JP3824945B2 - 車両の走行安全装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の走行安全装置に係り、特に、車両の進行方向前方に存在するカーブを認識して、該カーブを適正に通過する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開2000−145937号公報に開示された車両制御装置のように、車両の進行方向前方に存在するカーブや交差点等を検出し、検出したカーブや交差点等を適正に通過可能な速度まで減速が必要であるか否かを判定し、運転者による減速動作の実行を検出した場合に、自動変速機の変速比をシフトダウンする車両制御装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術に係る車両制御装置においては、単に、運転者による減速動作を検知した場合に自動変速機の変速比をシフトダウンするだけであり、例えば検出したカーブを適正に通過可能な速度まで自車両を実際に減速させることは考慮されていない。しかも、運転者による減速動作の有無のみでは、実際に必要とされる減速動作の作動内容を適切に設定することはできないため、カーブを適正に通過するためには、より詳細な車両状態に応じて減速制御を行うことが望まれる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、車両の進行方向前方に存在するカーブを適正に通過させることが可能な車両の走行安全装置を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の車両の走行安全装置は、道路データを記憶する記憶手段(例えば、後述する実施の形態における記憶部11)と、自車両の位置を検出する自車位置検出手段(例えば、後述する実施の形態における自車位置検出部12)と、自車両の車両状態を検出する車両状態検出手段(例えば、後述する実施の形態における車両状態検出部13)と、前記記憶手段が記憶した前記道路データに基づき自車両の進行方向に存在するカーブの形状を認識するカーブ認識手段(例えば、後述する実施の形態におけるカーブ認識部14)と、前記カーブ認識手段が認識した前記カーブの形状に基づき該カーブを適正に通過可能な適正車両状態を設定する適正車両状態設定手段(例えば、後述する実施の形態における適正車速設定部15)と、前記車両状態検出手段が検出した前記車両状態と、前記適正車両状態設定手段が設定した前記適正車両状態とを比較する比較手段(例えば、後述する実施の形態における比較部16)と、前記比較手段による比較結果において前記自車両の車両状態が前記適正車両状態にないときに、自車両の乗員に警報を与える報知手段(例えば、後述する実施の形態における音声警報部18a、表示警報部18b)を作動させる警報作動手段(例えば、後述する実施の形態における作動部17)および自車両の減速装置(例えば、後述する実施の形態における自動制動装置18c)を自動的に作動させる減速装置作動手段(例えば、後述する実施の形態においては作動部17が兼ねる)とを備える車両の走行安全装置であって、前記警報作動手段の作動以前の所定期間における自車両の運転者による加減速操作(例えば、後述する実施の形態におけるアクセルペダル操作、ブレーキペダル操作)の履歴を記憶する操作履歴記憶手段(例えば、後述する実施の形態における操作履歴記憶部19)と、前記警報作動手段の作動後における自車両の運転者による減速操作の状態(例えば、後述する実施の形態におけるアクセルペダルのON状態からOFF状態へと向かう操作、ブレーキペダルのOFF状態からON状態へと向かう操作、反応時間ΔT)を検知する操作状態検知手段(例えば、後述する実施の形態におけるアクセルペダル操作検出部21、ブレーキペダル操作検出部22)とを備え、前記減速装置作動手段は、前記操作履歴記憶手段により記憶された前記加減速操作の履歴と、前記操作状態検知手段により検知された前記減速操作の状態とに応じて前記減速装置の作動内容(例えば、後述する実施の形態における自動制動装置18cの作動圧、作動時間TB)を設定することを特徴としている。
【0005】
上記構成の車両の走行安全装置によれば、減速装置作動手段は、警報作動手段の作動以前の所定期間(例えば、時間や走行距離等)における自車両の運転者による加減速操作の履歴と、警報作動手段の作動以後における自車両の運転者による減速操作の状態(例えば、減速操作の程度や継続時間や、減速操作の開始までに要する時間等)とに応じて、減速装置を自動的に作動させる際の作動内容を設定する。
これにより、減速装置の作動に対して運転者が違和感を感じてしまうことを防止しつつ、適切に減速装置を作動させることができ、自車両の前方に存在するカーブを適正に通過させることが可能となる。
【0006】
さらに、請求項2に記載の本発明の車両の走行安全装置では、前記車両状態検出手段は自車両の速度を検出する、または、前記自車両の速度を検出し該速度と前記カーブ認識手段が認識した前記カーブの形状とに基づいて該カーブ通過時に発生する自車両の横加速度を推定するものであり、前記適正車両状態設定手段は前記カーブを適正に通過可能な適正速度または適正横加速度を設定するものであり、少なくとも前記警報作動手段または前記減速装置作動手段の何れか一方は、前記比較手段による比較結果において、前記自車両の速度が前記適正速度より高いとき、もしくは、前記推定される横加速度が前記適正横加速度より高いときに前記報知手段または前記減速装置を作動させることを特徴としている。
【0007】
上記構成の車両の走行安全装置によれば、適正車両状態として車両の適正速度または適正横加速度を設定する。そして、車両の現在速度が適正速度よりも高い場合、あるいは、カーブ通過時に発生する横加速度が適正横加速度よりも大きい場合に、少なくとも自車両の乗員に警報を与える又は減速装置を自動的に作動させるの何れか一方を実行する。これにより、カーブの形状に応じて適切に警報を与えることができ、報知手段の作動が必要と判断されたカーブを適正車両状態にて通過させることが可能となる。
【0008】
