JP3829061B2 - 細小部材補強土、その製造方法、及び補強土工法 - Google Patents

細小部材補強土、その製造方法、及び補強土工法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、土に水又は泥液を添加して混練し流動性を付与したもの(以下、「含水流動性土」という。)に自硬性の硬化材と短繊維状又は短小細帯状の細小部材を添加・混練して流動性及び自硬性を持たせ硬化後の強度を高めた細小部材補強土、その製造方法、及びこの細小部材補強土を用いて施工を行う補強土工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、建設現場における地盤掘削等によって発生する建設発生土や建設泥水等の流動性を高めた状態で、セメント等の硬化材あるいは適当な混和材を混合して処理し、処理した土(以下、「改良土」という。)を再利用する化学的土質改良工法が知られている。
【0003】
上記のようにして化学的に処理された改良土は、強度が小さい土粒子どうしが硬化材等によって結合され、全体としての強度が向上している。このため、ある程度以上の応力を受ける場所等の埋め戻し材料や、裏込め材料、充填材料等として用いることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の化学的土質改良工法では、改良土の圧縮強度は、処理前の土に比べて大幅に増加するが、せん断強度や引張強度の増加は微小である。このため、このような材料を、曲げや引張りの作用する箇所や構造体に使用すると、強度が小さい曲げや引張りによって破壊しやすい。
【0005】
この問題を解決する対策としては、硬化材の添加量を増加させることが考えられるが、硬化材は一般に高価であり、硬化材量を増加させると、コストが増大する、という問題があった。
【0006】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、本発明の解決しようとする課題は、強度が高くコストの低廉な改良土を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る細小部材補強土は、土に水又は泥液を添加し混練して生成した流動性を有する含水流動性土に、水の添加により流動化した後に硬化して強度を発現する自硬性の硬化材を第1添加量だけ添加するとともに、シート状素材又はフィルム状素材又は織布状素材又は不織布状素材又は編物状素材若しくは繊維集成材の単体、又は前記単体と合成樹脂材料あるいはゴム系材料との複合加工品が、切断加工又は破砕加工され、幅が0.5mm〜50mm、長さが5mm〜100mmの範囲内の寸法で、前記幅に対する前記長さの比が2.0以上である短小細帯状の細小部材を第2添加量だけ添加して混練して生成し流動性及び前記自硬性を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2に係る細小部材補強土は、請求項1記載の細小部材補強土において、前記細小部材の第2添加量は、前記含水流動性土の単位体積当り、5〜200(kg/m 3 )の範囲内の適宜の値であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3に係る細小部材補強土は、請求項1記載の細小部材補強土において、前記細小部材の材料は、引張強度が、硬化後の細小部材補強土の一軸圧縮強度の1/10以上の値のものであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4に係る細小部材補強土は、請求項1記載の細小部材補強土において、前記細小部材の材料は、天然繊維材料、合成繊維材料、ガラス繊維材料、炭素繊維材料、合成樹脂材料、ゴム系材料、金属材料、セラミックス材料、パルプ材料が単体又は適宜の複合材料として用いられることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項5に係る細小部材補強土は、請求項1記載の細小部材補強土において、前記細小部材は、表面の一部又は全体に、凹凸状又は粗面若しくは不連続状の部分が設けられ、付着強度が高められていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項6に係る細小部材補強土は、請求項1記載の細小部材補強土において、前記細小部材は、廃棄物が再処理加工されて用いられることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項7に係る細小部材補強土は、請求項1記載の細小部材補強土において、前記硬化材は、セメント又は酸化カルシウム又は水酸化カルシウム若しくは硫酸カルシウムを含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項8に係る細小部材補強土は、請求項1記載の細小部材補強土において、前記硬化材の第1添加量は、前記含水流動性土の単位体積当り、50(kg/m 3 )〜700(kg/m 3 )の範囲内の適宜の値であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項9に係る細小部材補強土の製造方法は、土に水又は泥液を添加し混練して生成した流動性を有する含水流動性土に、水の添加により流動化した後に硬化して強度を発現する自硬性の硬化材を第1添加量だけ添加するとともに、シート状素材又はフィルム状素材又は織布状素材又は不織布状素材又は編物状素材若しくは繊維集成材の単体、又は前記単体と合成樹脂材料あるいはゴム系材料との複合加工品が、切断加工又は破砕加工され、幅が0.5mm〜50mm、長さが5mm〜100mmの範囲内の寸法で、前記幅に対する前記長さの比が2.0以上である短小細帯状の細小部材を第2添加量だけ添加して混練し流動性及び前記自硬性を有する細小部材補強土を生成することを特徴とする
