JP3828753B2 - 車両用ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用ブレーキ液圧制御装置に関し、特に、マスタシリンダおよび車輪ブレーキ間の連通・遮断を第1ソレノイドの非通電・通電により切換可能であるとともに車輪ブレーキおよびリザーバ間の連通・遮断を第2ソレノイドの通電・非通電により切換可能な電磁制御弁手段と;前記リザーバに貯留されたブレーキ液を前記マスタシリンダ側に戻す戻しポンプと;第1および第2ソレノイドへの非通電・通電を切換えて電磁制御弁手段を開閉作動させる通電切換部を備えるとともに該通電切換部の異常を診断する機能を有する制御ユニットと;を含む車両用ブレーキ液圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかるブレーキ液圧制御装置は、たとえば特公平3−53140号公報等で既に知られており、このものでは、アンチロックブレーキ制御続行中に通電切換部の異常を判別したときには、アンチロックブレーキ制御を停止して通常ブレーキ状態に戻すようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のように、通電切換部の異常判別時にアンチロックブレーキ制御を直ちに停止して通常ブレーキ状態に戻すと、車輪ブレーキのブレーキ液圧が急激に増大して車輪がロック状態に陥ることがある。
【0004】
ところで、マスタシリンダおよび車輪ブレーキ間ならびに車輪ブレーキおよびリザーバ間の連通・遮断を電磁制御弁手段で切換えることによりアンチロックブレーキ制御を実行するブレーキ液圧制御装置では、車輪ブレーキおよびマスタシリンダ間が遮断している状態で通電切換部の異常が生じた場合には、車輪ブレーキのブレーキ液圧を増圧することが不能となることを避けるためにアンチロックブレーキ制御を停止して第1ソレノイドへの通電を強制的に遮断しなければならない。
【0005】
一方、車輪ブレーキおよびリザーバ間を連通した状態で通電切換部の異常が生じた場合を想定すると、車輪ブレーキからのブレーキ液がリザーバに逃がされるので、リザーバが満杯にならない限り、車輪ブレーキのブレーキ液圧増圧が困難となる。しかるにリザーバを速やかに満杯にすることができれば、車輪ブレーキのブレーキ液圧増圧が可能となるので、アンチロックブレーキ制御を続行しても問題は生じないはずである。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、アンチロックブレーキ制御中に通電切換部に異常が生じてもブレーキ液圧の増圧が不能となる場合を除いてアンチロックブレーキ制御を続行するようにして、車輪がロック状態に陥ることを極力回避し得るようにした車両用ブレーキ液圧制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、マスタシリンダおよび車輪ブレーキ間の連通・遮断を第1ソレノイドの非通電・通電により切換可能であるとともに車輪ブレーキおよびリザーバ間の連通・遮断を第2ソレノイドの通電・非通電により切換可能な電磁制御弁手段と;前記リザーバに貯留されたブレーキ液を前記マスタシリンダ側に戻す戻しポンプと;第1および第2ソレノイドへの非通電・通電を切換えて電磁制御弁手段を開閉作動させる通電切換部を備えるとともに該通電切換部の異常を診断する機能を有する制御ユニットと;を含む車両用ブレーキ液圧制御装置において、前記リザーバのブレーキ液貯留容量が車輪ブレーキで必要とされるブレーキ液量よりも小さく設定され、前記制御ユニットは、前記車輪ブレーキのアンチロックブレーキ制御を実行中に第1ソレノイドに通電して前記マスタシリンダおよび車輪ブレーキ間を電磁制御弁手段で遮断した状態で前記通電切換部の異常が生じたと診断したときには前記アンチロックブレーキ制御を停止して前記通電切換部への電力供給を遮断し、第2ソレノイドに通電して前記車輪ブレーキおよびリザーバ間を電磁制御弁手段で連通した状態で前記通電切換部の異常が生じたと診断したときには前記戻しポンプを停止して前記アンチロックブレーキ制御を継続することを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、アンチロックブレーキ制御中にマスタシリンダおよび車輪ブレーキ間を電磁制御弁手段が遮断した状態で通電切換部の異常が生じたと診断したときに通電切換部への電力供給を強制的に遮断することで、第1ソレノイドへの通電が強制的に断たれ、電磁制御弁手段がマスタシリンダおよび車輪ブレーキ間を連通するように切換作動して通常ブレーキ状態に戻るので、車輪ブレーキのブレーキ液圧を増圧することが不能となることを避けることができる。