JP3826366B2 - 電気コネクタ - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、相手側コネクタとの嵌合状態をロックできるようにした電気コネクタに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、相手側コネクタとの嵌合部を設けたハウジングと、前記嵌合部にコンタクト部を臨ませてハウジングに装着された複数のターミナルとを備えている電気コネクタが知られている。このような電気コネクタにおいては、嵌合部に嵌入された相手側コネクタとの嵌合状態をロックできるように、嵌合部を形成している側壁に、相手側コネクタ側に設けられたラッチアームのような係合手段と係合する、開口部や段部などのロック部を形成することが行われている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような電気コネクタにおいても、プリント回路基板上に実装する場合の占有面積が可及的に小さくなるように、小型化が図られている。このような小型化が図られる場合、ハウジングは、前記嵌合部を形成した側壁の厚さを薄くすることになり、この薄くされた側壁に相手側コネクタの係合手段に対するロック部を形成すると、側壁の物理的強度が維持できなくなる問題点があった。
【０００４】
本発明は斯かる問題点に鑑みてなされたもので、相手側コネクタの嵌合部を形成した側壁の物理的強度を維持して、小型化を図ることが可能な電気コネクタを提供することを目的としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
前記の目的のもとになされた本発明は、相手側コネクタとの嵌合部を形成する側壁を内外二重の壁部で構成したものである。
【０００６】
即ち本発明は、相手側コネクタとの嵌合部を設けたハウジングと、前記嵌合部にコンタクト部を臨ませてハウジングに装着された複数のターミナルとを備えている電気コネクタにおいて、
前記ハウジングの嵌合部が、互いに対向する上壁と底壁並びに互いに対向する側壁で形成されて略方形に開口しており、前記上壁と底壁が一重の壁部で構成されている一方、前記互いに対向する側壁が、それぞれ、内側壁部と外側壁部で内外二重に構成されており、
前記上壁と底壁並びに前記外側壁部とにより嵌合に際してのコネクタとしての変形を阻止しうる外郭が形成されていると共に、
前記内側壁部には、相手側コネクタと係合するための開口をともなうロック部が形成してあることを特徴とする電気コネクタである。
【０００７】
前記ロック部は、相手側コネクタの係合手段に対応した構造とするもので、例えばラッチ片が係合できる開口部で構成する。前記ターミナルは、半田テイルをハウジングの底面に導き、表面半田付けまたはディップ半田付けによって、プリント回路基板上への実装が可能な形状とすることができる。また、ハウジングの嵌合部は、底面に隣接する面内に形成してライトアングルタイプの電気コネクタとしたり、底面と対向する面内に形成してストレートタイプの電気コネクタとすることができる。
【０００８】
【作用】
本発明の電気コネクタによれば、内外二重とした壁部のうち、外側壁部で、嵌合部の形成のために側壁に必要な物理的強度を保有させ、内側壁部で、相手側コネクタの係合手段と係合する機能を保有させることができる。
【０００９】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付の図を参照して説明する。
【００１０】
図に示した電気コネクタ１は、ハウジング２の底面２ａに隣接する前面２ｂ内に、相手側コネクタ（図示していない）との嵌合部３を略方形に開口させて設けたライトアングルタイプのものである。嵌合部３内には、互いに対向する上下の内壁面に沿って、複数のターミナル４のコンタクト部５が並列させてある。前記ハウジング２の嵌合部３を形成している上壁２ｃと底壁２ｄが一重の壁部で構成されている一方で、左右の互いに対向する側壁６が、夫々、内側壁部６ａと外側壁部６ｂで内外二重の壁部で構成されている。
【００１１】
前記側壁６を構成した内側壁部６ａには、方形の開口部７が形成されて、相手側コネクタの側部に設けられるラッチ片が係合できるようにしてある。また、外側壁部６ｂは、嵌合部３を形成する側壁６としての物理的強度が維持できる厚さとしてあり、開口部や段部などが形成されることなく、平板状としてある。
【００１２】
前記ターミナル４は、夫々の半田テイル８がハウジング２の底面２ａに導かれて、底面２ａと略面一とされ、この電気コネクタ１をプリント回路基板上の導電パッドに対して、表面半田付けによって、固着できるようにしてある。ハウジング２の側壁６の外面下部には、固定金具９が圧入してあり、前記半田テイル８の半田付けと同時に、プリント回路基板上に、固定金具９の半田付けもできるようにしてある。
【００１３】
上記実施例の電気コネクタ１に対して、相手側のコネクタは、嵌合部３に嵌入して接続することができる。嵌合部３は、前記外側壁部６ｂで物理的強度を維持されているので、変形することがなく、相手側コネクタを無理なく嵌入することができる。相手側コネクタに設けられたラッチ片と、前記ハウジング２の側壁６を構成した内側壁部６ａの開口部７が対向するようにしてあり、ラッチ片が開口部７に係合して嵌合状態がロックされる。
【００１４】
嵌合部３を形成しているハウジング２の上壁２ｃおよび底壁２ｄは、夫々、嵌合部３としての物理的強度を維持する上で必要な厚さで構成することができると共に、側壁６は、外側壁部６ｂで必要な強度が維持されている。従って、プリント回路基板上での占有面積を小さくするように全体を小型化しても、ハウジング２に強度上の問題が生ずるのを回避することができる。
【００１５】
尚、上記実施例では、ライトアングルタイプとして、かつ、ターミナル４の半田テイル８は表面半田付けができる形状としたが、ストレートタイプとした場合、また、半田テイル８をディップ半田付けができるような形状とした場合も、同様に実施することができる。また、側壁６を構成した内側壁部６ａに形成した開口部７も、段部を形成するなど、別の構造のロック部とすることもできる。
【００１６】
【発明の効果】
以上に説明の通り、本発明の電気コネクタによれば、ハウジングの側壁を内外二重の壁部で構成して、嵌合部の形成に必要な物理的強度を維持する外側壁部と、相手側コネクタの係合手段に対するロック部を設けた内側壁部とを備えたので、占有面積を小さくするべく小型化しても、相手側コネクタとの嵌合が無理なくでき、しかも相手側コネクタとの係合状態が確実にロックできる電気コネクタを提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施例の斜視図である。
【図２】 同じく実施例の縦断面図である。
【図３】 同じく実施例の、ハウジングの正面図である。
【図４】 同じく実施例の、ハウジングの平面図である。
【図５】 同じく実施例の、ハウジングの側面図である。
【図６】 図３のＡ−Ａ線に沿って表した拡大断面図である。
【符号の説明】
１ 電気コネクタ
２ ハウジング
２ａ ハウジングの底面
２ｂ ハウジングの前面
２ｃ ハウジングの上壁
２ｄ ハウジングの底壁
３ 嵌合部
４ ターミナル
５ コンタクト部
６ ハウジングの側壁
６ａ 内側壁部
６ｂ 外側壁部
７ 開口部
８ 半田テイル
９ 固定金具

