JP3826307B2 - ステアリングホイール用カバー及びステアリングホイール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステアリングホイール用カバー及びステアリングホイールに関するものである。
【0002】
【関連する背景技術】
一般にステアリングホイール(以下、SWという)のリング部は、美観やグリップ感の向上を目的として皮革や布等の表皮により被覆されており、この表皮はリング部から脱着可能なカバーとして構成されたものがある。この種のカバーは、SWの製造当初から組み付けられたり、或いは既存のSWのリング部を被覆可能なようにオプション部品として設定されたりしている。
【0003】
図5は従来のオプション部品として設定されたカバーの装着状態を示す拡大断面図である。以下、この図に従ってカバー104の構成を説明すると、カバー104は、SWのリング部3を被覆する表皮105、及びその表皮105を固定するためにリング部3の内周側に沿って固定された固定部材106から構成されている。表皮105は所定幅の皮革や布から製作されて長手方向の両端を相互に縫合した環状をなし、リング部3を半径方向の外周側より被覆している。表皮105の一側縁には第1の端末プレート109が、他側には第2の端末プレート110がそれぞれ固着されている。
【0004】
固定部材106の長手方向全体には保持溝108が形成され、この保持溝108内には、第1の端末プレート109が前記表皮105に対して折返さない順方向姿勢で配置されると共に、第2の端末プレート110が表皮105に対して折返した逆方向姿勢で第1の端末プレート109上に重なり合うように配置されている。保持溝108の開口部の両側縁にはそれぞれ係止縁111,112が突出形成され、これらの係止縁111,112は前記第2の端末プレート110の両縁部にそれぞれ当接して、保持溝108内からの離脱を防止している。第2の端末プレート110が逆方向姿勢で保持溝108内に保持されることにより、表皮105は張力が付与されてリング部3の表面に密着している。
【0005】
そして、従来のカバー104では、保持溝108の両係止縁111,112が第2の端末プレート109の両縁部に当接してそれぞれ離脱防止する同一機能を奏するとの観点の基に、これらの係止縁111,112を含む保持溝108の断面形状をSWの表裏方向において対称に設定している(図5に仮想線で示す)。
一方、図6は従来のカバーにおける保持溝の縫合部と端末プレートの端部との関係を示す図である。各保持溝108の両端において係止縁111,112は相互に縫合されて縫合部113を形成し、各端末プレート109,110の両端は先鋭状に形成されて、これらの縫合部113にそれぞれ挿入されている。つまり、端末プレート109,110は保持溝108の端部を起点として係止縁111,112を撓ませながら保持溝108内から離脱し易く、これを防止すべく端部を縫合して離脱防止を図っているのである。
【0006】
以上のように構成されたカバー104をSWに装着する場合には、まず、固定部材106をSWのリング部3の内周側に両面テープ等で固定する。次いで、リング部3を外周側から表皮105により被覆し、内周側において第1の端末プレート109を表皮105に対して折返さない順方向姿勢として、その両端を図6の矢印のように保持溝108に沿ってそれぞれ縫合部113に挿入した上で、一方の縫合部113から他方の縫合部113へと順に、第1の端末プレート109を保持溝108内に押し込んで配置する。
【0007】
その後、第2の端末プレート110を表皮105に対して折返した逆方向姿勢として、その両端を上記と同様に縫合部113に挿入する。次いで、第2の端末プレート110の先端側(表皮105と反対側)の縁部を保持溝108内に押し込むと、その縁部は一方の係止縁111により離脱を防止される。更に、他方の係止縁112を持ち上げて保持溝108の開口部を拡大しながら、第2の端末プレート110の基端側(表皮105側)の縁部を押し込むと、他方の係止縁112は自己の弾性によって原形状に復帰して表皮側の縁部を離脱防止し、その結果、リング部3の表面を表皮105が密着した状態で被覆して、カバー104の装着が完了する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記したSW用カバー104では、保持溝108の両端の縫合部113に端末プレート109,110の端部を挿入して、端部を起点とした端末プレート109,110の離脱防止を図っていることから、以下に述べる問題を有する。