ューブを該規制面側に押圧する回転体と、該回転体を前
記チューブを押圧する第1の位置と前記チューブの押圧
を解除する第2の位置とに移動させ得るように支持する
とともに、前記規制面と同心の軸を中心に回動駆動され
る回転体支持部材と、前記回転体による前記チューブの
押圧部と該チューブ内に発生した圧力が作用する圧力作
用部との間のインク流路を開閉するために設けられた弁
機構と、を有し、前記回転体が前記チューブを押圧した
状態で前記圧力作用部に正圧が作用する方向に前記回転
体支持部材が回動するときに前記弁機構により前記イン
ク流路を閉鎖することを特徴とする。
【0020】請求項9のインクジェット記録装置に係る
発明は、上記目的を達成するため、記録手段からインク
を吐出して被記録材に記録するインクジェット記録装置
において、記録手段の吐出口からインクを吸引する負圧
吸引力を発生するためのチューブポンプを具備し、該チ
ューブポンプは、円弧状の規制面に沿って配設されたチ
ューブを該規制面側に押圧する回転体と、該回転体を前
記チューブを押圧する第1の位置と前記チューブの押圧
を解除する第2の位置とに移動させ得るように支持する
とともに、前記規制面と同心の軸を中心に回動駆動され
る回転体支持部材と、前記回転体の位置を検知可能な回
転体位置検知手段と、前記回転体による前記チューブの
押圧部と該チューブ内に発生した圧力が作用する圧力作
用部との間のインク流路を開閉するために設けられた弁
機構と、を有し、前記回転体の位置検知結果に基づい
て、前記回転体支持部材の回動方向を変更する直前にお
ける該回転体の停止位置を制御するとともに、前記回転
体が前記チューブを押圧した状態で前記圧力作用部に正
圧が作用する方向に前記回転体支持部材が回動するとき
に前記弁機構により前記インク流路を閉鎖することを特
徴とする。
【0021】上記請求項7〜9のインクジェット記録装
置に係る発明においては、さらに、前記記録手段は、イ
ンクを吐出するために利用される熱エネルギーを発生す
る電気熱変換体を備えている構成を採ることが好まし
い。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を具体的に説明する。なお、各図面を通して同
一符号は同一又は対応部分を示すものである。先ず、大
気連通機構を有するインクジェット記録装置に本発明を
適用した第1実施例について説明する。図1は本発明を
適用したインクジェット記録装置のエンジン部(記録動
作部)を示す外観斜視図である。図1において、図示の
インクジェット記録装置は、インクを吐出することで記
録(印刷、プリント)を行う記録手段としての記録ヘッ
ド401と、記録ヘッド401を搭載してガイドシャフ
ト201及びガイドレール202によって移動可能に案
内支持され、キャリッジモータ203の駆動によりタイ
ミングベルト204を介して両矢印A303方向に移動
可能なキャリッジユニット200、を備えている。
【0023】すなわち、記録ヘッド401を搭載したキ
ャリッジユニット200は、前記ガイドシャフト201
に沿って左右両側(図示では奥行側と手前側)の記録
(印刷)位置と中央部の待機位置とにわたって両矢印A
303方向に移動可能に構成されている。なお、矢印A
305が片側における記録紙の搬送方向を示し、矢印A
306は反対側(他側)における記録紙の搬送方向を示
す。前記インクジェット記録装置は、さらに、記録ヘッ
ド401にインクを供給するための負圧発生装置である
インク供給系ユニット10と、着脱自在(交換可能)な
インク供給源としてのメインタンク501と、移動可能
な記録ヘッド401とメインタンク501及びインク供
給系ユニット10とをつなぐインク供給チューブ(不図
示)と、記録ヘッド401のインク吐出性能を維持回復
するための回復するための回復系ユニット300と、前
記ガイドシャフト201及びガイドレール202が取り
付けられるフレームユニット70と、記録(印刷)動作
の電気的制御を行う制御基板(不図示)と、電源ユニッ
ト90と、を備えている。
【0024】記録手段としての記録ヘッド401は、熱
エネルギーを利用してインクを吐出するものであり、熱
エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたもの
である。また、この記録ヘッド401は、前記電気熱変
換体によって印加される熱エネルギーにより生じる膜沸
騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利
用して、吐出口よりインクを吐出させ、画像を形成する
ものである。
【0025】図19は記録手段としての記録ヘッド40
1のインク吐出部の構造を模式的に示す部分斜視図であ
る。図19において、記録ヘッド401の基板(ベース
プレート)81上には、薄膜83の層を介在させて、半
導体と同様の製造工程(薄膜成形法等)によって、複数
の電気熱変換体82およびこれらに対応する配線が形成
されている。各電気熱変換体82は、図示のように、そ
れぞれの吐出口89及び液路86に対応する位置に配列
されている。基板(ベースプレート)81上(該基板8
1上の薄膜83の上)には、下面に所定間隔で平行に形
成された複数の液路壁84Aを有する液路形成部材84
が接合されている。さらに、液路形成部材84の上面に
は、天板85が接合されている。なお、前記基板81上
に前記電気熱変換体82を含む電気配線及び液路形成部
材84等を接合することにより、吐出素子基板が構成さ
れている。
【0026】各液路壁84Aの間に液路86が形成され
るが、液路形成部材84は、各液路86の内部の所定位
置に前記各電気熱変換体82が配置されるような位置関
係で基板(ベースプレート)81上(該基板81上の薄
膜83の上)に位置決め接合されている。各液路壁84
Aは所定の長さを有し、各液路86の後端は、液路形成
部材84と前記基板(ベースプレート)81(または薄
膜83)との間に形成される共通液室87に連通してい
る。一方、各液路86の他端(先端)は記録ヘッド40
1の吐出口面(一定配列の吐出口89が形成された面)
88にて開口しており、それぞれの開口部によって吐出
口89が形成されている。
【0027】こうして、発熱抵抗体等の電気熱変換体8
2に通電(パルス電圧の印加)してこれを発熱させるこ
とにより、液路86内のインクを膜沸騰させ、その時の
圧力変化により吐出口89からインク滴を吐出させるイ
ンクジェット式の記録ヘッド401が構成されている。
この記録ヘッド401は、複数の吐出口89の配列方向
が記録用紙等の被記録材の搬送方向と交叉(略直交)す
る姿勢で取り付けられ、吐出口面88と被記録材として
の記録紙312又は313との距離(紙間距離)は、例
えば約0.3〜2.0ミリ程度に選定される。
【0028】前記回復系ユニット300を始め、前記キ
ャリッジモータ203、前記インク供給系ユニット1
0、前記メインタンク501、前記制御基板、前記電源
ユニット90などは前記フレームユニット70に位置決
め固定されている。前記回復系300は、前記記録ヘッ
ド401の吐出口近傍に塵埃が付着したり、あるいは吐
出口内や吐出口面(吐出口列が形成されたフェイス面)
上に付着したインクが乾燥・増粘することにより生じる
不吐出やヨレ(異常な方向に吐出しインク滴の着弾位置
がずれること)を解消するために設けられたものであ
り、次に、この回復系について説明する。
【0029】本実施例における回復系300は、主な吐
出回復処理手段として、次のような予備吐出処理手段、
ワイピング処理手段及び吸引回復処理手段を備えてい
る。先ず、予備吐出処理手段は、記録紙以外の領域、本
実施例においては回復系ユニット300に設けられた所
定領域において、非記録時に全ての吐出口から所定のタ
イミングでインク吐出を行うことで、吐出口内あるいは
吐出口周辺の増粘インクを排出したり、同一記録装置内
で複数種のインクを吐出可能な場合には吐出口内に侵入
した他種インクを排出したりするものである。予備吐出
処理のためにに排出されたインクは廃インクタンクへと
送られる。
【0030】前記ワイピング処理手段は、記録のために
吐出した主インク滴と同時に吐出されてしまうミスト、
主インク滴が記録紙に着弾した際に発生する跳ね返りミ
スト、あるいは後述の吐出口からインクを吸引して行わ
れる吸引回復処理により、吐出口面に付着したインクな
どを拭き取り除去するために設けられるものであり、吐
出口面を拭き取り清掃(クリーニング)するためのゴム
状弾性体のブレード(ワイパー)等で構成されている。
【0031】前記吸引回復処理手段は、ゴム等の弾性材
料から成るキャップを記録ヘッド401の吐出口面に押
し当てて密着させ、ポンプ手段により前記キャップ内の
気圧を大気圧以下に減じて吐出口からインクを強制排出
させ、そのインク流と共に吐出口内の塵埃、乾燥インク
あるいは気泡等の吐出妨害要素を排除するものである。
吸引回復処理によって吸引されたインクは、後述の空吸
引処理により廃インクタンクへ送られ処理される。
【0032】図2は本発明を適用したインクジェット記
録装置の回復系ユニット300の構成を示す斜視図であ
る。図2において、回復系ユニット300は前記キャリ
ッジ(キャリッジユニット200)に挿通されたガイド
