JP3826666B2 - 画像形成装置及び方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は画像形成装置及び方法に係り、特に、複数の画像を形成して合成する際のレジずれを抑制する画像形成方法、及び該画像形成方法を適用可能な画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル複写機やプリンタ、ファクシミリ、或いはこれらの機能を兼ね備えた複合機に搭載される画像形成装置として、光学走査装置及び感光体ドラムを各々複数備え、各光学走査装置から射出された複数本の光ビームを対応する像担持体上で各々走査(主走査)させることで各像担持体上に静電潜像を各々形成し、各静電潜像を各色(例えばC、M、Y、K)に現像することで各色のトナー像を形成し、各色のトナー像を中間転写体上で重ね合わせることで得られるカラー画像を単一の記録材料に転写することで記録材料上にカラー画像を形成する構成の画像形成装置は従来より知られている。
【0003】
この種の画像形成装置では、画像形成装置や光学走査装置を構成する各部品の寸法や取り付け位置のばらつき、感光体ドラム等の回転駆動部材の偏芯、感光体ドラム等の画像を担持する部材の画像形成面の移動速度(副走査方向に沿った移動速度)のばらつき、装置内部の温度変化に伴う各部品の位置ずれ等の原因により、画像の位置ずれやサイズのばらつき(以下、これらをレジずれと総称する)が生じる(このレジずれはカラー画像であれば色ずれ(カラーレジずれ)として視認される)。
【0004】
なお、レジずれは、より詳しくは図28にも示すように、(1) 副走査方向に沿った画像書き込み位置のずれ、(2) 副走査方向に沿った画像の倍率のずれ(副走査方向に沿った画像領域の長さの変化)、(3) 主走査方向に沿った画像書き込み開始位置のずれ、(4) 主走査方向に沿った画像の倍率のずれ(主走査方向に沿った画像領域の長さの変化)、(5) 走査線の傾き(スキュー)、(6) 走査線の湾曲(ボウ)、(7) 画像の倍率の部分的なばらつき(画像の長さの部分的な変化:図28では例として、画像領域のうち主走査方向に沿って中央部分の画素間隔が「疎」、主走査方向に沿って両端部分の画素間隔が「密」の場合を示す)、(8) 画像の左右倍率のばらつき(主走査方向に沿った画像領域の長さの部分的な変化:図28では例として、画像領域のうち主走査方向に沿って一端側の部分の画素間隔が「疎」、主走査方向に沿って他端側の部分の画素間隔が「密」の場合を示す)の各種現象として現れる。
【0005】
また、レジずれは変動形態によって2つの成分に分類することができる。レジずれのうち、レジずれの大きさ及び方向が少なくとも単一の画像内で一定となっている成分は、レジずれのDC成分と称している。レジずれのDC成分は、画像形成装置の機内温度が変化したり当該装置に外力が加わり、画像形成装置を構成する各ユニットや各部品の位置や大きさが微妙に変化することによって生ずる。一方、レジずれのうち、レジずれの大きさや向きが単一の画像内で周期的に変動している成分はレジずれのAC成分と称している。レジずれのAC成分は主として回転駆動部材が変動要因となっている(例えば、主走査方向には転写ベルトの端面プロファイルや感光体ドラムのウォブル、副走査方向には感光体ドラムやベルトドライブロールの偏芯、ベルト厚みのばらつき等)。
【0006】
カラー画像を形成する画像形成装置におけるカラーレジずれの補正にあたっては、従来、例えば中間転写材等の上に各色のテストパターンを形成し、形成した各色のテストパターンの形成位置を検知し、テストパターンの形成位置のずれに応じて光学系を補正(例えば静電潜像の形成に用いる光ビームの光路を補正)することで画像形成位置のずれを補正する構成が一般的であった。
【0007】
例えば特開昭63−300261号公報には、ステッピングモータ等のリニアアクチュエータを用いてミラー等の光学部品を調整することで光学系を補正する技術が開示されている。また、特開平2−308213号公報には、光学走査装置に内蔵のfθレンズを、メカニカルアクチュエータで構成される回転調整手段によってビーム偏向面と略垂直な軸回りに回転させることで、画像の左右倍率のばらつきを補正する技術が開示されている。
【0008】
また、上記の技術はメカニカルアクチュエータと電気的な補正を組み合わせることでカラーレジずれを補正するものであるが、カラーレジずれ補正を画像処理によって実現することで、必要なメカニカルアクチュエータの数を少なくしたり、メカニカルアクチュエータを不要とする補正方法も提案されている。
【0009】
例えば特開平8−85237号公報には、各パターン形成座標情報と所定の基準位置情報とから決定されるずれ量に基づいて、各色毎の画像データの出力座標位置を、レジストレーションずれを補正した出力座標位置に自動変換し、画像データに基づいて変調された光ビームの位置を最小ドット単位よりも小さい量で修正する技術が開示されている。また特開平9−90695号公報には、書き込み手段の走査線の屈曲歪み、傾きを測定する測定手段と、この測定手段の測定結果に応じて画像データを副走査方向に若しくは2次元的に補間して補正するリサンプリング手段と、を備えた構成が開示されている。更に特開平6−91930号公報には、主走査方向の解像度についてはクロック周波数を高くして調整することにより得て、副走査方向の解像度についてはクオドスポット等を用いて解像度を高くすることで画素の微小移動を行う技術が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭63−300261号公報や特開平2−308213号公報に記載の技術では、光学部品の位置や姿勢を高精度に調整するために高価なアクチュエータ(具体的には、例えばステッピングモータ及びギア等)が必要となるので、画像形成装置のコストが嵩むという問題がある。
【0011】
また、特開平8−85237号公報や特開平9−90695号公報、特開平6−91930号公報に記載の技術は、何れもカラーレジずれのDC成分についての補正であり、主走査方向及び副走査方向にカラーレジずれのAC成分については何ら考慮されていない。従って、カラーレジずれのAC成分を低減するためには、回転駆動部材として偏芯等の小さい高精度・高価格の部品を使わざるを得ず、結果として画像形成装置のコストの大幅な増大を招いていた。
【0012】
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、装置コストの大幅な増大を招くことなくレジずれを高精度に補正することができる画像形成装置及び方法を得ることが目的である。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る画像形成装置は、複数の画像データが表す複数の画像を、前記画像データが表す個々の画素の濃度に応じてパルス幅変調を行うことで得られるパルス幅変調信号に基づき個々の画素を単位として各々形成し、形成した複数の画像を単一の画像として合成する画像形成手段と、前記複数の画像のレジずれを、前記画像形成手段による画像形成における少なくとも主走査方向について補正するためのレジ補正量を、前記複数の画像の各部分毎に演算する演算手段と、前記演算手段によって演算されたレジ補正量を、画像データ上の個々の画素毎の値に対する修正量と、個々の画素の記録位置に対する画素間隔未満の微調整量と、に分解し、前記修正量に応じて画像データを修正する修正手段と、前記画像形成手段による前記複数の画像の形成を、前記修正手段によって修正された画像データを用いて行わせると共に、周期が画素の記録周期に各々等しくかつ波形の相違によって前記パルス幅変調信号上での画素の記録期間の位置を画素の記録周期に相当する期間内で互いに相違させる複数種の基準信号の中から、前記画像形成手段による個々の画素のパルス幅変調に用いる信号を、個々の画素の記録位置に対する主走査方向の微調整量に従って個々の画素毎に選択することで、個々の画素の記録位置を個々の画素毎に主走査方向に微調整させる制御手段と、を含んで構成されている。
【0014】
請求項1記載の発明では、画像形成手段により、複数の画像データが表す複数の画像が、画像データが表す個々の画素の濃度に応じてパルス幅変調を行うことで得られるパルス幅変調信号に基づき個々の画素を単位として各々形成され、形成された複数の画像が単一の画像として合成される。なお、画像形成手段による画像形成方式としては、例えば画像データが表す形成すべき画像に応じて変調した光ビームを、帯電された感光体上で走査させて静電潜像を形成することで画像の形成を行う方式(所謂電子写真方式を採用することができるが、公知の他の画像形成方式を用いてもよい。
【0015】
また、画像形成方式として電子写真方式を採用した場合、画像形成手段としては、複数の感光体を有し、複数本の光ビームによって各感光体を同時に走査露光して各感光体に各々画像を形成し、各画像を同一の転写媒体上に重ね合せることによって単一の画像を形成する構成(所謂タンデム方式)を採用すれば、画像の画像の形成に要する時間を大幅に短縮することができるが、公知の他の構成を採用してもよいことは言うまでもない。
【0016】
また、請求項1記載の発明は、複数の画像のレジずれを、画像形成手段による画像形成における少なくとも主走査方向について補正するためのレジ補正量を、複数の画像の各部分毎に演算する演算手段を備えている。この演算手段は、複数の画像のレジずれを検知する検知手段を含み、検知したレジずれに基づいてレジ補正量を演算するように構成することができる。また、演算手段は複数の画像の各部分毎(画素毎であってもよいし、複数の画素から成る部分領域毎であってもよい)にレジ補正量を演算するが、これにより、複数の画像のレジずれに、レジずれ量が一定のDC成分及びレジずれ量が周期的に変化するAC成分が含まれていたとしても、これらが解消されるようにレジ補正量を演算・設定することが可能となる。
【0017】
また、請求項1記載の発明では、演算手段によって演算されたレジ補正量が、修正手段により、画像データ上の個々の画素毎の値に対する修正量と、個々の画素の記録位置に対する画素間隔未満の微調整量と、に分解され、前記修正量に応じて画像データが修正される。この修正量及び微調整量は、レジ補正量を画素間隔(画像形成手段によって形成される画像上での画素間隔)で除したときの商(修正量)及び剰余(微調整量)に相当し、前記修正量に応じて画像データが修正されることで、画素間隔を単位とするレジずれが画像データ上で補正されることになる。
【0018】
そして、請求項1記載の発明では、画像形成手段による前記複数の画像の形成を、修正手段によって修正された画像データを用いて行わせると共に、周期が画素の記録周期に各々等しくかつ波形の相違によってパルス幅変調信号上での画素の記録期間の位置を画素の記録周期に相当する期間内で互いに相違させる複数種の基準信号の中から、画像形成手段による個々の画素のパルス幅変調に用いる信号を、個々の画素の記録位置に対する主走査方向の微調整量に従って個々の画素毎に選択することで、個々の画素の記録位置を個々の画素毎に主走査方向に微調整させる処理が制御手段によって行われる。これにより、画素間隔を単位とするレジずれが補正された画像データを用い、更に、画素間隔未満のレジずれに応じて個々の画素の主走査方向の記録位置が微調整されて画像が記録されるので、光学部品の位置や姿勢を調整するためのアクチュエータを設けたり、偏芯等の小さい高精度・高価格の部品を回転駆動部材として用いたりすることなく、画像形成手段によって形成される画像の画素間隔(記録密度)未満の小さなレジずれをも補正することができ、装置コストの大幅な増大を招くことなくレジずれを高精度に補正することができる。
【0019】
なお、本発明におけるレジずれの補正は、例えば画像形成手段による画像形成における主走査方向及び副走査方向のうちの何れか一方についてのみ行ってもよいが、例えば請求項2に記載したように、演算手段は、レジ補正量を、画像形成手段による画像形成における主走査方向及び副走査方向について各々演算し、制御手段は、修正手段によって設定された個々の画素の記録位置に対する主走査方向及び副走査方向の微調整量に従い、個々の画素の記録位置が主走査方向及び副走査方向に各々微調整されるように制御することが好ましい。
【0020】
これにより、画像形成手段によって形成される画像の画素間隔(記録密度)未満の小さなレジずれが、画像形成における主走査方向及び副走査方向について各々補正されるので、レジずれをより高精度に補正することができる。
【0021】
また、請求項3に記載したように、演算手段は、複数の画像のレジずれとして、レジずれ量が一定のDC成分及びレジずれ量が周期的に変化するAC成分を各々検知し、検知したレジずれのDC成分及びAC成分に基づいてレジ補正量を演算することが好ましい。これにより、レジずれのDC成分及びAC成分を確実に補正することができる。
【0022】