またマスタシリンダおよびリザーバ間を連通した状態で通電切換部の異常が生じたと診断したとき、すなわち車輪ブレーキのブレーキ液圧がリザーバに逃がされる状態では、戻しポンプを停止することでリザーバからのブレーキ液の汲上げが停止され、しかもリザーバのブレーキ液貯留容量が車輪ブレーキで必要とされるブレーキ液量よりも小さく設定されているので、リザーバが速やかに満杯となり、アンチロックブレーキ制御を継続してもブレーキ液圧を増圧することができ、車輪がロック状態に陥ってしまうことを極力回避することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0010】
図1〜図4は本発明を自動二輪車に適用したときの一実施例を示すものであり、図1は自動二輪車用ブレーキ装置の液圧回路図、図2はブレーキ液圧制御装置の一部構造を示す縦断面図、図3は制御系の構成を示すブロック図、図4は通電切換部の異常時における制御ユニットでの信号の流れを示す図である。
【0011】
先ず図1において、自動二輪車には、乗員が右手で操作する第1ブレーキレバー1の操作に応じて液圧を出力する第1マスタシリンダMAと、乗員が左手で操作する第2ブレーキレバー2の操作に応じて液圧を出力する第2マスタシリンダMBとが搭載される。一方、自動二輪車の前輪には、一対のポッド3,4を有する前輪用車輪ブレーキBFが搭載されており、この前輪用車輪ブレーキBFには、第1マスタシリンダMAが電磁制御弁手段6Aを介して接続されるとともに第2マスタシリンダMBが電磁制御弁手段6B1および遅延弁5を介して接続される。また後輪に装着された後輪用車輪ブレーキBRには第2マスタシリンダMBが電磁制御弁手段6B2を介して接続される。
【0012】
電磁制御弁手段6Aは、前輪用車輪ブレーキBFのポッド3および第1マスタシリンダMA間に設けられる常開型電磁弁7と、該常開型電磁弁7に並列に接続されるチェック弁8と、前輪用車輪ブレーキBFのポッド3および第1リザーバ10A間に設けられる常閉型電磁弁9とで構成されるものであり、第1マスタシリンダMAおよび前輪用車輪ブレーキBFのポッド3間の連通・遮断と、前輪用車輪ブレーキBFのポッド3および第1リザーバ10A間の連通・遮断とを切換え可能である。
【0013】
前輪用車輪ブレーキBFのポッド3で必要とされるブレーキ液量よりも充分に小さく設定されたブレーキ液貯留容量を有する第1リザーバ10Aには、該リザーバ10Aのブレーキ液を汲上げて第1マスタシリンダMA側に圧送する第1戻しポンプ11Aの吸入側が吸入弁12Aを介して接続されており、第1戻しポンプ11Aの吐出側は、吐出弁13Aを介して第1マスタシリンダMAに接続される。
【0014】
電磁制御弁手段6B1は、上記電磁制御弁手段6Aと同様に常開型電磁弁7、チェック弁8および常閉型電磁弁9で構成されるものであり、前輪用車輪ブレーキBFのポッド4に接続される遅延弁5および第2マスタシリンダMB間の連通・遮断と、前記遅延弁5および第2リザーバ10B間の連通・遮断とを切換え可能である。
【0015】
また電磁制御弁手段6B2は、上記電磁制御弁手段6A,6B1と同様に常開型電磁弁7、チェック弁8および常閉型電磁弁9で構成されるものであり、後輪用車輪ブレーキBRおよび第2マスタシリンダMB間の連通・遮断と、後輪用車輪ブレーキBRおよび第2リザーバ10B間の連通・遮断とを切換え可能である。
【0016】
前輪用車輪ブレーキBFのポッド4および後輪用車輪ブレーキBRで必要とされるブレーキ液量よりも充分に小さく設定されたブレーキ液貯留容量を有する第2リザーバ10Bには、該リザーバ10Bのブレーキ液を汲上げて第2マスタシリンダMB側に圧送する第2戻しポンプ11Bの吸入側が吸入弁12Bを介して接続されており、第2戻しポンプ11Bの吐出側は、吐出弁13Bを介して第2マスタシリンダMBに接続される。
【0017】
第1および第2戻しポンプ11A,11Bには共通な単一のモータ16が連結されており、該モータ16により両戻しポンプ11A,11Bが駆動される。
【0018】
