JP3829530B2 - プリンタ監視機能を備えるコンピュータ装置、コンピュータシステム、プリンタ、それら方法およびコンピュータ読取可能な記録媒体 - Google Patents

プリンタ監視機能を備えるコンピュータ装置、コンピュータシステム、プリンタ、それら方法およびコンピュータ読取可能な記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プリンタの異常を監視する機能を備えるコンピュータに関わる技術であって、特に、その監視の時期を適切な時期に定めた技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プリンタを備えるコンピュータシステムでは、コンピュータ側からプリンタのインク切れや用紙切れ等の異常を知ることができるように、コンピュータにプリンタ異常の監視機能を持たせたものが知られている。こうしたコンピュータは、プリンタ用のモニタプログラムを備えるもので、このモニタプログラムを実行することで、上記プリンタの異常を監視する処理を行なう。なお、このモニタプログラムは、メモリに常駐して使用され、所定時間毎の割り込みにて実行される。このため、プリンタの異常の監視を常時行なうことで、使用者は、印刷時は勿論のこと、印刷を行なう前からプリンタの状態を知ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の技術では、コンピュータが、例えばコンピュータネットワークなどによって多数のコンピュータやプリンタと接続されている場合、コンピュータは、プリンタ異常の通知を頻繁に受けることになる。これら通知の中には、他のコンピュータによって発生したものや、使用する予定の低いプリンタから送られてきたものなど重要性の低いものが含まれる。使用者にとって、こうした通知を頻繁に受けることは紛らわしいものである。この結果、コンピュータの使い勝手が悪いという問題が発生した。
【0004】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、不必要な異常の通知を減らすことで使用者に優れた使い勝手を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
このような課題を解決するため、この発明のプリンタ監視機能を備えるコンピュータ装置は、
プリンタに接続され、印刷すべき内容である印刷データを前記プリンタに出力する印刷処理を含む各種の処理を実行するコンピュータ装置において、
前記プリンタの異常を予め定めた複数の項目に亘って監視する監視手段と、
前記複数の項目の一覧を表示装置に表示するとともに、当該一覧の中からエラー通知を行ないたい項目を、作業者による操作指令に従って選択することにより、前記複数の項目のうちのいずれの項目についてエラー通知を行なうかを設定する通知項目設定手段と、
前記通知項目設定手段によりエラー通知を行なうと設定された項目について、前記監視手段による監視結果に基づいて異常が判定されたとき、エラーメッセージを表示するエラーメッセージ表示手段と
を備えることを特徴としている。
上記構成のプリンタ監視機能を備えるコンピュータ装置において、前記表示装置に表示された所定のアイコンが作業者により指示されたときに、前記監視手段による監視結果から予め定めた所定の情報を抽出して、該抽出された情報を表わすウィンドウを前記表示装置に表示するウィンドウ表示手段を備える構成としてもよい。
また、この発明のプリンタ監視機能を備えるコンピュータ装置において、前記プリンタの異常を監視する監視手段と、前記監視手段による監視を、前記プリンタの稼働状況に基づいて選択的に定めた所定時期に実施させる監視時期制御手段とを備える構成としてもよい。
【0006】
上記構成のプリンタ監視機能を備えるコンピュータ装置では、プリンタの異常の監視は、プリンタの稼働状況に基づいて選択的に定めた所定時期に実施され、常時行なわれるようなことはない。このため、不要な異常の通知を受けることを減少させることができ、使用者にとって使い勝手に優れているという効果を奏する。
【0007】
上記構成のプリンタ監視機能を備えるコンピュータ装置において、前記プリンタへの印刷データの出力を開始するタイミングを第1のタイミングとして検出する第1タイミング検出手段と、前記第1のタイミングの後、前記プリンタが稼働状態となり、その後にアイドル状態に切り替わるタイミングを第2のタイミングとして検出する第2タイミング検出手段とを備え、前記監視時期制御手段は、前記第1のタイミングから第2のタイミングの間を前記監視を実施させる所定時期と定める監視時期決定手段を備える構成とすることができる。
【0008】
この構成によれば、プリンタへの印刷データの出力を開始してからプリンタがアイドル状態に戻るまでの間に、監視が実施される。このため、このコンピュータ装置によって印刷を開始しようとしてから完全にプリンタで印刷が完了するまでの間に、監視が実施されることになるため、他のコンピュータからの指令によって発生する異常や、使用する予定の低いプリンタで発生する異常についての通知を受けることを減少させることができる。したがって、使用者にとってより使い勝手に優れている。
【0009】
上記構成のプリンタ監視機能を備えるコンピュータ装置において、前記プリンタとの接続は、複数のコンピュータ装置が接続可能なコンピュータネットワークを介する接続である構成とすることができる。
【0010】
コンピュータ装置が、コンピュータネットワークを介してプリンタと接続されていることから、プリンタはそのコンピュータ装置以外のコンピュータ装置と接続され得ることになる。この場合、他のコンピュータからの指令によって発生する異常や、使用する予定の低いプリンタで発生する異常についての通知を受ける可能性が高くなるが、この発明のコンピュータ装置によれば、不要な通知を受けることを減少させることができる。
【0011】
上記構成のプリンタ監視機能を備えるコンピュータ装置において、前記異常を監視する複数の項目は、前記プリンタで使用される消耗品が不足したことを少なくとも含む複数の項についてのものとすることができる。
【0012】
この構成によれば、プリンタの消耗品についても不足したことを監視することができる。
【0027】
この発明のプリンタ監視機能を備えるコンピュータ処理方法は、
プリンタに接続されるコンピュータに採用され、印刷すべき内容である印刷データを前記プリンタに出力する印刷処理を少なくとも含む各種処理を実行するコンピュータ処理方法において、
