JP3832213B2 - 半導体装置の製造方法および電気光学装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法および電気光学装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜トランジスタ(以下、TFTという)を備えた半導体装置、電気光学装置、およびそれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
TFTを備える半導体装置としては、たとえば、TFTを画素スイッチング用のアクティブ素子等として用いた液晶装置(電気光学装置)の駆動回路内蔵型のアクティブマトリクス基板がある。
【0003】
このアクティブマトリクス基板を製造するにあたっては、従来、たとえば、図11(A)に示すように、石英基板やガラス基板などといった基板100上に、シリコン酸化膜などの下地保護膜101、およびアモルファスのシリコン膜などの半導体膜10aを順次形成した後、半導体膜10aにレーザーアニールを施して半導体膜10aを多結晶化する。
【0004】
次に、図11(B)に示すように、半導体膜10aの表面にレジストマスク401を形成し、このレジストマスク401を介して半導体膜10aをパターニングして半導体膜10aを島状にした後、図11(C)に示すように、レジストマスクを除去する。次に、図11(D)に示すように、半導体膜10aの表面にシリコン酸化膜などのゲート絶縁膜13を形成する。次に、図11(E)に示すように、ゲート絶縁膜13の表面に走査線91およびゲート電極24、34を形成し、これらの走査線91およびゲート電極24、34、あるいは不純物導入用のレジストマスクを介して半導体膜10aの所定の領域に所定の不純物を導入してソース領域16、26、36およびドレイン領域17、27、37を形成する。
【0005】
このようにして画素スイッチング用のTFT10、駆動回路用のN型TFT20および駆動回路用のP型TFT30を形成した後は、層間絶縁膜18、19、ソース電極41、43、データ線90、ドレイン電極11、42、および画素電極9などを形成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の半導体装置(液晶装置のアクティブマトリクス基板)の製造方法では、図11(B)に示すように、半導体膜10aをパターニングする際に、半導体膜10aの表面に直接、レジストマスク401を形成するため、半導体膜10aとゲート絶縁膜13との界面が清浄でない。
【0007】
このため、TFT10、20、30の特性が安定しないという問題点がある。すなわち、レジストマスク401は半導体膜10aのパターニングが終了した後は除去されるものの、レジストマスク401を除去する際に半導体膜10aは硫酸などの剥離液に曝される。また、レジストマスク401を密着性よく形成するために、半導体膜10aの表面はヘキサメチルジシラザン蒸気に曝されるとともに、ゲート絶縁膜13を形成する際には、それまでの間に半導体膜10aの表面に形成された酸化膜を除去するための希フッ酸溶液に曝される。従って、半導体膜10aの表面に粗れやカーボン系分子の付着などが発生するので、半導体膜10aとゲート絶縁膜13との界面はとても清浄な状態とはいえない。
【0008】
さらに、数十ナノ秒という極めて短時間の溶融と結晶化が起こるレーザーアニール処理によって、多結晶シリコン膜はガラス基板との熱膨張係数の違いから大きな応力を生じていたが、十分な緩和がなされていなかった。このため、応力に起因してTFTのVth特性がシフトするという問題点が見られた。すなわち、低温と呼ばれる650℃以下のプロセスを採用する以上、十分な熱処理温度をかけることができないため、レーザー結晶化後に多結晶化したシリコン膜の引っ張り応力を緩和することができていなかったわけである。
【0009】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、半導体膜とゲート絶縁膜との界面を清浄化し、かつ良質なMOS(Metal−Oxide−Semiconductor)界面を形成するとともに、多結晶化したシリコン膜の応力を緩和することによって特性の安定したTFTを備えた半導体装置、電気光学装置、およびそれらの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の半導体装置の製造方法は、チャネルとなる半導体膜、および該半導体膜にゲート絶縁膜を介して対向するゲート電極を備える薄膜トランジスタを有する半導体装置の製造方法において、前記半導体膜を形成する半導体膜形成工程と、前記半導体膜の表面に総厚が20nm以上になるように第1のゲート絶縁膜を形成する工程と、前記第1のゲート絶縁膜の膜厚が、20nm以下となるよう、前記第1のゲート絶縁膜をエッチングする工程と、前記第1のゲート絶縁膜の表面にレジストマスクを形成するマスク形成工程と、前記レジストマスクを介して前記第1のゲート絶縁膜および前記半導体膜をパターニングするパターニング工程と、前記レジストマスクを除去した後、前記第1のゲート絶縁膜の表面に第2のゲート絶縁膜を形成する工程と、前記第2のゲート絶縁膜の表面にゲート電極を形成する形成を有することを特徴とする。
また、前記第1のゲート絶縁膜を形成する工程では、総厚が10nm以上になるように第1のゲート絶縁膜を形成し、前記第1のゲート絶縁膜をエッチングする工程では、前記第1のゲート絶縁膜の膜厚が、10nm以下となるよう、前記第1のゲート絶縁膜をエッチングすることを特徴とする。
また、前記パターニング工程では、前記第1のゲート絶縁膜と前記半導体膜とを一括してエッチングすることを特徴とする。
また、前記第1のゲート絶縁膜形成工程では、前記半導体膜の表面を酸化させることにより前記第1のゲート絶縁膜を形成することを特徴とする。
また、チャネルとなる半導体膜、および該半導体膜にゲート絶縁膜を介して対向するゲート電極を備える薄膜トランジスタを有する半導体装置の製造方法において、前記半導体膜を形成する半導体膜形成工程と、前記半導体膜の表面を1MPa以上という高圧を利用することによって、650℃以下という低温にも関わらず良質な酸化膜からなる第1のゲート絶縁膜を形成する第1のゲート絶縁膜形成工程と、前記第1のゲート絶縁膜の表面にレジストマスクを形成するマスク形成工程と、前記レジストマスクを介して前記第1のゲート絶縁膜および前記半導体膜をパターニングするパターニング工程と、前記レジストマスクを除去した後、前記第1のゲート絶縁膜の表面に第2のゲート絶縁膜を形成する第2のゲート絶縁膜形成工程と、前記第2のゲート絶縁膜の表面にゲート電極を形成するゲート電極形成工程とを行なった後、前記半導体膜に不純物を導入してTFTのソース・ドレイン領域を形成することを特徴とする。
