JP3826773B2 - ディーゼルパティキュレートフィルタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルエンジンの排気ガス中の粒子状物質を捕集して排気ガスを浄化するディーゼルパティキュレートフィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンから排出される粒子状物質(PM:パティキュレート・マター:以下PMとする)の排出量は、NOx,COそしてHC等と共に年々規制が強化されてきており、このPMをディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter :以下DPFとする)と呼ばれるフィルタで捕集して、外部へ排出されるPMの量を低減する技術が開発されている。
【0003】
このPMを直接捕集するDPFには、セラミック製のモノリスハニカム型ウォールフロータイプのフィルタや、セラミックや金属を繊維状にした繊維型タイプのフィルタ等があり、これらのDPFを用いた排気ガス浄化装置は、エンジンの排気管の途中に設置され、エンジンで発生する排気ガスを浄化している。
【0004】
しかし、このDPFは、PMの捕集に伴って目詰まりが進行し、排気ガス圧力(排圧)が上昇するので、このDPFから捕集されたPMを除去する必要があり、幾つかの方法及びシステムが開発されている。
【0005】
そのうちの一つに、電気ヒータやバーナーでDPFを加熱して、PMを燃焼除去したり、エアを逆方向に流して逆洗したりするシステムがあるが、これらのシステムの場合には、外部から加熱用のエネルギーを供給してPM燃焼を行うので、燃費の悪化を招くという問題や再生制御が難しいという問題がある。
【0006】
また、これらのシステムを採用した場合には、DPFを備えた2系統の排気通路を設け、交互に、PMの捕集とDPFの再生を繰り返す場合が多く、そのため、システムが大きくなり、コストも高くなり易い。
【0007】
これらの問題に対処するために、図11〜図13に示すような連続再生型DPFシステムが提案されている。
【0008】
図11は、二酸化窒素(NO2 )による連続再生型DPFシステム(NO2 再生型DPFシステム)1Aの例であり、上流側の酸化触媒3Aaと下流側のウォールフロータイプのフィルタ(DPF)3Abとから構成され、この上流側の白金等の酸化触媒3Aaで排気ガス中の一酸化窒素を酸化し、発生した二酸化窒素で、下流側のフィルタ3Abに捕集されたPMを酸化して二酸化炭素とし、PMを除去している。
【0009】
この二酸化窒素によるPMの酸化は、酸素によるPMの酸化より、エネルギー障壁が低く低温で行われるため、外部からのエネルギーの供給が低減されるので、排気ガス中の熱エネルギーを利用することで連続的にPMを捕集しながらPMを酸化除去してDPFの再生を行うことができる。
【0010】
また、図12に示す連続再生型DPFシステム(一体型NO2 再生DPFシステム)1Bは、図11のシステム1Aを改良したものであり、酸化触媒32Aをウォールフロータイプの触媒付フィルタ(DPF)3Bの壁表面に塗布し、この壁表面で、排気ガス中の一酸化窒素の酸化と二酸化窒素によるPMの酸化を行うようにしており、システムを簡素化している。
【0011】
そして、図13に示す連続再生型DPFシステム(PM酸化触媒付DPFシステム)1Cは、白金(Pt)等の貴金属酸化触媒32Aと、PM酸化触媒32BをウォールフロータイプのPM酸化触媒付フィルタ(DPF)3Cの壁表面に塗布し、この壁表面でより低い温度からPMの酸化を行うようにしている。
【0012】
このPM酸化触媒32Bは排気ガス中の酸素を活性化して直接PMを酸化する触媒であり、二酸化セリウム等で形成される。
【0013】
そして、この連続再生型DPFシステム1Cは、低温酸化域(350℃〜450℃程度)では酸化触媒32Aの一酸化窒素を二酸化窒素に酸化する反応を利用してPMを二酸化窒素で酸化し、中温酸化域(400℃〜600℃程度)では、PM酸化触媒32Bで排気ガス中の酸素を活性化してPMを直接酸化する反応によりPMを酸化し、PMが排気ガス中の酸素で燃焼する温度以上の高温酸化域(600℃程度以上)では、排ガス中の酸素によりPMを酸化している。