まず、製造時において、固定部材106の成形工程とは全く別個に縫合のための工程を実施する必要がある上に、端末プレート109,110の端部を縫合部113に挿入し易いように先鋭化する工程を実施する必要があり、結果として製造コストが高騰してしまう。又、カバー104の装着時において、上記のように単に各端末プレート109,110を保持溝108内に押し込むだけでなく、事前に両端を縫合部113に挿入する操作を必要とし、結果としてユーザや販売店によって実施されるカバー104の装着作業が煩雑化してしまう。
【0009】
一方、図5から明らかなように、保持溝108内のSWの表面側に対して裏面側では表皮105の重なり枚数が多く、しかも、第2の端末プレート110側の表皮105の張力により、反対側の係止縁112がリング部3の内周方向に押圧されている。従って、必然的に係止縁112と共に表皮105が不自然に盛り上がってしまい、見栄えが悪くなると共に運転者に与えるグリップ感が損なわれるという別の問題もあった。
【0010】
そこで、請求項1及び請求項3の発明の目的は、保持溝内からの端末プレートの離脱を確実に防止した上で、保持溝の縫合部に端末プレートを挿入する構成を省略し、もって、製造コストを低減できると共に、カバーの装着作業を容易に実施することができるステアリングホイール用カバー及びステアリングホイールを提供することにある。
【0011】
又、請求項2及び請求項4の発明の目的は、表皮の不自然な盛り上がりを防止して、見栄えが向上すると共に良好なグリップ感を実現することができるステアリングホイール用カバー及びステアリングホイールを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明では、ステアリングホイールのリング部を半径方向の外周側より被覆する表皮と、長手方向全体に保持溝が形成されて、リング部の内周側に沿って配設される固定部材と、表皮の一側縁に沿って固着されて、表皮に対して折返さない順方向姿勢で固定部材の保持溝内に配置される第1の端末プレートと、表皮の他側縁に沿って固着されて、表皮に張力を付与すべく折返した逆方向姿勢で固定部材の保持溝内に配置されて、第1の端末プレート上に重なり合う第2の端末プレートと、保持溝の開口部の一側縁全体に突出形成されて、第2の端末プレートの先端側の縁部を離脱防止する第1の係止縁と、保持溝の開口部の他側縁全体に突出形成されて、第2の端末プレートの基端側の縁部を離脱防止する第2の係止縁とを備えたステアリングホイール用カバーにおいて、固定部材の第1の係止縁の肉厚を第2の係止縁の肉厚より厚く設定すると共に、第1の係止縁と保持溝の底面との間隙を、第1及び第2の端末プレートの合計肉厚より小さく設定した。
【0013】
従って、第1の係止縁と保持溝の底面との間隙が第1及び第2の端末プレートの合計肉厚より小さくなり、且つ、第1の係止縁が厚くて高い剛性を有するため、第1の係止縁は自己の弾性で第2の端末プレート上に強く圧接して、第2の端末プレートの離脱を確実に防止する。そして、この第1の係止縁による離脱防止作用は第2の端末プレートの端部でも同様に発揮されることから、端部を起点とした第2の端末プレートの離脱を確実に防止でき、結果として、従来例で説明した保持溝の両端の縫合部に端末プレートの端部を挿入する構成を省略可能となる。よって、製造時において、固定部材の両端を縫合する工程、及び端末プレートの端部を縫合部に挿入し易いように先鋭化する工程を実施する必要がなくなると共に、カバーの装着時において、端末プレートの両端を縫合部に挿入する操作を行う必要がなくなる。
【0014】
又、請求項2の発明では、第1の係止縁と保持溝の底面との間隙に対して、第2の係止縁と保持溝の底面との間隙を大きく設定した。
従って、保持溝内の第1の係止縁側に対して第2の係止縁側では表皮の重なり枚数が多く、しかも、第2の端末プレート側の表皮の張力により、反対側の第2の係止縁はリング部の内周方向に押圧されているが、これらの要因による表皮の不自然な盛り上がりが防止される。