このような電磁制御弁手段6A,6B1,6B2において、第1および第2ブレーキレバー1,2によるブレーキ操作時に車輪がロック状態に入りそうになったときのアンチロックブレーキ制御時には、常開型電磁弁7…のうちロック状態に入りそうである車輪に対応する常開型電磁弁を通電により閉弁するととともに常閉型電磁弁9…のうち上記車輪に対応する常閉型電磁弁を通電により開弁する。そうすると、ブレーキ液圧の一部が第1リザーバ10Aあるいは第2リザーバ10Bに逃がされて減圧されることになる。またブレーキ液圧を保持する際には、常開型電磁弁7…を通電により閉弁するとともに常閉型電磁弁9…を非通電により閉弁状態に保持すればよく、ブレーキ液圧を増圧する際には、常開型電磁弁7…を非通電により開弁するとともに常閉型電磁弁9…を非通電により閉弁状態に保持すればよい。
【0019】
第1および第2戻しポンプ11A,11Bを共通に駆動するモータ16は、上記アンチロックブレーキ制御の開始に応じて作動を開始するものであり、リザーバ10A,10Bに逃がされたブレーキ液が第1および第2戻しポンプ11A,11Bから第1および第2マスタシリンダMA,MB側に戻される。したがって第1および第2リザーバ10A,10Bに逃がした分だけ第1および第2マスタシリンダMA,MBにおける第1および第2ブレーキレバー1,2の操作量が増加することはない。
【0020】
図2において、各電磁制御弁手段6A,6B1,6B2の常開型電磁弁7…、チェック弁8…および常閉型電磁弁9…、第1および第2戻しポンプ11A,11B、吸入弁12A,12B、吐出弁13A,13Bおよびモータ16は、アルミニウム合金等から成るハウジング17に配設される。
【0021】
而して各常開型電磁弁7…は、ハウジング17の一面17aから突出するように配置される第1ソレノイド7aと、第1ソレノイド7aの通電・非通電を切換えることにより開閉作動するようにしてハウジング17に一面17a側から嵌合される弁部7bとで構成され、また各常閉型電磁弁9…は、ハウジング17の一面17aから突出するように配置される第2ソレノイド9aと、第2ソレノイド9aの通電・非通電を切換えることにより開閉作動するようにしてハウジング17に一面17a側から嵌合される弁部9bとで構成される。
【0022】
各常開型電磁弁7…の第1ソレノイド7a…および各常閉型電磁弁9…の第2ソレノイド9a…等を覆うようにして、ハウジング17にはカバー19が締結されており、モータ16は、カバー19とは反対側でハウジング17に締結される。またカバー19内には、第1ソレノイド7a…および第2ソレノイド9a…の通電・非通電を制御するとともにモータ16の作動を制御する制御ユニット18が収納され、制御ユニット18は、前記各電磁制御弁手段6A,6B1,6B2のいずれか1つによるアンチロックブレーキ制御の開始に伴ってモータ16の作動を開始する。
【0023】
図3において、制御ユニット18は、メインCPU20と、前記電磁制御弁手段6Aの常開型電磁弁7および常閉型電磁弁9がそれぞれ備える第1および第2ソレノイド7a,9aの非通電・通電を切換える通電切換部21aを有する第1出力IC21と、前記電磁制御弁手段6B1,B2の常開型電磁弁7,7および常閉型電磁弁9,9がそれぞれ備える第1ソレノイド7a…および第2ソレノイド9a…の非通電・通電を切換える通電切換部22aを有する第2出力IC22と、メインCPU20の異常を監視してその異常をメインCPU20に報知することを可能とするとともにメインCPU20にアンチロックブレーキ制御の停止を命令する信号を付与し得るサブCPU23と、メインCPU20からの制御信号に基づいてモータ16を駆動するモータ駆動回路24と、このモータ駆動回路24の作動状況に基づいてモータ16の異常を検知してメインCPU20に報知し得るモータ監視回路25とを備える。
【0024】
前記メインCPU20は、第1および第2出力IC21,22が備える通電切換部21a,22aを制御する制御信号を出力するものであり、第1および第2出力IC21,22は、メインCPU20から入力される前記制御信号と、通電切換部21a,22aの作動状況とが、表1で示すように異なるときに通電切換部21a,22aが異常であると判別することが可能であり、その異常判別結果に応じてメインCPU20は表1で示す暫定制御を実行する。またモータ監視回路25は、表1で示すように、メインCPU20からの制御信号と、モータ駆動回路24の作動状況とが異なるときにはモータ16が異常であると判別し、その判別結果に応じてメインCPU20が表1で示す暫定制御を実行する。
