JP3828146B2 - 膜を横切った気体吸収のための方法 - Google Patents
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Description
このタイプの方法は、日本出願に基づく優先権を1990年から主張する三菱の名義の、現在取り下げられたヨーロッパ特許出願0 451 715(H.マツモトら)に開示されていた。この参照文献には、気体源から極性気体を分離するための装置が記載され、この装置において、疎水性素材で作られ、その中空フィラメントの壁を貫通する無数の微孔を有する多孔質中空膜フィラメントが容器に入れられたモジュール内を極性気体を含有する気体源が通過し、中空フィラメントの壁上に分配され、モジュールの中空フィラメントの反対側を流れる吸収液体への気体/液体物質移動が行なわれる。この参照文献は、好ましくは前記方法を行なうための装置に向けられているが、吸収液として、「ジエタノールアミン、K2CO3水溶液及びKHCO3・H2O水溶液、並びにその混合物」を用い得ることも記載されている。しかしながら、この参照文献は、吸収液内の成分の濃度、及び最終溶液の表面張力を含むこのプロセスを行なうためのパラメータについては言及していない。
1993年9月19日から23日のスエーデン、ヘマヴァン(Hemavan)でのCO2化学研究会において発表された、三菱重工業社及び東京電力社の、題名「中空糸気体液体接触器による火力発電プラントの送気管気体からのCO2の除去に関する基礎的研究」と題される、EP−A−0 415 715の発明者らによる1994年の文献には、にが出席し、中空糸膜を用いて、発電所の送気管気体からの二酸化炭素からの吸収の結果が示されており、用いられた液相は、水中のモノエタノールアミンの溶液である。
この文献において、ポリプロペン(PP)、ポリエテン(PE)及びポリテトラフルオロエテン(PTFE)中空糸の比較が示され、これから、ポリプロペン膜及びポリエテン膜を用いると、連続使用の場合に経時後物質移動係数が低下することが理解され得る。その結果、これらの膜を用いると、延長された期間に渡り安定な条件下に気体/液体吸収を作動することは不可能である。したがって、この文献ではPTFE糸膜を好ましいものとしている。
しかしながら、使用されたPTFE膜は、ポリプロペン膜及びポリエテン膜よりもかなり低い物質移動係数を有する。さらに、PTFEは、加工することが非常に困難である。例えば、「オフショアー(offshore)」産業及び気圏用のような緻密な装置における使用に適している小さい外径(<0.72mm)を有する中空糸は、PTFEから製造することができない。
上記2つの参照文献から分かるように、これら参照文献同士間に4年が経過しているにもかかわらず、その発明者/著者は、ポリプロペン又はポリエテン中空糸を用いる気体/液体吸収を満足に行なうことができず、代わりに実用上不利であるPTFE糸に注目していた。
そこで、本発明の第1の目的は、上述の気体/液体吸収方法論を改良することであり、より詳しくは、小さい寸法のシステムにおいて延長された期間安定な条件の下に作動し得る膜気体吸収のための方法を提供することである。
このタイプの緻密なシステムは、例えば、PTFE中空糸の代わりにポリプロペン又はポリエテン中空糸を、モノエタノールアミンのような通常の吸収剤の水溶液と併用して使用することにより提供することができた。
しかしながら、出願人による調査により、(モノエタノールアミン/水混合物のような)先行技術において習慣的な有機吸収剤の水溶液がポリエテン又はポリプロペン中空糸膜と共に用いられると、物質移動係数の低下に関する上述の問題ばかりではなく、上述の先行技術においては認識されていない漏れも起こることが明らかになった。
従って、本発明の第2の目的は、特に、中空糸膜を用いる膜基体吸収における漏れを予防し及び/又は妨害し、その結果、例えばポリプロペン又はポリエテン中空糸膜を用いて、延長された期間安定な条件下に膜気体吸収を行なうことを可能にすることである。
本発明の第3の目的は、膜気体吸収における使用のための液相であって、漏れがなく及び/又は漏れを予防し及び/又は妨害することに有効であり、並びに同時に、物質移動、速度論(kinetics)、再生エネルギー及び/又は腐食性のような膜気体吸収に関連する許容し得る又は改良された特性を単独に及び組み合わせて与えるところの液相を提供することである。
本発明の第4の目的は、小さい寸法を有し、信頼し得かついずれもの漏れを示さず、かつそれにも係わらず、除去されるべき気体成分の良好かつ迅速な除去ができる膜気体吸収を行なうためのシステムであって、この方法において小さい寸法のポリプロペン及び/又はポリエテン中空糸が好ましく用いられるものを提供することである。
本発明のさらなる目的は、以下の記載から明らかになるであろう。
国際特許出願9401204には、浸透気化法、蒸気浸透又は気体分離により、すなわち例えば、中空糸の形態にあるような膜を用いることにより、気体又は蒸気又は液体混合物を脱水するための膜分離プロセスが記載されている。膜素材として、ポリフェニレンオキシド及び平坦なポリビニルアルコール複合体が説明されているが、例えばポリエテン又はポリプロペンは明白に言及されていない。