【0014】
これらの連続再生型DPFシステムにおいては、触媒や、二酸化窒素によるPMの酸化を利用することによって、PMを酸化できる温度を下げて、PMを捕集しながら酸化除去している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの連続再生型DPFシステムにおいても、まだ、排気ガス温度を350℃程度に昇温させる必要があるため、排気温度が低いエンジンの運転状態や一酸化窒素の排出が少ないエンジンの運転状態においては、触媒の温度が低下して触媒活性が低下したり、一酸化窒素が不足するので、上記の反応が生ぜず、PMを酸化してDPFを再生できないため、PMのDPFへの堆積が継続されて、DPFが目詰まりするという問題がある。
【0016】
例えば、アイドル運転時や下り坂におけるエンジンブレーキ作動運転時等の低速や極低負荷運転においては、燃料が殆ど燃焼しない状態となり、低温の排気ガスが連続再生型DPF装置に流れ込むため、触媒の温度が下がり触媒活性が低下してしまう。
【0017】
特に、連続再生型DPFシステムを搭載した自動車が、市街地走行が多い宅配便等に使用されている場合には、排気ガスの温度が低いエンジンの運転状態が多いため、DPFの目詰まりが進展してしまうことになる。
【0018】
このDPFの目詰まり、即ち、PMの堆積はDPF全体に均等に行われず、ガス流量が多く、また、DPFの局部的な温度が低くなっている部分に先にPMが堆積される。具体的には、図14及び図15に示すような円筒状のウォールフロータイプの千鳥状目封止フィルタでは、排気ガス流入横断面の中央部の下流側部分への堆積量が多くなる。
【0019】
そして、再生モード運転における再生操作時やエンジンの運転状態の変化時等の排気ガスが高温になった時に、捕集されたPMが酸化されるが、この酸化によって発生する熱量が場所によって異なるため、均等な温度分布とはならず、特に高温となる部分が生じる。
【0020】
そのため、この高温発生部分において、DPF温度が、このDPFを形成するコーディエライト等の耐熱温度(約1450℃)を超えて、局所的及び局部的に溶損や焼損が発生するという問題がある。
【0021】
この溶損や焼損が生じるとPM捕集能力が低下するばかりでなく、PMの堆積し易い部分が周辺部に移動し、この周辺部の温度が順次高温になって溶損部分の拡大につながることにもなるので重要な問題である。
【0022】
この高温となる部分は、堆積した粒子状物質の酸化により高温になり易い部分であり、図14及び図15に示すようなウォールフロータイプのDPF10Xの場合には、図16に示す温度分布の一例でも分かるように、DPFの排気ガス流入横断面の中央部分(図14の(a)や(b)の中心部分)の下流側部分であることが実験的に突き止められている。
【0023】
そして、この中央部分の下流側で温度が局所的に高温となることに関しては、次のような考察がなされている。
【0024】
先ず、PMの捕集面からは、中央部分は排気ガスの通過量が多く、上流側では排気ガスの温度が高くPMが排気ガス中で比較的燃焼し易いが、下流側では排気ガスの温度が放熱等により低下するためPMが燃焼されずに捕集され易くなるので、下流側に堆積し、この下流側から目詰まりが上流側に進展する。
【0025】
また、PMの燃焼面からは、中央部分の上流側では、排気ガス温度が比較的高く、PM燃焼用の酸素供給も多いため燃焼し易い。そのため、この上流側でPM燃焼が発生すると、燃焼で発生した熱で下流側へ移動する排気ガスが温められると共に、DPF部材経由の熱伝達によりDPFの下流側部分が温められるので、下流側部分のDPFが昇温する。
【0026】
この昇温によりPM燃焼が促進され、更に温度が高くなる。これが下流側に向かって順次繰り返されるので、中央部分において下流側に行くに連れてDPF及び排気ガスの温度が上昇し、下流側の温度が特に高くなる。
【0027】
そして、この局部的な高温の発生には、PMの集積量が局部的に多くて、発生する熱量が局部的に多くなること以外にも、DPF材料の熱伝達特性が良くないために熱の拡散が少く、また、DPFの熱容量も小さいため、温度が上昇し易いこと等が絡み合っていると考えられている。