シャフト201等のキャリッジ移動案内部材が固定され
たフレームユニット70に固定されており、従って、回
復系ユニット300とキャリッジユニット200(キャ
リッジ及び記録ヘッド)との相対位置が精度良く確保さ
れている。
【0033】図2において、301は予備吐出口であ
り、該予備吐出口301の長さ、すなわち記録ヘッド4
01の吐出口列方向(複数の吐出口が配列された方向)
の長さは、該記録ヘッドの吐出口列全長よりも短い寸法
で形成されている。これは、記録ヘッド401の全ての
吐出口について同時に予備吐出を行うのではなく、分割
して一部ずつ順次予備吐出を行うことで全吐出口の予備
吐出を行うことにより、回復系ユニット300の小型化
を達成するためである。本実施例では、記録ヘッド40
1に数(2箇)に合わせて2箇の予備吐出口301が設
けられ、各々の予備吐出口内にはインク吸収体302が
配置されている。また、本実施例では、分割吐出よる予
備吐出処理時間の増加を回避するため、キャリッジを移
動させながら予備吐出を行ういわゆる流し予備吐出(図
4参照)が採用されている。
【0034】図2において、303はゴム等の弾性材料
の平板で形成されたブレードであり、2箇の記録ヘッド
401の各々に対して1枚ずつ設けられている。その理
由は、一体構成とした場合の2箇の記録ヘッド401の
吐出口面高さズレの影響を排除したり、2箇の記録ヘッ
ド401が吐出するインクの種類が異なる場合には各々
のインクがブレード上や吐出口面上で混合してしまう不
具合を防止したりするするためである。前記各ブレード
303はブレードホルダ304に固定されている。該ブ
レードホルダ304は、不図示のブレードバネにより、
各ブレード303が記録ヘッド401と対向する方向す
なわち上方向へ向くような回動位置になるように、ブレ
ードシャフト305に対して弾性的に付勢されて係合さ
れている。このブレードシャフト305はブレードギア
305aと一体化されている。
【0035】また、前記ブレードシャフト305は不図
示のブレード駆動手段により矢印A302方向に回動可
能なように構成されており、従って、該ブレードシャフ
トに係合されたブレードホルダ304及び各ブレード3
03も該ブレードシャフト305と共に同様に回動する
ことが可能である。更に前記ブレードホルダ304には
ブレードカム306が一体化され、前記キャリッジ20
0がワイピング手段上を矢印A303方向に移動する際
に該キャリッジ上のブレードリブ(不図示)に弾性的に
押し下げられることにより、前記ブレード303と記録
ヘッド401の吐出口面とのオーバーラップ量(以下侵
入量と呼ぶ)を精度よく確保しながらワイピング処理を
実行できる構成となっている。これにより、記録ヘッド
401と回復系300との高さ方向の取り付け位置公差
の如何を問わず、常に安定した侵入量を確保でき、常に
良好なワイピング処理を実行することが可能である。ま
た、307はブレードクリーナであり、該ブレードクリ
ーナ307はブレード303に付着したインク等の異物
を掻き落とすことにより該ブレード303を清浄化する
ためのエッジ部を有している。
【0036】図2において、308はゴム等の弾性部材
で形成されたキャップであり、309はキャップ308
内に設けられたポリエチレン等の材料で構成された多孔
質体から成るキャップ吸収体であり、310は前記キャ
ップ308を保持するキャップホルダである。311は
キャップレバーである。前記キャップホルダ310は、
前記キャップレバー311に対して不図示のキャップバ
ネを介して矢印A304方向に付勢される状態で取り付
けられている。また、前記キャップレバー311は、回
復系ユニット300のカム軸380に固定された後述の
キャップレバーカム350(図11)によりキャップ3
08をオープンあるいはクローズできるように上下動可
能に構成されている。312、313は各々種類の異な
る被記録材としての記録紙であり、一方の記録紙312
は前記回復系ユニット300の片側で矢印A305方向
に搬送され、他方の記録紙313は前記回復系ユニット
300の他側で矢印A306方向に搬送される。
【0037】すなわち、図1及び図2において、キャリ
ッジユニット200は回復系ユニット300の真上にあ
るときをホームポジションとし、前記各記録紙312、
313の搬送方向矢印A305、306と交差(通常直
交)する矢印A303方向に移動可能であり、該キャリ
ッジユニット200を回復系ユニット300の片側へ移
動させて記録紙312の搬送経路上に位置させることに
より矢印A305方向に搬送される記録紙312へ記録
することができ、また、前記キャリッジユニット200
を回復系ユニット300の他側(反対側)へ移動させて
記録紙313の搬送経路上に位置させることにより矢印
A306方向に搬送される記録紙313へ記録すること
ができるように構成されている。
【0038】図2において、390はキャリッジロック
アームであり、該キャリッジロックアーム390は、回
復系ユニット300の真上に位置するキャリッジユニッ
ト200上の記録ヘッド401をキャッピングする時、
すなわちカム軸380に固定されたキャップレバーカム
350(図11)のカム作動によりキャップレバー31
1が矢印A391方向に上昇した時に、キャリッジ20
0に設けられた穴と係合して該キャリッジを定位置に固
定し、衝撃等により記録ヘッド401とキャップ308
との位置ずれが生じないようにするための錠止部材であ
る。また、前記キャリッジロックアーム390と前記キ
ャップレバー311との間には不図示のロックバネが配
されており、該キャリッジロックアーム390はキャリ
ッジレバー311に対して矢印A390方向に弾性的に
下降できるように構成されている。これによって、キャ
リッジロックアーム390がキャリッジ200の対応す
る穴部以外に当接したとしても、回復系ユニット300
やキャリッジユニット200に損傷を与えない構成とな
っている。
【0039】図3は図2の回復系ユニット300の駆動
系の構成を示す図である。370は回転軸に歯車が固定
された回復系駆動専用モータであり、371はモータ次
段ギアである減速用の第1ダブルギアであり、372は
第1ダブルギアと係合するとともにポンプ軸273を回
動中心として回動可能に構成されたアイドラギアであ
る。前記ポンプ軸273には、後述のコロガイド327
(図5)が固定されている。斜線で示した374は前記
ポンプ軸273に固定されたポンプカムである。このポ
ンプカム374には、前記アイドラギア372に設けら
れたリブ372aと係合する切り欠き部374aが形成
されている。この切り欠き部374aと前記リブ372
aとの間には図示のような回転角55度分の遊びが設け
られている。375は前記アイドラギア372と係合す
る第2のダブルギアである。376は第2のダブルギア
375と係合するギア一体型のワンウエイクラッチであ
る。
【0040】前記ワンウエイクラッチ376は、図中矢
印A380方向(CCW方向)に回転したときのみその
回動中心であるカム軸380に対して締め付けトルクを
発生して該カム軸を回転駆動できるように構成されてい
る。つまり、前記回復系駆動専用モータ370がず3中
に矢印で示すCCW方向(反時計回り)に回転するとき
だけ、前記ワンウエイクラッチ376が矢印A380方
向(CCW方向)に回転して回復系ユニット300のカ
ム軸380を回転駆動し、前記回復系駆動専用モータ3
70が図示と反対のCW方向(時計回り)に回転するす
るときには、前記ワンウエイクラッチ376がフリー状
態となり、回復系ユニット300のカム軸380は回転
せず、ポンプ軸373が所定の遊びを持って回転を開始
するように構成されている。
【0041】すなわち、前記アイドラギア372と前記
ポンプカム374との間の前記回転角55度分の遊びが
設けられているため、回復系ユニット300のポンプを
駆動するためのポンプ軸373は回復系駆動専用モータ
370によってアイドラギア372が前記遊び角度以上
回転させられた後で回転駆動されることになる。このよ
うな構成を採ることにより、吸引力発生手段としてのチ
ューブポンプ324(図4)を正転させて吸引負圧を発
生させる時には、カム軸380を介して駆動可能なキャ
ップ308及び弁機構には駆動が伝達されず、また、ワ
ンウエイクラッチ376を介してカム軸380に回転力
を伝達してキャップ308及び弁機構を駆動するときに
は、チューブポンプ324が逆方向に駆動されてコロ3
26がポンプチューブ325を押しつぶす状態から解放
され、吸引負圧を発生しないように構成されている。
【0042】図4は図2の回復系ユニット300のイン
ク流路と弁構成を示すブロック図である。なお、本実施
例では、図1及び図2でも述べたように2箇の記録ヘッ
ド401が使用されており、それに応じて2系統を有し
ているが、説明のために本図では一方の記録ヘッド40
1に対する1系統のみを示している。ここで、401は
記録ヘッド、321は予備吐出弁、322は大気連通
弁、323は逆流防止弁、324は負圧発生手段として
のチューブポンプである。チューブポンプ324はポン
プ軸373により矢印A309で示す正転方向に駆動さ
れるときに負圧吸引力を発生し、矢印A310で示す逆