この参照文献によれば、吸収液は、LiBr、CSF、KC2H3O2、MgCl2、及び例えばLiBr/ZnBr2/CaBr2のようなそれらの混合物に基づく塩水のような、50%、好ましくは80%よりも高い吸湿容量を有する1種又はそれ以上の吸湿性塩の高濃度溶液である。(塩化ナトリウム又は重クロム酸カリウムは、所望の結果を示さないだろうと言及され、炭酸塩は全く言及されていない。)
さらに、LiBr/ZnBr2/CHBr2塩水及び平坦なポリビニルアルコール複合体膜を用いて、いずれもの塩水の漏れを検知することができなかったと記載されているが、この参照文献は、ポリエテン又はポリプロペン膜が、液相であるモノエタノールアミン水溶液と組み合わされて用いられたとき、膜の漏れの問題を一般的に認識していない。また、この参照文献は、そのような問題が、この参照文献に従う高濃度吸湿性溶液における濃度よりもずっと低い濃度の1種又はそれ以上の水溶性塩を添加することにより克服し得ることは示唆していない。
最後に、この参照文献は、水蒸気の吸収にのみ関するもので、例えば二酸化炭素又は硫化水素の吸収は言及も示唆もされていない。
国際出願9401204には、気体流れの湿度を制御し、及び同時に気体流れを所望しない酸又はアルカリ気体から精製するための方法及び装置が記載されている。この方法によれば、例えばポリプロペン製の中空糸を包含するような微孔質かつ疎水性である1つ又はそれ以上の膜を包含する膜モジュールが用いられている。吸収液として、トリエテングリコール若しくはポリエテングリコール又はその混合物のような極性グリコール、アルコール若しくはグリセロールから構成される吸湿性液体、又は例えば、重量を基礎として4:1の比を有するこれらグリコールと炭酸ナトリウム若しくはカリウム溶液との混合物のような薄い(watery)電解質溶液から構成される吸湿性液体がここでも用いられる。従って、これら吸収液は、炭酸塩水溶液の少量を含有しているるにも係わらず、有機的性質のもので、有機吸収成分の濃度は、10Mをはるかに超える。
しかしながら、有機アミン及び水溶性塩の水溶液の使用は、言及も示唆もされておらず、また例えばポリプロペン又はポリエテン中空糸に伴う漏れを予防することにおけるそれらの使用も言及も示唆もされていない。
米国特許5,281,254及び4,954,145には、その細孔が吸収液体で満たされている多孔質膜を用いる気体吸収のための方法が記載されている。これらの参照文献は、気体/液体吸収ではなく、気体/気体吸収に関する。また、膜の細孔は、水溶液ではなく、例えば有機アミンで満たされている。
米国特許4,147,754には、H2Sの気体/気体吸収における「不動化された液体膜」の使用が記載されている。
すなわち、上述の参照文献のいずれも、例えばポリプロペン又はポリエテン中空糸と併用された場合の水性記吸収液の漏れの問題に関するものではなく、この問題に対する解決は、言及も示唆もされていない。本発明は、この問題を初めて認識し、膜気体吸収が、漏れを起こすことなく延長された期間安定な条件下で作動され得るように液相を選択するという解決手段を提供するものである。
この目的のために、本発明は、気相から除去されるべき気体成分を吸収し、及び膜から漏れを発生させないか若しくは膜からの漏れを予防するのに有効な各種の液相を提供する。これら液相のいくつかは、例えばカラム装置におけるような気体/液体吸収用液相としてそれ自体は既知のものである。
しかしながら、本発明に従って用いられる液相は、既に述べたように、先行技術においてはそれであるとも認識されていない問題である膜気体吸収における漏れの予防のためには現在のところ用いられていない。
従って、最も広い意味において、本発明は、前段(preamble)部分に記載されるタイプの方法に関し、いずれもの漏れを引き起こさず、又は漏れを予防し若しくは妨害することに有効な液相が用いられることを特徴とする。
本発明の第1の好ましい側面は、液相が、水及び水溶性若しくは水混和性有機吸収剤を包含することを特徴とし、20℃における液相の表面張力が、水溶性塩を添加することにより少なくとも60×10-3N/mになっているものである。
本発明の第2の好ましい側面は、液相が水溶性アミノ酸及び/又はアミノ酸の水溶性塩の水溶液を包含することを特徴とする。
本発明の第3の側面は、液相が水溶性リン酸塩の水溶液を包含することを特徴とする。
本発明のさらなる好ましい側面及びその利点は、以下の記載から当業者に明らかになるであろう。
しかしながら、本発明は、前記3つの好ましい側面に限定されるものではなく、好ましくは水性液相であるいずれもの液相であって、所望の気体不純物を吸収し、膜気体吸収における漏れの予防及び/又は妨害に関して有効な液相も本発明の範囲に含まれることが理解されるべきである。本出願において記載されるものに基づき、当業者は、いつ漏れが起こり、どの液相が漏れを生じないか、又はこれを予防し及び/又は妨害することに有効であるかを決定することができるであろう。
しかしながら、以下の記載から明らかになるであろうように、物質移動、速度論及び/又は再生エネルギー、腐食性などのような膜気体吸収に関連する更なる特性の見地から、上述の3つの液相が好まれるべきである。