(a)前記プリンタの異常を予め定めた複数の項目に亘って監視する工程と、
(b)前記複数の項目の一覧を表示装置に表示するとともに、当該一覧の中からエラー通知を行ないたい項目を、作業者による操作指令に従って選択することにより、前記複数の項目のうちのいずれの項目についてエラー通知を行なうかを設定する工程と、
(c)前記工程(b)によりエラー通知を行なうと設定された項目について、前記工程(a)による監視結果に基づいて異常が判定されたとき、エラーメッセージを表示する工程と
を備えることを特徴としている。
【0032】
この発明の記録媒体は、
プリンタに接続され、印刷すべき内容である印刷データを前記プリンタに出力する印刷処理を少なくとも含む各種処理を実行するコンピュータ装置に使用されるコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体において、
前記コンピュータプログラムは、
(a)前記プリンタの異常を予め定めた複数の項目に亘って監視する機能と、
(b)前記複数の項目の一覧を表示装置に表示するとともに、当該一覧の中からエラー通知を行ないたい項目を、作業者による操作指令に従って選択することにより、前記複数の項目のうちのいずれの項目についてエラー通知を行なうかを設定する機能と、
(c)前記機能(b)によりエラー通知を行なうと設定された項目について、前記機能(a)による監視結果に基づいて異常が判定されたとき、エラーメッセージを表示する機能と
を前記コンピュータに実現させるためのものであることを特徴としている。
【0036】
【発明の他の態様】
この発明は、以下のような他の態様も含んでいる。その第1の態様は、コンピュータに上記の発明の各工程または各手段の機能を実現させるコンピュータプログラムとしての態様である。第2の態様は、そのコンピュータプログラムを含むことで搬送波内に具現化されたデータ信号としての態様である。第3の態様は、コンピュータプログラムを通信経路を介して供給するプログラム供給装置としての態様である。この第3の態様では、プログラムをネットワーク上のサーバなどに置き、通信経路を介して、必要なプログラムをコンピュータにダウンロードし、これを実行することで、上記の方法や装置を実現することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以上説明したこの発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下この発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1はこの発明の第1実施例を適用するコンピュータシステムのハードウェアの概略構成を示すブロック図である。
【0038】
図1に示すように、この第1実施例のプリンタ監視機能を備えるコンピュータ10には、他のコンピュータ100などや、実質的にコンピュータ機能を有するプリンタ110,120などや、共有データベースを備えたサーバ130などが、ローカルエリアネットワーク(LAN)により構築されたコンピュータネットワーク150を介して接続されている。なお、ネットワーク150は、LANに替えて、インターネットや、イントラネットや、ワイドエリアネットワーク(WAN)など、各種ネットワークに替えることができる。
【0039】
コンピュータ10には、周辺機器としてのCRTディスプレイ12が接続される。コンピュータ10は、コンピュータ本体16とキーボード18とマウス20を備える。なお、このコンピュータ本体16には、フロッピィディスク22の内容を読み取るフロッピィディスクドライブ24が搭載されている。プリンタ110,120は、ドラムにレーザ光を当てて像を作り、トナーで現像して用紙に転写する所謂レーザプリンタである。なお、プリンタ110,120としては、インクジェットプリンタ、熱転写プリンタなど、各種プリンタを適用することができる。
【0040】
コンピュータ本体16は、中央演算処理装置としてのCPU30を中心にバスにより相互に接続されたROM31、RAM32、表示画像メモリ33、マウスインタフェース34、キーボードインタフェース35、FDC36、HDC37、CRTC38、プリンタインタフェース39およびネットワーク制御回路40を備える。
【0041】
ROM31は、内蔵されている各種プログラム等を記憶する読み出し専用のメモリである。RAM32は、各種データ等を記憶する読み出し・書込み可能なメモリである。表示画像メモリ33はCRTディスプレイ12に表示する画像の画像データを記憶するメモリである。マウスインタフェース34は、マウス20とのデータ等のやり取りを司るインタフェースである。キーボードインタフェース35は、キーボード18からのキー入力を司るインタフェースである。FDC36は、フロッピィディスクドライブ(FDD)24を制御するフロッピィディスクコントローラである。HDC37は、ハードディスクドライブ(HDD)41を制御するハードディスクコントローラである。CRTC38は、表示画像メモリ33に記憶される表示画像データに基づいてCRTディスプレイ12における画像の表示を制御するCRTコントローラである。プリンタインタフェース39は、ローカルにて接続されるプリンタへのデータの出力を制御するインタフェースであり、図示の例ではローカルにて接続されるプリンタはないが、適宜必要に応じて設ける構成とすることもできる。ネットワーク制御回路40は、ネットワークカードなどから成り、コンピュータネットワーク150に接続されている。なお、ネットワーク制御回路40は、ネットワーク150が電話線でつないで作るネットワークの場合には、モデムから構成される。
【0042】
このコンピュータシステムでは、オペレーティングシステムはHDD41に記憶されており、コンピュータ本体16に電源を投入すると、HDD41のブートブロックに書き込まれたローダに従ってRAM32の所定の領域にロードされる。また、プリンタ110,120の機種毎に用意されるプリンタドライバは、フロッピィディスク22に予め格納されており、所定のインストールプログラムを起動することで、フロッピィディスクドライブ24からコンピュータ本体16にインストールされる。このインストールされたプリンタドライバは、HDD41に記憶されており、コンピュータ本体16に電源を投入したときに、オペレーティングシステムに組み込まれ、RAM32の所定の領域にロードされる。
【0043】