転方向に駆動されるときには負圧を発生することなく空
転するように構成されている。
【0043】先ず、予備吐出処理により予備吐出口30
1に吐出されたインクを回収するための予備吐出口空吸
引処理のときの弁の状態について説明する。図4におい
て、予備吐出は記録ヘッドを記録領域外の401Aから
401Bまで移動させながら予備吐出口301に向けて
インクを吐出することにより実行される。次いで、予備
吐出口301内に溜まったインクは、予備吐出弁321
のみを開放するとともに他の2つの弁(大気連通弁32
2及び逆流防止弁323)を閉鎖し、チューブポンプ3
24を図3の駆動機構により正方向(矢印A309方
向)に回動駆動(回転駆動)してポンプチューブ325
内に負圧を発生させることにより、予備吐出チューブ3
64及びポンプチューブ325を通して矢印A307方
向へ排出され、不図示の廃インク処理手段へと送られ
る。
【0044】次に吸引回復処理について説明する。な
お、図4ではキャップ308と記録ヘッド401とが離
間しているが、吸引回復処理実行時にはカム軸380を
介して後述のキャップレバーカム350(図11)を駆
動することによりキャップレバー311を矢印A391
方向に上昇させてゴム状弾性体のキャップ308を記録
ヘッド401の吐出口面に押し付けて密着させ、吐出口
列を覆ってから(キャッピングしてから)吸引回復処理
が実行する。図4において、吸引回復処理は、予備吐出
弁321と大気連通弁322と逆流防止弁323とを閉
じた状態でチューブポンプ324を作動させてポンプ内
に十分な負圧を生成した後、該逆流防止弁323のみを
開放することにより、キャップ308内の圧力を瞬時に
減圧し負圧状態にすることで吸引を行う。
【0045】負圧吸引力によって吐出口からインクを吸
い出す上記吸引回復処理を行った後に、キャップ308
の内部やキャップチューブ338及びポンプチューブ3
25等の内部の残留インクを回収するための空吸引を実
行する。この空吸引時には、キャップ308を記録ヘッ
ド401に密着させた状態のまま大気連通弁322と逆
流防止弁323とを開放して、大気連通チューブ339
から空気を取り込める状態にした後でポンプ軸373を
矢印A309方向(正方向)に回動させてチューブポン
プ324を作動させる。なお、図4中にも、回復系ユニ
ット300の左右両側に沿って搬送される記録紙312
及び313、並びに該回復系ユニットのブレード303
が図示されている。
【0046】図5は図4中の負圧発生手段としてのチュ
ーブポンプ324の負圧発生時の状態を示す縦断面図で
あり、図6は図5のチューブポンプ324を逆方向(矢
印A310方向)に回転させるときの状態を示す縦断面
図である。次に図5及び図6を用いてチューブポンプ3
24の構造について説明する。図5及び図6において、
325はシリコーンゴム製のポンプチューブであり、3
26はポンプチューブ325をしごいて該ポンプチュー
ブ内に負圧を発生させるためのコロであり、326aは
コロ326の両側に設けられた軸部である。前記コロ3
26はコロガイド327の回動(公転)に伴って回転
(自転)しながらポンプチューブ325を押しつぶして
しごくことが可能なコロであり、180度の位相ズレを
もって2箇所に設けられている。
【0047】327は前記コロ326を回転(自転)自
在に支持するためのコロガイドであり、327aは前記
各コロ326に対応して前記コロガイド327に設けら
れた溝である。各溝327aには、対応するコロ326
の両側に設けられた軸部326aが挿入されている。各
コロ326は各溝327a沿って移動可能なように構成
されている。328はコロ326の移動に伴う騒音を低
減するためのコロダンパーであり、該コロダンパー32
8はゴム等の弾性部材により形成されている。
【0048】チューブポンプ324が作動して負圧を発
生させている状態を示す図5において、コロ326はコ
ロガイド327の溝327aの最も外周寄りの端部に移
動しており、この状態でコロガイド327が矢印A30
9方向(正方向)に回動(公転)することにより、コロ
326は回転(自転)するとともにポンプチューブ32
5を押しつぶしながら回動(公転)し、該ポンプチュー
ブ325をしごいている。前記コロダンパー328は、
ポンプチューブ押しつぶし領域A308の範囲外におい
て、溝327a内で自由に移動できるコロ326を該溝
327aの一端部(コロガイド327の外周寄りの端
部)に確実に寄せた状態に保っている。また、2箇のコ
ロ326は180度の位相ズレを持っているが、ポンプ
チューブ325を円弧状に案内保持するためのチューブ
ガイド329はA308に示すように180度以上の領
域に配置されているため、コロガイド327を矢印A3
09方向(正方向)に回動させている間は連続的かつ無
限にポンプチューブ326をしごいて負圧を発生し続け
ることが可能である。
【0049】図6は、図5と逆方向(図5中の矢印A3
09と逆の矢印A310方向)にコロガイド327を回
動させるときの状態を示す。図6の状態では、コロ32
6はポンプチューブ325と干渉することで発生する負
荷により、溝327a内では図5とは逆の方向に寄せら
れ、該コロ326がコロガイド327の回動中心方向
(ポンプ軸373の方向)へ逃げた状態(退避状態)に
なり、ポンプチューブ325を押しつぶさずに事実上空
転している。従って負圧は発生されず、かつポンプチュ
ーブ325を押しつぶしてクリープさせる心配も無い状
態となっている。よって、電源OFFあるいは記録待機
時のように長時間の停止が考えられるときには、このよ
うな図6に示すような状態になっていることが望まし
い。なお、ポンプチューブ325にへたりが生じていな
いときに溝327a内におけるコロ326の位置を図5
中の326a(外周寄りの位置)から図6中の326b
に移行させるためには、本実施例の構成ではポンプ軸3
73を中心とするコロガイド327の回動角度(通常逆
方向の回動)で約40度の回転角を要する。
【0050】図5において、上記チューブポンプ324
にはフォトインタラプタ600が設けられており、コロ
ガイド327に設けられたフラグ602によりコロ62
6の回動方向の位相角位置を検知することができる構成
となっている。このような構成によれば、ポンプチュー
ブ325にへたりが生じたり、あるいは、コロ326の
軸部326aのコロガイド327の溝327a内におけ
る位置に該コロ326の回転軸部との摺動摩耗により生
じた凹みにより、コロガイド327の矢印A310方向
の逆転時にコロ326がチューブ325から受ける負荷
が低下したり、コロ326が退避するために必要な負荷
力が増大して図6に示すような位置にコロ326が退避
せずに図5中の326aの位置のまま逆転したりしたと
しても、逆転開始前のコロ326の位置を図5中の軸部
326bで示すような位置、すなわちチューブガイド3
29の終端近傍(しごき領域の終端近傍位置、コロガイ
ド327の回動方向によっては始端位置近傍)の位置に
停止させておくことが可能になり、それによって、コロ
326がチューブ325をしごく距離をわずかな距離に
抑えることができる。
【0051】本実施例では、コロガイド327の回動方
向を矢印A309方向(正方向)から矢印A310方向
(逆方向)に変更する直前におけるコロ326の停止位
置は、回動方向変更後におけるチューブガイド329の
開始点よりも終端側に近い位置、より好ましくは、チュ
ーブガイド329の終端近傍の位置(しごき領域の終端
部)に設定されている。これによって、コロ326がチ
ューブ325をしごく距離をごくわずかな距離に抑える
ことが可能である。つまり、コロガイド327が回動し
てコロ326の押圧方向に配設されていたチューブガイ
ド329が存在しない領域に来るとコロ326の退避状
態に関わらず必然的にチューブ325は押圧されなくな
り、更にコロガイド327が逆転してコロ326が図5
及び図6中の最下点に来た時にはコロ326とチューブ
325が干渉し、その時の負荷抵抗によりコロ326が
その軸部326bで示すような位置へ移動することにな
り、それによって、ポンプチューブ325内におけるイ
ンクの逆流は確実に防止される。
【0052】なお、この時にコロ326を軸部326a
で示す位置から軸部326bで示す位置へ移動させるの
に必要な力は極めて小さく、チューブ325のへたり状
態に関わらずコロ326は退避可能である。コロ326
は重力により図中鉛直下方向の位置(軸部326bで示
す位置)へ移動し、それ以後はポンプ324が矢印A3
10方向の逆転を続けてもコロ326がチューブ325
を押圧することは無い。また、逆流防止弁323(図
4)と併用することにより一層効果的に逆流を防止する
場合にも、該逆流防止弁323に求められる逆流防止力
が小さくなり、それによって、逆流防止弁機構の大型化
やバネ圧アップによる必要駆動トルクの増大を抑制乃至
は防止することができる。
【0053】図7は図4中の予備吐出弁321の構成を
示す縦断面図であり、図8は図4中の逆流防止弁323
の構成を示す縦断面図であり、図9は図4中の大気連通
弁322の構成を示す縦断面図である。図7において、
330は予備吐出弁321の開閉を制御するためにカム
軸380に固定された予備吐出弁カムであり、331は