この文脈において、本発明は、いくつかの代替液相を提供し、それらのすべては、漏れをすることなく膜気体吸収のために用いられ得る。その結果、当業者は、液相及び更なる条件を選択することにより、所望の適用のためにできる限り最適の膜気体吸収システムを提供することができる立場におかれ、除去されるべき気体不純物、用いられる膜、用いられる装置、所望の除去の程度、温度、所望の物質移動及び速度論、再生の方法などのような更なるファクタが役割を果たす。具体的に及び好ましくは、本発明の液相は、良好な速度論及び高い物質移動を示し、これらは、延長された期間に渡る連続作動の場合においても一定のままである。特に、本発明の液相を用いると、上述したマツモトらによる文献に記載されるポリプロペン又はポリエテン中空糸と共にモノエタノールアミン/水溶液を使用した場合の、時間の経過による物質移動の所望しない低下を予防することが可能である。
さらに、上述の好ましい側面のいろいろの要素を併合することも可能であり、そのような組み合わせは本発明の範囲内に入る。例を挙げると、水溶性リン酸塩と水溶性アミノ酸若しくはその塩の両者の水溶液など、又は水溶性アミノ酸のリン酸塩などを包含する液相を用いることができる。水中における有機吸収剤の水溶液の20℃における表面張力を本発明で要求される値を超えるようにするために、リン酸塩、水溶性アミノ酸又はその水溶性塩を用いることも可能である。更なる可能性のある組み合わせは、当業者に明らかであろう。
さらに、すべての液相がすべての考え得る適用に等しく適していないという事実もまた本発明の範囲内に入る。しかしながら、当業者は、液相、膜素材及び所望の適用のための条件の適切な組み合わせを、本出願に従い提供される代替品から選択することができるであろう。
本発明においては、最も広い意味において、例えば通常の有機吸収剤の水溶液のような既知の液相を用いるときに漏れを示すところの膜を用いる。
本出願によれば、漏れとは、膜を通過する液体吸収剤の所望しない浸透を意味すると理解されなければならない。その結果、膜の細孔は、液体吸収剤の満たされ及び/又は湿潤され、重大な場合には、気相と液相との分離を保つことに関する膜の必須の作用が不利に影響され得る。
しかしながら、本発明は、漏れの発生についての特定のメカニズム又は特定の説明に制限されない。出願人は、漏れが起こるか否かは、用いられる膜と用いられる液相を含む吸収システムにおける各種のファクタに関連して起こることを見出した。
この漏れの発生の結果、膜システムの吸収効果が低下し又は完全になくなり、分離効率が低下し、又は装置が遮断され及び/又は損害を受けることがあり得る。このことから、漏れは、膜気体吸収システムの動作及び信頼性に不利に影響する重大な問題になり得ることを理解することができ、このことは、特に、オフショアー産業及び気圏におけるような高い信頼性が所望されるところの適用に極めて望ましくないものである。
従来の液体吸収剤を用いると、本発明が妨害し又は予防することを目的とするところの漏れは、一般的に、システムがいくらかの時間、すなわち2、3時間から数日までの間にすでに連続動作状態であった後にだけ起こる。このことは、この漏れの発生をより驚くべきものにする。なぜならば、漏れは、本質的には、膜の効果が液相と気相とを分離状態に維持することに不十分である故に、膜が液体吸収剤との接触に供されたとき直ちに起こるであろうことが予期されるからである。
しかしながら、実際には、吸収ユニットの連続作動の場合には、漏れはいくらかの時間の後にのみ起こることが分かり、そのため、短い持続期間の実験を基にして、特定の液体吸収剤が漏れを予防し又は防ぐことに有効であるかどうかを予想することは不可能である。このことは、本発明へと導いたところの漏れの発生の問題の認識の重要性を再び示すものである。
漏れの発生は、視覚的に、又は当業者に明らかであろうような他の適切な方法で確かめることができる。一旦、膜システムが漏れを示していることが確かめられたならば、本発明に従い適切な液相を選択し、用いることが可能である。
本発明の方法及び液相は、一般に、ポリプロペン(PP)、ポリエテン(PE)、フッ化ポリビニリデン(PVDF)及びポリスルホン(PSU)のようなポリテトラフルオロエテン以外の素材の膜を用いて使用される。さらに、本発明は、もし漏れが起きたならば、プラズマ膜、シロキサンゴムを塗布された膜(PDMS)、フッ素、パラフィン等で処理された膜のような塗布膜システム又は被処理膜システムを用いることができる。
膜は、輸送経路を有する平膜、いわゆる「プレート及びフレーム」モジュール(並流及び向流の両者であり向流が好ましい)、又はらせん状に巻かれた平膜のようないずれもの所望の形態で用いることができ、これは当業者に明白であろう。
例えばポリプロペン又はポリエテンの平坦な糸の形態にある膜を用いると、先行技術のポリテトラフルオロエテン中空糸を用いて達成されたと同じ充填密度を達成することが可能である。しかしながら、ポリプロペン膜及びポリエテン膜は、ポリテトラフルオロエテン中空糸よりも安価でかつ製造が簡単である。
しかしながら、好ましくはそして有利には、本発明は、中空膜より具体的には、加工して製造することができ及び/又は小さい寸法の装置内で用いられ得るところの小径の中空糸を用いた膜気体吸収のために用いられる。
このタイプの中空糸膜は、その製造及び使用は、専門家の分野で一般的に知られている。例えば、米国特許4,286,279には、人工肺における使用のための気体/液体吸収用中空糸膜の使用が記載されているが、延長された期間に渡る連続使用の場合の膜の安定性又は漏れに関する問題については言及していない。
原則として、接触膜としての中空糸膜を使用することは、商業的に入手し得る膜を用いて広い交換表面積(>1000m2/m3)を達成し得るので、吸収装置の寸法を低下させることができる。通常約100m2/m3の比表面積を有する通常の充填カラムと比較すると、これは相当大きい。その結果、装置の大きさを有意に低減させることができる。
