JP3827934B2 - 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、及び磁気ディスクの製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は情報処理機器等の記録媒体として使用される情報記録媒体の製造方法及びその基板の製造方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報処理機器等の記録媒体として使用される情報記録媒体の一つとして磁気ディスクがある。磁気ディスクは、基板上に磁性層等の薄膜を形成して構成されたものであり、その基板としてはアルミニウム基板やガラス基板が用いられてきた。しかし、最近では、高記録密度化の追求に呼応して、アルミニウム基板と比べて磁気ヘッドと磁気記録媒体との間隔(磁気ヘッドの浮上高さ)をより狭くすることが可能なガラス基板の占める比率が次第に高くなってきている。
【0003】
このように増加傾向にあるガラス基板は、磁気ディスクドライブに装着された際の衝撃に耐えるように一般的に強度を増すために化学強化されて製造されている。また、ガラス基板表面は磁気ヘッドの浮上高さ(フライングハイト)を極力下げることができるように、高精度に研磨して高記録密度化を実現している。
他方、ガラス基板だけではなく、磁気ヘッドの方も薄膜ヘッドから磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)等に推移し、高記録密度化に応えている。
【0004】
上述した高記録密度化にとって必要な低フライングハイト化のために磁気ディスク表面の高い平坦性は必要不可欠である。加えて、MRヘッドを用いた場合、サーマル・アスペリティー(Thermal Asperity)の問題からも磁気記録媒体の表面には高い平坦性が必要となる。このサーマル・アスペリティーは、磁気ディスクの表面上に突起があると、この突起にMRヘッドが影響をうけてMRヘッドに熱が発生し、この熱によってヘッドの抵抗値が変動し電磁変換に誤動作を引き起こす現象である。
また、磁気ディスクの表面上に突起があると、この突起によってヘッドクラッシュが起きたり、このヘッドクラッシュが原因で磁気ディスクを構成する磁性膜などが剥がれるなど、磁気ディスクにも悪影響を及ぼす。
【0005】
このように、ヘッドクラッシュの防止及び低フライングハイト化の実現にとっても、サーマル・アスペリティーの発生防止のためにも磁気ディスク表面の高い平坦性の要請は日増に高まってきている。このような、磁気ディスク表面の高い平坦性を得るためには高精度に基板表面を研磨することになるが、もはや、高精度に基板表面を研磨するだけでは、磁気ディスクの高記録密度化を実現できない段階まで来ている。つまり、いくら、高精度に研磨しても基板上に異物が付着し突起が形成されていては実質的に高い平坦性は得られない。勿論、従来から異物の除去はなされていたが、従来では許容されていた基板上の異物が、今日の高密度化のレベルでは問題視される状況にある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、実質的に高い平坦性を有する基板を実現すべく鋭意研究開発を進めた結果、化学強化処理液にする前の化学強化塩に含まれるPb、Ca、Mg、Ba、Sr、Ni、Ti、Al、Si等の不純物が原因で、化学強化処理後に基板上に異物による突起が発生することがわかった。これらの不純物は、酸化物や塩の形で基板上に残り、洗浄で落としきれずに残存する場合や、高温の化学強化処理液中でガラスと一体化して酸化物等を形成する場合、金属粒子が高温の化学強化処理液中でガラス基板に焼き付く場合、粒子が凝集して基板に付着する場合などのケースが考えられる。そして、これらの不純物が原因で発生する異物による突起(凸部)が形成されたガラス基板上に磁性膜等の薄膜を積層すると、磁気ディスク表面に突起が形成され、ヘッドクラッシュの防止及び低フライングハイト化の実現や、サーマル・アスペリティーの防止の阻害要因となっていることがわかった。
【0007】
本発明は、上述した問題に鑑みなされたもので、化学強化塩に含まれる上述した不純物が原因で発生する異物による突起の高さを効果的に低減できる情報記録媒体用ガラス基板の製造方法の提供を第一の目的とする。
また、本発明は、化学強化塩に含まれる上述した不純物が原因で発生する異物に起因する欠陥が少なく高品質の情報記録媒体を高歩留まりで製造し得る製造方法の提供を第二の目的とする。
さらに、本発明は、化学強化塩に含まれる上述した不純物が原因で発生する異物による突起の高さを効果的に低減でき、したがって、ヘッドクラッシュの防止及び低フライングハイト化の実現や、サーマル・アスペリティーの防止を効果的かつ高歩留まりで実現しうる磁気ディスクの製造方法の提供を第三の目的とする。
また、本発明は、イオン交換処理液に使われる塩に含まれる上述した不純物が原因で発生する異物の発生を効果的に低減でき、したがって、欠陥の少ない電子デバイスや光学素子、光学ガラス製品等を高歩留まりで製造し得る製造方法の提供を第四の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述した知見に基づいてさらに研究開発を進めた結果、化学強化塩に含まれるPb、Ca、Mg、Ba、Sr、Ni、Ti、Al、Si等の不純物の濃度レベルを必要に応じ管理することで、これらの不純物が原因で発生する不良を低減又は回避できることを突き止めた。具体的には、現状のフライングハイト20〜30nm程度に対しては、これらの不純物濃度を、50〜100ppm(=0.005%〜0.01%)以下にするとこれらの不純物が原因で発生する異物による突起の高さを低減でき効果的であることがわかった。同様に、フライングハイト10〜20nm程度に対しては、これらの不純物濃度を、20〜50ppm(=0.002%〜0.005%)以下にすると効果的であることがわかった。さらに、現状のフライングハイトは20〜30nm程度であるが、フライングハイトを5nm以下にする場合、化学強化塩に含まれる不純物が原因で発生する異物による突起の高さを5nm以下に抑える必要があり、フライングハイト5nm以下を実現するためには、化学強化塩に含まれる前記不純物の濃度を概ね数百ppbレベル以下に抑える必要があることがわかった。さらに、化学強化塩に含まれる不純物が原因で発生する異物による突起の高さが5nm以下の場合であっても、不純物が薄く残留した場合、磁気特性の低下や耐久性の低下等を招くことがわかった。これを回避するためには、化学強化塩に含まれるPb、Ca、Mg、Ba、Sr、Ni、Ti、Al、Si等の不純物の濃度をさらに低濃度にする必要が有り、具体的には概ね50ppb以下に抑える必要があることがわかった。