前記予備吐出弁カム330とともに後述する全ての弁を
内蔵した弁ホルダであり、332はゴム等の弾性材料に
より形成されたダイアフラム弁である予備吐出弁ゴムで
あり、333aは前記予備吐出弁ゴム332と係合した
弁シャフトであり、334aは弁シャフト333aと係
合した予備吐出弁アームであり、335aは予備吐出弁
アーム334aと前記予備吐出弁カム330とに当接す
る予備吐出弁カムフォロワーであり、336aは前記予
備吐出弁アーム334aを予備吐出弁カム330方向へ
付勢する予備吐出弁アームバネである。また、337は
予備吐出弁部321から逆流防止弁部323までのイン
ク流路を形成する弁チューブである。
【0054】図7中の実線は予備吐出弁ゴム332が弁
ホルダ331内に構成された予備吐出チューブ364と
弁チューブ337との間の流路を閉鎖した状態を示して
いる。この閉鎖状態から予備吐出弁カム330(カム軸
380)が矢印A311方向へ回動して予備吐出弁アー
ム334aが二点鎖線で示す状態まで回動すると弁シャ
フト333aが二点鎖線の位置まで移動して予備吐出弁
321が開放状態になり、予備吐出口301に接続され
た予備吐出チューブ364と前記弁チューブ337との
間の流路が開放(接続)される。なお、本図において番
号の後にaが付記されているものは各々の部材において
予備吐出弁機構部321に使用されている部材であるこ
とを示し、一方後述の図8において番号の後にbが付記
されているものは各々の部材において逆流防止弁機構部
323に使用されている部材であることを示している
が、使用されている部位が異なるだけで機能及び形状は
同一である。
【0055】図4中の逆流防止弁323の構成を示す図
8において、341は逆流防止弁323の開閉を制御す
るためにカム軸380に固定された逆流防止弁カムであ
り、331は前記逆流防止弁カム341とともに前記予
備吐出弁カム330及び後述する大気連通弁カム343
等の全ての弁を内蔵した弁ホルダであり、342はゴム
等の弾性材料により形成されたダイアフラム弁である逆
流防止弁ゴムであり、333bは前記逆流防止弁ゴム3
42と係合した弁シャフトであり、334bは弁シャフ
ト333bと係合した逆流防止弁アームであり、335
bは逆流防止弁アーム334bと前記逆流防止弁カム3
41とに当接する逆流防止弁カムフォロワーであり、3
36bは前記逆流防止弁アーム334bを逆流防止弁カ
ム341方向へ付勢する逆流防止弁アームバネである。
また、337は逆流防止弁部323と前記予備吐出弁部
321との間をインク流路を形成する弁チューブであ
る。
【0056】図8において、338はキャップ308か
ら弁ホルダ331までのインク流路を形成するキャップ
チューブ(図4参照)である。図8中の実線は逆流防止
弁が閉じられた状態を示しており、キャップチューブ3
38と弁チューブ337との間は前記予備吐出弁321
の場合と同様に逆流防止弁ゴム342によって閉鎖され
ている。この閉鎖状態から逆流防止弁カム341(カム
軸380)が矢印A312方向へ回動して逆流防止弁ア
ーム334bが二点鎖線で示す状態まで回動すると弁シ
ャフト333bが二点鎖線の位置まで移動して逆流防止
弁323が開放状態になり、キャップチューブ338と
弁チューブ337との間の流路が開放(接続)される。
また、前記弁ホルダ331には前記チューブポンプ32
4のポンプチューブ325が接続され、前記逆流防止弁
323の開閉制御によってキャップ308とチューブポ
ンプ324との間の流路を開閉できるように構成されて
いる。
【0057】図4中の大気連通弁322の構成を示す図
9において、343は大気連通弁322の開閉を制御す
るためにカム軸380に固定された大気連通弁カムであ
り、331は図7及び図8中でも示した全ての弁を内蔵
した弁ホルダであり、344はゴム等の弾性材料により
形成された大気連通弁ゴムであり、345は大気連通弁
アームであり、346は大気連通弁アーム345を大気
連通弁ゴム344に当接する方向に付勢する大気連通弁
アームバネである。図9中の実線は大気連通弁322が
閉鎖された状態を示している。この閉鎖状態から前記大
気連通弁カム343(カム軸380)が矢印A313方
向に回動して大気連通弁アーム345が支軸345aを
中心に二点鎖線の位置まで時計回り方向に回動させられ
ると、弁アーム345がアームバネ346に抗して大気
連通弁ゴム344から離隔され、キャップ308の内部
に通じる大気連通チューブ339は大気に開放される。
【0058】なお、本実施例では、上記大気連通弁32
2は、前記予備吐出弁321及び前記逆流防止弁323
とは異なり、2箇のキャップ308に接続された2本の
大気連通チューブ339から成る2系統のインク流路が
不図示のジョイント部材によって1本のチューブにまと
められており、1本にまとめられたチューブが前記大気
連通弁ゴム344に接続されているため、その弁機構
(大気連通弁機構322)は2箇のキャップ308に対
して1箇設けるだけで十分に所期の機能を達成すること
ができる。
【0059】図10は図2中のキャップ308の縦断面
図である。図10において、309は前記キャップ吸収
体であり、347は大気連通チューブ339(図4)と
の接続部であり、348はキャップチューブ338(図
4)との接続部である。図11及び図12はキャップ3
08の上下動作を示す図であり、図11はキャップ30
8が最も下がった(記録ヘッド401から離間した)キ
ャップオープンの状態を示し、図12はキャップ308
が最も上がった(記録ヘッド401に密着した)キャッ
プクローズの状態を示す。図11及び図12において、
350は回復系ユニット300のカム軸380に固定さ
れたキャップレバーカムであり、前記キャップレバー3
11には前記キャップレバーカム350に対するカムフ
ォロワー311aが一体に設けられている。
【0060】図11及び図12から明らかなように、カ
ム軸380によってキャップレバーカム350が回動し
て所定位置で停止することにより、記録ヘッド401の
吐出口面に対するキャップ308の当接(キャッピン
グ)及び離間(アンキャッピング)を制御することがで
きる。なお、キャップホルダ310とキャップレバー3
11との間にはキャッピング時の圧接力を調整するため
のキャップバネ(不図示)が配設されている。また、キ
ャップレバーカム350とキャップレバー311のカム
フォロワー311aとは、単に当接しているだけでな
く、互いに係合する構造になっており、そのため、キャ
ップ308と記録ヘッド401とがインクの固着等によ
り貼り付いてしまった場合でも、引き剥がすことが可能
である。
【0061】一方、本実施例における回復系ユニット3
00の駆動機構においては、図3に示すようにアイドラ
ギア372とポンプ軸373との間に、コロガイド32
7の位相角55度分だけの空転領域が設けられており、
チューブポンプ324の回転方向を逆転させた際に位相
角55度分だけ遅れてコロガイド327が回転を開始す
るように構成されている。また、カム軸380への駆動
伝達の途中にはワンウエイクラッチ376が介在してい
るため、チューブポンプ324が負圧を発生させる方向
(正方向)に駆動されている時には、カム軸380へは
駆動が伝達されず、予備吐出弁321、大気連通弁32
2、逆流防止弁323等の弁機構並びにキャップ308
やブレード303などの状態は変化しないように構成さ
れている。また、このような構成を設けることにより、
カム軸380を駆動して逆流防止のために設けられた逆
流防止弁323を完全に閉鎖した後でチューブポンプ3
24(そのコロガイド327)の逆回転を開始させるこ
とが可能であり、それによって、チューブポンプ324
側からキャップ308内への逆流を確実に防止すること
ができる。
【0062】図13はカム軸380の回動に対する予備
吐出弁321、大気連通弁322、逆流防止弁323等
の弁機構並びにキャップ308やブレード303などの
状態変化を示すカムチャートであり、図14は本実施例
に係るインクジェット記録装置における記録処理及び回
復処理の一連の動作を示すフローチャートであり、図1
5は図14中の予備吐出処理の動作を示すフローチャー
トであり、図16は図14中のワイピング処理の動作を
示すフローチャートであり、図17は図14中の予備吐
出口空吸引処理の動作を示すフローチャートであり、図
18は図14中の吸引回復処理の動作を示すフローチャ
ートである。次に、図13〜図18を用いて回復系30
0の一連の回復処理動作について説明する。なお、以下
の説明における丸付き数字は図13中に示したカムポジ
ション(カムの回転位置)を示すものである。
【0063】まず記録時の回復系300の動作について
説明する。図14において、S301で記録命令を受け
取ると、S302で回復系駆動専用モータ370が図3
中におけるCCW方向(反時計回り方向)へ回転を開始
し、カム軸380を矢印A380方向に回転させて図1
3中のカム位置のキャップオープンの状態にする。そ
こで、図15に示す予備吐出処理を実行する。予備吐出
処理においては、S321でキャリッジ200を予備吐
出準備位置まで移動させ、次いでS322でブレード3
03に近い側の吐出口のブロックから順次流し予備吐出
