JP4052279B2 - 減速制御装置 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、旋回走行時において運転者に違和感を与えることなく適切な減速制御を行うことができる減速制御装置を提供することを目的としている。
図1は、本発明における減速制御装置を後輪駆動車に適用した場合の概略構成図である。
図中1は、制動流体圧制御装置であって、各車輪2FL〜2RRの図示しない各ホイールシリンダに供給される制動流体圧を制御するように構成されている。つまり、通常は、ドライバによるブレーキペダルの踏込み量に応じて、マスタシリンダで昇圧された制動流体圧が各ホイールシリンダに供給されるようになっているが、マスタシリンダと各ホイールシリンダとの間に介挿された制動流体圧制御装置1によって、ブレーキペダルの操作とは別に各ホイールシリンダへの制動流体圧を制御するようになっている。
この制動流体圧制御装置1は、後述する減速制御コントローラ10からの制動流体圧指令値に応じて各ホイールシリンダの制動流体圧を制御する。
また、この車両には、自車両に発生するヨーレートφ′を検出するヨーレートセンサ11、図示しないステアリングホイールの操舵角δを検出する操舵角検出手段としての操舵角センサ12、各車輪2FL〜2RRの回転速度、いわゆる車輪速度Vwi(i=FL〜RR)を検出する車輪速度センサ13FL〜13RRが設けられ、それらの検出信号は前記減速制御コントローラ10に出力される。
全国地図情報装置15aは、自車両が走行している前方の走行路の情報、走行路の形状情報(例えばカーブ路の半径)、走行路の勾配等の地形情報、交差点やトンネル等の環境情報を保持している。
このナビゲーション装置15は、全国地図情報装置15aが保持している情報から前記走行路のノード点(複数のある場合には複数のノード点)の座標を示すノード点情報(前方道路情報)を検索し、そのノード点情報を、自車両位置情報と共に減速制御コントローラ10に出力する。
図2に示すように、減速制御コントローラ10は、ナビゲーション装置15からのノード点情報に基づいて旋回半径R及び旋回方向を算出するナビゲーション情報処理部21と、ナビゲーション情報処理部21で算出された旋回半径Rに基づいて、自車両のコーナにおける道路形状目標車速としてのナビ目標車速Vrを算出するナビ目標車速算出部22と、旋回半径Rとナビ目標車速Vrとに基づいて、ナビ目標舵角δrを算出する目標舵角演算手段としてのナビ目標舵角算出部23と、ナビ目標舵角算出部23で算出されたナビ目標舵角δrと操舵角センサ12で検出された操舵角δとの偏差Δδを算出する舵角偏差演算手段としての舵角偏差算出部24とを備えている。
そして、前記横加速度制限値算出部27、前記目標減速度算出部29、前記減速制御演算部30はそれぞれ前記舵角偏差算出部24で算出された舵角偏差Δδに応じて出力値を設定するように構成されている。
具体的には、ヨーレートセンサ11からの実ヨーレートφ′、操舵角センサ12からの操舵角δ、車輪速センサ13FL〜13RRからの車輪速度Vwi(i=FL〜RR)、ナビゲーション装置15からの自車両位置(X,Y)及び自車両前方の各ノード点Nj(j=1〜n、nは整数)のノード点情報(Xj,Yj,Lj)を読込む。
ここで、Xj,Yjはノード点の座標であり、Ljは自車両位置(X,Y)からそのノード点の位置(Xj,Yj)までの距離情報である。また、各ノード点Nj(j=1〜n)の間の関係は、jの値が大きいノード点Njほど自車両から遠くなる。
V=(VwFL+VwFR)/2 ………(1)
なお、ここでは、前輪速度VwFL、VwFLに基づいて走行速度Vを算出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、車両に公知のアンチスキッド制御を行うABS制御装置が搭載されており、このABS制御装置によりアンチスキッド制御が行われている場合には、このアンチスキッド制御での処理過程で推定される推定車体速を用いるようにしてもよい。
また、本発明を前輪駆動車に適用した場合には、各車輪速度VwFL〜VwRRのうち、非駆動輪である後輪の車輪速度VwRL、VwRRの平均値から自車両の車速Vを算出すればよい。