【0009】
本発明は以下の構成としてある。
【0010】
(構成1) 化学強化塩を含有する化学強化処理液にガラス基板を接触させることにより、ガラス基板を化学強化する工程を含む情報記録媒体用ガラス基板の製造方法において、
前記化学強化塩に含まれるPb、Ca、Mg、Ba、Sr、Ni、Ti、Al、Siのうちの少なくとも一種の不純物濃度が、100ppm(=0.01%)以下である化学強化塩を使用することを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
【0011】
(構成2) 前記化学強化塩に含まれるPb、Ca、Mg、Ba、Sr、Ni、Ti、Al、Siの全ての不純物濃度が、100ppm(=0.01%)以下である化学強化塩を使用することを特徴とする構成1記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
【0012】
(構成3) 前記化学強化塩に含まれるPb、Ca、Mg、Ba、Sr、Ni、Ti、Al、Siのうちの少なくとも一種の不純物濃度が 20ppm(=0.002%)以下である化学強化塩を使用することを特徴とする構成1記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
【0013】
(構成4) 前記化学強化塩を含有する化学強化処理液が、主として硝酸ナトリウムと硝酸カリウムからなることを特徴とする構成1ないし3のいずれかに記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
【0014】
(構成5) 化学強化塩を含有する化学強化処理液にガラス基板を接触させることにより、ガラス基板を化学強化する工程を含む情報記録媒体用ガラス基板の製造方法において、
前記化学強化塩に含まれるPb、Ca、Mg、Ba、Sr、Ni、Ti、Al、Siのうちの少なくとも一種の不純物濃度が、300ppb以下(数百ppb以下)である化学強化塩を使用することを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
【0015】
(構成6) 化学強化塩を含有する化学強化処理液にガラス基板を接触させることにより、ガラス基板を化学強化する工程を含む情報記録媒体用ガラス基板の製造方法において、
前記化学強化塩に含まれるPb、Ca、Mg、Ba、Sr、Ni、Ti、Al、Si、S、Pのうちの少なくとも一種の不純物濃度が、50ppb以下である化学強化塩を使用することを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
【0016】
(構成7) 前記化学強化塩を含有する化学強化処理液が、主として硝酸ナトリウムと硝酸カリウムからなることを特徴とする構成5又は6に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
【0017】
(構成8) 前記情報記録媒体用ガラス基板が、磁気ディスク用ガラス基板であることを特徴とする構成1ないし7のいずれか一項に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
【0018】
(構成9) 磁気ディスク用ガラス基板が、磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)又は巨大磁気抵抗型ヘッド(GMRヘッド)と組み合わせて使用される磁気ディスク用ガラス基板であることを特徴とする構成8記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
【0019】
(構成10) 構成1ないし7のいずれか一項に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法によって得られたガラス基板上に少なくとも記録層を形成することを特徴とする情報記録媒体の製造方法。
【0020】
(構成11) 構成1ないし7のいずれか一項に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法によって得られたガラス基板上に少なくとも磁性層を形成することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
【0021】
(構成12) イオン交換処理液にガラス部材を接触させることにより、ガラス部材中のイオンとイオン交換処理液中のイオンとをイオン交換処理する工程を含む光学ガラス製品の製造方法において、
前記イオン交換処理液に使われる塩として、構成1〜3、5及び6のいずれか一項に記載の不純物濃度条件を満たす塩を用いることを特徴とする光学ガラス製品の製造方法。
【0022】
(構成13) 前記光学ガラス製品が電子デバイス用ガラス部材又は光学素子用ガラス部材であり、前記イオン交換処理液が化学強化塩を含有する化学強化処理液であることを特徴とする構成12記載の光学ガラス製品の製造方法。
【0023】
【作用】