【0011】
従って、本発明を適用した半導体装置において、前記TFTは、前記ゲート絶縁膜として、前記半導体膜の表面に酸化によって形成された第1のゲート絶縁膜と、該第1のゲート絶縁膜の表面に形成された第2のゲート絶縁膜とを有し、前記第1の絶縁膜は、前記第2のゲート絶縁膜よりも薄く、かつ、前記半導体膜と同一パターンで形成されている。
【0012】
本発明では、半導体膜を島状にパターニングする際に、半導体膜の表面に直接、レジストマスクを形成するのではなく、半導体膜の表面に薄い第1のゲート絶縁膜を形成した後、もしくは半導体膜の表面に第1のゲート絶縁膜を形成した後、十分に薄くなるようエッチングした後、この第1のゲート絶縁膜の表面にレジストマスクを形成し、このレジストマスクによって第1のゲート絶縁膜および半導体膜をパターニングする。
【0013】
このため、半導体膜の表面は、レジストマスク、レジストマスクを除去する際に用いられる硫酸、レジストマスクを形成するときの前処理に用いられるヘキサメチルジシラザン蒸気、およびゲート絶縁膜を形成する際に半導体膜表面から異物を除去するために用いられる希フッ酸溶液に触れることがない。従って、半導体膜の表面に粗れやカーボン系分子の付着などが発生しないので、半導体膜とゲート絶縁膜との間に清浄な界面を形成することができる。それ故、半導体膜とゲート絶縁膜との界面にトラップなどが発生するのを防止できるので、TFTの電気的特性が向上する。
【0014】
本発明において、前記第1のゲート絶縁膜の表面にレジストマスクを形成した後、前記パターニング工程は、前記第1のゲート絶縁膜に対するパターニングと前記半導体膜に対するパターニングとを別々に行なってもよいが、第1のゲート絶縁膜として十分に薄い絶縁膜を形成すれば、前記第1のゲート絶縁膜と前記半導体膜とを一括してエッチングすることができる。
【0015】
本発明において、前記第1のゲート絶縁膜の膜厚は、たとえば、20nm以下、好ましくは10nm以下である。このような膜厚であれば、半導体膜と第1のゲート絶縁膜とを一括してパターニングすることができ、特に、第1のゲート絶縁膜の膜厚が10nm以下であれば、半導体膜と第1のゲート絶縁膜とを一括してパターニングするのが容易である。
【0016】
本発明において、前記第1のゲート絶縁膜形成工程では、前記半導体膜の表面を酸化させることにより前記第1のゲート絶縁膜を形成する。
【0017】
たとえば、前記第1のゲート絶縁膜形成工程では、前記半導体膜の表面を650℃以下の低温と、1MPa以上の高圧の水蒸気雰囲気においてウエット酸化することにより前記第1のゲート絶縁膜を形成する。このような構成とすると、第1のゲート絶縁膜は、半導体膜の表面が酸化されたものであるため、ゲート絶縁膜と半導体膜との界面は、もともと半導体膜のバルク内にあって外気などに曝されることがない。それ故、より清浄なMOS界面を得ることができるので、特性の安定したTFTを製造できる。
【0018】
本発明において、前記高圧水蒸気雰囲気におけるウェット酸化処理を行う時間は30分以上、90分以内とする。この時間内であれば、高圧下における650℃の熱処理によって、シリコン膜中に生じた応力は十分に緩和され、かつ、酸化膜が必要以上に厚くなりすぎることがないため、前記半導体膜も必要以上に厚くしなくてよく、結果としてレーザーアニール工程におけるレーザーエネルギーを低く抑えることができる。
【0019】
本発明において、前記半導体膜形成工程では、前記半導体膜をアモルファスシリコン膜として形成し、前記第1のゲート絶縁膜形成工程を行なう前に当該アモルファスシリコン膜を結晶化させる結晶化工程を行なうことが好ましい。たとえば、前記結晶化工程では、レーザーアニール工程を行なう。このような方法であれば、低温プロセスでTFTを製造できる。また、ゲート絶縁膜を形成する前の半導体膜にレーザーアニールを行なうので、半導体膜は、結晶化する際にゲート絶縁膜から悪影響を受けないという利点がある。
【0020】
本発明において、前記レーザーアニール工程は、真空雰囲気においてレーザー光を照射することが好ましい。このような雰囲気で照射を行うと、多結晶となったシリコン表面に10nm以上の凹凸が生じることなく、比較的平滑となるため、次工程の高圧ウェット酸化において、特に結晶粒界に相当する凹凸の谷の部分のみが集中的に酸化されることがなく、均一な厚さの酸化膜を形成することができる。
【0021】
本発明において、前記半導体膜形成工程から前記第1のゲート絶縁膜形成工程までの間、前記半導体膜を非酸化性雰囲気内に保持することが好ましい。このように形成すると、半導体膜を形成した以降、半導体膜の表面に第1のゲート絶縁膜を形成するまでの間に半導体膜の表面が外気やそれに含まれる異物などによって酸化あるいは汚染されることを防止することができる。
【0022】
このような半導体装置は、たとえば、前記TFTを画素スイッチング素子として用いた電気光学装置のアクティブマトリクス基板である。
【0023】
【発明の実施の形態】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。ここでは、半導体装置として、駆動回路内蔵型のアクティブマトリクス基板に本発明を適用した例を説明する。このアクティブマトリクス基板は、アクティブマトリクス型の液晶装置(電気光学装置)に用いられる。なお、本形態のアクティブマトリクス基板は、図11を参照して説明した従来のアクティブマトリクス基板と基本的な構成が共通するので、対応する機能を有する部分には同一の符号を付して説明する。
【0024】
(電気光学装置の画像表示領域の構成)
図1は、本形態の電気光学装置(液晶装置)に用いたアクティブマトリクス基板(半導体装置)の画像表示領域にマトリクス状に形成された複数の画素の各種素子、配線等の等価回路である。
【0025】
