JP3825467B2 - インターロイキン―7を用いた選定免疫療法 - Google Patents

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Description

発明の技術分野
本発明は癌またはウイルスの感染のある個体を治療するための、特定の抗原に予めさらした抹消リンパ球のサンプルを得ること、そのリンパ球中でCTL活性を活性化させるのに十分な濃度でインターロイキン−7(IL−7)ポリペプチドまたはその誘導体を含む培養培地中でリンパ球を生体外で培養すること、および活性化したリンパ球を個体に投与することから成る選定免疫療法のための方法に関する。
本発明の背景
正常なマウスから得た増殖していないリンパ球をインターロイキン−2(IL−2)またはインターロイキン−4(IL−4)存在下で試験管内で培養すると、腫瘍細胞に対して細胞毒性のあるリンパ球の集団が生ずることが示されている。これらの細胞は一般的にリンフォカインによって活性化されたキラー細胞(LAK)と呼ばれる。IL−2およびIL−4は別個のT細胞に由来するサイトカイン、すなわちより具体的にはリンフォカインである。IL−2およびIL−4はいくつかの重複する活性をもつことが示されている。例えば、IL−2は最初はT細胞成長因子として同定されたが、それ以来B細胞、単核細胞、表皮性ランゲルハンス細胞、乏突起膠細胞およびNK細胞のような様々な細胞のタイプに結合して増殖または機能を促進することが示されている。さらにIL−4はB細胞の増殖および成熟によって誘導されることによって主に機能すると本来考えられていたが、IL−4はそれ以来造血幹細胞、マクロファージ、肥満細胞、およびT細胞と相互作用することが示されている。
哺乳類のインターロイキン−7(IL−7)は以前はリンフォポエチン−1と呼ばれた。ヒトおよびマウスIL−7のクローニングおよび発現は、1990年10月23日に発行された米国特許第4,965,195号に記述されており、その開示はこの言及によって本明細書中に含まれるものとする。インターロイキン−7は、骨髄中でBおよびT細胞の先祖の生長を刺激する能力を利用して最初に単離されたクローニングされたリンパ球生成のための生長因子である。公開されたPCT出願WO89/03884号(1989年5月5日)および第EP−A−0314415号(1989年5月3日)は、DNA、ベクターおよび組換えDNA技術によって哺乳類のIL−7ポリペプチドを生産するための関連した過程に言及している。これらの発表された特許出願の関連した開示はこの言及によって本明細書に含まれるものとする。ネズミIL−7のクローニングは学術誌中にナーメン(Namen)らによってNature 333巻:571ページ(1988年)に最初に報告され、そしてヒトIL−7はゴッドウイン(Goodwin)らによってProcNatlAcadSciUSA 86巻:302ページ(1989年)に報告された。形質転換した骨髄間質細胞系列の上清から精製したネズミIL−7は約25,000ダルトンの見かけの分子量を示した(例えばナーメン(Namen)ら、ExpMed167巻:988ページ(1988年)を見よ)。ナーメン(Namen)らおよびゴッドウイン(Goodwin)らによって報告されたクローニングされたDNAは、任意の配糖化を除けばネズミおよびヒトIL−7ポリペプチドの最小分子量がそれぞれ14,897および17,387ダルトンであることを示唆する。
IL−7のクローニング、特性決定および十分な量の発現によって、その生物学的活性のスペクトルの同定を始めるための十分な組換えポリペプチドを提供することができるようになった。IL−7は、長期間の骨髄培養に由来する前B細胞(B220+)の増殖を刺激する能力によって当初は定義された(ウイットロック(Whitlock)ら、ImmunolMethods 67巻:355−69ページ(1984年)を見よ)。しかしIL−7は成熟したB細胞の増殖を刺激すること、または前B細胞の表面Ig+細胞への分化を誘導することは不可能である(リー(Lee)ら、Immunol142巻:3875−83ページ(1989年))。
さらに新しい文献にはT細胞の系統細胞がIL−7に応答することが示されている。例えば大部分の表面の表現型の増殖していない胎児のおよび成熟した胸腺細胞は、IL−2,IL−4またはIL−6と無関係にIL−7に応答して増殖する(コンロン(Conlon)ら、Blood 74巻:1368−73ページ(1989年))。さらに、成熟した抹消T細胞は最適状態に及ばない濃度での有糸分裂促進物質の存在下でIL−7に応答する(チャゼン(Chazen)ら、ProcNatlAcadSciUSA 86巻:5923−27ページ(1989年))。モリセイ(Morrissey)ら、ExpMed169巻:707−16ページ(1989年)の文献は、IL−7はIL−2の生産を誘導することによって、精製したネズミT細胞のCONAへの試験管内での増殖の応答のための共同して刺激する信号を提供することができることを示している。さらに、チャゼン(Chazen)ら、ProcNatlAcadSciUSA 86巻:5923−27ページ(1989年)の文献は、PMAと組み合わせてIL−7は、他のサイトカインのメッセンジャーによる介入なしでT細胞の活性化を直接刺激することができることをさらに示している。IL−7およびPMAの組み合わせに対する応答はIL−2またはIL−4に対する中和のための抗体を高濃度で用いることでは阻害されず、そしてCsAの免疫抑制効果にはかなり耐性を示したのだが、ここでCsAはIL−2、IL−4およびインターフェロン−γをコードする遺伝子を含む多くのリンフォカインの遺伝子の転写を阻害する薬物である。
ネズミの細胞系列および主な細胞系列の多くがIL−7レセプターを示す。これらの細胞系列はリンパ球および骨髄を起源とする細胞を含む。したがってサイトカインIL−7は広範囲の細胞のタイプに対して広範囲の活性をもつ可能性がある。
リンパ球の一連の細胞の分化は、複雑で現在まだよく解明されていない一連のできごとを含む。共通の前駆細胞または幹細胞がBおよびTリンパ球になると信じられているが、分化の過程に含まれる段階はわかりにくいままである。初期CD4-/CD8-胸腺細胞は放射線にさらされた受容者の胸腺に再びとどまることができて、様々な胸腺細胞の特定生物型群に分化できる。分化の過程にどの因子が含まれるのかはわかっていない。
コンロン(Conlon)ら、Blood 74巻:1368−73ページ(1989年)の文献にはネズミの胸腺細胞のネズミIL−7への増殖の応答について言及している。IL−7単独では胸腺細胞に対する細胞分裂促進性があり、そしてCONAを用いたIL−7の応答をさらに増加させた。コンロン(Conlon)らは、IL−7が、最小に分化した胸腺細胞の特定生物型群であると信じられているものと代表するCD4-/CD8-細胞の増殖を刺激したことをさらに実証した。さらに胸腺細胞のIL−7への応答は、IL−2およびIL−4のような他の既知のT細胞生長因子の生産のためであるようには見えなかった。このIL−7の活性はIL−1またはIL−6のようなほかのリンフォカインの活性とは対照的であり、後者はIL−2,IL−4の生産によって、またはIL−2レセプターの活性化によってまたは両方によってT細胞の応答性を増強することが示されている。
選定免疫療法およびその様々な変法の技術は、例えばローゼンベルグ(Rosenberg)、Scientific American 62−69ページ(1990年5月)に記載されている。選定免疫療法のモデルはIL−2を用いて最初に発展した。手順はマウスを用いて発展した。簡潔に説明すると、まず健康な同系のマウスから脾臓を取り出して、リンパ球を単離して、IL−2を含む培養培地中で単離したリンパ球を培養する。IL−2は培養中に細胞溶解性で腫瘍殺傷性になるある種のリンパ球およびNK細胞を誘導する。癌の免疫療法の方法として活性化したリンパ球およびIL−2を腫瘍の生じたマウスに注射する。ヒトの臨床の研究では、患者の血液の全体からリンパ球を単離して、LAK活性を誘導するためにリンパ球をIL−2とともに培養して活性化させて、ヒトIL−2とともに静注された500億個のLAK細胞を用いて患者を治療している。様々な臨床の研究から、活性化させたリンパ球とともにIL−2を注射することの必要性が明らかになった。