さらに、次のような追加の利点がある。
・気体対液体流れ比の完全に自由な選択、
・エントレインメント(entrainment)、フラッディング(flooding)又はあわ立ちがない
・気体側での低い圧力低下、膜について低い割合の流れ表面(low percentage flow surface with membranes)、
・低い液体停滞、
・内部でスイッチされたセグメントを用いることによる容易に調節できる向流作動。
よって、本発明の方法によれば、膜は好ましくは、PTFE以外の不活性多孔質素材から製造された中空糸膜である。前記中空糸は、有利には、例えば0.33mmのような1mm未満の外径を有する。そのような小さい糸は、現在PTFEを用いては全く製造されていない。
ポリプロペン(PP)、ポリエテン(PE)、ポリテトラフルオロエテン(PTFE)、フッ化ポリビニリデン(PVDF)及びポリスルホン(PSU)のようなこのタイプの中空糸膜を製造するための素材は、先行技術から既知である。これらの素材から製造される中空糸膜は、例えば多孔率40〜70%を有する焼結糸(sintered fibre)を包含するような取り替え可能なモジュールとしてたびたび商業的に入手可能である。
そこで、本発明は、中空糸膜を用いる気体/液体吸収の操作のための方法であって、高い効率、すなわち高い比表面積及び高い物質移動係数を有し、さらに、時間の経過に伴う物質移動における所望しない低下が検知されない方法を提供する。
本発明は、低コストであるばかりでなく既知のPTFE糸よりも小さい外径を有することのできるところのポリプロペン及びポリエテン中空糸を用いることを可能にする。このことに基づき、本発明の方法は、緻密な装置において実施し得る。
本発明の方法は、雑多な異なる不純物を気相から除去するために用いることができ、最も広い意味において、特定の不純物に限定されない。
例えば、膜気体吸収は、空気、送気管気体及び排気気体のような気相からの二酸化炭素の除去等のために非常に適した技術であり、これは、本発明の好ましい側面を構成する。
この文脈において、具体的なプロセスを選択するときに重要な点は、CO2濃度、所望する除去の程度、排気気体中に存在する酸素による分解、腐食性、製造されるCO2の所望する純度、及び排気気体流中の一般的な処理条件である。
特に、オフショアー産業及び気圏におけるような適用には、装置の小さい寸法、低い重量及び高い信頼性(すなわち安定性)が重要である。この文脈において、利用し得る接触表面積に加えて、プロセスの速度論もまた装置が取り込む体積を決定する上で決定的な要素である。この文脈において、本発明により、当業者は、漏れの発生又は物質移動における所望しない低減を伴うことなく、究極のシステムにおける所望の特性を入手することができる。
液相を正確に選択することにより、本発明は、例えば気相からの硫化水素又は水蒸気の除去のためにも用いられ得る。本発明は、膜技術が用いられるところの脱離プロセスにおける漏れを予防するためにも用いられ得、この場合、液相の再生エネルギーもまた重要なプロセスパラメータである。
本発明は、膜気体吸収のためのシステムにも関する。このシステムは、ポリテトラフルオロエテン以外の素材の中空糸を有する膜モジュールと容器とを包含し、容器は水性液相を保持するものであって、液相が、膜からのいずれもの漏れを起こさず又は膜からの漏れを予防又は妨害することに有効なシステムである。本発明は、上述の好ましい側面及び制限を課することのない例を参照して以下により詳しく説明されるであろう。
最後に、本出願において説明されるクラスの吸収液は、ここに説明されるそれらの有利な吸収特性故に、もちろんPTFE膜と共にも用いられ得ることが理解されるべきである。
A.有機溶媒と水溶性塩との組み合わせ
本発明の第1の好ましい側面によれば、水と水溶性又は水混和性有機吸収剤とを包含する液相が用いられ、水溶性塩の添加により、20℃における液の表面張力は少なくとも60×10-3N/mにされている。
この文脈において、水溶性塩は、好ましくは水溶性炭酸塩、好ましくは炭酸カリウム及び炭酸ナトリウムから選択される。塩は、有利には0.05〜10M、好ましくは0.1〜5Mの濃度で用いられる。
有機吸収剤は、好ましくはモノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、(ポリ)エテングリコール、エーテル、アルコール及びN−メチルピロリドンから選択され、より好ましくはモノエタノールアミン又はジエタノールアミンから選択される。
有機吸収剤は、有利には0.05〜10M、好ましくは0.1〜5Mの濃度で用いられる。
しかしながら、本発明は、上の水溶性塩、有機吸収剤及び濃度に限定されず、更なる適切な可能性のあるものは、当業者に明らかであろう。
すでに上述したように、水と上述の有機吸収剤との組み合わせが用いられる場合、物質移動に関する問題及び漏れに関する問題は、例えばポリプロペン又はポリエテン中空糸を用いるときにのみ発生する。驚くべきことに、本発明の方法を用いることにより、例えばポリエテン及びポリプロペン中空糸膜を用いる気体/液体吸収は、モノエタノールアミンのみの水溶液を用いて得られたように、時間の経過により発生する物質移動係数の低下を伴うことなく、安定な状態で動作され得ることが明らかになった。さらに、驚くべきことに、既知のモノエタノールアミン/水システムと比べて、水溶性塩によりモノエタノールアミンの一部分を置換することは、物質移動係数の有意な低下を導かないことが分かった。