構成1によれば、化学強化塩に含まれるPb、Ca、Mg、Ba、Sr、Ni、Ti、Al、Siのうちの少なくとも一種の不純物濃度が、100ppm(=0.01%)以下である化学強化塩を使用することによって、化学強化処理の際にこれらの不純物が原因で発生する異物による突起の高さを低減でき、現状のフライングハイト20〜30nm程度に対して効果的である。フライングハイト20nm程度に対しては、これらの不純物のうちの少なくとも一種の不純物濃度を、50ppm(=0.005%)以下とすると効果的であり、好ましい。
【0024】
構成2によれば、化学強化塩に含まれるPb、Ca、Mg、Ba、Sr、Ni、Ti、Al、Siのうちのいずれの不純物が原因であっても異物による突起に起因する不良が生じることにかわりはないので、これらの不純物の全ての不純物濃度を100ppm(=0.01%)以下にすることによって、これらの不純物の全てに起因する異物による突起の高さを低減でき、不良率を著しく低減できるので非常に効果的である。
【0025】
構成3によれば、化学強化塩に含まれるPb、Ca、Mg、Ba、Sr、Ni、Ti、Al、Siのうちの少なくとも一種の不純物濃度が、20ppm(=0.002%)以下である化学強化塩を使用することによって、化学強化処理の際にこれらの不純物が原因で発生する異物による突起の高さを低減でき、フライングハイト10〜15nm程度に対して効果的である。フライングハイト10nm程度に対しては、これらの不純物のうちの少なくとも一種の不純物濃度を、10ppm(=0.001%)以下とすると効果的であり、好ましい。
なお、上記構成1〜3において、硝酸カリウム単独の化学強化塩を使用する場合にあっては、不純物による突起の形成を回避するという本願発明の課題とは異なるが、イオン交換度の低下を極力回避するためにも、Pb、Ca等の濃度を低くすることが好ましい。
【0026】
構成4のように、硝酸ナトリウムと硝酸カリウムとの混酸からなる化学強化塩を使用する場合にあっては、Pb、Ca等によってイオン交換度が低下する問題は生じない。このため、上述した不純物濃度の管理が不十分であったが、上述した異物による突起の発生回避という全く別の観点から不純物濃度を管理することで、異物による不良率を著しく低減でき効果が大きい。
【0027】
構成5においては、フライングハイトを5nm以下にする場合、表面に5nmを超える突起が一個あってもいけないので、それを実現できる濃度とする必要がある。このような不純物濃度は不純物の種類によって若干異なるが、概ね数百ppb以下である。
表1〜4及び図1〜4に、化学強化塩に含まれる不純物濃度(各濃度10点測定)とタッチダウングライドハイト(TDFH)との関係を示す。
【0028】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0029】
Pbの場合、表1及び図1に示すように、化学強化塩に含まれるPb濃度とグライドハイトとの関係を考えた場合、異物による突起の高さを5nm以下に抑えるためには、約100ppb未満とすることが好ましい。より好ましくは、50ppb以下、20ppb以下、10ppb以下、がさらに望ましい。同様に、Mgの場合、表2及び図2から、異物による突起の高さを5nm以下に抑えるためには、約60ppb以下とすることが好ましい。より好ましくは、30ppb以下、20ppb以下、10ppb以下、がさらに望ましい。Caの場合、表3及び図3から、異物による突起の高さを5nm以下に抑えるためには、約30ppb以下とすることが好ましい。より好ましくは、20ppb以下、10ppb以下、がさらに望ましい。Tiの場合、表4及び図4から、異物による突起の高さを5nm以下に抑えるためには、約80ppb以下とすることが好ましい。より好ましくは、50ppb以下、20ppb以下、10ppb以下、がさらに望ましい。他の不純物Ba、Sr、Ni、Al、Siについても、50ppb以下、さらに好ましくは、20ppb以下、10ppb以下、が望ましい。なお、上記した全ての不純物の濃度を低減することが好ましいことは言うまでもない。
【0030】
硝酸カリウム単独の化学強化塩を使用する場合にあっては、不純物による突起の形成以外にイオン交換度の低下を極力回避するために、Pb、Ca等を特に減らす必要がある。イオン交換度の低下を回避するための不純物濃度は50ppm程度であり、構成5の発明とは不純物濃度のレベルが異なり、不純物の種類が異なるが、構成5の発明の不純物濃度レベルによれば、5nm以上の突起形成回避と共に、イオン交換度の低下を従来に比べ高いレベルで回避できる。
硝酸ナトリウムと硝酸カリウムとの混酸からなる化学強化塩を使用する場合にあっては、Pb、Ca等によってイオン交換度が低下する問題は生じない。混酸の場合、混酸の状態における不純物濃度を管理すればよいが、各々の塩の不純物濃度を管理することによって、混酸の状態における不純物濃度が管理値を超えた場合、いずれの塩が原因か、あるいは混合作業等その他に問題があるかなど原因の究明と対処が容易となるので好ましい。
【0031】
構成6では、化学強化処理液中に含まれる不純物が原因で発生する異物による突起の高さが5nm以下であっても、不純物が薄く残留した場合、磁気特性の低下や耐久性の低下等を招くことがわかった。これを回避するためには、化学強化塩に含まれるPb、Ca、Mg、Ba、Sr、Ni、Ti、Al、Si、S、Pのうちの少なくとも一種の濃度を概ね50ppb以下に抑える必要があることがわかった。磁気特性の低下等をより回避する観点から、20ppb以下、10ppb以下、5ppb以下、1ppb以下、がさらに好ましい。なお、これらの不純物の全ての濃度を低減することが好ましいことは言うまでもない。
【0032】
構成7については、上記構成4と同様である。
【0033】
上記構成8によれば、情報記録媒体用ガラス基板が、磁気ディスク用ガラス基板である場合、ヘッドクラッシュの原因となる上述した異物による突起の高さを効果的に低減でき、この結果、ヘッドクラッシュの防止及び低フライングハイト化を実現できる磁気ディスクを製造できる。