ここで、旋回半径の算出方法にはいくつかの方法があるが、ここでは、連続する3点の座標に基づいて旋回半径を算出する。この場合、下記(2)式により旋回半径Rjを得る。
Rj=f(Xj−1,Yj−1,Xj,Yj,Xj+1,Yj+1) ………(2)
ここで、関数f( )は3点の座標(Xj−1,Yj−1)、(Xj,Yj)、(Xj+1,Yj+1)から旋回半径を算出する関数である。また、この関数f( )により算出した旋回半径Rjには正負の値があり、負の値の場合は左旋回であり、正の場合は右旋回である。
ステップS32では、得られた複数のノード点Njの中から、前記ステップS31で算出した旋回半径Rjを参照して、制御の対象とする目標ノード点の選択を行う。具体的には、旋回半径Rjが極小になる、又はコーナ起点のノード点であって、自車両に最も近いノード点を目標ノード点として選択する。
Vr=μ×Ygr*×|Rj| ………(3)
ここで、横加速度制限値Ygr*は、例えば0.4Gとする。また、例えば、ドライバによる設定横加速度としてもよい。
この上記(3)式によれば、旋回半径Rjが大きくなるほどナビ目標車速Vrは大きく算出される。
なお、路面摩擦係数μの推定は、公知の手順で行うようにしてもよく、また、路面摩擦係数を検出するセンサを設け、このセンサの出力を路面摩擦係数推定値として用いるようにしてもよい。
δr=(1+AVr 2)(l/Rj) ………(4)
ここで、lはホイールベース、Aはスタビリティファクタである。
Δδ=(δr−δ)C ………(5)
ここで、Cは所定の舵角偏差ゲインであり、通常は1に設定されている。また、上記(5)式により算出された舵角偏差ΔδがΔδ<0であるときには、Δδ=0とするものとする。
一方、前記ステップS36の判定結果が、Δδ≦ΔδTHであるときには、ドライバによる十分な操舵がなされていると判断してステップS38に移行し、舵角補正フラグflg_strを“0”にリセットしてから舵角偏差算出処理を終了し、所定のメインプログラムに復帰する。
Yg*=Yga ………(6)
ここで、Ygaは目標横加速度であり、予め設定された所定値(例えば、0.45G)とする。
V*=μ×Yg*/φ* ………(7)
上記(7)式によれば、目標車速V*は、路面摩擦係数μが低いほど小さな値となって制御が介入されやすくなり、また、横加速度制限値Yg*が小さいほど小さな値となって制御が介入されやすくなり、ヨーレートセレクト値φ*が大きいほど小さな値となって制御が介入されやすくなるように設定される。
Xg*=ΔXg×(V−V*)/Δt ………(8)
ここで、ΔXgは所定のゲイン、Δtは所定時間であって、走行速度Vと目標車速V*との差を零にするまでの所要時間である。
なお、ここでは、自車両の走行速度Vと目標車速V*との差に基づいて目標減速度Xg*を算出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、自車両の走行速度Vと目標車速V*との差である速度偏差の差分を考慮して、下記(9)式をもとに目標減速度Xg*を算出するようにしてもよい。
Xg*={K1×(V−V*)+K2×Δ(V−V*)}/Δt ………(9)
ここで、K1及びK2は所定のゲイン、Δ(V−V*)は今回の速度偏差から1サンプリング前の速度偏差との差分である。
このステップS9では、制動流体圧を制御しており、増圧制御による減速制御を行っている場合には、この増圧分が徐々に零になるように制動流体圧制御装置1を制御するための制御信号を生成する。また、増圧制御を行っていない場合には、引き続き制動流体圧の制御を行わないようにする。
一方、前記ステップS8の判定結果がXg*>0であるときには、減速制御を行う必要があるものと判断してステップS11に移行する。このステップS11では、舵角補正フラグflg_strが、舵角偏差Δδが偏差閾値ΔδTHを超えていることを意味する“1”にセットされているか否かを判定し、flg_str=1であるときにはステップS12に移行する。
図5は、フィルタf(Ps)の傾きを算出するためのマップであり、横軸は舵角偏差Δδ、縦軸はフィルタf(Ps)の傾きである。図5に示すように、舵角偏差Δδが比較的小さい領域では、フィルタf(Ps)の傾きは比較的小さい一定値に維持され、舵角偏差Δδが大きくなるほどこれに比例してフィルタf(Ps)の傾きも大きくなるように設定されている。