以上説明したハードウェア構成を有するコンピュータシステムによる各種の処理の様子について次に説明する。図2は、コンピュータ本体16が扱う画像情報から印刷が行なわれるまでの処理の様子と、プリンタの異常を監視する処理の様子を示すブロック図である。図示するように、コンピュータ本体16の内部で動作しているアプリケーションプログラム51により、画像の処理を行いつつビデオドライバ52を介してCRTディスプレイ12に画像を表示している。また、このアプリケーションプログラム51が、印刷発令を発行すると、コンピュータ本体16内のプリンタドライバ53が、画像情報をアプリケーションプログラム51から受け取り、これをプリンタが印刷可能な信号に変換している。
【0044】
図2に示した例では、プリンタドライバ53の内部には、アプリケーションプログラム51が扱っている画像情報をドット単位の色情報に変換するラスタライザ54、ドット単位の色情報に変換された画像情報(階調データ)に対してプリンタ110の発色の特性に応じた色補正を行なう色補正モジュール55、色補正された後の画像情報からドット単位でのインクの有無によりある面積での濃度を表現するいわゆるハーフトーンの画像情報を生成するハーフトーンモジュール56が備えられている。
【0045】
また、プリンタドライバ53の内部には、プリンタ110による印刷のための各種情報を設定する情報設定モジュール57が備えられている。印刷のための各種情報としては、印刷品質、色補正、ハーフトーンの種類等の印刷の基本設定に関するもの、用紙のサイズ、印刷方向等の用紙設定に関するもの等がある。なお、情報設定モジュール57で設定された色補正の情報は、色補正モジュール55に送られ、ハーフトーンの種類の情報は、ハーフトーンモジュール56に送られる。情報設定モジュール57は、ビデオドライバ52を介してCRTディスプレイ12に設定の内容を示す画像を表示している。
【0046】
コンピュータ本体16の内部には、さらに、プリンタの異常を監視するモニタプログラム58(この発明の監視手段、監視時期制御手段に対応する)が備えられている。異常を監視する項目としては、印刷用紙のサイズが印刷可能範囲を超える「印刷用紙サイズチェック」、データ通信に関わる「通信エラー」、トナー残量が所定量以下となる「トナー残量少」、印刷用紙が所定量以下となる「用紙残量少」等がある。一方、プリンタドライバ53の情報設定モジュール57の内部には、モニタ設定モジュール59が設けられている。モニタ設定モジュール59は、モニタプログラム58で監視するプリンタを選択するとともに、上述した複数の異常監視の項目のうちのいずれの項目について通知するかを選択するものであり、これら選択結果の情報をモニタプログラム58に送る。
【0047】
プリンタ110,120は、プリンタの状態を各種センサから検出する機能を備えており、モニタプログラム58は、モニタ設定モジュール59により選択されたプリンタ(例えばプリンタ110)に対して、上記プリンタの状態についての情報(以下、プリンタ状態情報と呼ぶ)を要求して、そのプリンタ状態情報をステータス信号の形でプリンタ110から受け取る。そして、そのプリンタ状態情報から、上記選択された通知の項目について異常か否かを判定し、異常と判定された項目については、ビデオドライバ52を介してCRTディスプレイ12にエラーメッセージを表示する。
【0048】
ここでは、モニタプログラム58とモニタ設定モジュール59を除いた各モジュールの動作は、周知のものなので、説明は原則として省略し、モニタプログラム58およびモニタ設定モジュール59について、以下に詳細に説明する。
【0049】
なお、このモニタプログラム58は、プリンタドライバ53と同様に、フロッピィディスク22に予め格納されており、所定のインストールプログラムを起動することで、フロッピィディスクドライブ24からコンピュータ本体16にインストールされる。このインストールされたプリンタドライバは、HDD41に記憶されており、コンピュータ本体16に電源を投入したときに、オペレーティングシステムに組み込まれ、RAM32の所定の領域にロードされる。なお、プリンタドライバ53のソフトウェアプログラムやこのモニタプログラム58は、フロッピィディスク22に格納されたものに替えて、CD−ROM、光磁気ディスク、ICカード等の他の携帯型記録媒体(可搬型記録媒体)に格納された構成としてもよい。また、これらプログラムは、外部のネットワークに接続される特定のサーバ48から、ネットワークを介して提供されるプログラムデータをダウンロードして、RAM32またはHDD41に転送することにより得るようにすることもできる。
【0050】
プリンタドライバ53は、その設定を変えることにより、プリンタ110による印刷を種々コントロールすることができるが、ユーザは、そうした設定を予め行なっておく必要がある。こうした印刷のための各種情報を設定する作業を実行するのが情報設定モジュール57である。ここでは、この情報設定モジュール57の動作によりユーザはどのような操作を行なうかを先に説明する。なお、この説明に当たり、このプリンタドライバ53が動作するオペレーティングシステムとして、Windows95(マイクロソフト社の商標)を例にとって説明する。また、プリンタ14の名称は「PM−00」であるものとして説明する。
【0051】
ユーザは、まずコンピュータ10を次のように操作して、印刷のための各種情報を設定するダイアログボックスを開く。すなわち、[スタート]→[設定]→[プリンタ]の操作を行なうことで、「プリンタ」ウィンドウを開く。次いで、そのウィンドウ上の目的のプリンタ、ここでは「PM−00」のアイコンをダブル・クリックして、そのプリンタについてのウィンドウを開く。その後、そのウィンドウから[プリンタ]→[プロパティ]の操作を行なって、そのプリンタについての各種情報を設定するダイアログボックスを表示させる。
【0052】
図3は、そのダイアログボックスDB1を例示する説明図である。図示するように、ダイアログボックスDB1には、「基本設定」、「レイアウト」、「環境設定」、「ユーティリティ」の4種類のカードCD1,CD2,CD3,CD4が用意されている。「基本設定」のカードCD1は、印刷品質に関わる基本的な情報、例えば、「用紙種類」、「インク」、「印刷品質」、「ハーフトーン」等の情報を設定するためのものである。「レイアウト」のカードCD2は、用紙についてのレイアウト情報を設定するためのものである。「環境設定」のカードCD3は、印刷に関わる環境情報を設定するためのものである。「ユーティリティ」のカードCD4は、その他有用な情報を設定するためのものである。