(キャリッジ200を移動させながらのインク吐出)を
実行する。予備吐出が全吐出口において終了するとイン
ク吐出及びキャリッジ移動を停止し、予備吐出処理を終
了する。
【0064】次に、図14において、S304でキャリ
ッジユニット200を記録位置(本実施例では、回復系
ユニット300の両側に設けられた記録位置から選択さ
れたいずれか一側の記録位置)まで移動させ、S305
でタイマTを0にリセットしてからカウントをスタート
させる。S306で、キャリッジユニット200が位置
する側の記録位置へ搬送されてきた記録紙に対し記録情
報に応じてインクを吐出して記録を行う。次いで、S3
07で記録命令の有無を判別し、記録命令が無ければS
311へ進んでワイピング処理(図16)を実行する。
【0065】S307で記録命令が有れば、S308に
てタイマTを参照する。タイマTが60sec以下であ
ればS306へ戻ってそのまま記録を継続し、Tが60
sec以上であればS309にて吐出口面に付着したイ
ンクを拭き取るためのワイピング処理(図16)を実行
するとともにS310で予備吐出処理(図15)を実行
する。これらのS306〜S310の動作はS307で
記録命令無しと判別されるまで繰り返し実行される。な
お、S310における予備吐出処理は、S309におけ
るワイピング処理により記録ヘッド401の吐出口内に
押し込まれた可能性のある乾燥インクあるいは異なる種
類のインク等を排出するため処理動作である。そして、
S307で記録命令無しと判別されると、前述したよう
にS311へ進んでワイピング処理(図16)を実行す
る。
【0066】図16において、上記ワイピング処理で
は、S331にてキャリッジ200をワイピング準備位
置まで移動させる。次いでS332にてモータ370を
CCW方向に回転させ、前記カム位置におけるブレー
ド303の先端が下方向に向いた状態からカム位置に
おけるブレード303の先端が上方向に向いたワイピン
グ可能な状態へ移行させる。そして、S333でキャリ
ッジユニット200を移動させて記録ヘッド401のワ
イピングを実行する。このときのキャリッジ200の移
動速度は、必ずしも一定にする必要はなく、例えばイン
クの種類に応じて変更しても良い。記録ヘッド401の
吐出口面の全域がブレード303により拭き取り清掃さ
れた後、キャリッジ200を停止させ、S334でモー
タ370をCCW方向に回転させることにより、ブレー
ド303を下向きにして格納してブレードオフにしたカ
ム位置の状態にし、ワイピング処理を終了する。な
お、ブレード303の回転機構(オン・オフ機構)につ
いては、本発明と直接関わり合いが無いことから詳細説
明は省略する。
【0067】S307で記録命令が無くなると、S31
1へ進んで記録終了時のワイピング処理を実行して吐出
口面のインクを除去し、次いでS312にて図17に示
すような予備吐出口空吸引処理を実行する。この予備吐
出口空吸引処理は、予備吐出によって予備吐出口301
内に溜まったインクを不図示の廃インク処理手段へ排出
するための処理である。図17に示す前記予備吐出口空
吸引処理においては、S341ではモータ370をCC
W方向に回転させて図13中のカム位置の状態(予備
吐出弁321のみオープンの状態)にした後、S342
にてモータ370をCW方向(時計回り方向)に所定回
転角度だけ回転させてチューブポンプ324を正方向に
回転駆動することにより、予備吐出口301内のインク
を、予備吐出チューブ364及びポンプチューブ325
を通して廃インク吸収体(不図示)へ排出する。
【0068】次いで、S343にて、前記チューブポン
プ324(図5)のフォトインタラプタ(ポンプセン
サ)600の検知結果を参照し、該センサがオンした時
点でチューブポンプ324の作動を停止させる。このよ
うな位置でチューブポンプ324(コロガイド327の
回動)を停止させることにより、いずれかのコロ326
がチューブガイド329の始端(逆転方向の終端)から
回転角度で約20度進んだ位置(逆転方向では約20度
手前の位置)にあるときにコロガイド327の回転を停
止させて、予備吐出口空吸引処理を終了する。
【0069】つまり、コロ(回転体)326を案内支持
するコロガイド(回転体支持部材)の回動方向の変更直
前における該コロの回動方向の停止位置は、前記コロガ
イドの回動方向変更後におけるチューブガイド(チュー
ブ規制面)329の開始点よりも終端側に近い位置であ
るように構成されている。なお、前記S342における
モータ370のCW方向の所定回転角度は、予備吐出口
301内あるいはチューブ364、325内に残留する
インク量が記録ヘッド401あるいは回復系300に対
して不具合を与えない量まで確実に減じるような角度に
設定してある。
【0070】図14において、次にS313にてキャリ
ッジ200をホームポジションすなわちキャッピングポ
ジション(本実施例ではキャリッジユニット200の移
動範囲の中間位置に設けられている)まで移動し、S3
14にてモータ370をCCW方向に回転させて図13
中のカム位置で示すキャップクローズの状態(記録ヘ
ッド401をキャッピングした状態)にする。なお、こ
の場合、逆流防止弁323はキャップ308が記録ヘッ
ド401に当接するよりも前に閉鎖される。また、S3
14においては、モータ370のCCW方向の回転によ
りコロ326がチューブガイド329から確実に解除さ
れた後に前記逆流防止弁323を再度開放されてからカ
ム位置のキャッピング状態にされる。そして、記録処
理を終了する。
【0071】なお、S314にてモータ370をCCW
方向に回転させて図13中のカム位置で示すキャップ
クローズの状態にするときのポンプ軸373の回転角度
は約100度であり、この角度は、チューブポンプ32
4のポンプ動作の遅れ角55度とコロ326がポンプチ
ューブ325を押しつぶした状態から開放した状態にす
るために必要な回転角20度とを合わせた角度よりも十
分に大きい角度である。従って、インクジェット記録装
置の待機時(キャッピング時)には、チューブポンプ3
24は、図6に示すような、コロ326が回転中心方向
に寄せられることでチューブ325を押しつぶすことの
ない空転状態になっている。
【0072】次に記録ヘッド401が長期間使用されな
かったために吐出口内のインクが固着したり、吐出口内
に気泡が混入して吐出が行われなくなった場合等に自動
的あるいは手動により実行される、吸引回復処理(図1
8)について説明する。図18において、先ずS361
にて吸引回復命令を受け取ると、S362で記録装置が
キャッピング状態であるか否かを検知する。記録装置が
待機状態等でキャッピング状態である場合(すなわち図
13中のカム位置の状態でキャッピングが行われてい
る場合)にはS364へ進み、アンキャッピング状態の
場合はS363へ進んでワイピング処理(図16)を実
行してからS364へ進む。S364では、キャッピン
グを行ってカム位置の状態にし、更にモータ370を
CCW方向に回転させて全ての弁(本実施例では、吸引
弁323、大気連通弁322、予備吐出弁321の3種
の弁)を閉鎖したカム位置の状態にする。
【0073】次にS365にてモータ370をCW方向
に回転させてポンプを駆動(正回転)し、3種の弁(計
5箇)からチューブポンプ324(計2箇)までの間の
チューブ内の圧力を所定値まで減圧する。次にS366
でモータ370をCCW方向に回転させてカム位置の
状態とし、逆流防止弁323のみを開放してキャップ3
08内に負圧を作用させる。このときの状態からの
状態に至るまで、ポンプ駆動系はチューブポンプ324
をA310方向(逆方向)に45度だけ回転させようと
するが、図3に示すように駆動系の途中に55度までの
空転領域が設けられているので、コロガイド327が回
転することはなく、従ってチューブポンプ324は作動
しない。そのため、ポンプチューブ325はコロ326
により押しつぶされて閉鎖した状態が保たれている。
【0074】ここで、吐出口内の乾燥インクや気泡等を
除去するために必要な所定インク量を吸引できれば吸引
回復動作を終了しても良い。吸引量が不足している場合
は次のような追加吸引を行う。すなわち、このときの吸
引で記録ヘッド401から排出されたインクはキャップ
308内及び大気連通弁322からポンプ324に至る
までの空間に入り込むので、S366で吸引弁323を
開放するとともに、S367にて再度モータ370をC
W方向に回転させてチューブポンプ324を作動させる
ことにより、負圧を発生させて再度の吸引を行う。
【0075】吸引量が所定値に達したらS368でモー
タ370をCCW方向に回転して大気連通弁322を開
放するためにカム位置の状態とし、キャップ308内
を大気に開放して吸引を停止する。続いてS369にて
モータ370をCW方向に回転してチューブポンプ32
4を作動させ、キャップ308内、大気連通チューブ3
39、キャップチューブ338、ポンプチューブ325
内のインクを廃インク処理手段へと排出する。次にS3
70にてモータ370をCCW方向に回転してキャップ
オープンの状態すなわちカム位置の状態にし、S37
1にて前記ワイピング処理、S372にて前記予備吐出