【0015】
更に、請求項3の発明では、リング部を半径方向の外周側より被覆する表皮と、リング部の内周側に沿って形成された保持溝と、表皮の一側縁に沿って固着されて、表皮に対して折返さない順方向姿勢で保持溝内に配置される第1の端末プレートと、表皮の他側縁に沿って固着されて、表皮に張力を付与すべく折返した逆方向姿勢で保持溝内に配置されて、第1の端末プレート上に重なり合う第2の端末プレートと、保持溝の開口部の一側縁全体に突出形成されて、第2の端末プレートの先端側の縁部を離脱防止する第1の係止縁と、保持溝の開口部の他側縁全体に突出形成されて、第2の端末プレートの基端側の縁部を離脱防止する第2の係止縁とを備えたステアリングホイールにおいて、第1の係止縁の肉厚を第2の係止縁の肉厚より厚く設定すると共に、該第1の係止縁と上記保持溝の底面との間隙を、上記第1及び第2の端末プレートの合計肉厚より小さく設定した。
【0016】
従って、第1の係止縁と保持溝の底面との間隙が第1及び第2の端末プレートの合計肉厚より小さくなり、且つ、第1の係止縁が厚くて高い剛性を有するため、第1の係止縁は自己の弾性で第2の端末プレート上に強く圧接して、第2の端末プレートの離脱を確実に防止する。そして、この第1の係止縁よる離脱防止作用は第2の端末プレートの端部でも同様に発揮されることから、端部を起点とした第2の端末プレートの離脱を確実に防止でき、結果として、従来例で説明した保持溝の両端の縫合部に端末プレートの端部を挿入する構成を省略可能となる。よって、製造時において、固定部材の両端を縫合する工程、及び端末プレートの端部を縫合部に挿入し易いように先鋭化する工程を実施する必要がなくなると共に、カバーの装着時において、端末プレートの両端を縫合部に挿入する操作を行う必要がなくなる。
【0017】
一方、請求項4の発明では、第1の係止縁と保持溝の底面との間隙に対して、第2の係止縁と保持溝の底面との間隙を大きく設定した。
従って、保持溝内の第1の係止縁側に対して第2の係止縁側では表皮の重なり枚数が多く、しかも、第2の端末プレート側の表皮の張力により、反対側の第2の係止縁はリング部の内周方向に押圧されているが、これらの要因による表皮の不自然な盛り上がりが防止される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を既存のSWのリング部を被覆可能なようにオプション部品として設定されたステアリングホイール用カバーに具体化した一実施形態を説明する。
図1はカバーを装着中のステアリングホイールを示す斜視図である。まず、SWの構成を説明すると、SWのホーンパッド部1には略T字状をなすように3本のスポーク部2が設けられ、これらのスポーク部2を介してリング部3が支持されている。リング部3の断面は円形状をなし、皮革や布からなる表皮によりホーンパッド部1及びスポーク部2と共に被覆されている。以上のように構成されたSWは図示しないステアリングシャフトに固定されて、車両の操舵機構として機能する。
【0019】
一方、図2は表皮の構成を示す斜視図、図3はカバーの装着状態を示す拡大断面図であり、これらの図に従ってSWに適用されるカバー4の構成を説明する。カバー4は、SWのリング部3を被覆する表皮5、及びその表皮5をリング部3に固定するための固定部材6から構成されている。固定部材6は塩化ビニル等の柔軟性を有する素材から製作され、SWの3本のスポーク部2を避けるように3分割されて、それぞれリング部3の内周側に沿って配設されている。各固定部材6の断面形状は、リング部3の円弧状の外周に密着してSWの内周側に突出する略三日月状をなし、両面テープ7によりリング部3に固定されている。固定部材6の長手方向全体には保持溝8が形成され、この保持溝8の底面は平坦に形成されている。
【0020】