さらに、請求項3に記載の本発明の車両の走行安全装置は、前記操作履歴記憶手段に記憶された前記加減速操作の履歴に基づき、自車両の運転者の加速意志の有無を判定する加速意志判定手段(例えば、後述する実施の形態におけるステップS14、ステップS16、ステップS17)と、前記加速意志判定手段により前記加速意志が無いと判定された場合に、前記減速装置作動手段による前記減速装置の作動を許可する作動許可手段(例えば、後述する実施の形態におけるステップS15)とを備えることを特徴としている。
【0009】
上記構成の車両の走行安全装置によれば、加速意志判定手段にて、操作履歴記憶手段に記憶された加減速操作の履歴に基づき、自車両の運転者の加速意志が無いと判定されたときに、作動許可手段は、減速装置作動手段により減速装置を自動的に作動させる動作を許可する。
これにより、運転者の意志を的確に反映した減速制御を行うことができ、自車両の前方に存在するカーブを適正に通過させることが可能となる。
【0010】
さらに、請求項4に記載の本発明の車両の走行安全装置では、前記加速意志判定手段は、運転者によるアクセルペダルの踏み込み操作量の増加もしくは自車両の速度の増加が無い場合に、前記加速意志が無いと判定することを特徴としている。
【0011】
上記構成の車両の走行安全装置によれば、運転者による減速操作の実行が検知される場合に加えて、例えば定速走行状態等の走行状態が維持される場合にも加速意志が無いと判定する。これにより、運転者の意志を的確に反映した減速制御を行うことができ、自車両の前方に存在するカーブを適正に通過させることが可能となる。
【0012】
さらに、請求項5に記載の本発明の車両の走行安全装置では、前記操作状態検知手段は、前記減速操作の状態として前記警報作動手段の作動以後から自車両の運転者による前記減速操作の開始までの間の反応時間(例えば、後述する実施の形態における反応時間ΔT)を検知するものであり、前記減速装置作動手段は、前記操作状態検知手段により検知された前記反応時間に応じて前記減速装置の作動内容を設定することを特徴としている。
【0013】
上記構成の車両の走行安全装置によれば、警報作動手段の作動以後から自車両の運転者による減速操作の開始までの間の反応時間を利用することにより、運転者の意志を、より一層、的確に反映した減速制御を行うことができ、自車両の前方に存在するカーブを適正に通過させることが可能となる。
【0014】
さらに、請求項6に記載の本発明の車両の走行安全装置では、前記操作状態検知手段は、前記減速操作の状態としてアクセルペダルの閉方向操作もしくはブレーキペダルの踏み込み操作を検知することを特徴としている。
【0015】
上記構成の車両の走行安全装置によれば、減速操作の状態として、アクセルペダルの閉方向操作もしくはブレーキペダルの踏み込み操作、つまり運転者による自発的な減速操作を検知することにより、運転者の減速意志を的確に反映した減速制御を行うことができ、自車両の前方に存在するカーブを適正に通過させることが可能となる。
【0016】
さらに、請求項7に記載の本発明の車両の走行安全装置では、前記減速装置作動手段は、前記操作状態検知手段により検知された前記反応時間が短いほど、前記減速装置作動手段による前記減速装置の作動時間が長くなるように設定することを特徴としている。
【0017】
上記構成の車両の走行安全装置によれば、減速装置作動手段は、反応時間が短いほど運転者の減速意志が強いと判断して、減速装置の作動時間が長くなるように設定する。これにより、運転者の意志を、より一層、的確に反映した減速制御を行うことができ、自車両の前方に存在するカーブを適正に通過させることが可能となる。
【0018】
さらに、請求項8に記載の本発明の車両の走行安全装置では、前記減速装置作動手段は、前記操作状態検知手段により検知された前記反応時間が短いほど、前記減速装置作動手段により前記減速装置が発生する減速度が大きくなるように設定することを特徴としている。
【0019】
上記構成の車両の走行安全装置によれば、減速装置作動手段は、反応時間が短いほど運転者の減速意志が強いと判断して、例えば減速装置の作動圧等を増大させることにより減速装置が発生する減速度が大きくなるように設定する。これにより、運転者の意志を、より一層、的確に反映した減速制御を行うことができ、自車両の前方に存在するカーブを適正に通過させることが可能となる。
【0020】
さらに、請求項9に記載の本発明の車両の走行安全装置は、前記操作履歴記憶手段に記憶された前記加減速操作の履歴において、自車両の運転者によるアクセルペダルの踏み込み操作の時間(例えば、後述する実施の形態における継続時間Tac)が所定時間(例えば、後述する実施の形態における所定時間#Tac)未満である場合に、前記減速装置作動手段による前記減速装置の作動を禁止する作動禁止手段(例えば、後述する実施の形態におけるステップS13)を備えることを特徴としている。
【0021】
上記構成の車両の走行安全装置によれば、作動禁止手段は、加減速操作の履歴において自車両の運転者によるアクセルペダルの踏み込み操作の時間が所定時間未満である場合に、減速装置作動手段による減速装置の自動的な作動を禁止する。これにより、例えば減速装置作動手段によって減速装置が過大に作動させられることを抑制して、適切な減速制御を行うことができる。
【0022】
さらに、請求項10に記載の本発明の車両の走行安全装置では、前記車両状態検出手段は、前記車両状態として運転者によるアクセルペダルおよびブレーキペダルの踏み込み操作を検出するものであり、前記減速装置作動手段は、前記車両状態検出手段が運転者によるアクセルペダルの踏み込み操作もしくはブレーキペダルの踏み込み操作量の増減の何れかを検出した時点、あるいは、前記減速装置の作動開始から所定の作動時間が経過した時点において、前記減速装置の作動を停止させることを特徴としている。
【0023】
上記構成の車両の走行安全装置によれば、減速装置作動手段は、運転者によるアクセルペダルの踏み込み操作もしくはブレーキペダルの踏み込み操作の何れかを検出した場合には、運転者による加減速操作を優先する。また、減速装置の作動開始から所定の時間が経過した場合には、減速装置作動手段は、例えば減速装置が過大に作動させられることを抑制して、減速装置の作動を停止させる。これにより、適切な減速制御を行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る車両の走行安全装置について添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係る車両の走行安全装置10の構成を示す機能ブロック図であり、図2は車両がカーブに進入する際の警報の作動タイミングを示す図であり、図3は車両がカーブを適正に通過するための適正速度VSまで減速する際における速度Vと時間tの関係の一例を示す図である。