本発明は、20℃における表面張力が少なくとも60×10-3N/mである水混和性有機吸収剤及び水溶性塩の水溶液の膜気体吸収のための使用、並びに膜気体吸収のためのシステムであって、ポリテトラフルオロエテン以外の素材の中空糸並びに水混和性有機吸収剤及び水溶性塩の水溶液を包含する液体を含む中空糸膜モジュールを包含し、前記溶液が60×10-3N/mよりも大きい表面張力を有するものであるシステムにも関する。
本発明によれば、液相の表面張力は、水溶性塩を添加することにより、液体吸収剤が中空糸膜の細孔を湿潤させないような値以上にされなければならない。
ポリプロペン(アキュレルR)の場合、室温における表面張力の限界値は60×10-3N/mである。別の膜素材の場合、この張力はいくらか低くてもよく、その結果、これらの素材を用いるときは、幾分より低い表面張力も用い得、これも本発明の範囲内に含まれる。
しかしながら、実用的な適用においては、表面張力は、その膜素材の限界表面張力を越えることが好ましく、その結果、安定かつ信頼し得るシステムが得られる。さらに、液相の表面張力は、温度に依存する。
したがって、原則として、その表面張力が限界値よりも低い液体吸収剤又はその混合物は、安定な状態で及び/又は漏れを起こすことなく用いることができない。
さらに、既知のシステムに対比して、本発明の場合、いくつかの有機吸収剤は、水溶性塩と置換することができ、これを用いないと速度論の低下を導く。その結果、有機吸収剤のより低い濃度を使用することができる。
しかしながら、本発明の場合、液相の表面張力は、塩、イオン又は他の構造生産剤(structure-producing agent)を添加することにより上昇させることができ、それがなければ速度論を低下させることが分かった。
従って、本発明は、低い表面張力を有する液体吸収剤を、表面長力を増加させるところの(既知である可能性もある)他の吸収剤と混合することにより、膜気体吸収のために使用できるようにし得る。このことは、反応速度論及び/又は負荷(loading)にいずれもの有意な不利な結果を伴うことはない。
この文脈において、一般に、炭酸カリウム溶液は、水中のモノエタノールアミンの溶液よりも遅い速度論を有する。システムの安定性は、主に物質移動係数に依存する。物質移動係数は、一定の駆動力に対して単位時間及び単位表面積当たりどれだけの物質が移動したかを表わすもので、したがって、装置の寸法取りをするとき重要なパラメータである。この係数もまた、延長された期間の使用の場合に一定に維持されなければならない。
他の重要なプロセスパラメータは、再生エネルギーである。水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム溶液により高い反応速度論が得られることは事実であるが、このタイプのシステムはあまりに高い再生エネルギーを必要とする。
マツモトらによる上述の文献から、及び出願人により行なわれた実験から、疎水性ポリプロペン中空糸膜モジュール内において行なわれた5M MEA(水中30%)を用いるCO2吸収に関する実験において、このシステムは、高い物質移動係数(k>1×10-3m/s)を示すことが明らかになった。
しかしながら、前記参照文献により、このシステムの物質移動係数がいくらかの時間の後に低下することが知られている。さらに、出願人の研究により、2、3時間から数日までの間のある時間の後に、液相の漏れが起こることが分かった。
何がこの漏れを引き起こすのか完全に明らかではない。明らかなことは、あまりに低すぎる突破圧力(breakthrough pressure)に関連しないことである。突破圧力との用語は、その圧力において液相が細孔を湿潤させる圧力を表わすために用いられる。所望の突破圧力は、約1バールであるが、少なくとも0.5バールである。5M MEA溶液の突破圧力は、膜システムに対して望ましい突破圧力である1.0バールよりも大きい。漏れの発生は、液相の表面張力に独占的に関連するものでもない。なぜならば、液相の表面張力があまりに低いと、漏れは使用後直ちに予想され、連続使用におけるいくらかの時間の後ではないからである。
本発明の方法は、気相からの二酸化炭素の吸収に特に適していることが見出された。この文脈において、用いられる水溶性塩は、好ましくは水溶性炭酸塩、有利には、1.5〜2.5M、好ましくは2Mの濃度で用いられる炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムである。有利には、用いられる有機吸収剤は、0.1〜1.5M、好ましくは1Mの濃度のモノエタノールアミンである。
最後に、本発明は、脱離にも用いられ得る。この場合、気体成分が液相から気相へ移動される。一般に、気相からの気体成分の吸収の場合と、離脱の場合の両者とも気相と液相との間に平衡が成立するということができる。
本発明は、水混和性有機吸収剤と水溶性塩との水溶液の使用にも関する。ここで、膜気体吸収、特に気相からの二酸化炭素の吸収、又は気相からの水蒸気の吸収において、溶液は、20℃において60×10-3N/mよりも大きい表面張力を有する。