前記表皮5は所定幅の皮革や布から製作されて、その長手方向の両端を相互に縫合した環状をなしている。図2に示すように、表皮5の一側縁には第1の端末プレート9が、他側縁には第2の端末プレート10がそれぞれ縫合され、図1に示すように、これらの端末プレート9,10は表皮5の両側に沿って帯状をなして、前記固定部材6と対応して3分割されている。表皮5はリング部3を半径方向の外周側より被覆しており、図3に示すように、第1の端末プレート9はリング部3の裏側(反運転者側)を経て内周側に回り込んで、表皮5に対して折返さない順方向姿勢で前記固定部材6の保持溝8内の底面上に配置されている。又、第2の端末プレート10はリング部3の表側(運転者側)を経て内周側に回り込んで、表皮5に対して折返した逆方向姿勢で第1の端末プレート9上に重なり合うように保持溝8内に配置されている。尚、図示はしないがリング部3と表皮5との間には、すべり止め用のゴムシートが介装されている。
【0021】
ここで、図3では固定部材6、表皮5、端末プレート9,10等の各部材の相互関係を理解し易くするために、各部材同士を離間させて図示しているが、実際の各部材は相互に密着して配置されている。
各保持溝8の開口部には、SWの表側の縁部全体に第1の係止縁11が、裏側の縁部全体に第2の係止縁12が相対向するように突出形成されている。第1の係止縁11は前記第2の端末プレート10の先端側(表皮5と反対側)の縁部に当接し、第2の係止縁12は第2の端末プレート10の基端側(表皮5側)の縁部に当接し、これらの係止縁11,12より、下側の第1の端末プレート9と共に第2の端末プレート10の保持溝8内からの離脱が防止されている。ここで、第1の係止縁11が第2の端末プレート10に直接的に当接しているのに対し、第2の係止縁12は第1の端末プレート9側の表皮5、及び第2の端末プレート10側の表皮5を挟み込んだ状態で第2の端末プレート10に当接している。第2の端末プレート10は反表皮側の縁部を保持溝8内の一側に当接させて、第1及び第2の係止縁11,12により強制的に逆方向姿勢に保持されているため、表皮5は張力を付与されてリング部3の表面に密着している。
【0022】
以上の構成は図5に示す従来例とほぼ同様であり、以下に従来例と相違する部分を説明する。図4は保持溝の詳細を示す拡大断面図であり、この図に示すように、本実施形態のカバー4では、固定部材6の保持溝8の断面形状を従来例のように対称とせず、SWの表裏方向に非対称としている。具体的には、第1の係止縁11の肉厚T1が第2の係止縁12の肉厚T2に比較して厚く設定されている。又、第1の係止縁11と保持溝8の底面との間隙S1が、第1及び第2の端末プレート9,10の合計肉厚より小さく設定されると共に、この間隙S1に対して、第2の係止縁12と保持溝8の底面との間隙S2が大きく設定されている。尚、本実施形態では、第1及び第2の係止縁11,12の突出寸法U1,U2も相違しており、第2の係止縁12に比較して第1の係止縁11はより大きく突出している。
【0023】
更に、本実施形態のカバー4では、従来例のように保持溝108の両端に縫合部113を設けて端末プレート109,110の端部を挿入する構成とせず、保持溝8の両端においても、端末プレート9,10は上記した係止縁11,12の作用だけで保持溝8から離脱防止されている。
次に、以上のように構成されたカバー4をSWに装着する場合について説明する。
【0024】
まず、各固定部材6をSWのリング部3の内周側に両面テープ7で固定する。リング部3の外周側にゴムシートを介して表皮5を配置して、第1及び第2の端末プレート9,10をリング部3の表側及び裏側を経て内周側に回り込ませながら、リング部3を表皮5で被覆する。次いで、第1の端末プレート9を表皮5に対して折返さない順方向姿勢とし、第1及び第2の係止縁11,12を撓ませて保持溝8の開口部を拡大させながら内部に押し込む。
【0025】
その後、第2の端末プレート10を表皮5に対して折返した逆方向姿勢として、その先端側の縁部を保持溝8内に押し込むと、その縁部は第1の係止縁11により離脱を防止される。次いで、第2の係止縁12を持ち上げて保持溝8の開口部を拡大しながら、第2の端末プレート10の基端側の縁部を保持溝8内に押し込むと、第2の係止縁12は自己の弾性によって原形状に復帰して第2の端末プレート12の表皮側の縁部を離脱防止する。尚、これらの第1及び第2の端末プレート9,10の押込み操作は、それぞれの端末プレート9,10の長手方向に順に行われる。以上の操作を各端末プレート9,10について順次実施すると、リング部3の表面を表皮5が密着した状態で被覆し、カバー4の装着が完了する。
【0026】