【0053】
これらカードCD1〜CD4の内のいずれかが、作業者によって、マウス20を操作することにより選択されて、ダイアログボックスDB1に表示される。図3には、「ユーティリティ」のカードCD4が表示された状態が例示されている。なお、カードCD1〜CD4の内容の組み分けは、上記例に限る訳ではなく、1枚のカードで全ての内容を含む構成としてもよく、あるいは、より細かく分けて4枚以上のカードに分ける構成としてもよい。
【0054】
図示するように、「ユーティリティ」のカードCD4には、プリンタドライバの現在の設定の内容のうちのいくつかの情報を表示する2つのデータ表示欄ds1,ds2が設けられている。第1のデータ表示欄ds1は、「レイアウト」についての情報をイラスト表示しており、第2のデータ表示欄ds2は、「基本設定」についての情報を表示している。また、「ユーティリティ」のカードCD4には、上述したモニタプログラムによるプリンタの監視を行なうか否かを設定するチェックボックスcb1と、用紙残量やエラー情報等のプリンタの状態を表示するプリンタウィンドウを起動するスイッチとしてのアイコンicと、前述したモニタ設定モジュール59を起動するスイッチとしてのボタンbtとが設けられている。
【0055】
アイコンicがマウス20によりクリックされると、このプリンタドライバによって指定されるプリンタに対して、プリンタ状態情報を要求して、その送られきたプリンタ状態情報から予め定めた所定の情報を抽出して、それら抽出された情報を「プリンタウィンドウ」と呼ばれるウィンドウに表示する。図4は、プリンタウィンドウの一例を示す説明図である。図示するように、プリンタウィンドウPWには、用紙残量を示す進捗メータmt1、トナー残量を示す進捗メータmt2等が表示されている。
【0056】
図3に戻り、ボタンbtがマウス20によりクリックされると、「モニタの設定」のダイアログボックスが表示される。図5は、「モニタの設定」のダイアログボックスDB2を例示する説明図である。図示するように、このダイアログボックスDB2には、「エラー表示の選択」と「アイコン設定」についてのデータ入力欄ip1,ip2が設けられている。
【0057】
「エラー表示の選択」のデータ入力欄ip1は、プリンタについての複数の異常監視の項目からエラー表示したい項目を選択するものである。詳細には、前述した「用紙サイズチェック」、「通信エラー」、「トナー残量少」、「用紙残量少」等の選択肢esが縦方向に配列されており、それら選択肢esの前に設けられたチェックボックスcb2をクリックすることによりその選択がなされる。
【0058】
「アイコン設定」のデータ入力欄E12は、この発明と直接関係しないことから詳しい説明を省略するが、要は、前述したプリンタウィンドウを起動しうるスイッチとしての呼び出しアイコンをウィンドウズ画面のタスクバーに登録するためのものである。
【0059】
なお、「ユーティリティ」のカードCD4に設けたチェックボックスcb1と、「モニタの設定」のダイアログボックスDB2の「エラー表示の選択」のデータ入力欄ip1に設けた各チェックボックスcb2は、デフォルトとして、チェック済みの状態となっている。
【0060】
上述したCRTディスプレイ12への画面表示は、プリンタドライバ53の情報設定モジュール57にて実現される。特に、図5に示した「モニタの設定」のダイアログボックスDB2の画面表示は、情報設定モジュール57内のモニタ設定モジュール59にて実現される。ここでは、情報設定モジュールの処理ルーチンのうちの「ユーティリティ」のカードCD4に対応したユーティリティモードの処理ルーチンについて説明する。
【0061】
図6は、ユーティリティモードの処理ルーチンを示すフローチャートである。図示するように、CPU30は、処理が開始されると、「ユーティリティ」のカードCD4を示す画像データをCRTディスプレイ12に表示するカード表示の処理ルーチンを実行する(ステップS100)。その後、そのCRTディスプレイ12の表示画面を見た作業者によるキーボード18およびマウス20を用いたデータ入力の操作を受けて、「モニタの設定」のダイアログボックスDB2からのデータを含む各種データを入力し(ステップS110)その入力された各種データを、プリンタモニタ用情報ファイルFLの形でRAM32上の所定の位置に記憶する(ステップS120)。
【0062】
図7は、プリンタモニタ用情報ファイルFLのデータ構造を示す説明図である。図示するように、プリンタモニタ用情報ファイルFLは、モニタ要否ビットを格納する第1フィールドfd1と、エラー表示選択用ビット列を格納する第2フィールドfd2とを格納する。第1フィールドfd1に格納されるモニタ要否ビットは、「ユーティリティ」のカードCD4に設けられた、プリンタをモニタするか否かを設定するチェックボックスcb1の内容を示すもので、チェックボックスcb1がチェックされているときには値1が、チェックボックスcb1がチェックされていないときには値0がセットされている。
【0063】
第2フィールドfd2に格納されるエラー表示選択用ビット列は、「モニタの設定」のダイアログボックスDB2の「エラー表示の選択」のデータ入力欄ip1に設けられた各チェックボックスcb2の内容を示すもので、各項目毎に、チェックボックスcb2がチェックされているときには値1が、チェックボックスcb2がチェックされていないときには値0がセットされている。
【0064】
こうしてデータの記憶の作業を終了すると、作業者による図3の表示画面中の「OK」のボタンのクリック操作を待って「リターン」に抜けて処理を終了する。
【0065】
次に、モニタプログラム58に関わる処理ルーチンについて説明する。図8は、コンピュータ本体16のCPU30で実行される割込み処理ルーチンを示すフローチャートである。この割込み処理ルーチンは、コンピュータ本体16の電源投入時から、所定時間、例えば0.5[sec] 毎に起動される。
【0066】
図示するように、処理が開始されると、CPU30は、まず、プリンタモニタ用情報ファイルFLの第1フィールドfd1に格納されるモニタ要否ビットが値1であるか否かを判別することにより、「プリンタをモニタする」チェックボックスcb1がチェックされているか否かを判別する(ステップS200)。ここで、モニタ要否ビットが値0である、即ち、チェックボックスcb1がチェックされていないと判別されると、プリンタの異常を監視するモニタ処理は不要であるとして、「リターン」に抜けてこの処理ルーチンを一旦終了する。