図1に示すように、本形態の電気光学装置1において、画像表示領域1aを構成するためにマトリクス状に形成された複数の画素には、画素電極9を制御するためのTFT10(画素スイッチング用のTFT)がマトリクス状に複数形成されており、画素信号が供給されるデータ線90がTFT10のソースに電気的に接続されている。データ線90に書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線90同士に対し、グループ毎に供給するようにしても良い。また、TFT10のゲートには走査線91が電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線91にパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9は、TFT10のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT10を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線90から供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。画素電極9を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能にする。ノーマリーホワイトモードであれば、印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過不可能とされ、ノーマリーブラックモードであれば、印加された電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過可能とされ、全体として電気光学装置1からは画像信号に応じたコントラストを持つ光が出射する。ここで、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9と対向電極との間に形成される液晶容量と並列に、容量線92などを利用して蓄積容量40が形成されている。
【0026】
(画素およびTFTの構成)
図2および図3はそれぞれ、各画素に形成された画素スイッチング用のTFT10の平面図および断面図であり、図2には、アクティブマトリクス基板上に構成される画素群のうちのいくつかを抜き出して示してあり、図3には、図2のA−A′線における断面を示してある。
【0027】
図2において、アクティブマトリクス基板2では、複数の透明なITO(Indium Tin Oxide)膜からなる画素電極9がマトリクス状に形成されており、これらの各画素電極9に対して画素スイッチング用のN型のTFT10がそれぞれ接続している。また、画素電極9の縦横の境界に沿って、データ線90、走査線91および容量線92が形成され、TFT10は、データ線90および走査線91に対して接続している。すなわち、データ線90は、コンタクトホールを介してTFT10のソース領域16に電気的に接続し、画素電極9は、コンタクトホールを介してTFT10のドレイン領域17に電気的に接続している。また、TFT10のチャネル形成領域15に対向するように走査線91が延びている。蓄積容量40は、画素スイッチング用のTFT10を形成するためのシリコン膜10a(半導体膜/図2に斜線を付した領域)の延設部分に相当するシリコン膜40a(半導体膜/図2に斜線を付した領域)を導電化したものを下電極41とし、この下電極41に容量線92が上電極として重なった構造になっている。
【0028】
このように構成した画素領域のA−A′線における断面は、図3に示すように表される。図3からわかるように、アクティブマトリクス基板2の基体たる基板100の表面には、シリコン酸化膜などからなる絶縁性の下地保護膜101が形成され、この下地保護膜101の表面には、島状のシリコン膜からなる半導体膜10a、40aが形成されている。
【0029】
半導体膜10aの表面には、後述する第1のゲート絶縁膜131および第2のゲート絶縁膜132からなるゲート絶縁膜13が形成され、このゲート絶縁膜13の表面に走査線91がゲート電極として通っている。シリコン膜10aのうち、走査線91に対してゲート絶縁膜13を介して対峙する領域がチャネル形成領域15になっている。このチャネル形成領域15に対して一方側には、不純物濃度がたとえば約1×1018cm3の低濃度ソース領域161、および不純物濃度がたとえば約1×1020cm3の高濃度ソース領域162を備えるソース領域16が形成され、他方側には、不純物濃度がたとえば約1×1018cm3の低濃度ドレイン領域171、および不純物濃度がたとえば約1×1020cm3の高濃度ドレイン領域172を備えるドレイン領域17が形成されている。
【0030】
このように構成された画素スイッチング用のTFT10の表面側には、第1の層間絶縁膜18および第2の層間絶縁膜19が形成され、第1の層間絶縁膜18の表面に形成されたデータ線90は、第1の層間絶縁膜18およびゲート電極13に形成されたコンタクトホールを介して高濃度ソース領域162に電気的に接続している。第1の層間絶縁膜18の表面にはデータ線90と同時形成されたドレイン電極11が形成され、このドレイン電極11は、第1の層間絶縁膜18およびゲート電極13に形成されたコンタクトホールを介して高濃度ドレイン領域172に電気的に接続している。また、第2の層間絶縁膜19の表面には画素電極9が形成され、この画素電極9は、第2の層間絶縁膜19に形成されたコンタクトホールを介してドレイン電極11に電気的に接続している。
【0031】
ここで、第2の層間絶縁膜19はポリシラザン塗布膜を焼成して得た下層側層間絶縁膜191と、CVD法により形成されたシリコン酸化膜からなる上層側層間絶縁膜192との2層構造になっている。画素電極9の表面側にはシリコン酸化膜や有機膜からなる表面保護膜45が形成され、この表面保護膜45の表面にはポリイミド膜からなる配向膜46が形成されている。この配向膜46は、ポリイミド膜に対してラビング処理が施された膜である。
【0032】
高濃度ドレイン領域172から延設されたシリコン膜40aには低濃度領域からなる下電極41が形成されている。この下電極41に対しては、ゲート絶縁膜13と同時形成された絶縁膜(誘電体膜)を介して容量線92が対向していることにより、蓄積容量40が形成されている。
【0033】
