JP3829443B2 - 洗濯機のハンガー装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、風呂水吸水ホース、小物器具等を引掛け収納する洗濯機のハンガー装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のハンガー装置を具備した洗濯機は、図6に示すように構成していた。以下、その構成について説明する。
【0003】
図6に示すように、外枠1の上部に化粧箱2を固着し、この化粧箱2には前面側から操作部3、蓋4を設け、後方に風呂水給水ポンプ5と給水弁6を収納している。化粧箱2の両側面に穴7を形設している。ハンガー8は、洗濯機の周辺器具として、風呂水吸水ポンプ5に接続して風呂水を洗濯機に吸水する風呂水吸水ホース9、機体または専用設置パンの洗浄用具(ブラシ、スポンジ)等を引掛け収納しておくもので、合成樹脂で形成している。
【0004】
このハンガー8は、図7に示すように構成しており、ハンガー本体8aに上方に略L字状に開放して設けた引掛部8bと、引掛部8bの反対面のハンガー本体8aに下方に開放して設けた保持部8cとで構成している。化粧箱2の両側面に形設した穴7は枠部2aとリブ2bとで構成している。
【0005】
上記構成において作用を説明すると、ハンガー8の保持部8cの先端を穴7に挿入し、鉛直下方に押し込んで保持部8cとハンガー本体8aとでリブ2bを挟持することによりハンガー8を保持する。通常、ブラシ、スポンジ等は引掛部8bに引掛け、風呂水吸水ホース9は束にして引掛部8bとハンガー本体8aとの間に挟持して収納される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の構成では、ハンガー本体8aに引掛部8b、保持部8cなどを一体成形しているので、保持部8cとハンガー本体8aは抜き勾配を有し、リブ2bとはほぼ保持部8cの根元だけで嵌合している。ここで、嵌合力Aは、風呂水吸水ホース9のようなかさばるものでは、引掛部8bとハンガー本体8aとの間に収納し、保持している収納保持力Bより小さくなってしまい(A<B)、風呂水吸水ホース9を取り出すとき、リブ2bから保持部8cが外れ、ハンガー8が風呂水吸水ホース9にくっついたままとれてしまい、機体より容易に外れてしまう不具合があった。
【0007】
特に、洗濯機の設置場所はスペースが狭いところがあり、ハンガー8が脱落して機体と壁の間の狭い隙間に落ち込むと、重量のある機体を移動させないと拾うことができず、容易にハンガー8を機体に再装着できないという問題を有していた。
【0008】
本発明は上記課題を解決するもので、ハンガーの機体からの脱落を防止することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、ハンガー本体に上方に略L字状に開放した引掛部を設けるとともに下方に開放した保持部を設け、保持部の上端面より係止部を上方へ延設し、ハンガー本体は、保持部とハンガー本体とで洗濯機機体に設けられた穴の下方を構成するリブを挟持することにより洗濯機機体に装着され、係止部は、ハンガー本体が洗濯機機体に装着されているとき洗濯機機体に設けられた穴の上方を構成する枠部の下面に当接しないように設けられ、ハンガー本体に下方向から上方向への力が加えられたとき、係止部の上端面が枠部の下面に当接することによりハンガー本体が洗濯機機体から脱落するのを防止するようにしたものである。
【0010】
これにより、風呂水吸水ホースのようなかさばる器具であっても、係止部により係止可能とすることで、ハンガーが機体から脱落するのを防止できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、ハンガー本体に上方に略L字状に開放して設けた引掛部と、前記ハンガー本体に下方に開放して設けた保持部と、前記保持部の上端面より上方へ延設した係止部とを備え、前記ハンガー本体は、前記保持部と前記ハンガー本体とで洗濯機機体に設けられた穴の下方を構成するリブを挟持することにより前記洗濯機機体に装着され、前記係止部は、前記ハンガー本体が前記洗濯機機体に装着されているとき前記洗濯機機体に設けられた穴の上方を構成する枠部の下面に当接しないように設けられ、前記ハンガー本体に下方向から上方向への力が加えられたとき、前記係止部の上端面が前記枠部の下面に当接することにより前記ハンガー本体が前記洗濯機機体から脱落するのを防止するようにしたものであり、風呂水吸