【0034】
上記構成9によれば、磁気ディスク用ガラスが、磁気抵抗型ヘッドと組み合わせて使用される磁気ディスク用ガラス基板である場合、サーマル・アスペリティーやヘッドクラッシュを起こす原因となる上述した異物による突起の高さを効果的に低減でき、この結果、ヘッドクラッシュの防止及び低フライングハイト化の実現や、サーマル・アスペリティーの防止を実現できる磁気ディスクを製造できる。磁気抵抗型ヘッドを用いる場合、低フライングハイト化やサーマル・アスペリティーの防止が特に要求されるので、特に効果的である。
【0035】
上記構成10によれば、上記構成1ないし7のいずれか一に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法によって得られたガラス基板を用いているので、化学強化塩に含まれる不純物が原因で発生する異物による突起の高さを効果的に低減でき、欠陥が少なく高品質の情報記録媒体が高歩留まりで得られる。
【0036】
上記構成11によれば、上記構成1ないし7のいずれか一に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法によって得られたガラス基板を用いているので、化学強化塩に含まれる不純物が原因で発生する異物による突起の高さを効果的に低減できる。したがって、ヘッドクラッシュの防止及び低フライングハイト化の実現や、サーマル・アスペリティーの防止を実現した磁気ディスクが得られる。
【0037】
上記構成12、13のように、電子デバイス用ガラス基板(フォトマスク用ガラス基板、位相シフトマスク用ガラス基板や、情報記録媒体用ガラス基板も含まれる。以降同じ意味で使用する。)や、電子デバイスや光学素子に使用するガラス部材、あるいは光学ガラス製品においても、ガラス中に含まれるイオンを、イオン交換処理液中に含まれるイオンとイオン交換して、化学強化したり、あるいは屈折率分布を調整すること等が行われている。このようなガラス基板や部材等においても、イオン交換処理液に使われる塩に上述した不純物が含まれていると、上述した異物による突起が形成される(例えば、この異物の部分が光を遮断することによって所望の特性が得られない)など問題となることがある。
構成12、13によれば、イオン交換処理液に使われる塩として、構成1〜3、5及び6のいずれか一に記載の不純物濃度条件を満たす塩を用いることによって、イオン交換処理液に使われる塩に含まれる不純物が原因で発生する異物による突起の高さや異物の発生率や異物の密度を効果的に低減できる。したがって、高品位の電子デバイス、光学素子、光学ガラス製品が得られる。光学ガラス製品の表面にこれらの異物が付着すると、遮光性の異物の場合は光を遮断し、透過性の異物の場合は光を屈折・散乱させるので好ましくない。
光学ガラス製品としては、例えば、光学素子、電子デバイス、屈折率分布型レンズ、光ファイバなどが挙げられ、電子デバイス用ガラス基板や光学素子用ガラス基板も含まれる。
【0038】
本発明の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法等に関し上述したこと以外の事項について説明する。
本発明は、必要に応じて不純物濃度レベルを管理することで、これらの不純物が原因で発生する不良を低減することを特徴としている。
【0039】
ここで、不純物濃度は、情報記録媒体等に要求される欠陥の許容レベルに応じて設定できる。例えば、磁気ディスク(又はガラス基板)の主表面に対向して磁気ヘッドを配置し、所定のグライド高さで磁気ヘッドを磁気ディスク(又はガラス基板)に対し相対移動させ、所望のグライド特性となるように不純物濃度を決定できる。このように、グライドテストの結果に基づいて前記基準値を決定することで、ヘッドクラッシュやサーマル・アスペリティー等を効果的に防止できる。ここで、所望のグライド特性とは、例えば、フライングハイト30nm、20nm、15nm、10nm、又は5nm以下を目標とするグライドテストにおいて、ヒットやクラッシュの発生率が例えば0%となるような特性をいう。
【0040】
化学強化塩自体にパーティクルの形態(例えば金属片などの形態)で不純物が存在する場合であって、このようなパーティクルを除去するには、例えば、化学強化塩を水に溶かした状態で、フィルター等の捕捉手段によってパーティクルを除去する。フィルターの性能(最小捕捉粒径)や種類を選択することによって、化学強化塩に含まれるパーティクルの量を所望の量や濃度に制御できる。また、最小捕捉粒径の異なる複数のフィルターを用い、粒径の大きいパーティクルを最小捕捉粒径の大きなフィルターで除去した後、粒径の小さいパーティクルを最小捕捉粒径の小さなフィルターで除去することもできる。
なお、化学強化処理液をつくる前の化学強化塩自体(硝酸ナトリウム、硝酸カリウムなど)に含まれる不純物が主であるが、他の要因もある(例えば他の添加成分や、治具や槽などの要因等)ので、最終的な化学強化処理槽中の化学強化処理液における不純物濃度を管理しても良い。
【0041】
不純物濃度の測定方法は、特に制限されず、本発明で掲げる不純物を精度良く、再現性良く定量しうる方法であればよい。不純物濃度の測定方法としては、例えば、ICP発光分析法、蛍光X線分析法、質量分析法(MS)、原子吸光分析法などが挙げられる。不純物濃度の測定方法は、不純物濃度に応じて使い分けることが好ましい。例えば、不純物濃度が数十ppb以上であればICP発光分析法、蛍光X線分析法などを使用し、数十ppb以下であれば質量分析法(MS)、原子吸光分析法などを使用することが好ましい。
なお、ICP発光分光分析法は、試料中に含まれる分析対象元素を、高周波電力を誘導結合させて発生する誘導結合プラズマ(Inductively coupled plasma)によって気化励起し、得られる原子スペクトル線における発光強度を測定することによって、定量分析等を行う方法である(JISK0116)。
