JPH07236474A - 活性化t細胞の製造法およびそのための培地 - Google Patents

活性化t細胞の製造法およびそのための培地

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JPH07236474A
JPH07236474A JP6033884A JP3388494A JPH07236474A JP H07236474 A JPH07236474 A JP H07236474A JP 6033884 A JP6033884 A JP 6033884A JP 3388494 A JP3388494 A JP 3388494A JP H07236474 A JPH07236474 A JP H07236474A
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JP6033884A
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Tadao Okamoto
忠雄 岡元
Kikuo Nomoto
亀久雄 野本
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 抗CD3抗体、LPS刺激B細胞およびリン
ホカインの存在下で、リンパ球を培養して、活性化T細
胞を得る。 【効果】 例えばCD4+ 、CD8+ (活性化)T細胞
などの活性化T細胞が効率よく、しかも大量に製造され
る。したがって、活性化T細胞を利用した療法の臨床へ
の応用の途が開けたことになる。すなわち、該療法によ
る感染防御、抗アレルギー、癌転移抑制、癌療法補助と
しての利用が大いに期待できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、活性化T細胞の製造法
およびそのための培地に関し、詳しくは感染防御剤、抗
アレルギー剤、癌転移抑制剤および癌療法補助剤などと
して有用な活性化T細胞を製造する方法、および該T細
胞を製造するための培地に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の免疫学の進歩に伴い、種々の免疫
担当細胞による免疫学的監視機構が明らかにされつつあ
り、該機構の機能を高めることによって、腫瘍細胞や日
和見感染細菌などの抗原を破壊する免疫療法が開発され
ている。例えば、患者から採取、分離されたリンパ球を
インターロイキン(IL)−2やIL−4の存在下で培
養して、リンホカイン活性化キラー(LAK)細胞を誘
導し、このLAK細胞を再び患者の体内に戻すLAK療
法(養子免疫法)が開発されている。
【0003】しかしながら、LAK細胞は、腫瘍細胞な
どの抗原に対して非特異的な細胞障害活性を示すので、
あまり治療効果を期待できないのが現状である。そこ
で、抗原非特異的なキラー細胞ではなく、抗原特異的な
活性化T細胞を用いて、LAK療法と同様の治療を行う
手法が注目されつつある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この活性化T細胞を用
いた療法では、大量にT細胞を活性化させることが重要
な要件であり、例えばLAK療法の場合と同様に、抗C
D(cluster differentiation )3抗体または高濃度
(50〜2,000 JRU/ml)のIL−2を用いて、リンパ
球を活性化T細胞に分化させる方法が知られている。
【0005】本発明者らは、上記の知見に基づいて、例
えばCD4+ 、CD8+ (活性化)T細胞などの活性化
T細胞の製造条件について検討を行った結果、上記の手
法では、効率よく該細胞を製造することが困難であると
判断した。そこで、本発明者らは、さらに効率よく該細
胞を製造できる方法を開発するために、鋭意研究を行っ
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく研究を重ねた結果、リンパ球の培養時に、
抗CD3抗体、LPS刺激B細胞およびリンホカインを
併用することにより、活性化T細胞が極めて効率よく増
殖することを見出し、さらに研究を重ねることによっ
て、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明の活性化T細胞の製造法
は、抗CD3抗体、LPS刺激B細胞およびリンホカイ
ンの存在下で、リンパ球を培養することを特徴とするも
のである。
【0008】また、本発明の活性化T細胞製造用培地
は、抗CD3抗体、LPS刺激B細胞およびリンホカイ
ンを含有することを特徴とするものである。