水ホースのようなかさばる器具がハンガーに引掛け収納してあっても、収納状態から器具を持ち上げて取り外す際に、係止部により係止可能とすることで、ハンガーが機体から脱落するのを防止できる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、係止部は、上端面より延設した凸部を有し、前記凸部は、前記ハンガー本体が前記洗濯機機体に装着されているとき前記洗濯機機体の外郭に当接するようにしたものであり、ハンガーは凸部が機体嵌合時に機体の外郭と当接し、段差部の高さ分が機体の嵌合穴に嵌合するため、機体装着時の一定にクリック感を得ることができ、ハンガーの機体との不完全嵌合を防止できる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。なお、従来例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を省略する。
【0014】
(実施例1)
図1および図2に示すように、ハンガー10は、洗濯機等の周辺器具として風呂水吸水ポンプ5に接続して風呂水を洗濯機に吸水する風呂水吸水ホース9、機体または専用設置パンの洗浄用具(ブラシ、スポンジ)等を引掛け収納しておくもので、合成樹脂で形成し、ハンガー本体10aに上方に略L字状に開放して引掛部10bを設けるとともに、引掛部10bの反対側の面に下方に開放して略コ字状に保持部10cを設け、長さS=6〜10mm程度としている。
【0015】
さらに、保持部10cの直上端面より係止部10dを延設し、幅は10〜12mmとしている。ここで、嵌合時は穴11と係止部10dとの隙間T=0.5〜1mm程度(横方向片側)、隙間U=0.5〜1.5mm程度(上方向)、穴11と係止部10dとのオーバーラップ代V=0.5〜1.5mm程度を確保している。化粧箱(機体)2の両側面には穴11を形設していて、この穴11は枠部2aとリブ2bから構成されている。ここで穴11は幅は12〜14mmとしている。
【0016】
上記構成において作用を説明すると、保持部10c先端を穴11に挿入し、鉛直下方に押し込んで保持部10cとハンガー本体10aでリブ2bを挟持(リブ2b先端で0.3〜0.5mm程度)することにより、ハンガー10を保持力Aで保持している。通常、ブラシ、スポンジ等は引掛部10bに紐等で引掛け、風呂水吸水ホース9等のかさばるものは束にして引掛部10bとハンガー本体10aとの間に収納し、収納保持力Bで保持する。
【0017】
収納状態から風呂水吸水ホース9等のかさばるものを取り外して使用する際に、ハンガー10の保持力Aより風呂水吸水ホース9等の収納保持力Bが大きい時(A<B)や、特に外力が下方から上方に衝撃的に引掛部10bに加わわったとしても、嵌合している引掛部10bの長さS=6〜10mm程度に対して隙間U=0.5〜1.5mm程度(上下方向)で、かつ穴11と係止部10dのオーバーラップ代がV=0.5〜1.5mm程度のため、ハンガー10は上下方向に隙間U=0.5〜1.5mm程度分、横方向には隙間T=0.5〜1mm程度(片側)分だけがたつくだけで、係止部10dが枠部2aに先当たりして係止し、ハンガー10が機体からの脱落を防止することができる。
【0018】
このように、一度ハンガー10を機体に装着すると、収納しているもののかさにかかわらず、ハンガー10の使用時の途中脱落を防止することができ、ハンガー10に不意の力が加わわった時でも脱落を防止できる。
【0019】
(実施例2)
図3から図5に示すように、ハンガー12は、合成樹脂で形成し、ハンガー本体12aに上方に略L字状に開放して引掛部12bを設けるとともに、引掛部12bの反対側の面に下方に開放して略コ字状に保持部12cを設け、長さR=6〜10mm程度としている。
【0020】
凸部12eは、保持部12cの直上端面より上方に延設している。段差部12fは、凸部12e上にあって凸部12eと同様に、保持部12cの直上端面より延設され、係止部を形成するもので、0.5〜1.5mmの高さを有し、長さ14〜15mmで、幅10〜12mmとしている。凸部12eの外周から上方向、横方向共に1〜2.5mm程度の距離を有している。
【0021】
ここで、嵌合時は穴11と凸部12eは上方向、横方向に0.5〜1mm程度当接するとともに、穴11と段差部12fの外周との隙間W=0.5〜1mm程度(横方向片側)、穴11と段差部12fとの隙間P=0.5〜1.5mm程度(上方向)、穴11と段差部12fのオーバーラップ代が段差部12fの高さ分のQ=0.5〜1.5mm程度を確保している。