処理、S373にて前記予備吐出口空吸引処理をそれぞ
れ実行し、最後に、S374にてキャリッジユニット2
00をホームポジション(回復系ユニット300と対向
する位置)に移動させ、S375にてモータ370をC
CW方向に回転させることでキャップ308を記録ヘッ
ド401に当接させてキャッピング(キャップクローズ
動作)を行い、一連の吸引回復処理を終了する。
【0076】なお、本実施例では、前記カム軸380に
キャップカム(不図示)が固定されており、該キャップ
カムをフラグとしたフォトインタラプタから成るキャッ
プカムセンサが設けられている。このキャップカムセン
サの検知結果により、カム軸380に固定された各種カ
ム等の位相を検知することが可能なように構成されてい
る。ここで、前記キャップカムセンサの検知タイミング
は、キャップオープンとキャップクローズの直前に設定
されている。このように検知タイミングを設定する理由
は次のとおりである。
【0077】すなわち、キャップオープン時には、キャ
ップレバー311と一体化されたカムフォロワー311
aは、本実施例では総計800gf程度のバネ力を有す
るキャップバネ(不図示)の作用により、キャップレバ
ーカム350を図3中で反時計回り方向(CCW方向)
に回す力(作用)を受け、前記ワンウエイクラッチ37
6が空転する方向にキャップレバーカム350がオーバ
ーランして位相ズレを起こす可能性があり、さらにま
た、逆にキャップクローズ時には、カム軸380に対し
て最も大きな負荷が作用するため、ステッピングモータ
により構成される回復系駆動用のモータ370が脱調す
る危険性があり、これらにより生ずる位相ズレを補正し
て常に正しい位相で各種カム(カム軸280)の回動位
置を制御するためには、前記キャップカムセンサの検知
タイミングをキャップオープンとキャップクローズの直
前に設定する必要があるからである。
【0078】なお、以上説明した実施例では、チューブ
ポンプをインクジェット記録装置の回復系の吸引ポンプ
に使用する場合を例に挙げて説明したが、チューブポン
プに係る本発明はこれに限定されるものではなく、本発
明を適用したチューブポンプは、例えば記録装置のイン
ク供給系に使用される吸引ポンプなど、その他の負圧発
生源としても利用可能なものであり、そのような実施態
様も本発明の範囲内に含まれるものである。
【0079】以上説明した実施例に係るチューブポンプ
324は、円弧状の規制面(チューブガイド)329に
沿って配設されたチューブ(ポンプチューブ)325を
該規制面側に押圧する回転体(コロ)326と、該回転
体を前記チューブを押圧する第1の位置(コロの軸部3
26aで示す位置)と前記チューブの押圧を解除する第
2の位置(コロの軸部326bで示す位置)とに移動さ
せ得るように支持するとともに、前記規制面と同心の軸
(ポンプ軸)373を中心に回動駆動される回転体支持
部材(コロガイド)327と、前記回転体の位置を検知
可能な回転体位置検知手段(フォトインタラプタ600
及びフラグ602)と、前記回転体による前記チューブ
の押圧部と該チューブ内に発生した圧力が作用する圧力
作用部(キャップ308の内部)との間のインク流路
(キャップチューブ338及びポンプチューブ325)
を開閉するために設けられた弁機構(逆流防止弁32
3)と、を有し、前記回転体の位置検知結果に基づい
て、前記回転体支持部材の回動方向を変更する直前にお
ける該回転体の停止位置を制御するとともに、前記回転
体が前記チューブを押圧した状態で前記圧力作用部に正
圧が作用する方向に前記回転体支持部材が回動するとき
に前記弁機構により前記インク流路を閉鎖するように構
成されている。
【0080】また、前記回転体支持部材(コロガイド)
327の回動方向の変更は、前記回転体が第1の位置に
移動させられる方向(負圧を発生する矢印A309方
向)の回動から逆方向(コロの押圧が解除される矢印A
310方向)の回動への変更であるように構成されてい
る。また、前記回転体支持部材の回動方向の変更直前に
おける前記回転体の停止位置は、前記回転体支持部材の
回動方向変更後における前記規制面の開始点よりも終端
側に近い位置(チューブしごき領域の終端に近い位置)
であるように構成されている。
【0081】さらに、前記回転体支持部材は、駆動源
(モータ370)の回転方向が反転した場合には所定の
遅れ(回動角度で55度の遊び)をもって回動を開始す
るように構成されている。また、以上の実施例で説明し
たポンプチューブ324は、インクジェット記録装置の
回復系300の圧力発生手段(吸引回復等に用いられる
負圧発生手段)として用いられる構成となっている。
【0082】このようなチューブポンプ324及び該チ
ューブポンプを備えたインクジェット記録装置の構成に
よれば、簡単かつ安価で信頼性に優れた構成で、スルー
プットの低下を招くことなく、ポンプの逆転作動に伴う
逆流を防止することが可能なチューブポンプ及び該チュ
ーブポンプを備えたインクジェット記録装置が提供する
ことができる。
【0083】なお、以上の実施例では、被記録材(31
2又は313の全幅または一部をカバーする長さのライ
ンタイプの記録ヘッド401を用いて副走査(被記録材
の搬送動作)のみで記録するライン記録方式のインクジ
ェット記録装置を例に挙げて説明したが、本発明は、記
録手段を被記録材に対して相対移動させながら1ライン
を記録する主走査と上記副走査とを併用して記録するシ
リアル記録方式のインクジェット記録装置に対しても同
様に適用することができ、同様の効果を達成し得るもの
である。また、本発明は、1個の記録手段で記録する記
録装置、異なる色のインクで記録する複数の記録手段を
用いるカラー記録装置、あるいは同一色彩で異なる濃度
で記録する複数の記録手段を用いる階調記録装置、さら
には、これらを組み合わせた記録装置の場合にも、同様
に適用することができ、同様の効果を達成し得るもので
ある。
【0084】さらに、本発明は、記録ヘッドとインクタ
ンクを一体化した交換可能なヘッドカートリッジを用い
る構成、記録ヘッドとインクタンクを別体にし、その間
をインク供給用のチューブ等で接続する構成など、記録
ヘッドとインクタンクの配置構成がどのような場合にも
同様に適用することができ、同様の効果が得られるもの
である。なお、本発明は、インクジェット記録装置の場
合、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を用いる
記録手段を使用するものにも適用できるが、中でも、熱
エネルギーを利用してインクを吐出する方式の記録手段
を使用するインクジェット記録装置において優れた効果
をもたらすものである。かかる方式によれば、記録の高
密度化、高精細化が達成できるからである。
【0085】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、請求項
1のチューブポンプに係る発明によれば、円弧状の規制
面に沿って配設されたチューブを該規制面側に押圧する
回転体と、該回転体を前記チューブを押圧する第1の位
置と前記チューブの押圧を解除する第2の位置とに移動
させ得るように支持するとともに、前記規制面と同心の
軸を中心に回動駆動される回転体支持部材と、前記回転
体の位置を検知可能な回転体位置検知手段と、を有し、
前記回転体の位置検知結果に基づいて、前記回転体支持
部材の回動方向を変更する直前における該回転体の停止
位置を制御する構成としたので、簡単かつ安価で信頼性
に優れた構成で、スループットの低下を招くことなく、
ポンプの逆転作動に伴う逆流を防止することが可能なチ
ューブポンプが提供される。
【0086】請求項2のチューブポンプに係る発明によ
れば、円弧状の規制面に沿って配設されたチューブを該
規制面側に押圧する回転体と、該回転体を前記チューブ
を押圧する第1の位置と前記チューブの押圧を解除する
第2の位置とに移動させ得るように支持するとともに、
前記規制面と同心の軸を中心に回動駆動される回転体支
持部材と、前記回転体による前記チューブの押圧部と該
チューブ内に発生した圧力が作用する圧力作用部との間
のインク流路を開閉するために設けられた弁機構と、を
有し、前記回転体が前記チューブを押圧した状態で前記
圧力作用部に正圧が作用する方向に前記回転体支持部材
が回動するときに前記弁機構により前記インク流路を閉
鎖する構成としたので、簡単かつ安価で信頼性に優れた
構成で、スループットの低下を招くことなく、ポンプの
逆転作動に伴う逆流を防止することが可能なチューブポ
ンプが提供される。
【0087】請求項3のチューブポンプに係る発明によ
れば、円弧状の規制面に沿って配設されたチューブを該
規制面側に押圧する回転体と、該回転体を前記チューブ
を押圧する第1の位置と前記チューブの押圧を解除する
第2の位置とに移動させ得るように支持するとともに、
前記規制面と同心の軸を中心に回動駆動される回転体支
持部材と、前記回転体の位置を検知可能な回転体位置検
知手段と、前記回転体による前記チューブの押圧部と該
チューブ内に発生した圧力が作用する圧力作用部との間
のインク流路を開閉するために設けられた弁機構と、を
有し、前記回転体の位置検知結果に基づいて、前記回転
体支持部材の回動方向を変更する直前における該回転体
