JP3825680B2 - 光記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式によりトナー印刷が施されるようにした、DVD等の貼り合わせタイプの光記録媒体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CDやDVDなどの光記録(情報)媒体においてはラベル・インデックス印刷をするのにスクリーン印刷やオフセット印刷で行うことが従来から広く知られている。しかしこのような印刷方法では、製版が必要であったり、多色刷りの際に色の数だけ同じ工程を繰り返さねばならず、多品種/少量の印刷には不向きであった。
【0003】
そこで製版を不要とする方法として、インクジェットプリンター(以下、IJPと称す)や熱転写プリンター(以下、TPと称す)により印刷を施したり、また特開平5−212857号公報などにおけるように、電子写真方式により印刷を施すことが提案されている。IJPによる印刷方法では多色印刷が可能であるが、水性インクを使用しているため、印刷画像の保存性が優れないといった欠点を有する。TPによる印刷では、油性インクを使用しているため画像の保存性は良好であるが、多色印刷するためにはインクリボンを色の数だけ変えて印刷をしなければならないため、多色印刷には不利である。電子写真方式では多色印刷可能であり、画像保存性が良好であるため、三者の中では最も少量/多品種に好適な印刷方法である。
【0004】
CDやDVDのような光記録媒体の表面(記録/再生光の入射面とは逆の面)に電子写真方式により印刷を施す場合、一般にドラムやベルト等の転写媒体上に帯電したトナーを付着させ、転写媒体と被印刷物を密着させ、被印刷物の印刷面とは反対側からトナーの極性と異なる極性の電荷を被印刷物に与えることで被印刷物にトナーを吸着させるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように電子写真方式により印刷を施す場合の帯電プロセスにおいて、トナーとは異なる極性の電荷を蓄える層は、光記録媒体の反射層であり、CDのような単版タイプの光記録媒体では、被印刷面側(記録/再生光入射面とは逆の面)から反射層へ、約10uAの電流を流すことで帯電を行なう。DVDのような貼り合わせタイプの光記録媒体の場合、どちらの面から帯電させるにしても、0.6mm厚の透明基板をはさんで行なわなければならないため、CDのような単版タイプの光記録媒体に対して、反射層までの距離が遠くなり、帯電が弱くなりやすい。
【0006】
またトナーの定着プロセスは、プラス極に帯電した光記録媒体とマイナス極に帯電したトナーとの電気的引力により行なわれるものである。従ってDVDのような貼り合わせタイプの光記録媒体の場合、反射膜と被印刷面の距離が遠くなり、電気的引力が十分得られないため、トナーの定着不良が発生しやすい。
【0007】
本発明は以上のような実状を鑑み、DVDのような貼り合わせタイプの光記録媒体に、電子写真方式により好適な印刷が施せるような光記録媒体及びその製造方法を提供することを目的としてなしたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、透明基板とダミー透明基板との間に、透明基板からダミー透明基板へ向けて、少なくとも記録層、金属反射層、保護層が順次積層され、前記保護層が前記金属反射層に直接積層されるとともに、前記保護層のダミー透明基板に向いた面に電子写真方式により印刷したトナー印刷層が形成され、該トナー印刷層を覆うよう、前記保護層とダミー透明基板との間に、接着層が形成されている光記録媒体を最も大きな特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するため、請求項2の発明は、透明基板とダミー透明基板との間に、透明基板からダミー透明基板へ向けて、少なくとも金属反射層、保護層が順次積層され、前記保護層が前記金属反射層に直接積層されるとともに、前記保護層のダミー透明基板に向いた面に電子写真方式により印刷したトナー印刷層が形成され、該トナー印刷層を覆うよう、前記保護層とダミー透明基板との間に、接着層が形成されている光記録媒体を最も大きな特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するため、請求項3の発明は、透明基板上に記録層を積層する記録層形成工程と、記録層形成工程で形成された記録層に金属反射層を積層する金属反射層形成工程と、金属反射層形成