【0022】
上記構成において作用を説明すると、保持部10cの先端を穴11に挿入し、鉛直下方に押し込むと、嵌合直前に段差部12fが化粧箱2の外郭と当接している状態から段差部12fが開放されて穴11と嵌合対応すると同時に、今度は、凸部12eの面が化粧箱2の外郭と瞬間的に当接するため、クリック感を得ることができ、不完全嵌合を防止できる。
【0023】
また、機体本体の移動等で一度装着したハンガー12を外す必要がある場合、穴11と段差部12fのオーバーラップ代がQ=0.5〜1.5mm程度で一定に確保できるため、それ以上深く凸部12eが穴11に入り込んでしまうことなく、外す際には外力による引掛部12bの変形に影響することなく、凸部12eの先端を穴11と反対方向(引掛部12b方向)に若干たわませるだけで、容易に外すことができる。
【0024】
このように、ハンガー12を機体に装着する際の不完全嵌合を防止することができ、必要な時にはハンガー12を容易に機体から取り外すことができる。
【0025】
なお、本実施例では、ハンガー本体12aに凸部12eを延設しているが、凸部12eの長さ分だけハンガー本体12aを上方に延設し、段差部12fをハンガー本体12a上に設けても同様の効果を得られることはいうまでもない。
【0026】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、ハンガー本体に上方に略L字状に開放した引掛部を設けるとともに下方に開放した保持部を設け、保持部の上端面より係止部を上方へ延設し、ハンガー本体は、保持部とハンガー本体とで洗濯機機体に設けられた穴の下方を構成するリブを挟持することにより洗濯機機体に装着され、係止部は、ハンガー本体が洗濯機機体に装着されているとき洗濯機機体に設けられた穴の上方を構成する枠部の下面に当接しないように設けられ、ハンガー本体に下方向から上方向への力が加えられたとき、係止部の上端面が枠部の下面に当接することによりハンガー本体が洗濯機機体から脱落するのを防止するようにしたから、風呂水吸水ホースのようなかさばる器具がハンガーに引掛け収納してあっても、収納状態から器具を持ち上げて取り外す際に、係止部により係止可能とすることで、ハンガーが機体から脱落するのを防止できる。
【0027】
また、請求項2に記載の発明によれば、係止部は、上端面より延設した凸部を有し、前記凸部は、前記ハンガー本体が前記洗濯機機体に装着されているとき前記洗濯機機体の外郭に当接するようにしたから、ハンガーは凸部が機体の外郭と当接し、段差部の高さ分が機体の嵌合穴に嵌合するため、機体装着時の一定にクリック感を得ることができ、ハンガーの機体との不完全嵌合を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例の洗濯機等のハンガー装置の要部断面図
【図2】 同洗濯機等のハンガー装置を備えた洗濯機の斜視図
【図3】 本発明の第2の実施例の洗濯機等のハンガー装置の要部断面図
【図4】 同洗濯機等のハンガー装置を備えた洗濯機の斜視図
【図5】 同洗濯機等のハンガー装置の要部正面図
【図6】 従来の洗濯機等のハンガー装置を備えた洗濯機の斜視図
【図7】 同洗濯機等のハンガー装置の要部断面図
【符号の説明】
2 化粧箱(機体)
10a ハンガー本体
10b 引掛部
10c 保持部
10d 係止部
Claims (2)
- ハンガー本体に上方に略L字状に開放して設けた引掛部と、前記ハンガー本体に下方に開放して設けた保持部と、前記保持部の上端面より上方へ延設した係止部とを備え、前記ハンガー本体は、前記保持部と前記ハンガー本体とで洗濯機機体に設けられた穴の下方を構成するリブを挟持することにより前記洗濯機機体に装着され、前記係止部は、前記ハンガー本体が前記洗濯機機体に装着されているとき前記洗濯機機体に設けられた穴の上方を構成する枠部の下面に当接しないように設けられ、前記ハンガー本体に下方向から上方向への力が加えられたとき、前記係止部の上端面が前記枠部の下面に当接することにより前記ハンガー本体が前記洗濯機機体から脱落するのを防止するようにした洗濯機のハンガー装置。
- 係止部は、上端面より延設した凸部を有し、前記凸部は、前記ハンガー本体が前記洗濯機機体に装着されているとき前記洗濯機機体の外郭に当接するようにした請求項1記載の洗濯機のハンガー装置。
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