【0016】
また、本発明の請求項10に係る補強土工法は、土に水又は泥液を添加し混練して生成した流動性を有する含水流動性土に、水の添加により流動化した後に硬化して強度を発現する自硬性の硬化材を第1添加量だけ添加するとともに、シート状素材又はフィルム状素材又は織布状素材又は不織布状素材又は編物状素材若しくは繊維集成材の単体、又は前記単体と合成樹脂材料あるいはゴム系材料との複合加工品が、切断加工又は破砕加工され、幅が0.5mm〜50mm、長さが5mm〜100mmの範囲内の寸法で、前記幅に対する前記長さの比が2.0以上である短小細帯状の細小部材を第2添加量だけ添加して混練し流動性及び前記自硬性を有する細小部材補強土を生成し、前記細小部材補強土を地盤の適宜箇所に充填した後に硬化させることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項11に係る補強土工法は、土に水又は泥液を添加し混練して生成した流動性を有する含水流動性土に、水の添加により流動化した後に硬化して強度を発現する自硬性の硬化材を第1添加量だけ添加するとともに、シート状素材又はフィルム状素材又は織布状素材又は不織布状素材又は編物状素材若しくは繊維集成材の単体、又は前記単体と合成樹脂材料あるいはゴム系材料との複合加工品が、切断加工又は破砕加工され、幅が0.5mm〜50mm、長さが5mm〜100mmの範囲内の寸法で、前記幅に対する前記長さの比が2.0以上である短小細帯状の細小部材を第2添加量だけ添加して混練し流動性及び前記自硬性を有する細小部材補強土を生成し、前記細小部材補強土を地盤の適宜箇所に充填した後、硬化後に構造部材として利用することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態である補強土工法を説明する図である。図1に示すように、この補強土工法では、建設現場における地盤掘削等によって発生する建設発生土102を、トラック等の土運搬車101により細小部材補強土製造装置103に運搬し投入する。
【0022】
細小部材補強土製造装置103は、建設発生土102に水を添加して混練し、流動性を有する土(以下、「含水流動性土」という。)を生成し、硬化材と細小部材を添加して混練し、細小部材補強土66を生成する。硬化材は、流動状態の後に硬化して強度を発現する性質(以下、「自硬性」という。)を有する材料である。また、細小部材は、短繊維状又は短小細帯状の部材である。これにより、生成された細小部材補強土66は、流動性と自硬性を有している。
【0023】
細小部材補強土製造装置103により生成された細小部材補強土66は、回転ドラム等を装備するアジテーター車に積み込まれ、流動状態を保持したまま所定の現場まで運搬される。現場に到着した細小部材補強土66は、圧送ポンプ装置105により、地盤の適宜箇所に圧送されて充填される。その後、流動体状の細小部材補強土66は、硬化し、強度を発現する。
【0024】
次に、上記した細小部材補強土製造装置103の構成について説明する。図2は、図1における細小部材補強土製造装置の構成を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態の細小部材補強土製造装置103は、含水流動性土調製部1と、硬化材調製部2と、混練ミキサー3と、計測・制御部4と、細小部材調製部5を備えて構成されている。
【0025】
含水流動性土調製部1は、土貯留容器11と、搬送装置12と、貯水槽13と、ポンプ14と、混練ミキサー15と、ポンプ16と、計量槽19を有している。また、硬化材調製部2は、硬化材貯留容器21と、搬送装置22と、計量容器23と、開閉バルブ24を有している。
【0026】
また、図3は、図2における細小部材調製部の構成を示すブロック図である。図3に示すように、細小部材調製部5は、細小部材貯留容器51と、搬送装置52と、計量容器53と、開閉バルブ54を有している。
【0027】
また、計測・制御部4は、制御装置41と、質量測定装置42、43、44、46、47及び49と、制御回線48と、体積測定装置45を有している。
【0028】
以下に、上記した各機器・装置等のさらに詳細な構成と、その作用を詳細に説明する。
【0029】
土貯留容器11は、土木・建築作業等の建設現場、あるいは農業土木工事の現場等から地盤掘削等により発生した土、あるいは土採取場等から採取した土などを収容する容器である。この土には、水分含有量が少なくほぼ固体状となっている通常の土のほか、当初から相当量の水を含有し軟弱となっている土や、泥状となっている土、若しくはヘドロ状の土も含まれる。
【0030】
この土貯留容器11には、質量測定装置42が設けられている。質量測定装置42は、例えば、圧力センサー(図示せず)を有しており、土の質量(重量)によって土貯留容器11に発生する圧力を検出し、この検出圧力に基いて、土貯留容器11内に収容されている土の質量を算出する。圧力センサーとしては、ストレインゲージ(ロードセル)、圧電素子、ダイアフラム、ブルドン管、ベローズ等の公知の力検出器が用いられる。質量測定装置42が検出した土貯留容器11内の土の質量データは、有線又は無線の回線(図示せず)を介して制御装置41に出力される。