【0028】
本発明は、これらの知見を得て、上述の従来技術における問題を解決するためになされたものであり、その目的は、DPFのPMが集積し易く高温になり易い部分において、発生した熱を拡散することにより、DPFにおける局所的な高温の発生を防止して、DPFの溶損及び焼損を防止すると共に、DPFの温度を均一化してPMの燃焼を促進することができるディーゼルパティキュレートフィルタを提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するためのディーゼルパティキュレートフィルタは、次のように構成される。
【0030】
1)ディーゼルエンジンの排気ガス中の粒子状物質を浄化するディーゼルパティキュレートフィルタにおいて、排気ガス中の粒子状物質が捕集されて堆積し易く、且つ、堆積した粒子状物質の酸化により高温になり易い、排気ガス流入横断面の中央部の下流側部分に接して、該ディーゼルパティキュレートフィルタよりも熱伝達特性の良い熱拡散部材を、下流側中央部を含む下流側面に接して設け、下流側において中央部の熱を周辺部に拡散するように配置して構成される。
【0031】
この排気ガス中の粒子状物質(PM)を浄化するディーゼルパティキュレート(DPF)は、コーディエライト等のセラミックスで多孔質に形成されるが、比較的熱伝導率が低く、熱拡散が不十分になり、局所的に高温になり易いので、この高温部に接して熱拡散部材を配置することにより、熱拡散を図り、高温部の温度を低下させ、DPFの溶損を回避する。
【0032】
また、同時に熱拡散部材により、DPFの低温部分に熱を移動させて温度の均等化を図り、DPFの温度が比較的高い部分を拡大して排気ガス中のPM及び捕集されたPMの燃焼を促進する。
【0033】
この熱拡散部材の最も簡単な構成は、メッシュや多孔質の平板で形成される通気部材であり、これを高温になり易いDPFの下流側中央部(DPFがウォールフロータイプのフィルタである場合)を含む下流側面に接して設け、下流側において、中央部の熱を周辺部に拡散するように構成する。
【0034】
2)そして、上記のディーゼルパティキュレートフィルタにおいて、前記熱拡散部材が、金属、窒化ケイ素又は炭化ケイ素を材料として構成される。
【0035】
この熱拡散部材は、熱伝導率が高く、耐熱性に優れた材料が好ましく、チタン酸アルミニウム等の金属や、炭化ケイ素、窒化ケイ素、アルミナ等のセラミックス等が特に好ましい。
【0036】
3)上記のディーゼルパティキュレートフィルタにおいて、前記ディーゼルパティキュレートフィルタが、周囲を多孔質壁面で形成した多数の排気ガス通路を有し、該排気ガス通路の上流側と下流側を千鳥状に目封止したウォールフロータイプのフィルタであって、前記熱拡散部材が、前記下流側を千鳥状に目封止する目封止プレートであるとして構成される。
【0037】
DPFがウォールフロータイプのフィルタである場合には、下流側の目封止を熱拡散部材で形成することができる。この目封止プレートは、コーディエライト等で形成されるDPFの下流側に接着剤で張り付けて構成し、この接着剤でDPFと目封止プレートとの熱膨張率の差を吸収する。
【0038】
4)また、上記のディーゼルパティキュレートフィルタにおいて、前記熱拡散部材がフィルタ機能を有する部材であるとして構成する。
【0039】
DPFの上流側は、温度を高めてPMの燃焼を行いたいので、比較的早く高温になるように、熱伝導率が低くて保温性に優れ、また、熱容量も少なく昇温性に優れた材料、即ち、コーディエライト等の材料が好ましいが、下流側は、上流側のPM燃焼により排気ガス及びDPFの温度が上昇するので、異常な高温にならないように、逆に、熱伝導率が高くて熱拡散性に優れ、また、熱容量も大きく昇温しにくい、炭化ケイ素やアルミナ等のセラミクッス材料が好ましい。
【0040】
そして、このDPFとフィルタ機能を有する熱拡散部材は、熱伝達が円滑に行われる様に接合されるが、一般に熱膨張率が異なるために両者を接着剤で接合し、この接着剤で熱膨張の差を吸収する。
【0041】