工程で形成された金属反射層に保護層を直接積層する保護層形成工程と、保護層形成工程で形成された保護層に電子写真方式でトナー印刷層を印刷する印刷層形成工程と、印刷層形成工程で形成された印刷層を覆うよう保護層形成工程で形成された保護層に接着剤を積層する接着層形成工程と、接着層形成工程で形成された接着層にダミー透明基板を貼り合わせるダミー透明基板貼り合わせ工程とを経る光記録媒体の製造方法を最も大きな特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するため、請求項4の発明は、透明基板上に金属反射層を積層する金属反射層形成工程と、金属反射層形成工程で形成された金属反射層に保護層を直接積層する保護層形成工程と、保護層形成工程で形成された保護層に電子写真方式でトナー印刷層を印刷する印刷層形成工程と、印刷層形成工程で形成された印刷層を覆うよう、保護層形成工程で形成された保護層に接着剤を積層する接着層形成工程と、接着層形成工程で形成された接着層にダミー透明基板を貼り合わせるダミー透明基板貼り合わせ工程とを経る光記録媒体の製造方法を最も大きな特徴とする。
【0012】
請求項1、2の発明によれば、電子写真方式において良好な画像形成が可能である。また、請求項3、4の発明では、電子写真方式によりトナー印刷層を形成した貼り合わせタイプの光記録媒体を、容易に製造することが可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。図1は本発明の光記録媒体の一例を示す。光記録媒体は、図1に示すように、透明基板1とダミー透明基板2とを備え、透明基板1とダミー透明基板2との間には、透明基板1からダミー透明基板2へ向けて、少なくとも記録層3、金属反射層4、保護層5が順次積層され、保護層5のダミー透明基板2に向いた面には、電子写真方式により印刷したトナー印刷層6が形成され、保護層5とダミー透明基板2との間には、トナー印刷層6を覆うよう、接着層7が形成されている。
【0014】
次に、光記録媒体の製造方法について各工程ごとに詳細に説明する。本発明の光記録媒体の製造方法では、まず公知の成形装置を使用して透明基板1を成形する(透明基板成形工程)。透明基板1の材料は代表的なものとしてはポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂などのプラスチックまたはガラスが挙げられるが、これらに限定されるものではない。特に光学特性や温湿度特性などの点から、ポリカーボネイトが望ましい。また透明基板1上にはスパイラル状の案内溝が形成されたり、情報マークが形成されていてもよい。
【0015】
追記型や書換え型の光ディスクのような光記録媒体を製造する場合には、透明基板成形工程の後に記録層形成工程を配する。記録層3を形成する材料としては、有機色素材料の場合、例えば、アゾ系色素、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、ピリリウム系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、Ni,Crなどの金属錯塩系色素、ナフトキノン系・アントラキノン系色素、インドフェノール系色素、インドアニリン系色素、トリフェニルメタン系色素、トリアリルメタン系色素、アミニウム系・ジインモニウム系色素及びニトロゾ化合物、ホルマザン金属キレートなどを挙げることができる。中でも特に耐光性に優れるアゾ系色素、スクワリリウム系色素、ホルマザン金属キレートが望ましい。更に必要に応じ、他の第三成分、例えばバインダー、安定剤等を含有させることができる。記録層3の形成は、有機色素を溶媒に展開しスピンコートによってなされることが望ましいが、これに限るものではない。記録層3の層厚は通常300Å〜5000Å好ましくは700Å〜2000Åとするのがよい。有機色素をスピンコートした後、残留溶媒を除去するため、高温下でアニールを行なっても良い。アニール温度は通常80〜110℃で行なわれ、特に100℃近辺が望ましい。アニール時間は通常15〜30min位である。また上記の有機材料の他、原子配列を変化し情報の記録ができる相変化材料も使用可能である。
【0016】