【0009】本発明において用いられる出発細胞である
リンパ球としては、末梢血リンパ球細胞(PBL)、リ
ンパ節細胞、腫瘍湿潤リンパ球、担癌(または腫瘍)局
所リンパ節細胞などが挙げられる。なお、本発明の製造
法により得られた活性化T細胞を患者に投与する場合に
は、該患者から採取されたリンパ球を用いることが望ま
しい。また、癌転移抑制剤および癌療法補助剤として使
用する場合には、標的となる腫瘍の局所リンパ節細胞を
培養することによって、腫瘍特異的な抗腫瘍効果を期待
できる。
【0010】抗CD3抗体は、CD3に対する抗体であ
れば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体のいず
れであってもよく、TCR(T cell receptor)αまた
はβchain に対する抗体でも代用できる。
【0011】LPS刺激B細胞とは、LPS(リポ多
糖)で刺激したB細胞であり、例えば腫瘍局所リンパ節
または脾臓細胞からB細胞画分を回収し、大腸菌由来の
LPS(1〜100 μg/ml)で1〜3日間程度培養する
ことによって、調製することができる。なお、ポリI:
CまたはIL−5などで活性化したB細胞(B細胞ブラ
スト)でも代用できる。さらに、Fc receptor および
costimulatory moleculeを発現しているヒトおよびその
他の種のB cell line、または遺伝子工学的にFc rec
eptor およびcostimulatory moleculeを発現させた細胞
株でも代用できる。
【0012】リンホカインとしては、マクロファージ遊
走阻止因子(MIF)、マクロファージ走化性因子(M
CF)、皮膚反応因子(SRF)、マクロファージ活性
化因子(MAF)、白血球遊走阻止因子(LIF)、好
中球走化性因子(NCF)、好酸球走化性因子(EC
F)、好塩基球走化性因子(BCF)、好酸球刺激促進
因子(ESP)、リンホトキシン(LT)、血管透過性
亢進因子(VPF)、幼若化因子(BFまたはMF)、
破骨細胞活性化因子(OAFまたはIL−1β)、γ−
インターフェロン(IFN−γ)などのエフェクターリ
ンホカイン、およびコロニー刺激因子(CSF)、IL
−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL
−6、IL−12、IL−2レセプター調節因子(AT
F)などの免疫調節性リンホカインが挙げられるが、特
にIL−2、IL−12およびIFN−γが望ましい。
これらリンホカインは、単独または二種以上を併用する
ことができる。IL−2およびIL−12は、末梢血か
ら分離したものでも、また遺伝子組換により調製したも
のでもよい。IFN−γは、細胞培養、遺伝子組換など
の手段により調製されたものを利用できる。
【0013】本発明の活性化T細胞の製造法は、抗CD
3抗体、LPS刺激B細胞およびリンホカインの存在下
で、リンパ球を培養することを特徴とし、例えば以下の
操作により行われる。まず、抗CD3抗体(0.1 〜1,00
0 μg/ml)およびLPS刺激B細胞(104 〜108 個/
ml)を含む培地中にて、リンパ球(104 〜106 個/ml)
を1〜3日間程度培養する。培地中における抗CD3抗
体の添加量は、0.1 〜1,000 μg/ml、好ましくは0.1
〜100 μg/ml、より好ましくは0.5 〜5μg/mlであ
り、LPS刺激B細胞の添加量は、104 〜108 個/ml、
好ましくは105〜108 個/ml、より好ましくは5×106
〜5×107 個/mlである。
【0014】次に、リンホカインを含む培地で1〜10日
間程度培養する。リンホカインは、末梢血から分離され
たもの、または遺伝子組換により調製されたものを使用
することができる。リンホカインの配合量は、例えばI
L−2の場合、10〜1,000 JRU/ml、好ましくは10〜
100 JRU/ml、より好ましくは20〜50JRU/mlであ
り、IL−12の場合、0.1 〜1,000 U/ml、好ましく
は0.1 〜100 U/ml、より好ましくは1〜50U/mlであ
り、IFN−γの場合、0.1 〜1,000 IU/ml、好まし
くは10〜1,000 IU/ml、より好ましくは20〜500 IU
/mlである。
【0015】培養は、好ましくは炭酸ガスを3〜7容量
%含有する雰囲気中にて、36〜38℃で行う。
【0016】本発明の活性化T細胞製造用培地は、基本
培地に上記の抗CD3抗体、LPS刺激B細胞およびリ
ンホカインを含有する。抗CD3抗体、LPS刺激B細
胞およびリンホカインは、同時に全て含有される必要は