ここで、TFT10は、好ましくは上述のようにLDD(Lightly Doped Drain)構造をもつが、低濃度ソース領域161および低濃度ドレイン領域171に相当する領域に不純物イオンの打ち込みを行わないオフセット構造を有していてもよい。また、TFT10は、走査線91をマスクとして高濃度で不純物イオンを打ち込み、自己整合的に高濃度ソースおよびドレイン領域を形成したセルフアライン型のTFTであってもよい。なお、本形態では、TFT10のゲート電極(走査線91)をソース−ドレイン領域の間に1個のみ配置したシングルゲート構造としたが、これらの間に2個以上のゲート電極を配置してもよい。この際、各々のゲート電極には同一の信号が印加されるようにする。このようにデュアルゲート(ダブルゲート)あるいはトリプルゲート以上でTFT10を構成すれば、チャネルとソース−ドレイン領域の接合部でのリーク電流を防止でき、オフ時の電流を低減することが出来る。これらのゲート電極の少なくとも1個をLDD構造或いはオフセット構造にすれば、さらにオフ電流を低減でき、安定したスイッチング素子を得ることが出来る。
【0034】
(アクティブマトリクス基板上のその他のTFT)
図4は、駆動回路内蔵型のアクティブマトリクス基板2(半導体装置)に形成されている各TFTおよび蓄積容量の断面図である。この図4には、図面に向かって右側から左側に向かって、LDD構造を有する画素スイッチング用のN型のTFT、LDD構造を有する駆動回路用のN型のTFT、およびLDD構造を有する駆動回路用のP型のTFTを示してある。これらの駆動回路用のTFTは、図9を参照して後述する走査線駆動回路やデータ線駆動回路を構成する。
【0035】
図4に示すように、駆動回路内蔵型のアクティブマトリクス基板2では、基板100の表面側に、駆動回路用のN型のTFT10、駆動回路用のP型のTFT20および画素スイッチング用のN型のTFT30からなる3種類のTFTが形成されている。これらの素子のうち、画素スイッチング用のN型のTFT10については、図3を参照して説明したとおりであるため、ここでは説明を省略する。また、駆動回路用のN型のTFT20およびP型のTFT30は、基本的な構成が画素スイッチング用のN型のTFT10と同様であるため、それらの構造については簡単に説明しておく。
【0036】
アクティブマトリクス基板2において、基板100の表面側にはシリコン酸化膜からなる下地保護膜101が形成され、この下地保護膜101の表面には、島状にパターニングされた多結晶性の半導体膜10aが形成されている。これらの半導体膜10aはそれぞれ、画素スイッチング用のN型のTFT10、駆動回路用のN型のTFT20および駆動回路用のP型のTFT30を形成するためのもので、各半導体膜10aの表面には、後述する第1のゲート絶縁膜131および第2の絶縁膜132からなるゲート絶縁膜13が形成されている。
【0037】
駆動回路用のN型のTFT10および駆動回路用のP型のTFT30において、ゲート絶縁膜13の表面には、ゲート電極24、34がそれぞれ形成されている。各半導体膜10aには、ゲート電極24、34に対してゲート絶縁膜13を介して対峙する領域にチャネル領域25、35が形成されている。これらのチャネル領域25、35の両側には、ソース領域26、36およびドレイン領域27、37がそれぞれ形成されている。本形態において、ソース領域26、36およびドレイン領域27、37にはそれぞれ、ゲート電極24、34の端部に対してゲート絶縁膜13を介して対峙する不純物濃度がたとえば約1×1018cm3の低濃度ソース領域261、271および低濃度ドレイン領域271、371が形成され、低濃度ソース領域261、361および低濃度ドレイン領域271、371に隣接して、不純物濃度がたとえば約1×1020cm3の高濃度ソース領域262、362および高濃度ドレイン領域272、372がそれぞれ形成されている。また、高濃度ソース領域262、362には、第1の層間絶縁膜18のコンタクトホールを介してソース電極41、43およびドレイン電極42がそれぞれ電気的に接続している。
【0038】
また、ソース電極41、43およびドレイン電極42の表面側には第2の層間絶縁膜19が形成されている。
【0039】
(ゲート絶縁膜13の構造)
このように構成したアクティブマトリクス基板2において、いずれのTFT10、20、30においても、ゲート絶縁膜13は、半導体膜10aの表面に形成された薄い第1のゲート絶縁膜131と、この第1のゲート絶縁膜131の表面側に形成された第2のゲート絶縁膜132とから構成されている。ここで、第1のゲート絶縁膜131は、膜厚が20nm以下、好ましくは10nm以下である。これに対して、第2のゲート絶縁膜132は、第1のゲート絶縁膜131よりも厚く、膜厚はたとえば90nmである。また、後述するように、第1のゲート絶縁膜131は、半導体膜10aと一緒にパターニングされたものであるため、その下地に相当する各半導体膜10aと同一のパターンをもって形成されている。
【0040】
(TFTの製造方法)
このような構造のアクティブマトリクス基板2の製造方法を図5、図6および図7を参照して説明する。
【0041】
図5は、本形態の製造方法において、アモルファスの半導体膜10aの形成、この半導体膜10aに対するレーザーアニール、および各種絶縁膜の形成を行なうための処理装置の構成図である。図6および図7は、本形態のアクティブマトリクス基板2の製造方法を示す工程断面図である。
【0042】
本形態において、図6(A)、(B)を参照して後述する工程については、図5に示す処理装置内で行なうため、各工程を説明する前に、図5を参照して処理装置の構成を説明する。
【0043】
図5において、処理装置700には、装置内への基板30の搬入、および処理済の基板30の搬出を行うためのカセット式のローダ・アンローダー部710と、基板100の表面に下地保護膜101や半導体膜10aを形成するためのプラズマCVD装置720、アモルファスの半導体膜10aに対してレーザーアニールを行うレーザーアニール装置750、第一のゲート絶縁膜131の酸化形成を行う高圧アニール炉740とが構成されている。レーザーアニール装置750は、レーザーアニール用チャンバー752、レーザー光学系754、レーザー光源756などで構成されている。高圧アニール炉740は二重の圧力容器から成り、最高で2MPaまでの加圧処理が可能である。このアニール炉についてはその処理方法がバッチ処理方法であるため、枚様処理であるレーザーアニール処理を終えた基板は1バッチ分が格納されるのを待ってその処理が行われる。また、処理装置700には、ローダ・アンローダー部710によって搬入された基板100をプラズマCVD装置720およびレーザーアニール装置750および高圧アニール炉740に搬送するとともに、処理済の基板100をローダ・アンローダー部710に戻す搬送機構760と、基板100の搬送経路を非酸化性雰囲気に保持するハウジング790とが構成されている。