【0025】
図1に示すように、本実施の形態による車両の走行安全装置10は、例えば、記憶部11と、自車位置検出部12と、車両状態検出部13と、カーブ認識部14と、適正車速設定部15と、比較部16と、作動部17と、安全装置18と、操作履歴記憶部19とを備えて構成されている。また、記憶部11および自車位置検出部12およびカーブ認識部14は車両用のナビゲーション装置を構成している。
【0026】
記憶部11は、例えばCD−ROMやDVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体からなり、道路データを含む地図データを記憶している。
自車位置検出部12は、例えば人工衛星を利用して車両の位置を測定するためのGPS(Global Position System)信号や、例えば適宜の基地局を利用してGPS信号の誤差を補正して測位精度を向上させるためのD(Differential)GPS信号等の測位信号や、後述する車両状態検出部13やヨーレートセンサ(図示略)から出力される検出信号に基づく自律航法の算出処理によって車両の現在位置を算出する。
【0027】
さらに、自車位置検出部12は算出した車両の現在位置と記憶部11から取得した道路データとに基づいてマップマッチングを行い、自律航法による位置推定の結果を補正する。
車両状態検出部13は、例えば車両の現在速度VPを検出する車速センサや車輪速センサ等を備え、検出信号を自車位置検出部12および比較部16および操作履歴記憶部19へ出力する。さらに、車両状態検出部13は、運転者によるアクセルペダル(図示略)の操作に係るアクセルペダル開度ACを検出するアクセルペダル操作検出部21および運転者によるブレーキペダル(図示略)の操作を検出するブレーキペダル操作検出部22を備えており、各検出信号を、後述する作動部17および操作履歴記憶部19へ出力する。
また、車両状態検出部13は、後述する警報装置の作動から運転者による減速操作の開始までの間の反応時間ΔTを検出し、作動部17へ出力する。
【0028】
カーブ認識部14は、記憶部11に記憶された道路データを取得し、この道路データに基づいて自車両の進行方向前方の道路上に存在するカーブを検出する。
例えばカーブ認識部14は、道路データの基礎となるノードつまり道路形状を把握するための点(例えば、図2に示す白抜き丸)と、リンクつまり各ノードを結ぶ線(例えば、図2に示す白抜き丸を結ぶ線)とに基づいて、カーブの形状を認識する。
【0029】
そして、カーブ認識部14は、例えばカーブの径や曲率、カーブの長さ(カーブの深さ)、カーブの通過に要する旋回角等からなるカーブ形状値を算出して、適正車速設定部15へと出力する。ここで、カーブの長さとは、カーブの距離もしくは自車両が車両状態検出部13にて検出された速度にてカーブを通過するのに要する時間である。
なお、カーブ認識部14は、自車両の進行方向前方に設定された所定の先読み区間(例えば、自車両の現在位置を基準に数百m〜1km程度前方までの区間であって、ここでは、例えば1km前方の位置までの区間)内に存在するカーブの形状を認識するように設定されている。
【0030】
適正車速設定部15は、カーブ認識部14にて認識されたカーブ形状値に基づいて、カーブを適正に通過可能な車両の速度(適正速度VS)を算出する。そして、適正車速設定部15は設定した適正速度VSのデータを比較部16へ出力する。
これにより、カーブ認識部14により先読みされた所定の先読み区間に存在するカーブに対して、適正車速設定部15によって適正速度VSが設定される。
【0031】
ここで、適正車速設定部15は、カーブ通過時に車両の横方向に発生する加速度(横加速度)を算出する横加速度算出部31を備えている。すなわち、先ず、横加速度算出部31は、カーブ認識部14にて認識されたカーブの形状に基づいて、このカーブを適正に通過する際に許容される適正横加速度ASを算出する。次に、適正車速設定部15は、この適正横加速度ASを車両に発生させる車両の速度を算出し、この速度を適正速度VSとして設定する。
なお、カーブ通過時に自車両に許容される横加速度は、例えば路面状況、タイヤの状況、積載の状態等により変化するため、これらを更に考慮して適正速度VSを設定するようにしてもよい。
【0032】
比較部16は、車両状態検出部13にて検出した車両の速度(現在速度VP)と、適正車速設定部15にて設定した適正速度VSとを比較して、この比較結果を作動部17へ出力する。
作動部17は、例えば安全装置18を作動させるアクチュエータ等をなし、比較部16での比較結果に基づいて安全装置18の作動を制御する。すなわち、比較部16での比較結果において、車両状態検出部13にて検出した車両の現在速度VPと適正車速設定部15にて設定した適正速度VSとを比較し、検出された車両の現在速度VPが適正速度VSよりも高い状態で、車両が適正車両状態にない場合には安全装置18を作動させる。
【0033】
安全装置18は、例えば警報を発して運転者の注意を喚起する警報装置や、自動的に制動を行う自動制動装置18c等を備えて構成されており、作動部17から出力される制御信号に基づいて制御される。
なお、警報装置は、例えば警報音や音声メッセージ等を出力するスピーカからなる音声警報部18aと、例えば警報表示を行うディスプレイや、点灯するランプ等をなす表示警報部18bとを備えて構成されている。
【0034】
ここで、例えば自車両の進行方向前方に安全装置18の作動対象となる単独のカーブが検出された場合に、作動部17にて安全装置18を作動させるタイミングは、車両がカーブ認識部14にて認識したカーブの入口位置に到達するまでに、現在速度VPから適正速度VSまで減速する際に要する時間または距離等に基づいて設定される。
例えば図2に示すように、車両Aが速度V1(例えば、速度V1>適正速度VS)で走行している場合に、進行方向前方に存在するカーブCを適正に通過するためには、カーブCの入口位置CSにて車両の速度が適正速度VSとなるように設定する。