5)上記のディーゼルパティキュレートフィルタにおいて、前記ディーゼルパティキュレートフィルタと前記熱拡散部材が、共に周囲を多孔質壁面で形成した多数の排気ガス通路を有し、該排気ガス通路の上流側と下流側を千鳥状に目封止したウォールフロータイプのフィルタであるとして構成される。
【0042】
通常の熱伝達特性が比較的悪い第1のDPFと、熱伝達特性の比較的良い熱拡散部材で形成した第2のDPF(フィルタ機能を有する熱拡散部材)を、千鳥状に目封止したウォールフロータイプのフィルタで形成すると、構成がシンプルとなり、簡単に接合面の形状を排気ガスが流通し易い形状とすることができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態のディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)について、ウォールフロータイプのフィルタを例にして図面を参照しながら説明する。
【0044】
このウォールフロータイプのDPFは、図1〜図9に示すように、周囲を多孔質壁面12で形成した多数のセル(排気ガス通路)11a、11bを有すると共に、このセル11a,11bの上流側15の入口部15bと下流側16の出口部16bを千鳥状に目封止13して形成され、図11〜図13に示すような排気ガス浄化システム1A、1B、1C等に組み込まれて使用される。
【0045】
そして、本発明では、このDPF10A,10Bの下流側に対して、熱拡散部材30A〜30Fを設けて構成する。
【0046】
〔第1の実施の形態〕
図1及び図2に示すように、この第1の実施の形態の熱拡散部材は、アルミ合金やチタン酸アルミニウム等の金属や炭化ケイ素、アルミナ等のセラミックスを材料とした、通気可能な耐熱性の金網や多孔の平板等の通気部材30Aであり、DPF10Aの下流側16の面に当接して設ける。接着剤で接合してもよいが、単に接触するように配設するだけでもよい。つまり、熱伝達が効率よく行える状態で配設する。
【0047】
この熱拡散部材30Aは、一枚でもよいが、何枚かを積層したものであってもよい。特に金網の場合には、適切な熱拡散特性と熱容量を確保するために積層するのが好ましい。
【0048】
この構成にすると、DPF10Aと熱拡散部材30Aとの熱膨張の差は、平面同士の擦れで吸収できる。
【0049】
そして、この構成によれば、DPFの温度分布、特に径方向の温度分布、並びに、粒子状物質(PM)の捕集速度や燃焼速度を均一化する方向に熱を拡散できるので、図10に示すような温度分布を得ることができる。この温度分布と図16に示す従来技術のDPF10Xの温度分布と比較すると、著しく改善されていることが分かる。
【0050】
〔第2の実施の形態〕
図3及び図4に示すように、この第2の実施の形態の熱拡散部材は、アルミ合金やチタン酸アルミニウム等の金属や炭化ケイ素、アルミナ等のセラミックスを材料とした、千鳥状配置の目封止用突起13Bを有する目封止プレート30Bで形成される。
【0051】
この目封止プレート30BをDPF10Bの下流側16から挿入及び接合し、DPF10Bの下流側16の出口部16bを目封止用突起13Bで千鳥状に目封止する。この構成では、接着剤40で接合し、DPF10Bと目封止プレート30Bとの間の熱膨張率の差による隙間の発生を吸収する。
【0052】
そして、この構成によれば、この目封止プレート30Bにより、DPFの温度分布、特に径方向の温度分布、並びに、粒子状物質(PM)の捕集速度や燃焼速度を均一化する方向に熱を拡散できる。
【0053】
〔第3の実施の形態〕
そして、図5〜図9に示すように、第3の実施の形態の熱拡散部材30Cは、コーディエライト等で形成されたウォールフロータイプの第1のDPF10A,10Bの下流側に、アルミ合金やチタン酸アルミニウム等の金属や炭化ケイ素、アルミナ等のセラミックスを材料にして形成されたウォールフロータイプの第2のDPF30C,30D,30Eを接続して構成される。
【0054】
先ず、図5及び図6に示す構成では、第1のDPF10Bは、下流側16は目封止無しとし、この第2のDPF30Cは、第1のDPF10Bと同じセルのメッシュで形成し、上流側は目封止無しとし、下流側の千鳥状の目封止13’の位置を第1のDPF10Bの上流側の目封止13の位置と異ならせる。つまり、第1のDPF10Bの上流側セル11aと第2のDPF30Cの上流側セル11a’とが接続するように形成する。