【0044】
このような処理装置700を用いてアクティブマトリクス基板2を製造するには、まず、清浄化した基板100を処理装置700のローダ・アンローダー部710にセットする。以降、基板100は、この処理装置700において、真空(非酸化性雰囲気)に保持されたまま外気に曝されることなく、図6(B)を参照して説明する第1のゲート絶縁膜形成工程まで行われる。
【0045】
まず、図6(A)に示すように、処理装置700のプラズマCVD装置720のチャンバー内において、基板温度が約150℃から約450℃の温度条件下で、ガラス基板からなる基板100の表面にプラズマCVD法によりシリコン酸化膜からなる下地保護膜101を形成する。このときの原料ガスとしては、たとえばモノシランと笑気ガスとの混合ガスやTEOSと酸素、あるいはジシランとアンモニアを用いることができる。
【0046】
次に、基板100を外気に曝すことなく、同じ処理装置700のプラズマCVD装置720のチャンバー内において、基板温度が約150℃から約450℃の温度条件下で、プラズマCVD法により基板100の全面に厚さが50nm〜75nmのアモルファスのシリコン膜からなる半導体膜10aを形成する。このときの原料ガスとしては、たとえばジシランやモノシランを用いることができる(半導体膜形成工程)。
【0047】
次に、基板100を外気に曝すことなく、同じ処理装置700のレーザーアニール装置750のレーザーアニール用チャンバー752内で、半導体膜10aにレーザー光を照射してアモルファスの半導体膜10aをポリシリコン膜に変える(結晶化工程)。この結晶化工程では、レーザーアニール装置750において、レーザー光源756から出射したレーザー光(エキシマレーザー)を光学系754を介して、ステージ上に載置された基板100に向けて照射する。この際には、照射領域が一方向に長いラインビームを半導体膜10aに照射し、その照射領域をずらしていく。その結果、アモルファスの半導体膜10aは一度溶融し、冷却固化過程を経て多結晶化する。この際には、各領域へのレーザー光の照射時間が非常に短時間であり、かつ、照射領域が基板100全体に対して局所的であるため、基板100全体が同時に高温に熱せられることがない。それ故、基板100としてガラス基板を用いても、熱による変形や割れ等が生じない。
【0048】
この結晶化工程の雰囲気であるが、レーザーアニール用チャンバー752内は窒素やアルゴンといった非酸化性雰囲気のガスも排気されてなり、真空状態である。この真空度としては10-3Pa以下が好ましく、このような高真空下においてレーザー光の照射を行うと、多結晶化されたシリコン膜の表面の凹凸を抑えることができ、10nmを下回る程度である。こうした凹凸は主に結晶粒の境目(結晶粒界)を反映するため、大きな凹凸を有するようなシリコン膜の酸化を行った時の様に、粒界に沿って、部分的にシリコン膜内部へと酸化が進んでしまうことがない。それ故、基板面内において均一な酸化膜の形成が次工程において可能である。
【0049】
次に、図6(B)に示すように、同じ処理装置700の高圧酸化炉740のチャンバー内において、基板温度が約550℃から約650℃の温度条件下、飽和水蒸気の圧力が約1MPaから2MPaの圧力条件下におけるウエット酸化法により半導体膜10aの表面に酸化膜を形成する(第1のゲート絶縁膜形成工程)。
【0050】
図8には基板温度600℃、飽和水蒸気圧2MPaにおけるウエット酸化における酸化レート(●と実線)と、酸化に伴い減少するシリコン膜の膜減り分(○と破線)を示す。第1のゲート絶縁膜の膜厚は20nm以下、好ましくは10nm以下の薄い膜であれば、次工程のパターニングにおいて半導体膜10aと一括してパターニングすることが可能であるため、図8において、酸化時間が20分程度までであれば、その様な厚さの第1のゲート絶縁膜を形成することができる。
【0051】
しかしながらこの第1のゲート絶縁膜形成工程の意味合いとしては、単に酸化膜を形成するというだけではなく、レーザーアニール処理によって多結晶化されたシリコン膜に生じている応力を緩和するという目的もあるため、あまりに時間が短いと十分な効果が得られない。そのため、少なくとも、図8において30分以上は高圧水蒸気雰囲気下においてウエット酸化処理することが望ましい。よって、この場合、次工程のパターニングにおいて、第1のゲート絶縁膜を半導体膜10aと一括してパターニングするためには、第1のゲート絶縁膜の膜厚が20nm以下、好ましくは10nm以下となるまで、全面を一様にエッチングすることが必要となり、その際のエッチング方法としては、希フッ酸系の溶液、もしくは過酸化水素水+アンモニア水系の溶液によって行うことができる。
【0052】
さらに図8において90分以上、高圧水蒸気雰囲気下においてウエット酸化処理を施すと、酸化に伴い減少するシリコン膜の膜減り分は25nm以上となる。よってこの減少分は予めアモルファスの半導体膜10aに見越して形成しておく必要がある。しかしながら、半導体膜形成工程において、必要以上にアモルファスの半導体膜を厚く形成するということは、その後のレーザーアニール工程において、アモルファスな半導体膜を一度溶融するためにも、その分高いエネルギーを照射する必要が生じ、レーザー発振機への負担になるばかりでなく、使用マージンを狭めることにもなる。そのため図8において高圧水蒸気雰囲気下におけるウエット酸化処理は、レーザーアニール処理によって多結晶化されたシリコン膜に生じている応力を緩和する上で効果が得られ、かつシリコン膜の膜減り分も25nm程度までである、90分以内とすることが望ましい。
【0053】
つまり高圧水蒸気雰囲気下におけるウエット酸化処理に要する時間は30分以上、90分以内とすることが望ましい。
【0054】
次に、図6(C)に示すように、フォトリソグラフィ法を用いて第1のゲート絶縁膜131の表面にレジストマスク401を形成する(マスク形成工程)。
【0055】