このとき、例えば図3に示すように、所定の減速度GS(例えば、0.2G=0.2×9.8m/s2)にて、現在の速度V1(例えば、100km/h)から適正速度VS(例えば、40km/h)まで減速する場合には、減速に要する時間TはT=(V1−VS)/GSにより求められる。そして、この時間Tに基づいて、減速に要する距離つまり減速必要距離L0が算出され、カーブCの入口位置CSから、減速必要距離L0だけ手前の減速開始位置C0(図2に示す黒丸C0)が設定される。
【0035】
さらに、例えば、警報を発して運転者に注意を促してから、実際に運転者が反応してブレーキを踏み込むまでの反応時間(例えば、約0.5s)と、運転者がブレーキを踏み込んでから実際にブレーキが効き始めるまでの空走時間(例えば、約0.3s)とを考慮して反応空走距離ΔL0を算出する。これにより、減速開始位置C0(図2に示す黒丸C0)から反応空走距離ΔL0だけ手前の警報開始位置CWが設定される。
すなわち、車両AがカーブCの手前に設定される警報開始位置CWに到達した時点、つまり車両Aの現在位置とカーブCの入口位置CSとの間の距離(減速対象地点間距離Ln)が、下記数式(1)に示すように設定される警報必要距離LWに等しくなった時点で警報を発する。
【0036】
【数1】
Figure 0003824945
【0037】
操作履歴記憶部19は、車両状態検出部13から出力される車両の現在速度VPの検出信号や、アクセルペダル操作検出部21およびブレーキペダル操作検出部22から出力される各検出信号を受信し、例えば所定時間や所定走行距離等の所定期間に亘る各検出信号を、運転者による加減速操作の履歴として記憶すると共に、作動部17へ出力する。
【0038】
すなわち、作動部17は、運転者による加減速操作の履歴および運転者による加減速操作に基づいて安全装置18の作動内容を設定している。
例えば、作動部17は、後述するように、音声警報部18aおよび表示警報部18bからなる警報装置の作動以前の所定期間における運転者による加減速操作の履歴と、警報装置の作動後における運転者による減速操作の状態、例えば減速操作の大きさや継続時間や減速操作の開始までに要した時間等とに応じて、自動制動装置18cの作動内容、つまり作動時間や制動の大きさ等を設定する。
また、作動部17は、後述するように、運転者による加減速操作の履歴に基づいて運転者の加速意志の有無を判定し、この判定結果に応じて自動制動装置18cの作動内容を設定する。
【0039】
本実施の形態による車両の走行安全装置10は上記構成を備えており、次に、この車両の走行安全装置10の動作について添付図面を参照しながら説明する。図4から図7は車両の走行安全装置10の動作、特に安全装置18を作動させる処理の一例を示すフローチャートであり、図8(a)は反応時間ΔTに応じた自動制動の作動圧の変化を示すグラフ図であり、図8(b)は反応時間ΔTに応じた自動制動の作動時間TBの変化を示すグラフ図であり、図9から図12はアクセルペダル開度ACおよび自動制動作動フラグFBの時間変化の一例を示すグラフ図である。
【0040】
先ず、図4に示すステップS01においては、自車位置検出部12にて検出した自車両の現在位置の情報を読み込む。
次に、ステップS02においては、車両状態検出部13にて検出した自車両の現在速度VPの情報を読み込む。
次に、ステップS03においては、自車両の走行道路上の前方道路データを記憶部11から読み込む。
【0041】
次に、ステップS04においては、記憶部11から読み込んだ前方道路データに基づいて、自車両の進行方向前方に設定された所定の先読み区間(例えば、自車両の現在位置を基準に数百m〜1km程度前方までの区間であって、ここでは、例えば1km前方の位置までの区間)内に存在するカーブを検出する。
次に、ステップS05においては、先読み区間内にて検出したカーブのうち、所定形状(例えば、所定半径以下等)のカーブに対して、例えばカーブの径や曲率、カーブの長さ(カーブの深さ)、カーブの通過に要する旋回角等からなるカーブ形状値を推定し、記憶部11に格納する。
【0042】
そして、ステップS06においては、推定したカーブ形状値に基づいてカーブを適正に通過可能な適正速度VS、あるいは、カーブを適正に通過する際に許容される適正横加速度ASを算出する。
次に、ステップS07においては、記憶部11に格納したカーブ形状値に基づいて、自車位置検出部12にて検出した自車両の現在位置から安全装置18の作動対象となる地点(例えば、カーブの入口位置CS)までの距離、つまり警報対象地点間距離Lnを算出する。
【0043】
そして、ステップS08においては、所定の減速度GS(例えば、0.2〜0.3G=0.2〜0.3×9.8m/s2)にて、現在速度VPから適正速度VSまで減速するのに要する距離つまり減速必要距離L0を算出する。そして、警報を発して運転者に注意を促してから、実際に運転者が反応してブレーキを踏み込むまでの反応時間(例えば、約0.5s)と、運転者がブレーキを踏み込んでから実際にブレーキが効き始めるまでの空走時間(例えば、約0.3s)とを考慮して反応空走距離ΔL0を算出する。そして、上記数式(1)に基づいて、警報必要距離LW(=L0+ΔL0)を算出する。
【0044】
次に、ステップS09においては、自車両の現在速度VPが適正速度VS以上か否か、あるいは、現在速度VPにてカーブを通過する際に発生する横加速度APが適正横加速度AS以上か否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS10に進み、運転者によるブレーキペダルの操作がOFF状態か否かを判定する。
このステップS10での判定結果が「NO」の場合、つまり運転者が既に減速操作を実行している場合には、一連の処理を終了する。
一方、このステップS10での判定結果が「YES」の場合には、ステップS11に進む。
【0045】
次に、ステップS11においては、操作履歴記憶部19に格納されている所定期間毎のアクセルペダル開度ACの履歴および車両の現在速度VPの履歴を読み込む。
そして、ステップS12においては、アクセルペダル開度ACの履歴に基づき、運転者によるアクセルペダルの操作がON状態となる継続時間Tacが所定時間#Tac以上か否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS13に進み、例えば車両が自動制動装置18cの作動を必要とするほどの加速状態ではなかったと判断して、自動制動装置18cの作動を不許可とし、後述するステップS18に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS14に進む。