【0031】
制御装置41は、図示してはいないが、コントローラと、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)や液晶表示器等を含む表示装置、キーボードやスイッチ等の入力装置、出力端子等の出力装置、ハードディスクや光ディスク記録再生装置等の外部記憶装置を有している。コントローラは、コンピュータにより構成されており、例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit :中央演算処理装置)と、図示しないROM(Read Only Memory:読出し専用メモリ)と、図示しないRAM(Random Access Memory:随時書込み読出しメモリ)等を有している。
【0032】
このうち、CPUは、ROMやRAM等を統括し、各種演算やプログラム実行等の処理を実行する部分である。ROMは、CPUの実行するプログラムや予め設定された情報等を格納した記憶装置である。RAMは、CPUにより演算された中間結果データ等を一時記憶する記憶装置である。このような構成により、CPUは、ROMに格納された演算プログラムを読み出し、ROMやRAM又は外部から与えられるデータ値に基づいて前記演算プログラムを実行して演算結果を得た後、この演算結果をRAMに一次記憶させ、外部に出力したり、RAMの一次記憶値に基づき、さらに他の演算プログラムを実行する。
【0033】
上記の土貯留容器11には、搬送装置12が接続している。搬送装置12は、例えばベルトコンベア(図示せず)を有しており、土貯留容器11から土61を取り出して搬送し混練ミキサー15へ供給する。
【0034】
貯水槽13は、水道等から供給される水を収容する水密性を有する容器である。この貯水槽13には、質量測定装置43が設けられている。質量測定装置43は、上記した質量測定装置42と同様の構成を有している。質量測定装置43が検出した貯水槽13内の水の質量(重量)データは、有線又は無線の回線(図示せず)を介して制御装置41に出力される。
【0035】
貯水槽13には、配管を介してポンプ14が接続している。ポンプ14は、貯水槽13から水62を汲み上げ、配管を介して圧送し混練ミキサー15へ供給する。
【0036】
混練ミキサー15は、容器の内部に、回転する羽根や螺旋状突起部等が設けられており、供給された土61と水62を十分均一になるように混合し練り混ぜる装置である。内部の羽根等は、電動モータ等の回転駆動源によって回転駆動される。混練ミキサー15により、土61には水62が添加されるとともに十分混練されるため、流動性を有するようになる。以下、この状態の土61と水62の混練物を含水流動性土という。
【0037】
この混練ミキサー15には、質量測定装置44が設けられている。質量測定装置44は、上記した質量測定装置42と同様の構成を有している。質量測定装置44が検出した混練ミキサー15内の含水流動性土の質量(重量)データは、有線又は無線の回線(図示せず)を介して制御装置41に出力される。
【0038】
混練ミキサー15には、配管を介してポンプ16が接続している。ポンプ16は、混練ミキサー15内の含水流動性土63を汲み上げ、配管を介して圧送し含水流動性土貯留槽17内に収容する。
【0039】
含水流動性土貯留槽17は、混練ミキサー15から送られてきた含水流動性土63を一時的に収容するための水密性を有する容器である。この含水流動性土貯留槽17には、配管を介してポンプ18が接続している。ポンプ18は、含水流動性土貯留槽17内の含水流動性土を汲み上げ、配管を介して圧送し計量槽19へ供給する。
【0040】
計量槽19は、含水流動性土貯留槽17から供給される含水流動性土63を計量するための水密性を有する容器である。この計量槽19の内部の寸法はあらかじめ計測されており、内部の含水流動性土の表面の位置を計測することにより、計量槽19内に収容された含水流動性土63の体積が算出できるようになっている。このため、計量槽19の例えば上方には、体積測定装置45が設けられている。体積測定装置45は、例えば、表面位置検出センサー(図示せず)を有しており、含水流動性土の表面位置を計測し、この距離に基いて、計量槽19内に収容されている含水流動性土の体積を算出する。表面位置検出センサーとしては、レーザー光線を利用した距離測定センサー等の公知の位置検出器が用いられる。体積測定装置45が検出した計量槽19内の含水流動性土の体積データは、有線又は無線の回線(図示せず)を介して制御装置41に出力される。
【0041】
また、計量槽19には、質量測定装置46が設けられている。質量測定装置46は、上記した質量測定装置42と同様の構成を有している。質量測定装置46が検出した計量槽19内の含水流動性土の質量(重量)データは、有線又は無線の回線(図示せず)を介して制御装置41に出力される。
【0042】
計量槽19には、配管を介して混練ミキサー3が接続している。この配管には、開閉弁(図示せず)が配置されており、この開閉弁は、有線又は無線の回線(図示せず)を介して制御装置41に接続され、その開閉が制御されるようになっている。これにより、計量槽19内の含水流動性土63の計量が終了した後は、制御装置41のCPU(図示せず)が開閉弁(図示せず)に開放指令信号を送って開放させ、含水流動性土63は、配管を通って混練ミキサー3に供給される。
【0043】