ステップS13では、実際の減速度が前記ステップS7で算出した目標減速度Xg*となるように、制動流体圧制御装置1を駆動制御するための制御信号を生成する。
具体的には、先ず、前記ステップS7で算出した目標減速度Xg*に基づいて、下記(10)式をもとに制動流体圧Psを算出する。
Ps=Xg*×S ………(10)
P*=f(Ps) ………(11)
ステップS14では、減速制御作動フラグflg_brが制動流体圧の増圧制御を行っていることを意味する“1”にセットしてステップS15に移行する。
そして、ステップS15では、前記ステップS9又はS13で生成された制御信号を制動流体圧制御装置1に出力してからタイマ割込み処理を終了し、所定のメインプログラムに復帰する。
この図6において、(a)は操舵角センサ12で検出される操舵角δ、(b)は減速制御作動フラグflg_brの状態、(c)は舵角偏差Δδ、(d)は舵角補正フラグflg_strの状態、(e)は目標制動液体圧P*の変化状況を示している。
したがって、自車両が旋回走行しており、ドライバ舵角δが自車走行路のカーブ状態から算出されるナビ目標舵角δrに対して不足しているときには、舵角偏差Δδに応じてより大きな減速度が得られるように減速制御が行われるので、例えば、前方カーブが徐々に小さくなる場合において、運転者によるステアリングの切り増し操作が行われないことにより、車両が走行車線から逸脱傾向にある場合などでも、自車両を十分に減速させて安定走行を確保することができる。
また、ナビゲーション装置によって検知した自車走行車線前方のカーブ状態と、横加速度とに基づくナビ目標車速から目標舵角を算出し、この目標舵角とドライバによる操舵角との偏差に応じて減速制御の制御量を変更するので、道路形状に対するドライバのステアリング操作不足を的確に把握して、より減速効果を得ることができる。
この第2の実施形態は、ドライバ舵角とナビ目標舵角との偏差が所定の閾値を超えたとき、横加速度制限値を補正することにより、減速制御の制御量を変更するようにしたものである。
図7は、第2の実施形態における減速制御コントローラ10で実行される減速制御量設定処理を示すフローチャートであって、前述した第1の実施形態における図3の減速制御量設定処理において、ステップS5の後に減速制御作動フラグflg_brが“1”にセットされているか否かを判定するステップS101と、前記ステップS101の判定結果がYesであるときに舵角補正フラグflg_strが“1”にセットされているか否かを判断するステップS102と、前記ステップS102の判定がYesであるときに横加速度制限値Yg*を補正するための補正ゲインΔYgを算出するステップS103と、前記ステップS103で算出した補正ゲインΔYgに基づいて横加速度制限値Yg*を補正するステップS104とを追加し、ステップS11及びS12を削除したことを除いては図3と同様の処理を行い、図3との対応部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ステップS102では、前記ステップS3の舵角偏差算出処理で設定される舵角補正フラグflg_strが“1”にセットされているか否かを判定し、flg_str=1であるときには、ステップS103に移行する。
Yg*=Yg*×ΔYg ………(12)
一方、前記ステップS101の判定結果がflg_br=0であるときには、横加速度制限値Yg*を補正する必要はないと判断して、そのまま前記ステップS6に移行する。また、前記ステップS102の判定結果がflg_str=0であるときにも、横加速度制限値Yg*を補正する必要はないと判断して、そのまま前記ステップS6に移行する。
この図9及び図10において、(a)は操舵角センサ12で検出される操舵角δ、(b)は減速制御作動フラグflg_brの状態、(c)は舵角偏差Δδ、(d)は舵角補正フラグflg_strの状態、(e)は横加速度制限値Yg*、(f)は目標制動液体圧P*の変化状況を示している。
