JP3831815B2 - 合成樹脂製壜体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、容易に減容化変形可能で、かつ原形に復元して使用できるように構成した合成樹脂製壜体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種の液状内容物の容器として、ブロー成形もしくは2軸延伸ブロー成形手段により成形された合成樹脂製壜体が多用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この合成樹脂製壜体は、軽量であるという利点を有している反面、嵩張って占有スペースが大きいため、容器メーカーで成形されてから商品メーカーに納入され、内容液を充填されるまでの過程において、その保管コストや輸送コストが高くなっており、また、その取り扱いも面倒になっている、と云う問題があった。
【0004】
また、使用後においては、その廃棄処理を容易にするために、通常、手や足で偏平に押し潰して減容化変形させているが、この押し潰しを誰でもが簡単にかつ確実に行なうことができない、と云う問題があった。
【0005】
なお、この廃棄時における壜体の押し潰しを容易にすることを目的とした技術として、実開昭60−75212号公報記載のものがある。
【0006】
該公報記載の合成樹脂製壜体は、胴部の軸対称位置に一対の縦リブを設けると共に、この縦リブに続いて、肩部および胴部下端部に向かう円弧状リブを連設して構成されており、廃棄時には、該リブで囲まれた部分を押圧して陥没変形させることにより、減容化を図るものである。
【0007】
しかしながら、この従来技術にあっては、陥没変形する部分は肩部から胴部下端部までであって、口筒部と底部は原形のままであるため、全体を充分に偏平状に潰れ変形させることができない、と云う問題があり、また、廃棄時の押し潰しを目的としたものであるため、一旦陥没変形した部分を原形に復元させることはほとんど不可能であった。
【0008】
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、合成樹脂製壜体を容易に、かつ充分偏平に、そして復元可能に減容化変形できるようにすることを技術的課題とし、もって成形されてから内容液充填までの過程および廃棄処理過程における取扱いを容易で効率の良いものとし、コストを低減させることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決する本発明の内、請求項1記載の発明の手段は、
口筒部、肩部、胴部および底部の軸対称位置に、縦方向全周に亘って傾斜段状となった反転ラインを形成すること、
この反転ラインを境とした一方側半分を、通常の肉厚を有する半殻部に形成すること、
他方側半分を、半殻部よりもやや小径で、かつ薄肉の弾性反転変形可能な反転部に形成すること、
これにより、反転部全体を、半殻部内に容易に陥没変形可能で、かつ原形に復元可能に構成すること、
にある。
【0010】
容器メーカーで成形された壜体は、反転部を内方へ押圧することにより反転ラインから反転させて、反転部全体を半殻部内に陥没減容化変形させ、以後、この減容化させた状態で取扱い、商品メーカーに納品する。
【0011】
商品メーカーにおいては、陥没変形している反転部を外方へ反転させて、成形時の原形に復元させた後、内容液を充填して商品に供するが、この際、反転部の外方への反転は、空圧で行っても良いし、また直接内容液を注入し、この内容液により行っても良い。
【0012】
壜体の取扱い時には、通常の肉厚の半殻部を把持することにより、壜体を安定的に把持して取り扱うことができ、従来の減容化壜体のように、柔らかくて把持が不安定となることがない。
【0013】
壜体の使用後においては、押し潰し等により、再び反転部を陥没減容化変形させ、廃棄処理を行なう。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に、反転部の肉厚を、半殻部の肉厚の2/3以下に設定した、ことを加えたものである。
【0015】
この請求項2記載の発明にあっては、反転部の弾性反転による陥没減容化変形および原形への復元を、より容易に円滑に達成することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を、図面を参照しながら説明する。
本実施例の壜体は、ポリエチレン樹脂等の比較的軟質な合成樹脂材料のブロー成形等により、その平面形状が、口筒部1を含めて径寸法を少し違えた略半円弧筒体を突き合わせ接続した形状に形成されている。
【0017】
この壜体の軸対称位置である、長軸上に位置する仮想される平面上の位置、すなわち径寸法の異なる略半円弧筒体の突き合わせ部分には、口筒部1、肩部2、胴部3および底部4に亘って、傾斜段状となった反転ライン5が縦方向全周に形成されている。
【0018】
この反転ライン5を境にした一方側(図中、左側)半分は、通常の肉厚に成形された半殻部6に形成されており、また他方側(図中、右側)半分は、全体的に半殻部6よりもやや小径で、かつ半殻部6の肉厚の2/3以下の肉厚の薄壁に成形された弾性反転変形可能な反転部7に形成されている。
【0019】
従って、反転部7は、内方への押圧により弾性反転変形して、その全体が半殻部6内に陥没減容化変形し(図中、二点鎖線参照)、この状態で搬送取扱いまたは廃棄処理され、また、これに反対方向の力を加えて外方へ反転させることにより、容易に原形へ復元させ、収納容器として機能させることができる。
【0020】
なお、一定量の内容液を収納したならば、口筒部1の上端面に、ラミネートシート等の密封シートを溶着固定して、口筒部1を密閉する。
【0021】
【発明の効果】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
容器メーカーで成形された壜体は、反転部を内方へ押圧することにより反転ラインから反転させて、口筒部と底部を含めた反転部全体を半殻部内に陥没減容化変形させることができるので、この充分偏平に減容化変形した状態で取扱うことにより、その占有スペースを大幅に減少させることができ、もって内容液が充填されるまでの過程における保管、輸送等のコストを低減化することができると共に、取扱いを容易に効率良く行なうことができる。
【0022】
また、反転部を原形に復元させて、容器として使用された後の壜体は、再び反転部を陥没変形させることにより、充分偏平に減容化して廃棄処理を行なうことができるので、この使用後の壜体の減容化変形を、誰でも簡単にかつ充分偏平な状態に達成することができると共に、その廃棄処理を容易に効率良く行なうことができる。
【0023】
さらに、半殻部が通常の肉厚を有して把持し易いものとなっているので、壜体の把持による取扱いを安定的に達成することができ、従来からの減容化壜体のように、柔らかくて、把持しての取扱いが不安定となる、と云うことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示す、一部を断面にした側面図。
【図2】図1に示した実施例の、一部を断面にした平面図。
【符号の説明】
1 ; 口筒部
2 ; 肩部
3 ; 胴部
4 ; 底部
5 ; 反転ライン
6 ; 半殻部
7 ; 反転部
Claims (2)
- 口筒部(1) 、肩部(2) 、胴部(3) および底部(4) の軸対称位置に、縦方向全周に亘って傾斜段状となった反転ライン(5) を形成し、該反転ライン(5) を境とした一方側半分を、通常の肉厚の半殻部(6) に成形すると共に、他方側半分を、前記半殻部(6) よりもやや小径で、かつ薄肉の弾性反転変形可能な反転部(7) に形成し、これにより、該反転部(7) 全体を、半殻部(6) 内に容易に陥没変形可能で、かつ原形に復元可能に構成して成る合成樹脂製壜体。
- 反転部(7) の肉厚を、半殻部(6) の肉厚の2/3以下に設定した請求項1記載の合成樹脂製壜体。
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