蛍光X線分析法は、X線管球で得られる強い一次X線を試料に照射し発生した固有X線の波長と強度を測定し、含有元素の同定を行い、さらに、マトリクス効果を考慮した検量線を標準試薬を用いて作成し、含有元素の定量を行う方法である。
化学強化塩を溶媒に溶解させた溶液をフィルタで濾過し、予め既知濃度試料の測定から求めた検量線に基づいて、ICP発光分光分析法又は蛍光X線分析法によって化学強化塩中に含まれる元素及びその濃度の定量分析を行う。ここで、既知濃度試料とは、幾つかの濃度の異なる標準試料のことをいい、検量線はこの濃度の異なる標準試料から求められるものである。
【0042】
化学強化方法としては、ガラス転移温度を超えない領域でイオン交換を行う低温型化学強化が好ましい。化学強化処理溶液として用いるアルカリ溶融塩としては、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、あるいはそれらを混合した硝酸塩や、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、あるいはそれらを混合した硫酸塩や、NaBr、KBr、KNO2、NaNO2、あるいはそれらを混合した塩などが使用できる。
本発明で使用する化学強化塩は、固結防止用の添加剤を含まないことが好ましい。これは、固結防止用の添加剤には上述した不純物が多く含まれていると考えられるからである。
「化学強化処理液にガラス基板を接触させる」とは、化学強化処理液中にガラス基板を浸漬する場合の他、化学強化処理液をガラス基板に吹き掛ける場合などあらゆる態様が含まれる。
【0043】
ガラス基板としてはアルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラスなどが挙げられる。
情報記録媒体用ガラス基板には、磁気記録媒体用ガラス基板、光記録媒体用ガラス基板、光磁気記録媒体用ガラス基板等が挙げられる。本発明は特に磁気抵抗型ヘッド用磁気ディスク及びその基板に関して顕著な効果を奏する。
【0044】
なお、上述した化学強化塩及び化学強化処理液に関する事項は、イオン交換処理液に使われる塩及びイオン交換処理液に関しても同様である。
【0045】
次に、本発明の磁気記録媒体(磁気ディスク)の製造方法について説明する。本発明では、上述した本発明方法によって得られた磁気記録媒体用ガラス基板上に、少なくとも磁性層を形成して、磁気記録媒体を製造している。
【0046】
本発明では、化学強化塩に含まれる不純物が原因で発生する異物による突起の高さを効果的に低減した磁気記録媒体用ガラス基板を使用しているので、ヘッドクラッシュの防止及び低フライングハイト化の実現や、サーマル・アスペリティーの防止を実現した磁気ディスクが得られる。例えば、30nm、20nm、15nm、10nm、5nmなどフライングハイトに応じた低フライングハイトを実現できる。特に、磁気抵抗型ヘッドによって再生を行う磁気記録媒体にとって、磁気抵抗型ヘッドの機能を十分に引き出すことができる。また、磁気抵抗型ヘッドに好適に使用することができるCoPt系等の磁気記録媒体としてもその性能を十分に引き出すことができる。
【0047】
磁気記録媒体は、通常、所定の平坦度、表面粗さを有し、必要に応じ表面の化学強化処理を施した磁気ディスク用ガラス基板上に、下地層、磁性層、保護層、潤滑層等を順次積層して製造する。
【0048】
磁気記録媒体における下地層は、磁性層に応じて選択される。
下地層(シード層を含む)としては、例えば、Cr、Mo、Ta、Ti、W、V、B、Al、Niなどの非磁性金属から選ばれる少なくとも一種以上の材料からなる下地層等が挙げられる。Coを主成分とする磁性層の場合には、磁気特性向上等の観点からCr単体やCr合金であることが好ましい。また、下地層は単層とは限らず、同一又は異種の層を積層した複数層構造とすることもできる。例えば、Cr/Cr、Cr/CrMo、Cr/CrV、NiAl/Cr、NiAl/CrMo、NIAl/CrV等の多層下地層等が挙げられる。
【0049】
磁気記録媒体における磁性層の材料は特に制限されない。
磁性層としては、例えば、Coを主成分とするCoPt、CoCr、CoNi、CoNiCr、CoCrTa、CoPtCr、CoNiPtや、CoNiCrPt、CoNiCrTa、CoCrPtTa、CoCrPtB、CoCrPtSiOなどの磁性薄膜が挙げられる。磁性層は、磁性膜を非磁性膜(例えば、Cr、CrMo、CrVなど)で分割してノイズの低減を図った多層構成(例えば、CoPtCr/CrMo/CoPtCr、CoCrPtTa/CrMo/CoCrPtTaなど)としてもよい。
磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)又は巨大磁気抵抗型ヘッド(GMRヘッド)対応の磁性層としては、Co系合金に、Y、Si、希土類元素、Hf、Ge、Sn、Znから選択される不純物元素、又はこれらの不純物元素の酸化物を含有させたものなども含まれる。
また、磁性層としては、上記の他、フェライト系、鉄−希土類系や、SiO2、BNなどからなる非磁性膜中にFe、Co、FeCo、CoNiPt等の磁性粒子が分散された構造のグラニュラーなどであってもよい。また、磁性層は、内面型、垂直型のいずれの記録形式であってもよい。
【0050】
磁気記録媒体における保護層は特に制限されない。
保護層としては、例えば、Cr膜、Cr合金膜、カーボン膜、水素化カーボン膜、ジルコニア膜、シリカ膜等が挙げられる。これらの保護膜は、下地層、磁性層等とともにインライン型スパッタ装置で連続して形成できる。また、これらの保護膜は、単層としてもよく、あるいは、同一又は異種の膜からなる多層構成としてもよい。
なお、上記保護層上に、あるいは上記保護層に替えて、他の保護層を形成してもよい。例えば、上記保護層に替えて、Cr膜の上にテトラアルコキシランをアルコール系の溶媒で希釈した中に、コロイダルシリカ微粒子を分散して塗布し、さらに焼成して酸化ケイ素(SiO2)膜を形成してもよい。