最後に、本発明は、膜気体吸収のためのシステムに関する。このシステムは、ポリテトラフルオロエテン以外の素材の中空糸を包含する中空糸膜モジュールと容器とを包含し、容器は水混和性有機吸収剤と水溶性塩との水溶液を保持し、溶液は、20℃において60×10-3N/mよりも大きい表面張力を有するものである。
上述の適用及び上述のシステムの好ましものは、上述の方法の好ましいものと同じである。
B.アミノ酸
本発明の第2の好ましい側面によれば、用いられる液相は、水溶性アミノ酸又はその水溶性塩の溶液である。
本発明のこの側面によれば、アミノ酸は、1つ又はそれ以上のアミノ基及び1つ又はそれ以上のカルボン酸基又はスルホン酸基を含有するところのすべての有機化合物であると理解される。
この文脈において、カルボン酸/スルホン酸基及びアミノ基は、天然に産生されるアミノ酸の場合のように、その有機化合物の同じ原子に結合することができるが、本発明によればこのことは必須ではない。アミノ基とカルボン酸基とが、2つ又はそれ以上の炭素原子のような原子で隔てられているアミノ酸を有利に本発明のために用いることができる。
膜吸収における使用のために、これらアミノ酸は、吸収されるべき化合物に対するアミノ基の接近しやすさに応じて、立体障害アミノ酸(sterically hindered amino acid)及び非立体障害アミノ酸(non-sterically hindered amino acid)に細分される。
これら2つのカテゴリーのアミノ酸は、二酸化炭素の吸収に際して異なった反応経路をとおる。非立体障害アミノ酸の場合、二酸化炭素の吸収は、次の反応式によりカルバミン酸塩(carbamate)の生成を経由して進む。
CO2+2RNH2→RNH3+RNHCOO-
立体障害アミノ酸の場合、二酸化炭素の吸収は、次の式に従い重炭酸塩(bicarbonate)の生成を経由して進む。
CO2+RNH2+H20→HCO3 -+RNH3 +
一般に、非立体障害アミノ酸において、アミノ基及び酸基は2つ又はそれ以上の原子により隔てられているであろう。好ましく用いられるこれら非立体障害アミノ酸の例として、タウレート(taurate)及びその誘導体が挙げられ、これらは、吸収カラムにおける二酸化炭素の吸収についてのカナダ特許619 193に記載され、その内容はここに引用により援用される。しかしながら、前記カナダ特許には、膜気体吸収におけるタウリン及びその誘導体の使用は記載されていない。
本発明において用い得る他の非立体障害アミノ酸は、当業者に明らかであろう。例を挙げると、カナダ特許619 193に記載されるように、とりわけメチルタウリン、メチル−α−アミノプロピオン酸、N−(β−エトキシ)タウリン、及びN−(β−アミノエチル)タウリンがあり、その内容はここに引用により援用される。
立体障害アミノ酸の例としては、天然に産生されるアミノ酸、すなわちタンパク質の天然の構成成分であるアミノ酸が挙げられ、これら酸において、吸収されるべき物質へのアミノ基の接近しやすさは、同じ炭素原子上のアミノ基とカルボン酸基の存在により制限される。
上述の酸の例を挙げると、例えばアラニン及びグリシン、さらにはジメチルグリシンのようなその誘導体である。液体吸収剤として使用するためのそのようなアミノ酸の水溶液は、アルカジドN(Alkazyd N)(アラニン)及びアルカジドジ−K(Alkazyd di-K)(ジメチルグリシン)の商品名で商業的に入手可能である。
さらに、アスパラギン、グルタミン、リジン及びヒスチジンのような1分子当たり数個のアミノ基を包含するアミノ酸を用いることが可能である。
アミノ酸は、場合に応じた活性な形態で場合に応じて用いることができる。さらなる望ましいアミノ酸は、当業者に明らかなように、例えばストレッカー合成(Strecker synthesis)により合成することができる。
立体障害アミノ酸は、アミノ基1モル当たり1モルの二酸化炭素の比で二酸化炭素を吸収するであろう。非立体障害アミンの場合、カルバミン酸塩反応経路故に、この比は0.5:1である。しかしながら、立体障害アミノ酸に比べて、非立体障害アミノ酸は、一般に、二酸化炭素に対して、より低い結合エネルギーを示すという利点があり、従ってそれらは、再生することが容易である。
本発明において、アミノ酸は、吸収及び漏れの予防のために有効な量が用いられ、一般的には、0.1〜10M、好ましくは1〜6M用いられる。
アミノ酸溶液は、一般的には、アルカリ性pH、より具体的には9〜13のpHを有するであろう。アミノ酸のアルカリ性溶液を用いることは、アミノ酸のアミノ基の大部分が遊離の形態で、すなわち保護されない形態で吸収のために利用できるという利点を供する。
液体吸収剤を調製するために、アミノ酸を水に溶解し、pHは、アミノ酸の添加中又は添加後に予め所望の値に調整されている。アミノ酸は、好ましくは水溶性塩の形態で添加される。非立体障害アミノ酸については、ナトリウム塩又はカリウム塩、より具体的にはカリウム塩が好ましく用いられる。このタイプの塩は、二酸化炭素を重炭酸塩メカニズムにより吸収するところの立体障害アミノ酸については望ましくない。なぜならば、二酸化炭素を吸収すると重炭酸塩沈殿が生成され得るからである。
アミノ酸は、場合に応じて、炭酸塩のような他の水溶性塩と組み合わせることができる。この場合、塩の相対濃度は、移動係数及び吸収容量の最適な組み合わせが得られるように選択することができ、アミノ酸成分が移動係数により大きく貢献する一方で、炭酸塩成分が吸収容量により大きく貢献する。しかしながら、アミノ酸溶液は、アミノ酸に追加して有機吸収剤を含有する必要はない。なぜならば、アミノ酸は、吸収剤として作用するからである。