【0046】
ステップS14においては、この時点でのアクセルペダル開度ACが全閉状態よりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合、つまりアクセルペダル開度ACが全閉状態である場合には、ステップS15に進み、例えばこの時点では運転者に加速意志はないが、運転者による加速操作の履歴において車両が自動制動装置18cの作動を必要とする加速状態であったと判断して、自動制動装置18cの作動を許可し、後述するステップS18に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS16に進む。
【0047】
ステップS16においては、この時点でのアクセルペダル開度ACの変化が増加傾向か否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、例えば運転者に加速意志があると判断して、上述したステップS13に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS17に進む。
ステップS17においては、車両の現在速度VPの変化が増加傾向か否かを判定する。
このステップS17での判定結果が「YES」の場合には、例えば下り坂等において運転者が速度の増加を容認していると判断して、上述したステップS13に進む。
一方、このステップS17での判定結果が「NO」の場合には、例えば運転者に加速意志がないと判断して、上述したステップS15に進む。
【0048】
また、ステップS18においては、自動制動装置18cの作動を示す自動制動作動フラグFBのフラグ値が「0」か否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS37に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS19に進む。
ステップS19においては、警報装置の作動を示す警報作動フラグFTのフラグ値が「0」か否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS25に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS20に進む。
【0049】
ステップS20においては、自車両の現在位置とカーブの入口位置CSとの間の距離(減速対象地点間距離Ln)が、警報必要距離LW以下か否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS21に進み、警報装置を作動させ、ステップS22に進む。
【0050】
ステップS22においては、タイマーTの計数を開始する。
次に、ステップS23においては、警報作動フラグFTのフラグ値に「1」を設定して、ステップS24に進む。
ステップS24においては、運転者に加速意志がないか否かを判定する。
前述のステップS12、S14、S16、S17の判定により、ステップS15で自動制動許可となった場合に、この判定結果が「YES」となり、後述するステップS28に進む。
一方、前述のステップS13で自動制動不許可となった場合に、この判定結果が「NO」となり、つまり運転者に加速意志がある場合には、ステップS25に進む。
【0051】
ステップS25においては、タイマーTの計数値が所定時間Ttよりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、警報装置が作動してから所定時間Ttが経過したので、ステップS26に進み、警報装置の作動を停止して、ステップS27に進み、警報作動フラグFTのフラグ値に「0」を設定して、一連の処理を終了する。
【0052】
一方、ステップS28においては、運転者によるアクセルペダルの操作として、ON状態からOFF状態へと向かう操作があるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS33に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS29に進み、運転者によるブレーキペダルの操作として、OFF状態からON状態へと向かう操作があるか否かを判定する。
このステップS29での判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS33に進む。
一方、このステップS29での判定結果が「NO」の場合には、ステップS30に進む。
【0053】
ステップS30においては、例えば運転者は、警報装置の作動にもかかわらず、減速操作を行わず、この時点での車両の走行状態を容認していると判断して、警報装置の作動を停止する。
そして、ステップS31において、タイマーTの計数をクリアして、ステップS32に進み、警報作動フラグFTのフラグ値に「0」を設定して、一連の処理を終了する。
【0054】
一方、ステップS33においては、例えば運転者は警報装置の作動に応じて減速操作を行うと判断して、警報装置の作動から運転者による減速操作の開始までの間の反応時間ΔTを読み込む。
そして、ステップS34においては、反応時間ΔTに応じて、自動制動装置18cの作動時間TBおよび作動圧(つまり、作動の大きさ)を、例えばマップ検索等により算出する。
なお、自動制動装置18cの作動圧は、例えば図8(a)に示すように、所定の反応時間ΔT1(例えば、1秒)までは、所定の作動圧#PBにて一定とされ、所定の反応時間ΔT1以降は、減少傾向に変化するように設定されている。
また、自動制動装置18cの作動時間TBは、例えば図8(b)に示すように、所定の反応時間ΔT1までは、所定の作動時間#TBにて一定とされ、所定の反応時間ΔT1以降は、減少傾向に変化するように設定されている。
すなわち、所定の反応時間ΔT1以降は、反応時間ΔTが短いほど、自動制動装置18cの作動時間TBが長くなるように、かつ、自動制動装置18cが発生する減速度が大きくなるように設定されている。
なお、自動制動装置18cの作動圧および作動時間TBは、何れか一方を固定値とし、他方を反応時間ΔTに応じて変化させることも可能である。
【0055】