【0055】
また、図7に示す他の構成では、上流側15と下流側16をそれぞれ目封止された第1のDPF10Aと、同じく上流側と下流側をそれぞれ目封止された第2のDPF30Dと接着剤40で接合する。
【0056】
この第2のDPF30Dは、第1のDPF10Bと同じセルのメッシュで形成し、上流側の千鳥状の目封止13’の位置を第1のDPF10Bの下流側の目封止13の位置と同じ位置になるように形成する。つまり、第1のDPF10Bの下流側セル11bと第2のDPF30Dの上流側セル11a’とが接続するように形成する。
【0057】
そして、図8に示す他の構成は、図6の構成と略同じであるが、第1のDPF10Aと、第2のDPF30Cの間に、熱拡散部材である通気部材30Aを配置する。この通気部材30Aにより、径方向への熱伝達を促進する。
【0058】
また、図9に示す他の構成は、図7の構成に似ているが、両面側に目封止用突起13F、13F’を千鳥状に形成した目封止プレート30Fを、第1のDPF10Aの下流側16と第2のDPF30Eの上流側に接着剤40で接合する。そして、この目封止プレート30Fにより、径方向への熱伝達を促進する。
【0059】
これらの第3の実施の形態では、接着剤40で接合することにより、第1のDPF10A,10Bと第2のDPF30C,30D,30E、あるいは、通気部材30A,目封止プレート30Fとの熱膨張率の差を吸収する。
【0060】
この構成にすると、上流側の第1のDPF10A,10Bは、コーディエライト等の熱伝導率が低くて保温性に優れ、また、熱容量も少なく昇温性に優れた材料で形成されるので、比較的早く高温になるため、PMの燃焼を促進することができる。一方、下流側の第2のDPF30C,30D,30Eは、熱伝導率が高くて熱拡散性に優れ、また、熱容量も大きく昇温しにくい、炭化ケイ素やアルミナ等のセラミックス材料で形成されるので、異常な高温にならないように熱拡散及び蓄熱することができる。
【0061】
また、この第1のDPF10A,10Bと第2のDPF30C,30Eの間に、熱拡散部材である通気部材30Aや目封止プレート30Fを配設することにより、径方向への熱伝達をより促進できる。
【0062】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係わるディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)によれば、DPFの排気ガス中の粒子状物質が捕集されて堆積し易く、且つ、堆積した粒子状物質の酸化により高温になり易い部分に接して、このDPFよりも熱伝達特性の良い熱拡散部材を配置するので、熱拡散により高温部の温度を低下させることができる。
【0063】
また、同時に熱拡散部材により、DPFの低温部分に熱を移動させて温度の均等化、特に径方向の温度分布の均等化を図り、PMの堆積速度や燃焼速度の均一化を図ることができる。その上、DPFの温度が比較的高い部分を拡大して排気ガス中のPM及び捕集されたPMの燃焼を促進することができ、PMの堆積量を減少できる。
【0064】
従って、PMの不均一堆積やこの不均一堆積したPMの無制御燃焼を回避でき、このPMの無制御燃焼によって発生するDPFの溶損やDPFに担持した触媒の熱劣化を回避することができる。
【0065】
そして、DPFがウォールフロータイプのフィルタで形成される場合には、下流側の目封止を熱拡散部材で形成することができる。
【0066】
あるいは、熱拡散部材がフィルタ機能を有する部材であるとして構成することができ、上流側のDPFを熱伝導率が低くて保温性に優れ、また、熱容量も少なく昇温性に優れた材料で形成し、下流側のDPF(熱拡散部材)を熱伝導率が高くて熱拡散性に優れ、また、熱容量も大きく昇温しにくい材料で形成することができる。
【0067】