【0051】
磁気記録媒体における潤滑層は特に制限されない。
潤滑層は、例えば、液体潤滑剤であるパーフロロポリエーテル(PFPE)をフレオン系などの溶媒で希釈し、媒体表面にディップ法、スピンコート法、スプレイ法によって塗布し、必要に応じ加熱処理を行って形成する。
【0052】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明をさらに具体的に説明する。
【0053】
実施例1及び比較例1
(1)荒ずり工程
まず、ダウンドロー法で形成したシートガラスから、研削砥石で直径96mmφ、厚さ3mmの円盤状に切り出したアルミノシリケイトガラスからなるガラス基板を、比較的粗いダイヤモンド砥石で研削加工して、直径96mmφ、厚さ1.5mmに成形した。
この場合、ダウンドロー法の代わりに、熔融ガラスを、上型、下型、胴型を用いてダイレクト・プレスして、円盤状のガラス体を得てもよい。また、フロート法でシートガラスを形成しても良い。
なお、アルミノシリケイトガラスとしては、モル%表示で、SiO2を57〜74%、ZrO2を0〜2.8%、Al2O3を3〜15%、LiO2を7〜16%、Na2Oを4〜14%、を主成分として含有する化学強化用ガラス(例えば、モル%表示で、SiO2:67.0%、ZrO2:1.0%、Al2O3:9.0%、LiO2:12.0%、Na2O:10.0%を主成分として含有する化学強化用ガラス)を使用した。
【0054】
次に、上記砥石よりも粒度の細かいダイヤモンド砥石で上記ガラス基板の両面を片面ずつ研削加工した。このときの荷重は100kg程度とした。これにより、ガラス基板両面の表面粗さをRmax(JISB0601で測定)で10μm程度に仕上げた。
次に、円筒状の砥石を用いてガラス基板の中央部分に孔を開けるとともに、外周端面も研削して直径を95mmφとした後、外周端面及び内周面に所定の面取り加工を施した。このときのガラス基板端面の表面粗さは、Rmaxで4μm程度であった。
【0055】
(2)砂掛け(ラッピング)工程
次に、ガラス基板に砂掛け加工を施した。この砂掛け工程は、寸法精度及び形状精度の向上を目的としている。砂掛け加工は、ラッピング装置を用いて行い、砥粒の粒度を#400、#1000と替えて2回行った。
詳しくは、はじめに、粒度#400のアルミナ砥粒を用い、荷重Lを100kg程度に設定して、内転ギアと外転ギアを回転させることによって、キャリア内に収納したガラス基板の両面を面精度(Ra)0〜1μm、表面粗さ(Rmax)6μm程度にラッピングした。次いで、アルミナ砥粒の粒度を#1000に替えてラッピングを行い、表面粗さ(Rmax)2μm程度とした。
上記砂掛け加工を終えたガラス基板を、中性洗剤、水の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。
【0056】
(3)端面鏡面加工工程
次に、ブラシ研磨により、ガラス基板を回転させながらガラス基板の内外周端面(面取り部及び側壁部)の表面粗さを、Rmaxで0.1μm、Raで0.03μm程度に研磨した。
上記端面鏡面加工を終えたガラス基板の表面を水洗浄した。
【0057】
(4)第一研磨工程
次に、第一研磨工程を施した。この第一研磨工程は、上述した砂掛け工程で残留したキズや歪みの除去を目的とするもので、研磨装置を用いて行った。
詳しくは、ポリシャ(研磨粉)として硬質ポリシャ(セリウムパッドMHC15:スピードファム社製)を用い、以下の研磨条件で第一研磨工程を実施した。研磨液:酸化セリウム+水
荷重:300g/cm2(L=238kg)
研磨時間:15分
除去量:30μm
下定盤回転数:40rpm
上定盤回転数:35rpm
内ギア回転数:14rpm
外ギア回転数:29rpm
上記第一研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、純水、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。
【0058】
(5)第二研磨工程
次に、第一研磨工程で使用した研磨装置を用い、ポリシャを硬質ポリシャから軟質ポリシャ(ポリテックス:スピードファム社製)に替えて、第二研磨工程を実施した。研磨条件は、荷重を100g/cm2、研磨時間を5分、除去量を5μmとしたこと以外は、第一研磨工程と同様とした。
上記第二研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、中性洗剤、純水、純水、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。
【0059】
(6)化学強化塩の準備及び分析工程
次に、化学強化塩の原料である硝酸カリウム、硝酸ナトリウムの精製過程等において不純物濃度を調整して、不純物濃度の異なる硝酸カリウム、硝酸ナトリウムの試料をそれぞれ用意した。
なお、硝酸カリウムと硝酸ナトリウムにそれぞれ含まれる不純物濃度の測定を、ICP発光分光分析装置(セイコー電子工業(株)社製:SPS−1200VR)を用いて行った。この際、各不純物について、濃度既知の4点(5ppb、50ppb、250ppb、500ppb)の濃度の溶液をそれぞれ調製し、上記ICP発光分光分析装置によって、絶対検量線法にて各不純物元素の定量を行った。
【0060】
(7)化学強化工程
上記(6)の工程で確認した不純物濃度の異なる硝酸カリウムと硝酸ナトリウムをそれぞれ60%、40%(合計73.5kg)を混合、溶解し、不純物濃度の異なる2種類の化学強化処理液を得た。具体的には、実施例1の化学強化塩では、Pb、Ca、Mg、Ba、Sr、Ni、Ti、Al、Siの全ての不純物の濃度が100ppm以下であった。比較例1の化学強化塩では、前記全ての不純物の濃度が150ppm程度であった。