なお、レジずれのDC成分及びAC成分は、具体的には、例えば複数の画像に対応する複数種のマーク(レジずれの検出が容易なマーク:例えばシェブロンパターン等)を画像形成手段によって形成させて合成させ、合成された状態での複数種のマークの位置を光学的に検出し、各々のマークの位置のずれを、演算によりオフセット(DC成分)とずれ量が周期的に変動する成分(AC成分)とに分解し、AC成分については更にその周期(周波数)及び位相を演算することで検知することができる。また、レジずれのAC成分を補正するためのレジ補正量は、例えば請求項4に記載したように、検知したレジずれのAC成分の周期、振幅及び位相に基づいて、複数の画像の各部分毎に演算することができる。
【0025】
また、画像形成手段が、形成すべき画像に応じて変調した光ビームを、帯電された感光体上で走査させて静電潜像を形成することで画像の形成を行う構成において、画素の記録位置を副走査方向に微調整させることは、請求項5に記載したように、個々の画素の記録位置に対する副走査方向の微調整量に従い、個々の画素の記録位置における静電潜像の電位の分布が副走査方向へ偏倚するように感光体への光ビームの照射光量を制御することで行うことができる。
【0026】
個々の画素の記録位置における静電潜像の電位の分布が副走査方向へ偏倚するように感光体への光ビームの照射光量を制御することは、例えば光ビームを射出する光源から射出される光ビームの光量を個々の画素を単位として制御することで実現することができるので、比較的簡易な構成によって実現できる。従って、請求項5記載の発明によれば、装置コストの増大を抑制することができる。
【0027】
請求項6記載の発明に係る画像形成方法は、複数の画像データが表す複数の画像を、前記画像データが表す個々の画素の濃度に応じてパルス幅変調を行うことで得られるパルス幅変調信号に基づき個々の画素を単位として各々形成し、形成した複数の画像を単一の画像として合成するにあたり、前記複数の画像のレジずれを、画像形成における少なくとも主走査方向について補正するためのレジ補正量を、前記複数の画像の各部分毎に演算し、前記演算したレジ補正量を、画像データ上の個々の画素毎の値に対する修正量と、個々の画素の記録位置に対する画素間隔未満の微調整量と、に分解し、前記修正量に応じて画像データを修正し、前記複数の画像の形成を前記修正した画像データを用いて行うと共に、周期が画素の記録周期に各々等しくかつ波形の相違によって前記パルス幅変調信号上での画素の記録期間の位置を画素の記録周期に相当する期間内で互いに相違させる複数種の基準信号の中から、個々の画素のパルス幅変調に用いる信号を、個々の画素の記録位置に対する主走査方向の微調整量に従って個々の画素毎に選択することで、個々の画素の記録位置を個々の画素毎に主走査方向に微調整するので、請求項1記載の発明と同様に、装置コストの大幅な増大を招くことなくレジずれを高精度に補正することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1には本実施形態に係るカラー画像形成装置10が示されている。カラー画像形成装置10は、プラテンガラス14上の所定位置に載置された原稿16を露光走査しCCDセンサ13により読み取って画像信号に変換する原稿読取装置12と、原稿読取装置12による読み取りによって得られた画像信号に基づいて、用紙50上にカラー画像を形成する画像形成装置18と、を備えている。
【0029】
画像形成装置18は、CCDセンサ13による読み取りによって得られた画像信号をY,M,C,Bk各色のデジタル画像データに変換して蓄積する画像蓄積部82と、CPU、ROM、RAM等を含んで構成されカラー画像形成装置10における処理全般を制御する制御部80を備えている。カラー画像形成装置10の上面には、メッセージ等を表示するディスプレイ84Aと、オペレータが各種コマンド等を入力するためのキーボード84Bとを含んで構成された操作部84が設けられている。操作部84は制御部80と接続されている(図示省略)。
【0030】
また画像形成装置18は、駆動ローラ32、34、36、38に巻き掛けられた無端の中間転写ベルト30を備えている。中間転写ベルト30は、トナー像を静電転写するためにカーボンにより体積抵抗が調整された誘電体であり、駆動ローラ32、34、36、38によって所定方向(駆動ローラ32、38間では図1の矢印B方向)に周回搬送される。
【0031】
中間転写ベルト30の上側には、図1の矢印B方向に沿って、中間転写ベルト30上にY色のトナー像を形成する画像形成部20、中間転写ベルト30上にM色のトナー像を形成する画像形成部22、中間転写ベルト30上にC色のトナー像を形成する画像形成部24、中間転写ベルト30上にBk色のトナー像を形成する画像形成部26、及びパターン検出部28(詳細は後述)が順に設けられている。なお、画像形成部20,22,24,26は本発明の画像形成手段に対応している。
【0032】
画像形成部20は、略円筒状で軸線を中心に図1の矢印A方向に回転可能とされ中間転写ベルト30に外周面が接するように配置された感光体20Cを備えており、感光体20Cの外周には、感光体20Cの外周面を所定の電位に帯電させる帯電器20Dが設けられており、図1の矢印A方向に沿って帯電器20Dよりも下流側には走査露光部20Aが設けられている。
【0033】
図2に示すように、走査露光部20AはYの画像データに従って変調されたレーザビームを射出するレーザダイオード(LD)70を備えている。LD70のレーザビーム射出側には、コリメータレンズ71、平面ミラー72、73が順に配置されており、平面ミラー73のレーザビーム射出側には、外周に多数の反射面が形成されたポリゴンミラー74が配置されている。LD70から射出されたレーザビームは、コリメータレンズ71によって平行光束とされた後に、シリンドリカルレンズ等の図示しない光学部品により、ポリゴンミラー74の反射面幅よりも幅広の光束としてポリゴンミラー74の反射面に入射される(所謂オーバフィルド光学系)。
【0034】
ポリゴンミラー74のレーザビーム射出側には、fθレンズ75、76が順に配置されている。ポリゴンミラー74の反射面で反射されることで所定方向に沿って偏向されたレーザビームはfθレンズ75、76を透過し、シリンドリカルミラーや平面ミラー等から成る折り返しミラー77で反射されて走査露光部20Aから射出され、ミラー20Hを介して感光体20Cの外周面上に照射される。感光体20Cに照射されるレーザビームは、ポリゴンミラー74の回転に伴って、感光体20Cの軸線に平行な方向に沿って感光体20Cの周面上を走査(主走査)される。なお、副走査は感光体20Cが回転することによって成される。これにより、感光体20Cの外周面上の帯電された部分に画像のY色成分に対応した静電潜像が形成される。
【0035】
また、折り返しミラー77のレーザビーム射出側のうち、レーザビームの全走査範囲のうち走査開始側の端部(SOS:Start Of Scan)に相当する位置には開始位置検出センサ78が配置されている。LD70から射出されたレーザビームは、ポリゴンミラー74の各反射面のうちのレーザビームを反射している面が、入射ビームをSOSに相当する方向へ反射する向きとなったときに、折り返しミラー77を介して開始位置検出センサ78に入射され、開始位置検出センサ78から開始位置信号SOS が出力される。
【0036】
一方、感光体20Cの外周面へのレーザビーム照射位置よりも図1の矢印A方向に沿って下流側には、現像装置20B、転写装置20F及びクリーニング装置20Eが順に設けられている。現像装置20Bは、トナー供給部20GよりY色のトナーが供給され、走査露光部20Aにより形成された静電潜像をY色のトナーによって現像しY色のトナー像を形成させる。また、転写装置20Fは中間転写ベルト30を挟んで感光体20Cの外周面と対向するように配置されており、感光体20Cの外周面に形成されたY色のトナー像を中間転写ベルト30の外周面に転写する。また、トナー像転写後に感光体20Cの外周面に残存しているトナーはクリーニング装置20Eによって除去される。
【0037】
なお、図1より明らかなように、画像形成部22、24、26の構成は画像形成部20の構成と同一である(但し、形成するトナー像の色は互いに異なる)ので説明を省略する。画像形成部20、22、24、26は、各々が形成した各色のトナー像が中間転写ベルト30の外周面上で互いに重なり合うようにトナー像を転写させる。これにより、中間転写ベルト30の外周面上にフルカラーのトナー像が形成される。
【0038】
また、中間転写ベルト30の周回路に沿って、画像形成部20よりも中間転写ベルト30の周回方向上流側には、中間転写ベルト30のトナーの吸着性を良好にするために中間転写ベルト30の表面電位を所定電位に維持する吸着ローラ40、中間転写ベルト30からトナーを除去するクリーニング装置42、中間転写ベルト30上の予め定められた基準位置(例えば光反射率の高いシール等から成るマークが付されている)を検出する基準位置検出センサ44が順に設けられている。
【0039】
一方、中間転写ベルト30配設位置の下方には、多数枚の用紙50を積層状態で収容するトレイ54が設けられている。トレイ54に収容されている用紙50は、引出しローラ52の回転に伴ってトレイ54から引出され、搬送ローラ対55、56、58によって転写位置(駆動ローラ36及び転写ローラ60が配設されている位置)へ搬送される。転写ローラ60は中間転写ベルト30を挟んで駆動ローラ36と対向するように配置されており、転写位置へ搬送された用紙50は、転写ローラ60と中間転写ベルト30とに挟持されることにより、中間転写ベルト30の外周面上に形成されたフルカラーのトナー像が転写される。トナー像が転写された用紙50は、搬送ローラ対62により定着装置46へ搬送され、定着装置46によって定着処理が施された後、用紙トレイ64へ排出される。
【0040】
次にパターン検出部28の構成について説明する。図3に示すように、パターン検出部28は3個のパターン検出ユニット90A,90B,90Cを備えている。このパターン検出ユニット90A〜90Cは、中間転写ベルト30の幅方向に沿って中央及び両側(中間転写ベルト30の幅方向に沿って画像領域の中央及び両端に対応する位置)の3カ所の上方に各々配置されている。なお、図3は中間転写ベルト30の外周面上に画像位置検出用パターン(シェブロンパターン)が形成されている状態が示されている。パターン検出ユニット90A〜90Cは互いに同一の構成であるので、以下ではパターン検出ユニット90Aを例に、図4及び図5を参照して構成を説明する。
【0041】
図4に示すように、パターン検出ユニット90Aは一対の反射光量検出部92A,92Bを備えている。なお、図4では反射光量検出部92Aに「D1」、反射光量検出部92Bに「D2」の符号を付して各々を区別している。反射光量検出部92Aは、単一のLED94と2個のフォトダイオード96A,96Bを備えており、同様に反射光量検出部92Bも単一のLED98と2個のフォトダイオード100A,100Bを備えている。
【0042】
図5(A)に示すように、反射光量検出部92A,92BのLED94,98は、中間転写ベルト30の幅方向に沿って中間転写ベルト30の外周面上の若干ずれた位置に光を照射するように向きが調整されている(一例として図6には、中間転写ベルト30を一定速度で搬送したときの中間転写ベルト30の外周面上でのLED94,98の照射位置の軌跡を個々のパターン検出ユニット毎に2本の想像線で各々示す)。
【0043】
一方、図5(B)に示すように、反射光量検出部92A,92Bの計4個のフォトダイオード96A,96B,100A,100Bは、受光面が各々扁平な平行四辺形状とされている。フォトダイオード96A,96Bの受光面は互いの長辺同士が接することで単一の平行四辺形状の受光面領域を形成しており、同様にフォトダイオード100A,100Bの受光面も互いの長辺同士が接することで単一の平行四辺形状の受光面領域を形成しており、フォトダイオード96A,96Bの受光面領域とフォトダイオード100A,100Bの受光面領域は、単一の略L字状(略山型)の受光面領域を形成するように互いの短辺同士が接している。
【0044】
フォトダイオード96A,96B,100A,100Bによる中間転写ベルト30の外周面上での検出範囲は、上記の受光面領域の形状に対応して略山型(略L字状)になる(図6の個々のパターン検出ユニットのブロックの中に、中間転写ベルト30の外周面上での検出範囲を表す図形を示す)が、フォトダイオード96A,96B,100A,100Bは、後述するシェブロンパターンの形状に合わせて、中間転写ベルト30の外周面上での検出範囲の略山型の頂部に相当する位置が、中間転写ベルト30の移動方向に沿った最上流側に位置するように各々配置されている。
【0045】
これにより、中間転写ベルト30の外周面上での反射光量検出部92Aのフォトダイオード96A,96Bの検出範囲は、反射光量検出部92AのLED94の照射位置の軌跡を各々跨ぎ、かつ中間転写ベルト30の移動方向に沿って互いにずれた位置に位置することになり、LED94から射出され中間転写ベルト30の外周面(又は外周面上に形成された画像)によって反射された光はフォトダイオード96A,96Bで各々受光される。
【0046】