【0025】
【表1】
Figure 0003828753
【0026】
而して、通電切換部21a,22aの異常判別にあたって、両出力IC21,22は、マスタシリンダMA,MBおよび車輪ブレーキBF,BR間を連通すべく第1ソレノイド7a…を非通電状態とする制御信号がメインCPU20から出力されているときに通電切換部21a,22aの作動状況が第1ソレノイド7a…を通電状態とする状況にあるときを第1の異常状態と判別し、マスタシリンダMA,MBおよび車輪ブレーキBF,BR間を遮断すべく第1ソレノイド7a…を通電状態とする制御信号がメインCPU20から出力されているときに通電切換部21a,22aの作動状況が第1ソレノイド7a…を非通電状態とする状況にあるときを第2の異常状態と判別し、車輪ブレーキBF,BRおよびリザーバ10A,10B間を遮断すべく第2ソレノイド9a…を非通電状態とする制御信号がメインCPU20から出力されているときに通電切換部21a,22aの作動状況が第2ソレノイド9a…を通電状態とする状況にあるときを第3の異常状態と判別し、車輪ブレーキBF,BRおよびリザーバ10A,10B間を連通すべく第2ソレノイド9a…を通電状態とする制御信号がメインCPU20から出力されているときに通電切換部21a,22aの作動状況が第2ソレノイド9a…を非通電状態とする状況にあるときに第4の異常状態と判別する。
【0027】
第1および第2出力IC21,22は、通電切換部21a,22aが上述の第1〜第4のいずれかの異常状態にあると判断したときにハイレベルの異常判別信号を出力するものであり、それらの異常判別信号はORゲート26に並列して入力され、該ORゲート26の出力はメインCPU20およびサブCPU23に入力される。すなわち両出力IC21,22の少なくとも一方で、それらの出力IC21,22が備える通電切換部21a,22aの異常を判別したときにORゲート26からハイレベルの異常判別信号が出力されることになる。
【0028】
図4において、サブCPU23は、出力IC21,22の少なくとも一方から異常判別信号が出力されてから予め設定された設定時間Tが経過した後の判断タイミングにおいて、出力IC21,22の少なくとも一方から異常判別信号が出力されているか否かを判断するものであり、その判断タイミングでORゲート26からハイレベルの異常判別信号がサブCPU23に入力されているときに、サブCPU23は、アンチロックブレーキ制御の停止を命令する信号をメインCPU20に付与することになる。
【0029】
一方、メインCPU20は、通電切換部21a,22aが第1の異常状態を除く他の異常状態にあると判断されたときには、前記サブCPU23の判断タイミング前すなわち前記設定時間Tが経過するまでに、その異常状態が生じている部分に対応したソレノイド7a,9aの制御信号を通電切換部21a,22aの作動状況に応じたものに切換えて出力する。これにより第1または第2出力IC21,22では通電切換部21aまたは22aの実作動状況と、制御信号とが一致することになり、ハイレベルの異常判別信号がORゲート26からは出力されなくなる。これによりサブCPU23は、その判断タイミングにおいて、通電切換部21a,22aでは異常が生じていないと判断することになり、アンチロックブレーキ制御が続行されることになる。
【0030】
たとえば第1または第2マスタシリンダMA,MBと、前輪用または後輪用車輪ブレーキBF,BRとの間を遮断する制御信号(常開型電磁弁7を閉弁すべく第1ソレノイド7aを通電状態とする制御信号)を出力している状態でORゲート26からハイレベルの異常判別信号がメインCPU20に入力されたとき、すなわち電磁制御弁手段6A,6B1,6B2の常開型電磁弁7…が第1または第2マスタシリンダMA,MBと、前輪用または後輪用車輪ブレーキBF,BRとの間を連通した状態で通電切換部21a,22aが異常である第2の状態であると判断してORゲート26からハイレベルの異常判別信号がメインCPU20に入力されたときには、メインCPU20は、前記サブCPU23の判断タイミング前すなわち前記設定時間Tが経過するまでに、第1または第2マスタシリンダMA,MBと、前輪用または後輪用車輪ブレーキBF,BRとの間を第1ソレノイド7aの非通電により連通状態とするように制御信号を切換えて出力する。
【0031】