ローゼンベルグ(Rosenberg)および彼の同僚はIL−2と組み合わせた活性化させたLAK細胞でおよびIL−2単独で投与して様々なな癌を治療することを試みた。現在までの結果では、IL−2および活性化させたLAK細胞の組み合わせでは177人の患者の中で14人に完全な癌の軽減が見られ、IL−2単独では130人中4人であることが示されている。部分的な軽減の場合を考えると、活性化させたLAK細胞およびIL−2を投与された患者の25%は改善されて、IL−2単独を投与された患者の17%が改善された。
IL−2によって活性化されて、IL−2とともに投与されたリンパ球を用いる選定免疫療法の技術には副作用が報告されている。副作用は、生きている器官の機能を妨げる組織中でのリンパ球の増殖を含む。IL−2を投与すると血液から組織への体液の漏れが起こり、その結果体重が増加する。
したがって当該分野においてIL−7ポリペプチドの正確な生理学的および免疫学的機能をより良く特徴づける必要がある。異なる放射線にさらした条件下で、異なる組み合わせでおよび異なる薬物動力学のパラメーターで異なるサイトカインを用いた免疫療法の技術に改良を加えるべき必要が当該分野にはまだある。本発明は、IL−7ポリペプチド単独でのまたは他のサイトカインまたは他の因子との組み合わせに対する最良の免疫療法の使用を見い出す努力をしている中から生まれた。
発明の要約
本発明は、IL−7ポリペプチドまたはその誘導体の存在下で活性化されたCTLs(細胞溶解性Tリンパ球)を用いた選定免疫療法による、癌またはウイルスの感染のある個体を治療するための方法に関する。本発明は、腫瘍細胞の集団又はウイルスの感染(すなわち、特定の抗原)に予めさらした同系の抹消リンパ球を得ること、リンパ球中でCTL活性を誘導するのに十分な量の同種のIL−7ポリペプチドまたはそれの誘導体を含む培養培地中でリンパ球を生体外で培養すること、およびCTL活性を示すリンパ球を個体に投与することから成る。培養培地はさらに約3ng/mlまでの同種のIL−2ポリペプチドまたはその誘導体および/または約10ng/mlまでの同種のIL−4ポリペプチドまたはその誘導体を含むことが好ましい。
同系の抹消リンパ球は腫瘍またはウイルスに感染した場所に隣接した排膿するリンパ節から得ることが好ましい。ヒトの場合には自己のリンパ球を用いることが一番好ましい。自己のリンパ球はその後にその細胞で治療される同じ人から得る。
細胞溶解性T白血球(CTL)をIL−7単独またはIL−7およびIL−2の組み合わせを用いて生体外の培養によって活性化させて、腫瘍細胞を特異的に溶解する活性を用いた癌の選定免疫療法のために使用することができる。さらに細胞のCTL活性を増強するために生体外の培養に有糸分裂を阻害した腫瘍細胞をさらに加えることが可能である。
さらにCTL活性を示すリンパ球の個体への投与の段階は個体へのサイトカインの投与から成ってもよく、その場合にはIL−7ポリペプチドまたはその誘導体、IL−2ポリペプチドまたはその誘導体またはIL−4ポリペプチドまたはその誘導体と組み合わせたIL−7ポリペプチドまたはその誘導体の組み合わせおよびIL−7ポリペプチドまたはその誘導体の組み合わせ、およびIL−2ポリペプチドまたはその誘導体、IL−4ポリペプチドまたはその誘導体からなる群からサイトカインを選択する。サイトカインの好ましい1日の投与量はIL−2では約10から約2000μg/kg/日、IL−4およびIL−7では約4から約1000μg/kg/日を含む。IL−2の1日の投薬は1日当たり3回の別々の投与とし、IL−4およびIL−7では1日当たり2回(bid)とするのが最も好ましい。
癌の選定免疫療法のための同系のリンパ球の集団を得ることができる。同系のリンパ球の集団は抹消リンパ球から得られるのだが、特定の腫瘍の場所を排膿している抹消リンパ球から得るのが好ましい。同系の抹消リンパ球を、リンパ球中でCTL活性を誘導するのに十分な量の同種のIL−7ポリペプチドまたはその誘導体中で生体外で培養し、その際CTL活性はCD8陽性T細胞によって同定する。培養培地はさらに約3ng/mlまでの同種のIL−2ポリペプチドまたはその誘導体および/またはIL−4ポリペプチドまたはその誘導体および有糸分裂を阻害することが可能な腫瘍細胞から成ることが好ましい。
本発明は、特定の抗原を示す標的細胞(例えば、腫瘍細胞またはウイルスに感染した細胞)を特異的に溶解する。増殖させて活性化させた細胞溶解性Tリンパ球の集団を含む。本発明で用いる細胞は、腫瘍細胞の集団またはウイルスの感染に予めさらした同系の抹消リンパ球を得ること、およびリンパ球中でCTL活性を誘導するのに十分な量の同種のIL−7ポリペプチドまたはその誘導体を含む培養培地中で生体外でリンパ球を培養することから成る過程によって生体外で生産される。本発明で用いる細胞は癌およびウイルスの感染の選定免疫療法において有用である。本発明で用いる細胞はCD8陽性T細胞の集団および実質的にNK細胞を欠損していることでさらに特徴づけられる。培養培地中に約3ng/mlまでの同種のIL−2ポリペプチドまたはその誘導体および有糸分裂を阻害することが可能な腫瘍細胞をさらに含むことが好ましい。IL−7ポリペプチドまたは等しい効力をもったものまたは活性のあるその誘導体を培養培地に加えるときの好ましい量は約2.5ng/mlから約20ng/mlである。IL−7ポリペプチドまたは等しい効力をもったものまたは活性のあるその誘導体の量は約10ng/mlであることが最も好ましい。
図の簡単な説明
図1は排膿するリンパ節細胞(DLN)またはコントロールのリンパ節細胞(CLN)について培地中に2.5,10または20ng/mlのIL−7の存在下またはIL−7なし(コントロール)で培養された様々なエフェクターの標的比細胞力価の比較を説明する。データはコントロールのCLNs、20ng/mlのIL−7でインキュベートしたCLN、コントロールのDLN、または2.5,10または20ng/mlのIL−7でインキュベートしたDLNで試験管内で処理されたときの1024個の腫瘍細胞の溶解のパーセントを比較している。これらのデータは、DLNをIL−7中でインキュベートしたときに標的細胞に対する一定のエフェクター細胞の溶解の量が最大に達することを示している。
図2では、腫瘍細胞で攻撃して、そして20ng/mlの組換えネズミIL−7中で培養したCLNおよびDLNの様々な構成物で処理したマウスの生体内での腫瘍の生長速度を、培地単独で培養したCLNおよびDLNで処理したものとの比較として比較している。IL−7でインキュベートしたDLNsは最も良い抗腫瘍治療活性を示した。20ng/mlのネズミIL−7で予めインキュベートした3×106または6×106個のDLN細胞を注射されたマウスでは完全な腫瘍の緩解が見られた。
図3では、10ng/mlのIL−7中で培養した幾通りかの濃度のCLNsまたはDLNで処理もしたC3Hマウス中へ腫瘍細胞を注射してから数日後の腫瘍の大きさの平均の比較であり、培地のみで培養したCLNsおよびDLNを用いたときと比較させて説明している。これらのデータは、刺激された細胞毒性のTリンパ球の腫瘍殺傷の性質の比較を説明する。腫瘍の大きさの完全な緩解は、10ng/mlのIL−7で予めインキュベートした6×106個のDLN細胞をマウスに注射したときにのみ起きた。
図4では、2.5ng/mlのIL−7を含む培地中で培養したDLN細胞を用いて腫瘍を攻撃してから数日後の生体内での腫瘍の大きさの平均を、IL−7を含まない培地中で培養した細胞を用いたときと比較させて説明する。
図5−14では、2×106個の生存できる1024腫瘍細胞(マウス1匹当たり)を注射した8日前のC3Hマウスから排膿しているリンパ節(DLN)細胞を得たときの実験のデータを説明する。DLN細胞はIL−2,IL−7またはIL−2およびIL−7の組み合わせのいずれかを含む培地中で生体外で培養した。腫瘍をさらしていないC3Hマウスから得たコントロールのリンパ節(CLN)を用いて同時に行う培養を計画して、培地のみでまたはIL−2またはIL−2およびIL−7の組み合わせを含む培地中で生体外でインキュベートした。培養してから4日後に、51Cr放出でアッセイしたときの試験管内での抗腫瘍細胞溶解活性および単一の塊体の腫瘍の緩解を測定することによる試験管内での抗腫瘍活性について細胞集団を評価した。この実験のデータは図5−14に示す。