【0067】
一方、ステップS200で、モニタ要否ビットが値1である、即ち、チェックボックスcb1がチェックされていると判別されると、以下の処理を実行する。CPU30は、まず、印刷先のプリンタを特定する処理を行なう(ステップS210)。具体的には、印刷中には、印刷発令を発行したアプリケーションプログラム51により指示されたプリンタ名からその印刷先のプリンタを特定し、一方、印刷中でないときには、OSであるWindows95の「プリンタ」ウィンドウによって「通常使うプリンタに設定」と指示のあるプリンタを、印刷先のプリンタと特定する。
【0068】
次いで、CPU30は、印刷先のプリンタに対して印刷データの出力を開始するタイミングt1となったか否かを判別し、ここで、肯定判別されたときには、モニタ起動フラグFに値1をセットする(ステップS230)。このモニタ起動フラグFは、後述するモニタ処理を起動するスイッチの役目をするものである。ステップS230の実行後、「リターン」に抜けてこの処理ルーチンを一旦終了する。
【0069】
一方、ステップS220で、否定判別されると、モニタ起動フラグFが値1となっているか否かを判別する(ステップS240)。ここで、否定判別されたときには、印刷データの出力を開始する上記タイミングt1に未だ至っていないとして、「リターン」に抜けてこの処理ルーチンを一旦終了する。
【0070】
ステップS240で肯定判別されたときには、上記タイミングt1を経過したとして、その後、ステップS210で特定された印刷先のプリンタからプリンタがアイドル状態にあることを示すレディ信号を受け取ったか否かを判別する(ステップS250)。ここで言うレディ信号とは、前述したプリンタ状態情報を示すステータス信号と別個の信号であってもよいし、ステータス信号に含まれるアイドル状態にある旨を示す信号成分であってもよい。
【0071】
ステップS250で否定判別されたときには、CPU30は、印刷データの出力を開始したタイミングt1となった後、未だレディ信号を受けていないことから、印刷先のプリンタは稼働中であるとして、そのまま「リターン」に抜けてこの処理ルーチンを一旦終了する。
【0072】
一方、ステップS250で肯定判別されたときには、印刷データの出力を開始したタイミングt1となった後に、プリンタが稼働状態となり、その後にアイドル状態に切り替わったとして、ステップS260に処理を進めて、モニタ起動フラグFを値0にリセットする。ステップS260の実行後、「リターン」に抜けてこの処理ルーチンを一旦終了する。
【0073】
なお、ステップS250のレディ信号を受け取ったか否かの判別は、印刷データの出力を開始したタイミングt1直後であれば、印刷先のプリンタの時間遅れ(つまり、印刷データを受け取ってから稼働中である旨の信号を返送するまでの時間遅れ)によっては、印刷先のプリンタは稼働状態となる前に、レディ信号があったと肯定判別される可能性がある。このため、ステップS250では、上記タイミングt1から上記遅れ時間経過後であるかの判定とのアンド条件によって、レディ信号を受け取ったかの判別を行なうこともできる。
【0074】
図9は、CPU30で実行されるモニタ処理ルーチンの詳細を示すフローチャートである。このモニタ処理ルーチンは、コンピュータ本体16の電源投入時から、所定時間、例えば0.5[sec] 毎に起動される。
【0075】
図示するように、処理が開始されると、CPU30は、まず、上記割込み処理ルーチンでセットされるモニタ起動フラグFが値1であるか否かを判別し(ステップS300)、ここで肯定判別されたときには、以下の処理を実行する。なお、ステップS300で否定判別されたときには、「リターン」に抜けてこの処理ルーチンを一旦終了する。
【0076】
CPU30は、まず、ステップS210で特定された印刷先のプリンタに対して、プリンタ状態情報を要求して(ステップS310)、そのプリンタ状態情報をステータス信号の形でプリンタ14から受け取る(ステップS320)。その後、CPU30は、そのプリンタ状態情報に基づいて、「モニタの設定」のダイアログボックスDB2の「エラー表示の選択」のデータ入力欄ip1によって選択されたエラー表示する項目について順に異常を判定する処理を行なう(ステップS330)。
【0077】
次いで、ステップS300による判定で異常があったか否かを判別し(ステップS340)、ここで異常ありと判別されたときには、エラーメッセージを示すウィンドウを、CRTディスプレイ12に表示する処理を行なう(ステップS350)。図10は、エラーメッセージを示すウィンドウWDの一例を示す説明図である。図示するように、ウィンドウWDには、異常と判定された項目について、どういった項目が異常であり、その異常を改善するにはどうしたらいいかを示すエラーメッセージmsが表示される。
【0078】
なお、図示の例は、「トナー残量少」の監視項目だけが異常となった場合のエラー表示であるが、複数の監視項目について異常となった場合には、それら全ての監視項目についてエラーメッセージが羅列される。なお、それら全ての監視項目についてエラーメッセージが羅列される構成に替えて、各監視項目に優先順位をつけて優先順位の最も高い監視項目についてのエラーメッセージだけを表示する構成とすることもできる。
【0079】
図9に戻り、ステップS350の実行後、「リターン」に抜けてこの処理ルーチンを一旦終了する。一方、ステップS340で異常がないと判別されたときには、ステップS350によるエラーメッセージのウィンドウWDの表示を行なうことなく、この処理ルーチンを一旦終了する。
【0080】
かかる構成の割込処理ルーチンおよびモニタ処理ルーチンによれば、印刷データの出力を開始したタイミングt1から、印刷先のプリンタからレディ信号を受け取るタイミングt2までの期間に、プリンタの異常を監視するモニタ処理が実行され、この期間以外にはモニタ処理は実行されない。
【0081】
図11は、この第1実施例の動作を示すタイミングチャートである。図示するように、このタイミングチャートには、複数のコンピュータ10,100で印刷処理されるジョブと、印刷先のプリンタ110での稼働状態と、コンピュータ10,100でのモニタ処理の各期間がそれぞれ示されている。いま、コンピュータ10で第1の文書を印刷するジョブAが実行され、上述したモニタ処理を実行するコンピュータ100(コンピュータ100についても上述したコンピュータ10と同じ機能を備えるものとする)で第2の文書を印刷するジョブBが実行されているものとする。なお、双方のジョブA,Bとも、同一のプリンタ110への印刷処理であり、ジョブAとジョブBとは時間的に一部重なって実行されているものとする。