この場合、記録層3とは相変化材料の層及び相変化材料の熱を保持するための断熱層を含めるものとする。具体的にはA−B−C−Ge−Teで代表される合金である。ここでAは、Cu,Ag,Au,Sc,Y,Ti,Zr,V,Nb,Cr,Mo,Mn,Fe,Ru,Co,Rh,Ni,Pd,Hf,Ta,W,Ir,Pt,Hg,B,C,N,P,O,S,Se,ランタニド元素、アクチニド元素、アルカリ土類金属元素、不活性ガス元素、などのうち少なくとも一つの元素を表す。BはTi,Iなどハロゲン元素、およびNaなどのアルカリ金属元素のうち少なくとも一元素を表す。CはSb,Sn,As,Pb,Bi,Zn,Cd,Si,Al,GaおよびInのうち少なくとも一元素を表す。また、光磁気材料に使用される金属材料、たとえば上記金属元素のTb,Fe,Coなども記録層3として使用可能である。これら無機金属膜は真空蒸着法やスパッタリング法、イオンプレーティング法によって形成することができるが、特にスパッタリング法が望ましい。以上のようにして透明基板1上に記録層3の形成された光記録媒体中間品は次工程である金属反射層形成工程へ供給される。
【0017】
なお、透明基板1上にレーザ光によって読み取り可能な情報マーク(記録)が形成されている透明基板1では、前記した記録層形成工程は経ずに直接次工程である金属反射層形成工程へ透明基板1が供給される。
【0018】
金属反射層形成工程で透明基板1上や記録層3上に形成される金属反射層4は、Au、Ag、Cu、Ni、Al、Pt等の金属や合金材料が用いられ、真空蒸着法やスパッタリング法、イオンプレーティング法によって形成される。コスト、ディスク特性からAg、Al、TiAlが特に望ましい。層厚は300Å以上2500Å以下とするのがよい。上記のように金属反射層4の形成された光記録媒体中間品は、次工程の保護層成形工程へ供給される。
【0019】
保護層5は重合反応によってポリマーとなる有機モノマーとポリマーを架橋反応させることで設けられる。材料としては公知の紫外線硬化樹脂が適用でき、例えば紫外線硬化樹脂材料としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、クロロヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポロプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエポキシ樹脂のジ(メタ)アクリレートなどのアクリレート樹脂などが挙げられる。これらの樹脂に架橋性モノマーを加えてもよく、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アクリル化イソシアヌレート、1.4ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1.6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどが用いられる。
【0020】
金属反射層4に積層された保護層5を紫外線硬化させるには、ラジカル開始剤が必要で、1−ヒドロキシシコロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2.2−ジエトキシアセトフェノン、4−フェノキシ−2.2−ジクロロアセトフェノンなどのアセトフェノン系、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノンなどのプロピオフェノン系、2−クロロアントラキノンなどのアントラキノン系、2.4−ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン系が挙げられる。これらは通常組成比(重量比)にして1%〜10%である。ラジカル開始剤は1種類でも2種類以上を混合して使用してもよい。必要に応じて消泡剤やシリカなどの増粘剤を添加してもよい。保護層5を形成する方法としてはスピンコート法やスクリーン印刷などの方法が挙げれるがこれに限るものではない。層厚は1um以上30um以下とするのがよく、特に10um程度がよい。
【0021】
保護層形成工程の後、印刷層形成工程では、保護層5上に電子写真方式でトナー印刷を施してトナー印刷層6を形成する。電子写真方式プリンターでは、供給スタックから被印刷媒体が、転写部、定着部を経て排出スタックに送られ、印刷を完了する。転写部はレーザビームの照射によって、潜像が形成され、該潜像が現像されてトナー像として顕在化する感光ドラムと、該感光ドラム上の潜像をトナーによる像として現像する現像機と、感光ドラム上にできたトナー像を転写され、さらに該トナー像を被印刷媒体上に転写する転写ドラムとを備えている。定着部はヒートローラーを備えており、トナー像を加熱することで、被印刷面にトナーを定着させる。なお被印刷媒体はトナー転写前に、被印刷面が帯電スコロトロンにより帯電される。帯電の極性は、トナーと逆であるから、マイナスである。