図5では、サイトカインなしまたは2ng/mlのIL−2存在下で培養したDLNまたはCLN細胞の集団の溶解活性を説明する。これらのデータは、DLNはCLNよりも優れた溶解活性をもち、そしてIL−2でインキュベートしたDLNはこの集団の中では最良の溶解活性をもつことを示している。
図6ではC3Hマウスに注射した1024腫瘍の腫瘍の大きさの平均を比較している。2ng/mlのIL−2またはサイトカインなしで予めインキュベートしたCLNまたはDLNを治療に適した濃度を何通りか変えて、マウスに投与した。これらのデータはDLN細胞はCLN細胞よりも優れた抗腫瘍活性をもつことを示す。DLN細胞の培地中にIL−2を加えてもDLN細胞の抗腫瘍活性を実質的に増強しなかった。
図7には、2ng/mlのIL−7または2ng/mlのIL−2および10ng/mlのIL−7の組み合わせでインキュベートしたDLNおよびCLNの溶解活性を示す。
これらのデータは、加えるべきサイトカインを加えずに培養したDLNと比較すると2ng/mlのIL−7の存在下で培養したDLNはより優れた溶解活性をもつことを示している。
図8には、IL−7またはIL−2およびIL−7の組み合わせでインキュベートした様々な細胞の生体内での抗腫瘍活性の比較を説明する。腫瘍の大きさの平均は腫瘍の攻撃から数日後に比較した。これらのデータは、加えるべきサイトカインを加えずにインキュベートしたDLNまたは、IL−7またはIL−2およびIL−7の組み合わせでインキュベートしたCLNと比較して、IL−7でインキュベートしたDLNが優れた腫瘍殺傷活性をもつことが実証されたことを説明している。
図9では、サイトカインなしでまたは10ng/mlの濃度のIL−7を存在させてインキュベートしたDLNまたはCLNの溶解活性を比較している。IL−7でインキュベートしたDLNはこの試験管内でのモデルにおいて優れた溶解活性をもつことを実証した。
図10では、サイトカインなしでまたは10ng/mlのIL−7の存在下でインキュベートしたDLNまたはCLNの生体内での腫瘍殺傷活性を比較している。完全に腫瘍が治癒する段階の優れた腫瘍殺傷活性は、DLNを10ng/mlのIL−7の存在下で4日間培養した後6×106個のDLN細胞をC3Hマウスに注射することによって証明された。
図11には、サイトカインの非存在下でまたは20ng/mlのIL−7または10ng/mlのIL−7を加えた2ng/mlのIL−2で培養したDLNおよびCLNの試験管内での溶解活性を比較するデータを示す。優れた溶解活性は、より高濃度のIL−7の存在下で培養したDLNを用いて証明された。
図12では、サイトカインなしでまたは20ng/mlのIL−7の存在下で培養したDLNおよびCLNの腫瘍殺傷活性を比較する生体内でのデータを示す優れた腫瘍殺傷活性は、IL−7でインキュベートしたDLNを用いるときに得られた。
図13では、10ng/mlのIL−7を加えた2ng/mlのIL−2でインキュベートしたDLNを用いたときの優れた試験管内での溶解活性を比較するデータを示す。
図14では、様々なDLNおよびCLNの生体内での腫瘍殺傷活性を比較するデータを示す。IL−7を加えたIL−2の組み合わせの存在下で培養したDLNは最良の抗腫瘍活性を示した。
図15−18ではサイトカインを補給した長期間の培養条件で維持したDLNおよびCLNの生体内での抗腫瘍活性および試験管内での溶解活性を比較する実験から得たデータを示す。培養培地にサイトカインを加えないおよそ1週間内にリンパ球が死に絶えるので、細胞を長期間の培養条件下で維持することができなかった。長期間の培養には、放射線にさらした特定の腫瘍細胞(ガンマー線を2000ラド照射したB10.5細胞)をさらに含めてもよい。
図15にはDLNおよびCLNの生体内での抗腫瘍活性の比較を示す。これらのデータは、特定の腫瘍(B10.5)のみを、特定の(B10.5)腫瘍に予めさらされたDLNの短期間の培養によって除去することができたが、交差反応性のない腫瘍(B10.2)にさらされたときは除去できなかったことを示している。
図16には、示したサイトカインを用いた、DLN細胞の長期間(5週間)の培養の試験管内での溶解活性を示す。特異的な溶解活性は、非特異的なB10.2腫瘍細胞に対するよりもむしろ特異的なB10.5腫瘍細胞に対して示された。
図17には、示したサイトカインを用いて長期間の培養条件下で維持したDLN細胞のフローサイトメトリー分析を示す。IL−7を用いて維持したDLN細胞はCD8陽性のT細胞を多く含む集団になった。
図18には、示したサイトカインを用いた長期間の培養条件下で維持したDLNの生体内での抗腫瘍のデータを示す。IL−7を含む培地中で長期間培養したDLN細胞は免疫療法において、特定の(B10.5)腫瘍を攻撃して除去するのに有効だったが、非特異的な(B10.2)腫瘍を攻撃して除去するのには有効ではなかった。
図19には、同時に培養した9週週間後の同じマウスDLN細胞の写真を示す。図19aにはマウスIL−7を用いて生長させたDLN細胞を示し、図19bにはマウスIL−7およびマウスIL−2を用いて生長させた細胞を示し、そして図19cにはIL−2のみを用いて生長させた細胞を示す。細胞に加えるべきサイトカインを加えないならば、3枚の写真で示した9週間の時点まで生き残れないだろう。
本発明の詳細な説明
本発明は、特定の抗原に予めさらしたT細胞の集団を生物学的に効果のある量のIL−7ポリペプチドまたはその誘導体に接触させることから成る、特定の抗原を提示する細胞に対する溶解活性をもつ活性化された哺乳類の細胞溶解性のTリンパ球の集団を形成するための方法に関する。哺乳類の細胞障害性Tリンパ球はヒトの細胞であり、そして固型癌のような腫瘍の場所を奪い去るまたはウイルスの感染した場所を奪い去る抹消の排膿しているリンパ節から得るのが好ましい。排膿しているリンパ節細胞は、特定の抗原へ予めさらしたTリンパ球の集団を含む。特定の抗原は、腫瘍細胞、またはウイルスが感染した細胞上に、またはウイルスによって提示される。
哺乳類の細胞毒性のTリンパ球の集団は、ウイルス、ウイルスが感染した哺乳類の細胞または腫瘍細胞によって示される特定の抗原に予めさらしておく必要がある。腫瘍の生長またはウイルスの感染の場所の下流(血流またはリンパの排膿によって)排膿しているリンパ節はDLN(排膿しているリンパ節)細胞を含むだろう。DLN細胞を生体外で本発明の過程によって活性化させる。特定の抗原に予めさらされなかった同系のCLN(コントロールのリンパ節)細胞は、本発明の方法にしたがってIL−7ポリペプチドまたはその誘導体を用いて生体外で活性化させた後に効果がより低いだろう。CLN細胞は、特定の抗原に予めさらしていない細胞として実験のコントロールに用いることができる。
特定の抗原の予めさらした哺乳類の細胞溶解性Tリンパ球は排膿しているリンパ節から得るのが好ましい。特定の抗原にさらした抹消血液リンパ球を得ることも可能である。本開示の目的のために、特定の抗原に予めさらした任意の哺乳類のTリンパ球は、それがどこでまたはどのようにして得られたのかにかかわらずに、特定の抗原に予めさらしたDLN細胞と考えられるだろう。DLN細胞は、生物学的に有効な量のIL−7ポリペプチドまたはその誘導体を含む培養培地中でインキュベートすることによって生体外の培養中で増殖する培養培地は、約3ng/mlまでのIL−2ポリペプチドまたはその誘導体、および/または特定の抗原を提示している有糸分裂の阻害された特定の腫瘍細胞の集団をさらに含んでもよい。例えば少なくとも500ラドの、好ましくは2000ラドのガンマー線を照射することによって腫瘍細胞の有糸分裂を阻害してよい。別の量または型の放射線の照射で効果的に腫瘍細胞の有糸分裂を阻害でき、腫瘍細胞は細胞分裂は不可能だが、しかしまだ代謝は活発なままであるようになる。特定の腫瘍細胞の有糸分裂を阻害するための別の手段はマイトマイシンCのような化学薬品で処理することである。
培養培地は、IL−7ポリペプチドまたはその誘導体を含む。本発明に調和した使用のために、当該分野で既知の方法で記述されるように、例えば哺乳類細胞系列または原核生物中での発現によるような、任意の都合の良い方法によってIL−7を生産することができる。IL−7ポリペプチドまたはその誘導体は同種であるべきであり、すなわち、活性化されたDLN細胞を受容されるであろう特定の生物種のIL−7ポリペプチドとアミノ酸配列が実質的に同じであるべきであることを意味している。これはヒトに使用する場合には、異物としてサイトカインが認識される可能性が最小となるように、IL−7ポリペプチドまたは他のサイトカインは実質的にはヒトのものの配列をもつべきであることを意味している。