次に、ステップS35においては、減速対象地点間距離Lnがゼロ以上か否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS30に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS36に進み、減速対象地点間距離Lnが減速必要距離L0以下か否かを判定する。
このステップS36の判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS32に進む。
一方、このステップS36の判定結果が「YES」の場合には、ステップS37に進み、自動制動装置18cを作動させ、ステップS38に進み、自動制動作動フラグFBのフラグ値に「1」を設定して、ステップS39に進む。
【0056】
そして、ステップS39においては、タイマーTの計数値が作動時間TBよりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、自動制動装置18cによる減速が所定時間作動したので、後述するステップS42に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS40に進み、運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作が所定操作状態に到達したか否かを判定する。
このステップS40での判定結果が「YES」の場合には、例えば運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作が、自動制動装置18cの作動を不要とする程度の操作量に到達していると判断して、後述するステップS42に進む。
一方、このステップS40での判定結果が「NO」の場合には、ステップS41に進む。
【0057】
ステップS41においては、運転者によるアクセルペダルの踏み込み操作があるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、運転者に加速意志があり、自動制動装置18cの作動は不要であると判断して、ステップS42に進み、自動制動装置18cの作動を停止し、ステップS43に進む。
そして、ステップS43においては、警報装置の作動を停止して、ステップS44に進み、自動制動作動フラグFBのフラグ値および警報作動フラグFTのフラグ値に「0」を設定して、ステップS45に進み、タイマーTの計数値をクリアして、一連の処理を終了する。
また、ステップS40、S41に加え、運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作が、踏み込み解除方向である場合にも、運転者がこれ以上の減速は望んでいないとみなして、ステップS42に進み、自動制動装置18cの作動を停止するようにしてもよい。
【0058】
例えば、図9に示すように、アクセルペダル開度ACが所定開度AC1に維持され、車両の定速走行状態等のようにアクセルペダル開度ACや車両の速度の増加が無い状態で、アクセルペダルがON状態となる継続時間Tac(=t1―t0)が所定時間#Tac以上になると、運転者の加速意志がないと判断され、自動制動装置18cの作動許可状態となる。
そして、警報装置が作動する時刻t1から運転者によりアクセルペダルの閉方向への操作が行われる時刻t2までの間の反応時間ΔT(=t2―t1)に応じて、自動制動装置18cの作動時間TBおよび作動圧が設定され、減速対象地点間距離Lnが減速必要距離L0以下となった時刻t2において自動制動装置18cが作動させられる。
ここで、反応時間ΔT(=t2―t1)が相対的に短い場合には、自動制動装置18cの作動圧が相対的に大きく、かつ、作動時間TB(=t3―t2)が相対的に長く設定される。
【0059】
一方、例えば図10に示すように、警報装置が作動する時刻t1から運転者によりアクセルペダルの閉方向への操作が行われる時刻t4までの間の反応時間ΔT(=t4―t1)が相対的に長い場合には、自動制動装置18cの作動圧が相対的に小さく、かつ、作動時間TB(=t5―t4)が相対的に短く設定される。
【0060】
また、例えば図11に示すように、警報装置が作動する時刻t1以前において、アクセルペダルがON状態となる継続時間Tac(=t1―t6)が所定時間#Tac未満の場合には、自動制動装置18cの作動を必要とするほどの加速状態ではなかったと判断され、自動制動装置18cの作動不許可状態となる。
このとき、警報装置が作動する時刻t1から運転者によりアクセルペダルの閉方向への操作が行われる時刻t7までの間の反応時間ΔT(=t7―t1)が相対的に短い場合であっても、自動制動装置18cの作動不許可状態が維持される。
【0061】
また、例えば図12に示すように、警報装置が作動する時刻t1以前において、アクセルペダルがON状態となる継続時間Tac(=t1―t0)が所定時間#Tac以上となり、自動制動装置18cの作動許可状態となった場合であっても、警報装置が作動する時刻t1以降に運転者によるアクセルペダルの閉方向への操作が検知されず、例えばアクセルペダル開度ACの増加(例えば、AC1からAC2への増加)等が検知されると、運転者の加速意志が優先され、自動制動装置18cの作動が禁止される。
【0062】
なお、警報装置が作動する時刻t1以前において、アクセルペダルがON状態となる継続時間Tacが所定時間#Tac以上となり、自動制動装置18cの作動許可状態となったときに、警報装置が作動する時刻t1以降に運転者によるブレーキペダルの踏み込み操作が検知された場合には、このブレーキペダルの踏み込み操作が所定操作状態に到達するまで、運転者による減速操作をアシストするようにして自動制動装置18cが作動させられる。
【0063】
上述したように、本実施の形態による車両の走行安全装置10によれば、警報装置の作動以前における運転者の加減速操作の履歴に基づき加速意志の有無を判定し、この判定結果および警報装置の作動後における運転者の減速操作の状態に応じて自動制動装置18cの作動内容を設定することによって、運転者の意志を的確に反映した減速制御を行うことができ、自動制動装置18cの作動に対して運転者が違和感を感じてしまうことを防止しつつ、自車両の前方に存在するカーブを適正に通過させることが可能となる。
【0064】