ダミー透明基板2の貼りあわせを行なった後の保護層5上にトナー印刷を行なう場合では、厚さ0.6mmのダミー透明基板2が挟まるため、十分な帯電ができないし、トナーとの電気的引力も十分得られなかった。一方、本発明では、金属反射層4との距離は10um前後(保護層5の厚さ分)であるため、上記被印刷面への帯電を十分行なえる。またトナーとの電気的引力も十分であるため、トナー定着を確実にできる。
【0022】
保護層5にトナー印刷層6の積層された光記録媒体中間品は印刷層形成工程から貼り合わせ工程へ供給される。また、ダミー透明基板成形工程で成形されたダミー透明基板2も、貼り合わせ工程へ供給される。而して、ダミー透明基板2は、光記録媒体中間品に貼り合わせられるが、貼り合わせに先立って、本発明においては、光記録媒体中間品に接着層7を形成する(接着層形成工程)。接着層7は、公知の紫外線硬化接着剤、カチオン系紫外線硬化接着剤を使って形成する。接着層7を形成する接着剤はスピンコートによって、保護層5上もしくはトナー印刷層6の形成されている面と反対の面に5〜50umの厚さで形成され、光記録媒体中間品とダミー透明基板2とを2枚重ねた後、トナー印刷層6の形成された面上から紫外線を照射することで硬化、接着される。本発明によれば、照射された紫外光はトナー印刷層6、透明基板1を透過し、接着層7である紫外線硬化接着剤まで届く。また貼り合せ装置はラインのタクトを考慮し、複数台設けてもよい。
【0023】
本発明における光記録媒体の製造方法においては、必要に応じて初期化工程を配しても良い。初期化とは、スパッタリング直後にアモルファス状態で反射率の低い無機金属材料記録層を、結晶化させることにより反射率を上げる工程である。初期化工程は保護層形成工程後であれば任意に配置しても構わない。
【0024】
光記録媒体の製造は透明基板成形、記録層形成、反射層形成、保護層形成、電子写真によるトナー印刷層形成、接着層形成、貼りあわせの順番で行なうか、透明基板成形、反射層形成、保護層形成、電子写真によるトナー印刷層形成、接着層形成、貼りあわせの順番で行なう。
【0025】
本実施の形態例によれば、電子写真方式により光記録媒体に良好な画像を形成することが可能であり、また、電子写真方式によりトナー印刷層を形成した貼り合わせタイプの光記録媒体を、容易に製造することが可能である。
【0026】
[実施例]
以下本発明について実施例を挙げるが、本発明の要旨を逸脱しない限り、これらに限定されるものではない。下記3種類のサンプルについて、RICOH製プリンターIPSIOを使用して各100枚_全面ベタ印刷テスト(電子写真方式)を実施した。画像の評価は印刷斑/抜けの有無(0.1mm以上の大きさの抜けは×)について目視で行った。
【0027】
[実施例1]
DVD+RWを下記の製造方法にて製造した。
ポリカーボネイト製透明基板上(厚さ(単板)=0.6mm)には0.74umピッチで案内溝が設けてある。透明基板上には下部保護層(ZnS・SiO2)をスパッタリング法にて設けた。その上にAg−In−Sb−Te−Ge系合金をスパッタリングにより、約1000〜2000Åの厚さで設けた。さらにその上に上部第1保護層(ZnS・SiO2)をスパッタリング法にて設けた。さらにその上に上部第2保護層(SiC)をスパッタリングにより設けた。反射層にはAgを用い、スパッタリング法にて約1000Åの厚さにした。その上にはDIC製市販の紫外線硬化樹脂をスピンコートで約8umの厚さで保護層とした。保護層形成後に表面にIPSIOを使用してプリントを行なった。プリントを施した上に紫外線硬化型の樹脂をスピンコート塗布し、もう1枚のダミー透明基板を合せ、UVランプを照射し硬化させた。最後にディスクの初期化を行なった。
【0028】
[実施例2]
DVD+Rを下記の製造方法にて製造した。
ポリカーボネイト製透明基板上(厚さ(単板)=0.6mm)には0.74umピッチで案内溝が設けてある。透明基板上にはアゾ色素をスピンコートにより塗布し、100℃、30minの条件でアニールした。反射層にはAgを用い、スパッタリング法にて1000〜1500Åの厚さで形成、その上にはDIC製市販の紫外線硬化樹脂をスピンコートで約8umの厚さで保護層とした。保護層形成後に表面にIPSIOを使用してプリントを行なった。プリントを施した上に紫外線硬化型の樹脂をスピンコート塗布し、もう1枚のダミー透明基板を合せ、UVランプを照射し硬化させた。