また、硬化材調製部2の硬化材貯留容器21は、硬化材64を収容する容器である。硬化材64には、セメント系硬化材と、石灰系硬化材がある。セメント系硬化材は、セメントを母材とし、各種の機能を発揮させるための機能成分を混入させて生成される。セメントとしては、ポルトランドセメント等が用いられる。また、混入される機能成分としては、硬化時に水を結合水として取り込むエトリンガイトの生成を補助する石膏、ポゾラン反応を促進するためのスラグやフライアッシュ、硬化材の硬化性能を向上させるアルミナセメントやジェットセメント、成分を調整して焼成したクリンカー等が使用される。
【0044】
また、石灰系硬化材は、石灰を母材とし、各種の機能を発揮させるための機能成分を混入させて生成される。石灰としては、生石灰(酸化カルシウム)でもよいし、消石灰(水酸化カルシウム)でもよく、これらの適宜の混合物でもよい。
【0045】
また、石こう系硬化材は、石こうを母材とし、各種の機能を発揮させるための機能成分を混入させて生成される。石こうとしては、硫酸カルシウム(CaSO4・nH2O)が用いられる。ここに、nは0,1/2,2のいずれかの値をとる。
【0046】
上記の硬化材貯留容器21には、搬送装置22が接続している。搬送装置22は、例えばベルトコンベアやスクリューコンベア(図示せず)を有しており、硬化材貯留容器21から硬化材64を取り出して搬送し計量容器23へ供給する。
【0047】
計量容器23には、質量測定装置47が設けられている。質量測定装置47は、上記した質量測定装置42と同様の構成を有している。質量測定装置47が検出した計量容器23内の硬化材64の質量(重量)データは、有線又は無線の回線(図示せず)を介して制御装置41に出力される。
【0048】
計量容器23には、直接に、あるいは配管を介して開閉バルブ24が接続している。この開閉バルブ24は、有線又は無線の制御回線48を介して制御装置41に接続され、その開閉が制御されるようになっている。開閉バルブ24を通過した硬化材64は、配管を通って混練ミキサー3に供給される。
【0049】
また、細小部材調製部5の細小部材貯留容器51は、細小部材65を収容する容器である。細小部材65は、短繊維状又は短小細帯状の部材であり、その詳細については後述する。
【0050】
上記の細小部材貯留容器51には、搬送装置52が接続している。搬送装置52は、例えばベルトコンベアやスクリューコンベア(図示せず)を有しており、細小部材貯留容器51から細小部材65を取り出して搬送し計量容器53へ供給する。
【0051】
計量容器53には、質量測定装置49が設けられている。質量測定装置49は、上記した質量測定装置42と同様の構成を有している。質量測定装置49が検出した計量容器53内の細小部材65の質量(重量)データは、有線又は無線の回線(図示せず)を介して制御装置41に出力される。
【0052】
計量容器53には、直接に、あるいは配管を介して開閉バルブ54が接続している。この開閉バルブ54は、有線又は無線の制御回線48を介して制御装置41に接続され、その開閉が制御されるようになっている。開閉バルブ54を通過した細小部材65は、配管を通って混練ミキサー3に供給される。
【0053】
混練ミキサー3は、混練ミキサー15と同様の構成を有しており、供給された含水流動性土63と硬化材64と細小部材65を十分均一になるように混合し練り混ぜる装置である。混練ミキサー3により、含水流動性土63には硬化材64と細小部材65が添加されるとともに十分混練される。この結果、混練ミキサー3により生成された混練物66は、所定時間が経過した後に硬化して強度を発現する性質(自硬性)を有するようになる。以下、この状態の含水流動性土63と硬化材64と細小部材65の混練物66を細小部材補強土という。
【0054】
上記した本実施形態の装置103では、混練ミキサー3において含水流動性土63に添加すべき硬化材64の質量(第1添加量)と細小部材65の質量(第2添加量)を制御装置41で決定し、開閉バルブ24と開閉バルブ54を制御し、適正質量の硬化材64と細小部材65を混練ミキサー3に供給する。以下、その方法について説明する。
【0055】
本実施形態の細小部材補強土製造装置103においては、制御装置41のコンピュータのROM(図示せず)に、所定の第1関数データが格納されている。この第1関数は、含水流動性土63の密度又は比重(g/cm3)と、含水流動性土63にさらに硬化材を添加した後の土のフロー値(mm)の関係を示している。
【0056】
フロー値とは、流動体の柔らかさ、流動し易さ等(コンシステンシー)を示す指標値である。流動体のフロー値の試験方法としては、一般的には、「日本道路公団規格(JHS)」のA313−1992に規定されている「エアモルタル及びエアミルクの試験方法」の「1.2 シリンダー法」が準用されている。
【0057】
本実施形態の細小部材補強土製造装置103においては、制御装置41のコンピュータのROM(図示せず)に、上記の第1関数データが格納されている。したがって、まず、試験工事等により、建設現場等における埋め戻し作業等に必要なフロー値(以下、「目標フロー値」という。)Fを決定する。この目標フロー値Fを、この装置103の操作者が、制御装置41の入力装置(図示せず)から入力すれば、制御装置41のコンピュータのCPU(図示せず)が、ROM内の関数により、含水流動性土の密度の目標値(以下、「目標含水流動性土密度」という。)γを算出する。
【0058】