【0082】
この場合に、プリンタ110では、ジョブAの開始点、即ち、印刷データの出力を開始するタイミングt1から稼働し始めて所定時間taの経過後、そのジョブAの印刷処理Paを終了する。その後、所定の微小時間を置いて、続くジョブBの印刷処理Pbを実行する。一方、コンピュータ10では、ジョブAの開始点であるタイミングt1からモニタ処理Maを実行開始し、その後、印刷処理Paの終了点、即ち、レディ信号を受け取るタイミングt2でモニタ処理Maの実行を終了する。また、コンピュータ100では、ジョブBの開始点であるタイミングt1′からモニタ処理Mbを実行開始し、その後、印刷処理Paの終了点、即ち、レディ信号を受け取るタイミングt2′でモニタ処理Mbの実行を終了する。
【0083】
このタイミングチャートからも判るように、コンピュータ10,100では、印刷のジョブを開始してから完全にプリンタで印刷が完了するまでの期間、モニタ処理が実行され、他の期間にはモニタ処理は実行されることはない。このため、自身のコンピュータでない他のコンピュータからの指令によって発生する異常や、使用する予定の低いプリンタで発生する異常についての通知を受けることを減少させることができる。したがって、使用者にとって使い勝手に優れているという効果を奏する。
【0084】
なお、図11のタイミングチャートにおいて、モニタ処理Mbは、ジョブBの実際の印刷処理Pbよりも以前から実行開始されることになるが、このモニタ開始から実際の印刷処理Pbが開始されるまでの期間tbにおいても監視が行なわれることから、印刷前のプリンタ110の異常を監視することが可能となる。このため、異常の監視の信頼性に優れている。
【0085】
なお、コンピュータ装置が、コンピュータネットワークを介してプリンタと接続されている場合、他のコンピュータからの指令によって発生する異常や、使用する予定の低いプリンタで発生する異常についての通知を受ける可能性が高くなるが、この実施例のコンピュータ10によれば、上記のようにその種の通知を受けることを減少させることができる。なお、この実施例では、異常を監視する項目として、トナー残量少、用紙残量少等の消耗品が不足したことを含む複数の項目が該当するが、かかる構成により、プリンタの消耗品を含む各種の異常を監視することができる。
【0086】
次に、この発明の第2実施例について説明する。この第2実施例は、第1実施例と比較して、同一のハードウェアの構成を備え、相違する点は、コンピュータからプリンタに送られる印刷データのデータ構造と、プリンタおよびコンピュータで実行されるソフトウェアの内容である。
【0087】
図12はこの発明の第2実施例を適用するコンピュータシステムのハードウェアの概略構成を示すブロック図である。図示するように、このコンピュータシステムは、第1実施例と同様に、コンピュータ10、100とプリンタ110X、120とサーバ130が、コンピュータネットワーク150を介して接続されている。
【0088】
プリンタ110Xは、第1実施例のプリンタ110と比較して、ソフトウェアの内容が相違し、ハードウェアについては同一の構成を備える。プリンタ110Xのプリンタ制御回路400は、中央演算処理装置としてのCPU410を中心にバスにより相互に接続されたROM411、RAM412、出力インタフェース413、ネットワーク制御回路414を備える。CPU410は、本発明の主要部として機能する第1タイミング検出部410a、第2タイミング検出部410bおよび通知部410cを備える。
【0089】
出力インタフェース413は、印刷を制御する制御データを印刷機構420へ出力するインターフェースである。ネットワーク制御回路414は、コンピュータネットワーク150に接続されている。
【0090】
図13は、コンピュータ10(110)からプリンタ110Xに送られる印刷データのデータ構造を示す説明図である。印刷データPRDは、コンピュータ10側で一の文書を印刷するジョブを複数実行することにより生成されたもので、図13に示すように、一ジョブに対応したジョブデータJdが複数備えられている。1つのジョブデータjdは、そのジョブのサイズ(データ量)を示す「ジョブサイズ」のデータJd1と、ジョブのデータ本体部Jd2とから構成される。そのジョブのデータ本体部Jd2は、そのジョブを構成するページに対応したページデータPdを複数備えたものである。1つのページデータPdは、そのページのサイズ(データ量)を示す「ページサイズ」のデータPd1と、1ページ分の印刷データPd2とから構成される。
【0091】
次に、プリンタ110Xおよびコンピュータ10側で実行される各種処理について説明する。図14は、プリンタ110XのCPU410で実行される印刷制御処理ルーチンを示すフローチャートである。図示するように、CPU410は、処理が開始されるとコンピュータ10から前述した印刷データPRDを受信する処理を行なう(ステップS500)。次いで、CPU410は、その印刷データPRDに基づいて印刷を制御する制御データを生成し、その制御データを印刷機構420へ出力する印刷処理を実行する(ステップS510)。その後、印刷データPRDの送り元であるコンピュータ10に、プリンタ状態情報を示すステータス信号を送信する(ステップS520)。このプリンタ状態情報は、プリンタに設けられた各種センサから検出されたもので第1実施例と同じ項目についての情報である。
【0092】
その後、CPU410は、ステップS510の印刷処理において、印刷データPRDのうちの1ジョブ分が終了したか否かを判別する(ステップS530)。ここで、1ジョブ分が未だ終了していないと判別されると、ステップS510に処理を戻して、印刷を継続する。一方、ステップS530で、1ジョブの印刷が終了したと判別されると、ステップS540に処理を進めて、ステータス信号の送信を一旦中断する(ステップS540)。その後、CPU410は、印刷データPRDのうちに未だ印刷されていない次のジョブがあるか否かを判別し(ステップS550)、次のジョブがあると判別されると、ステップS510に処理を戻して、次のジョブの印刷処理を行なう。
【0093】