このように、自車両が旋回走行しており、ドライバ舵角δが自車走行路のカーブ状態から算出されるナビ目標舵角δrに対して不足しているときには、横加速度制限値Yg*を小さな値となるように補正することにより、より大きな減速度が得られるように減速制御が行われるので、例えば、前方カーブが徐々に小さくなる場合において、運転者によるステアリングの切り増し操作が行われないことにより、車両が走行車線から逸脱傾向にある場合などでも、自車両を十分に減速させて安定走行を確保することができる。
しかしながら、本実施形態においては、減速制御作動フラグflg_brの判定を行い、減速制御が作動されていない場合には、横加速度制限値Yg*の補正を行わないことにより、減速制御介入のタイミングが変更されることに起因する運転者の違和感を抑制することができる。
したがって、舵角偏差Δδが大きいときには、減速制御の介入と同時に横加速度制限値Yg*の補正を行って、目標制動液体圧P*を大きく算出するので、減速制御の介入タイミングを変更されることに起因する運転者への違和感を抑制することができると共に、減速制御の介入条件が成立したときには制御介入と同時に自車両を十分に減速させて、安定走行を確保することができる。
Yg*=Yg*−ΔYg1 ………(13)
ここで、補正値ΔYg1は舵角偏差Δδが大きくなるほど大きい値となるように設定する。このように補正することにより、舵角偏差Δδが大きいほど横加速度制限値Yg*を小さい値に補正して、減速制御量を大きくすることができる。
この第3の実施形態は、ドライバ舵角とナビ目標舵角との偏差が所定の閾値を超えたとき、目標減速度を補正することにより、減速制御の制御量を変更するようにしたものである。
図11は、第3の実施形態における減速制御コントローラ10で実行される減速制御量設定処理を示すフローチャートであって、前述した第1の実施形態における図3の減速制御量設定処理において、ステップS7の後に減速制御作動フラグflg_brが“1”にセットされているか否かを判定するステップS201と、前記ステップS201の判定結果がYesであるときに舵角補正フラグflg_strが“1”にセットされているか否かを判断するステップS202と、前記ステップS202の判定がYesであるときに目標減速度Xg*を補正するための補正ゲインΔXgを算出するステップS203と、前記ステップS203で算出した補正ゲインΔXgに基づいて目標減速度Xg*を補正するステップS204とを追加し、ステップS11及びS12を削除したことを除いては図3と同様の処理を行い、図3との対応部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ステップS202では、前記ステップS3の舵角偏差算出処理で設定された舵角補正フラグflg_strが“1”にセットされているか否かを判定し、flg_str=1であるときには、ステップS203に移行する。
Xg*=Xg*×ΔXg ………(14)
一方、前記ステップS201の判定結果がflg_br=0であるときには、目標減速度Xg*を補正する必要はないと判断して、そのまま前記ステップS8に移行する。また、前記ステップS202の判定結果がflg_str=0であるときにも、目標減速度Xg*を補正する必要はないと判断して、そのまま前記ステップS8に移行する。
この図13及び図14において、(a)は操舵角センサ12で検出される操舵角δ、(b)は減速制御作動フラグflg_brの状態、(c)は舵角偏差Δδ、(d)は舵角補正フラグflg_strの状態、(e)は目標減速度Xg*、(f)は目標制動液体圧P*の変化状況を示している。
しかしながら、本実施形態においては、減速制御作動フラグflg_brの判定を行い、減速制御が作動されていない場合には、目標減速度Xg*の補正を行わないことにより、減速制御介入のタイミングが変更されることに起因する運転者の違和感を抑制することができる。
したがって、舵角偏差Δδが大きいときには、減速制御の介入と同時に目標減速度Xg*の補正を行って、目標制動液体圧P*を大きく算出するので、減速制御の介入タイミングを変更されることに起因する運転者への違和感を防止することができると共に、減速制御の介入条件が成立したときには制御介入と同時に自車両を十分に減速させて、安定走行を確保することができる。