したがって、図1の装置103において、所定の細小部材補強土66を製造するためには、まず、混練ミキサー15によって生成される含水流動性土63の密度が、上記の目標含水流動性土密度γの値からはずれないように制御する必要がある。このため、制御装置41のコンピュータのCPUは、計量槽19に設けられた質量測定装置46及び体積測定装置45からおくられてくる含水流動性土63の質量Wと体積Vから密度を算出し、この値を監視する。
【0059】
そして、監視している含水流動性土63の密度が、γの値の上下に設定された所定の許容値のうち上限許容値を上まわって大きくなった場合(含水流動性土63が固くなりすぎた場合)には、制御装置41のコンピュータのCPUは、制御回線(図示せず)を介して混練ミキサー15に土を供給する搬送装置12に停止指令信号を送って停止させる。一方、監視している含水流動性土63の密度が、γの値の上下に設定された所定の許容値のうち下限許容値を下まわって小さくなった場合(含水流動性土63が液状になりすぎた場合)には、制御装置41のコンピュータのCPUは、制御回線(図示せず)を介して混練ミキサー15に水を供給するポンプ14に停止指令信号を送って停止させる。このようにして、制御装置41のコンピュータのCPUは、含水流動性土63の密度が、γを中心とした上下の所定許容値の範囲内に収まるように制御する。
【0060】
この場合、制御装置41のコンピュータのCPUは、土貯留容器11の質量測定装置42から送られてくる土の質量データ、貯水槽13の質量測定装置43から送られてくる水の質量データ、混練ミキサー15の質量測定装置44から送られてくる混練中の含水流動性土の質量データも監視し、混練ミキサー15で混練中の含水流動性土の密度の予測を行うこともできる。このようにすれば、計量槽19からのデータにより含水流動性土63の密度が判明する以前の段階で状況を把握できるため、含水流動性土63の密度管理をより正確、かつ、きめ細かく行うことが可能となる。
【0061】
また、本実施形態の細小部材補強土製造装置103においては、制御装置41のコンピュータのROM(図示せず)に、所定の第2関数データが格納されている。この第2関数は、細小部材補強土66の水硬化材比W/Cと、細小部材補強土66の硬化後の一軸圧縮強度(kgf/cm2)、及び細小部材補強土66のフロー値(mm)の関係を示している。
【0062】
したがって、まず、試験工事等により、建設現場等における埋め戻し作業等に必要な最終強度(以下、「目標強度」という。)qTを決定する。この目標強度qTを、この装置103の操作者が、制御装置41の入力装置(図示せず)から入力すれば、制御装置41のコンピュータのCPU(図示せず)が、ROM内の第2関数により、細小部材補強土の水硬化材比の目標値(以下、「目標水硬化材比」という。)Rを算出する。
【0063】
制御装置41のコンピュータのCPU(図示せず)は、求められた目標水硬化材比の値と、すでに求められている含水流動性土の体積V(cm3)に含有される水の総質量W(g)の値から、添加すべき硬化材の質量(g)の目標値(以下、「目標硬化材添加質量」という。)CT(g)を算出する。
【0064】
制御装置41のコンピュータのCPUは、この目標硬化材添加質量値CTに基き、制御回線48を介して開閉バルブ24にバルブ開放指令信号を出力して開閉バルブ24を開放させる。この際、制御装置41のコンピュータのCPUは、質量測定装置47から送られてくる値を監視する。これにより、計量容器23から放出された硬化材64の質量が、上記のようにして算出された目標硬化材添加質量値CTに達したことが検出された場合には、制御装置41のコンピュータのCPUは、制御回線48を介して開閉バルブ24にバルブ閉塞指令信号を出力し、開閉バルブ24を閉塞させる。
【0065】
各種の試験等の結果から、硬化材64の添加量である第1添加量は、前記含水流動性土の単位体積当り、50(kg/m3)〜700(kg/m3)の範囲内の適宜の値であることが望ましい。
【0066】
また、制御装置41のコンピュータのCPUは、ROM内に予め記憶されている第2添加量の値に基き、制御回線48を介して開閉バルブ54にバルブ開放指令信号を出力して開閉バルブ54を開放させる。この際、制御装置41のコンピュータのCPUは、質量測定装置49から送られてくる値を監視する。これにより、計量容器53から放出された細小部材65の質量が、第2添加量に相当する質量値に達したことが検出された場合には、制御装置41のコンピュータのCPUは、制御回線48を介して開閉バルブ54にバルブ閉塞指令信号を出力し、開閉バルブ54を閉塞させる。このようにして、混練ミキサー3により、細小部材補強土66が生成される。
【0067】
次に、本実施形態の補強土工法に用いられる細小部材について説明する。
【0068】
図4、図5は、細小部材の構成を示す図である。図4(A)は、短冊状(長方形状)の細小部材65Aであり、その長さはL1であり、その幅はB1となっている。また、図4(B)は、三角形状の細小部材65Bであり、その長さはL2であり、その幅はB2となっている。また、図4(C)は、瓢箪形状(あれい状)の細小部材65Cであり、その長さはL3であり、その幅はB3となっている。また、図4(D)は、菱形状の細小部材65Dであり、その長さはL4であり、その幅はB4となっている。また、図4(E)は、切欠や開口を有する短冊形状の細小部材65Eであり、その長さはL5であり、その幅はB5となっている。
【0069】