同様に、中間転写ベルト30の外周面上での反射光量検出部92Bのフォトダイオード100A,100Bの検出範囲は、反射光量検出部92BのLED98の照射位置の軌跡を各々跨ぎ、かつ中間転写ベルト30の移動方向に沿って互いにずれた位置に位置することになり、LED98から射出され中間転写ベルト30の外周面(又は外周面上に形成された画像)によって反射された光はフォトダイオード100A,100Bで各々受光(光量検出)される。
【0047】
図4に示すように、フォトダイオード96Aの出力端は電流−電圧変換器102、増幅器104、A/D変換器106を介して制御部80のマイクロコンピュータ108に接続されており、フォトダイオード96Aから出力される受光量に応じた大きさの電流は、フォトダイオード96Aの出力電圧を表すデジタルデータに変換されてマイクロコンピュータ108に入力される。マイクロコンピュータ108はLEDドライバ110を介してLED94に接続されている。マイクロコンピュータ108は、LEDドライバ110を介してLED94に供給する駆動電流を制御する。
【0048】
また、フォトダイオード96Bの出力端は電流−電圧変換器112を介して差動入力増幅器114の2個の入力端に接続されており、2個の入力端の他方には電流−電圧変換器102の出力端が接続されている。差動入力増幅器114は、電流−電圧変換器112,102から入力された信号の差分(フォトダイオード96A,96Bの受光量差に相当)を増幅して出力する。なお、図6にはパターン検出部28がシェブロンパターンを検出した際の差動入力増幅器114の出力電圧のおおよその変化を、シェブロンパターン132と対応させて示す。
【0049】
差動入力増幅器114の出力端はコンパレータ116、バッファ118、カウンタ120を介してマイクロコンピュータ108に接続されている。コンパレータ116は、差動入力増幅器114から入力された信号のレベルを予め設定された閾値と比較し、信号のレベルが閾値以上のときには出力信号をハイレベル(便宜的に「ON」という)、信号のレベルが閾値未満のときには出力信号をローレベル(便宜的に「OFF」という)に切替える。コンパレータ116からの出力信号は、バッファ118を介してカウンタ120へ入力される。
【0050】
カウンタ120は、入力された信号のレベルが「OFF」から「ON」に切り替わるとカウントを開始し、信号のレベルが「ON」から「OFF」に切り替わった後に再度「OFF」から「ON」に切り替わると、それまでのカウント値をマイクロコンピュータ108へ出力すると共にカウント値をリセットし、次に信号のレベルが「OFF」から「ON」に切り替わる迄の時間をカウントすることを繰り返す。
【0051】
マイクロコンピュータ108は、後述する画像位置補正時(パターン検出部28がシェブロンパターンを検出した時)に、カウンタ120から入力されたカウント結果に基づいてシェブロンパターンの位置を検出し、画像形成部20、22、24、26による画像の形成位置を補正する。
【0052】
なお、反射光量検出部92Bのフォトダイオード100A,100Bにも反射光量検出部92Aと同一構成の回路が接続されているので、接続されている回路の各部に同一の符号を付し(図4)、説明を省略する。
【0053】
次に本実施形態の作用を説明する。レジずれ補正に際し、マイクロコンピュータ108は、図6に示すようなシェブロンパターン132が中間転写ベルト30の外周面上に形成されるように画像形成部20,22,24,26を制御する。本実施形態に係るシェブロンパターン132は、図6に示すように、検出部の受光面の形状(図5(B)参照)と略同様に略山型(略L字状)で、山型の頂部に相当する位置が副走査方向に沿った最上流側に位置するように形成されるパターン(以下、便宜的に「山型パターン」と称する)を基本パターンとし、3個の山型パターンが一定間隔毎に形成されて成るパターン群が、副走査方向に沿って多数形成されて構成されている。
【0054】
各山型パターンは、Y,M,C各色のトナーのうちの少なくとも1色のトナーにより形成されることでY,M,C3色のうちの少なくとも1色を含んでいると共に、同一のパターン群に含まれる3個の山型パターンは、互いに他の山型パターンと少なくとも部分的に異なる色で形成されている。
【0055】
中間転写ベルト30に上記のシェブロンパターン132が形成されると、パターン検出部28によるシェブロンパターン132の検出が行われる。ここで、中間転写ベルト30の外周面上でのフォトダイオード96A,96Bによる検出範囲は副走査方向にずれているため、シェブロンパターン132の検出時には、差動入力増幅器114からは、電流−電圧変換器112,102から入力された信号の差分(フォトダイオード96A,96Bの受光量差)に相当する波形、すなわち図6に「検出波形」として示すように、中間転写ベルト30の外周面上でのフォトダイオード96A,96Bによる検出範囲を単一の山型パターンが横切る毎に、出力信号のレベルが負方向及び正方向にパルス状に変化する波形の信号が出力される。
【0056】
差動入力増幅器114の出力信号はコンパレータ116に入力され、コンパレータ116によって上記出力信号のレベルが予め設定された閾値と比較される。コンパレータ116は、入力された信号のレベルが閾値以上のときには出力信号のレベルを「ON」とし、入力された信号のレベルが閾値未満のときには出力信号のレベルを「OFF」とする。コンパレータ116から出力された信号はバッファ118を介してカウンタ120に入力され、信号のレベルが「OFF」から「ON」に切り替わる時間間隔が順次カウントされる。カウンタ120によるカウント値は、パターン検知信号(図7参照)としてマイクロコンピュータ108に入力される。
【0057】
マイクロコンピュータ108には、パターン検知信号として、単一のパターン検出ユニット90当り2個(合計6個)のカウンタ120からカウント値が各々入力される。コンパレータ116から出力される信号において、レベルが「ON」となっている期間は検出器が山型パターンを検出している期間に相当し、レベルが「OFF」となっている期間は検出器が山型パターンを検出していない期間(山型パターンの間隙を検出している期間)に相当する。従って、カウンタ120から入力されるカウント値はシェブロンパターン132における山型パターンの形成間隔を表している。
【0058】
図7には、マイクロコンピュータ108によって実現される各種の機能のうちレジ補正に係る機能(以下、この機能を実現するためのソフトウェア及びハードウェアをレジ補正部130と総称する)が、詳細な機能毎にブロックに分けて示されている。レジ補正部130は、入力されたパターン検知信号に基づいてレジずれのDC成分及びAC成分を各々検知し、レジずれのDC成分については検知したレジずれ量を補正するための補正量を演算するレジずれ補正量演算部133を有している。なお、レジずれ補正量演算部133は本発明の演算手段に対応している。
【0059】
レジずれ補正量演算部133は、各カウンタ120から入力されるカウント値に基づいて、シェブロンパターン132内の各部位における山型パターンの形成時間間隔(図8(A)に示す時間間隔a,b,c,d)を検知する。単一のパターン検出ユニット90から入力される2個のカウント値から求めた時間間隔a,b,c,dは、主走査方向(以下、FS(Fast Scan)方向という)及び副走査方向(以下、SS(Slow Scan)方向という)についてパターン形成位置のずれが無ければ、図8(B)に示すように互いに等しい値(a=b=c=d)となるが、図8(C)又は(D)に示すようにパターンの形成位置がFS方向にずれている場合、或いは図8(E)又は(F)に示すようにパターン形成位置がSS方向にずれている場合には、時間間隔a,b,c,dの少なくとも何れかの値が他の値と相違する。
【0060】
このため、レジずれ補正量演算部133は、下記の演算式に従い、特定の色(例えばY)を基準として他の3色(例えばM,C,Bk)のFS方向の色ずれ量FSerr及びSS方向の色ずれ量SSerrを演算することを、パターン検出ユニット90A,90B,90Cについて各々行う。
【0061】
【数1】
【0062】
これにより、FS方向に沿った各位置(SOS付近、COS(Center Of Scan)付近、及びEOS(End Of Scan)付近)における色ずれ量がFS方向及びSS方向について各々検知される。そして、或る色についてのSOS付近、COS付近、及びEOS付近における色ずれ量FSerr,SSerrに基づいて、FS方向に沿った位置(座標値y)と色ずれ量FSerr,SSerrとの関係(例として図9に実線で示す関係)を求め、更に、座標値yから色ずれを補正するための色ずれ補正量を演算するための演算式(この演算式が表す座標値yと色ずれ補正量との関係を例として図9に破線で示す)をFSerr及びSSerrについて各々求めることを、基準色以外の3色について各々行う。
【0063】
上記で求めた演算式に画像上のFS方向に沿った各位置における座標値yを代入することにより、画像上のFS方向に沿った各位置における色ずれ補正量を求めることができ、この色ずれ補正量に基づいて各画素の位置を各色毎に独立に補正することで色ずれを補正することができる。なお、図9はSOS付近における色ずれ量とCOS付近における色ずれ量との偏差、及びCOS付近における色ずれ量とEOS付近における色ずれ量との偏差が等しい場合を示しているが、実際には両者は一致するとは限らない。両者が等しくない場合、FS方向に沿った位置と色ずれ量との関係や、FS方向に沿った位置から色ずれ補正量を求める演算式は、例えば最小二乗法等を適用して求めればよい。
【0064】
また、レジずれ補正量演算部133は、パターン検出ユニット90A,90B,90Cでシェブロンパターン132が検出されたタイミング、及びパターン検出ユニット90A,90B,90Cの検出位置に対するシェブロンパターンの形成位置のずれ量に基づいて、走査線傾き(スキュー)、走査線湾曲(ボウ)、全体倍率変化及び左右倍率変化を各々検知し、それぞれを補正するための補正量を求める。
【0065】
走査線傾きについては、図10(A)に示すように、パターン検出ユニット90A,90B,90Cの検出位置におけるシェブロンパターン132の形成位置のxy座標(x1,y1)(x,y)(x2,y2)を各々検知し、その位置関係(図10(B)参照)に基づき、以下の演算式に従って走査線傾き量を演算し、FS方向に沿った位置(座標値y)から走査線傾きに対する補正量を演算するための演算式を求める。
【0066】
【数2】
【0067】
上記で求めた演算式に画像上のFS方向に沿った各位置における座標値yを代入することにより、画像上のFS方向に沿った各位置における走査線傾き補正量を求めることができ、この走査線傾き補正量に基づいて各画素の位置を補正することで走査線傾きを補正することができる。
【0068】
また、走査線湾曲については、シェブロンパターン132の形成位置のxy座標(x1,y1)(x,y)(x2,y2)に基づき、以下の演算式に従って、走査線湾曲として角度θ,x,y(図11も参照)を各々演算し、FS方向に沿った位置(座標値y)から走査線湾曲に対する補正量を演算するための演算式を求める。
【0069】
【数3】
【0070】
上記で求めた演算式に画像上のFS方向に沿った各位置における座標値yを代入することにより、画像上のFS方向に沿った各位置における走査線湾曲補正量を求めることができ、この走査線湾曲補正量に基づいて各画素の位置を補正することで走査線湾曲を補正することができる。
【0071】
また、全体倍率変化及び左右倍率変化については、まずパターン検出ユニット90Aの検出位置におけるシェブロンパターン132の形成位置と検出位置とのFS方向に沿った偏差ΔXL、パターン検出ユニット90Cの検出位置におけるシェブロンパターン132の形成位置と検出位置とのFS方向に沿った偏差ΔXR(図12参照)を各々求め、以下の演算式に従って全体倍率に対する補正量を求める。
【0072】
【数4】
【0073】
また、左右倍率変化(発生原因については図13(B)を参照)については、前述の偏差ΔXL,ΔXRに加え、パターン検出ユニット90Bの検出位置におけるシェブロンパターン132の形成位置と検出位置とのFS方向に沿った偏差ΔXC(図13(A)参照)も求め、以下の演算式に従って左側倍率及び右側倍率に対する補正量を各々求める。
【0074】
【数5】
【0075】
上記で求めた倍率補正量に従い、COSに相当する画素を中心として左側(図13ではEOS側)の領域については、FS方向に沿った画素間隔を左側倍率補正量に従って補正し、COSに相当する画素を中心として右側(図13ではSOS側)の領域については、FS方向に沿った画素間隔を右側倍率補正量に従って補正することで、全体倍率変化及び左右倍率変化を補正することができる。なお、上記の色ずれ、走査線傾き、走査線湾曲、全体倍率変化、左右倍率変化は何れもレジずれのDC成分に相当する。
【0076】
次にレジずれのAC成分の検知について説明する。FS方向のレジずれのAC成分は、主として感光体20C,22C,24C,26Cのウォブル、中間転写ベルト30の端面プロファイルに起因して発生する。例として図14(A)に示すように、感光体の軸線に対して実際の回転軸が傾いていることで感光体のウォブルが生じていた場合、走査露光部による走査露光位置において、感光体の周面の位置がFS方向に周期的に変動することにより、図14(B)に示すように、感光体の周面上への画像の形成位置がFS方向に沿って周期的に変動する。