次に、レジストマスク401を介してドライエッチングを行なって、第1のゲート絶縁膜131および半導体膜10aを一括してパターニングし、図6(D)に示すように、画素スイッチング用のN型のTFT10、蓄積容量40、駆動回路用のN型のTFT20、および駆動回路用のP型のTFT30の各形成領域に半導体膜10a、20a、30a(図中に20a、30aはなく、いずれも10aとなっている)、40aを島状に残す(パターニング工程)。このエッチングの際に、半導体膜10aの表面に形成されているのは、たとえば膜厚が10nmの薄いシリコン酸化膜(第1のゲート絶縁膜131)であるので、半導体膜10aに対してドライエッチングを行なうときに第1のゲート絶縁膜131も同時にエッチングされる。
【0056】
次に、レジストマスク401を除去した後、図6(E)に示すように、TEOS−CVD法、CVD法、プラズマCVD法などにより、シリコン膜10aの表面に、厚さが約15nm〜約100nmのシリコン酸化膜からなる第2のゲート絶縁膜132を形成する(第2のゲート絶縁膜形成工程)。この第2のゲート絶縁膜132は、第1のゲート絶縁膜131とともにゲート絶縁膜13を構成する。
【0057】
次に、図7(A)に示すように、画素スイッチング用のN型のTFT10、駆動回路用のN型TFT20および駆動回路用のP型TFT30を形成するための領域をレジストマスク402で覆った状態で、半導体膜40aに低濃度N型の不純物を導入する。その結果、蓄積容量40の下電極41が形成される。
【0058】
次に、レジストマスク402を除去した後、第2のゲート絶縁膜132の表面に、ドープドシリコン、シリサイド膜やアルミニウム膜、クロム膜、タンタル膜などの金属膜などといったゲート電極形成用導電膜(図示せず)を形成し、このゲート電極形成用導電膜をパターニングすることにより、図7(B)に示すように、走査線91、容量線92、ゲート電極24、34を形成する(ゲート電極形成工程)。その結果、容量線92を上電極とした蓄積容量40が形成される。
【0059】
次に、画素スイッチング用のN型のTFT10、および駆動回路用のN型TFT20の側をレジストマスク403で覆った状態で、約0.1×1013/cm2〜約10×1013/cm2のドーズ量(低濃度)でP型の不純物を導入する。その結果、駆動回路用のP型TFT30の側では、ゲート電極34にセルフアライン的に低濃度ソース領域361および低濃度ドレイン領域371が形成される。
【0060】
次に、レジストマスク403を除去した後、図7(C)に示すように、画素スイッチング用のN型TFT10、および駆動回路用のN型TFT20の側を覆うとともに、ゲート電極34をやや広めに覆うレジストマスク404を形成し、この状態で、約0.1×1015/cm2〜約10×1015/cm2のドーズ量(高濃度)でP型の不純物を導入する。その結果、駆動回路用のP型のTFT30が形成され、このTFT30では、ゲート電極34の端部に対峙する部分に低濃度ソース領域361および低濃度ドレイン領域371を残して、高濃度ソース領域362および高濃度ドレイン領域372が形成されている。
【0061】
次に、レジストマスク404を除去した後、図7(D)に示すように、駆動回路用のP型TFT30の側をレジストマスク405で覆った状態で、約0.1×1013/cm2〜約10×1013/cm2のドーズ量(低濃度)でN型の不純物を導入する。その結果、画素スイッチング用のN型TFT10、および駆動回路用のN型TFT30の側では、走査線91およびゲート電極24にセルフアライン的に低濃度ソース領域161、261および低濃度ドレイン領域171、271が形成される。
【0062】
次に、レジストマスク405を除去した後、図7(E)に示すように、駆動回路用のP型TFT30の側を覆うとともに、走査線91およびゲート電極24をやや広めに覆うレジストマスク406を形成し、この状態で、約0.1×1015/cm2〜約10×1015/cm2のドーズ量(高濃度)でN型の不純物を導入する。その結果、画素スイッチング用のN型TFT10、および駆動回路用のN型TFT20が形成され、これらのTFT10、20では、走査線91およびゲート電極24の端部に対峙する部分に低濃度ソース領域161、261および低濃度ドレイン領域171、271を残して、高濃度ソース領域162、262および高濃度ドレイン領域172、272が形成される。
【0063】
このようにして、画素スイッチング用のN型のTFT10、駆動回路用のN型TFT20および駆動回路用のP型TFT30を形成した後は、レジストマスク406を除去し、しかる後、図3および図4に示すように、酸化シリコン膜やNSG膜(ボロンやリンを含まないシリケートガラス膜)などからなる第1の層間絶縁膜18、コンタクトホール、ソース電極41、43、ドレイン電極11、42、第2の層間絶縁膜19、表面保護膜45、画素電極9および配向膜46を順次、形成する。
【0064】
(本形態の効果)
以上説明したように、本形態のアクティブマトリクス基板2の製造方法では、半導体膜10aを島状にパターニングする際には、半導体膜10aの表面に薄い第1のゲート絶縁膜131を高圧ウェット酸化により形成した後、この第1のゲート絶縁膜131の表面にレジストマスク401を形成して第1のゲート絶縁膜131および半導体膜10aをパターニングする。このため、半導体膜10aの表面は、レジストマスク401、レジストマスク401を除去する際に用いられる硫酸、レジストマスク401を形成するときの前処理に用いられるヘキサメチルジシラザン蒸気、およびゲート絶縁膜13を形成する際に半導体膜10a表面から異物を除去するために用いられる希フッ酸溶液に曝されることがない。従って、半導体膜10aの表面に粗れやカーボン系分子の付着などが発生しないので、半導体膜10aとゲート絶縁膜13との間に清浄な界面を形成することができる。それ故、半導体膜10aとゲート絶縁膜13との界面にトラップなどが発生するのを防止できるので、TFT10、20、30のしきい値電圧が安定するなど、電気的特性が向上する。
【0065】
また、本形態では、第1のゲート絶縁膜131として、膜厚が10nm以下と十分に薄い絶縁膜を形成したため、第1のゲート絶縁膜131と半導体膜10aとを一括してドライエッチングするのが容易である。それ故、パターニング工程を簡略化することができる。
【0066】
さらに、本形態において、半導体膜形成工程では、半導体膜10aをアモルファスシリコン膜として形成し、第1のゲート絶縁膜形成工程を行なう前にアモルファスシリコン膜を結晶化させる結晶化工程(レーザーアニール工程)を行なう。このため、低温プロセスでTFT10、20、30を製造できる。また、ゲート絶縁膜13を形成する前の半導体膜10aにレーザーアニールを行なうので、半導体膜10aは、結晶化する際にゲート絶縁膜13から悪影響を受けないという利点がある。