また、図5(A)は、繊維状の細小部材65Fであり、その長さはL6であり、その幅(径)はB6となっている。また、図5(B)は、凹凸を有する変形断面の繊維状の細小部材65Gであり、その長さはL7であり、その幅(径)はB7となっている。また、図5(C)は、屈曲した繊維状の細小部材65Hであり、その長さはL8であり、その幅(径)はB8となっている。
【0070】
図4、5において65A〜65Hで示すように、細小部材は、短い繊維状、又は短い細帯状の部材で、その幅B1〜B8が0.5mm〜50mm程度で、長さL1〜L8が5mm〜100mm程度の範囲内の寸法のものである。また、幅に対する長さの比(例えばL1/B1)は、2.0以上となっている。
【0071】
細小部材は、図4の65A〜65Eに示すように、厚みの薄い素材等から切断加工等によって作成されるものが含まれる。この場合の素材としては、シート状素材、又はフィルム状素材、又は織布状素材、又は不織布状素材、又は編物状素材、若しくは繊維集成材などが挙げられる。
【0072】
ここに、フィルム状素材は、一般に、シート状素材よりも厚みの薄い薄膜状のものをいう。また、織布とは、繊維材料により作成された縦糸と横糸を互いに交差させるとともに絡ませて織ったものをいう。また、不織布とは、繊維素材を絡み合わせて扁平にしたものをいい、繊維どうしを機械的に絡ませたもの、繊維どうしを接着剤により接着させたものの両方を含む。また、編物とは、繊維素材を規則的に絡ませて編んだものをいう。また、繊維集成材とは、繊維素材を圧縮して接合したり、加熱により溶着させたり、あるいは接着剤による接着等により集成したものをいう。
【0073】
また、細小部材の素材は、上記したシート状素材等の各種素材の単体だけでなく、これら素材の単体を、合成樹脂材料あるいはゴム系材料と複合させて加工した複合加工品も含まれる。また、細小部材を得るために素材単体又は複合加工品に施す加工については、切断加工以外に、破砕加工によって作成されてもよい。
【0074】
また、細小部材は、図5の65F〜65Hに示すように、繊維状素材、又は線状素材が、加工されずにそのまま用いられてもよいし、又は繊維状素材、又は線状素材が、切断加工されて用いられてもよい。
【0075】
上記した繊維材料、線状素材、シート状素材又はフィルム状素材又は織布状素材又は不織布状素材又は編物状素材若しくは繊維集成材の単体、又はこれらの単体と合成樹脂材料あるいはゴム系材料との複合加工品等の材料としては、天然繊維材料、合成繊維材料、ガラス繊維材料、炭素繊維材料、合成樹脂材料、ゴム系材料、金属材料、セラミックス材料、パルプ材等が挙げられる。
【0076】
ここに、天然繊維材料は、麻、木綿等の植物性天然繊維、羊毛、絹等の動物性天然繊維を含む。また、合成繊維材料は、ポリアミド繊維(例えば、登録商標「ナイロン」を有する商品など)、ポリエステル繊維(例えば、登録商標「テトロン」を有する商品など)、ポリビニルアルコール繊維(例えば、登録商標「ビニロン」を有する商品など)、アラミド繊維(例えば、登録商標「ケブラー」を有する商品など)等を含む。また、合成樹脂材料は、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリカーボネイト系樹脂、アクリル酸・ブタジエン・スチレン共重合体等の各種のものを含み、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれをも含む。ゴム系材料は、天然ゴムのほか、ニトリルゴム、クロロピレンゴム、ブチルゴム等の各種合成ゴムを含む。金属材料とは、合金も含む。パルプ材は、木材チップから得られる繊維材料を含む。
【0077】
また、細小部材の材料は、上記した天然繊維材料、合成繊維材料、ガラス繊維材料、炭素繊維材料、合成樹脂材料、ゴム系材料、金属材料、セラミックス材料、パルプ材等の単体だけでなく、これらを適宜組み合わせた複合材料、例えば繊維強化プラスチック(FRP)等も含まれる。
【0078】
また、細小部材は、図5(B)の65Gに示すように、表面の一部又は全体に、凹凸状又は粗面の部分が設けられてもよい。このようにすると、細小部材と硬化材等との付着強度が高められ、細小部材補強土全体の強度が向上する。
【0079】
また、細小部材は、図5(E)の65Eに示すように、表面の一部又は全体に、切欠や開口等の不連続状の部分が設けられてもよい。このようにすると、細小部材と硬化材等との付着強度が高められ、細小部材補強土全体の強度が向上する。
【0080】
また、各種の試験等の結果から、細小部材の添加率である第2添加量は、含水流動性土の単位体積当り、5〜200(kg/m3)の範囲内の適宜の値であることが望ましい。
【0081】
また、各種の試験等の結果から、細小部材の材料は、その引張強度が、硬化後の細小部材補強土の一軸圧縮強度の1/10以上の値のものであることが望ましい。
【0082】
また、細小部材は、新規の製品として製造されてもよいし、上記の材料からなる廃棄物を再処理加工して用いてもよい。
【0083】
上記のようにして細小部材補強土製造装置103の混練ミキサー3から取り出された細小部材補強土66は、アジテーター車104等で運搬され、建設現場における地盤の適宜箇所の埋め戻し材料や、裏込め材料、充填材料等として用い、細小部材補強土66を地盤の適宜箇所に充填した後に硬化させることができる。また、細小部材補強土66は、地盤の適宜箇所に充填した後、硬化後の細小部材補強土66を構造部材として利用することもできる。
【0084】
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0085】