【0077】
このため、レジずれ補正量演算部133は、何かの基準信号(例えば感光体に取付けたロータリーエンコーダのZ相の信号)に基づいて、感光体の回転の1周期におけるFS方向に沿ったシェブロンパターン132の形成位置を所定のサンプリング周波数(シャノンの定理によればサンプリング周波数は再生周波数の2倍とすればよいが、ノイズの影響を考慮すると最低でも再生周波数の6〜10倍とすることが望ましい)でサンプリングし、サンプリング結果に基づいて画像形成位置のFS方向に沿った変動の周期、振幅及び位相(感光体の周面上の位置との関係)を検知する。
【0078】
上記で検知したFS方向ACレジずれの検知結果(画像形成位置のFS方向に沿った変動の周期、振幅及び位相)に基づき、各画素のFS方向に沿った位置を、検知した画像形成位置のFS方向に沿った変動を打ち消すように周期的に変化させる(周期、振幅を同一とし位相を逆位相とする)補正量を設定し、該補正量に従って補正を行うことにより、画像形成位置のFS方向に沿った変動を補正することができる。
【0079】
また、SS方向のレジずれのAC成分は、主として感光体20C,22C,24C,26Cや中間転写ベルト30を駆動する駆動ローラ32,34,36,38の偏芯、中間転写べルト30の厚みの不均一性等に起因して発生する。例として図14(C)に示すように、感光体の軸線に対して実際の回転軸が偏芯していた場合、走査露光部による走査露光位置において、感光体の周速が周期的に変動することによりSS方向に沿った画素間隔が周期的に変動する。この画素間隔の周期的な変動は、例えば濃度が一定の領域内においては、図14(D)に示すようにSS方向に沿った周期的な濃度変動として視認される。
【0080】
このため、レジずれ補正量演算部133は、何かの基準信号(例えば感光体に取付けたロータリーエンコーダのZ相の信号)に基づいて、感光体の回転の1周期におけるSS方向に沿ったシェブロンパターン132の形成位置を所定のサンプリング周波数でサンプリングし、サンプリング結果に基づいてSS方向に沿った画素間隔の変動の周期、振幅及び位相(感光体の周面上の位置との関係)を検知する。
【0081】
上記で検知したSS方向のACレジずれの検知結果(SS方向に沿った画素間隔の変動の周期、振幅及び位相)に基づき、SS方向に沿った画素間隔を、検知したSS方向に沿った画素間隔の変動を打ち消すように周期的に変化させる(周期、振幅を同一とし位相を逆位相とする)補正量を設定し、設定した補正量に従って補正を行うことにより、SS方向に沿った画素間隔の変動を補正することができる。
【0082】
なお、感光体の回転軸が傾いていることによるウォブルが生じていた場合、感光体の周速の変動の振幅及び位相がFS方向に沿った各位置で相違し、これに伴って画素間隔の変動の振幅及び位相がFS方向に沿った各位置で相違することになる。このため、上記を考慮すると、SS方向に沿った画素間隔の変動の周期、振幅及び位相の検知をSOS、COS、EOSの各位置で各々行い、検知結果に基づき、FS方向に沿った各位置における、SS方向に沿った画素間隔の変動の周期、振幅及び位相を補間演算によって求め、演算結果に基づいてSS方向に沿った画素間隔の変動を補正することが望ましい。
【0083】
また写真画像等のように、画像の幾何学的な歪み(具体的には、画像形成位置のFS方向に沿った変動やSS方向に沿った画素間隔の変動)は目立たないものの、濃度の周期的な変動は顕著に視認される画像に対しては、上述したFS方向に沿った画素位置及びSS方向に沿った画素間隔の補正に代えて、濃度の補正のみを行うようにしてもよい。この場合、シェブロンパターン132に代えて、濃度が一定のベタ画像を形成し、形成したベタ画像のFS方向及びSS方向に沿った濃度変動の周期、振幅(濃度変動幅)及び位相を検知することが望ましく、検知した濃度変動の周期、振幅及び位相に基づき、検知した濃度変動が打ち消されるように各画素の濃度を周期的に変化させる補正を行えばよい。
【0084】
一方、レジ補正部130には、画像形成部20,22,24,26によって形成すべき画像を表す画像データも入力される。なお、この画像データは原稿読取装置12が原稿を読み取ることで得られた画像データであってもよいし、電話回線を介して他のファクシミリ装置から受信した画像データであってもよいし、通信回線を介してパーソナルコンピュータ(PC)等の情報処理装置から受信したデータをビットマップデータとして展開することで得られた画像データであってもよい。
【0085】
また、本実施形態では、上記の画像データとして、形成すべき画像をFS方向及びSS方向に600dpiの解像度で多数の画素に分解すると共に、各画素のY,M,C,Bk各色毎の濃度を各々8ビット(0〜255の256階調)で表す画像データを用いているが、画像データの解像度及び階調数は上記数値に限定されるものではない。
【0086】
レジ補正部130はオブジェクトタグ付加部134を備えており、上記の画像データはオブジェクトタグ付加部134に入力される。オブジェクトタグ付加部134は入力された画像データを画素単位で解析し、入力された画像データが「2値展開文字」「写真」「グラフィックス」「多値展開文字」の何れを表す画像かを分類し、分類結果を表すオブジェクトタグ(例えば表1に示す2ビットの情報)を画像データに付加して出力する。なお、表1において、( )bは括弧内の数値が2進数であることを表す。
【0087】
【表1】
【0088】
通常、文字原稿データにおける個々の文字のデータは、文字コード、フォント種を示す情報、及び文字の大きさを示す情報から構成されており、アウトラインフォント(ベクトルフォント)を使用した場合の画像データの生成は、指定された文字コード、フォント種に対応するフォントデータ(文字の輪郭線を表すデータ)を呼び出し、フォントデータが表す輪郭線の大きさを指定された文字の大きさに応じて拡大又は縮小してビットマップメモリ上に展開し、輪郭線内を特定の色で塗り潰すことによって成される。上記のように生成された画像データは、個々の画素の濃度値が文字部分に相当する値(例えば255)か、又は下地部分に相当する値(例えば0)になる。本実施形態では、このような画像データを「2値展開文字」の画像データと称している。
【0089】
一方、アウトラインフォントを使用した場合の文字の描画精度は、画像記録時の解像度より高いことが一般的であるため、フォントデータが表す文字の輪郭線(外形形状)は、画像記録時の解像度と同等のビットマップメモリ上にフォントを展開する段階で、画像記録時の解像度に合わせて量子化されることになり、輪郭線がぎざつく等の文字原稿の記録品質の劣化が生ずる。この量子化による記録品質の劣化を抑制する方法としては、画像記録時の解像度よりも高解像度のビットマップメモリ上にフォントを展開して2値展開文字の画像データを取得した後に、画像記録時の解像度と同等の画像データへ解像度変換する方法がある。この場合、文字部分と下地部分の境界に位置している画素は、文字部分に相当する値と下地部分に相当する値の間の値になる。本実施形態では上記のようにして得られる画像データを「多値展開文字」の画像データと称している。
【0090】
なお、本実施形態では、後述するようにレジずれの補正に際して画像データをより高解像度の画像データ(FS方向及びSS方向の解像度が1200dpiの画像データ)に変換するので、アウトラインフォントの高い描画精度を生かすために、上記の解像度変換後の解像度と同等の高解像度のビットマップメモリ上にフォントを展開し、得られた画像データを画素位置補正演算部146(後述)へ直接入力するようにしてもよい。
【0091】
オブジェクトタグ付加部134における分類方法は、画像データを上記の表1のように分類できる方法であれば、どのような方法を適用可能である。一例として、注目画素を中心とした所定の画素数から成る矩形領域内の全画素について、注目画素からの距離に応じた重み付けを施した後に統計処理を行い、統計処理の結果(例えば濃度ヒストグラムの形状)に基づいて当該注目画素を分類する方法を適用することができる。この場合、例えば注目画素が2値展開文字の画像データに属する画素であれば、特定の濃度値の画素数が突出した濃度ヒストグラムが得られる(図15参照)ので、濃度ヒストグラムの形状に基づいて注目画素の種類を特定することができる。
【0092】
また、画像データが表す画像中に、文字に相当するシャドー部が存在するか否かを探索したり、シャドー部に代えて網点パターンや一定の特徴を有する小領域を適用して分類する方法や、ユーザによって指定させる方法を用いてもよい。また、PCで実行されるアプリケーションの中にはオブジェクトタグと同一又は類似のタグを付加するものがあり、これを利用してもよい。オブジェクトタグ付加部134による分類により、入力された画像データが表す画像中に文字画像や写真画像が混在していたとしても、これらは異なる画像データとして分類される。
【0093】
なお、上記のように、入力された画像データを「2値展開文字」「写真」「グラフィックス」「多値展開文字」の4種類に分類することに代えて、「2値展開文字」及び「多値展開文字」を含むグループ(濃度が急激に変化しているエッジ部分の再現性が重視されると共に、画像の幾何学的な歪みが目につき易い画像に対応するグループ)と、「写真」及び「グラフィックス」を含むグループ(中間調の再現性が重視されるデータのグループ)の2種類に分類してもよい。
【0094】
オブジェクトタグ付加部134によってオブジェクトタグが付加された画像データは、バッファ136に一旦保持された後に、付加されているオブジェクトタグに基づいて、「2値展開文字」及び「多値展開文字」の画像データ(以下、文字画像データと総称する)は文字画像処理部138へ入力され、「写真」及び「グラフィックス」の画像データ(以下、写真画像データと総称する)は写真画像処理部140へ入力される。
【0095】
写真画像処理部140は、入力された写真画像データを網点画像再現方式(濃度パターン法)に従って変換する網点処理を行う。網点画像再現方式(濃度パターン法)は、電子写真方式のデジタル複写機やプリンタ等において写真画像を出力する方式として広く用いられており、入力画像データの1画素(入力画素)に対応する複数のサブピクセルの各々に対して予め濃度閾値が設定された網点パターン(スクリーンパターンともいう)を用い、入力画素を複数のサブピクセルに分割し、各サブピクセルの濃度値を、網点パターン上の対応するサブピクセルに設定された濃度閾値と比較し、比較結果に応じて各サブピクセルの濃度を「白」又は「黒」とすることで、入力画素の濃度を複数のサブピクセルによって表現するものである。
【0096】
網点処理の一例として、入力画素の濃度が256階調で表現され、入力画素を16個(=4×4)のサブピクセルに分割する態様において、入力画素の濃度値が「182」の場合の網点処理の結果(各サブピクセルのオン(黒:255)/オフ(白:0)の状態)の一例を図16に示す。写真画像処理部140には網点パターン出力部142が接続されており、写真画像処理部140は、入力された写真画像データに対し、網点パターン出力部142から入力された網点パターンに基づいてY,M,C,Bk各色のデータ毎に別々に網点処理を行う。
【0097】
なお、本実施形態では、入力された画像データをFS方向及びSS方向に各々2倍の解像度(FS方向及びSS方向の解像度が1200dpi)の画像データに変換し、該変換後の画像データを処理対象としてレジずれの補正を行う。このため、本実施形態では、この解像度の変換と網点画像再現方式による変換を同時に行うために、網点パターン出力部142からは1画素を4個(=2×2)のサブピクセルに分割する網点パターン(例えば図19に示すように、9画素(=3×3)のブロックに対して解像度変換と網点画像再現方式による変換を同時に行うための36個(=6×6)のサブピクセルから成る網点パターン)を出力し、写真画像処理部140は入力された写真画像データに対し、複数画素のブロックを単位として網点処理を行う。これにより、写真画像処理部140に入力された写真画像データは、図19に「多値出力値」として示すように、FS方向及びSS方向の解像度が1200dpiの画像データに変換されて出力されることになる。
【0098】
また、各色のデータに対して同一の網点パターンを用いて網点処理を行うと、僅かな位置ずれによって色ムラが生じたり、各色の網点パターンが重なった場合に生ずる縞模様(モアレ縞)の影響が大きくなる。このため、本実施形態ではスクリーン角θが互いに異なる4種類の網点パターンを各色のデータに対応させて用いることで、モアレ縞の影響を軽減している。なお、スクリーン印刷等の分野では、スクリーン角θとしては0°、15°、45°及び75°が好適であることが知られているが、本実施形態では、同一の網点パターンを繰り返し使用してメモリ容量を削減するために、スクリーン角θとして有理正接で求まる値(スクリーン角θの演算式θ=tan-1(Y/X)において、X,Yが共に整数のときの値)を用いている。また、本実施形態では、写真画像とグラフィックス画像に対し、スクリーンの線数や角度等のパラメータが異なる網点パターンを用いている。