用いられるアミノ酸溶液の表面張力は、一般にかつ好ましくは、用いられる膜の限界値、すなわちアキュレル(Accurel)糸においては20℃において60×10-3N/mを超えるであろう。もし所望すれば、アミノ酸溶液の表面張力は、上述したように、水溶性塩の添加によりさらに上昇させることができる
例えばモノエタノールアミン/水と比較して、漏れを予防し及び/又は妨害することに加えて、アミノ酸溶液の使用の更なる利点は、次のようなものである。
・アミノ酸は腐食性がより低い、
・アミノ酸はO2に対してより安定である、
・吸収容量が、例えばモノエタノールアミンのそれに匹敵する、
・再生エネルギーがモノエタノールアミンのそれに匹敵する、及び
・時間の経過に伴う物質移動係数の低下がない。
従って、問題のアミノ酸溶液は、70℃よりも高いような、高められた温度における適用のような有機溶媒又は腐食性塩及びそれらの組み合わせの使用が望ましくない場合における適用に用いられ得る。これらの適用には、アミノ酸液相が、有機吸収剤を含有する液相の貴重な代替品になる。
本発明は、膜気体吸収における漏れを予防するための水溶性アミノ酸又はその水溶性塩の水溶液の使用にも関する。
最後に、本発明は、ポリテトラフルオロエテン以外の素材の中空糸を包含する中空糸膜モジュールと容器とを包含し、容器が水溶性アミノ酸又はその水溶性塩の水溶液を保持する膜気体吸収のためのシステムに関する。
C.リン酸塩
本発明の第3の好ましい側面によれば、用いられる液相は、水溶性リン酸塩の水溶液である。
この目的のためにいずれもの水溶性リン酸塩を用いることができ、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム及びリン酸アンモニウム、そして特にリン酸カリウムが好ましい。
リン酸塩は、一般に、漏れの予防又は妨害に関して有効であり、かつ所望の吸収容量、物質移動及び速度論が得られる濃度において用いられるであろう。この濃度は、一般に、0.5〜5M、好ましくは約2Mであろう。
リン酸塩は、一般的には、アルカリ性溶液中で、より具体的には、pH9〜13において用いられるであろう。このことは、この溶液中のホスフェートアニオンの大部分が、PO4 3-の形態で存在するであろうことを意味する。
液相を得るために、リン酸塩が水中に溶解され、もし必要ならば、その後にpHが所望の値に調整される。この文脈において、いずれものH+イオンを包含しないリン酸塩を添加することが好ましいが、1水素リン酸塩及び2水素リン酸塩を添加し、次いでpHを所望のアルカリ性値にし、3価のホスフェートイオンが得られるようにすることもできる。
本発明に従い用いられるリン酸塩は吸収剤として作用するので、リン酸塩に追加して、いずれもの有機吸収剤を添加する必要はない。
リン酸塩溶液の表面張力は、一般的にかつ好ましくは、用いられる膜の限界値よりも高く、すなわち例えば、アキュレル糸については、20℃において60×10-3N/mよりも高い。
本発明に従い用いられるリン酸塩は、二酸化炭素排出流の除去に特に好適である。リン酸塩の別の非常に好適な適用は、その内容がここに引用により援用されるところの米国特許1,945,163に記載されているような、カラム気体吸収における気体流れからの硫化水素の除去である。しかしながら前記特許は、膜気体吸収におけるリン酸塩の使用を記載していない。
リン酸塩の使用の更なる利点は、次のとおりである。
・リン酸塩は腐食性がより低い、
・リン酸塩は、O2に対してより安定である、
・吸収容量が、例えばモノエタノールアミンのそれに匹敵する、
・再生エネルギーが、モノエタノールアミンのそれに匹敵する、及び
・時間の経過に伴う物質移動係数の低減がない。
本発明は、膜気体吸収において漏れを予防するための水溶性リン酸塩の水溶液の使用にも関する。
最後に、本発明は、ポリテトラフルオロエテン以外の素材の中空糸を包含する中空糸膜モジュールと容器とを包含し、容器が水溶性リン酸塩の水溶液を保持する膜気体吸収のためのシステムに関する。
上述した本発明及び好ましい側面を以下の例に基づき説明するが、本発明の範囲を限定するものではない。
例1
この例は、多孔質中空糸膜(マイクロダインモジュール(Microdyn module)LM2P06内のアキュレルR、ポリプロペン、外径1mm、内径0.6mm)を使用して、1Mモノエタノールアミン及び2M炭酸カリウムの水溶液を用いて、室温において窒素を含む混合物(6%CO2)からの二酸化炭素の除去を説明する。
(長期の)実験期間中、液体吸収剤は、低い流速(0.2リットル/分)及び液側への低い過剰圧力(0.04バール)において、糸の内腔を通して連続的にポンプ送入した。実験中に漏れは検知されなかった。
さらに、物質移動係数を、8日間の試験期間中の3つの時点において測定した。この測定は、説明した気体混合物を膜モジュール(糸の外)内に供給し、入り口と出口とにおいてCO2濃度を測定することにより行なった。以下の表は、試験期間中物質移動係数が一定に維持されたことを示し、このことは、漏れが発生しなっかったことを意味する。
例2
この例は、多孔質中空糸膜(マイクロダインモジュールLM2P06内のアキュレルR、ポリプロペン、外径1mm、内径0.6mm)を使用して、2Mタウリンと水酸化カリウムを添加してpHを11.68にした水溶液を用いて、室温において窒素を含む混合物(6%CO2)からの二酸化炭素の除去を説明する。