このとき、運転者の加速意志が無いと判定する際には、運転者による減速操作の実行が検知される場合に加えて、例えば定速走行状態等の走行状態が維持される場合も含むことにより、運転者の意志を的確に反映した減速制御を行うことができる。
また、加減速操作の履歴において運転者によるアクセルペダルの踏み込み操作の継続時間Tacが所定時間#Tac未満である場合に、自動制動装置18cの作動を不許可とすることにより、自動制動装置18cが過大に作動させられることを抑制して、適切な減速制御を行うことができる。
【0065】
さらに、警報装置の作動後における運転者の減速操作の状態として、反応時間ΔTを利用することにより、運転者の減速意志を、より一層、的確に反映した減速制御を行うことができる。
しかも、自動制動装置18cの作動時であっても、運転者によるアクセルペダルの踏み込み操作もしくはブレーキペダルの所定量の踏み込み操作量の増減の何れかを検出した場合には、運転者による加減速操作を優先し、自動制動装置18cの作動を停止させることにより、適切な減速制御を行うことができる。
【0066】
なお、本実施の形態においては、車両状態検出部13は車両の現在速度VPの検出信号を出力するとしたが、これに限定されず、例えば車両の現在速度VPとカーブ認識部14にて認識されたカーブの形状に基づいて、この現在速度VPにてカーブを通過する際に自車両に発生する横加速度APを推定し、この推定値を出力するようにしてもよい。
この場合、比較部16は、車両状態検出部13から出力された横加速度APの推定値と、適正車速設定部15の横加速度算出部31から出力された適正横加速度ASとを比較し、この比較結果を作動部17へ出力する。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明の車両の走行安全装置によれば、減速装置の作動に対して運転者が違和感を感じてしまうことを防止しつつ、適切に減速装置を作動させることができ、自車両の前方に存在するカーブを適正に通過させることが可能となる。
さらに、請求項2に記載の本発明の車両の走行安全装置によれば、カーブの形状に応じて適切に警報を与えることができ、報知手段の作動が必要と判断されたカーブを適正車両状態にて通過させることが可能となる。
【0068】
さらに、請求項3に記載の本発明の車両の走行安全装置によれば、運転者の意志を的確に反映した減速制御を行うことができ、自車両の前方に存在するカーブを適正に通過させることが可能となる。
さらに、請求項4に記載の本発明の車両の走行安全装置によれば、運転者による減速操作の実行が検知される場合に加えて、例えば定速走行状態等の走行状態が維持される場合にも加速意志が無いと判定することにより、運転者の意志を的確に反映した減速制御を行うことができ、自車両の前方に存在するカーブを適正に通過させることが可能となる。
【0069】
さらに、請求項5に記載の本発明の車両の走行安全装置によれば、警報作動手段の作動以後から自車両の運転者による減速操作の開始までの間の反応時間を利用することにより、運転者の意志を、より一層、的確に反映した減速制御を行うことができ、自車両の前方に存在するカーブを適正に通過させることが可能となる。
さらに、請求項6に記載の本発明の車両の走行安全装置によれば、減速操作の状態として、運転者による自発的な減速操作を検知することにより、運転者の減速意志を的確に反映した減速制御を行うことができ、自車両の前方に存在するカーブを適正に通過させることが可能となる。
【0070】
さらに、請求項7に記載の本発明の車両の走行安全装置によれば、反応時間が短いほど運転者の減速意志が強いと判断して、減速装置の作動時間が長くなるように設定することにより、運転者の意志を、より一層、的確に反映した減速制御を行うことができ、自車両の前方に存在するカーブを適正に通過させることが可能となる。
さらに、請求項8に記載の本発明の車両の走行安全装置によれば、反応時間が短いほど運転者の減速意志が強いと判断して、減速装置が発生する減速度が大きくなるように設定することにより、運転者の意志を、より一層、的確に反映した減速制御を行うことができ、自車両の前方に存在するカーブを適正に通過させることが可能となる。
【0071】
さらに、請求項9に記載の本発明の車両の走行安全装置によれば、加減速操作の履歴において自車両の運転者によるアクセルペダルの踏み込み操作の時間が所定時間未満である場合に、減速装置作動手段による減速装置の自動的な作動を禁止することにより、例えば減速装置作動手段によって減速装置が過大に作動させられることを抑制して、適切な減速制御を行うことができる。
さらに、請求項10に記載の本発明の車両の走行安全装置によれば、運転者によるアクセルペダルの踏み込み操作もしくはブレーキペダルの踏み込み操作の何れかを検出した場合には、運転者による加減速操作を優先し、減速装置の作動開始から所定の時間が経過した場合には、減速装置の作動を停止させることにより、適切な減速制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る車両の走行安全装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】 車両がカーブに進入する際の警報の作動タイミングを示す図である。
【図3】 車両がカーブを適正に通過するための適正速度VSまで減速する際における速度Vと時間tの関係の一例を示す図である。
【図4】 車両の走行安全装置の動作、特に安全装置を作動させる処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】 車両の走行安全装置の動作、特に安全装置を作動させる処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】 車両の走行安全装置の動作、特に安全装置を作動させる処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】 車両の走行安全装置の動作、特に安全装置を作動させる処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】 図8(a)は反応時間ΔTに応じた自動制動の作動圧の変化を示すグラフ図であり、図8(b)は反応時間ΔTに応じた自動制動の作動時間TBの変化を示すグラフ図である。
【図9】 アクセルペダル開度ACおよび自動制動作動フラグFBの時間変化の一例を示すグラフ図である。