上記で得られた各化学強化処理液を化学強化処理槽で400℃に加熱し、300℃に予熱された洗浄済みのガラス基板をそれぞれ約3時間浸漬して行った。なお、この浸漬の際に、ガラス基板の表面全体が化学強化されるようにするため、複数のガラス基板が端面で保持されるようにホルダーに収納した状態で行った。また、化学強化塩に含まれる不純物以外の要因を極力なくすため、化学強化処理は清浄な雰囲気の中で行い、また、化学強化処理と接触するホルダーや槽などはパーティクルが発生しない材料のものを使用した。
このように、化学強化処理液に浸漬処理することによって、ガラス基板表層のリチウムイオン、ナトリウムイオンは、化学強化処理液中のナトリウムイオン、カリウムイオンにそれぞれ置換されガラス基板は強化される。
ガラス基板の表層に形成された圧縮応力層の厚さは、約100〜200μmであった。
上記化学強化を終えたガラス基板を、20℃の水槽に浸漬して急冷し約10分間維持した。
上記急冷を終えたガラス基板を、約40℃に加熱した硫酸に浸漬し、超音波をかけながら洗浄を行った。
【0061】
上記の工程を経て得られたガラス基板の表面粗さRaは0.5〜1nmであった。
【0062】
(8)磁気ディスク製造工程
上述した工程を経て得られた磁気ディスク用ガラス基板の両面に、インライン式のスパッタリング装置を用いて、NiAl(Ni:50at%、Al:50at%)のシード層(膜厚40nm)、CrMo(Cr:94at%、Mo:6at%)下地層(膜厚25nm)、CoCrPtTa(Co:75at%、Cr:17at%、Pt:5at%、Ta:3at%)磁性層(膜厚27nm)、水素化カーボン保護層(膜厚10nm)を順次成膜し、この保護層上にディップ法によってパーフロロポリエーテルからなる液体潤滑剤層(膜厚1nm)を形成して、MRヘッド用磁気ディスクを得た。
【0063】
(評価)
得られた磁気ディスクについてグライドテスト(グライド高さ:15nm(フライングハイト30nm目標)、周速:10m/s)(5000枚)を実施したところ、実施例1の化学強化処理液を用いた場合では、ヒット(ヘッドが磁気ディスク表面の突起にかすること)やクラッシュ(ヘッドが磁気ディスク表面の突起に衝突すること)は認められなかった(グライド収率は100%、グライド不良は0%であった)。また、サーマル・アスペリティーの原因となるパーティクルによって、磁性層等の膜に欠陥が発生していないことも確認できた。
また、グライドテストを終えた本実施例の磁気ディスクについて、磁気抵抗型ヘッドで再生試験を行ったが、複数のサンプル(500枚)の全数についてサーマル・アスペリティーによる再生の誤動作は認められなかった。
【0064】
一方、比較例1の化学強化処理液を用いた場合では、化学強化塩に含まれる各不純物の濃度は150ppm程度であり、化学強化工程で生じる異物による突起の高さが高くなるとともに、突起の発生率や突起の密度が大きく、30nmのグライドテスト(5000枚)における不良率は10%と高く、また、再生試験(500枚)を行ったがサーマル・アスペリティーによる再生の誤動作の確率も高かった。
【0065】
実施例2、比較例2
次に、以下に示す不純物濃度の化学強化塩を用いて得た化学強化処理液を使用したこと以外は実施例1と同様にして、磁気ディスク用ガラス基板を作製した。
実施例2の化学強化塩は、Pb、Ca、Mg、Ba、Sr、Ni、Ti、Al、Siの全ての不純物元素が20ppm以下。
比較例2の化学強化塩は、上記全ての不純物元素が30ppm程度。
【0066】
(評価)
得られた磁気ディスクについてグライドテスト(グライド高さ:10nm(フライングハイト20nm目標)、周速:8m/s)(5000枚)を実施したところ、実施例2の化学強化処理液を用いた場合では、ヒット(ヘッドが磁気ディスク表面の突起にかすること)やクラッシュ(ヘッドが磁気ディスク表面の突起に衝突すること)は認められなかった(グライド収率は100%であった)。また、サーマル・アスペリティーの原因となるパーティクルによって、磁性層等の膜に欠陥が発生していないことも確認できた。
また、グライドテストを終えた本実施例の磁気ディスクについて、磁気抵抗型ヘッドで再生試験を行ったが、複数のサンプル(500枚)の全数についてサーマル・アスペリティーによる再生の誤動作は認められなかった。
【0067】
一方、比較例2の化学強化処理液を用いた場合では、化学強化塩に含まれる各不純物の濃度は30ppm程度であり、10nmのグライドテスト(5000枚)における不良率が高く、また、再生試験(500枚)を行ったがサーマル・アスペリティーによる再生の誤動作の確率も高かった。
【0068】
実施例3、比較例3
次に、以下に示す不純物濃度の化学強化塩を用いて得た化学強化処理液を使用したこと以外は実施例1と同様にして、磁気ディスク用ガラス基板を作製した。実施例3の化学強化塩は、Pb、Ca、Mg、Ba、Sr、Ni、Ti、Al、Si、S、Pの全ての不純物元素が50ppb以下。比較例3の化学強化塩は、上記全ての不純物元素が300ppb程度。
【0069】
(評価)
得られた磁気ディスクについてグライドテスト(グライド高さ:5nm(フライングハイト10nm目標)、周速:4m/s)(5000枚)を実施したところ、実施例3の化学強化処理液を用いた場合では、ヒット(ヘッドが磁気ディスク表面の突起にかすること)やクラッシュ(ヘッドが磁気ディスク表面の突起に衝突すること)は認められなかった。また、サーマル・アスペリティーの原因となるパーティクルによって、磁性層等の膜に欠陥が発生していないことも確認できた。
また、グライドテストを終えた本実施例の磁気ディスクについて、磁気抵抗型ヘッドで再生試験を行ったが、複数のサンプル(500枚)の全数についてサーマル・アスペリティーによる再生の誤動作は認められなかった。
さらに、磁気特性の低下や耐久性の低下も抑制できた。
【0070】
一方、比較例3の化学強化処理液を用いた場合では、化学強化塩に含まれる各不純物の濃度は300ppb以上であり、5nmのグライドテスト(5000枚)における不良率が高く、また、再生試験(500枚)を行ったがサーマル・アスペリティーによる再生の誤動作の確率も高かった。