【0067】
さらにまた、半導体膜形成工程から第1のゲート絶縁膜形成工程までの間、半導体膜10aを処理装置700において非酸化性雰囲気中に保持されるので、半導体膜10aの表面が外気に曝さない。従って、半導体膜10aの成膜後、第1のゲート絶縁膜131が形成されるまでの間に半導体膜10aの表面が汚染されることを防止することができる。
【0068】
(電気光学装置の構成)
このような方法で形成されたアクティブマトリスク基板2を用いて電気光学装置(液晶装置)を構成した例を、図9および図10を参照して説明する。
【0069】
図9および図10はそれぞれ、本形態に係る電気光学装置を対向基板の側からみた平面図、および図9のH−H′線で切断したときの電気光学装置の断面図である。
【0070】
図9および図10において、電気光学装置1は、画素電極9がマトリクス状に形成されたアクティブマトリクス基板2と、対向電極62および遮光膜63が形成された対向基板3と、これらの基板間に封入、挟持されている液晶69とから概略構成されている。アクティブマトリクス基板2と対向基板3とは、対向基板3の外周縁に沿って形成されたギャップ材含有のシール材52によって所定の間隙を介して貼り合わされている。アクティブマトリクス基板2と対向基板3との間には、シール材52によって液晶封入領域66が区画形成され、この液晶封入領域66内に液晶69が封入されている。この液晶封入領域66内において、アクティブマトリクス基板2と対向基板3との間にはスペーサ63が散布されている場合もある。シール材52としては、エポキシ樹脂や各種の紫外線硬化樹脂などを用いることができる。また、シール材52に配合されるギャップ材としては、約2μm〜約10μmの無機あるいは有機質のファイバ若しくは球などが用いられる。
【0071】
対向基板3はアクティブマトリクス基板2よりも小さく、アクティブマトリクス基板2の周辺部分は、対向基板3の外周縁よりはみ出た状態に貼り合わされる。従って、アクティブマトリクス基板2の駆動回路(走査線駆動回路70やデータ線駆動回路60)や入出力端子45は対向基板3から露出した状態にある。ここで、シール材52は部分的に途切れているので、この途切れ部分によって、液晶注入口58が構成されている。このため、対向基板3とアクティブマトリクス基板2とを貼り合わせた後、シール材52の内側領域を減圧状態にすれば、液晶注入口58から液晶69を減圧注入でき、液晶69を封入した後、液晶注入口58を封止剤59で塞げばよい。なお、対向基板3には、シール材52の内側において画像表示領域1aを見切りするための遮光膜54も形成されている。また、対向基板3のコーナー部には、アクティブマトリクス基板2と対向基板3との間で電気的導通をとるための上下導通材56が形成されている。
【0072】
ここで、走査線に供給される走査信号の遅延が問題にならないのならば、走査線駆動回路70は片側だけでも良いことは言うまでもない。また、データ線駆動回路60を画像表示領域1aの辺に沿って両側に配列しても良い。例えば奇数列のデータ線は画像表示領域1aの一方の辺に沿って配設されたデータ線駆動回路から画像信号を供給し、 偶数列のデータ線は画像表示領域1aの反対側の辺に沿って配設されたデータ線駆動回路から画像信号を供給するようにしても良い。このようにデータ線を櫛歯状に駆動するようにすれば、データ線駆動回路60の形成面積を拡張することが出来るため、複雑な回路を構成することが可能となる。
【0073】
また、アクティブマトリクス基板2において、データ線駆動回路60と対向する辺の側では、遮光膜54の下などを利用して、プリチャージ回路や検査回路が設けられることもある。なお、データ線駆動回路60および走査線駆動回路70をアクティブマトリクス基板2の上に形成する代わりに、たとえば、駆動用LSIが実装されたTAB(テープ オートメイテッド、ボンディング)基板をアクティブマトリクス基板2の周辺部に形成された端子群に対して異方性導電膜を介して電気的および機械的に接続するようにしてもよい。また、対向基板3およびアクティブマトリクス基板2の光入射側の面あるいは光出射側には、使用する液晶69の種類、すなわち、TN(ツイステッドネマティック)モード、STN(スーパーTN)モード、D−STN(ダブル−STN)モード等々の動作モードや、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板などが所定の向きに配置される。
【0074】
本形態の電気光学装置1を透過型で構成した場合には、たとえば、投射型電気光学装置(液晶プロジェクタ)に使用することができる。この場合、3枚の電気光学装置1がRGB用のライトバルブとして各々使用され、各電気光学装置1の各々には、RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光が投射光として各々入射されることになる。従って、本形態の電気光学装置1にはカラーフィルタが形成されていない。
【0075】
また、対向基板3において各画素電極9に対向する領域にRGBのカラーフィルタをその保護膜とともに形成することにより、投射型液晶表示以外にも、カラー液晶テレビなどといったカラー電気光学装置を構成することができる。さらにまた、対向基板3に何層もの屈折率の異なる干渉層を積層することにより、光の干渉作用を利用して、RGB色をつくり出すダイクロイックフィルタを形成してもよい。このダイクロイックフィルタ付きの対向基板によれば、より明るいカラー表示を行うことができる。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、半導体膜の表面に薄い第1のゲート絶縁膜を高圧ウェット酸化により形成した後、この第1のゲート絶縁膜の表面にレジストマスクを形成し、このレジストマスクによって第1のゲート絶縁膜および半導体膜をパターニングすることに特徴を有する。
【0077】