【図10】 アクセルペダル開度ACおよび自動制動作動フラグFBの時間変化の一例を示すグラフ図である。
【図11】 アクセルペダル開度ACおよび自動制動作動フラグFBの時間変化の一例を示すグラフ図である。
【図12】 アクセルペダル開度ACおよび自動制動作動フラグFBの時間変化の一例を示すグラフ図である。
【符号の説明】
10 車両の走行安全装置
11 記憶部(記憶手段)
12 自車位置検出部(自車位置検出手段)
13 車両状態検出部(車両状態検出手段)
14 カーブ認識部(カーブ認識手段)
15 適正車速設定部(適正車両状態設定手段)
16 比較部(比較手段)
17 作動部(警報作動手段、減速装置作動手段)
18 安全装置
18a 音声警報部(報知手段)
18b 表示警報部(報知手段)
19 操作履歴記憶部(操作履歴記憶手段)
21 アクセルペダル操作検出部(操作状態検知手段)
22 ブレーキペダル操作検出部(操作状態検知手段)
ステップS13 作動禁止手段
ステップS14、ステップS16、ステップS17 加速意志判定手段
ステップS15 作動許可手段

Claims (10)

  1. 道路データを記憶する記憶手段と、
    自車両の位置を検出する自車位置検出手段と、
    自車両の車両状態を検出する車両状態検出手段と、
    前記記憶手段が記憶した前記道路データに基づき自車両の進行方向に存在するカーブの形状を認識するカーブ認識手段と、
    前記カーブ認識手段が認識した前記カーブの形状に基づき該カーブを適正に通過可能な適正車両状態を設定する適正車両状態設定手段と、
    前記車両状態検出手段が検出した前記車両状態と、前記適正車両状態設定手段が設定した前記適正車両状態とを比較する比較手段と、
    前記比較手段による比較結果において前記自車両の車両状態が前記適正車両状態にないときに、自車両の乗員に警報を与える報知手段を作動させる警報作動手段および自車両の減速装置を自動的に作動させる減速装置作動手段と
    を備える車両の走行安全装置であって、
    前記警報作動手段の作動以前の所定期間における自車両の運転者による加減速操作の履歴を記憶する操作履歴記憶手段と、
    前記警報作動手段の作動後における自車両の運転者による減速操作の状態を検知する操作状態検知手段とを備え、
    前記減速装置作動手段は、前記操作履歴記憶手段により記憶された前記加減速操作の履歴と、前記操作状態検知手段により検知された前記減速操作の状態とに応じて前記減速装置の作動内容を設定することを特徴とする車両の走行安全装置。
  2. 前記車両状態検出手段は自車両の速度を検出する、または、前記自車両の速度を検出し該速度と前記カーブ認識手段が認識した前記カーブの形状とに基づいて該カーブ通過時に発生する自車両の横加速度を推定するものであり、
    前記適正車両状態設定手段は前記カーブを適正に通過可能な適正速度または適正横加速度を設定するものであり、
    少なくとも前記警報作動手段または前記減速装置作動手段の何れか一方は、前記比較手段による比較結果において、前記自車両の速度が前記適正速度より高いとき、もしくは、前記推定される横加速度が前記適正横加速度より高いときに前記報知手段または前記減速装置を作動させることを特徴とする請求項1に記載の車両の走行安全装置。
  3. 前記操作履歴記憶手段に記憶された前記加減速操作の履歴に基づき、自車両の運転者の加速意志の有無を判定する加速意志判定手段と、
    前記加速意志判定手段により前記加速意志が無いと判定された場合に、前記減速装置作動手段による前記減速装置の作動を許可する作動許可手段と
    を備えることを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載の車両の走行安全装置。
  4. 前記加速意志判定手段は、運転者によるアクセルペダルの踏み込み操作量の増加もしくは自車両の速度の増加が無い場合に、前記加速意志が無いと判定することを特徴とする請求項3に記載の車両の走行安全装置。
  5. 前記操作状態検知手段は、前記減速操作の状態として前記警報作動手段の作動以後から自車両の運転者による前記減速操作の開始までの間の反応時間を検知するものであり、
    前記減速装置作動手段は、前記操作状態検知手段により検知された前記反応時間に応じて前記減速装置の作動内容を設定することを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載の車両の走行安全装置。
  6. 前記操作状態検知手段は、前記減速操作の状態としてアクセルペダルの閉方向操作もしくはブレーキペダルの踏み込み操作を検知することを特徴とする請求項5記載の車両の走行安全装置。
  7. 前記減速装置作動手段は、前記操作状態検知手段により検知された前記反応時間が短いほど、前記減速装置作動手段による前記減速装置の作動時間が長くなるように設定することを特徴とする請求項5または請求項6の何れかに車両の走行安全装置。
  8. 前記減速装置作動手段は、前記操作状態検知手段により検知された前記反応時間が短いほど、前記減速装置作動手段により前記減速装置が発生する減速度が大きくなるように設定することを特徴とする請求項5から請求項7の何れかに記載の車両の走行安全装置。
  9. 前記操作履歴記憶手段に記憶された前記加減速操作の履歴において、自車両の運転者によるアクセルペダルの踏み込み操作の時間が所定時間未満である場合に、前記減速装置作動手段による前記減速装置の作動を禁止する作動禁止手段を備えることを特徴とする請求項7または請求項8の何れかに記載の車両の走行安全装置。
  10. 前記車両状態検出手段は、前記車両状態として運転者によるアクセルペダルおよびブレーキペダルの踏み込み操作を検出するものであり、
    前記減速装置作動手段は、前記車両状態検出手段が運転者によるアクセルペダルの踏み込み操作もしくはブレーキペダルの踏み込み操作量の増減の何れかを検出した時点、あるいは、前記減速装置の作動開始から所定の作動時間が経過した時点において、前記減速装置の作動を停止させることを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載の車両の走行安全装置。
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