カバー4の装着状態において、図3から明らかなように、第2の端末プレート10の保持溝8内からの離脱防止は主に第1の係止縁11によって奏される。そして、上記のように第1の係止縁11と保持溝8の底面との間隙S1が第1及び第2の端末プレート9,10の合計肉厚より小さく設定され、且つ、第1の係止縁11が肉厚T1を厚く設定されて高い剛性を有するため、第1の係止縁11は自己の弾性で第2の端末プレート10上に強く圧接して、その離脱を確実に防止する。又、第1の係止縁11の突出寸法U1が大きいことも、確実な離脱防止に貢献している。
【0027】
この第1の係止縁11による離脱防止作用は第2の端末プレート10の端部でも同様に発揮されることから、図5及び図6の従来例のように保持溝108の両端の縫合部113に端末プレート109,110の端部を挿入する構成としなくても、端部を起点とした第2の端末プレート10の離脱を確実に防止することができる。そして、このように縫合部に端末プレート9,10の端部を挿入する構成を省略したことから、製造時において、固定部材6の両端を縫合する工程、及び端末プレート9,10の端部を先鋭化する工程を実施する必要がなくなり、その製造コストを低減でき、且つ、カバー4の装着時において、端末プレート9,10の両端を縫合部に挿入する操作を行う必要がなくなり、カバー4の装着作業を容易に実施することができる。
【0028】
一方、図から明らかなように、保持溝8内の第1の係止縁11側に対して第2の係止縁12側では表皮5の重なり枚数が多く、しかも、第2の端末プレート10側の表皮5の張力により、反対側の第2の係止縁12はリング部3の内周方向に押圧されている。これにより従来例では、係止縁112(本実施形態の第2の係止縁12に該当)と共に表皮105の不自然な盛り上がりが生じていたが、本実施形態では、第2の係止縁12側の間隔S2が第1の係止縁11側の間隔S1より大きく、しかも、第2の係止縁12の肉厚T2が第1の係止縁11の肉厚T1より小さいことから、このような表皮5の不自然な盛り上がりは全く発生せず、見栄えが向上すると共に運転者に良好なグリップ感を与えることができる。
【0029】
又、第2の係止縁12の肉厚T2が薄いことから保持溝8の開口部を拡大するために持ち上げ易く、且つ、第2の係止縁12側の間隔S2が大きいことから保持溝8内に第2の端末プレート10を押し込み易く、結果として上記したカバー4の装着作業をより一層容易化できるという効果も得られる。
加えて、カバー装着時のリング部3の断面形状は、固定部材6により円形状から卵状に変更される。断面円形状のリング部3では、運転者が親指をリング部3の裏側に回してSWに無理な操作力を加え易いが、断面卵状とすることで運転者は自ずと親指をリング部3の外周に添えた把持状態となって、無理な操作力を加えることがなくなり、道路のギャップ等で運転者が体勢を崩し誤ってSWを操作してしまうことを防止し、車両の直進しようとする本来の性能を阻害しないことができるという効果もある。
【0030】
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態ではSWに装着するオプション品のカバー4として具体化したが、カバー付きのSW、つまり、カバー4を装着することを前提としたSW自体に具体化してもよい。即ち、この場合には図3のリング部3に固定部材6を一体的に形成すると共に、上記実施形態と同様の表皮5を用いてリング部3を被覆し、表皮5の両側の端末プレート9,10をリング部3の保持溝8を利用して固定することでSWとして完成させる。尚、この場合のカバー4はSWの一部(表皮)として機能し、上記実施形態のようにリング部3を予め皮革や布で被覆しておく必要は全くない。そして、重複する説明はしないが、このように構成したSWにおいても、上記実施形態のカバー4と同様の作用効果を得ることができる。
【0031】
又、上記実施形態では、固定部材6の第1の係止縁11と保持溝8の底面との間隙S1を、第1及び第2の端末プレート9,10の合計肉厚より小さく設定すると共に、この間隙S1に対して、第2の係止縁12と保持溝8の底面との間隙S2を大きく設定したが、双方の間隔S1,S2は必ずしもこのように設定する必要はない。よって、例えば間隙S1と間隙S2とを共に端末プレート9,10の合計肉厚と等しく設定してもよい。