例えば、上記実施形態においては、細小部材として図4、図5に図示する形状のものを例に挙げて説明したが、本発明はこの例には限定されず、他の構成の細小部材、例えば、短く細長い楕円形状、短く細長い「+」字状、短く細長い「L」字状、短く細長い不定形状等の形状であってもよい。要は、幅が0.5mm〜50mm、長さが5mm〜100mmの範囲内の寸法で、幅に対する長さの比が2.0以上となるような部材であれば、どのようなものであってもよいのである。
【0086】
また、上記実施形態においては、各質量の測定を質量測定装置42、43、44、46、47、49が行って質量データを制御装置41内のCPU(図示せず)に出力し、計量槽19における体積の測定を体積測定装置45が行って体積データを制御装置41内のCPU(図示せず)に出力する例について説明したが、本発明はこの例には限定されず、他の構成、例えば、質量を算出する前の段階のセンサーの直接検出値(圧力検出式の質量測定装置における圧力値、あるいは検出した電気信号のレベル値そのもの)や、体積を算出する前の段階のセンサーの直接検出値(レーザー光線による距離値、あるいは検出した電気信号のレベル値そのもの)を制御装置41内のCPU(図示せず)に出力し、CPUが質量や体積を演算するように構成してもよい。この場合には、質量測定装置や体積測定装置のかわりに、質量や体積を算出可能な各種の値を検出するセンサーを配置すればよい。
【0087】
また、上記実施形態の装置103に設けられた質量積測定装置42、43、44は設けなくてもよい。少なくとも、質量測定装置46、47、49と、体積測定装置45が設けられていれば、本発明の基本的な制御は可能である。
【0088】
また、上記実施形態においては、制御装置41のROM(図示せず)が、第1関数のデータや、第2関数のデータを格納しており、制御装置41のCPU(図示せず)がこれらの関数に基いて演算を行って各目標値を算出する例について説明したが、本発明はこの例には限定されず、他の方法、例えば、混練手段(例えば混練ミキサー3)の操作者が、第1関数や第2関数を示すグラフ等から所要の目標値を読み取って、後の計算や硬化材添加質量の計量等を行うようにしてもよい。あるいは、操作者が、第1関数や第2関数から所要の目標値を計算により算出し、後の計算や硬化材添加質量の計量等を行うようにしてもよい。
【0089】
また、制御装置41が算出した体積V(cm3)当りの含水流動性土への硬化材の添加質量の目標値CT(g)を、出力端子等の出力装置(図示せず)から外部へ出力し、この出力によって外部の他のコンピュータ、コントローラなどを用いて硬化材の計量や、開閉バルブ24の制御、細小部材の計量や、開閉バルブ54の制御等を行うようにしてもよい。あるいは、制御装置41が算出した体積V(cm3)当りの含水流動性土への硬化材の添加質量の目標値CT(g)を、CRT(陰極線管)や液晶表示器等を含む表示装置(図示せず)により操作者等に表示し、操作者が、この値を視認し、この値に基いて硬化材や細小部材の計量等を行うようにしてもよい。
【0090】
また、上記実施形態においては、混練ミキサー15において、土61に水62を添加して練り混ぜ含水流動性土63を生成する例について説明したが、本発明はこの例には限定されず、他の方法、例えば、土中に相当量の水を含み液状に近いものをあらかじめ他の装置等で生成しておき、混練ミキサー15において、水61のかわりに添加して練り混ぜ含水流動性土を生成するようにしてもよい。この「土中に相当量の水を含み液状に近いもの」は、特許請求の範囲における泥液に相当している。この泥液としては、例えば、含水比が70%以上の土などが挙げられる。ここに、含水比は、(mw/ms)×100で表される百分率であり、式中のmwは水分質量を、msは土の乾燥質量を示している。このような泥液としては、基礎工事等で発生する各種泥土、掘削壁面安定液(連続地中壁工法、シールド工法等における地盤掘削に用いられる材料で、ベントナイト等を含む水溶液)、上記した調整泥水、水底のヘドロ状の泥土等を用いることが可能である。あるいは、上記の調整泥水の含有成分(細粒土)とともに、又はそのかわりに、砂、又は砂質土、若しくはこれらの適宜の混合物を水中に含ませてもよい。また、上記のような泥液は、建設現場等から発生する廃棄物であることが多く、従来は処分場等へ運搬して処分する必要があったが、上記のようにして含水流動性土の材料として利用することにすれば、材料費と廃棄物処理費をともに節約することができ、建設コストの低減について二重の効果がある。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、含水流動性土に硬化材と細小部材を添加するため、硬化後の土の強度を向上させることができ、硬化材を土中に分散させることができ、コストの高い硬化材の量を節減することができる、という利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である補強土工法を説明する図である。
【図2】図1における細小部材補強土製造装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図2における細小部材調製部の構成を示すブロック図である。
【図4】図2における細小部材の構成を示す第1の図である。
【図5】図2における細小部材の構成を示す第2の図である。
【符号の説明】
1 含水流動性土調製部
2 硬化材調製部
3 混練ミキサー
4 計測・制御部
5 細小部材調製部
11 土貯留容器