【0099】
一方、文字画像はエッジの再現性等が重視され、階調性再現性よりも解像度が優先されるため、文字画像処理部138は、入力された文字画像データに対し、通常は上記の網点処理を含めて何ら処理を行わない。但し本実施形態では、文字画像画像データに対する網点処理の実行をユーザが指示(設定)することで、文字画像データに対して文字画像処理部138で網点処理を行わせることも可能とされている。
【0100】
文字画像処理部138から出力された文字画像データ(FS方向及びSS方向の解像度が600dpiの画像データ)は高解像度化演算部144に入力される。600dpiの解像度で記録された画像上での画素間隔は約42.3μmであるので、レジ補正のために画素の記録位置を移動させる場合も、通常は約42.3μm単位での移動となる。画素の記録位置を比較的大きく移動させる場合(所謂粗調整)にはこれで十分であるが、画素の記録位置の僅かなずれ(例えば10μm以下)も含めて補正するために、例えば10μm以下を単位として画素の記録位置を移動させる場合(微調整)には、単純な画像の座標位置変換(画素間隔を単位とする画素の記録位置の移動)のみでは対応できない。
【0101】
このため、本実施形態では、FS方向及びSS方向の解像度が1200dpiの高解像度の画像データへ変換し、高解像度の画像データ上でレジ補正のための画素位置の移動を行った後に、元の解像度(FS方向及びSS方向の解像度が600dpi)の画像データに戻す際に、600dpiの解像度での画素位置に対する600dpiの解像度での画素間隔未満の画素位置の偏倚(後述する処理領域内の濃度分布の偏倚)をコード情報として記憶しておき、このコード情報に基づいて画素の記録位置の微調整を行う。
【0102】
高解像度化演算部144では、上記の処理を実現するために、文字画像処理部138から出力されたFS方向及びSS方向の解像度が600dpiの文字画像データを、FS方向及びSS方向の解像度が1200dpiの画像データへ変換した後に、高解像度化演算部144に接続された画素位置補正演算部146へ解像度変換後の画像データを出力する。
【0103】
解像度変換の方法としては種々の方法が知られているが、例えばFS方向及びSS方向の解像度が600dpiの画像データをFS方向及びSS方向の解像度が1200dpiの画像データへ変換する場合、1画素が4画素(=2×2)に分割されるため、個々の画素の各色毎の濃度値が各々8ビットのデータで表されている場合、例として図17(A)にも示すように、単一の画素の濃度値(0〜255の範囲内の値をとる)を4(=2×2)で除し、得られた濃度値(0〜64(=256/4)の範囲内の値をとる)を対応する4画素に各々設定する方法を用いることができる。この場合、元の解像度の画像データへ戻す際には、個々の画素の濃度値として、個々の画素に対応する4画素の濃度値の総和(0〜255の範囲内の値に戻る)を設定すればよい。
【0104】
また、他の方法として、例として図17(B)に示すように、単一の画素の濃度値を対応する複数の画素(図では例として6画素(=2×3))に各々設定する方法を用いてもよい。この場合、元の解像度の画像データへ戻す際には、個々の画素の濃度値として、個々の画素に対応する複数画素の濃度値の平均値(0〜255の範囲内の値をとる)を設定すればよい。
【0105】
なお、写真画像処理部140から出力された網点処理後の写真画像データについては、先にも説明したように、既にFS方向及びSS方向の解像度が1200dpiの画像データへ変換されているので、高解像度化演算部144は、写真画像データに対しては上述した解像度変換等の処理を何ら行うことなく、画素位置補正演算部146へ出力する。
【0106】
画素位置補正演算部146にはレジずれ補正量演算部133が接続されており、レジずれ補正量演算部133によって演算された各種のDCレジずれ補正量(詳しくは、色ずれ補正量、走査線傾き補正量、走査線湾曲補正量、左側倍率補正量及び右側倍率補正量)と、FS方向及びSS方向のACレジずれの検知結果は画素位置補正演算部146に入力される。
【0107】
画素位置補正演算部146は、高解像度化演算部144から入力されたFS方向及びSS方向の解像度が1200dpiの画像データに対し、レジずれ補正量演算部133から入力されたDCレジずれ補正量に基づいて、レジずれのDC成分を補正するためのFS方向に沿った画素位置の移動量及び移動方向、及びSS方向に沿った画素位置の移動量及び移動方向を、各色の画像データの各画素毎に演算する。
【0108】
なお、レジずれのDC成分に対する補正は、レジずれ補正量演算部133から入力された各種のDCレジずれ補正量(色ずれ補正量、走査線傾き補正量、走査線湾曲補正量、左側倍率補正量、右側倍率補正量)に従って、単に各色の画像データの各画素毎に位置の移動量及び移動方向を演算すればよいが、レジずれのAC成分に対する補正については、画像データの各画素が感光体20C,22C,24C,26Cの周面上の何れの位置に記録されるかに応じて適正な補正量が相違する。
【0109】
このため、画素位置補正演算部146は、各感光体に取付けたロータリーエンコーダから出力される信号に基づいて、感光体の周面上の何れの位置が走査露光部による走査露光位置に対応しているかを常に監視し、レジずれのAC成分に対する補正に際しては、上記の監視結果に基づき、画像データ上の各画素が感光体の周面上の何れの位置に記録されるのかを判定し、画像形成位置のFS方向に沿った変動及びSS方向に沿った画素間隔の変動の画像データ上での位相を判断する。
【0110】
そして、レジずれのAC成分のうちFS方向の補正を行うための画素位置の移動量及び移動方向は、入力されたFS方向のACレジずれの検知結果、及び画像形成位置のFS方向に沿った変動の画像データ上での位相を判断した結果に基づいて、各画素のFS方向に沿った位置に、画像形成位置のFS方向に沿った変動を打ち消す周期的な変化が生ずるように、画素位置の移動量及び移動方向(FS方向の+方向又は−方向)を各画素毎に演算することによって行う。
【0111】
また、レジずれのAC成分のうちSS方向の補正を行うための画素位置の移動量及び移動方向は、入力されたFS方向のACレジずれの検知結果、及びSS方向に沿った画素間隔の変動の画像データ上での位相を判断した結果に基づいて、SS方向に沿った画素間隔に、SS方向に沿った画素間隔の変動を打ち消す周期的な変化が生ずるように、画素位置の移動量及び移動方向(SS方向の+方向又は−方向)を各画素毎に演算することによって行う。このように、画素位置補正演算部146は本発明の演算手段としての機能の一部も備えている。
【0112】
また後述するように、レジずれ補正量演算部133によるDCレジずれ補正量の演算及びFS方向及びSS方向のACレジずれの検知は、シェブロンパターン132を繰り返し形成しながら順に行われる。また、レジずれのAC成分に対する補正は、前述のように感光体の周面上での記録位置に応じて各画素に対する補正量が相違する。
【0113】
このため、画素位置補正演算部146は、ACレジずれ補正量が入力された場合には、入力されたACレジずれ補正量そのものを記憶すると共に、DCレジずれ補正量が入力された場合には、入力されたDCレジずれ補正量から求めた各色の画像データの各画素毎に移動量及び移動方向を記憶する。そして、入力された画像データに対するレジずれの補正に際しては、まず前述のように、レジずれのAC成分を補正するための各画素の位置の移動量及び移動方向を演算し、演算結果を、DCレジずれ補正量から求めた各色の画像データの各画素の位置の移動量及び移動方向に加算することで、レジずれを補正するための各画素の位置の最終的な移動量及び移動方向を求める。また、新たなDCレジずれ補正量が入力された場合には、記憶しているDCレジずれ補正量から求めた画素位置の移動量及び移動方向を、新たに入力されたDCレジずれ補正量に応じて修正して更新する。
【0114】
なお、以降の処理の説明では、説明を簡単にするためにY,M,C,Bk各色を区別しないが、以降は各色の画像データに対して各々同一の処理が行われる。
【0115】
続いて、画素位置補正演算部146は、レジずれを補正するための各画素の位置の移動量及び移動方向に応じて、高解像度化演算部144から入力された画像データ(FS方向及びSS方向の解像度が1200dpiの画像データ)の各画素の位置を移動させる(詳しくは移動後の座標値を演算する)。なお、移動前の画素の座標を(x,y)、移動後の画素の座標を(x*,y*)、x方向(FS方向)の移動量及び移動方向をtranslationx、y方向(SS方向)の移動量及び移動方向をtranslationy、とすると、移動後の座標は例えば下記の演算式を用いて演算することができる。
【0116】
【数6】
【0117】
なお、上記の演算式を用いて各画素の位置を移動させた場合、画素位置移動後の画像における各画素が、画素位置移動前の画像における何れの画素に対応しているかについては、下記の演算式を用いて画素位置移動前の座標(x,y)を求めることで行うことができる。
【0118】
【数7】
【0119】
ところで、上記のように、レジずれを補正するための移動量及び移動方向に応じて各画素の位置を移動させた場合、移動後の各画素の位置は、FS方向及びSS方向の解像度が1200dpiの画像データにおける正規の画素位置(格子点位置)から外れていることが殆どである(すなわち、格子点の座標(x,y)のx及びyが各々整数で表されるとすると、移動後の画素の座標(x*、y*)のx*及びy*は殆どの場合、小数点以下の値を含む数値となる)。
【0120】
このため、画素位置補正演算部146は画素位置の移動を行った後に、画素位置移動後の各画素のデータに基づいて、解像度が1200dpiの画像データ上の各格子点位置における濃度値を演算する処理(本実施形態ではこの処理を画素位置の整数化と称する)を行う。
【0121】
画素位置の整数化方法としては種々の方法を適用可能であり、高速処理に適した整数化手法としては、ゼロ次ホールド法やニアレストネイバー法等が挙げられる。ゼロ次ホールド法は、出力画素(x,y)の画素値(濃度値)として、その直前の入力画素の画素値を設定するアルゴリズムであり、図20(A)に示す例では、入力画素([x],[y])が与えられた時点で、出力画素(x,y)の画素値として入力画素([x],[y])の画素値を設定している。この方法では画素位置の比較のみで画素値を演算する必要がなく、非常に高速に処理を行うことができる。但し、整数化による画質劣化の度合いが比較的大きいという欠点がある。
【0122】
また、ニアレストネイバー法は、出力画素(x,y)の画素値として最近傍の入力画素の画素値を設定するアルゴリズムである。図20(B)に示す例では、下図においては出力画素(x,y)と、それを囲む入力画素([x],[y])([x]+1,[y])([x],[y]+1)([x]+1,[y]+1)の座標が比較され、最も近い入力画素(下図では入力画素([x],[y]+1))の画素値が出力画素(x,y)の画素値として設定される。この方法では、ゼロ次ホールド法よりも座標の比較回数が多くなるが、画素値を演算する必要がないので、ゼロ次ホールド法と同様に高速に処理を行うことができる。但し、整数化により抜けが発生したり、画像の滑らかさが失われるなど、画質劣化の度合いも比較的大きい。
【0123】
また、画質、処理速度ともに標準的な整数化のアルゴリズムとしては、4点補間法(Bi-Linear)等が挙げられる。4点補間法は出力画素(x,y)の画素値を、その周囲に存在する4個の入力画素([x],[y])([x]+1,[y])([x],[y]+1)([x]+1,[y]+1)の画素値から補間演算によって求めるアルゴリズムである。図20(C)に示すように、例えば入力画素([x],[y])に対する出力画素のx,y座標値の差分p,qに従い、
density(x,y)=(1-q)・[(1-p)・density([x],[y])+p・density([x]+1,[y])}+q・{(1-p)・density([x],[y]+1)+p・density([x]+1,[y]+1)}
なる演算を行うことで出力画素(x,y)の画素値を求める。4点補間法は演算量もそれ程多くはなく、画質も比較的良好である。しかし、細線が消えたり多少ぼけた画線になる等のように、多少の画質の劣化が発生する場合もある。
【0124】
画質の劣化が少ない整数化のアルゴリズムとしては、投影法や16点補間法、輸理演算法等が挙げられる。投影法は画素を点ではなく面として捉え、出力画素を複数の入力画素の面積比率で決定するアルゴリズムである。図21(A)において実線は5×4画素から成る入力画素の境界を表し、破線は3×3画素から成る出力画素の境界を表している。図21(A)において濃度を変えて示す出力画素(x,y)(入力画素([x],[y])([x]+1,[y])([x],[y]+1)([x]+1,[y]+1)に跨っている画素)の画素値を投影法によって決定する場合を説明すると、図6(B)に示すように、出力画素(x,y)のうち、入力画素([x],[y])([x]+1,[y])([x],[y]+1)([x]+1,[y]+1)と重なっている部分の面積比は、各々2/9,1/9,4/9,2/9であるので、