一方、ステップS550で、次のジョブはないと判別されると、印刷データPRDの印刷は完了したとして、この印刷制御処理ルーチンを終了する。
【0094】
図15は、コンピュータ10のCPU30で実行される割込み処理ルーチンを示すフローチャートである。この割込み処理ルーチンは、コンピュータ本体16の電源投入時から、所定時間、例えば0.5[sec] 毎に起動される。
【0095】
図示するように、処理が開始されると、CPU30は、まず、第1実施例のステップS200と同様に、「プリンタをモニタする」チェックボックスcb1がチェックされているか否かを判別する(ステップS600)。ここで、チェックボックスcb1がチェックされていないと判別されると、プリンタの異常を監視するモニタ処理は不要であるとして、「リターン」に抜けてこの処理ルーチンを一旦終了する。
【0096】
一方、ステップS600で、チェックボックスcb1がチェックされていると判別されると、以下の処理を実行する。CPU30は、まず、第1実施例のステップS210と同様に、印刷先のプリンタを特定する処理を行なう(ステップS610)。次いで、CPU30は、その特定した印刷先のプリンタからステータス信号が送られてきたか否かを判別し(ステップS620)、ここで、肯定判別されたときには、モニタ起動フラグFに値1をセットする(ステップS630)。このモニタ起動フラグFは、第1実施例と同様に、モニタ処理を起動するスイッチの役目をするものである。ステップS630の実行後、「リターン」に抜けてこの処理ルーチンを一旦終了する。
【0097】
一方、ステップS620で、否定判別されると、モニタ起動フラグFを値0にリセットして(ステップS640)、「リターン」に抜けてこの処理ルーチンを一旦終了する。
【0098】
なお、このコンピュータ10のCPU30では、第1実施例と同一のモニタ処理ルーチンが所定時間毎に実行される。
【0099】
以上のように構成されたこの第2実施例のコンピュータシステムによれば、プリンタ110Xにおいて印刷が開始されてから一ジョブの印刷が終了するまでの期間に、コンピュータ10においてプリンタの異常を監視するモニタ処理が実行され、この期間以外にはモニタ処理は実行されない。このため、コンピュータ10は、自身が発令した一ジョブがプリンタで実際に印刷されるその期間だけ、プリンタの異常を監視することができる。したがって、他のコンピュータからの指令によって発生する異常や、使用する予定の低いプリンタで発生する異常についての通知を受けることを減少させることができる。したがって、使用者にとって使い勝手に優れているという効果を奏する。
【0100】
また、この実施例では、プリンタは、印刷開始から終了までの期間を知らせるために、ステータス信号をその期間に送信するように構成されている。このために、上記期間とともに、プリンタの状態を示す情報をコンピュータに知らせることができ、構成が簡単にすむという効果を奏する。
【0101】
なお、上記第1および第2実施例では、監視手段は、プリンタ14からプリンタの状態を示す情報を受け取り、その情報から上記選択された通知の項目について異常か否かを判定し、異常と判定された項目についてエラーメッセージを表示する構成であったが、これに替えて次のような構成とすることもできる。それは、プリンタ14側で、プリンタの状態を検出して、そのプリンタの状態から異常であるか否かの判定を行なうまでを実行する構成とし、コンピュータ10側に設けられる監視手段は、上記異常と判定された項目の情報をプリンタ14から受け取り、その情報をエラーメッセージとして表示するだけの構成である。この構成によっても、コンピュータ側からプリンタの異常を検出することができる。
【0102】
また、プリンタの異常監視の時期を、前記第1実施例では、印刷データの出力を開始したタイミングt1から、印刷先のプリンタからレディ信号を受け取るタイミングt2までの期間とし、前記第2実施例では、プリンタにおいて印刷が開始されてから、一ジョブの印刷が終了するまでの期間としたが、これらに替えて、コンピュータが印刷データの出力を開始したタイミングから、プリンタにおいて一ジョブの印刷が終了するまでの期間、あるいは、プリンタにおいて印刷が開始されてから、コンピュータが印刷先のプリンタからレディ信号を受け取るタイミングまでの期間等、プリンタの稼働状況に基づいて選択的に定めた他の所定時期とすることもできる。
【0103】
以上、本発明の実施例を詳述してきたが、本発明は、こうした実施例に何等限定されるものではなく、例えば、この実施例のように、プリンタの異常の監視結果をCRTディスプレイ12に表示する構成に替えて、音や音声による警告等、聴覚的に報知する構成等、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様にて実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を適用するコンピュータシステムのハードウェアの概略構成を示すブロック図である。
【図2】コンピュータ本体16が扱う画像情報から印刷が行なわれるまでの処理の様子と、プリンタの異常を監視する処理の様子を示すブロック図である。
【図3】CRTディスプレイ12に表示されるプリンタについての各種情報を設定するダイアログボックスDB1を例示する説明図である。
【図4】プリンタウィンドウPWの一例を示す説明図である。
【図5】「モニタの設定」のダイアログボックスDB2を例示する説明図である。
【図6】コンピュータ本体16のCPU30にて実行されるユーティリティモードの処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】プリンタモニタ用情報ファイルFLのデータ構造を示す説明図である。
【図8】コンピュータ本体16のCPU30で実行される割込み処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図9】同じくCPU30で実行されるモニタ処理ルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【図10】エラーメッセージを示すウィンドウWDの一例を示す説明図である。
【図11】この第1実施例の動作を示すタイミングチャートである。
【図12】この発明の第2実施例を適用するコンピュータシステムのハードウェアの概略構成を示すブロック図である。
【図13】コンピュータからプリンタに送られる印刷データPRDのデータ構造を示す説明図である。