ヒトおよびネズミのIL−7のアミノ酸配列を下の表1および2中に示す:
Figure 0003825467
Figure 0003825467
前述のポリペプチドの様々な生物学的に活性のある誘導体または類縁体も本発明の方法および組成物のために使用できるだろう。ここで使用するように、同種のIL−7またはその誘導体は、その特定の哺乳類の種の本来のIL−7ポリペプチドと実質的なアミノ酸配列の相同性をもちそして実質的に同等の生物学的な活性をもつポリペプチドを指す。例えば同種のヒトIL−7ポリペプチドまたはポリペプチドの誘導体はヒトの本来のIL−7ポリペプチドを実質的に類似なアミノ酸配列をもち、受容者の免疫系によって異物として認識されないようにするべきである。実質的に同等の生物学的な活性とは、標準的なバイオアッセイまたはIL−7レセプターに結合する親和性を測定するためのアッセイにおいて類似の結果を示すことを意味する。IL−7誘導体は、IL−7の生物学的な活性を示す様々な非ペプチド性の化合物もさらに含む。これらの化合物はIL−7レセプターのアゴニストを含む。IL−7レセプターはゴッドウイン(Goodwin)ら、Cell 60巻:941ページ1990年の文献中に記述されている。
IL−7ポリペプチドを組換えDNA技術によって生産するのが好ましい。組換えDNAの発現系は、IL−7の生物学的な活性をもつ同系のIL−7ポリペプチドまたはポリペプチドのその誘導体をコードするクローンを発現ベクター中に挿入したものである。発現ベクターを宿主細胞へ導入する。宿主細胞のタンパクの合成のための機構によって組換えIL−7ポリペプチドを合成する。
組換え発現ベクターは、IL−7ポリペプチドまたは生物学的な活性のあるその誘導体をコードする合成またはcDNAに由来するDNA断片を含む。IL−7ポリペプチドまたはその誘導体をコードするDNAは、哺乳類、微生物、ウイルスまたは昆虫の遺伝子に由来するもののような適切な転写のまたは翻訳の制御をするヌクレオチド配列または構造遺伝子のヌクレオチド配列に適当な方法でつなげる。制御配列の例は、例えば遺伝子発現において制御の役割をもつ遺伝子の配列(例えば、転写のプロモーターまたはエンハンサー)、転写を制御するための予備的なオペレーター配列、適当なmRNA上のリボゾーム結合サイトをコードする配列、転写および翻訳の開始および終結を制御する適当な配列を含む。制御配列を構造遺伝子に機能的に関連させるときには、ヌクレオチド配列を適当な方法でつなげる。例えば、IL−7ポリペプチドの分泌に関与する前駆体のアミノ酸配列としてシグナルペプチドを発現させるならば、シグナルペプチド(分泌のための先頭配列)のためのDNA配列をIL−7ポリペプチドまたはその誘導体のための構造遺伝子のDNA配列に適当な方法で結合させることができる。さらに、プロモーターのヌクレオチド配列が構造遺伝子のヌクレオチド配列の転写を制御するならば、プロモーターのヌクレオチド配列をタンパクをコードする配列(例えば構造遺伝子のDNA)に適当な方法で結合させる。さらには翻訳を促進させるためにリボゾーム結合サイトをベクター内に入れるならば、リボゾーム結合サイトを構造遺伝子のヌクレオチドがアミノ酸をコードする配列(例えばIL−7ポリペプチド)に適当な方法で結合させてよい。
同種のIL−7ポリペプチドまたはその誘導体の発現のための適当な宿主細胞は適当なプロモーターの制御下で原核生物、酵母または高等な真核生物の細胞がある。原核生物は例えば大腸菌またはバチルスのようなグラム陰性またはグラム陽性の生物を含む。形質転換のために適当な原核生物の宿主細胞は、例えば大腸菌(coli)、バチルス サブチリス(Bacillus subtilis)、サルモネラ チフィムリウム(Salmonella typhimurium)、およびシュードモナス(Pseudomonas)、ストレプトマイセス(Streptomyces)、およびスタフィロコッカス(Staphylococcus)属の中の様々な他の種を含む。高等な真核生物の細胞は下に記述したように哺乳類を起源とする確立された細胞系列を含む。本明細書中に開示したDNAの構築物に由来するRNAを用いて、哺乳類の同種のIL−7ポリペプチドまたはその誘導体を生産するために無細胞系の翻訳系も使用することができるだろう。バクテリア、真菌、酵母、および哺乳類の細胞の宿主を使用するときの適当なクローニングおよび発現ベクターは例えば、パウエルズ(Pouwels)ら、クローニングベクター;Cloning Vactors Laboratory Manual、エルセビアー(Elsevier)、ニューヨーク、1985の文献に記述されている。
IL−7ポリペプチドまたはその誘導体を酵母を宿主細胞として発現させるときには、IL−7ポリペプチドまたはその誘導体の発現のためにコードするヌクレオチド配列(例えば構造遺伝子)は先頭配列を含んでよい。先頭配列を用いることによって、酵母を宿主細胞としたときの翻訳したポリペプチドの細胞外への分泌を改善することが可能である。
あるいは、大腸菌のような原核生物の宿主細胞においては、原核生物の宿主細胞における組換えポリペプチドの発現を促進させるために、N末端にメチオニン残基を含めてよい。N末端のメチオニン残基は発現させた組換えIL−7ポリペプチドまたはその誘導体から切断されるかもしれない。
さらには、広範なタンパク分解またはジスルフィド結合を形成する過程を必要としないIL−7ポリペプチドまたはその誘導体の発現のために原核生物の宿主細胞を使用してよい。
組換えIL−7構造遺伝子のヌクレオチド配列またはその誘導体を含む組換え発現ベクターを、適当な宿主の微生物または哺乳類の細胞系列の実質的に均一な培養にトランスフェクトさせるかまたは形質転換させる。適当な宿主細胞の例は、大腸菌のようなバクテリア、S.セレビシアエ(cerevisiae)のような酵母、またはチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞のような哺乳類の細胞系列を含む。
形質転換された宿主細胞とは、IL−7またはその誘導体の構造遺伝子のヌクレオチド配列で形質転換したまたはトランスフェクトさせた細胞のことである。宿主細胞または宿主細胞への挿入された遺伝子の構築物の性質に依存して、発現したIL−7ポリペプチドは宿主細胞の中に存在し、および/または培養上清中に分泌される。
原核生物の宿主細胞にトランスフェクトさせる発現ベクターには1つ以上の表現型として現れる選択マーカーが一般には含まれる。表現型として現れる選択マーカーとは例えば、抗生物質に対する耐性を与える、または自主栄養の要求を提供するタンパクをコードする遺伝子および宿主内での増殖を保証するための宿主が認識できる複製起源である。原核生物の宿主細胞のための他の有用な発現ベクターには市販されているプラスミドに由来するバクテリアを起源とする選択マーカーが含まれる。この選択マーカーはクローニングベクターであるpBR322(ATCC37017)の遺伝子の成分を含めることができる。pBR322はアンピシリンおよびテトラサイクリン耐性のための遺伝子を含んでおり、形質転換した細胞を同定する簡単な方法を提供する。pBR322の「骨格」の部分を適当なプロモーターおよびIL−7の構造遺伝子の配列に結合させる。他の市販されているベクターには例えば、pKK223−3(ファルマシア ファイン ケミカルズ(Pharmacia Fine Chemicals)、ウプサラ(Uppsala)、スウェーデン)およびpGEM1(プロメガバイオテック(Promega Biotec)、マジソン(Madison)、ウィスコンシン州、アメリカ合衆国)が含まれる。