density(x,y)=2/9・([x],[y])+1/9・([x]+1,[y])+4/9・([x],[y]+1)+2/9・([x]+1,[y]+1)
なる演算を行うことで出力画素(x,y)の画素値を求める。投影法は面積比を求める等の演算量が多く、処理に多少時間がかかるものの画質の劣化は小さく、特に写真等の絵柄部分に有効である。その反面、文字や線画では多少エッジがぼけることがある。
【0125】
また16点補間法(Cubic Spline)は、出力画素の画素値を周囲16個の入力画素の画素値から補間演算によって求めるアルゴリズムである。図22及び以下の演算式に示すように、16点補間法は、出力画素(x,y)の周囲の16個の入力画素値と、これらの入力画素のx,y座標値と出力画素のx,y座標値との差であるx1〜x4及びy1〜y4を用いて出力画素(x,y)の画素値を求めるものである。16点補間法は処理にかなりの時間がかかるものの、整数化による画質劣化の度合いが最も小さい。
【0126】
【数8】
【0127】
画素位置補正演算部146による画素位置の整数化は、上述した各種の整数化方法のうちの何れか1つ(例えば4点補間法)を固定的に用いてもよいし、各種の整数化方法の特性を勘案し、画像データの種類(文字画像データか写真画像データか)に応じて選択的に用いるようにしてもよい。上述した画素位置の整数化を行うことにより、例として図18に示す「レジずれ補正後の文字画像データ」或いは図19に示す「レジずれ補正後の写真画像データ」のように、FS方向及びSS方向の解像度が1200dpiでかつレジずれが補正された画像データが得られることになる。
【0128】
なお、上記の画素位置の整数化により、画像(特に画像中のエッジ部分)にぼけが発生することがある。このような場合には、画素位置補正演算部146において、エッジ強調処理を行うことが望ましい。フィルタ演算によってエッジ強調を行う場合のエッジ強調フィルタの一例を下記に示す。
【0129】
【数9】
【0130】
上記の演算式において、i及びjは画素位置を表す整数値、g(i,j)は画素(i,j)の画素値(濃度値)、D(i,j)はフィルタリング後の画素(i,j)の画素値、Cは重み係数である。上記の演算式は、画素(i,j)を中心とする3×3画素の領域内の9個の画素の画素値を用いて、画素(i,j)の画素値を演算する演算式である。ここでは3×3画素の領域に代えて、5×5画素等の他のサイズの領域を用いてもよい。
【0131】
上述した処理を経た画像データ(FS方向及びSS方向の解像度が1200dpiでかつレジずれが補正された画像データ)は、画素位置補正演算部146から低解像度化演算部148へ入力される。
【0132】
低解像度化演算部148では、高解像度化演算部144についての説明に併記したように、入力された画像データのFS方向及びSS方向の解像度を1200dpiから600dpiへ低下させる低解像度化処理を行うが、この低解像度化処理に先立って低解像度化演算部148は濃度分布判定処理を行う。
【0133】
この濃度分布判定処理は、低解像度化処理前の高解像度画像データに対し、複数画素から成る処理領域(低解像化処理後の画像データにおける1画素に相当する領域:すなわち4(=2×2)画素から成る領域)を単位として、処理領域内の高濃度の部分が処理領域内の何れの位置に位置しているのかを判定する処理である。
【0134】
低解像度化処理では、個々の画素の濃度値として、個々の処理領域内の各画素の濃度値の総和又は平均を、個々の処理領域に対応する1画素の濃度値とし、通常の走査露光処理では、個々の画素の濃度値を表すドットを個々の画素の中心付近に記録する。この処理では、処理領域内の各画素の濃度が同一又は接近していた場合には問題ないものの、処理領域内の濃度分布が偏倚していたとしても画素の中心付近に記録するので、低解像度化前の処理領域内における濃度分布の偏倚は記録画像に反映されない。従って、低解像度化前の処理領域内における濃度分布の偏倚は、低解像度化及び走査露光の段階で画像から情報として欠落することになり、画質の劣化が生ずる。
【0135】
低解像度化演算部148は、低解像度化前の処理領域内における濃度分布の偏倚を、画像記録時に個々の画素の記録位置を微調整することで表現するために、前述の濃度分布判定処理を行う。具体的には、例えば処理領域内の各画素の濃度を比較し、処理領域内の最低濃度の画素との濃度偏差が所定値以上の画素、及び濃度値が閾値以上の画素を高濃度部と判定し(この所定値及び閾値はユーザが変更設定可能としてもよい)、高濃度部と判定した画素の位置を低解像度化演算部148に接続されたコード情報設定部150へ出力することを、低解像度化前の高解像度画像データ上の全ての処理領域に対して順次行う。
【0136】
図18及び図19には濃度分布判定結果の一例を示す。なお、この判定結果は高濃度部と判定した画素を「1」、高濃度部と判定されなかった画素を「0」で表記して示している。
【0137】
なお、低解像度化前の処理領域内における濃度分布の偏倚を記録画像に反映させることは、エッジ部分の再現性が重視される文字画像において特に重要であるので、エッジ部分の再現性よりも階調の再現性が重視される写真画像の画像データに対して濃度分布判定処理を行う場合には、処理領域内における濃度分布が極端に偏倚していた場合にのみ濃度分布の偏倚が検知されるように、文字画像データに対して濃度分布判定処理を行う場合よりも前述の所定値や閾値を大きな値としてもよいし、写真画像データに対しては濃度分布判定処理を行わないようにしてもよい。
【0138】
また、高濃度部の判定方法についても上記に限定されるものではなく、例えば処理領域内の各画素の濃度の平均値を演算し、この平均値を閾値とし、濃度値が平均値よりも高い画素を高濃度部に相当する画素と判定するようにしてもよい。更に、処理領域として、16(=4×4)画素から成る領域や64(=8×8)画素から成る領域等のように、上記と異なるサイズの領域を適用してもよい。
【0139】
コード情報設定部150では、低解像度化演算部148から順次入力される各処理領域に対する濃度分布判定処理の結果(高濃度部と判定された画素位置の判定結果)に基づいて、各処理領域に対し、高濃度部の有無及び位置を表すコード情報を各々設定する。一例として、4(=2×2)画素から成る処理領域における高濃度部のパターン、及び各パターンに対して設定されるコード情報の一例を図23に各々示す(図18及び図19も参照)。このコード情報は、高濃度部のパターン(濃度分布の偏倚)を表す情報であり、このコード情報に基づいて個々のドットの記録位置が微調整されるので、本発明に係る「画素間隔未満の微調整量」に対応している。
【0140】
低解像度化演算部148では、上記の濃度分布判定処理を行った後に先に説明した低解像度化処理を行う。これにより、例として図18及び図19に示すように、FS方向及びSS方向の解像度が600dpiの出力画像データが得られる。この低解像度化処理は、画素位置補正演算部146で行われる処理、上述した濃度分布判定処理、及びコード情報設定部150におけるコード情報の設定と共に、本発明における「演算手段によって演算されたレジ補正量を、画像データ上の個々の画素毎の値に対する修正量と、個々の画素の記録位置に対する画素間隔未満の微調整量と、に分解し、修正量に応じて画像データを修正する」処理に対応しており、画素位置補正演算部146、低解像度化演算部148及びコード情報設定部150は本発明の修正手段に対応している。
【0141】
低解像度化演算部148における低解像度化処理によって得られた出力画像データは合成部152によって入力される。合成部152は、単一のページに対応する画像データがオブジェクトタグによって文字画像データと写真画像データに分離されて別々に処理された場合に、これらを単一のページの画像データとして合成する合成処理を行う。なお、この合成処理では一部の画素に重なりが生ずる場合もあるが、その場合には、重なりが生じた画素の濃度値として濃度が高い方の画素の濃度値を設定する。
【0142】
合成部152にはD/A変換器154が接続されており、開始位置検出センサ78から出力される開始位置信号SOSが表す変調開始タイミング(レーザビームの各回の主走査における変調開始タイミング)より、図示しないクロック信号発生装置から出力された画素クロック信号(FS方向に沿った各画素の記録周期(記録期間)を規定する信号)に同期したタイミングで、1回の主走査で露光記録すべき画素列のデータをD/A変換器154へ順に出力する。
【0143】
D/A変換器154の信号出力端は3個の比較器156A,156B,156Cの2個の信号入力端の一方に各々接続されており、D/A変換器154に入力された各画素のデータは、各画素の濃度値に応じた電圧レベルのアナログの画像信号(詳しくは濃度値が高くなるに従って電圧レベルが低くなる信号:図24参照)に変換されて比較器156A,156B,156Cに各々入力される。
【0144】
また本実施形態では、画素クロック信号と周期が等しくかつ互いに異なる波形の三角波信号を生成する3個の三角波信号生成回路158A,158B,158Cが設けられている。三角波信号生成回路158Aから出力される三角波信号の波形は、図24(A)にも示すように、或る画素の記録期間が始まるタイミングで一定の電圧レベル迄瞬時に立ち上がり、その後、前記画素の記録期間が終わるタイミングで電圧レベルが0に戻るように一定の傾きで緩やかに電圧レベルが低下することが繰り返される波形である。三角波信号生成回路158Aの信号出力端は比較器156Aの信号入力端の他方に接続されている。
【0145】
また、三角波信号生成回路158Bから出力される三角波信号の波形は、図24(B)にも示すように、或る画素の記録期間が始まるタイミングで一定の電圧レベルになっており、前記画素の記録期間の中央に相当するタイミングで電圧レベルが0になるように前記画素の記録期間が始まるタイミングより一定の傾きで電圧レベルが低下し、その後、前記画素の記録期間が終わるタイミングで電圧レベルが前記一定の電圧レベルに戻るように、前記中央に相当するタイミングより一定の傾きで電圧レベルが上昇することが繰り返される波形である。三角波信号生成回路158Bの信号出力端は比較器156Bの信号入力端の他方に接続されている。
【0146】
また、三角波信号生成回路158Cから出力される三角波信号の波形は、図24(C)にも示すように、或る画素の記録期間が終わるタイミングで前記一定の電圧レベルに達するように一定の傾きで緩やかに電圧レベルが上昇し、前記画素の記録期間が終わるタイミングで瞬時に電圧レベルが0に戻ることが繰り返される波形である。三角波信号生成回路158Cの信号出力端は比較器156Cの信号入力端の他方に接続されている。
【0147】
比較器156A,156B,156Cは、D/A変換器154から入力された画像信号の電圧レベルを、入力された三角波信号の電圧レベルと比較し、画像信号の電圧レベルが三角波信号の電圧レベル以上のときにはハイレベル、画像信号の電圧レベルが三角波信号の電圧レベル未満のときにはローレベルとなるPWM(パルス幅変調信号)を出力する。比較器156A,156B,156Cには同一の画像信号が入力されるが、比較器156A,156B,156Cに入力される三角波信号の波形は互いに異なっている。
【0148】
このため、図24(A)に示すように、比較器156Aから出力されるPWM信号は、入力された画像信号が最大濃度に対応する電圧レベル(この場合は常にハイレベルになる)及び最小濃度に対応する電圧レベル(この場合は常にローレベルになる)以外の場合には、ハイレベルとなっている期間が各画素の記録期間内のうちの後側に偏倚している波形となる。このPWM信号に応じてLD70の点消灯を制御(PWM信号がハイレベルとなっている期間に点灯)したとすると、図24(A)に「LDの点灯期間」として示すように、LDが点灯することによって感光体上に形成されるドットは、その記録位置がFS方向下流側(便宜的に右側という)に寄ることになる(以下、これを右寄せという)。
【0149】
また、図24(B)に示すように、比較器156Bから出力されるPWM信号は、入力された画像信号が最大濃度に対応する電圧レベル及び最小濃度に対応する電圧レベル以外の場合には、ハイレベルとなっている期間が各画素の記録期間内の中央に位置している波形となる。このPWM信号に応じてLD70の点消灯を制御したとすると、図24(A)に「LDの点灯期間」として示すように、LDが点灯することによって感光体上に形成されるドットは、その記録位置が、記録期間内にレーザビームが走査する範囲の中央に位置することになる(以下、これを中寄せという)。
【0150】
また、図24(C)に示すように、比較器156Cから出力されるPWM信号は、入力された画像信号が最大濃度に対応する電圧レベル及び最小濃度に対応する電圧レベル以外の場合には、ハイレベルとなっている期間が各画素の記録期間内のうちの前側に偏倚している波形となる。このPWM信号に応じてLD70の点消灯を制御したとすると、図24(C)に「LDの点灯期間」として示すように、LDが点灯することによって感光体上に形成されるドットは、その記録位置がFS方向上流側(便宜的に左側という)に寄ることになる(以下、これを左寄せという)。