なく、抗CD3抗体およびLPS刺激B細胞を含む培地
を用いて、リンパ球を培養した後、リンホカインを該培
地に添加するか、あるいはリンホカインを含む培地で培
養してもよい。基本培地としては、最小基本培地(ME
M)、RPMI1640、ハムF12、ダルベッコ改変イーグ
ル培地(DMEM)、イスコフ改変イーグル培地(IM
DM)などを単独または混合して使用することができ
る。好ましくはRPMI1640が例示される。
【0017】基本培地に対して、その細胞増殖能をさら
に向上させるために、種々の公知成分を添加することも
できる。その具体例としては、インシュリン、トランス
フェリン、フェツイン、カタラーゼ、O−フォスホリル
エタノールアミン、エタノールアミン、亜セレン酸ナト
リウム、2−メルカプトエタノール、コルチコステロン
などが挙げられる。
【0018】インシュリンとしては、ヒト、ブタ、ヒツ
ジ、ウシ、ウマなど由来のもの、または組換体のいずれ
でも使用でき、その添加量は、1〜100 μg/ml、特に
10μg/ml程度が好ましい。トランスフェリンとして
は、ヒト、ウシ、ウマ、イヌ、マウス、モルモット、ウ
サギなど由来のものが使用でき、その添加量は、1〜10
0 μg/ml、特に10μg/ml程度が好ましい。フェツイ
ンとしては、例えばウシ由来のものが使用でき、その添
加量は、1〜100 μg/ml、特に10μg/ml程度が好ま
しい。カタラーゼとしては、例えばウシ、イヌ、マウ
ス、糸状菌など由来のものが使用でき、その添加量は、
2〜50μg/ml、特に30μg/ml程度が好ましい。O−
フォスホリンエタノールアミンまたはエタノールアミン
の添加量は、2〜200 μg/ml、特に20μg/ml程度が
好ましい。亜セレン酸ナトリウムの添加量は、10-10
10-7M、特に10-8M程度が好ましい。2−メルカプトエ
タノールの添加量は、10-9〜10-7M、特に10-8M程度が
好ましい。コルチコステロンの添加量は、10-9〜10
-6M、特に10-7M程度が好ましい。
【0019】本発明の培地を用いることによって、リン
パ球がCD4+ 、CD8+ (活性化)T細胞などの活性
化T細胞に分化、誘導される。活性化T細胞は、単独で
または公知の薬剤と併用して、ヒト、ウシ、ウマ、イ
ヌ、マウス、ラットなどの哺乳動物に対して、感染防
御、抗アレルギー、癌転移抑制などの作用を有する。併
用し得る公知の薬剤としては、IL−2、IL−12、
IFN−γなどが例示される。
【0020】活性化T細胞を含有する医薬組成物は、液
状製剤の形態で非経口的に投与され、疾病の進度または
病状に対して所望の治療的効果を生ぜしめるに十分な量
の活性化T細胞を含有しているべきである。本医薬組成
物は、感染防御剤、抗アレルギー剤、癌転移抑制剤また
は癌療法補助剤などとして有用である。本医薬組成物
は、必要に応じて、懸濁化剤、保存剤、pH緩衝剤、等
張剤、局所麻酔剤、抗生物質などが添加され、常法によ
り皮下、筋肉内、静脈注射剤を製造することができる。
【0021】以下に本発明の好ましい態様を列挙する。 1.本発明の活性化T細胞の製造法において、リンパ球
が、腫瘍局所リンパ節細胞である態様。 2.本発明の活性化T細胞の製造法において、リンホカ
インが、IL−2、IL−12およびIFN−γから選
ばれる少なくとも一種である態様。 3.本発明の活性化T細胞の製造法が、抗CD3抗体お
よびLPS刺激B細胞の存在下でリンパ球を培養した
後、リンホカインの存在下で培養する態様。 4.本発明の活性化T細胞の製造法が、104 〜106 個/
mlのリンパ球に対して、0.1 〜1,000 μg/mlの抗CD
3抗体と、104 〜108 個/mlのLPS刺激B細胞とを併
用し、10〜1,000 JRU/mlのIL−2、0.1 〜1,000
U/mlのIL−12および0.1 〜1,000 IU/mlのIF
N−γから選ばれる少なくとも一種を用いる態様。 5.本発明の活性化T細胞増殖用培地が、0.1 〜1,000
μg/mlの抗CD3抗体と、104 〜108 個/mlのLPS
刺激B細胞とを含み、10〜1,000 JRU/mlのIL−
2、0.1 〜1,000 U/mlのIL−12および0.1 〜1,00
0 IU/mlのIFN−γから選ばれる少なくとも一種の
リンホカインを含有する態様。 6.本発明の活性化T細胞の製造法により得られた活性
化T細胞を含有する医薬組成物。 7.上記医薬組成物が、感染防御剤、抗アレルギー剤、
癌転移抑制剤または癌療法補助剤用である態様。
【0022】
【実施例】以下、本発明をより詳細に説明するために実
施例および実験例を挙げるが、本発明はこれらによって
何ら限定されるものではない。