原核生物を宿主細胞とする組換え発現ベクターを使用するためにプロモーター配列を一般に使用する。よく用いられるプロモーター配列は、β−ラクタマーゼ(ペニシラーゼ)、ラクトースプロモーター系(チャン(Chang)ら、Nature 275巻:615ページ,1978年;およびゲーデル(Goeddel)ら、Nature 281巻:544ページ,1979年)、トリプトファン(trp)プロモーター系(ゲーデル(Goeddel)ら、NuclAcidsRes巻:4057ページ、1980年;およびEPA36,776)およびtacプロモーター(マニアチス(Maniatis)、Molecular Cloning Laboratory Mauual,コールド スプリング ハーバー ラボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratory)412ページ,1982年)を含む。特に有用な原核生物を宿主細胞とする発現系はファージλPLプロモーターおよびcI857tsの熱に不安定なリプレッサー配列を用いたものである。λPLプロモーターの誘導体を寄託されているアメリカンタイプカルチャーコレクションから入手できるプラスミドは、プラスミドpHUB2(大腸菌菌株JMB9中に導入してある(ATCC37092))およびpPLc28(大腸菌RR1中に導入してある(ATCC53082))が含まれる。
同種の哺乳類のIL−7ポリペプチドおよび誘導体のポリペプチドを酵母の宿主細胞、好ましくはサッカロマイセス(Saccharomyces)属(例えばS.セレビジアエ(cerevisae))のイーストの宿主細胞中で発現させることができる。ピチア(Pichia)またはクルイベロマイセス(Kluyveromyces)のような他の属のイーストも使用できる。酵母のベクターには、2μ酵母プラスミドに由来する複製起源の配列、自律的複製配列(ARS)、プロモーター部分、ポリアデニル化のための配列、および転写終結のための配列がしばしば含まれる。酵母ベクターには複製起源のための配列および選択マーカーが含まれるのが好ましい。酵母ベクターのための適当なプロモーター配列には、メタロチオネイン、3−ホスホグリセリン酸キナーゼのプロモーター(ヒンツェマン(Hintzeman)ら、BiolChem255巻:2073ページ,1980年)、エノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸、デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、3−ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、およびグルコキナーゼのような他の解糖の酵素のプロモーター(ヘス(Hess)ら、AdvEnzymeReg巻:149ページ、1968年;およびハランド(Holland)ら、Biochem17巻:4900ページ,1978年)が含まれる。酵母での発現において使用する他の適当なベクターおよびプロモーターはヒッツェマン(Hitzeman)、EP−A−73,657中にさらに記載されている。
例えば、大腸菌中での選択および複製のためのpBR322に由来するDNAの配列(Ampr遺伝子および複製起源)を用いて、酵母ベクターを組み立てることができる。酵母中での発現のための構築物に含めることができる他の酵母のDNA配列は、グルコースによって抑制できるADH2プロモーターおよびα−因子分泌リーダーを含む。ADH2プロモーターは、ラッセル(Russell)ら、(BiolChem258巻:2674ページ、1982年)およびベイアー(Beier)ら(Nature 300巻:724ページ、1982年)に記述されている。イーストα−因子先頭配列によって外来のポリペプチドの分泌を促進する。プロモーター配列および構造遺伝子配列の間にα−因子先頭配列をしばしば挿入する。例えば、クルヤン(Kurjan)ら、Cell 30巻:933ページ,1982年;およびビター(Bitter)ら、ProcNatlAcadSciUSA 81巻:5330ページ,1984年の文献を見よ。1つ以上の制限サイトを導入するために先頭配列の3’末端付近を修飾できる。これによって先頭配列を構造遺伝子に容易に結合させることができる。
当業者は酵母を形質転換させる技術を知っている。1つのそのようなプロトコールは、ヒネン(Hinnen)ら、ProcNatlAcadSciUSA 75巻:1929ページ,1978年の文献に記述されている。ヒネン(Hinnen)らのプロトコールでは選択培地中でTrp+形質転換体を選択するものであり、その際、選択培地は0.67%酵母窒素塩基、0.5%カザミノ酸、2%グルコース、10μg/mlアデニンおよび20μg/mlウラシルから成る。
ADH2プロモーター配列を含むベクターによって形質転換された酵母の宿主細胞を、発現を誘導するために「栄養の豊富な」培地中で生長させてよい。栄養の豊富な培地の例は、80μg/mlアデニンおよび80μg/mlウラシルを添加した1%酵母エキス、2%ペプトン、および1%グルコースから成る培地である。培地からグルコースが消費されつくすと、ADH2プロモーターの作用は抑制される。
組換えIL−2ポリペプチドまたはその誘導体を発現させるために、哺乳類または昆虫の宿主細胞の培養系も使用できるだろう。適当な哺乳類の宿主細胞系列の例は、サル腎細胞のCOS−7系列(グルツマン(Gluzman)、Cell 23巻:175ページ,1981年)、C127細胞、3T3細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ヒーラ細胞、およびBHK細胞系列を含む。適当な哺乳類の発現ベクターには、複製起源、プロモーター配列、構造遺伝子に連結させたエンハンサーのような非翻訳成分、リボーゾーム結合サイト、ポリアデニル化サイト、スプライシングのためのドナーおよびアクセプターサイト、および転写終結配列のような他の5’または3’に近接する非翻訳配列が含まれる。
哺乳類を宿主細胞とする発現ベクター中で転写または翻訳を制御する配列をウイルス源から入手できる。例えば、哺乳類の細胞のためのよく用いられるプロモーター配列およびエンハンサー配列はポリオーマ、アデノウイルス2、シミアンウイルス40(SV40)、およびヒトサイトメガロウイルスに由来する。例えばSV40複製起源、初期および後期プロモーター、エンハンサー、スプライシングサイトおよびポリアデニル化サイトのようなSV40ウイルスのゲノムに由来するDNA配列を、哺乳類の宿主細胞において構造遺伝子の配列を発現させるときに必要な他の遺伝子の成分を提供するために使用してよい。ウイルスの初期および後期プロモーターは、ウイルスの複製起源も含むかもしれない断片としてウイルスのゲノムから簡単に得られるので(フィアーズ(Fiers)ら、Nature 273巻:113ページ,1978年)、これらは特に有用である。SV40ウイルスの複製起源中に位置するHindIIIサイトからBglIサイトへ伸びる約250bpの配列を含むならば、より小さなまたはより大きなSV40の断片も用いてよい。
さらには、同種の哺乳類のゲノムのIL−7プロモーター、制御および/またはシグナル配列を利用してよいのだが、ただしそのような制御配列は選択した宿主細胞と組み合わせて不都合がないときに利用できる。典型的なベクターはオカヤマ(Okayama)およびバーグ(Berg)によって発表されたように(MolCellBiol巻:280ページ,1983年)構築できる。
IL−2ポリペプチドおよびそのポリペプチド誘導体およびIL−4ポリペプチドおよびそのポリペプチド誘導体は、IL−7ポリペプチドについて本明細書中で記載したものとほぼ同じ方法で、生産できる。さらにIL−2誘導体は、IL−2レセプターのアゴニストとして作用できる非ペプチド性の化合物を含む。IL−2レセプターは例えば、1984年7月2日に出願された米国特許出願第626,667号および1988年9月23日に公告されたヨーロッパ特許出願第EP−A−0162699号に記述されており、この言及により前者の内容は本明細書中に含まれるものとする。
哺乳類のDLNまたはCLN細胞は、正常な培養条件下では7から10日を越えて細胞培養中の試験管内で生き残ることはできない。IL−7ポリペプチドまたはその誘導体を培養培地に加えることにより、同一のまたは類似の培養条件下で長期間生き残れるようになり、10日を越えてよく生長できるようになる。さらには、同種のIL−2ポリペプチドまたはその誘導体またはIL−4ポリペプチドまたはその誘導体をさらに加えても、細胞の生存を伸長させるIL−7の効果を抑止しない。マウスのDLNの培養にマウスIL−2を加えると、細胞の長期間の生存は伸長したが、顕微鏡で観察すると、細胞は不健康で、見た目には凝集しているように見える。さらには、培養時間を伸ばすためにIL−2のみを用いて生体外で培養したDLN細胞は有意なCTLまたはLAK活性を示さず、加えるべきサイトカインとして最少のIL−7を用いて長期間の培養中で維持したDLN細胞は対照的である。さらに、有糸分裂を不活性化した腫瘍細胞群を、IL−7ポリペプチドが存在するカルチャーに添加しても、逆にDLN細胞の生存には影響しない。実際、DLSは細胞培養中に、特異抗原を提示する添加された腫瘍細胞に対してしばしば細胞溶解性であり、有糸分裂を阻害された特異腫瘍細胞の添加がDLN細胞の培養中の生存を培養されたDLN細胞の増殖を誘導することによって強めることを見いだ出した。