【図14】プリンタ110XのCPU410で実行される印刷制御処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図15】コンピュータ10のCPU30で実行される割込み処理ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…コンピュータ
12…CRTディスプレイ
14…プリンタ
16…コンピュータ本体
18…キーボード
20…マウス
22…フロッピィディスク
24…フロッピィディスクドライブ
30…CPU
31…ROM
32…RAM
33…表示画像メモリ
34…マウスインタフェース
35…キーボードインタフェース
36…FDC
37…HDC
38…CRTC
39…プリンタインタフェース
40…ネットワーク制御回路
41…HDD
48…サーバ
51…アプリケーションプログラム
52…ビデオドライバ
53…プリンタドライバ
54…ラスタライザ
55…色補正モジュール
56…ハーフトーンモジュール
57…情報設定モジュール
58…モニタプログラム
59…モニタ設定モジュール
100…コンピュータ
110,120…プリンタ
110X…プリンタ
130…サーバ
150…コンピュータネットワーク
400…プリンタ制御回路
410…CPU
411…ROM
412…RAM
413…出力インタフェース
414…ネットワーク制御回路
420…印刷機構

Claims (10)

  1. プリンタに接続され、印刷すべき内容である印刷データを前記プリンタに出力する印刷処理を含む各種の処理を実行するコンピュータ装置において、
    前記プリンタの異常を予め定めた複数の項目に亘って監視する監視手段と、
    前記複数の項目の一覧を表示装置に表示するとともに、当該一覧の中からエラー通知を行ないたい項目を、作業者による操作指令に従って選択することにより、前記複数の項目のうちのいずれの項目についてエラー通知を行なうかを設定する通知項目設定手段と、
    前記通知項目設定手段によりエラー通知を行なうと設定された項目について、前記監視手段による監視結果に基づいて異常が判定されたとき、エラーメッセージを表示するエラーメッセージ表示手段と
    を備えることを特徴とするプリンタ監視機能を備えるコンピュータ装置。
  2. 請求項1に記載のプリンタ監視機能を備えるコンピュータ装置であって、
    前記表示装置に表示された所定のアイコンが作業者により指示されたときに、前記監視手段による監視結果から予め定めた所定の情報を抽出して、該抽出された情報を表わすウィンドウを前記表示装置に表示するウィンドウ表示手段
    を備えるプリンタ監視機能を備えるコンピュータ装置。
  3. 前記プリンタとの接続は、複数のコンピュータ装置が接続可能なコンピュータネットワークを介する接続である請求項1または2に記載のプリンタ監視機能を備えるコンピュータ装置。
  4. 前記異常を監視する複数の項目は、前記プリンタで使用される消耗品が不足したことを少なくとも含む複数の項目である請求項1ないしのいずれかに記載のプリンタ監視機能を備えるコンピュータ装置
  5. プリンタに接続されるコンピュータに採用され、印刷すべき内容である印刷データを前記プリンタに出力する印刷処理を少なくとも含む各種処理を実行するコンピュータ処理方法において、
    (a)前記プリンタの異常を予め定めた複数の項目に亘って監視する工程と、
    (b)前記複数の項目の一覧を表示装置に表示するとともに、当該一覧の中からエラー通知を行ないたい項目を、作業者による操作指令に従って選択することにより、前記複数の項目のうちのいずれの項目についてエラー通知を行なうかを設定する工程と、
    (c)前記工程(b)によりエラー通知を行なうと設定された項目について、前記工程(a)による監視結果に基づいて異常が判定されたとき、エラーメッセージを表示する工程と
    を備えることを特徴とするプリンタ監視機能を備えるコンピュータ処理方法。
  6. 請求項に記載のプリンタ監視機能を備えるコンピュータ処理方法であって、
    (d)前記表示装置に表示された所定のアイコンが作業者により指示されたときに、前記監視手段による監視結果から予め定めた所定の情報を抽出して、該抽出された情報を表わすウィンドウを前記表示装置に表示する工程
    を備えるプリンタ監視機能を備えるコンピュータ処理方法。
  7. 前記異常を監視する複数の項目は、前記プリンタで使用される消耗品が不足したことを少なくとも含む複数の項目である請求項5または6に記載のコンピュータ処理方法。
  8. プリンタに接続され、印刷すべき内容である印刷データを前記プリンタに出力する印刷処理を少なくとも含む各種処理を実行するコンピュータ装置に使用されるコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体において、
    前記コンピュータプログラムは、
    (a)前記プリンタの異常を予め定めた複数の項目に亘って監視する機能と、
    (b)前記複数の項目の一覧を表示装置に表示するとともに、当該一覧の中からエラー通知を行ないたい項目を、作業者による操作指令に従って選択することにより、前記複数の項目のうちのいずれの項目についてエラー通知を行なうかを設定する機能と、
    (c)前記機能(b)によりエラー通知を行なうと設定された項目について、前記機能(a)による監視結果に基づいて異常が判定されたとき、エラーメッセージを表示する機能と
    を前記コンピュータに実現させるためのものであることを特徴とするコンピュータ読取可能な記録媒体。
  9. 請求項に記載のコンピュータ読取可能な記録媒体であって、
    前記コンピュータプログラムは、
    (d)前記表示装置に表示された所定のアイコンが作業者により指示されたときに、前記監視手段による監視結果から予め定めた所定の情報を抽出して、該抽出された情報を表わすウィンドウを前記表示装置に表示する機能
    さらに前記コンピュータに実現させるためのものであるコンピュータ読取可能な記録媒体。
  10. 前記異常を監視する複数の項目は、前記プリンタで使用される消耗品が不足したことを少なくとも含む複数の項目であるコンピュータプログラムを記録した請求項8または9に記載のコンピュータ読取可能な記録媒体。
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