一方、第1または第2マスタシリンダMA,MBと、前輪用または後輪用車輪ブレーキBF,BRとの間を連通する制御信号をメインCPU20が出力している状態で、通電切換部21aまたは22aの異常が生じたとき、すなわち第1または第2マスタシリンダMA,MBと、前輪用または後輪用車輪ブレーキBF,BRとの間が遮断した状態で通電切換部21aまたは22aに異常が生じている第1の異常状態では、メインCPU20は制御信号を切り換えることはなく、したがってサブCPU23は、その判断タイミングにおいて通電切換部21aまたは22aで異常が生じていると判断し、図4の鎖線で示すように、アンチロックブレーキ制御を停止する命令を示す信号がサブCPUからメインCPU20に入力される。
【0032】
これによりメインCPU20は、アンチロックブレーキ制御を停止し、通電切換部21a,22aへの電力供給を遮断する。この結果、第1ソレノイド7a…は、通電切換部21a,22aの異常にかかわらず強制的に非通電状態となり、常開型電磁弁7…の開弁によってマスタシリンダMA,MBおよび車輪ブレーキBF,BR間が連通して通常ブレーキ状態に戻る。
【0033】
またメインCPU20は、車輪ブレーキBF,BRおよびリザーバ10A,10B間を遮断すべく第2ソレノイド9a…を非通電状態とする制御信号がメインCPU20から出力されているときに通電切換部21a,22aの作動状況が第2ソレノイド9a…を通電状態とする状況にある異常状態、すなわち常閉型電磁弁9…が開弁した状態で通電切換部21a,22aに異常が生じた状態では、アンチロックブレーキ制御を続行するのであるが、モータ16すなわち第1および第2戻しポンプ11A,11Bの作動を停止するようにモータ駆動回路24を制御する。
【0034】
さらにメインCPU20には、モータ監視回路25からモータ16に異常が生じているか否かを示す信号が入力される。すなわちアンチロックブレーキ制御の開始に伴ってモータ16はモータ駆動回路24により駆動されるはずであるが、モータ16が停止したままである場合にはモータ16が異常であることを示す信号がモータ監視回路25からメインCPU20に入力される。而してメインCPU20は、モータ16の異常が検出された状態であってもアンチロックブレーキ制御を継続するように、第1および第2出力IC21,22に制御信号を付与し続ける。
【0035】
次にこの実施例の作用について説明すると、制御ユニット18は、前輪用または後輪用車輪ブレーキBF,BRのアンチロックブレーキ制御を実行中に、第1または第2マスタシリンダMA,MBと、前輪用または後輪用車輪ブレーキBF,BRとの間を遮断した状態、すなわち電磁制御弁手段6A,6B1,6B2が備える常開型電磁弁7…の第1ソレノイド7a…に通電したままで、第1または第2出力IC21,22が備える通電切換部21a,22aの異常が生じたと診断したときにはアンチロックブレーキ制御を停止して前記通電切換部21a,22aへの電力供給を強制的に停止する。これにより第1ソレノイド7a…が強制的に非通電状態となり、常開型電磁弁7…が開弁状態に戻り、第1または第2マスタシリンダMA,MBと、前輪用または後輪用車輪ブレーキBF,BRとの間を連通して通常ブレーキ状態に戻るので、前輪用または後輪用車輪ブレーキBF,BRのブレーキ液圧を増圧することが不能となることを避けることができる。
【0036】
一方、アンチロックブレーキ制御中に、第1または第2マスタシリンダMA,と、前輪用または後輪用車輪ブレーキBF,BRとの間を連通した状態すなわち車輪ブレーキのブレーキ液圧を増圧することが可能である状態で前記通電切換部21a,22aの異常が生じたと診断したときには、アンチロックブレーキ制御を継続するので、ブレーキ液圧の増減性能が多少低下するものの、アンチロックブレーキ制御に問題が生じることはなく、前輪または後輪がロック状態に陥ってしまうことを極力回避することができる。
【0037】
また前輪用または後輪用車輪ブレーキBF,BRと、第1または第2リザーバ10A,10Bとの間を連通した状態、すなわち電磁制御弁手段6A,6B1,6B2が備える常閉型電磁弁9…の第2ソレノイド9a…に通電したままで、通電切換部21a,22aの異常が生じたと診断したときには、アンチロックブレーキ制御を続行するもののモータ16すなわち戻しポンプ11A,11Bの作動を停止する。これにより第1および第2リザーバ10A,10Bからのブレーキ液の汲上げが停止される。しかも第1および第2リザーバ10A,10Bのブレーキ貯留容量は、対応する車輪ブレーキBF,BRで必要とされるブレーキ液量よりも充分に小さく設定されているので、車輪ブレーキBF,BRから逃がされたブレーキ液で第1および第2リザーバ10A,10Bが速やかに満杯となり、それ以降は車輪ブレーキBF,BRのブレーキ液圧を増圧することが可能となる。すなわち常閉型電磁弁9…が開弁したままでの通電切換部21a,22aの異常時に、車輪ブレーキBF,BRのブレーキ液を増圧可能としつつアンチロックブレーキ制御を続行することができる。