(長期の)実験期間中、液体吸収剤は、低い流速(0.14リットル/分)及び液側への低い過剰圧力(0.04バール)において、糸の内腔を通して連続的にポンプ送入した。実験中に漏れは検知されなかった。
さらに、物質移動係数を、9日間の試験期間中の4つの時点において測定した。この測定は、説明した気体混合物を膜モジュール(糸の外)内に供給し、入り口と出口とにおいてCO2濃度を測定することにより行なった。以下の表2は、試験期間中物質移動係数が一定に維持されたことを示し、このことは漏れが発生しなっかったことを意味する。
Claims (23)
- 1種又はそれ以上の気体成分を気相から吸収するための方法であって、その中に存在するところの吸収されるべき成分を含有する該気相を液相との接触に供し、該気相及び該液相が疎水性膜により隔てられる方法において、
該気体成分が、二酸化炭素及び/又は硫化水素から選択され、
該膜が、ポリプロペン、ポリエテン、フッ化ポリビニリデン又はポリスルホンから構成され、
該液相が、水並びに水混和性及び/又は水溶性吸収剤を包含し、20℃において60×10-3N/mよりも大きい表面張力を有する方法。ただし、該液相は、モノエタノールアミン(MEA)及び水から実質的になる水溶液ではない。 - 該液相が、水溶性又は水混和性有機吸収剤の水溶液であって、20℃における表面張力が、水溶性塩を添加することにより少なくとも60×10-3N/mにされている、請求の範囲第1項に記載の方法。
- 該液相が、水溶性アミノ酸又はその水溶性塩の水溶液を包含する、請求の範囲第1項に記載の方法。
- 該液相が、水溶性リン酸塩の水溶液を包含する、請求の範囲第1項に記載の方法。
- 中空糸の形態の膜が用いられることを特徴とする、請求の範囲第1項ないし第4項のいずれか1項に記載の方法。
- 外径<0.72mmを有する中空糸膜が用いられることを特徴とする、請求の範囲第1項ないし第5項のいずれか1項に記載の方法。
- 該液相が、水溶性又は水混和性有機吸収剤を包含することと、20℃における該液相の表面張力が、水溶性塩を添加することにより少なくとも60×10-3N/mにされていることとを特徴とする、請求の範囲第1項ないし第6項のいずれか1項に記載の方法。
- 該水溶性塩が、水溶性炭酸塩から、好ましくは炭酸カリウム及び炭酸ナトリウムから選択されることを特徴とする、請求の範囲第7項に記載の方法。
- 該有機吸収剤が、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン(DEA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MBK)、(ポリ)エテングリコール、エーテル、アルコール及びN−メチルピロリドンから選択されることを特徴とする、請求の範囲第7項又は第8項に記載の方法。
- 該有機吸収剤が、0.05〜10M、好ましくは0.1〜5Mの濃度において用いられることを特徴とする、請求の範囲第7項ないし第9項のいずれか1項に記載の方法。
- 該塩が、0.05〜10M、好ましくは0.1〜5Mの濃度において用いられることを特徴とする、請求の範囲第7項ないし第10項のいずれか1項に記載の方法。
- 該用いられる塩が、水溶性炭酸塩、好ましくは炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムであることと、該用いられる有機吸収剤がモノエタノールアミンであることとを特徴とする、請求の範囲第7項ないし第11項のいずれか1項に記載の方法。
- 該炭酸塩が、1.5〜2.5M、好ましくは2Mの濃度で用いられることと、該モノエタノールアミンが0.5〜1.5M、好ましくは1Mの濃度において用いられることとを特徴とする、請求の範囲第8項乃至第12項のいずれか1項に記載の方法。
- 該液相が、水溶性アミノ酸又はその水溶性塩の水溶液を包含することを特徴とする、請求の範囲第1項ないし第6項のいずれか1項に記載の方法。
- 該アミノ酸が、カルボン酸基又はスルホン酸基を包含することを特徴とする、請求の範囲第14項に記載の方法。
- 該アミノ酸又はその塩の溶液が、9〜13のpHを有することを特徴とする、請求の範囲第14項又は第15項に記載の方法。
- 該アミノ酸が、0.1〜10M、好ましくは1〜6Mの濃度で存在することを特徴とする、請求の範囲第14項ないし第16項のいずれか1項に記載の方法。
- 該アミノ酸が、非立体障害アミノ酸であることを特徴とする、請求の範囲第14項ないし第17項のいずれか1項に記載の方法。
- 該アミノ酸が、タウリン又はその誘導体であることを特徴とする、請求の範囲第18項に記載の方法。
- 該アミノ酸が、天然に産するアミノ酸から選択されることを特徴とする、請求の範囲第14項ないし第19項のいずれか1項に記載の方法。
- 該液相が、水溶性リン酸塩の水溶液を包含することを特徴とする、請求の範囲第1項ないし第7項のいずれか1項に記載の方法。
- 該水溶性リン酸塩の溶液が、9〜13のpHを有することを特徴とする、請求の範囲第21項に記載の方法。
- 該リン酸塩が、0.5〜5M、好ましくは2Mの濃度で存在することを特徴とする、請求の範囲第21項又は第22項に記載の方法。
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