【0023】実施例1 無処置C57BL/6マウス由来のリンパ節細胞を抗C
D8モノクローナル抗体および抗HSA抗体で処理し
て、CD4+ T細胞を調製した。このCD4+ T細胞
(2×105 個/ml)を抗CD3モノクローナル抗体(1
μg/ml)と大腸菌由来のLPSで2日間刺激したB細
胞(2×105 個/ml)とを用いて、37℃で1日間培養す
ることにより刺激した。さらに、IL−2(20JRU/
ml)を添加して、37℃で7日間培養を続けた。なお、基
本培地は、10%FCS(fetal calf serum)加RPMI
1640培地を用いた(以下の実施例も同様)。その結果、
T細胞は総数19×105 個/mlに増殖し、その内訳はCD
+ T細胞が98%であり、CD8+ T細胞が2%であっ
た。
【0024】実施例2 無処置C57BL/6マウスにB16メラノーマを皮下
接種して、10〜15日後に腫瘍局所リンパ節細胞を回収し
た。このリンパ節T細胞(CD4が50%、CD8が45
%)2×105 個/mlを抗CD3モノクローナル抗体(1
μg/ml)と大腸菌由来のLPSで2日間刺激したB細
胞(6×105 個/ml)とを用いて、37℃で1日間培養す
ることにより刺激した。さらに、IL−2(20JRU/
ml)およびIL−12(100 U/ml)を添加して、37℃
で10日間培養を続けた。その結果、T細胞は総数160 ×
105 個/mlに増殖し、その内訳はCD4+ T細胞が91%
であり、CD8+ T細胞が9%であった。
【0025】実施例3 実施例2と同様にして得たリンパ節T細胞(CD4が50
%、CD8が45%)2×105 個/mlを抗CD3モノクロ
ーナル抗体(1μg/ml)と大腸菌由来のLPSで2日
間刺激したB細胞(6×105 個/ml)とを用いて、37℃
で1日間培養することにより刺激した。さらに、IL−
2(20JRU/ml)を添加して、37℃で10日間培養を続
けた。その結果、T細胞は総数560 ×105 個/mlに増殖
し、その内訳はCD4+ T細胞が50%であり、CD8+
T細胞が50%であった。
【0026】実施例4 実施例2と同様にして得たリンパ節T細胞(CD4が50
%、CD8が45%)2×105 個/mlを抗CD3モノクロ
ーナル抗体(1μg/ml)と大腸菌由来のLPSで2日
間刺激したB細胞(6×105 個/ml)とを用いて、37℃
で2日間培養することにより刺激した。さらに、IL−
2(100 JRU/ml)を添加して、37℃で4〜5日間培
養を続けた。その結果、T細胞は総数900 ×105 個/ml
に増殖し、その内訳はCD4+ T細胞が9%であり、C
D8+ T細胞が91%であった。
【0027】実験例1 実施例4により調製された活性化T細胞、実施例4と同
様にして調製された無処置マウス由来の活性化T細胞お
よびMCA(3-methylcholanthrene-induced sarcoma)
担癌マウス由来の活性化T細胞1×107 個を肺転移腫瘍
モデル(B16メラノーマを3日前に静脈内投与したマ
ウス)にそれぞれ静脈内投与し、さらにIL−2(3万
JRU)を1日2回、計4日間腹腔内投与した。これら
の抗腫瘍効果を無処置群およびIL−2のみを単独投与
した場合と比較して、その肺転移数により評価し、表1
にまとめた。
【0028】
【表1】
【0029】さらに、生存率による評価実験によれば、
B16メラノーマ担癌マウス由来の活性化T細胞を投与
した群では、1例の死亡例もなく、抗腫瘍効果を示し
た。この効果は腫瘍特異的であった。一方、無処置のマ
ウスは、約35日で全例が死亡した。
【0030】実験例2 B16メラノーマ担癌マウスの癌部周辺にピシバニール
を投与した場合、および投与しない場合について、腫瘍
局所リンパ節細胞をそれぞれ回収し、実施例4の手法に
準じて、それぞれ活性化T細胞を培養、増殖させた。こ
のようにして調製された活性化T細胞を用いて、実験例
1と同様にして、IL−2を併用しない場合、およびI
L−2(1万JRU)を1日2回、計4日間併用した場
合の効果をその肺転移数により評価し、表2にまとめ
た。
【0031】
【表2】
【0032】その結果、IL−2を併用せずにB16メ
ラノーマ担癌マウス由来の活性化T細胞を投与した群で
は、7匹中5匹が完全治癒し、2匹に極小の肺転移が数
個認められた。一方、IL−2を併用してB16メラノ
ーマ担癌マウス由来の活性化T細胞を投与した群では、
7匹全例が完全治癒し、IL−2を併用しない場合に比
して、さらに顕著な抗腫瘍効果を示した。
【0033】実験例3 Balb/cマウスに抗原としてDNP−KLH(dini