【0029】
[比較例1]
DVD+RWを下記の製造方法にて製造した。
ポリカーボネイト製透明基板上(厚さ(単板)=0.6mm)には0.74umピッチで案内溝が設けてある。透明基板上には下部保護層(ZnS・SiO2)をスパッタリング法にて設けた。その上にAg−In−Sb−Te−Ge系合金をスパッタリングにより、約1000〜2000Åの厚さで設けた。さらにその上に上部第1保護層(ZnS・SiO2)をスパッタリング法にて設けた。さらにその上に上部第2保護層(SiC)をスパッタリングにより設けた。反射層にはAgを用い、スパッタリング法にて約1000Åの厚さにした。その上にはDIC製市販の紫外線硬化樹脂をスピンコートで約8umの厚さで保護層とした。さらに保護層上に紫外線硬化型の樹脂を塗布し、もう1枚透明基板を合せ、UVランプを照射し硬化させた。貼り合わせの行なわれた後、貼り合わせ基板表面にIPSIOを使用してプリントを行なった。最後にディスクの初期化を行なった。
【0030】
[プリント斑/抜け有り枚数]
実施例1;0枚/100枚中
実施例2;0枚/100枚中
比較例1;35枚/100枚中
実施例と比較例を比較すると、本発明の方法を用いれば、プリント抜けの発生は見られず良好な画像の形成されたDVDディスクが得られた。
【0031】
本発明の光記録媒体及びその製造方法は、DVD(デジタルビデオディスク)に代表される2枚貼り合わせタイプの光記録媒体に適用できる。また本発明の要旨を逸脱しない限り、DVD系ディスクに限定されるものではない。
【0032】
【発明の効果】
本発明の光記録媒体及びその製造方法によれば、請求項1、2では電子写真方式により光記録媒体に良好な画像を形成することが可能であり、また、請求項3、4では電子写真方式によりトナー印刷層を形成した貼り合わせタイプの光記録媒体を、容易に製造することが可能である、など種々の優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の製造方法により製造した、本発明の光記録媒体の概要を示す断面図である。
【符号の説明】
1 透明基板
2 ダミー透明基板
3 記録層
4 金属反射層
5 保護層
6 トナー印刷層
7 接着層

Claims (4)

  1. 透明基板とダミー透明基板との間に、透明基板からダミー透明基板へ向けて、少なくとも記録層、金属反射層、保護層が順次積層され、前記保護層が前記金属反射層に直接積層されるとともに、前記保護層のダミー透明基板に向いた面に電子写真方式により印刷したトナー印刷層が形成され、該トナー印刷層を覆うよう、前記保護層とダミー透明基板との間に、接着層が形成されていることを特徴とする光記録媒体。
  2. 透明基板とダミー透明基板との間に、透明基板からダミー透明基板へ向けて、少なくとも金属反射層、保護層が順次積層され、前記保護層が前記金属反射層に直接積層されるとともに、前記保護層のダミー透明基板に向いた面に電子写真方式により印刷したトナー印刷層が形成され、該トナー印刷層を覆うよう、前記保護層とダミー透明基板との間に、接着層が形成されていることを特徴とする光記録媒体。
  3. 透明基板上に記録層を積層する記録層形成工程と、記録層形成工程で形成された記録層に金属反射層を積層する金属反射層形成工程と、金属反射層形成工程で形成された金属反射層に保護層を直接積層する保護層形成工程と、保護層形成工程で形成された保護層に電子写真方式でトナー印刷層を印刷する印刷層形成工程と、印刷層形成工程で形成された印刷層を覆うよう保護層形成工程で形成された保護層に接着剤を積層する接着層形成工程と、接着層形成工程で形成された接着層にダミー透明基板を貼り合わせるダミー透明基板貼り合わせ工程とを経ることを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  4. 透明基板上に金属反射層を積層する金属反射層形成工程と、金属反射層形成工程で形成された金属反射層に保護層を直接積層する保護層形成工程と、保護層形成工程で形成された保護層に電子写真方式でトナー印刷層を印刷する印刷層形成工程と、印刷層形成工程で形成された印刷層を覆うよう、保護層形成工程で形成された保護層に接着剤を積層する接着層形成工程と、接着層形成工程で形成された接着層にダミー透明基板を貼り合わせるダミー透明基板貼り合わせ工程とを経ることを特徴とする光記録媒体の製造方法。
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