【0151】
比較器156A,156B,156Cの信号出力端はセレクタ160の信号入力端に各々接続されており、比較器156A,156B,156Cから出力される右寄せ、中寄せ、左寄せの3種類のPWM信号はセレクタ160に各々入力される。セレクタ160はコード情報設定部150に接続されており、各画素に対応するPWM信号がセレクタ160に順に入力されるのと同期したタイミングで、各画素に対応するコード情報がセレクタ160に順に入力される。
【0152】
セレクタ160は入力されたコード情報が、対応する画素の低解像度化前のFS方向についての濃度分布が右側に偏倚していることを表す値(例えば図23において「FS右」と記された値)である場合には右寄せのPWM信号を選択・出力し、対応する画素の低解像度化前のFS方向についての濃度分布が左側に偏倚していることを表す値(例えば図23において「FS左」と記された値)である場合には左寄せのPWM信号を選択・出力し、対応する画素の低解像度化前のFS方向についての濃度分布が右側にも左側にも偏倚していないことを表す値(例えば図23において「FS無し」又は「FS中」と記された値)である場合には中寄せのPWM信号を選択・出力することを、画素クロック信号に同期したタイミングで各画素毎に行う。
【0153】
セレクタ160の出力端は強度変調部164に接続されており、強度変調部164からは、セレクタ160から入力されたPWM信号がハイレベルとなっている期間にのみLD70を点灯させるPWAM信号が出力され、このPWAM信号に応じてLD70の点消灯が制御されるので、レーザビームの走査露光によって感光体の周面上に形成される画像(静電潜像)は、各画素の濃度値に応じた時間だけレーザビームが照射されることで各画素に対応するドットが記録されると共に、各画素の低解像度化前のFS方向についての濃度分布に応じて、各ドットの記録位置がFS方向に微調整されることになる。
【0154】
また、コード情報設定部150には光量制御部162に接続されており、各画素に対応するPWM信号に応じてLD70が点消灯されるのと同期したタイミングで、各画素に対応するコード情報が光量制御部162に順に入力される。光量制御部162はLD70に供給する電流値を制御することでLD70から射出されるレーザビームの光量を通常光量に制御すると共に、入力されたコード情報が、対応する画素の低解像度化前のSS方向についての濃度分布がSS方向上流側(便宜的に上側という)に偏倚していることを表す値(例えば図23において「FS上」と記された値)、又は前記濃度分布がSS方向下流側(便宜的に下側という)に偏倚していることを表す値(例えば図23において「FS下」と記された値)であった場合には、LD70から射出されるレーザビームの光量が通常の光量よりも所定量低下するように、LD70に供給する電流値を制御する光量制御信号を出力する。
【0155】
光量制御部162の信号出力端は強度変調部164の信号入力端に接続されており、強度変調部164からは、LD70を点灯させる期間内にLD70に供給する電流が、光量制御部162から入力された光量制御信号に応じた大きさとなるように制御するPWAM信号が出力され、このPWAM信号に応じてLD70に供給する電流値が制御される。
【0156】
例として、低解像度化前の処理領域内の濃度分布がSS方向上流側(上側という)に偏倚していた場合(上側に高濃度部が存在していた場合)、対応する画素には濃度分布が上側に偏倚していることを表すコード情報が付加されるが、画像上でこのような画素の上側に位置する画素は、低解像度化前の処理領域内の少なくともSS方向下流側(下側という)には高濃度部が存在していることが殆どであり、前記処理領域内の全画素が高濃度部であることも多い。
【0157】
例として図25(B)には、濃度分布が上側に偏倚していることを表すコード情報が付加された画素列(9(=3×3)画素のマトリクスにおけるSS方向に沿って3列目の各画素)に対し、画像上で上側に位置している画素列(2列目(及び1列目)の各画素)が、低解像度化前の処理領域内の全画素が高濃度の画素であり、この濃度分布を表すコード情報に基づき通常光量に制御されたレーザビームによって1列目及び2列目の画素列に相当する領域が露光され、3列目の画素列に相当する領域が、濃度分布が上側に偏倚していることを表すコード情報に基づき、光量が通常光量に対して所定量低下するように制御されたレーザビームによって露光された場合を示す。
【0158】
上記のように、3列目の画素列に相当する領域を通常光量よりも所定量低い光量のレーザビームによって露光することにより、図25(B)を、3列目の画素列に相当する領域がレーザビームによって露光されなかった場合を示す図25(A)と比較しても明らかなように、各回の走査によって感光体に照射されるレーザビームの合成露光エネルギーは、SS方向に沿ったエネルギー分布の幅が下側(3列目の画素列に相当する領域)側へ広がることになる。
【0159】
感光体上には、レーザビームの合成露光エネルギーに対応する電位分布の静電潜像が形成され、現像閾値以下の電位の領域に現像器によってトナーが付着されるので、図25(B)のマトリクスにも示されているように、3列目の画素列に相当する領域では、トナーが付着されてドットとして形成される部分が上側に寄ることになる(以下、これを上寄せという)。
【0160】
また、濃度分布が下側に偏倚していることを示すコード情報が付加された画素に対し、画像上で下側に位置している画素は、低解像度化前の処理領域内の少なくとも上側には高濃度部が存在していることが殆どであり、前記処理領域内の全画素が高濃度部であることも多い。従って、濃度分布が下側に偏倚していることを示すコード情報が付加された画素を、通常光量よりも所定量低い光量のレーザビームによって露光した場合には、上記と同様に、トナーが付着されてドットとして形成される部分が下側に寄ることになる(以下、これを下寄せという)。
【0161】
これにより、レーザビームの走査露光によって感光体の周面上に形成される静電潜像を現像することによって得られる画像(トナー像)は、各画素に対応するドット記録位置が、各画素の低解像度化前のSS方向についての濃度分布に応じてSS方向に微調整されることになる。このように、D/A変換器154、比較器156A,156B,156C、三角波信号生成回路158A,158B,158C、セレクタ160、光量制御部162及び強度変調部164は、本発明の制御手段に対応している。
【0162】
例として図26に示すように、画素の境界を斜めに横切る理想ライン(例えば文字を構成するラインの一部)を記録する場合、従来のように、個々の画素の濃度値を文字部分に相当する値(例えば255)か、又は下地部分に相当する値(例えば0)にする2値展開を行って画像として記録した場合、前記ラインは記録画像上で理想ラインとは大きく異なる段付きの折れ線として記録される。
【0163】
これに対し、本実施形態では、各画素の濃度値が、低解像度化前の処理領域内の各画素の濃度値に応じて中間的な値をとり得る(図26ではこれを「多値展開」と称し、濃度値が中間的な値となっている画素の濃度値を各画素と対応させて百分率で示している)と共に、低解像度化前の処理領域内の濃度分布の偏倚に応じてコード情報が設定され、露光時には、各画素の濃度値に応じてPWM変調によってレーザビームの点灯時間が制御されると共に、FS方向及びSS方向に画素位置が微調整されるので、図26に示されているように、前記ラインは記録画像上で理想ラインに近い外形形状と視認されるように記録されることになる。
【0164】
次に本実施形態におけるレジ補正の手順について説明する。本実施形態では、レジずれのDC成分の粗調整(倍率変化に関しては粗調整は行わない)、レジずれのAC成分の調整、レジずれのDC成分の微調整、の順序でレジ補正を行う。なお、レジ補正を行っている間は、シェブロンパターン132を形成するための画像データがレジ補正部130に入力され、レジ補正部130から出力された画像データ及びコード情報に応じて変調されると共に光量が制御されたレーザビームにより、画像形成部20,22,24,26によって中間転写ベルト30上にシェブロンパターン132が形成される。
【0165】
レジずれのDC成分の粗調整は以下のようにして行われる。すなわち、中間転写ベルト30上に形成されたシェブロンパターン132がパターン検出部28によって検出されることでレジ補正部130にパターン検知信号が入力されると、レジずれ補正量演算部133はまず走査線傾き量を検知し、走査線傾き補正量を演算する。画素位置補正演算部146は、演算された走査線傾き補正量に基づき、シェブロンパターン132の画像データに対して走査線傾きの補正を行う。
【0166】
走査線傾きが補正されたシェブロンパターン132が中間転写ベルト30上に形成され、該シェブロンパターン132がパターン検出部28によって検出されることでレジ補正部130にパターン検知信号が入力されると、続いて、レジずれ補正量演算部133は走査線湾曲量を検知して補正量を演算し、画素位置補正演算部146は、前回の補正時に演算した画素位置の移動量及び移動方向を、今回新たに演算された走査線湾曲の補正量に応じて修正し、修正後の画素位置の移動量及び移動方向に基づいてシェブロンパターン132の画像データを補正することで、該画像データに対して走査線傾き及び走査線湾曲を各々補正する。
【0167】
走査線傾き及び走査線湾曲が補正されたシェブロンパターン132が中間転写ベルト30上に形成され、該シェブロンパターン132がパターン検出部28によって検出されることでレジ補正部130にパターン検知信号が入力されると、続いて、レジずれ補正量演算部133はSS方向の色ずれ量を検知して補正量を演算し、画素位置補正演算部146は、前回の補正時に用いた画素位置の移動量及び移動方向を、今回新たに演算された補正量に応じて修正して用いることで、シェブロンパターン132の画像データに対して走査線傾き、走査線湾曲及びSS方向の色ずれを各々補正する。
【0168】
走査線傾き、走査線湾曲及びSS方向の色ずれが補正されたシェブロンパターン132が中間転写ベルト30上に形成され、該シェブロンパターン132がパターン検出部28によって検出されることでレジ補正部130にパターン検知信号が入力されると、続いて、レジずれ補正量演算部133はFS方向の色ずれ量を検知して補正量を演算し、画素位置補正演算部146は、前回の補正時に用いた画素位置の移動量及び移動方向を、今回新たに演算された補正量に応じて修正して用いることで、シェブロンパターン132の画像データに対して走査線傾き、走査線湾曲、SS方向及びFS方向の色ずれを各々補正する。
【0169】
上記のようにして、レジずれのDC成分についての粗調整を行うことで、レジずれのDC成分は僅かに残留するのみとなる。この後にレジずれのAC成分についての補正を行うことで、レジずれのAC成分を精度良く補正できる補正量を得ることができ、続いて全体倍率変化及び左右倍率変化を含むレジずれのDC成分の微調整を行うことで、レジずれのAC成分の影響が非常に小さくされ、レジずれのDC成分を高精度に補正できる補正量を得ることができる。
【0170】
なお、倍率変化の補正は以下のようにして行ってもよい。すなわち、例として図27に示すように、画像をh個(図27ではh=4)のエリアに分割し、h個の分割エリア毎に倍率変化を検出し、画像処理によって倍率変化を補正した後に統合する。エリアの分割数hは可変としてもよい。エリアの分割数hの値を大きくすることにより、より小さなエリアを単位として画像の倍率変化を補正することができる。また、倍率変化をFS方向及びSS方向について別個に検知し、FS方向及びSS方向について独立に倍率変化を補正してもよい。これは次の演算式を用いることで実現できる。
【0171】
【数10】
【0172】
上記の演算式において、scalingxはx方向(FS方向)の倍率係数、scalingyはy方向(SS方向)の倍率係数、(x,y)は移動前の画素の座標、(x*,y*)は移動後の画素の座標である。
【0173】
なお、画像を複数個のエリアに分割した場合、センサ配置の制約等の理由により全てのエリアについて倍率変化をセンサによって検出できない場合も生じ得るが、このような場合には、隣接するエリアの倍率変化の検出結果から補間演算によって求めればよい。一例として、画像をFS方向に沿って4個のエリア1〜4に分割し、副走査方向の倍率変化を検出して補正する際に、FS方向の中間部に位置しているエリア2及びエリア3については、センサによって倍率変化を検出できない場合を想定し、本来の倍率を100%、エリア1の検出倍率が95%、エリア4の検出倍率が98%であったとすると、エリア2及びエリア3の倍率変化は下記のように補間演算によって求めることができ、それぞれのエリアの補正倍率を求めることができる。
【0174】
なお、FS方向の倍率変化、及び補正倍率についても上記と同様に扱うことができる。
【0175】