12 搬送装置
13 貯水槽
14 ポンプ
15 混練ミキサー
16 ポンプ
17 含水流動性土貯留槽
18 ポンプ
19 計量槽
21 硬化材貯留容器
22 搬送装置
23 計量容器
24 開閉バルブ
41 制御装置
42〜44 質量測定装置
45 体積測定装置
46、47 質量測定装置
48 制御回線
49 質量測定装置
51 細小部材貯留容器
52 搬送装置
53 計量容器
54 開閉バルブ
61 土
62 水
63 含水流動性土
64 硬化材
65、65A〜65H 細小部材
66 細小部材補強土
101 土運搬車
102 建設発生土
103 細小部材補強土製造装置
104 アジテーター車
105 圧送ポンプ装置

Claims (11)

  1. 土に水又は泥液を添加し混練して生成した流動性を有する含水流動性土に、水の添加により流動化した後に硬化して強度を発現する自硬性の硬化材を第1添加量だけ添加するとともに、シート状素材又はフィルム状素材又は織布状素材又は不織布状素材又は編物状素材若しくは繊維集成材の単体、又は前記単体と合成樹脂材料あるいはゴム系材料との複合加工品が、切断加工又は破砕加工され、幅が0.5mm〜50mm、長さが5mm〜100mmの範囲内の寸法で、前記幅に対する前記長さの比が2.0以上である短小細帯状の細小部材を第2添加量だけ添加して混練して生成し流動性及び前記自硬性を有することを特徴とする細小部材補強土。
  2. 請求項1記載の細小部材補強土において、
    前記細小部材の第2添加量は、前記含水流動性土の単位体積当り、5〜200(kg/m 3 )の範囲内の適宜の値であること
    を特徴とする細小部材補強土。
  3. 請求項1記載の細小部材補強土において、
    前記細小部材の材料は、引張強度が、硬化後の細小部材補強土の一軸圧縮強度の1/10以上の値のものであること
    を特徴とする細小部材補強土。
  4. 請求項1記載の細小部材補強土において、
    前記細小部材の材料は、天然繊維材料、合成繊維材料、ガラス繊維材料、炭素繊維材料、合成樹脂材料、ゴム系材料、金属材料、セラミックス材料、パルプ材料が単体又は適宜の複合材料として用いられること
    を特徴とする細小部材補強土。
  5. 請求項1記載の細小部材補強土において、
    前記細小部材は、表面の一部又は全体に、凹凸状又は粗面若しくは不連続状の部分が設けられ、付着強度が高められていること
    を特徴とする細小部材補強土。
  6. 請求項1記載の細小部材補強土において、
    前記細小部材は、廃棄物が再処理加工されて用いられること
    を特徴とする細小部材補強土。
  7. 請求項1記載の細小部材補強土において、
    前記硬化材は、セメント又は酸化カルシウム又は水酸化カルシウム若しくは硫酸カルシウムを含むこと
    を特徴とする細小部材補強土。
  8. 請求項1記載の細小部材補強土において、
    前記硬化材の第1添加量は、前記含水流動性土の単位体積当り、50(kg/m 3 )〜700(kg/m 3 )の範囲内の適宜の値であること
    を特徴とする細小部材補強土。
  9. 土に水又は泥液を添加し混練して生成した流動性を有する含水流動性土に、水の添加により流動化した後に硬化して強度を発現する自硬性の硬化材を第1添加量だけ添加するとともに、シート状素材又はフィルム状素材又は織布状素材又は不織布状素材又は編物状素材若しくは繊維集成材の単体、又は前記単体と合成樹脂材料あるいはゴム系材料との複合加工品が、切断加工又は破砕加工され、幅が0.5mm〜50mm、長さが5mm〜100mmの範囲内の寸法で、前記幅に対する前記長さの比が2.0以上である短小細帯状の細小部材を第2添加量だけ添加して混練し流動性及び前記自硬性を有する細小部材補強土を生成することを特徴とする細小部材補強土の製造方法。
  10. 土に水又は泥液を添加し混練して生成した流動性を有する含水流動性土に、水の添加により流動化した後に硬化して強度を発現する自硬性の硬化材を第1添加量だけ添加するとともに、シート状素材又はフィルム状素材又は織布状素材又は不織布状素材又は編物状素材若しくは繊維集成材の単体、又は前記単体と合成樹脂材料あるいはゴム系材料との複合加工品が、切断加工又は破砕加工され、幅が0.5mm〜50mm、 長さが5mm〜100mmの範囲内の寸法で、前記幅に対する前記長さの比が2.0以上である短小細帯状の細小部材を第2添加量だけ添加して混練し流動性及び前記自硬性を有する細小部材補強土を生成し、前記細小部材補強土を地盤の適宜箇所に充填した後に硬化させることを特徴とする補強土工法。
  11. 土に水又は泥液を添加し混練して生成した流動性を有する含水流動性土に、水の添加により流動化した後に硬化して強度を発現する自硬性の硬化材を第1添加量だけ添加するとともに、シート状素材又はフィルム状素材又は織布状素材又は不織布状素材又は編物状素材若しくは繊維集成材の単体、又は前記単体と合成樹脂材料あるいはゴム系材料との複合加工品が、切断加工又は破砕加工され、幅が0.5mm〜50mm、長さが5mm〜100mmの範囲内の寸法で、前記幅に対する前記長さの比が2.0以上である短小細帯状の細小部材を第2添加量だけ添加して混練し流動性及び前記自硬性を有する細小部材補強土を生成し、前記細小部材補強土を地盤の適宜箇所に充填した後、硬化後に構造部材として利用することを特徴とする補強土工法。
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