の停止位置を制御するとともに、前記回転体が前記チュ
ーブを押圧した状態で前記圧力作用部に正圧が作用する
方向に前記回転体支持部材が回動するときに前記弁機構
により前記インク流路を閉鎖する構成としたので、簡単
かつ安価で信頼性に優れた構成で、更に効率よく、スル
ープットの低下を招くことなく、ポンプの逆転作動に伴
う逆流を防止することが可能なチューブポンプが提供さ
れる。
【0088】請求項4〜6のチューブポンプに係る発明
によれば、上記請求項1〜3のいずれかの構成に加え
て、前記回転体支持部材の回動方向の変更は、前記回転
体が第1の位置に移動させられる方向の回動から逆方向
の回動への変更である構成、前記回転体支持部材の回動
方向の変更直前における前記回転体の停止位置は、前記
回転体支持部材の回動方向変更後における前記規制面の
開始点よりも終端側に近い位置である構成、あるいは、
前記回転体支持部材は、駆動源の回転方向が反転した場
合には所定の遅れをもって回動を開始する構成としたの
で、一層効果的に、簡単かつ安価で信頼性に優れた構成
で、スループットの低下を招くことなく、ポンプの逆転
作動に伴う逆流を防止することが可能なチューブポンプ
が提供される。
【0089】請求項7の発明によれば、記録手段からイ
ンクを吐出して被記録材に記録するインクジェット記録
装置において、記録手段の吐出口からインクを吸引する
負圧吸引力を発生するためのチューブポンプを具備し、
該チューブポンプは、円弧状の規制面に沿って配設され
たチューブを該規制面側に押圧する回転体と、該回転体
を前記チューブを押圧する第1の位置と前記チューブの
押圧を解除する第2の位置とに移動させ得るように支持
するとともに、前記規制面と同心の軸を中心に回動駆動
される回転体支持部材と、前記回転体の位置を検知可能
な回転体位置検知手段と、を有し、前記回転体の位置検
知結果に基づいて、前記回転体支持部材の回動方向を変
更する直前における該回転体の停止位置を制御する構成
としたので、簡単かつ安価で信頼性に優れた構成で、ス
ループットの低下を招くことなく、ポンプの逆転作動に
伴う逆流を防止することが可能なチューブポンプを備え
たインクジェット記録装置が提供される。
【0090】請求項8の発明によれば、記録手段からイ
ンクを吐出して被記録材に記録するインクジェット記録
装置において、記録手段の吐出口からインクを吸引する
負圧吸引力を発生するためのチューブポンプを具備し、
該チューブポンプは、円弧状の規制面に沿って配設され
たチューブを該規制面側に押圧する回転体と、該回転体
を前記チューブを押圧する第1の位置と前記チューブの
押圧を解除する第2の位置とに移動させ得るように支持
するとともに、前記規制面と同心の軸を中心に回動駆動
される回転体支持部材と、前記回転体による前記チュー
ブの押圧部と該チューブ内に発生した圧力が作用する圧
力作用部との間のインク流路を開閉するために設けられ
た弁機構と、を有し、前記回転体が前記チューブを押圧
した状態で前記圧力作用部に正圧が作用する方向に前記
回転体支持部材が回動するときに前記弁機構により前記
インク流路を閉鎖する構成としたので、簡単かつ安価で
信頼性に優れた構成で、スループットの低下を招くこと
なく、ポンプの逆転作動に伴う逆流を防止することが可
能なチューブポンプを備えたインクジェット記録装置が
提供される。
【0091】請求項9の発明によれば、記録手段からイ
ンクを吐出して被記録材に記録するインクジェット記録
装置において、記録手段の吐出口からインクを吸引する
負圧吸引力を発生するためのチューブポンプを具備し、
該チューブポンプは、円弧状の規制面に沿って配設され
たチューブを該規制面側に押圧する回転体と、該回転体
を前記チューブを押圧する第1の位置と前記チューブの
押圧を解除する第2の位置とに移動させ得るように支持
するとともに、前記規制面と同心の軸を中心に回動駆動
される回転体支持部材と、前記回転体の位置を検知可能
な回転体位置検知手段と、前記回転体による前記チュー
ブの押圧部と該チューブ内に発生した圧力が作用する圧
力作用部との間のインク流路を開閉するために設けられ
た弁機構と、を有し、前記回転体の位置検知結果に基づ
いて、前記回転体支持部材の回動方向を変更する直前に
おける該回転体の停止位置を制御するとともに、前記回
転体が前記チューブを押圧した状態で前記圧力作用部に
正圧が作用する方向に前記回転体支持部材が回動すると
きに前記弁機構により前記インク流路を閉鎖する構成と
したので、簡単かつ安価で信頼性に優れた構成で、更に
効率よく、スループットの低下を招くことなく、ポンプ
の逆転作動に伴う逆流を防止することが可能なチューブ
ポンプを備えたインクジェット記録装置が提供される。
【0092】請求項10の発明によれば、上記請求項7
〜9のいずれかの構成に加えて、前記記録手段は、イン
クを吐出するために利用される熱エネルギーを発生する
電気熱変換体を備えている構成としたので、一層効果的
に、簡単かつ安価で信頼性に優れた構成で、スループッ
トの低下を招くことなく、ポンプの逆転作動に伴う逆流
を防止することが可能なチューブポンプを備えたインク
ジェット記録装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット記録装置のエ
ンジン部(記録動作部)を示す外観斜視図である。
【図2】本発明を適用したインクジェット記録装置の回
復系ユニットの構成を示す斜視図である。
【図3】図2の回復系ユニットの駆動機構を示す模式的
側面図である。
【図4】本発明を適用したチューブポンプを備えた図2
の回復系ユニットのインク流路と弁構成を示すブロック
図である。
【図5】本発明を適用したチューブポンプの一実施例の
負圧発生時の状態を示す縦断面図である。
【図6】図5のチューブポンプを逆方向に回転させてポ
ンプチューブの押しつぶしを解除したときの状態を示す
縦断面図である。
【図7】本発明を適用したインクジェット記録装置の回
復系ユニットの予備吐出弁の構造を示す縦断面図であ
る。
【図8】本発明を適用したインクジェット記録装置の回
復系ユニットの逆流防止弁の構造を示す縦断面図であ
る。
【図9】本発明を適用したインクジェット記録装置の回
復系ユニットの大気連通弁の構造を示す縦断面図であ
る。
【図10】図2中のキャップを示す縦断面図である。
【図11】図2中のキャップが最も下がったキャップオ
ープンの状態を示す部分縦断面図である。
【図12】図2中のキャップが最も上がったキャップク
ローズの状態を示す部分縦断面図である。
【図13】回復系ユニットのカム軸の回動に対する予備
吐出弁、大気連通弁、逆流防止弁等の弁機構並びにキャ
ップやブレードなどの状態変化を示すカムチャートであ
る。
【図14】本発明を適用したインクジェット記録装置に
おける記録処理及び回復処理の一連の動作を示すフロー
チャートである。
【図15】図14中の予備吐出処理の動作を示すフロー
チャートである。
【図16】図14中のワイピング処理の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図17】図14中の予備吐出口空吸引処理の動作を示
すフローチャートである。
【図18】図14中の吸引回復処理の動作を示すフロー
チャートである。
【図19】図1中の記録手段としての記録ヘッドのイン
ク吐出部の構造を模式的に示す部分斜視図である。
【符号の説明】 10 インク供給ユニット 70 フレームユニット 82 電気熱変換体 88 吐出口面 89 吐出口 90 電源ユニット 200 キャリッジユニット 201 ガイドシャフト 202 ガイドレール 203 キャリッジモータ 204 タイミングベルト 300 回復系ユニット 301 予備吐出口 302 インク吸収体 303 ブレード 304 ブレードホルダ 305 ブレードシャフト 305a ギア 306 ブレードカム 307 ブレードクリーナ 308 キャップ 309 キャップ吸収体 310 キャップホルダ 311 キャップレバー 311a カムフォロワー 312 被記録材(記録紙) 313 被記録材(記録紙) 321 予備吐出弁 322 大気連通弁 323 弁機構(逆流防止弁) 324 チューブポンプ 325 ポンプチューブ 326 回転体(コロ) 327 回転体支持部材(コロガイド) 328 コロダンパー 329 規制面(チューブガイド) 330 予備吐出弁カム 331 弁ホルダ 332 予備吐出弁ゴム 333a 予備吐出弁シャフト 333a 逆流防止弁シャフト 334a 予備吐出弁アーム 334b 逆流防止弁弁アーム 335a 予備吐出弁カムフォロワー 335b 逆流防止弁カムフォロワー 336a 予備吐出弁アームバネ 336b 逆流防止弁アームバネ 337 弁チューブ 338 キャップチューブ 339 大気連通チューブ 341 逆流防止弁カム 342 逆流防止弁ゴム 344 大気連通弁ゴム 345 大気連通弁アーム 346 大気連通弁アームバネ 347 大気連通チューブとの接続部 348 キャップチューブとの接続部 350 キャップレバーカム 364 予備吐出チューブ 370 回復系駆動専用モータ 371 第1ダブルギア 372 アイドラギア 373 回復系のポンプ軸 374 ポンプカム 374a 切り欠き部(ポンプカム) 375 第2ダブルギア 376 ワンウエイクラッチ 380 回復系のカム軸 390 キャリッジロックアーム 401 記録手段(記録ヘッド) 600 回転体位置検知手段(フォトインタラプ