【0032】
更に、上記実施形態では、3本のスポーク部2を有するSWとして具体化したが、SWの形式はこれに限定されるものではなく、例えば2本スポークや4本スポークのSWに具体化してもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明のステアリングホイール用カバー、及び請求項3の発明のステアリングホイールによれば、保持溝内からの端末プレートの離脱を確実に防止した上で、保持溝の縫合部に端末プレートを挿入する構成を省略し、もって、製造コストを低減できると共に、カバーの装着作業を容易に実施することができる。
【0034】
又、請求項2の発明のステアリングホイール用カバー、及び請求項4の発明のステアリングホイールによれば、表皮の不自然な盛り上がりを防止して、見栄えが向上すると共に良好なグリップ感を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のカバーを装着中のステアリングホイールを示す斜視図である。
【図2】表皮の構成を示す斜視図である。
【図3】カバーの装着状態を示す拡大断面図である。
【図4】保持溝の詳細を示す拡大断面図である。
【図5】従来例のカバーの装着状態を示す拡大断面図である。
【図6】従来例のカバーにおける保持溝の縫合部と端末プレートの端部との関係を示す図である。
【符号の説明】
3 リング部
5 表皮
6 固定部材
8 保持溝
9 第1の端末プレート
10 第2の端末プレート
11 第1の係止縁
12 第2の係止縁
S1,S2 間隔
T1,T2 肉厚
Claims (4)
- ステアリングホイールのリング部を半径方向の外周側より被覆する表皮と、
長手方向全体に保持溝が形成されて、上記リング部の内周側に沿って配設される固定部材と、
上記表皮の一側縁に沿って固着されて、該表皮に対して折返さない順方向姿勢で上記固定部材の保持溝内に配置される第1の端末プレートと、
上記表皮の他側縁に沿って固着されて、該表皮に張力を付与すべく折返した逆方向姿勢で上記固定部材の保持溝内に配置されて、上記第1の端末プレート上に重なり合う第2の端末プレートと、
上記保持溝の開口部の一側縁全体に突出形成されて、上記第2の端末プレートの先端側の縁部を離脱防止する第1の係止縁と、
上記保持溝の開口部の他側縁全体に突出形成されて、上記第2の端末プレートの基端側の縁部を離脱防止する第2の係止縁と
を備えたステアリングホイール用カバーにおいて、
上記固定部材の第1の係止縁の肉厚を第2の係止縁の肉厚より厚く設定すると共に、該第1の係止縁と上記保持溝の底面との間隙を、上記第1及び第2の端末プレートの合計肉厚より小さく設定したことを特徴とするステアリングホイール用カバー。 - 上記第1の係止縁と上記保持溝の底面との間隙に対して、上記第2の係止縁と保持溝の底面との間隙を大きく設定したことを特徴とする請求項1に記載のステアリングホイール用カバー。
- リング部を半径方向の外周側より被覆する表皮と、
上記リング部の内周側に沿って形成された保持溝と、
上記表皮の一側縁に沿って固着されて、該表皮に対して折返さない順方向姿勢で上記保持溝内に配置される第1の端末プレートと、
上記表皮の他側縁に沿って固着されて、該表皮に張力を付与すべく折返した逆方向姿勢で上記保持溝内に配置されて、上記第1の端末プレート上に重なり合う第2の端末プレートと、
上記保持溝の開口部の一側縁全体に突出形成されて、上記第2の端末プレートの先端側の縁部を離脱防止する第1の係止縁と、
上記保持溝の開口部の他側縁全体に突出形成されて、上記第2の端末プレートの基端側の縁部を離脱防止する第2の係止縁と
を備えたステアリングホイールにおいて、
上記第1の係止縁の肉厚を第2の係止縁の肉厚より厚く設定すると共に、該第1の係止縁と上記保持溝の底面との間隙を、上記第1及び第2の端末プレートの合計肉厚より小さく設定したことを特徴とするステアリングホイール。 - 上記第1の係止縁と上記保持溝の底面との間隙に対して、上記第2の係止縁と保持溝の底面との間隙を大きく設定したことを特徴とする請求項3に記載のステアリングホイール。
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