増殖した哺乳類の細胞溶解性のTリンパ球は、特定の抗原を提示している細胞(例えば、腫瘍細胞)に対して特異的な溶解性をもっている。細胞溶解性のT細胞は、特定の抗原に予めさらした排膿しているリンパ節または他の供給源(例えば抹消血液または脾臓)から得る。IL−7ポリペプチドまたはその誘導体を含む培養培地へ生体外でさらした後に、細胞溶解性T細胞は活性化された状態になり、特定の抗原を提示する標的細胞に対する溶解の特異性を保持する。培養培地中にIL−7またはその誘導体を存在させてインキュベートして活性化させて増殖させたCLN細胞の溶解活性は、培養培地中にIL−2ポリペプチドを加えてインキュベートした同じ細胞よりもかなり強い。IL−7の存在下でインキュベートしたCLN細胞はCD8+LAK活性を示す。しかし特定の抗原を認識するT細胞が好ましい。IL−7ポリペプチドの存在下でインキュベートしたそのような細胞の長期間の培養によって、LAK(リンフォカインによって活性化されたキラー)活性を最小にして、そして特定の抗原を提示している標的細胞(例えば、腫瘍細胞、ウイルスに感染した細胞またはウイルス)に対して特異的なCTL活性が支配的になる。CD8陽性リンパ球とともにNK細胞が媒介するとLAK活性は、IL−2の活性化に特有であり、IL−2によって活性化されたリンパ球の主要な活性である。本発明のIL−7によって活性化された細胞溶解性のT細胞は、腫瘍細胞のような標的細胞に対する抗原の特異性によって特徴づけられる、主要なCTL活性をもつ。IL−2ポリペプチドまたはその誘導体および/またはIL−4ポリペプチドまたはその誘導体を培養培地へさらに加えることでCTL活性が増強される。しかし、IL−2および/またはIL−4をさらに加えることで増強される治療的な効果は最小である(例えば、2倍)。さらに有糸分裂を阻害した特定の腫瘍細胞をさらに加えることで、細胞溶解性のTリンパ球を培養中で増殖させるのを促進するための特定の抗原の供給源を提供することができる。これによって培養におけるDLN細胞のCTL活性をさらに増強させることができる。
リンパ球を特定の抗原へさらす機会を与えた後に、個体から同系の抹消リンパ球(例えばDLN細胞)を得る。そのような細胞を、例えば、腫瘍またはウイルスが感染した場所で排膿しているリンパ節のような、排膿しているリンパ節から得ることができる。抹消リンパ球は、例えば、排膿しているリンパ節を吸引または除去してさらに切開することによって得てよい。排膿しているリンパ節から得たリンパ球を、ふるいのような機械的な手段によってリンパ球の単一の細胞懸濁液へ入れてよい。望ましくない繊維芽細胞を除去するために細胞を細胞選別機で分類して、次にIL−7ポリペプチドまたはその誘導体を含む培養培地へ入れてよい。
排膿しているリンパ節から得た細胞は一般に、特定の抗原に予めさらしたT細胞の集団を含む。標準的な培養培地(例えば、RPMI1640、1mMピルビン酸ナトリウム、2mMグルタミン、0.1mM非必須アミノ酸、50u/mlペニシリン、50u/mlストレプトマイシン、10%胎児の牛の血清、および5×10-5M2−メルカプトエタノール)を細胞へ加える。標準的な培養培地の別の例は最小必須培地である。加湿したインキュベーター中で、空気中で6%のCO2、約37℃のような、培養条件は細胞の生存および増殖に最適なものである。
IL−7ポリペプチドまたはIL−7の生物学的な活性をもつその誘導体を培養培地へ加える。加えるIL−7ポリペプチドの量は、培養するリンパ球中でCTL活性を誘導するのに十分な量にする。培養培地へ加えるヒトIL−7の量は約2.5ng/mlから約20ng/mlまでが好ましい。加えるIL−7ポリペプチドの量は約10ng/mlであることが最も好ましい。培養中での細胞の生存を増強させて、そしてCTL活性化を増加させるために、他の化合物を培養培地へ加えることができる。培養培地へ加えるIL−7誘導体の量は誘導体の比活性に依存している。例えば、野生型のヒトIL−7とほぼ等しい有効性のある誘導体の場合には、重量を基準にして濃度になるように加えるだろう。他の化合物は、同種のIL−2ポリペプチドまたはその誘導体および/または同種のIL−4ポリペプチドまたはその誘導体、および/または抗定の抗原をもつ有糸分裂を阻害させた腫瘍細胞の集団を含む。加えるサイトカインの培養での濃度は、IL−2においては、約0.5から約20ng/mlまでが好ましく、IL−4においては約1から約20ng/mlまでが好ましい。
同種のIL−2ポリペプチドまたはその誘導体は、IL−2の生物学的な活性を示す任意のポリペプチドまたは他の有機分子である。IL−2の生物学的な活性は、IL−2レセプターのポリペプチドに特異的な生物種への結合能力によって特徴づけられる。IL−2の生物学的な活性は、CTLLまたはHT2細胞の試験管内での増殖の刺激によって測定することもできる。CTLLおよびHT2の両細胞系列の生存は、培地中でのIL−2活性の存在が依存する。
有糸分裂を阻害させた腫瘍細胞の集団から、リンパ球に予めさらしたのと同じ特異性の抗原が生産される。有糸分裂の阻害とは、腫瘍細胞は「生きている」が(すなわち細胞の代謝および呼吸は可能である)、しかし細胞分裂およびコロニーの生長は実質的に不可能であることを意味する。したがって、有糸分裂を阻害した腫瘍細胞は、細胞溶解性のTリンパ球および他の細胞の型を培養中で圧倒するまたは過剰に生長させる能力はもたず、培養培地への特定の抗原の供給源となる。
本明細書中で記述した培養条件下で生長させた本発明の細胞は、加えるべきIL−7の生物学的活性を加えなかったときよりも、IL−7ポリペプチドまたはその誘導体を培養培地に存在させたときに、かなりより長期間の生存ができる。培養したリンパ節細胞またはTリンパ球は、加えるべきIL−7の生物学的な活性を加えなかったときには最適な培養条件下でせいぜい7から10日間は試験管内で生存することができるのみである。対照的に、同じ細胞がIL−7の生物学的な活性の存在下で少なくとも18週間は連続して培養できる。図19に印刷した写真は、マウスIL−2、マウスIL−7またはマウスIL−2およびマウスIL−7の組み合わせの存在下で培養したマウスDLNの9週間後の培養の顕微鏡写真を示す。IL−7の存在下で(IL−2の存在下または非存在下で)培養した細胞のみが活動的なままであり、培養のウエルの基部へ付着するための仮足をより多く示し、より特異的な(すなわち抗原に特異的な)細胞溶解性の活性を維持した。IL−2またはIL−2を加えずに培養した細胞は生存できず、研究できないだろう。
排膿するリンパ節から得て、生体外で培養した細胞の集団はCTL活性を示し、特定の抗原をもつ細胞に向けられたCD8陽性T細胞によって、およびNK細胞に特徴的な(非特徴的な溶解活性によって媒介される)非特異的なLAK活性を相対的に欠損していることによって特徴づけられる。CTL活性は、特定の抗原を提示するこれらの細胞にのみ向けられた溶解活性を示す、抗原特異的な細胞溶解性のT細胞によって媒介されると考えられている。CTL活性は標的細胞または抗原に特異的なので、LAK活性よりもより好ましい溶解活性の型である。したがって、CTL活性をもつ細胞を用いた免疫療法では、非特異的なLAK活性をもつ細胞を用いたときの同等の溶解活性を利用するよりも副作用をより低くすることができるだろう。
IL−7ポリペプチドまたは生物学的に活性のあるその誘導体を生物学的に効果のある量で存在させて培養して活性化させた培養したTリンパ球を選定免疫療法の型で個体へ投与する。生体外で細胞内のCTL活性を活性化させるために用いた特定のサイトカイン(例えばIL−7およびあるいはIL−4および/またはIL−2)を細胞とともに投与することができる。サイトカインの1日当たりの投与量は、IL−2の場合には約10から約2000μg/kg/日、IL−4およびIL−7の場合には約4から約1000μg/kg/日を含むことが好ましい。IL−2の1日当たりの投与量は3回の投与に分け、IL−4およびIL−7の場合には2回に(bid)分けるのが1番好ましい。