この構成により、上流側のDPFでは、比較的早く高温にして、PMの燃焼を促進することができ、下流側のDPFでは、異常な高温にならないように熱拡散及び蓄熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態のディーゼルパティキュレートフィルタの模式的な一部断面を含む斜視図である。
【図2】図1のディーゼルパティキュレートフィルタの模式的な側断面図である。
【図3】本発明に係る第2の実施の形態のディーゼルパティキュレートフィルタの模式的な一部断面を含む斜視図である。
【図4】図3のディーゼルパティキュレートフィルタの模式的な側断面図である。
【図5】本発明に係る第3の実施の形態のディーゼルパティキュレートフィルタの模式的な一部断面を含む斜視図である。
【図6】図5のディーゼルパティキュレートフィルタの模式的な側断面図である。
【図7】本発明に係る第3の実施の形態のディーゼルパティキュレートフィルタの他の例を示す模式的な側断面図である。
【図8】本発明に係る第3の実施の形態のディーゼルパティキュレートフィルタの他の例を示す模式的な側断面図である。
【図9】本発明に係る第3の実施の形態のディーゼルパティキュレートフィルタの他の例を示す模式的な側断面図である。
【図10】本発明に係る第1の実施の形態のディーゼルパティキュレートフィルタの側断面図における温度分布の状態を示す模式的な等温図である。
【図11】酸化触媒を配設した連続再生型DPFシステムの一例を示す構成図である。
【図12】酸化触媒付フィルタを備えた連続再生型DPFシステムの一例を示す構成図である。
【図13】PM酸化触媒付フィルタを備えた連続再生型DPFシステムの一例を示す構成図である。
【図14】従来技術のディーゼルパティキュレートフィルタの模式的な構成図であり、(a)は一部断面を含む斜視図で、(b)は正面図で、(c)は背面図である。
【図15】図14のディーゼルパティキュレートフィルタの模式的な側断面図である。
【図16】図14のディーゼルパティキュレートフィルタの側断面図における温度分布の状態を示す模式的な等温図である。
【符号の説明】
10A,10B ディーゼルパティキュレートフィルタ(第1のDPF)
11a,11a’ 上流側セル(排気ガス通路)
11b,11b’ 下流側セル(排気ガス通路)
12,12’ 多孔質壁面
15 上流側
16 下流側
30A 通気部材(熱拡散部材)
30B、30F 目封止プレート(熱拡散部材)
30C,30D,30E 第2のDPF(熱拡散部材)
C 中央部分
G 排気ガス
Claims (5)
- ディーゼルエンジンの排気ガス中の粒子状物質を浄化するディーゼルパティキュレートフィルタにおいて、排気ガス中の粒子状物質が捕集されて堆積し易く、且つ、堆積した粒子状物質の酸化により高温になり易い、排気ガス流入横断面の中央部の下流側部分に接して、該ディーゼルパティキュレートフィルタよりも熱伝達特性の良い熱拡散部材を、下流側中央部を含む下流側面に接して設け、下流側において中央部の熱を周辺部に拡散するように配置したことを特徴とするディーゼルパティキュレートフィルタ。
- 前記熱拡散部材が、金属、窒化ケイ素又は炭化ケイ素を材料とすることを特徴とする請求項1記載のディーゼルパティキュレートフィルタ。
- 前記ディーゼルパティキュレートフィルタが、周囲を多孔質壁面で形成した多数の排気ガス通路を有し、該排気ガス通路の上流側と下流側を千鳥状に目封止したウォールフロータイプのフィルタであって、前記熱拡散部材が、前記下流側を千鳥状に目封止する目封止プレートであることを特徴とする請求項1又は2に記載のディーゼルパティキュレートフィルタ。
- 前記熱拡散部材がフィルタ機能を有する部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載のディーゼルパティキュレートフィルタ。
- 前記ディーゼルパティキュレートフィルタと前記熱拡散部材が、共に周囲を多孔質壁面で形成した多数の排気ガス通路を有し、該排気ガス通路の上流側と下流側を千鳥状に目封止したウォールフロータイプのフィルタであることを特徴とする請求項4記載のディーゼルパティキュレートフィルタ。
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