Claims (5)

1. 相手側コネクタとの嵌合部（３）を設けたハウジング（２）と、前記嵌合部（３）にコンタクト部（５）を臨ませてハウジング（２）に装着された複数のターミナル（４）とを備えている電気コネクタ（１）において、
   前記ハウジング（２）の嵌合部（３）が、互いに対向する上壁（２ｃ）と底壁（２ｄ）並びに互いに対向する側壁（６、６）で形成されて略方形に開口しており、前記上壁（２ｃ）と底壁（２ｄ）が一重の壁部で構成されている一方、前記互いに対向する側壁（６、６）が、それぞれ、内側壁部（６ａ）と外側壁部（６ｂ）で内外二重に構成されており、
   前記上壁（２ｃ）と底壁（２ｄ）並びに前記外側壁部（６ｂ）とにより嵌合に際してのコネクタとしての変形を阻止しうる外郭が形成されていると共に、
   前記内側壁部（６ａ）には、相手側コネクタと係合するための開口をともなうロック部（７）が形成してあることを特徴とする電気コネクタ。
2. ターミナル４は、表面半田付けが可能な半田テイル８が、ハウジング２の底面２ａに導かれている請求項１記載の電気コネクタ。
3. ターミナル４は、ディップ半田付けが可能な半田テイルが、ハウジング２の底面２ａに導かれている請求項１記載の電気コネクタ。
4. ハウジング２の嵌合部３は、底面２ａに隣接する面２ｂ内に形成されている請求項２または３記載の電気コネクタ。
5. ハウジング２の嵌合部３は、底面２ａと対向する面内に形成されている請求項２または３記載の電気コネクタ。

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