また、上記のように画像を複数のエリアに分割し、各エリア毎に倍率変化の補正を行った場合、互いに異なる補正倍率が設定された複数のエリアに跨っている文字に、補正後の画像上で歪みが生ずる恐れがある。これを回避するためには、例えばパターンマッチングや文字タグ等によって文字か否かの認識を行い、複数のエリアに跨っている文字については、それぞれのエリアと重なっている部分の面積比に応じて、文字全体を何れか1つのエリアに帰属させ、帰属させたエリアに設定されている補正倍率で倍率変化の補正を行うようにすればよい。
【0176】
また、上記ではドットの記録位置を、FS方向について右寄せ、中寄せ、左寄せの3段階、SS方向についても上寄せ、中寄せ、下寄せの3段階に微調整する場合を説明したが、これに限定されるものではなく、より細かく微調整するように構成することも可能である。例えばSS方向については、画素の記録期間内において電圧レベルが0となるタイミングが異なるn種類(n≧4)の三角波を選択的に用いることで実現できる。また、例えばSS方向については、レーザビームの光量を複数段階に変化させて合成露光エネルギーのSS方向に沿った分布を各々求め、このエネルギー分布、感光体の表面電位及び現像閾値に基づいて、レーザビームの光量とドットの記録位置の移動量との関係を予め求めておき、低解像度化前の処理領域内の濃度分布のSS方向に沿った偏倚度合いに応じて、レーザビームの光量を制御することで実現できる。
【0177】
更に、上記では画素の記録位置の微調整をFS方向及びSS方向について各々行う場合を説明したが、画素の記録位置の微調整をFS方向についてのみ行うようにしてもよい((例えばFS方向の色ずれが顕著に視認される場合)。これにより、本発明に係る画像形成装置の構成をより簡単にすることができる。請求項1の発明はこのような態様も権利範囲に含むものである。
【0178】
また、記録材料の両面に一定サイズの画像を形成する態様においては、一方の面に画像を形成することで記録材料のサイズが変化する(詳しくは記録材料に熱を加える定着処理を行うことで変化する)ので、記録材料のサイズと該記録材料に形成した画像のサイズの比が変動することで、記録材料の各面に形成した画像のサイズが不揃いとなる。本発明は、上記の態様において、各面に形成する画像のサイズが一定となるように補正する場合にも適用可能である。
【0179】
また、上記ではSOS,COS,EOSに相当する3箇所にパターン検出ユニット90A,90B,90Cを設け、パターン検出ユニットに対応する箇所にパターンを形成してレジずれを検知する場合を説明したが、これに限定されるものではなく、より多数のパターン検出ユニットを設けてレジずれを検出するようにしてもよい。この場合、上記の実施形態では直線で近似していた走査線湾曲を、多数のパターン検出ユニットによる検出結果に基づいて、より実際の走査線湾曲に近い関数(例えば屈曲歪み関数等)で近似することが可能となる。
【0180】
更に、本発明は上記で説明した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的事項の範囲内において、種々の変更が可能であることを付記しておく。
【0181】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1及び請求項6記載の発明は、複数の画像のレジずれを画像形成における少なくとも主走査方向について補正するためのレジ補正量を複数の画像の各部分毎に演算し、演算したレジ補正量を、画像データ上の個々の画素毎の値に対する修正量と、個々の画素の記録位置に対する画素間隔未満の微調整量と、に分解し、修正量に応じて画像データを修正し、複数の画像の形成を修正した画像データを用いて行うと共に、周期が画素の記録周期に各々等しくかつ波形の相違によってパルス幅変調信号上での画素の記録期間の位置を画素の記録周期に相当する期間内で互いに相違させる複数種の基準信号の中から、個々の画素のパルス幅変調に用いる信号を、個々の画素の記録位置に対する主走査方向の微調整量に従って個々の画素毎に選択することで、個々の画素の記録位置を個々の画素毎に主走査方向に微調整するので、装置コストの大幅な増大を招くことなくレジずれを高精度に補正することができる、という優れた効果を有する。
【0182】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、画像形成手段による画像形成における主走査方向及び副走査方向についてレジ補正量を各々演算し、個々の画素の記録位置に対する主走査方向及び副走査方向の微調整量に従い、個々の画素の記録位置が主走査方向及び副走査方向に各々微調整されるように制御するので、上記効果に加え、レジずれをより高精度に補正することができる、という効果を有する。
【0183】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、複数の画像のレジずれとして、レジずれ量が一定のDC成分及びレジずれ量が周期的に変化するAC成分を各々検知し、検知したレジずれのDC成分及びAC成分に基づいてレジ補正量を演算するので、上記効果に加え、レジずれのDC成分及びAC成分を確実に補正することができる、という効果を有する。
【0185】
請求項5記載の発明は、請求項2記載の発明において、個々の画素の記録位置に対する副走査方向の微調整量に従い、個々の画素の記録位置における静電潜像の電位の分布が副走査方向へ偏倚するよう記感光体への光ビームの照射光量を制御することにより、画素の記録位置を副走査方向に微調整させるので、上記効果に加え、装置コストの増大を抑制することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係るカラー画像形成装置の概略構成図である。
【図2】 走査露光部の概略構成を示す平面図である。
【図3】 画像検出部の各パターン検出ユニットの配置を示す斜視図である。
【図4】 パターン検出ユニットの概略構成を示すブロック図である。
【図5】 (A)はパターン検出ユニットのLED及びフォトダイオードの配置を示す斜視図、(B)はフォトダイオードの受光部の形状を示す平面図である。
【図6】 中間転写ベルトの外周面上に形成されたシェブロンパターンの一例を示す平面図である。
【図7】 マイクロコンピュータ108によって実現されるレジ補正に係る機能を詳細な機能毎にブロックに分けて示すと共に、LEDドライバの概略構成を示すブロック図である。
【図8】 (A)乃至(F)はシェブロンパターンによる色ずれ量の検知を説明するための概念図である。
【図9】 色ずれ補正量の設定を説明するための概念図である。
【図10】 (A)及び(B)は走査線傾き(スキュー)の補正を説明するための概念図である。
【図11】 走査線湾曲(ボウ)の補正を説明するための概念図である。
【図12】 全体倍率変化の補正を説明するための概念図である。
【図13】 (A)及び(B)は左右倍率変化の補正を説明するための概念図である。
【図14】 レジずれのAC成分のうち、(A)及び(B)は画像形成位置のFS方向に沿った周期的な変動の補正を説明するための概略図、(C)及び(D)はSS方向に沿った周期的な濃度の補正を説明するための概略図である。
【図15】 2値展開文字の濃度ヒストグラムの一例を示す線図である。
【図16】 網点画像再現方式を説明するための概念図である。
【図17】 (A)及び(B)は文字画像データに対する解像度変換処理の一例を各々示す概念図である。
【図18】 文字画像データに対する処理(一例)の流れを示す概念図である。
【図19】 写真画像データに対する処理(一例)の流れを示す概念図である。
【図20】 (A)はゼロ次ホールド法、(B)はニアレストネイバー法、(C)は4点補間法を説明するための概念図である。
【図21】 投影法を説明するための概念図である。
【図22】 16点補間法を説明するための概念図である。
【図23】 処理領域内の高濃度部のパターン、及び各パターンに対して設定されるコード情報の一例を示す線図である。
【図24】 (A)はドットの記録位置の右寄せ、(B)は中寄せ、(C)は左寄せを各々説明するための線図である。、
【図25】 SS方向への画素の記録位置の微調整を説明するための線図である。
【図26】 本実施形態の方式により画素の境界を斜めに横切る理想ラインを記録した結果を従来方式と比較した図である。
【図27】 倍率変化の他の補正方法を説明するための概念図である。
【図28】 レジずれによって現れる各種現象を示す概念図である。
【符号の説明】
10 画像形成装置
20 画像形成部
22 画像形成部
24 画像形成部
26 画像形成部
108 マイクロコンピュータ
133 レジずれ補正量演算部
146 画素位置補正演算部
148 低解像度化演算部
150 コード情報設定部
154 D/A変換器
156 比較器
158 三角波信号生成回路
160 セレクタ
162 光量制御部
Claims (6)
- 複数の画像データが表す複数の画像を、前記画像データが表す個々の画素の濃度に応じてパルス幅変調を行うことで得られるパルス幅変調信号に基づき個々の画素を単位として各々形成し、形成した複数の画像を単一の画像として合成する画像形成手段と、
前記複数の画像のレジずれを、前記画像形成手段による画像形成における少なくとも主走査方向について補正するためのレジ補正量を、前記複数の画像の各部分毎に演算する演算手段と、
前記演算手段によって演算されたレジ補正量を、画像データ上の個々の画素毎の値に対する修正量と、個々の画素の記録位置に対する画素間隔未満の微調整量と、に分解し、前記修正量に応じて画像データを修正する修正手段と、
前記画像形成手段による前記複数の画像の形成を、前記修正手段によって修正された画像データを用いて行わせると共に、周期が画素の記録周期に各々等しくかつ波形の相違によって前記パルス幅変調信号上での画素の記録期間の位置を画素の記録周期に相当する期間内で互いに相違させる複数種の基準信号の中から、前記画像形成手段による個々の画素のパルス幅変調に用いる信号を、個々の画素の記録位置に対する主走査方向の微調整量に従って個々の画素毎に選択することで、個々の画素の記録位置を個々の画素毎に主走査方向に微調整させる制御手段と、
を含む画像形成装置。 - 前記演算手段は、前記レジ補正量を、前記画像形成手段による画像形成における主走査方向及び副走査方向について各々演算し、
前記制御手段は、前記修正手段によって設定された個々の画素の記録位置に対する主走査方向及び副走査方向の微調整量に従い、個々の画素の記録位置が主走査方向及び副走査方向に各々微調整されるように制御する
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 前記演算手段は、前記複数の画像のレジずれとして、レジずれ量が一定のDC成分及びレジずれ量が周期的に変化するAC成分を各々検知し、検知したレジずれのDC成分及びAC成分に基づいて前記レジ補正量を演算することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記演算手段は、検知したレジずれのAC成分の周期、振幅及び位相に基づいて、前記AC成分を補正するためのレジ補正量を前記複数の画像の各部分毎に演算することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
- 前記画像形成手段は、形成すべき画像に応じて変調した光ビームを、帯電された感光体上で走査させて静電潜像を形成することで画像の形成を行い、
前記制御手段は、個々の画素の記録位置に対する副走査方向の微調整量に従い、個々の画素の記録位置における静電潜像の電位の分布が副走査方向へ偏倚するように前記感光体への光ビームの照射光量を制御することにより、画素の記録位置を副走査方向に微調整させる
ことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。 - 複数の画像データが表す複数の画像を、前記画像データが表す個々の画素の濃度に応じてパルス幅変調を行うことで得られるパルス幅変調信号に基づき個々の画素を単位として各々形成し、形成した複数の画像を単一の画像として合成するにあたり、
前記複数の画像のレジずれを、画像形成における少なくとも主走査方向について補正するためのレジ補正量を、前記複数の画像の各部分毎に演算し、
前記演算したレジ補正量を、画像データ上の個々の画素毎の値に対する修正量と、個々の画素の記録位置に対する画素間隔未満の微調整量と、に分解し、前記修正量に応じて画像データを修正し、
前記複数の画像の形成を前記修正した画像データを用いて行うと共に、周期が画素の記録周期に各々等しくかつ波形の相違によって前記パルス幅変調信号上での画素の記録期間 の位置を画素の記録周期に相当する期間内で互いに相違させる複数種の基準信号の中から、個々の画素のパルス幅変調に用いる信号を、個々の画素の記録位置に対する主走査方向の微調整量に従って個々の画素毎に選択することで、個々の画素の記録位置を個々の画素毎に主走査方向に微調整する画像形成方法。
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