リンパ球細胞は、IL−7ポリペプチドまたはその誘導体の存在下で少なくとも4日間培養して活性化させることが必要である。活性化させた細胞の集団を個体へ静脈注射によって、または腫瘍の部位へ直接注射によって投与する。活性化させた細胞の集団を他の可能な投与方法を用いて投与してもよい。
特定の抗原を提示する細胞は、CTL活性の標的である。特定の抗原は、例えば、腫瘍細胞の特定の集団によって提示される抗原であり、または、ウイルスに感染された宿主細胞の集団によって提示されるウイルスの抗原である。既知の腫瘍の抗原の例にはMethA、腫瘍A5、およびP815腫瘍A5が含まれ、既知のウイルスの抗原にはインフルエンザ、ワクシニア、およびリンフォコリオメニンギチスウイルスが含まれる。特定の抗原を提示する細胞は活性化させたリンパ球のCTL活性の標的細胞になる。
以下の例では、本発明の様々な面を説明することをめざした。
実施例1
この例では、DLNの試験管内の培養培地へIL−7ポリペプチドを加えたときの効果を説明する。培養培地へのIL−7の投与は、試験管内での抗腫瘍CTL活性、および生体内での抗腫瘍の治療の効力を増強する。CH3マウスへ3×106個の1024腫瘍細胞を注射した。10日後に無菌条件下で排膿しているリンパ節(DLN)を手術して取り出して、分離した単一の細胞懸濁液とし、組織培養中へ置いた。1988年10月7日に出願された米国特許出願第07/255,209号に記述されたように、組換えヒトIL−7を培養培地中に0(コントロール)、2.5,10,および20ng/mlの濃度で加えた。なお、前述の特許出願の内容はこの言及によって本明細書中に含まれるものとする。1024腫瘍に予めさらさなかったCH3マウスから得たコントロールのリンパ節(CLN)細胞を同時に培養したものを同じ培養培地へ置いた。
培養を始めてから4日後に、試験管内での細胞溶解活性について培養の一部分をアッセイした。リンチ(Lynch)ら、Immunol136巻:1521ページ,1986年の文献に記述されているように、細胞溶解活性は6時間の51Cr−放出アッセイによって決定した。20ng/mlのIL−7を用いて培養したCLN細胞は、IL−7によって誘導されて残存するネズミLAK活性に一致したわずかなそして「適度な」細胞溶解活性を示した。培地のみで培養したDLN細胞は、培養培地へ加えるべきIL−7を加えなかったときの抗腫瘍細胞溶解活性を示した。しかし、細胞溶解活性は、培養培地へのIL−7の添加によってかなり増強された。細胞溶解のデータを図1に示す。図1では、IL−7なしで培養したCLN、20ng/mlのIL−7を用いて培養したCLN、IL−7なしで培養したDLN、および異った濃度のIL−7を用いて培養したDLNについての、標的細胞に対するエフェクター細胞のいくつかの比における細胞溶解活性(すなわち、溶解のパーセント)を比較する。IL−7を用いて培養したDLNは、標的細胞に対するエフェクターの全ての比において最も大きい溶解活性を示した。
培養した細胞の生体中での効力は、数を数えたDLN細胞(1×106,3×106,または6×106細胞)を、IL−7の存在下または非存在下で培養してCH3マウスの集団(1集団当たり4匹のマウス)へ選定的に(静注によって)移すことによって決定した。もともと備わっている初期免疫応答を起こさせないために、マウスに予め致死量に近いの量の(500ラド)の放射線を照射した。コントロールのマウス(500ラドを照射した)には細胞を注射しないまたは20ng/mlのIL−7の存在下または非存在下の培養培地中で4日間培養した6×106個のCLN細胞を注射した。全ての処理をする集団のマウスには5×105個の生存能力のある1024腫瘍細胞を皮内へ注射して免疫性をテストした。腫瘍の生長速度を、腫瘍の大きさ(mm2)を測定することで、その後の36日間以上の期間にわたって決定した。
腫瘍の攻撃は、細胞を注射しなかった、または20ng/mlのIL−7を用いて培養した6×106個のCLN細胞を注射した、放射線を照射したマウスにおいて同じ速度で生長した(図2)。IL−7の非存在下で培養した、1×106,3×106または6×106個のDLN細胞を注射したマウスにおいては腫瘍の生長速度がかなりより遅かったが、しかし腫瘍細胞は検出されなかった(図2)。20ng/mlのIL−7中で培養した3×106または6×106個のDLN細胞を注射したマウスでは、全ての例において腫瘍の攻撃を拒絶することが明らかになった。20ng/mlのIL−7中で培養した1×106個のDLN細胞を注射したマウスにおいては、培地のみで培養した6×106個のDLN細胞を注射したマウスと同じ速度で腫瘍の攻撃が生長した。これらのデータは、IL−7の非存在下で培養した同じDLN細胞よりも、IL−7を用いて培養したDLN細胞は約6倍の生体内での治療効果があることを示している。
図3および図4には、培養培地にそれぞれ10ng/mlおよび2.5ng/mlのIL−7を含めたときの同じ腫瘍の生長速度を観察したときの結果を示す。これらのデータ(図1−4中の)は、抗腫瘍性の細胞溶解性Tリンパ球(CTL)の活性を用いた治療の効力は、培地のみでDLN細胞の培養と比較して、IL−7を含む培養培地中でのDLN細胞の生体外での培養によって約6倍に増強される。20ng/mlのIL−7を用いて培養したCLN細胞を注射したマウスでは、IL−7の非存在下で培養したCLN細胞を注射したコントロールのマウスと同じ速度で腫瘍の攻撃が生長したので、DLN細胞を培養したときに用いたIL−7の生体内での抗腫瘍の効果を、IL−7が誘導した非特異的なLAK活性のためであるとは考えられない。
実施例2
この例では、細胞溶解性のT細胞を生体外で培養する際に、IL−7ポリペプチドとともに培養培地へIL−2ポリペプチドを加えるときの効果を説明する。実施例1で記述したように、DLNおよびCLNをCH3マウスから得た。8日前にDLN細胞を2×106個の生存能力のある1024腫瘍細胞へさらした。DLNおよびCLN細胞を分離して単一な細胞懸濁液にして、完全RPMI1640培地中で培養した。培養培地には、(A)加えるべきサイトカインを加えないコントロール培地、(B)2ng/ml IL−2、(C)20ng/ml IL−7、(D)10ng/ml IL−7、(E)2ng/ml IL−7、または(F)2ng/ml IL−2+10ng/ml IL−7の中の任意の1つを補った。実施例1で記述したように、培養を始めてから4日後に、6時間の51Cr放出アッセイを用いて各培養から採った細胞の一部分を、抗腫瘍性の細胞溶解活性についてアッセイした。
図5には、サイトカインを含まない培地中で培養したCLN細胞を用いると、抗腫瘍性のエフェクター細胞の活性が検出されず、そして2ng/mlのIL−2を含む培地中で培養したCLN細胞を用いると、低いレベルのLAK活性が検出されたことを示す。培地のみで培養したDLN細胞を用いると抗腫瘍性のCTL活性があり、そして2ng/mlのIL−2(B)を培養培地へ加えたときに、このCTL活性はかなり増強された(図5)。
生体内での治療の効力は、実施例1と同じ方法で1024腫瘍の大きさを測定することによって測定した。図6には、加えるべきサイトカインを加えない培地中で生長させたCLN細胞および2ng/mlのIL−2(B)を用いて生長させたCLN細胞を注射したマウスでは、細胞を注射しなかったコントロールの放射線を照射したマウスと同じ速度で腫瘍の攻撃が生長したことを示す。図6では、この実験において、サイトカインの非存在下で培養した6×106個のDLN細胞では、コントロールの集団と同じ速度で腫瘍が生長したので、培養したDLN細胞の治療の効力は無視できたことをさらに説明している。より少ない数のコントロールのDLN細胞を注射したマウスでは、コントロールの集団で観察されたのと同じ速度で、またはコントロールの集団で観察されたよりも速く、腫瘍の攻撃が生長した。IL−2(2ng/ml)を用いて培養したDLN細胞では、コントロールの集団よりも腫瘍の攻撃の生長は遅かった(図6)。