【0038】
ところで制御ユニット18では、メインCPU20にORゲート26からのハイレベルの異常判別信号が一旦入力された後に、サブCPU23が通電切換部21aまたは22aの異常を判断して該サブCPU23からメインCPU20にアンチロックブレーキ制御の停止を命令する信号が入力されることになり、通電制御部21aまたは22aで異常が生じていると判断したときと、メインCPU20で異常が生じたときとを、メインCPU20が区別することができる。
【0039】
さらにアンチロックブレーキ制御を実行中にモータ16の異常が生じても、制御ユニット18は、アンチロックブレーキ制御を継続するものであり、モータ16の異常に起因して第1または第2リザーバ10A,10Bが満杯になり、減圧不可能となってしまう可能性もあるが、車輪ブレーキBF,BRのブレーキ液圧が急激に大となることはなく、前輪または後輪がロック状態に陥ることが極力回避される。
【0040】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、車輪ブレーキのブレーキ液圧を増圧することが不能となることを避けつつ、車輪がロック状態に陥ってしまうことを極力回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動二輪車用ブレーキ装置の液圧回路図である。
【図2】ブレーキ液圧制御装置の一部構造を示す縦断面図である。
【図3】制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】通電切換部の異常時における制御ユニットでの信号の流れを示す図である。
【符号の説明】
6A,6B1,6B2・・・電磁制御弁手段
7a・・・第1ソレノイド
9a・・・第2ソレノイド
10A,10B・・・リザーバ
11A,11B・・・戻しポンプ
18・・・制御ユニット
21a,22a・・・通電切換部
BF,BR・・・車輪ブレーキ
MA,MB・・・マスタシリンダ

Claims (1)

  1. マスタシリンダ(MA,MB)および車輪ブレーキ(BF,BR)間の連通・遮断を第1ソレノイド(7a)の非通電・通電により切換可能であるとともに車輪ブレーキ(BF,BR)およびリザーバ(10A,10B)間の連通・遮断を第2ソレノイド(9a)の通電・非通電により切換可能な電磁制御弁手段(6A,6B1,6B2)と;前記リザーバ(10A,10B)に貯留されたブレーキ液を前記マスタシリンダ(MA,MB)側に戻す戻しポンプ(11A,11B)と;第1および第2ソレノイド(7a,9a)への非通電・通電を切換えて電磁制御弁手段(6A,6B1,6B2)を開閉作動させる通電切換部(21a,22a)を備えるとともに該通電切換部(21a,22a)の異常を診断する機能を有する制御ユニット(18)と;を含む車両用ブレーキ液圧制御装置において、前記リザーバ(10A,10B)のブレーキ液貯留容量が車輪ブレーキ(BF,BR)で必要とされるブレーキ液量よりも小さく設定され、前記制御ユニット(18)は、前記車輪ブレーキ(BF,BR)のアンチロックブレーキ制御を実行中に第1ソレノイド(7a)に通電して前記マスタシリンダ(MA,MB)および車輪ブレーキ(BF,BR)間を電磁制御弁手段(6A,6B1,6B2)で遮断した状態で前記通電切換部(21a,22a)の異常が生じたと診断したときには前記アンチロックブレーキ制御を停止して前記通電切換部(21a,22a)への電力供給を遮断し、第2ソレノイド(9a)に通電して前記車輪ブレーキ(BF,BR)およびリザーバ(10A,10B)間を電磁制御弁手段(6A,6B1,6B2)で連通した状態で前記通電切換部(21a,22a)の異常が生じたと診断したときには前記戻しポンプ(11A,11B)を停止して前記アンチロックブレーキ制御を継続することを特徴とする車両用ブレーキ液圧制御装置。
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