タ) 602 フラグ(回転体位置検知手段)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円弧状の規制面に沿って配設されたチュ
    ーブを該規制面側に押圧する回転体と、該回転体を前記
    チューブを押圧する第1の位置と前記チューブの押圧を
    解除する第2の位置とに移動させ得るように支持すると
    ともに、前記規制面と同心の軸を中心に回動駆動される
    回転体支持部材と、前記回転体の位置を検知可能な回転
    体位置検知手段と、を有し、 前記回転体の位置検知結果に基づいて、前記回転体支持
    部材の回動方向を変更する直前における該回転体の停止
    位置を制御することを特徴とするチューブポンプ。
  2. 【請求項2】 円弧状の規制面に沿って配設されたチュ
    ーブを該規制面側に押圧する回転体と、該回転体を前記
    チューブを押圧する第1の位置と前記チューブの押圧を
    解除する第2の位置とに移動させ得るように支持すると
    ともに、前記規制面と同心の軸を中心に回動駆動される
    回転体支持部材と、前記回転体による前記チューブの押
    圧部と該チューブ内に発生した圧力が作用する圧力作用
    部との間のインク流路を開閉するために設けられた弁機
    構と、を有し、 前記回転体が前記チューブを押圧した状態で前記圧力作
    用部に正圧が作用する方向に前記回転体支持部材が回動
    するときに前記弁機構により前記インク流路を閉鎖する
    ことを特徴とするチューブポンプ。
  3. 【請求項3】 円弧状の規制面に沿って配設されたチュ
    ーブを該規制面側に押圧する回転体と、該回転体を前記
    チューブを押圧する第1の位置と前記チューブの押圧を
    解除する第2の位置とに移動させ得るように支持すると
    ともに、前記規制面と同心の軸を中心に回動駆動される
    回転体支持部材と、前記回転体の位置を検知可能な回転
    体位置検知手段と、前記回転体による前記チューブの押
    圧部と該チューブ内に発生した圧力が作用する圧力作用
    部との間のインク流路を開閉するために設けられた弁機
    構と、を有し、 前記回転体の位置検知結果に基づいて、前記回転体支持
    部材の回動方向を変更する直前における該回転体の停止
    位置を制御するとともに、前記回転体が前記チューブを
    押圧した状態で前記圧力作用部に正圧が作用する方向に
    前記回転体支持部材が回動するときに前記弁機構により
    前記インク流路を閉鎖することを特徴とするチューブポ
    ンプ。
  4. 【請求項4】 前記回転体支持部材の回動方向の変更
    は、前記回転体が第1の位置に移動させられる方向の回
    動から逆方向の回動への変更であることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載のチューブポンプ。
  5. 【請求項5】 前記回転体支持部材の回動方向の変更直
    前における前記回転体の停止位置は、前記回転体支持部
    材の回動方向変更後における前記規制面の開始点よりも
    終端側に近い位置であることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載のチューブポンプ。
  6. 【請求項6】 前記回転体支持部材は、駆動源の回転方
    向が反転した場合には所定の遅れをもって回動を開始す
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のチ
    ューブポンプ。
  7. 【請求項7】 記録手段からインクを吐出して被記録材
    に記録するインクジェット記録装置において、 記録手段の吐出口からインクを吸引する負圧吸引力を発
    生するためのチューブポンプを具備し、 該チューブポンプは、円弧状の規制面に沿って配設され
    たチューブを該規制面側に押圧する回転体と、該回転体
    を前記チューブを押圧する第1の位置と前記チューブの
    押圧を解除する第2の位置とに移動させ得るように支持
    するとともに、前記規制面と同心の軸を中心に回動駆動
    される回転体支持部材と、前記回転体の位置を検知可能
    な回転体位置検知手段と、を有し、 前記回転体の位置検知結果に基づいて、前記回転体支持
    部材の回動方向を変更する直前における該回転体の停止
    位置を制御することを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  8. 【請求項8】 記録手段からインクを吐出して被記録材
    に記録するインクジェット記録装置において、 記録手段の吐出口からインクを吸引する負圧吸引力を発
    生するためのチューブポンプを具備し、 該チューブポンプは、円弧状の規制面に沿って配設され
    たチューブを該規制面側に押圧する回転体と、該回転体
    を前記チューブを押圧する第1の位置と前記チューブの
    押圧を解除する第2の位置とに移動させ得るように支持
    するとともに、前記規制面と同心の軸を中心に回動駆動
    される回転体支持部材と、前記回転体による前記チュー
    ブの押圧部と該チューブ内に発生した圧力が作用する圧
    力作用部との間のインク流路を開閉するために設けられ
    た弁機構と、を有し、 前記回転体が前記チューブを押圧した状態で前記圧力作
    用部に正圧が作用する方向に前記回転体支持部材が回動
    するときに前記弁機構により前記インク流路を閉鎖する
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 記録手段からインクを吐出して被記録材
    に記録するインクジェット記録装置において、 記録手段の吐出口からインクを吸引する負圧吸引力を発
    生するためのチューブポンプを具備し、 該チューブポンプは、円弧状の規制面に沿って配設され
    たチューブを該規制面側に押圧する回転体と、該回転体
    を前記チューブを押圧する第1の位置と前記チューブの
    押圧を解除する第2の位置とに移動させ得るように支持
    するとともに、前記規制面と同心の軸を中心に回動駆動
    される回転体支持部材と、前記回転体の位置を検知可能
    な回転体位置検知手段と、前記回転体による前記チュー
    ブの押圧部と該チューブ内に発生した圧力が作用する圧
    力作用部との間のインク流路を開閉するために設けられ
    た弁機構と、を有し、 前記回転体の位置検知結果に基づいて、前記回転体支持
    部材の回動方向を変更する直前における該回転体の停止
    位置を制御するとともに、前記回転体が前記チューブを
    押圧した状態で前記圧力作用部に正圧が作用する方向に
    前記回転体支持部材が回動するときに前記弁機構により
    前記インク流路を閉鎖することを特徴とするインクジェ
    ット記録装置。
  10. 【請求項10】 前記記録手段は、インクを吐出するた
    めに利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体を
    備えていることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに
    記載のインクジェット記録装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7318638B2 (en) 2003-04-02 2008-01-15 Seiko Epson Corporation Liquid ejecting apparatus
JP2020131562A (ja) * 2019-02-20 2020-08-31 ローランドディー.ジー.株式会社 インクジェットプリンタおよびインク供給装置の開放方法
JP2020131561A (ja) * 2019-02-20 2020-08-31 ローランドディー.ジー.株式会社 インクジェットプリンタおよびインク経路の閉鎖方法

Cited By (5)

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JP2020131561A (ja) * 2019-02-20 2020-08-31 ローランドディー.ジー.株式会社 インクジェットプリンタおよびインク経路の閉鎖方法
JP7184668B2 (ja) 2019-02-20 2022-12-06 ローランドディー.ジー.株式会社 インクジェットプリンタおよびインク経路の閉鎖方法
JP7189799B2 (ja) 2019-02-20 2022-12-14 ローランドディー.ジー.株式会社 インクジェットプリンタおよびインク供給装置の開放方法

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