tro phenol-keyhole limpet hemocyanin)4μgおよび
水酸化アルミニウム4mgを腹腔内投与し、アレルギー状
態(IgE産生を示す。)にした。そのマウスの脾臓細
胞2×105 個/mlを抗CD3モノクローナル抗体(1μ
g/ml)と大腸菌由来のLPSで2日間刺激したB細胞
(6×105 個/ml)とを用いて、37℃で2日間培養する
ことにより刺激した。さらに、IL−2(50JRU/m
l)およびIL−12(100 U/ml)を添加して、37℃
で4〜5日間培養を続けた。その結果、T細胞は総数15
0 ×105 個/mlに増殖し、その内訳はCD4+ T細胞が
90%であり、CD8+ T細胞が10%であった。
【0034】こうして調製された活性化T細胞を上記の
アレルギー状態にある他のマウスにIL−12(1,000
〜1万U)とともに静脈内投与したところ、アレルギー
状態が緩和された。
【0035】実施例5 900 mlの水に下記のものを溶解させ、1N水酸化ナトリ
ウムでpH7.0 に調整した後、0.22μmのフィルターで
濾過することによって、活性化T細胞製造用培地を調製
した。
【0036】 粉末RPMI 1640 10.4g 炭酸水素ナトリウム 2.0g ペニシリンG 1.25×105 U ストレプトマイシン 125mg HEPES 5.0g インシュリン(ブタ) 10mg トランスフェリン(ヒト) 10mg フェツイン(ウシ) 10mg O−フォスホリルエタノールアミン 10mg 亜セレン酸ナトリウム 1.73×10-3mg 2−メルカプトエタノール 78.1×10-5mg カタラーゼ(ウシ) 30mg コルチコステロン 3.46×10-2mg 抗CD3モノクローナル抗体 1mg LPS刺激B細胞 2×108 個 IL−2 20,000JRU
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の活性化T
細胞の製造法によれば、例えばCD4 + 、CD8+ (活
性化)T細胞などの活性化T細胞を効率よく、しかも大
量に製造することができる。
【0038】また、本発明の活性化T細胞製造用培地
は、本発明の製造法を行うに好適な培地である。
【0039】したがって、本発明の完成により、活性化
T細胞を利用した療法の臨床への応用の途が開けたこと
になる。すなわち、該療法による感染防御、抗アレルギ
ー、癌転移抑制、癌療法補助としての利用が大いに期待
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 35/26 ADU 35/28 7431−4C

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗CD3抗体、LPS刺激B細胞および
    リンホカインの存在下で、リンパ球を培養することを特
    徴とする活性化T細胞の製造法。
  2. 【請求項2】 リンパ球が、腫瘍局所リンパ節細胞であ
    る請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 リンホカインが、IL−2、IL−12
    およびIFN−γから選ばれる少なくとも一種である請
    求項1または2記載の製造法。
  4. 【請求項4】 抗CD3抗体およびLPS刺激B細胞の
    存在下でリンパ球を培養した後、リンホカインの存在下
    で培養する請求項1〜3記載の製造法。
  5. 【請求項5】 104 〜106 個/mlのリンパ球に対して、
    0.1 〜1,000 μg/mlの抗CD3抗体と、104 〜108
    /mlのLPS刺激B細胞とを併用し、10〜1,000 JRU
    /mlのIL−2、0.1 〜1,000 U/mlのIL−12およ
    び0.1 〜1,000 IU/mlのIFN−γから選ばれる少な
    くとも一種を用いる請求項1〜4記載の製造法。
  6. 【請求項6】 抗CD3抗体、LPS刺激B細胞および
    リンホカインを含有することを特徴とする活性化T細胞
    製造用培地。
  7. 【請求項7】 0.1 〜1,000 μg/mlの抗CD3抗体
    と、104 〜108 個/mlのLPS刺激B細胞とを含み、10
    〜1,000 JRU/mlのIL−2、0.1 〜1,000U/mlの
    IL−12および0.1 〜1,000 IU/mlのIFN−γか
    ら選ばれる少なくとも一種のリンホカインを含有する請
    求項6記載の培地。
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