また、目標舵角とドライバ舵角との偏差が所定値を超え、且つ制動流体圧の増圧制御による減速制御が行われているときに、舵角偏差に応じて目標減速度を大きな値に変更するので、減速制御の介入タイミングを変更することなく十分な減速効果を得ることができ、運転者に違和感を与えることなく安定した走行を行うことができる。
Xg*=Xg*−ΔXg1 ………(15)
ここで、補正値ΔXg1は舵角偏差Δδが大きくなるほど大きい値となるように設定する。このように補正することにより、舵角偏差Δδが大きいほど目標減速度Xg*を大きい値に補正して、減速制御量を大きくすることができる。
この第4の実施形態は、アクセルペダルを操作していないときにはブレーキ制御のみを行い、アクセルペダルを操作しているときにはスロットル制御のみを行い、さらにアクセルペダル操作中に舵角偏差が所定値を越えたときには、ブレーキ制御も行うようにしたものである。
この図15において、制動流体圧制御装置1が制動流体圧制御手段に対応している。
ステップS303では、前記ステップS9と同様に、減速制御の解除処理を行ってからステップS304に移行し、減速制御作動フラグflg_brを、減速制御を行っていないことを示す“0”にリセットする。
一方、前記ステップS302の判定結果がflg_str=1であるときには、ステップS307に移行し、前記ステップS13と同様に、目標制動流体圧P*を算出してステップS308に移行する。ステップS308では、減速制御作動フラグflg_brを、減速制御を行っていることを示す“1”にセットして、前記ステップS305に移行する。
この図17において、(a)は操舵角センサ12で検出される操舵角δ、(b)は減速制御作動フラグflg_brの状態、(c)は運転者によるアクセル操作が行われているか否かを判定するドライバ介入フラグflg_drであって、flg_dr=1であるときにはアクセル操作が行われていることを意味し、逆にflg_dr=0であるときにはアクセル操作が行われていないことを意味する。
さらに、(e)舵角偏差Δδ、(f)は舵角補正フラグflg_strの状態、(g)は目標制動液体圧P*の変化状況を示している。
また、上記第4の実施形態においては、上述した第2の実施形態のように、舵角偏差Δδに応じて横加速度制限値Yg*を変更するようにしてもよい。これにより、より減速効果を得ることができる。
さらに、上記第4の実施形態においては、上述した第3の実施形態のように、舵角偏差Δδに応じて目標減速度Xg*を変更するようにしてもよい。これにより、より減速効果を得ることができる。
この第5の実施形態は、第4の実施形態において、アクセルペダルの踏込み量に応じて舵角偏差を大きく算出することにより、減速制御量を変更するタイミングを変更するようにしたものである。
図18は、第5の実施形態における舵角偏差算出処理を示すフローチャートであって、前述した第4の実施形態における図4の舵角偏差算出処理において、ステップS34の後にアクセル操作が行われているかを判定するステップS401と、前記ステップS401の判定結果がYesであるときに、アクセル操作量に応じて舵角偏差ゲインCを変更するステップS402とを追加したことを除いては図4と同様の処理を行い、図4との対応部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この図20において、(a)は操舵角センサ12で検出される操舵角δ、(b)は減速制御作動フラグflg_brの状態、(c)はドライバ介入フラグflg_drの状態、(d)はエンジン制御作動フラグflg_ecの状態、(e)舵角偏差Δδ、(f)は舵角補正フラグflg_strの状態、(g)は目標制動液体圧P*の変化状況を示している。
このように、運転者によるアクセル操作が行われているときには、アクセル開度Accに応じて舵角偏差ゲインCを変更して舵角偏差Δδを算出するので、例えば、アクセルペダルの踏込み量が大きいときには、舵角偏差Δδがより大きい値に算出されるので、減速制御が介入されやすくなる方向へ変更される。
3 エンジンスロットル制御装置
10 減速制御コントローラ
11 ヨーレートセンサ
12 操舵角センサ