【0071】
なお、上記実施例1〜3において、化学強化塩中(KNO3、NaNO3)に含まれる不純物の量が多くなるに従って、異物による突起の高さや突起の発生率や突起の密度が大きくなる傾向があることが確認された。
【0072】
実施例4
化学強化塩(処理液)を硝酸カリウム単独としたこと以外は、実施例1〜3と同様にして、磁気ディスク用ガラス基板を作製した。
その結果、実施例1〜3と同様のことが確認された。なお、化学強化塩(処理液)を硝酸カリウム単独とし実施例2及び3と同様にして作製した磁気ディスク用ガラス基板の抗折強度及び歩留まりは、実施例1に比べ高かった。また、化学強化塩(処理液)を硝酸カリウム単独とし実施例1と同様にして作製した磁気ディスク用ガラス基板の抗折強度及び歩留まりは、比較例1に比べ高かった。
【0073】
以上好ましい実施例を上げて本発明を説明したが、本発明は上記実施例に限定されない。
【0074】
例えば、各実施例における不純物濃度は、低くするほど効果がある。
【0075】
なお、本発明は化学強化工程を経て製造される情報記録媒体用ガラス基板であれば適用でき、光ディスク用ガラス基板、光磁気ディスク用ガラス基板等が各種情報記録媒体用ガラス基板に広く応用できる。この場合、光ディスク用ガラス基板や光磁気ディスク用ガラス基板では、異物による突起の密度が多いと記録・再生に悪影響を及ぼすので、異物による突起の密度に着目して化学強化塩自体に含まれるパーティクルの量を制御するとよい。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法によれば、化学強化塩に含まれるPb、Ca、Mg、Ba、Sr、Ni、Ti、Al、Si等の不純物が原因で発生する異物による突起の高さを効果的に低減できる。
また、本発明の情報記録媒体の製造方法によれば、化学強化塩に含まれる上述した不純物が原因で発生する異物に起因する欠陥が少なく高品質の情報記録媒体を高歩留まりで製造できる。
さらに、本発明の磁気ディスクの製造方法によれば、化学強化塩に含まれる上述した不純物が原因で発生する異物による突起の高さを効果的に低減でき、したがって、ヘッドクラッシュの防止及び低フライングハイト化の実現や、サーマル・アスペリティーの防止を効果的かつ高歩留まりで実現できる。
また、本発明の光学ガラス製品の製造方法によれば、イオン交換処理液に使われる塩に含まれる上述した不純物が原因で発生する異物の発生を効果的に低減でき、したがって、欠陥の少ない電子デバイスや光学素子、光学ガラス製品等を高歩留まりで製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】化学強化塩に含まれるPb濃度とグライドハイトとの関係を示す図である。
【図2】化学強化塩に含まれるMg濃度とグライドハイトとの関係を示す図である。
【図3】化学強化塩に含まれるCa濃度とグライドハイトとの関係を示す図である。
【図4】化学強化塩に含まれるTi濃度とグライドハイトとの関係を示す図である。
Claims (6)
- 化学強化塩を含有する化学強化処理液にガラス基板を接触させることにより、ガラス基板を化学強化する工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、
要求されるフライングハイトが20nm〜30nmに対して、
前記化学強化塩に含まれるPb、Ca、Mg、Ba、Sr、Ni、Ti、Al、Siの全ての不純物濃度が、500ppb以下である化学強化塩を使用することを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。 - 化学強化塩を含有する化学強化処理液にガラス基板を接触させることにより、ガラス基板を化学強化する工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、
要求されるフライングハイトが10nm〜15nmに対して、
前記化学強化塩に含まれるPb、Ca、Mg、Ba、Sr、Ni、Ti、Al、Siの全ての不純物濃度が 300ppb以下である化学強化塩を使用することを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。 - 化学強化塩を含有する化学強化処理液にガラス基板を接触させることにより、ガラス基板を化学強化する工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、
要求されるフライングハイトが5nm以下に対して、
前記化学強化塩に含まれるPb、Ca、Mg、Ba、Sr、Ni、Ti、Al、Siの全ての不純物濃度が、30ppb以下である化学強化塩を使用することを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。 - 前記化学強化塩を含有する化学強化処理液が、主として硝酸ナトリウムと硝酸カリウムからなることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
- 磁気ディスク用ガラス基板が、磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)又は巨大磁気抵抗型ヘッド(GMRヘッド)と組み合わせて使用される磁気ディスク用ガラス基板であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
- 請求項1〜5の何れか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法によって得られたガラス基板上に少なくとも磁性層を形成することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
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