図7,9および11では、2,10または20ng/mlのIL−7のそれぞれを含む培地中で培養したDLN細胞では、培地のみで培養したDLN細胞と比較して、抗腫瘍性の細胞溶解活性が著しく増強されたことを示す。(数を数えたエフェクター細胞を注射したマウスにおける腫瘍の生長速度によって決定した)DLN細胞集団の生体内での治療の効力は、2ng/mlのIL−7および10ng/mlのIL−7を用いて培養したDLN細胞を使用すると約6倍に、そして20ng/mlのIL−7を用いて培養したDLN細胞を使用すると約12倍に増強されることが見い出された(図8,10および12を見よ。)。10ng/mlのIL−7および2ng/mlのIL−2中で培養したCLN細胞は、生体内での任意の検出できる治療効果を媒介しなかったが、試験管内での重要な腫瘍殺傷性のLAK活性をもつことが明らかになった(図13)。10ng/mlのIL−7および2ng/mlのIL−2中で培養したDLN細胞では、培地のみで培養したDLN細胞と比較して、治療の効力が12倍に増強されるのが明らかになった(図14)。
これらのデータは、4日間の生体外での培養期間中にDLN細胞の集団から生じる抗腫瘍性のCTL活性による治療の効力は、IL−7またはIL−7を主としてIL−2を加えた組み合わせを含む培養培地中でDLN細胞を培養することによって、約6倍から約12倍までに増強できることを説明している。しかし、加えるべき唯一のサイトカインとしてIL−2を用いて(IL−7を用いずに)培養培地中で培養したDLN細胞は、生体内でわずかにより強い治療上の活性を示した。2ng/mlのIL−2または10ng/mlのIL−7および2ng/mlのIL−2中で培養したCLN細胞の投与では、細胞で処理しなかった、またはサイトカインの非存在下で培養したCLN細胞で処理した、放射線を照射したコントロールのマウスと同じ速度で腫瘍の攻撃が生長したので、治療の効力の増加はLAK活性のためとは考えられない。
実施例3
この実施例では、長期間の培養条件下で維持したDLNおよびCLN細胞によって与えられる抗腫瘍性のCTL活性を説明する。B10マウスにB10.5腫瘍細胞を注射した。9日後にDLN細胞を得た。B10.5腫瘍細胞にさらさないB10マウスからCLN細胞を同時に得た。リンパ球を単一な細胞の懸濁液中に置き、そして4日間完全RPMI1640培地中で培養した。加えるべきサイトカインを加えない培養条件で4日間培養した後に、示したような加えるべきサイトカインおよび/または有糸分裂を阻害した腫瘍細胞を用いた異なる培養条件へDLN細胞を移した。有糸分裂を阻害した腫瘍細胞は加えるが、加えるべきサイトカインを加えずにインキュベートしたDLN細胞の培養は、過剰に生長して腫瘍細胞になった。逆に、加えるべきIL−7および有糸分裂を阻害した腫瘍細胞およびあるいは他のサイトカインを用いてインキュベートしたDLN細胞の培養はDLN細胞の培養のままだった。特異的なB10.5腫瘍細胞および交差反応性のないB10.2腫瘍細胞系列を用いた、実施例1および2と同じ方法で、腫瘍の大きさを測定することによって、生体内での抗腫瘍の効力を決定した。
図15には、DLN細胞はB10.5腫瘍細胞の攻撃を拒絶したが、B10.2腫瘍の攻撃を拒絶しなかったことを示す。期待されたように、CLN細胞は、いずれの腫瘍細胞系列の拒絶も媒介しなかった。
B10マウスから得た細胞で長期間のDLNおよびCLN培養を確立した。(2000ラドで)放射線を照射したB10.5の特異的な腫瘍細胞を各培地へ、応答細胞:刺激細胞の比が5:1になるように加えた。培養培地はサイトカインの補給、または5ng/mlのIL−2、10ng/mlのIL−7または10ng/mlのIL−7及び2ng/mlのIL−2の補給のいずれかをなされなかった。照射腫瘍細胞を各DLN培養へ添加した。放射線の照射量(2000ラド)は、腫瘍細胞の有糸分裂を完全に阻害するためには不十分である。加えるべきサイトカインを加えないDLNの培養は完全に過剰な生長をして腫瘍細胞になった。ある方法でサイトカインを加えた他のDLN培養では、加えた腫瘍細胞を殺して、増殖を続けた。サイトカインを同じ濃度で用いてDLN培養を維持したが、しかし、放射線を照射した腫瘍細胞を用いた後の試験管内での刺激は行わなかった。
加えるべきサイトカインを加えたDLN培養を5週間続けて、そして試験管内での細胞溶解活性についてアッセイした。図16で、培養を始めてから5週間後の全ての場合に、抗腫瘍性の特異的なCTL活性が検出されたことを示す。B10.2(非特異的な)腫瘍細胞を用いて攻撃したときに、細胞溶解活性は検出されなかった。これらのDLN細胞の集団のフローサイトメトリック分析(図17)から、これらはCD8+T細胞が支配的であることがわかった。
長期間の培養で維持したDLN細胞が生体内での腫瘍の拒絶を媒介できるかどうかを決定した。同系のB10マウスに500ラドの放射線を照射した。長期間(5週間)のDLN細胞(2×106細胞)の培養を静脈注射で、放射線を照射したマウスへ投与した。皮内注射によって投与した5×105個の腫瘍細胞でマウスを攻撃した。腫瘍の生長は、腫瘍の大きさを測定することで決定した。B10.5(特異的な)またはB10.2(非特異的な)腫瘍細胞を攻撃に用いた。IL−7を含む培養培地中で維持したDLN細胞のみが、特異的な(すなわち、B10.5)腫瘍の攻撃を拒絶できたが、しかし非特異的な(すなわち、B10.2)腫瘍の攻撃は拒絶できなかった(図18)。培養培地へさらにIL−2を加えても、IL−7の有益な効果を損わなかった。
これらのデータは、治療上有効な抗腫瘍性のCTL活性は、IL−7単独で、またはIL−7およびIL−2の組み合わせを含む培養培地中で生体外で時間を延長して(少なくとも5週間)維持することができることを示す。IL−2のみを含む培地中で培養したDLN細胞は、生体内での免疫療法の効力をテストするのに十分な程度までのリンパ球の生長を維持できなかったので、最も重要な要素は、IL−7を培養培地中へ加えることのように見える。

Claims (5)

  1. 細胞溶解性Tリンパ球(CTL)活性を有するリンパ球細胞を有効成分として含む、特異的抗原を提示する特定の腫瘍細胞によって形成される癌を有する個体を治療するための免疫療法的方法に使用するための抗癌剤であって
    ここにおいて、前記リンパ球細胞は、該リンパ球細胞中にCTL活性を誘導するのに十分な量のインターロイキン−7(IL−7)ポリペプチドまたはIL−7活性を有するそのポリペプチド誘導体を含む培養培地中で生体外(ex vivo)で培養することによって生産することができる;前記リンパ球細胞は、前記特定の腫瘍から腫瘍部位又はウイルス感染部位を排膿する末梢排膿リンパ節、あるいは、前記特定の腫瘍からの腫瘍部位又はウイルス感染部位の下流の排膿リンパ節、から予め得られたものである(ヒトに前記特異的抗原を投与し、当該ヒトから得られたリンパ球細胞を除く)
    前記抗癌剤。
  2. 抗腫瘍有効量のIL−7ポリペプチドまたはIL−7活性を有するそのポリペプチド誘導体をさらに含む、請求項1に記載の抗癌剤。
  3. 細胞溶解性Tリンパ球(CTL)活性を有するリンパ球細胞の生体外(ex vivo)での集団を有効成分として含む、特異的抗原を提示する特定の腫瘍細胞によって形成される癌を有する個体を治療するための免疫療法的方法に使用するための抗癌剤であって、
    ここにおいて前記細胞の集団は、前記特定の腫瘍から腫瘍部位又はウイルス感染部位を排膿する末梢排膿リンパ節、あるいは、前記特定の腫瘍からの腫瘍部位又はウイルス感染部位の下流の排膿リンパ節、から予め得られたリンパ球(ヒトに前記特異的抗原を投与し、当該ヒトから得られたリンパ球細胞を除く)を得ること;そしてリンパ球細胞中でのCTL活性を誘導するのに十分な量のインターロイキン−7(IL−7)ポリペプチドまたはIL−7活性を有するそのポリペプチド誘導体を含む培養培地中でリンパ球細胞を生体外(ex vivo)で培養することを含む方法によって生産することができる、
    前記抗癌剤。
  4. 培養培地中のIL−7ポリペプチドまたはIL−7活性を有するそのポリペプチド誘導体の濃度が2ng/mlから20ng/mlである、請求項3に記載の抗癌剤。
  5. インターロイキン−2(IL−2)ポリペプチドまたはIL−2活性を有するそのポリペプチド誘導体、インターロイキン−4(IL−4)ポリペプチドまたはIL−4活性を有するそのポリペプチド誘導体、有糸分裂を不活性化した特定の腫瘍細胞の集団、またはこれらの組み合わせである、有効量の細胞溶解刺激物質を培養培地にさらに含む、請求項3または4に記載の抗癌剤。
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