従って、本発明によれば、半導体膜の表面は、レジストマスクなどによって汚染されることがないので、半導体膜とゲート絶縁膜との間に清浄な界面を形成することができる。さらに半導体膜の含有する応力も低減される。また、得られるゲート絶縁膜も高性能であることから良質な界面を形成することができる。それ故、半導体膜とゲート絶縁膜との界面にトラップなどが発生するのを防止できるので、TFTの電気的特性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した電気光学装置(液晶装置)において、アクティブマトリクス基板(半導体装置)の画像表示領域にマトリクス状に形成された複数の画素の各種素子、配線等の等価回路である。
【図2】本発明を適用したアクティブマトリクス基板(半導体装置)上に構成される画素スイッチング用のTFTの平面図である。
【図3】図2のA−A′線における断面図である。
【図4】本発明を適用した駆動回路内蔵型のアクティブマトリクス基板(半導体装置)に形成されている各TFTおよび蓄積容量の断面図である。
【図5】図4に示すアクティブマトリクス基板を製造するにあたって、アモルファスの半導体膜の形成、この半導体膜に対するレーザーアニール、および各種絶縁膜の形成を行なうための処理装置の構成図である。
【図6】(A)〜(E)はそれぞれ、図4に示すアクティブマトリクス基板の製造工程のうち、第2のゲート絶縁膜形成工程までを示す工程断面図である。
【図7】(A)〜(E)はそれぞれ、図4に示すアクティブマトリクス基板の製造工程のうち、図6に示す工程以降に行われる各工程を示す工程断面図である。
【図8】本発明を適用したアクティブマトリクス基板の製造方法において、高圧ウエット酸化処理を行い第1のゲート絶縁膜を形成するにあたって、その酸化レートと酸化による半導体膜の減少分を示したグラフである。
【図9】本発明を適用した電気光学装置(液晶装置)を対向基板の側からみた平面図である。
【図10】図9のH−H′線における断面図である。
【図11】(A)〜(E)は、従来のアクティブマトリクス基板の製造方法を示す工程断面図である。
【符号の説明】
1 電気光学装置(液晶装置)
1a 画像表示領域
2 アクティブマトリクス基板(半導体装置)
3 対向基板
9 画素電極
10 画素スイッチング用のN型のTFT
10a 半導体膜
11、42 ドレイン電極
13 ゲート絶縁膜
15、25、35 チャネル領域
16、26、36 ソース領域
17、27、37 ドレイン領域
18、19 層間絶縁膜
20 駆動回路用のN型のTFT
24、34 ゲート電極
30 駆動回路用のP型のTFT
40 蓄積容量
41、43 ソース電極
60 データ側駆動回路
62 対向電極
70 走査側駆動回路
90 データ線
91 走査線
100 基板
101 下地保護膜
131 第1のゲート絶縁膜
132 第2のゲート絶縁膜

Claims (11)

  1. チャネルとなる半導体膜、および該半導体膜にゲート絶縁膜を介して対向するゲート電極を備える薄膜トランジスタを有する半導体装置の製造方法において、
    前記半導体膜を形成する半導体膜形成工程と、前記半導体膜の表面に総厚が20nm以上になるように第1のゲート絶縁膜を形成する工程と、前記第1のゲート絶縁膜の膜厚が、20nm以下となるよう、前記第1のゲート絶縁膜をエッチングする工程と、前記第1のゲート絶縁膜の表面にレジストマスクを形成するマスク形成工程と、前記レジストマスクを介して前記第1のゲート絶縁膜および前記半導体膜をパターニングするパターニング工程と、前記レジストマスクを除去した後、前記第1のゲート絶縁膜の表面に第2のゲート絶縁膜を形成する工程と、前記第2のゲート絶縁膜の表面にゲート電極を形成する工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記第1のゲート絶縁膜を形成する工程では、総厚が10nm以上になるように第1のゲート絶縁膜を形成し、前記第1のゲート絶縁膜をエッチングする工程では、前記第1のゲート絶縁膜の膜厚が、10nm以下となるよう、前記第1のゲート絶縁膜をエッチングすることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記パターニング工程では、前記第1のゲート絶縁膜と前記半導体膜とを一括してエッチングすることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記第1のゲート絶縁膜形成工程では、前記半導体膜の表面を酸化させることにより前記第1のゲート絶縁膜を形成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記第1のゲート絶縁膜形成工程における酸化は、650℃以下の低温と、1MPa以上の高圧の水蒸気雰囲気においてウエット酸化を行うことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記高圧水蒸気雰囲気におけるウェット酸化処理を行う時間は、30分以上、90分以内であることを特徴とする請求項5記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記半導体膜形成工程では、前記半導体膜をアモルファスシリコン膜として形成し、前記第1のゲート絶縁膜形成工程を行なう前に当該アモルファスシリコン膜を結晶化させる結晶化工程を行なうことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記結晶化工程は、前記半導体膜にレーザー光を照射するレーザーアニール工程であることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記レーザーアニール工程は、真空中においてレーザー光を照射することを特徴とする請求項8記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記半導体膜形成工程から前記第1のゲート絶縁膜形成工程までの間、前記半導体膜を非酸化性雰囲気内に保持することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 請求項1ないし10のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法を用いて電気光学装置を製造する方法であって、前記薄膜トランジスタを画素スイッチング用素子として形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
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