13FL〜13RR 車輪速センサ
14 アクセルセンサ
15 ナビゲーション装置
15a 全国地図情報装置
15b 走行路情報装置
Claims (12)
- 自車速が車両の旋回走行状況に基づいて定められる目標車速を超えたとき、自車速を当該目標車速まで減速する減速制御を行う減速制御手段を備えた減速制御装置において、
自車走行車線前方のカーブ状態を検出するカーブ状態検出手段と、該カーブ状態検出手段で検出したカーブ状態及び運転者による操舵状態に応じて、前記減速制御手段による減速制御の制御量を補正する減速制御量補正手段とを備えていることを特徴とする減速制御装置。 - 運転者による操舵状態として操舵角を検出する操舵角検出手段と、前記カーブ状態検出手段で検出したカーブ状態に基づいて目標舵角を算出する目標舵角演算手段と、該目標舵角演算手段で算出した目標舵角と前記操舵角検出手段で検出した操舵角との偏差を算出する舵角偏差演算手段とを有し、前記減速制御量補正手段は、前記舵角偏差演算手段で算出した舵角偏差に応じて前記減速制御手段による減速制御の制御量を補正することを特徴とする請求項1に記載の減速制御装置。
- 前記目標舵角演算手段は、前記カーブ状態検出手段で検出したカーブ状態と所定の横加速度設定値とに基づいて、自車走行車線前方のカーブを前記所定の横加速度設定値で走行するための道路形状対応目標車速を算出し、該道路形状対応目標車速に基づいて目標舵角を算出することを特徴とする請求項2に記載の減速制御装置。
- 前記減速制御量補正手段は、前記舵角偏差演算手段で算出した舵角偏差が所定値を超えたとき、前記カーブ状態に応じて減速制御の制御量を補正することを特徴とする請求項2又は3に記載の減速制御装置。
- 前記減速制御手段は、制動流体圧を制御することにより減速制御を行い、前記減速制御量補正手段は、前記舵角偏差が所定値を超えたとき、前記制動流体圧の変化度合を増加する方向に変更することで減速制御の制御量を補正することを特徴とする請求項4に記載の減速制御装置。
- 前記減速制御量補正手段は、前記舵角偏差が大きいほど、前記制動流体圧の変化度合を増加する方向に変更することを特徴とする請求項5に記載の減速制御装置。
- 前記減速制御手段は、所定の横加速度制限値を下回る旋回走行状況となるように減速制御量を設定するものであって、前記減速制御量補正手段は、前記舵角偏差が所定値を超えたとき、前記横加速度制限値を小さな値に変更することで減速制御の制御量を補正することを特徴とする請求項4乃至6の何れか一項に記載の減速制御装置。
- 前記減速制御量補正手段は、前記舵角偏差が大きいほど、前記横加速度制限値を小さな値に変更することを特徴とする請求項7に記載の減速制御装置。
- 前記減速制御手段は、車両の旋回走行状況に基づいて目標減速度を算出し、当該目標減速度を実現するように減速制御量を設定するものであって、前記減速制御量補正手段は、前記舵角偏差が所定値を超えたとき、前記目標減速度を大きな値に変更することで減速制御の制御量を補正することを特徴とする請求項4乃至8の何れか一項に記載の減速制御装置。
- 前記減速制御量補正手段は、前記舵角偏差が大きいほど、前記目標減速度を大きな値に変更することを特徴とする請求項9に記載の減速制御装置。
- 前記減速制御手段は、制動流体圧を制御する制動流体圧制御手段と、スロットル開度を制御するエンジン制御手段とを有し、アクセルペダル非操作中は前記制動流体圧制御手段の制動流体圧に対する減速制御量を設定し、アクセルペダル操作中は前記エンジン制御手段のスロットル開度に対する減速制御量を設定し、アクセルペダル操作中に前記舵角偏差が所定値を超えたとき、前記スロットル開度及び前記制動流体圧に対する減速制御量を設定するように構成されていることを特徴とする請求項2乃至10の何れか一項に記載の減速制御装置。
- 前記減速制御量補正手段は、アクセルペダル操作中は、アクセルペダルの踏込み量が大きいほど前記舵角偏差が所定値を超えやすくなる方向に当該舵角偏差を補正することで、前記制動流体圧制御手段による減速制御を介入し易くすることを特徴とする請求項11に記載の減速制御装置。
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